JPH06113852A - オリゴヌクレオチドを用いるイネ品種の識別方法 - Google Patents

オリゴヌクレオチドを用いるイネ品種の識別方法

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JPH06113852A
JPH06113852A JP4271762A JP27176292A JPH06113852A JP H06113852 A JPH06113852 A JP H06113852A JP 4271762 A JP4271762 A JP 4271762A JP 27176292 A JP27176292 A JP 27176292A JP H06113852 A JPH06113852 A JP H06113852A
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JP
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genomic dna
rice
variety
oryza sativa
minutes
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JP4271762A
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Toshiya Yamamoto
俊哉 山本
Akira Nishikawa
晶 西川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の配列からなるオリゴヌクレオチドをプ
ライマーとして用いて、ポリメラーゼチェイン反応によ
りイネ( Oryza sativa L. )植物のゲノムDNAを増
幅し、該増幅ゲノムDNAを電気泳動にて分離後、増幅
ゲノムDNAの視覚検出を行なうことを特徴とするイネ
Oryza sativa L. )品種の識別方法。 配列 5'−GTTCGGTCCAC−3' 【効果】 本発明方法は、本発明で用いられるオリゴヌ
クレオチドをプライマーとして用いて、ポリメラーゼチ
ェイン反応を利用することにより、イネ( Oryza sativa
L. )品種をより簡便にかつ効率よく識別する効果を有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オリゴヌクレオチドを
用いるイネ( Oryza sativa L. )品種の識別方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、イネ( Oryza sativa L. )品種
の識別方法として、たとえば草丈、穂の形や大きさ、籾
の形や大きさ、玄米の形や大きさ、葉の形等の形態の差
異による方法、穂、籾、玄米、葉等の色の差異による方
法、出穂期、耐冷性、病虫害抵抗性、日長に対する反応
等の生理的特徴の差異による方法、アイソザイム、貯蔵
タンパク質等のタンパク質レベルの差異による方法が知
られている。一方、最近では、RFLP法(Restrictio
n Fragment Length Polymorphism)によるイネ( Oryza
sativa L. )品種の識別方法が、たとえば Z.Y.Wang a
ndS.D.Tanksley、GENOME、第32巻、第1113頁から第1118
頁(1989年)等に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、形態、
色、生理的特徴の差異による方法では、実際に前記の形
質について調査可能になるまで栽培し、その品種の特徴
を調査するしかなかった。このため、大規模な栽培施設
や労力が要求され、栽培期間に相当する時間がかかるこ
とになる。また、タンパク質レベルの差異による方法で
は、品種を識別するのに十分な差異が得られにくく、ま
た経験や労力を要する。一方。RFLP法による識別方
法では、ゲノムDNAの制限酵素処理、サザンブロット
ハイブリダイゼーション(標識DNAプローブとのハイ
ブリッド形成)等に非常に労力がかかる。したがって、
イネ( Oryza sativa L. )品種のより簡便なかつ効率
よい識別方法の開発が待ち望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況を鑑み、よりすぐれたイネ( Oryza sativa L. )品
種の識別方法を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、ある
特定の配列からなるオリゴヌクレオチドをプライマーと
して用いて、ポリメラーゼチェイン反応を利用すること
により、イネ( Oryza sativa L. )品種のより簡便な
かつ効率よい識別方法を見い出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の配列からなるオリゴヌクレ
オチドをプライマーとして用いて、ポリメラーゼチェイ
ン反応によりイネ( Oryza sativa L. )植物のゲノム
DNAを増幅し、該増幅ゲノムDNAを電気泳動にて分
離後、増幅ゲノムDNAの視覚検出を行なうことを特徴
とするイネ( Oryza sativa L. )品種の識別方法(以
下、本発明方法と記す。) 配列 5'−GTTCGGTCCAC−3'(以下、配列番
号1と記す。) を提出するものである。
【0005】本発明方法は、たとえば、品種の純度検
定、保存中における変異株のチェック、係争裁定および
親子鑑定(F1植物検定を含む)等においてきわめて有
用である。すなわち、対象植物を充分成長するまでの長
期間栽培して所期の品種であるか否かを検定する手間を
省略して、前記の対象植物の種子、幼植物等の段階で直
ちに所期の品種であるか否かの検定を行なうことが可能
であり、これは品種の純度検査において検査の迅速・簡
素化、保存中における変異株のチェックにおいて原原種
生産・遺伝種子資源の保存状態の検査の迅速・簡素化、
登録品種の権利侵害があった場合の係争裁定において栽
培環境等で変化しない等の高度な証拠の提出の迅速化お
よび親子鑑定(F1植物検定を含む)において品種改良
の効率化、F1種子生産での品質管理の低コスト化にな
る。
【0006】本発明方法においてイネ( Oryza sativa
L. )植物のゲノムDNAは、たとえば最新農学実験の
基礎、東北大学農学部農学科編、1990 東京・(株)ソ
フトサイエンス社発行および生物化学実験のてびき 3
核酸の分離・分析法 泉美治ら共編 1986年京都・
(株)化学同人等に記載される通常のDNA抽出方法に
よって行なうことができる。具体的には、たとえば、供
試植物の緑葉等の組織を液体窒素中で磨砕する(種子を
用いる場合は、たとえば種皮を除いた後の組織を用いる
ことが望ましい。)。該磨砕物に臭化セチルトリメチル
アンモニウム(CTAB)溶液を添加して、インキュベ
ート後、クロロホルム−イソアミルアルコールを加えて
よく混和する。遠心分離により水層を分離・回収し、こ
れにイソプロピルアルコールを加えて混和する。遠心分
離により沈澱部を回収後、たとえばEDTA等含有の緩
衝液を加えて溶解し、RNase 処理する。処理後、フェノ
ール、フェノールとクロロホルム−イソアミルアルコー
ル、クロロホルム−イソアミルアルコールの順序で溶媒
を置換する。置換処理後、エタノールを加えてよく混和
し、遠心分離によりゲノムDNAを得る方法をあげるこ
とができる。
【0007】本発明方法で用いられるオリゴヌクレオチ
ドは、たとえばβ−シアノエチルホスホアミダイト法や
チオホスファイト法を用いる市販の自動DNA合成装置
によって得ることができる。
【0008】本発明においてイネ( Oryza sativa L.
)植物のゲノムDNAの増幅は、本発明方法で用いら
れるオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、ポ
リメラーゼチェイン反応により行なう。ポリメラーゼチ
ェイン反応は、変性工程、プライマーのアニーリング工
程およびDNAポリメラーゼによる伸長工程からなるD
NA複製サイクルを繰り返して行なう反応であり、たと
えばSaiki ら、Science、第 230巻、第1350頁から第135
4頁(1985年) やWilliamsら、Nucleic Acids Researc
h、第18巻、第22号、第6531頁から第6535頁(1991年)
等に通常の方法が記載されている。
【0009】本発明において上記ポリメラーゼチェイン
反応として、たとえば、あらかじめ本発明オリゴヌクレ
オチド、DNAポリメラーゼ、4種類の塩基(dATP、dT
TP、dCTP、dGTP)およびイネ( Oryza sativa L. )植
物のゲノムDNAを加えた約1.0mM から約4.0mM 、好ま
しくは約1.5mM から約3.0mM の塩化マグネシウム等を含
有する増殖用緩衝液中で、約20回から約50回、好ま
しくは約25回から約40回DNA複製サイクルを繰り
返して行なうことをあげることができる。さらに、ポリ
メラーゼチェイン反応における各工程は、たとえば下記
の条件等で行なうことができる。変性工程は、たとえ
ば、通常約90℃から約95℃、好ましくは約94℃か
ら約95℃で、約1分間から約3分間、好ましくは約1
分間から約2分間加熱することにより行なう。プライマ
ーのアニーリング工程は、たとえば、通常約30℃から
約60℃で、好ましくは約35℃から約55℃で、約1
分間から約3分間、好ましくは約1分間から約2分間プ
ライマーとインキュベートすることにより行なう。プラ
イマーは本発明オリゴヌクレオチドを単独で用いる、ま
たは併用することができる。DNAポリメラーゼによる
伸長工程は、たとえば、通常約70℃から約73℃、好
ましくは約72℃から約73℃で、約1分間から約4分
間、好ましくは約2分間から約3分間耐熱性DNAポリ
メラーゼ処理すること等により行なう。耐熱性DNAポ
リメラーゼとしては、たとえば、宝酒造株式会社製の耐
熱性DNAポリメラーゼ等の市販のものをあげることが
できる。
【0010】上記方法により得られた増幅ゲノムDNA
は、通常DNAの分離に用いられる電気泳動法によって
分離される。一般には、1000塩基対以下の短かいDNA
断片の分離では、約3%から約20%のポリアクリルア
ミドゲルが、また、それ以上に長いDNAの分離では約
0.2%から約2%のアガロースゲルをあげることができ
る。好ましくは、約1%から約2%のアガロースゲルが
適している。電気泳動に用いられる緩衝液としては、Tr
is−リン酸系(pH7.5-8.0)、Tris−酢酸系(pH7.5-8.
0)、Tris−ホウ酸系(pH7.5-8.3)等があげられ、好まし
くはTris−酢酸系をあげることができる。また必要に応
じて、EDTA等を添加することもできる。電気泳動の
条件としては、たとえば、100V、40分間および5
0V、80分間等をあげることができる。サイズマーカ
ーとしては、ラムダDNAを制限酵素Hind IIIによって
完全加水分解したもの、たとえば、宝酒造株式会社製の
市販のものを用いることができる。
【0011】本発明方法において増幅ゲノムDNAの視
覚検出としては、たとえば、エチジウムブロミド等のフ
ェナントリジン系の色素で、かつ核酸と相互作用するよ
うな物質を用いる染色法によって、DNAを検出する方
法をあげることができる。該染色法は、あらかじめ電気
泳動に用いられる緩衝液に、たとえば、終濃度として約
0.5μg/mlのエチジウムブロミド等の物質を加えておく
と、暗所で254nmまたは366nm等の紫外線をゲルに
照射することによって、電気泳動中でも、DNAとエチ
ジウムブロミドの結合体の赤色バンドを検出できるが、
通常、電気泳動終了後に、ゲルをエチジウムブロミド等
の物質の溶液に約15分間から約60分間浸してから暗
所で254nmまたは366nm等の紫外線をゲルに照射す
ることによって、DNAとエチジウムブロミドの結合体
の赤色バンドを検出する。結果、検出された増幅ゲノム
DNAの存在有無によってイネ( Oryza sativaL. )
品種を区別することが可能となる。必要に応じて電気泳
動によって分離された各種サイズ(分子量)の増幅ゲノ
ムDNAの存在有無を組み合せることによってもイネ
Oryza sativa L. )品種を識別することができる。
さらに、プライマーとして、本発明方法で用いられるオ
リゴヌクレオチドとイネ品種の識別に用いることのでき
る他のオリゴヌクレオチドの組み合せにより併用すれ
ば、より詳細で、正確な品種間の識別を可能にする。ま
た同定の精度または品種間の識別能力をさらに高める場
合、プライマーのアニーリング工程の温度、反応用緩衝
液中のマグネシウム濃度等のポリメラーゼチェイン反応
の条件を変化させて同一な挙動を示すか否かを調べるこ
とにより可能である。
【0012】
【実施例】以下、実施例についてさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例になんら限定されるもので
はない。
【0013】実施例1 (ゲノムDNAの抽出) イネ( Oryza sativa L. )品種として、黄金晴(ジャ
ポニカ、以下、品種番号1と記す。)、アケノホシ(ジ
ャポニカ、以下、品種番号2と記す。)、コシヒカリ
(ジャポニカ、以下、品種番号3と記す。)、日本晴
(ジャポニカ、以下、品種番号4と記す。)、関東13
8号(ジャポニカ、以下、品種番号5と記す。)、オオ
チカラ(ジャポニカ、以下、品種番号6と記す。)、ト
ヨハタモチ(ジャポニカ、以下、品種番号7と記
す。)、S201(ジャポニカ、以下、品種番号8と記
す。)、Calrose 76(ジャポニカ、以下、品種番号9と
記す。)、天摩(ジャポニカ、以下、品種番号10と記
す。)、科晴3号(ジャポニカ、以下、品種番号11と
記す。)、雲粳21号(ジャポニカ、以下、品種番号1
2と記す。)、台中65号(ジャポニカ、以下、品種番
号13と記す。)、Bahia(ジャポニカ、以下、品種番号
14と記す。)、Lido(ジャポニカ、以下、品種番号1
5と記す。)、IRAT 13(ジャヴァニカ、以下、品種番号
16と記す。)、Dubovsky 129(インディカ、以下、品
種番号17と記す。)、トヨニシキ(ジャポニカ、以
下、品種番号18と記す。)、Lokt-jan(ジャヴァニ
カ、以下、品種番号19と記す。)、IR36(インデ
ィカ、以下、品種番号20と記す。)、青二矮(インデ
ィカ、以下、品種番号21と記す。)、紅陽矮(インデ
ィカ、以下、品種番号22と記す。)、密陽23号(イ
ンディカ、以下、品種番号23と記す。)、Krishna(イ
ンディカ、以下、品種番号24と記す。)、Mahsuri(イ
ンディカ、以下、品種番号25と記す。)、RD3(イ
ンディカ、以下、品種番号26と記す。)、台中在来1
号(インディカ、以下、品種番号27と記す。)、Chin
surah Boro II(インディカ、以下、品種番号28と記
す。)、BG367-4(インディカ、以下、品種番号29と記
す。)、L201(ジャヴァニカ、以下、品種番号30
と記す。)、Kartuna(ジャヴァニカ、以下、品種番号3
1と記す。)、Mudgo(インディカ、以下、品種番号32
と記す。)、Saji(ジャヴァニカ、以下、品種番号33
と記す。)を用いた。上記のイネ( Oryza sativa L.
)植物の各種品種の緑葉組織(生重量3g)を細かく
切り刻んで、該組織片を約100mlの液体窒素中に1
分間浸し、凍結させた。該凍結物を乳鉢と乳棒を用い
て、液体窒素中で粉末状にした後、液体窒素を気化させ
た。得られた粉末をあらかじめ60℃に保温しておいた
10mlの2%(w/v) CTAB溶液に入れ、よく混合し
た。60℃で、30分間インキュベート後、さらに等量
のクロロホルム−イソアミルアルコール(クロロホル
ム:イソアミルアルコール=24:1)を加え、15分
間振とう混合した。該混合物を遠心分離(1940g,
15分間)して得られる水層を回収して、これに0.7
倍量のイソプロピルアルコールを加え、振とう混合し
た。該混合物を遠心分離(1940g,15分間)して
得られる沈澱を回収した。5分間風乾させた後、これに
1mlの1mM EDTAを含有する20mM Tris−塩酸
緩衝液(pH7.5)を加え、懸濁した。沈澱が完全に
溶解した後、2.5ユニットの RNase(ベーリンガーマ
ンハイム社製)を加え、37℃で、45分間インキュベ
ートした。さらに1mlのフェノールを加え、10分間
振とうした。そして遠心分離(1940g、10分間)
によって得られた水層を回収後、これに0.5mlのフ
ェノールと1mlのクロロホルム−イソアミルアルコー
ル(クロロホルム:イソアミルアルコール=24:1)
を加え、10分間振とうした。これを遠心分離(194
0g,10分間)して得られた水層を回収し、次に1m
lのクロロホルム−イソアミルアルコール(クロロホル
ム:イソアミルアルコール=24:1)を加え、10分
間振とうした。これを遠心分離(1940g,5分間)
して得られた水層を回収し、次に0.1mlの3M酢酸
ナトリウムおよび2.5mlのエタノールを加え、数回
振とう混合した。遠心分離(1940g、10分間)に
よって得られた沈澱を回収後、該沈澱に1mlの70%
のエタノールを加え、洗浄した。60分間風乾によりエ
タノールを除去して、イネ( Oryza sativa L. )植物
の各種品種のゲノムDNAを約 100μg得た。
【0014】実施例2 あらかじめプライマーとして40ピコモルの配列番号1
で示される配列からなる本発明方法で用いられるオリゴ
ヌクレオチド(宝酒造株式会社製委託合成物)、 2.5ユ
ニットの耐熱性DNAポリメラーゼ(宝酒造株式会社
製) 1.0ナノモルの4種の各々塩基(dATP、dTTP、dCT
P、dGTP)および 0.1μgの実施例1で得られた各種の
イネ( Oryza sativa L. )品種のゲノムDNAを加え
た0.01%ゲラチン、50mMの塩化カリウム、 1.5mMの塩
化マグネシウムを含有する10mMのTris−塩酸緩衝液(p
H8.3) 中で、ポリメラーゼチェイン反応を行なった。反
応液量は20μlとし、反応液の蒸発を防ぐために約2
0μlのミネラルオイルを添加した。上記のポリメラー
ゼチェイン反応における各工程は下記の条件で行なっ
た。変性工程は94℃で、5分間加熱し、プライマーの
アニーリング工程は55℃で、2分間プライマーとイン
キュベートし、DNAポリメラーゼによる伸長工程は7
2℃で、3分間耐熱性DNAポリメラーゼ処理する第1
サイクルを1回行なった後、変性工程は94℃で、1分
間加熱し、プライマーのアニーリング工程は55℃で、
2分間プライマーとインキュベートし、DNAポリメラ
ーゼによる伸長工程は72℃で、3分間耐熱性DNAポ
リメラーゼ処理する第2サイクルを40回行ない、さら
に変性工程は94℃で、1分間加熱し、プライマーのア
ニーリング工程は55℃で、2分間プライマーとインキ
ュベートし、DNAポリメラーゼによる伸長工程は72
℃で、10分間耐熱性DNAポリメラーゼ処理する第3
サイクルを1回行なう。得られた増幅ゲノムDNAは、
1.5%アガロースゲルを用いて、1mM EDTAを含有
する40mM Tris−20mM酢酸緩衝液(pH8.0)中
で、50V、80分間電気泳動して分離した。その際に
サイズマーカーとして、宝酒造株式会社製のpHY D
NAマーカーを用いた。分離終了後、ゲルを 0.5μg/ml
のエチジウムブロミド水溶液に30分間浸漬してから暗
所で254nmの紫外線をゲルに照射することによって、
DNAとエチジウムブロミドの結合体の赤色バンドを検
出した。結果を表1〜3に示した。約 890、約 790bpの
増幅ゲノムDNAが検出され、33品種のイネ( Oryza
sativa L. )植物を4タイプに識別することができた。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】 * +:増幅ゲノムDNAが検出された。 −:増幅ゲノムDNAを検出できなかった。
【0018】実施例3 ポリメラーゼチェイン反応におけるプライマーのアニー
リング工程を55℃のかわりに45℃で行なった以外は
実施例2と同様な試験を行なった。結果を表4〜6に示
した。約 950、約 900bpの増幅ゲノムDNAが検出さ
れ、33品種のイネ( Oryza sativa L. )植物を4タイ
プに識別することができた。
【0019】
【表4】
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】 * +:増幅ゲノムDNAが検出された。 −:増幅ゲノムDNAを検出できなかった。
【0022】実施例4 ポリメラーゼチェイン反応におけるプライマーのアニー
リング工程を55℃のかわりに36℃で行なった以外は
実施例2と同様な試験を行なった。結果を表7〜9に示
した。約1500、約 900bpの増幅ゲノムDNAが検出さ
れ、33品種のイネ( Oryza sativa L. )植物を4タイ
プに識別することができた。
【0023】
【表7】
【0024】
【表8】
【0025】
【表9】 * +:増幅ゲノムDNAが検出された。 −:増幅ゲノムDNAを検出できなかった。
【0026】実施例5 (各種のオリゴヌクレオチドを
用いる品種の識別方法) 品種番号1から33の各種のイネ( Oryza sativa L.
)品種の種子からゲノムDNAを実施例1に準じて抽
出し、本発明で用いるオリゴヌクレオチドを別々に用い
て、前記の実施例に準じて増幅ゲノムDNAを検出す
る。検出される増幅ゲノムDNAに基づき各種の本発明
オリゴヌクレオチドにおける品種タイプを区別し、さら
に該品種タイプから各種品種を識別する。結果、表10
〜12に示すように10タイプに識別することができ
る。
【0027】
【表10】
【0028】
【表11】
【0029】
【表12】
【0030】実施例12 (品種の純度検査) 種子生産のために栽培された品種番号7(トヨハタモ
チ)のイネ( Oryza sativa L. )植物から種子を得
る。該種子50粒を育苗培土をつめたポットに1粒ずつ
播種して温室内で栽培する。健全に生育した幼植物20
個体から各々のゲノムDNAを実施例1に準じて抽出
し、本発明で用いるオリゴヌクレオチドを用いて、実施
例2に準じて増幅ゲノムDNAを検出する。検出される
増幅ゲノムDNAと品種番号7のイネ( Oryza sativa
L. )品種が本来所有する増幅ゲノムDNA(約 790b
p)および所有しない増幅ゲノムDNA(約 890bp)と
の差異を調べる。結果、品種番号7のイネ( Oryza sa
tiva L. )品種が本来所有する増幅ゲノムDNA(約 7
90bp)および所有しない増幅ゲノムDNA(約 890bp)
と異なる増幅ゲノムDNAが検出された供試種子は不純
物であり、この数より純度を算出することができる。な
お、純度検査の精度を高めるには複数のオリゴヌクレオ
チドを併用することにより可能である。
【0031】実施例13 (保存中における変異株のチ
ェック) 遺伝種子資源として保存された品種番号28のイネ( O
ryza sativa L. )品種の種子50粒から各々のゲノム
DNAを実施例1に準じて抽出し、本発明で用いるオリ
ゴヌクレオチドを用いて、実施例2、3および4の各々
に準じて増幅ゲノムDNAを検出する。検出される増幅
ゲノムDNAと品種番号28のイネ( Oryza sativa
L. )品種が本来所有する増幅ゲノムDNA(約1500b
p,約 950bp,約900bp,約 890bp, 約790bp )との差異
を調べる。結果、品種番号28のイネ( Oryza sativa
L. )品種が本来所有する増幅ゲノムDNA(約1500b
p,約 950bp,約900bp,約 890bp, 約790bp )と異なる
増幅ゲノムDNAが検出された供試種子は変異株であ
り、この数より変異率を算出することができる。なお、
変異率の精度を高めるには複数のオリゴヌクレオチドを
併用することにより可能である。
【0032】実施例14 (係争裁定での利用) 登録品種の種子20粒を育苗培土をつめたポットに1粒
ずつ播種して温室内で栽培する。健全に生育した幼植物
10個体からゲノムDNAを実施例1に準じて抽出し、
本発明で用いられるオリゴヌクレオチドを用いて、実施
例2、3および4の各々に準じて増幅ゲノムDNAを検
出する。次に実施例5に準じて検出される増幅ゲノムD
NAに基づき品種タイプを区別し、さらに該品種タイプ
から登録品種の識別タイプを決定する。イ号品種の種子
10粒を育苗培土をつめたポットに1粒ずつ播種して温
室内で栽培する。健全に生育した幼植物5個体からゲノ
ムDNAを実施例1に準じて抽出し、本発明で用いられ
るオリゴヌクレオチドを用いて、実施例2から4に準じ
て増幅ゲノムDNAを検出する。次に実施例5に準じて
検出される増幅ゲノムDNAに基づき品種タイプを区別
し、さらに該品種タイプから品種の識別タイプを調べ
る。結果、登録品種の識別タイプとイ号品種の識別タイ
プの比較により、同一品種であるかほぼ推定する証拠を
迅速に、精度よく、かつ環境等で変化ぜずに得るここと
ができる。なお、同定の精度をさらに高めるにはポリメ
ラーゼチェイン反応の条件をさらに変化させて同一な挙
動を示すか否かを調べることにより可能である。
【0033】実施例15 (親子鑑定での利用:F1植
物検定) 品種番号17のイネ( Oryza sativa L. )品種を母親
とし、品種番号18のイネ( Oryza sativa L. )品種
を父親として得られた植物の種子50粒から各々のゲノ
ムDNAを実施例1に準じて抽出し、本発明で用いるオ
リゴヌクレオチドを用いて、実施例2、3および4の各
々に準じて増幅ゲノムDNAを検出する。検出される増
幅ゲノムDNAと品種番号17のイネ( Oryza sativa
L. )品種が本来所有する増幅ゲノムDNA(約1500b
p, 約950bp,約 900bp, 約890bp )および品種番号18
のイネ( Oryza sativa L. )品種が本来所有する増幅
ゲノムDNA(約 900bp, 約890bp,約 790bp)との差異
を調べる。結果、母親および父親由来の約 1500bp,約 9
50bp, 約900bp,約 890bp ,約 790bp の増幅ゲノムDN
Aを所有する供試植物が識別され、F1植物であること
を迅速に判定できる。
【0034】
【発明の効果】本発明方法は、本発明で用いられるオリ
ゴヌクレオチドをプライマーとして用いて、ポリメラー
ゼチェイン反応を利用することにより、イネ( Oryza
sativaL. )品種をより簡便にかつ効率よく識別する効
果を有する。
【配列表】
【0035】配列番号:1 配列の長さ:10 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 GTTCGGTCCAC 10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の配列からなるオリゴヌクレオチドを
    プライマーとして用いて、ポリメラーゼチェイン反応に
    よりイネ( Oryza sativa L. )植物のゲノムDNAを
    増幅し、該増幅ゲノムDNAを電気泳動にて分離後、増
    幅ゲノムDNAの視覚検出を行なうことを特徴とするイ
    ネ( Oryza sativa L. )品種の識別方法。 配列 5'−GTTCGGTCCAC−3'
JP4271762A 1992-10-09 1992-10-09 オリゴヌクレオチドを用いるイネ品種の識別方法 Pending JPH06113852A (ja)

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