JPH0611091A - ウォーターハンマ防止器 - Google Patents

ウォーターハンマ防止器

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Publication number
JPH0611091A
JPH0611091A JP4191459A JP19145992A JPH0611091A JP H0611091 A JPH0611091 A JP H0611091A JP 4191459 A JP4191459 A JP 4191459A JP 19145992 A JP19145992 A JP 19145992A JP H0611091 A JPH0611091 A JP H0611091A
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JP
Japan
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pressure receiving
water hammer
pressure
casing
receiving plates
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Application number
JP4191459A
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English (en)
Inventor
Teruo Okano
照夫 岡野
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON BEROO KK
Suzuki Sogyo Co Ltd
Original Assignee
NIPPON BEROO KK
Suzuki Sogyo Co Ltd
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Publication date
Application filed by NIPPON BEROO KK, Suzuki Sogyo Co Ltd filed Critical NIPPON BEROO KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は高性能且つ安価なウォーターハンマ防
止器を提供するものであって、ケーシング3内にオリフ
ィス12が形成された一または複数枚の受圧板8を設
け、各受圧板8間及び/又は受圧板8とケーシング3間
にはそれぞれ各受圧板8を保持する粘弾性体9が設けら
れ、粘弾性体9のない部分には圧力伝播室10が形成さ
れて成ることを特徴とする。 【効果】本発明では従来品のように高価なベローを要す
ることなくウォーターハンマを防止することができる。
また比較的簡易な構造であるため故障が少なく、そのた
め水漏れの心配もなく、またケーシング3の密閉もしや
すい。更には、受圧板8や粘弾性体9の寸法や材質等を
変えることで種々の配管系に応じた水撃の幅広い振動数
に容易に対応することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明はいわゆる水撃作用から配
管、蛇口機器、水力機械等を保護するためのウォーター
ハンマ防止器に関する。
【0002】
【発明の背景】例えばポンプの運転中、急に停電したと
きなど、ポンプ内の羽根車や配管全体にわたって急激な
過負荷がかかる。これは水の慣性力による水撃作用(ウ
ォーターハンマ)によるものであり、この問題は古くか
らとり上げられていたが、充分の強度を見込んだ設計に
より対応できたため、水撃作用防止用の特別な装置を設
置するまでには至っていなかった。しかし近時、例えば
農業用の揚・排水ポンプなどでも容量が非常に大きくな
り、また長距離の送水を行うようにもなっている。また
最近の家庭では、一本のレバーを上下動操作することで
ワンタッチでバルブの開閉ができるいわゆるシングルレ
バータイプの蛇口が普及してきたため、ウォーターハン
マ現象が家庭でも頻繁に経験されるようになり、小型で
効果的なウォーターハンマ防止器が求められつつある。
そこで例えば特開平3−186691号では、このタイ
プの水撃防止装置が公表されたり、またベローズとスプ
リングとを組み合わせたウォーターハンマ防止器等が開
発されている。しかし前者では配管の内周面に緩衝材を
設けるため、自ずからその緩衝能力には限界があり、ま
た後者ではベローズが比較的高価であることから、更に
高性能且つ安価なウォーターハンマ防止器の出現が望ま
れていた。
【0003】
【開発を試みた技術的事項】本発明はこのような背景か
らなされたものであって、粘弾性体と多段的に形成され
る圧力伝播室及びオリフィスを利用して水撃作用を緩和
しようとするウォーターハンマ防止器の開発を試みたも
のである。
【0004】
【発明の構成】
【目的達成の手段】即ち本出願に係るウォーターハンマ
防止器の第一の発明は、ケーシング内に一または複数枚
の受圧板を設け、各受圧板間及び/又は受圧板とケーシ
ング間にはそれぞれ各受圧板を保持する粘弾性体が設け
られ、粘弾性体のない部分には圧力伝播室が形成されて
成ることを特徴として成るものである。
【0005】また本出願に係るウォーターハンマ防止器
の第二の発明は、前記要件に加え、前記粘弾性体はシリ
コーンゲルであることを特徴として成るものである。
【0006】更にまた本出願に係るウォーターハンマ防
止器の第三の発明は、前記要件に加え、前記粘弾性体は
リング状であることを特徴として成るものである。これ
ら発明により前記目的を達成しようとするものである。
【0007】
【発明の作用】本発明では受圧板にかかる水撃作用が粘
弾性体の変形により弾性的に吸収される作用と、水撃波
の反射波による相殺減衰作用と、受圧板に形成されるオ
リフィスを液体が通る際の流入抵抗とにより水撃作用が
和らげられる。
【0008】
【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的
に説明する。符号1は本発明のウォーターハンマ防止器
であって、このものは図1に示すように管路2の途中に
枝状に設けて使用する。このウォーターハンマ防止器1
は、天面3aを有する円筒形をしたケーシング3の下部
を下蓋4で塞ぎ、その内側に形成された緩衝室5内にウ
ォーターハンマ防止構造を具えて成る。尚、下蓋4には
管路2との接続部6が形成され、この接続部6の中央に
は、管路2内と緩衝室5との連絡流路7が形成される。
【0009】次にウォーターハンマ防止構造について説
明すると、このものは一例として四枚の受圧板8がケー
シング3の天面3aに平行に設けられ、各受圧板8の間
にはリング状の粘弾性体9が設けられることにより、受
圧板8同士を一定の距離をおいて保持している。そして
このように受圧板8同士が離れて設けられることによ
り、各受圧板8の間には粘弾性体9の内側に各々圧力伝
播室10が形成される。また最上部の受圧板8とケーシ
ングの天面3aとの間、及び最下部の受圧板8と下蓋4
との間には、それぞれリング状のスペーサ11が設けら
れ、その内側にも圧力伝播室10が形成される。更に各
受圧板8の中央にはオリフィス12が形成され、これに
より各圧力伝播室10同士が繋がっている。ウォーター
ハンマ防止構造は以上のような構造を有するものであ
り、以下これら構造の構成要素について具体的に説明す
るとともに、併せて他の実施例について説明する。
【0010】まず受圧板8は金属板を適用できるほか、
樹脂板やセラミック板でもよい。また受圧板8の枚数に
制限はなく、一枚であってもよい。また本実施例では受
圧板8のすべてにオリフィス12が形成されるが、オリ
フィス12のない受圧板8を一部に適用してもよい。更
にオリフィス12を設ける場合、その位置、形状、数量
について特に制限はなく、例えばパンチングメタルや多
孔質板等をオリフィスの形成された受圧板8として適用
することもできる。
【0011】次に粘弾性体9は、シリコーンゲル、ウレ
タンゲル、ポリブタジエンゲルをはじめとする各種ゲル
やシリコーンゴム、ブチルゴムをはじめとする各種ゴム
を適用することができる。特にシリコーンゲルは優れた
緩衝性を有するため、有効な材料となる。ここでシリコ
ーンゲルについて詳しく説明すると、このものは例えば
次式[1]で示されるシリコーンゲルの原液たるジオル
ガノポリシロキサン(以下A成分という): RR1 2SiO−(R2 2SiO)nSiR1 2R…[1] [ただし、Rはアルケニル基であり、R1 は脂肪族不飽
和結合を有しない一価の炭化水素基であり、R2 は一価
の脂肪族炭化水素基(R2 のうち少なくとも50モル%
はメチル基であり、アルケニル基を有する場合にはその
含有率は10モル%以下である)であり、nはこの成分
の25℃における粘度が100〜100,000cSt
になるような数である]と、25℃における粘度が50
00cSt以下であり、1分子中に少なくとも2個のS
i原子に直接結合した水素原子を有するシリコーンゲル
の原液たるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B
成分)とからなり、且つこのB成分中のSi原子に直接
結合している水素原子の合計量に対するA成分中に含ま
れるアルケニル基の合計量の比(モル比)が0.1〜
2.0になるように調整された混合物を硬化させること
により得られる付加反応型シリコーンコポリマーであ
る。
【0012】このシリコーンゲルについてさらに詳しく
説明すると、上記A成分は直鎖状の分子構造を有し、分
子の両末端にあるアルケニル基RがB成分中のSi原子
に直接結合した水素原子と付加して架橋構造を形成する
ことができる化合物である。この分子末端に存在するア
ルケニル基は、低級アルケニル基であることが好まし
く、反応性を考慮するとビニル基が特に好ましい。また
分子末端に存在するR1は、脂肪族不飽和結合を有しな
い一価の炭化水素基であり、このような基の具体例とし
てはメチル基、プロピル基及びヘキシル基等のようなア
ルキル基、フェニル基並びにフロロアルキル基を挙げる
ことができる。上記[1]式においてR2は一価の脂肪
族炭化水素であり、このような基の具体的な例として
は、メチル基、プロピル基及びヘキシル基等のようなア
ルキル基並びにビニル基のような低級アルケニル基を挙
げることができる。ただし、R2 のうち少なくとも50
モル%はメチル基であり、R2 がアルケニル基である場
合には、アルケニル基は10モル%以下の量であること
が好ましい。アルケニル基の量が10モル%を越えると
架橋密度が高くなり過ぎて高粘度になりやすい。またn
は、このA成分の25℃における粘度が通常は100〜
100,000cSt、好ましくは200〜20,00
0cStの範囲内になるように設定される。
【0013】上記のB成分は、A成分の架橋剤でありS
i原子に直接結合した水素原子がA成分中のアルケニル
基と付加してA成分を硬化させる。B成分は上記のよう
な作用を有していればよく、B成分としては直鎖状、分
岐した鎖状、環状、あるいは網目状などの種々の分子構
造のものが使用できる。また、B成分中のSi原子には
水素原子の他、有機基が結合しており、この有機基は通
常はメチル基のような低級アルキル基である。さらに、
B成分の25℃における粘度は通常は5000cSt以
下、好ましくは500cSt以下である。このようなB
成分の例としては、分子両末端がトリオルガノシロキシ
基で封鎖されたオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン、ジオルガノシロキサンとオルガノハイドロジェンシ
ロキサンとの共重合体、テトラオルガノテトラハイドロ
ジェンシクロテトラシロキサン、HR1 2SiO 1/2単位
とSiO 4/2単位とからなる共重合体ポリシロキサン、
及びHR1 2SiO 1/2単位とR1 3SiO 1/2単位とSi
O 4/2単位とからなる共重合体ポリシロキサンを挙げる
ことができる。ただし上記式においてR1 は前記と同じ
意味である。そして上記のB成分中のSiに直接結合し
ている水素原子の合計モル量に対するA成分中のアルケ
ニル基の合計モル量との比率が通常は0.1〜2.0、
好ましくは0.1〜1.0の範囲内になるようにA成分
とB成分とを混合して硬化させることにより製造され
る。
【0014】この場合の硬化反応は、通常は触媒を用い
て行なわれる。ここで使用される触媒としては、白金系
触媒が好適であり、この例としては微粉砕元素状白金、
塩化白金酸、酸化白金、白金とオレフィンとの錯塩、白
金アルコラート及び塩化白金酸とビニルシロキ酸との錯
塩を挙げることができる。このような錯塩はA成分とB
成分との合計重量に対して通常は0.1ppm(白金換
算量、 以下同様)以上、好ましくは0.5ppm以上の
量で使用される。このような触媒の量の上限については
特に制限はないが、例えば触媒が液状である場合、ある
いは溶液として使用することができる場合には200p
pm以下の量で十分である。
【0015】そして上記のようなA成分、B成分及び触
媒を混合し、室温に放置するか、あるいは加熱すること
により硬化して本発明で使用されるシリコーンゲルが生
成する。加熱して硬化させる場合、加熱温度は通常50
〜160℃である。このようにして得られたシリコーン
ゲルは、JIS(K2207−1980、50g荷重)
で測定した針入度が通常5〜250を有する。尚このよ
うなシリコーンゲルの硬度は、上記A成分とB成分とに
より形成された架橋構造によって変動する。シリコーン
ゲルの硬化前の粘度及び硬化後の針入度は両末端がメチ
ル基であるシリコーンオイルを、得られるシリコーンゲ
ルに対して5〜75重量%の範囲内の量であらかじめ添
加することにより調整することができる。このようにシ
リコーンゲルは上記のようにして調整することもできる
し、また市販されているものを使用することもできる。
本発明で使用することができる市販品の例としては、C
F5027、TOUGH−3、TOUGH−4、TOU
GH−5、TOUGH−6、TOUGH−7(トーレ・
ダウコーニングシリコーン社製)やX32−902/c
at1300、KE1308/cat1300−L4
(信越化学工業株式会社製)、F250−121(日本
ユニカ株式会社製)等を挙げることができる。
【0016】また、上記のA成分、B成分及び触媒の他
に、顔料、硬化遅延剤、難燃剤、導電性フィラー等をシ
リコーンゲルの特性を損なわない範囲内で配合すること
もでき、更に防振、緩衝性等を高める為に、微小中空球
体のフィラーを混入してなるシリコーンゲルを用いても
よく、このようなフィラー材料に日本フィライト株式会
社製造のフィライト(登録商標)や同社販売のエクスパ
ンセル(登録商標)マツモトマイクロスフェアー(松本
油脂製薬株式会社製造販売)等が例示できる。
【0017】またポリブタンジエンゲルについても説明
すると、このものは例えば出光アーコ株式会社製造販売
のPoly bd R−45HTがあるこれは分子末端
に反応性の高い水酸基を具えたポリブタジエンタイプの
液状ポリマーで、通常のポリウレタンと同様にイソシア
ネート類により容易に硬化して良好な粘弾性体となるも
のである。そしてこのポリブタジエンゲルは、主鎖が炭
化水素から成るため、優れた耐水性、耐薬品性、電気特
性をも具え、しかも骨格が1,4結合のため、良好な低
温特性も具えている。また液状のため加工が容易で、連
続化が行やすい利点もある。そして適宜の各種配合剤を
加え一次混合した後、硬化剤を加え二次混合して、含
滲、シート成形等をして用いることとなる。
【0018】尚、配合剤には、強度、硬さ、耐熱性のた
めの充填剤としてカーボンブラック、シリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウムがあり、粘度調整の伸展剤としてプ
ロセスオイル、アスファルトがあり、硬化速度の調整の
ための触媒としてジブチル錫ジラウレートがあり、耐熱
性向上、酸化防止剤としてチバガイギ株式会社製のイル
ガノックス565、大内新興化学株式会社製のノックラ
ックNS−6、耐オゾン性のための紫外線吸収剤として
チバガイギ株式会社性のチヌビン327があり、難燃化
剤として水酸化アルミニウム、ホウ砂、塩素化パラフィ
ン、酸化アンチモンがあり、また硬化剤としてはリレン
ジイソシアネート、メチレンジイソシアネートがある。
【0019】そして好適な例として、上記R−45HT
の100部、消泡剤としての信越シリコーン株式会社製
のTAS750を0.005部、触媒として共同薬品株
式会社製のDBTDL KS−1260を0.005
部、硬化剤として日本ポリウレタン工業株式会社製のM
illionate MR−200(NCOの含有率3
0.9重量%)を8.3部、更に微小中空球体として松
本油脂製薬株式会社製のマイクロスフェアーF−80E
Dを1部用い、まずこれらのうち硬化剤を除いた成分を
室温で充分に攪拌混合し、次いでこれに硬化剤を加え、
更に攪拌混合の上、均一な液状物を得て、減圧下で脱泡
した後、離型剤を塗布した容器に流し出し、加熱硬化さ
せて粘弾性体として適用できるポリブタジエンゲルを得
ることができる。
【0020】尚このようにして得たポリブタジエンゲル
は、前記シリコーンゲルに近い緩衝性を有し、シリコー
ンゲルよりも比較的安価である。そのほか制振塗料、防
音塗料、シーリング材と呼ばれるものには、粘弾性を示
すものが多く、温度特性的には前二者より劣る場合が多
いが、価格的には非常に有利であるため、低廉な製品用
にはこれを用いるのがよい。このようなもので、自動車
や鉄道車両の車体下面やフェンダー、外板等に塗布さ
れ、防音、防錆、断熱等の作用があり、廉価な材料に、
例えば日本特殊塗料株式会社販売のニットクアンダーシ
ール(登録商標)がある。
【0021】次に粘弾性体9の構造ないし形状のバリエ
ーションについて説明する。粘弾性体9は充実無垢のほ
か、発泡したものを適用してもよい。また発泡状態は連
続発泡と独立発泡のいずれでもかまわない。因みに連続
発泡の例としては、シリコーンゲル原液に塩化ナトリウ
ム等の可溶性の粒体を混入し、これをゲル支持体に流し
出した後、加熱硬化させ、更にこれを水中に入れて塩化
ナトリウム等の粒体を溶出させて穿孔を形成する方法が
挙げられる。また独立発泡の例としては、微小中空球体
のフィラーであるエクスパンセル(登録商標)を混入し
てなるシリコーンゲル等がある。
【0022】次に粘弾性体9の形状は、上記実施例では
リング状としたが、受圧板8を保持できるのであればど
のような形状あるいは配置でもよく、例えば図4(a)
に示すように波形リング状のものや、図4(b)に示す
ようにブロック状の粘弾性体9を間隔をあけて環状に配
置したり、図4(c)に示すようにブロック状の粘弾性
体9を間隔をあけて受圧板8の全体に配置するものであ
ってもよい。また大きな変形域を得るため、粘弾性体9
には図5(a)に示すように中空ボール13を入れた
り、図5(b)に示すようにリング状の弾性チューブ1
4を入れたり、あるいは図5(c)に示すようにコイル
バネ15を入れたりすることもできる。
【0023】次にスペーサ11は金属等の硬質材料のほ
か、上述した発泡性のシリコーンゲルやスポンジまたは
バネ等の弾性体を適用してもよい。この場合、スペーサ
11と接触している受圧板8にはオリフィス12を設け
なくてもよく、これによってスペーサ11と受圧板8と
によって囲まれた部分をクッション室として作用させる
こともできる。尚、受圧板8及び粘弾性体9の寸法設定
は特に限定するものではなく、例えば図6に示すように
各受圧板8間の距離を上に行くに従って小さくしてゆ
き、各粘弾性体9の高さ寸法をこれに合わせるととも
に、各粘弾性体9のリングの幅寸法は上に行くに従って
大きく設定するようにしてもよい。
【0024】以上が本発明たるウォーターハンマ防止器
1の一実施例の構造であって、次にこのものの作動状態
について説明する。まず通常の状態では、図3(a)に
示すように連絡流路7を介して管路2及び各受圧板8の
オリフィス12から水が流れ込み、圧力伝播室10内が
水で満たされている。この状態で水道の蛇口等を急激に
締めると、水撃が連絡流路7を伝わってケーシング3内
に至る。その結果、ケーシング3内の水圧が突発的に上
昇し、図3(b)に示すように各受圧板8を下から順々
に押し上げていき、また最上部の受圧板8まで水撃波が
伝わると、今度はその反射波が下向きに伝達される。
【0025】この間に粘弾性体9の緩衝作用と、水撃波
及びその反射波の相殺作用と、水がオリフィス12を通
って上部の圧力伝播室10に流れ込むときの流入抵抗に
よる作用とによって水撃波は急激に減衰し、ウォーター
ハンマは防止される。尚、圧力伝播室10内を途中まで
しか水で満たさずに、圧力伝播室10内にエアーの残留
部を積極的に形成すれば、エアーの残留部のクッション
作用が手伝って一層の水撃波減衰作用が得られる。
【0026】次に本発明の他の実施例について説明す
る。図7に示すウォーターハンマ防止器1は、管路2中
に直列に接続して使用するものであって、その構造は横
長のケーシング3内に管路2と平行になるようにそれぞ
れ2枚ずつの湾曲した受圧板8を三組設け、各受圧板8
間及び受圧板8とケーシング3内壁との間に粘弾性体9
を設けて成る。このようなウォーターハンマ防止器1で
は、管路2内を水撃波が伝わってくると、ケーシング3
内において受圧板8を半径方向に押し込み、その結果、
上記実施例同様に粘弾性体9の緩衝作用と反射波による
相殺作用により水撃作用が緩和ないし防止される。
【0027】また他の実施例として図8に示すように上
記第一の実施例において粘弾性体と受圧板との関係を異
ならせたものでもよい。即ちこのものはケーシング3の
内周面に筒状の粘弾性体9を設け、この粘弾性体9に受
圧板8の周部を埋め込むようにして複数の受圧板8を保
持させて成る。尚このような構造のウォーターハンマ防
止器1も上記第一の実施例と同様な作用で水撃波の緩衝
ないし防止をすることができる。
【0028】更に前記第一の実施例では、圧力伝播室1
0内にエアーの残留部を形成する点に触れたが、これを
より積極的な構造として具体化した実施例について説明
する。まず図9(a)は、最上部の圧力伝播室10をほ
ぼ半球型のゴム蓋17で逆ドーム型に仕切り、天面3a
側にエアー室18を形成したものである。尚、ケーシン
グの天面3aに図中点線で表した空気の流通孔19を形
成してもよい。またこのようなエアー室18は、図2の
ウォーターハンマ防止器1の構造において、最上部の圧
力伝播室10を仕切る最上部の受圧板8をオリフィス1
2のないゴムで構成し、このゴムより上の部屋をエアー
室18とすることもできる。
【0029】また図9(b)に示すものは、最上部の圧
力伝播室10の天面3aに、側面及び底面に空気を通さ
ない皮膜20aが形成された連続発泡体20を設けたも
のである。尚、連続発泡体20は例えば前述したよう
に、シリコーンゲル原液に塩化ナトリウム等の可溶性の
粒体を混入し、これをゲル支持体に流し出した後、加熱
硬化させ、更にこれを水中に入れて塩化ナトリウム等の
粒体を溶出させたものが適用できる。この場合、溶出後
に再度シリコーンゲル原液に漬けて表面を加熱硬化させ
れば、表面にスキン層が形成されるから、これを皮膜2
0aとすればよい。また連続発泡体20は、例えば前記
エクスパンセル添加のシリコーンゲル(βGEL)を用
いることにより、一部に独立発泡が存在するものとして
も構わない。尚、本実施例でもケーシングの天面3aに
図中点線で表した空気の流通孔19を形成してもよく、
また皮膜20aはスキン層ではなく図9(a)のような
ゴムで構成し、図9(a)(b)を併せたような構造を
採ることもできる。
【0030】因みに図9(a)または(b)を具える構
造では、流通孔19を形成しないときには、エアー室1
8または連続発泡体20の弾力作用が手伝って一層の水
撃波防止効果が得られ、一方流通孔19を形成するとき
には、瞬間的にはエアー室18または連続発泡体20の
弾力作用が働き、また経時的には流通孔19からの空気
が漏れ出す際の流出抵抗のため、一層の水撃波防止効果
が得られる。
【0031】
【発明の効果】本発明では従来品のように高価なベロー
を要することなくウォーターハンマを防止することがで
きる。また本発明のウォーターハンマ防止器は、比較的
簡易な構造であるため故障が少なく、そのため水漏れの
心配もなく、またケーシングの密閉もしやすい。更に
は、受圧板や粘弾性体の寸法や材質等を変えることで種
々の配管系に応じた水撃の幅広い振動数に容易に対応す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウォーターハンマ防止器を管路途中に
設置した状態を示す一部破断正面図である。
【図2】本発明のウォーターハンマ防止器を拡大して示
す縦断側面図である。
【図3】同上作動状態を水栓の開閉の各状態に分けて示
す縦断側面図である。
【図4】粘弾性体の形状を異ならせた種々の実施例を示
す斜視図である。
【図5】粘弾性体に他の弾性部材を内包した種々の実施
例を示す斜視図である。
【図6】粘弾性体の高さ寸法を異ならせ、受圧板間の距
離を上方に行くに従い小さくなるようにした実施例を示
す縦断側面図である。
【図7】管路に直列接続して設けられる本発明のウォー
ターハンマ防止器を示す透視斜視図である。
【図8】粘弾性体に対し受圧板を埋め込むようにして設
けた実施例を示す縦断側面図である。
【図9】最上部の圧力伝播室にエアー室や連続発泡体を
設けた実施例を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 ウォーターハンマ防止器 2 管路 3 ケーシング 3a 天面 4 下蓋 5 緩衝室 6 接続部 7 連絡流路 8 受圧板 9 粘弾性体 10 圧力伝播室 11 スペーサ 12 オリフィス 13 中空ボール 14 弾性チューブ 15 コイルバネ 16 水栓 17 ゴム蓋 18 エアー室 19 流通孔 20 連続発泡体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内にオリフィスが形成された
    一または複数枚の受圧板を設け、各受圧板間及び/又は
    受圧板とケーシング間にはそれぞれ各受圧板を保持する
    粘弾性体が設けられ、粘弾性体のない部分には圧力伝播
    室が形成されて成ることを特徴とするウォーターハンマ
    防止器。
  2. 【請求項2】 前記粘弾性体はシリコーンゲルであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のウォーターハンマ防止
    器。
  3. 【請求項3】 前記粘弾性体はリング状であることを特
    徴とする請求項1または2記載のウォーターハンマ防止
    器。
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