JPH06113731A - 粉体漬物の素およびその使用 - Google Patents

粉体漬物の素およびその使用

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JPH06113731A JP26018792A JP26018792A JPH06113731A JP H06113731 A JPH06113731 A JP H06113731A JP 26018792 A JP26018792 A JP 26018792A JP 26018792 A JP26018792 A JP 26018792A JP H06113731 A JPH06113731 A JP H06113731A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本格的で風味豊かな漬物を製造する手段を提
供する。 【構成】 粉体調味料と乳酸菌または/および漬物の発
酵に関与する酵母の乾燥菌体を含む混合粉体からなる、
粉体漬物の素。漬物用植物を上記の粉体漬物の素によっ
て発酵させることを特徴とする漬物の製造法。上記の製
造方法によって本格的で風味豊かな漬物を容易に製造す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、本格的な漬物が容易に
できる乳酸菌、酵母を含んだ粉体漬物の素およびその使
用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】日本人は古来から漬物を嗜好してきてお
り、現在でも根強い人気を保っている。しかし、最近は
加工食品の流通の進歩により簡単にスーパー等で購入で
きるようになり、家庭で漬物を作るということが減って
きているのが現状である。そのため漬物といってもかな
りバラエティ化されてきており、その種類は判断がつか
ないほどである。その中でもスーパー等で特に目につく
ものが浅漬と称されるものである。浅漬は、低塩分で短
時間漬けられたものであり、漬物か生野菜か区別がつか
ないものかまたは種々の調味料等を駆使したいわゆる調
味液漬にしたもののいずれかである。また一方では、漬
物の素と称して液体あるいは粉体の浅漬の素も市販され
てきており、簡便に浅漬が作れるようにもなってきてい
る。しかしながら、これらはいずれも漬物本来の乳酸菌
あるいは酵母が作用して作られたものではなく、その点
では従来から日本人が嗜好してきた漬物とは異なってき
ており、微生物が作用することにより生じる漬物独特の
風味を有した本来の漬物の割合は減少してきている。
【0003】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】漬物の発酵には、乳酸
菌あるいは酵母が関与することは一般的に知られてい
る。従来の漬物は、塩分等の条件を設定することによ
り、野菜に付着する微生物により自然発酵の形で作られ
ている。しかし、過度に発酵すればいわゆる漬物臭が強
くなりすぎ、このような漬物は最近では敬遠されがちで
ある。以上のような理由で漬物風味豊かな発酵漬物は最
近の低塩嗜好の中で作ることは困難になってきている。
また近年は浅漬の素と称して野菜を調味液に浸漬させて
短時間で食することができるものが販売されてきている
が、乳酸菌あるいは酵母の関与はなく本来の漬物とはい
い難い。本発明は上記のような問題を解決し、本格的で
風味豊かな漬物を製造する手段を提供することを目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】風味豊かな発酵漬物を製
造するためには、乳酸菌もしくは漬物の発酵に関与する
酵母が不可欠である。しかし、乳酸菌は胞子を形成せず
その活性を長時間維持するのは困難である。特に、液状
の中で活性を維持するのは至難の技である。そこで本発
明者らは、菌体を乾燥することにより粉末化し、これを
粉体調味料と混合することにより長期間その活性を維持
することができることを見出し、この知見をもとに本発
明を完成させるに至った。すなわち、本発明による粉体
漬物の素は、粉体調味料と乳酸菌または/および漬物の
発酵に関与する酵母の乾燥菌体とを含む混合粉体からな
るものである。乾燥菌体の好ましい態様は、低温感受性
乳酸菌、高塩耐性乳酸菌、低温生育乳酸菌および高発酵
能乳酸菌からなる群から選ばれる一種の菌または二種以
上の菌の組合せからなるものである。また、本発明によ
る漬物の製造法は、漬物用植物を上記の粉体漬物の素に
よって発酵させること、を特徴とするものである。更
に、本発明による漬物は、上記の製造法によって製造さ
れたものである。
【0005】〔発明の具体的説明〕粉体漬物の素 本発明による粉体漬物の素は、粉体調味料と乳酸菌また
は/および漬物の発酵に関与する酵母の乾燥菌体とを含
む混合粉体からなるもの、すなわち、植物の乳酸醗酵に
関与する通常の乳酸菌、酵母および特殊な性質を持った
乳酸菌を単独でまたは複数種組合せて乾燥菌体とし、こ
れを粉末の調味料とブレンドした漬物の素であり、野菜
とまぶすことにより浅漬風、本格漬物風味など目的に応
じた酸味、風味が付与されるものである。また、本発明
による漬物の素は、必要とする菌の乾燥菌体を粉体調味
料との混合物とすることにより、菌の活性を常温保存で
長期間(6ケ月以上)維持させることができるものであ
る。
【0006】(1)乾燥菌体 本発明における乾燥菌体として使用される菌は、乳酸菌
および漬物の発酵に関与する酵母であることは上記した
ところである。本発明でいう乳酸菌は、炭水化物を分解
して乳酸を生成する微生物であって通常食品(特に漬
物)分野に使用されるもの、具体的にはたとえばラクト
バチルス属(たとえばLactobacillus plantarum La
ctobacillus casei Lactobac illus carvatus
ど)、ロイコノストック属(たとえばLeuconostoc me
sent eroides など)、ペディオコッカス属(たとえばPe
diococcus halophilusなど)、ラクトコッカス属(た
とえばLactococcus faecalisなど)およびそれらの変
異株(一種の菌の変異によるものの他に融合微生物も含
む)であり、次に述べるような特定の菌学的性質を有す
る変異株が特に好ましい。特定の菌学的性質を有する乳
酸菌変異株は、具体的には低温感受性乳酸菌(常温では
通常通りの発酵を行うが、低温に保存することにより生
育がほとんど停止してしまう菌)、高塩耐性乳酸菌(1
5%以上の高塩分でも乳酸発酵可能な菌)、低温生育性
乳酸菌(10℃以下の温度でも容易に乳酸発酵する
菌)、乳酸発酵能の高い(常温で)乳酸菌である。この
ような変異株は、変異剤、紫外線照射あるいはX線照射
等の通常の変異処理によって目的の性質を有する変異菌
株として得ることができるものであって、上記のような
特定の性質を除いては基本的に対応するもとの菌株の菌
学的性質と変わらない。低温感受性乳酸菌の代表例とし
てはLactobacillus plantarum LTSM175株
(微工研菌寄第11552号(FERM P−1155
2))が、高塩耐性乳酸菌の代表例としては高塩耐性乳
酸菌融合株F6株(微工研菌寄第12226号(FER
M P−12226))が、低温生育性乳酸菌の代表例
としては(Leuconostoc sp. GLT36)(微工研菌
寄第13131号(FERM P−13131))が、
乳酸発酵能の高い乳酸菌の代表例としてはLactobacillu
s plantarum No. 14(微工研菌寄第11550号(F
ERM P−11550))がそれぞれあげられ、これ
らの乳酸菌変異株の培養特性もしくは生育特性は、図1
〜4に示される通りである。上記の乳酸菌変異株に関す
る変異処理(微生物融合のための融合処理も含む)ある
いは菌学的性質などの詳細については、特願平2−17
4919号および特願平3−240380号明細書に記
載されている。なお、低温生育性乳酸菌の代表例である
乳酸菌FERM P−13131は下表のような菌学的
性質を有するものである。
【0007】
【表1】 本発明でいう酵母は、漬物の発酵に関与するものであ
り、具体的には例えばサッカロミセス属(たとえばSacc
haromyces rouxii)、ピヒア属(たとえばPich ia me
mbranaefaciens)、デバリオマイセス属(たとえばDeba
ryomyces hansen ii)、キャンディダ属(たとえばCand
ida brumptii)、トルロプシス属(たとえばTorulops
is holmii)などがあげられる。後述するように、目的
の用途に応じて上記乳酸菌および漬物の発酵に関与する
酵母を一種類または二種類以上の組合せで、好ましくは
前記の乳酸菌変異株を一種類または二種類以上の組合せ
で乾燥菌体として用いることができる。二種類以上の菌
の組合せの好ましい例としては、前記4種の乳酸菌変異
株から選ばれたものであって、低温感受性乳酸菌と低温
生育性乳酸菌の組合せ、高発酵能乳酸菌と高塩耐性乳酸
菌の組合せがあげられる。菌体の乾燥法としては、通常
の凍結乾燥法、L−乾燥法、その他常圧乾燥法など合目
的的な任意の乾燥法が可能であるが、好ましくはL−乾
燥法で菌体を乾燥することにより、菌体に損傷を与える
ことなく効率よく乾燥菌体を調製することができる。L
‐乾燥法による乾燥菌体の一般的な調製方法は、下記の
ような手順として要約的に示すことができる。培養 (目的の菌に適した培地による菌の培養)→集菌
(遠心分離あるいはろ過など)→分散媒に懸濁(適当な
菌濃度の菌液)→真空乾燥(通常の条件)→粉砕(粉状
もしくは微粒子状)→保管(アンプル、バイアルびん
等)。 ここで、懸濁工程の分散媒は、真空乾燥工程の間に細菌
に実質的な活性(乳酸発酵能など)の低下を与えない合
目的的な任意の媒質を用いることができ、このような媒
質としては水、食塩水(たとえば生理食塩水)、種々の
緩衝溶液(たとえばリン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝
液)、各種塩類溶液(たとえば組織培養用塩類溶液)な
どがあげられるが、緩衝溶液または塩類溶液が好まし
く、その具体的な好ましい例として下記のような組成を
基本とする緩衝溶液があげられる。 (分散媒の例) リン酸緩衝液(1/100〜1M、通常1/10Mの濃
度) グルタミン酸ナトリウム(1〜10%、通常3%の濃
度) 食塩(使用する菌の特性に適した濃度、通常0〜10
%) 上記の組成を基本とし、グルタミン酸ナトリウムを他の
任意の溶質(たとえばデキストリン)に代えたりこれを
除くことも可能である。食塩の濃度は塩に対する菌の感
受性によって適当な濃度にすればよいが、たとえば上記
高塩耐性乳酸菌の場合には高濃度に設定できる。分散媒
に懸濁する菌の濃度は、特に限定されることはないが、
通常107 〜1010/ml程度である。上記したL‐乾燥
法を含めた種々の乾燥法についての詳細は、一般的な成
書または文献、たとえば「微生物の保存法」、初版、東
京大学出版会、1977年3月、に記載されている。
【0008】(2)粉体調味料 本発明における粉体調味料としては、食品分野で通常用
いられる粉状もしくは微粒子状の調味料であれば任意の
ものでよいが、そのようなものとして例えば、塩類(た
とえば食塩、グルタミン酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、コハク酸ナトリウム)、糖類(たとえば単糖類(た
とえばグルコース、ガラクトース、フルクトース)、二
糖類(たとえば乳糖、ショ糖)多糖類(たとえばデキス
トリン、デンプンなど))、オリゴペプチド(たとえば
たん白加水分解物など)、たん白質(たとえばカゼイン
など)、旨味調味料(たとえばカツオパウダー、コンブ
パウダー)、香料(たとえばガーリック粉末、唐辛子、
乾燥しそ、こしょう)等を用いることができる。粉体調
味料は、上記したようなものを単独または2種以上の組
合せで使用することができるが、漬物製造後の風味、味
覚などの点から2種以上を適当に組合せることが好まし
い。粉体調味料の一般的な好ましい例は、食塩、糖(乳
糖、デキストリンなど)、食塩以外の塩(酢酸ナトリウ
ム、グルタミン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウムな
ど)、旨味調味料(カツオパウダーなど)、粉体香料
(ガーリック粉末、唐辛子、乾燥しそなど)を組合せた
ものを基本とするものであり、組合せの増減あるいは配
合割合は漬物製造後の風味、味覚の好みなどの点から任
意に設定することができる。
【0009】(3)混合粉体(粉体漬物の素) 本発明による粉体漬物の素は、上記したような粉体調味
料と乾燥菌体とを含む混合粉体からなるものであり、粉
体調味料に乾燥菌体を適当な割合で配合することにより
調製することができる。乾燥菌体の配合割合は、漬物の
対象となる原料植物(漬物用植物)の種類、混合粉体の
使用時(すなわち発酵の際)の発酵用液(水など)の添
加の有無、発酵液の添加量などの条件により適宜設定す
ればよいが、発酵時に原料植物に醗酵液を添加しない場
合、すなわち、混合粉体を漬物用植物に直接まぶすもし
くは接触させる場合を考慮すれば、乾燥菌体が混合粉中
で好ましくは104 個/g以上、より好ましくは106
個/g以上の濃度になるようにすればよい。本発明によ
る粉体漬物の素は、必要に応じて保存剤、安定剤(たと
えば脱酸素剤、乾燥剤)などを容器内に同封してもよ
い。混合粉体の一般的な好ましい組成例は下記のように
示される。 食 塩 50% 乳 糖 20% 酢酸ナトリウム 20% グルタミン酸ナトリウム 6% カツオパウダー 3.8% 乾燥乳酸菌体 0.1% 粉体香料 0.1% 上述したように、乾燥菌体以外の組成(粉体調味料部
分)の一般的な好ましい例は、食塩、糖(乳糖、デキス
トリンなど)、食塩以外の塩(酢酸ナトリウム、グルタ
ミン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウムなど)、旨味調
味料(カツオパウダーなど)、粉体香料(ガーリック粉
末、唐辛子、乾燥しそなど)を組合せたものを基本とす
るものであり、組合せの増減あるいは配合割合は漬物製
造後の風味、味覚の好みなどの点から任意に設定するこ
とができる。なお、食塩の配合割合に関しては、製造後
の漬物の塩分による種類、すなわち低塩分または高塩
分、さらに菌体の塩分に対する感受性または耐性などに
より通常5〜90%の範囲で設定される。
【0010】本発明製造法および漬物 本発明による漬物の製造法は、漬物用植物を上記のよう
な粉体漬物の素によって発酵させること、を特徴とする
ものである。 (1)漬物用植物原料 漬物の対象となる植物原料としては、食用の植物質のも
のならば如何なるものでもよいが、例えば、野菜では、
きゅうり、白菜、大根、人参、トマト、玉葱、ピーマ
ン、キャベツ、セロリ等が挙げられ、また果実では、林
檎、梨、バナナ、苺、柿、桃等が、穀類では、大豆、小
麦、小豆等がそれぞれ挙げられる。 (2)処理(発酵)および漬物 所望の植物原料に所望配合の粉体漬物の素を適当量直接
まぶすか、あるいは必要があれば通常少量の水を添加し
た状態で適当量添加した後、所望の保存条件(温度、時
間など)で保存して発酵させることにより漬物を製造す
ることができる。粉体漬物の素の添加量は、漬物の風
味、味覚等の点からあるいは後述するような目的の用途
に応じて任意に設定できるが、通常植物原料100gに
対して1〜30g程度であり、また、同様にして保存条
件も任意に設定することができる。漬物は食する目的に
応じて浅漬け、一夜漬け、古漬けの違い、野菜の種類に
よる違い、あるいは保管の目的によって低塩分、高塩分
などの違い、さらには保管温度の違いによっても区別さ
れてくるが、本発明では、目的の用途に応じて乾燥菌体
の種類、保存条件等を適当に設定することにより、目的
の漬物を製造することができる。好ましい菌の種類とし
て前記の低温感受性乳酸菌、高塩耐性乳酸菌、低温生育
性乳酸菌および乳酸醗酵能の高い乳酸菌を選ぶことによ
りそれぞれの菌の特徴を生かして目的の漬物を製造する
ことができる。また、これらの菌の前記2種以上の好ま
しい組み合わせ、すなわち、低温感受性乳酸菌と低温生
育性乳酸菌の組み合わせ、高発酵能乳酸菌と高塩耐性乳
酸菌の組み合わせを選択することにより、低温感受性乳
酸菌と低温生育性乳酸菌の組み合わせでは漬込を広範囲
の温度帯で実施でき比較的浅漬風味の漬物を、高発酵能
乳酸菌と高塩耐性乳酸菌の組み合わせでは漬込を広範囲
の塩分帯で実施でき比較的本格風味の漬物を得ることが
できる。従って、発酵処理のための保存条件は、使用す
る菌種および目的の用途を考慮して温度および時間を適
当に組み合わせることにより任意に設定できるが、通
常、温度に関しては菌の温度感受性、保管温度の違い等
の点から常温〜低温(4℃程度)、また時間に関しては
発酵度の違い(浅漬け、古漬けなど)の点から8〜72
時間程度である。上述のような製造方法により、目的と
する漬物を製造することができ、乾燥菌体として特定の
性質を有する変異乳酸菌を使用すればそれぞれの菌の特
徴を生かして効率良く目的の漬物を製造することが可能
になる。
【0011】
【実施例】以下は、実施例に基づいて本発明を更に具体
的に説明するためのものであり、これによって本発明は
限定されるものではない。実施例1 :下記配合例で乳酸菌体を発酵能の高い乳酸菌
FERM P−11550として、実際に野菜での漬け
込みを行った時の乳酸菌数、pH、風味、味の経時的な
変化を調べた。 食 塩 50% 乳 糖 20% 酢酸ナトリウム 20% グルタミン酸ナトリウム 6% カツオパウダー 3.8% 乾燥乳酸菌体 0.1% 粉体香料 (しそ) 0.1% 野菜の漬け込みは、キュウリ100gに上記配合の粉体
漬物の素を10gまぶすことにより行った。その結果、
乳酸菌数およびpHは図5および図6に示すような増加
および低下の変化が見られた。また、風味および味につ
いては、表1に示すような良好な結果が得られた。 表 1 時 間 10 15 20 食塩は浸透して 若干酸味は出 適度な酸味風味 15時間より更に いるが、酸味漬 てきたが、ま があり、漬物と 酸味風味がつい 風味 物風味はない。 だ弱い。 しておいしい。 きて良好。
【0012】実施例2:実施例1と同様に配合調製した
乳酸菌体を低温生育性乳酸菌FERM P−13131
とし、10℃の低温下で行った。その結果、乳酸菌数お
よびpHは図7および図8に示すような増加および低下
の変化が見られた。また風味および味については、表2
に示すような良好な結果が得られた。 表 2 時 間 24 48 72 96 食塩は浸透して 酸味はわずかだ 漬物風味が若干 72時間経過品 いるが、酸味漬 が、漬物風味が 増してきており とほとんど変 風味 物風味はない。 出ておりおいし 更においしい。 わらない。 い。
【0013】実施例3:下記配合粉体10gとスライス
したきゅうり100gを均一にまぶし、ビニール袋にい
れ常温で一晩放置した。尚、比較例として、下記配合よ
り乾燥菌体を除いたもので同様に行った。 粉体漬物の素の組成 食 塩 100g 乳 糖 40g 酢酸ソーダ 20g 分枝デキストリン 20g グルタミン酸ナトリウム 12g 乾燥菌体(高発酵能乳酸菌) 0.1g 乾燥しそ 2g 官能検査の結果は下表のようであった。
【0014】実施例4:下記配合粉体20gとカットし
た白菜200gを均一にまぶし、ビニール袋にいれ、常
温で一晩放置した。尚、比較例として、下記配合より乾
燥菌体を除いたもので同様に行った。 官能検査結果 粉体漬物の素の組成 食 塩 100g 乳 糖 40g グルタミン酸ソーダ 10g コハク酸ソーダ 4g 乾燥菌体(低温感受性乳酸菌) 0.1g ガーリック粉末 5g 一味唐辛子 5g 官能検査の結果は下表のようであった。 以上のように、官能検査からも好結果が得られた。最近
は、乳酸菌や酵母が関与した漬物は市場からは激減し、
浅漬が主流をなしているのが現状であるが、使用する菌
を選択することにより、浅漬風に仕上げるとかまた本格
漬物風味に仕上げるということが自在にできる。特に素
材の調味に合った乳酸菌を利用すれば、健康イメージの
高い乳酸菌の関与した漬物が今後十分に普及していくも
のと考えられる。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明の粉体漬物の素は、
植物質の発酵に関与する一般的な乳酸菌、酵母または特
殊性質を有する乳酸菌を乾燥して粉体化することによ
り、高度の菌数と活性を維持し、それを粉体調味料と混
合したものである。野菜にまぶすだけで本格的な漬物を
製造することができるものである。また、特徴ある乳酸
菌を混合すれば目的に応じてあらゆる漬け込みにも対応
できるものである。実際に野菜と漬け込めば乳酸菌は短
期間のうちに増殖し、酸味風味が付与され、誰にでも簡
単に発酵漬物を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低温感受性乳酸菌であるFERM P−115
52のMRS液体培地における生育性(30℃および1
0℃)を示す説明図。
【図2】高塩耐性乳酸菌であるFERM P−1222
6のMRS液体培地における生育性(30℃)を示す説
明図。
【図3】低温生育性乳酸菌であるFERM P−(13
131)のMRS液体培地における生育性(4℃および
10℃)を示す説明図。
【図4】乳酸発酵能の高い乳酸菌であるFERM P−
11550のMRS液体培地における生育性(30℃)
を示す説明図。
【図5】実施例1における乳酸菌数の経時的変化を示す
説明図。
【図6】実施例1におけるpHの経時的変化を示す説明
図。
【図7】実施例2における乳酸菌数の経時的変化を示す
説明図。
【図8】実施例2におけるpHの経時的変化を示す説明
図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/20 A 7236−4B (72)発明者 吉 野 政 彦 埼玉県北葛飾郡庄和町西金野井295−7 (72)発明者 森 田 昭 博 埼玉県春日部市谷原2−10−8 第二春日 部マンション110

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉体調味料と乳酸菌または/および漬物の
    発酵に関与する酵母の乾燥菌体とを含む混合粉体からな
    る、粉体漬物の素。
  2. 【請求項2】乾燥菌体が低温感受性乳酸菌のものであ
    る、請求項1記載の粉体漬物の素。
  3. 【請求項3】乾燥菌体が高塩耐性乳酸菌のものである、
    請求項1記載の粉体漬物の素。
  4. 【請求項4】乾燥菌体が低温生育性乳酸菌のものであ
    る、請求項1記載の粉体漬物の素。
  5. 【請求項5】乾燥菌体が高発酵能乳酸菌のものである、
    請求項1記載の粉体漬物の素。
  6. 【請求項6】乾燥菌体が低温感受性乳酸菌、高塩耐性乳
    酸菌、低温生育乳酸菌および高発酵能乳酸菌からなる群
    から選ばれる二種以上の菌の組合せからなるものであ
    る、請求項1記載の粉体漬物の素。
  7. 【請求項7】乾燥菌体の組合せが低温感受性乳酸菌と低
    温生育成乳酸菌、または高発酵能乳酸菌と高塩耐性乳酸
    菌である、請求項6記載の粉体漬物の素。
  8. 【請求項8】乾燥菌体が混合粉体中1g当り104 個以
    上含まれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の粉体
    漬物の素。
  9. 【請求項9】漬物用植物を請求項1〜8のいずれか1項
    に記載の粉体漬物の素によって発酵させることを特徴と
    する、漬物の製造法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の方法によって製造され
    た漬物。
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