JPH06112032A - Ni−Znフェライトおよびこれを用いたコイル部品 - Google Patents

Ni−Znフェライトおよびこれを用いたコイル部品

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JPH06112032A
JPH06112032A JP4259469A JP25946992A JPH06112032A JP H06112032 A JPH06112032 A JP H06112032A JP 4259469 A JP4259469 A JP 4259469A JP 25946992 A JP25946992 A JP 25946992A JP H06112032 A JPH06112032 A JP H06112032A
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JP
Japan
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ferrite
coil
temperature
value
present
Prior art date
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Pending
Application number
JP4259469A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Akata
一裕 赤田
Masaru Makino
勝 槇野
Kazukiyo Uchimura
一清 内村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】NiO、ZnOおよびFe2 3 を主成分と
し、V2 5 を1〜5重量%、Bi2 3 を0.1〜5
重量%のの割合で添加し、温度係数の小さい、Ni−Z
nフェライトを得るとともに、かかる材料からなる磁性
体11内にコイル12を形成したコイル部品を得る。 【効果】高い初透磁率、Q値および体積固有抵抗を維持
したまま、温度係数を小さくすることができ、これによ
り、積層インダクタやLC複合部品などのコイル部品に
適用した場合に温度変化に対する信頼性を高めることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、電気絶縁性の
金属酸化物磁性材料より形成される磁性体内にコイルを
形成したコイル部品などに適したNi−Znフェライト
およびこれを用いたコイル部品に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、酸化物磁性材料としては、Mn
−Znフェライトに並び、Ni−Znフェライトが知ら
れている。これらの材料は、初透磁率やB−H特性など
の磁気特性や、絶縁抵抗、Q値、温度特性などの電気特
性を改善するために各種の改善が行われている。一方、
酸化物磁性材料を用いた電子部品として例えば、磁性材
料中にコイルを埋設したLC複合部品やトランスなどの
コイル部品が知られている。 そこで、図1に典型的な
コイル部品の縦断面図を示した。図1によれば、磁性体
11内には、Agなどからなるコイル12が形成されて
いる。このコイル12の両端は磁性体11の外周側面へ
引き出され、外部電極13に接続されている。コイル1
2の周囲は、全て磁性体11で埋められている。そし
て、コイル12中には、磁性体11の主成分である酸化
物が5〜10重量%添加されている。
【0003】このようなコイル部品は、例えば、コイル
を形成する導体ペーストを塗布した磁性体グリーンシー
トを積層して同時に焼成することにより得られている。
また、各層の導体は磁性体層に形成されたスルーホール
14を介して導体同士を連結し、磁性体内にコイル12
が形成される。
【0004】このようなコイル部品の磁性体層として上
記の酸化物磁性材料を適用する場合には、磁性材料に対
して品質係数Q値が大きい、温度係数が小さい、初透磁
率が比較的高い、などの電気特性が要求される。特にN
i−ZnフェライトはMn−Znフェライトに比較して
絶縁抵抗が高いので磁気損失が小さいことからコイル部
品用の磁性材料として多様されている。
【0005】そこで、従来より、Ni−Znフェライト
に対して、Co2 3 、Ta2 5、WO3 を添加する
ことにより温度特性の直線性を改善したり(特公昭47
−28516号)、ZrO2 、PbOおよびV2 5
複合添加することにより温度係数を無添加時の1/3ま
で小さくすることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従来
の磁性材料によれば、微量の添加物により温度特性が改
善されるものの、初透磁率μ、品質係数Q値の低下を免
れないために、初透磁率μ、品質係数Q値を高めるため
に別の添加物を必要とする問題があった。
【0007】その他、添加物により焼成温度が高温側に
移行したり、機械的強度が低下するなどの問題も発生し
ている。
【0008】よって、本発明の目的は、初透磁率μや品
質係数Q値などの特性を低下させることなく、温度特性
を改善することのできるNi−Znフェライトを提供す
るにある。さらに、本発明の他の目的は、温度特性が改
善された信頼性に優れたコイル部品を提供するにある。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の
問題点に対して検討を重ねた結果、Ni−Znフェライ
トに対する添加物として、V2 5 およびBi2 3
選択し、これらを複合して適量添加することにより、上
記目的が達成されることを見出した。
【0010】即ち、本発明のNi−ZnフェライトはN
iO、ZnOおよびFe2 3 を主成分とするもので、
添加物としてV2 5 を1〜5重量%、Bi2 3
0.1〜5重量%の割合で含有することにより優れた温
度特性を有するものである。
【0011】以下、本発明を詳述する。本発明のNi−
Znフェライトは、NiO、ZnOおよびFe2 3
主成分とするものであり、これらは、NiO10〜35
モル%、ZnO10〜40モル%、Fe2 3 45〜5
5モル%の割合から構成される。本発明によれば、この
主成分に対して、添加物としてV2 5 を全量中1〜5
重量%、特に2〜3.5重量%、Bi2 3 を全量中
0.1〜5重量%、特に0.1〜3.0重量%の割合で
添加含有するものである。V2 5 、Bi2 3 はそれ
ぞれ温度特性に影響を与えるものの、その量が上記の範
囲より少ない場合にはその効果が小さいが、これらを複
合して添加することにより温度特性を改善することがで
きる。
【0012】また、それぞれの添加量の上限を5重量%
に限定したのは、温度係数を小さく抑え、且つ他の電気
特性が初期の特性より劣化が少なく使用するのに全く問
題ががないためで、それぞれ5重量%を越えると初透磁
率や品質係数が劣化する。
【0013】なお、本発明によれば、前述した主成分に
対しては、品質係数Q値や初透磁率を改善するためにC
oやCuを主成分中15モル%以下の割合でそれぞれ添
加することも可能である。
【0014】かかるNi−Znフェライトは、NiO、
ZnO、Fe2 3 、V2 5 、Bi2 3 の各粉末を
所定の前述した所定の割合で秤量混合した後に、所望の
成形手段、例えば、ドクターブレード法、金型プレス法
等により任意の形状に成形後、焼成する。焼成は、95
0℃以下の大気中で行われる。これにより相対密度97
%以上の焼結体を得ることができる。
【0015】一方、本発明のNi−Znフェライトを用
いたコイル部品は、図1に示す積層インダクタのよう
に、磁性材料からなる電気絶縁体1中に、Agなどから
なる導体2が形成されて埋設されており、導体2は、ス
ルーホール3によりコイルを形成するように配線され、
前記電気絶縁体を本発明のNi−Znフェライトにより
構成する。
【0016】また、図1にて本発明を積層インダクタに
適用した例について説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、例えば、コンデンサー部とイ
ンダクター部とを有するLC複合部品に同様にして本発
明を適用しても良いことは勿論である。
【0017】また、このコイル部品には、コンデンサを
電気絶縁体1中に形成するすることにより、いわゆるL
C複合部品としてフィルターに用いられる。
【0018】このようなコイル部品は、本発明の組成物
からなるNi−Znフェライトによりグリーンシートを
作製し、その表面にAg、Ag−Pdなどの導体粉末を
含有する導体ペーストを積層状態によりコイルを形成よ
うに塗布され、またグリーンシートには導体を接続する
ためのスルーホールが形成される。このようにして作製
されたグリーンシートを位置合わせして積層圧着し、9
50℃以下の大気中雰囲気中で同時に焼成することによ
り得ることができる。コンデンサを内蔵させる場合に
は、同様にグリーンシートに誘電体の組成物を塗布して
配線で接続して同時に焼成することにより得られる。
【0019】
【作用】本発明によれば、Ni−Znフェライトにおい
て、添加物としてV2 5 およびBi2 5 を前述した
割合にて適量添加することにより、初透磁率、Q値およ
び絶縁抵抗を低下させることなく、初透磁率の温度特
性、即ち、ある温度領域における初透磁率の変化率(−
25℃から+85℃)を絶対値で500ppm/℃以下
に制御することができる。
【0020】また、かかるNi−Znフェライトを用い
てコイル部品を作製すると、温度特性に優れることか
ら、たとえばフィルターとして用いた場合には、共振周
波数の温度に対する依存性を小さくすることができ、電
子部品としての信頼性を高めることができる。
【0021】
【実施例】原料粉末として、NiO、ZnO、CuO、
Co2 3 、Fe2 3 を用いて、主成分組成をNi
O:ZnO:CuO:Co2 3 :Fe2 3 =13:
30:4:2:51となるように秤量混合した。次に上
記主成分に対して添加物としてV2 5 粉末およびBi
2 3 粉末を表1の割合で混合した。この混合物を金型
プレスによりリング状に成形し、950℃以下の大気中
で焼成した。
【0022】得られた焼結体に対して、四端子平衡ブリ
ッジ法により1MHz、25℃における初透磁率μ’お
よびQ値を測定するとともに、体積固有抵抗ρならびに
−25℃から+85℃の範囲における25℃の初透磁率
の温度変化(温度係数)を測定した。結果は表1に示し
た。
【0023】
【表1】
【0024】表1によれば、主成分のみでV2 5 およ
びBi2 3 を全く添加しない試料No.1では、温度特
性が+1900ppm/℃と大きい。これにV2 5
よびBi2 3 をそれぞれ単独で添加した試料No.2,
3でもある程度の温度特性の改善効果があるが実用的な
レベルでない。
【0025】これに対して本発明に基づき、V2 5
よびBi2 3 を適量添加した本発明の試料はいずれも
高い初透磁率、Q値および体積固有抵抗を維持したま
ま、温度係数を絶対値で500ppm/℃以下にまで下
げることができた。しかし、V2 5 およびBi2 3
の添加量がそれぞれ5重量%を越えると初透磁率、Q値
および体積固有抵抗の劣化が大きいものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、Ni−Znフェライト
において、V2 5 およびBi2 3を複合添加するこ
とにより高い初透磁率、Q値および体積固有抵抗を維持
したまま、温度係数を小さくすることができる。これに
より、積層インダクタやLC複合部品などに適用した場
合に温度変化に対する信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コイル部品を説明するための縦断面図である。
【符号の説明】
11 磁性体 12 コイル 13 外部電極 14 スルーホール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NiO、ZnOおよびFe2 3 を主成分
    とし、V2 5 を1〜5重量%、Bi2 3 を0.1〜
    5重量%の割合で含有することを特徴とするNi−Zn
    フェライト。
  2. 【請求項2】磁性体内にコイルを形成してなるコイル部
    品において、前記磁性体が、NiO、ZnOおよびFe
    2 3 を主成分とし、V2 5 を0.1〜5重量%、B
    2 3 を0.1〜5重量%の割合で含有するNi−Z
    nフェライトからなることを特徴とするコイル部品。
JP4259469A 1992-09-29 1992-09-29 Ni−Znフェライトおよびこれを用いたコイル部品 Pending JPH06112032A (ja)

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