JPH0611082A - フランジ継手構造 - Google Patents

フランジ継手構造

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JPH0611082A
JPH0611082A JP4167624A JP16762492A JPH0611082A JP H0611082 A JPH0611082 A JP H0611082A JP 4167624 A JP4167624 A JP 4167624A JP 16762492 A JP16762492 A JP 16762492A JP H0611082 A JPH0611082 A JP H0611082A
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昌彦 高岡
Takeshi Mitsuyoshi
猛 三吉
Shingo Hoshikawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低締付面圧でのシール性を確保すると共に、
フランジ振動による悪影響を排除できるフランジ継手構
造を提供する。 【構成】 ボルト8により締結されたフランジ6,7間
に渦巻形ガスケット1を挟圧させてなる。両フランジ
6,7のガスケット挟圧面たるフランジシール面6a,
7aは、平行な半球面形状をなす。渦巻形ガスケット
は、平帯板状の金属製フープ2とこれより若干広幅のテ
ープ状のフィラー3とを、ガスケット端面1a,1bを
フランジシール面6a,7aに対応する半球面形状とす
べく軸線方向に変形可能な状態に、渦巻状に重合一体化
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車排気管系を除く
一般産業用配管機器等のフランジ継手構造であって、特
に、対向するフランジを、その対向面たるフランジシー
ル面間に渦巻形ガスケットを挟圧させた状態で、複数の
ボルトにより締結させてなるフランジ継手構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種フランジ継手構造にあっ
ては、一般に、対向するフランジのガスケット挟圧面た
るフランジシール面が平行な平面形状をなしている。ま
た、フランジシール面間に装填される渦巻形ガスケット
として、断面V字状,W字状に屈曲する金属フープと膨
張黒鉛テープ等の無機質フィラーとを渦巻状に重合一体
化してなるものが使用されている。而して、かかるフラ
ンジ継手構造(以下「従来継手構造」という)によれ
ば、フランジシール面間に渦巻形ガスケットを装填させ
た上、フランジ間を締め付けて、フランジシール面で渦
巻形ガスケットを挟圧させることにより、フランジをシ
ール状態に連結しうるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来継手構造
にあっては、低締付面圧でのシール性を確保することが
できない。すなわち、従来継手構造に使用される渦巻形
ガスケット(以下「従来ガスケット」という)は、フー
プ,フィラーの重合環状層が相互に波形をなして係合し
ているため、フランジ間を締め付けた場合、フープが軸
線方向に圧縮変形されるにも拘わらず、フィラーの屈曲
部分への流動が円滑に行われないことから、フープとフ
ィラーとの間に隙間を生じ、所謂洩れ道が発生し易い。
【0004】また、フランジシール面が平行な平面形状
をなしているため、フランジに振動が作用した場合、従
来ガスケットとシール面との間に相対運動が生じ易い。
その結果、フィラーが磨耗して、シール性能が低下する
ことになり、耐久性に問題がある。また、振動によりシ
ール面間の平行度が損なわれた場合、従来ガスケットで
は軸線方向に変形し難いため、かかる平行度の変化に追
随できず、シール面とガスケットとの接触が不充分にな
り、シール性能が低下する。したがって、振動が作用す
るような機器,場所には使用することができず、その用
途が大幅に制限されている。
【0005】本発明は、このような問題を生じることな
く、低締付面圧で良好なシール機能を発揮しうるフラン
ジ継手構造を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のフランジ継手構
造においては、上記の目的を達成すべく、特に、両フラ
ンジシール面をフランジ軸線に対して傾斜状に交差する
円錐面,半球面等の傾斜交差面形状となすと共に、渦巻
形ガスケットを、平帯板状の金属製フープとテープ状の
フィラーとを軸線方向に変形可能な渦巻形態に重合させ
てなるものとしておくことを提案する。
【0007】
【作用】フープ及びフィラーが何れも軸線方向に真直な
平板形状であるから、軸線方向の外力を作用させると、
両者間に滑りを生じて軸線方向に変形し、ガスケット端
面たるシール面接触面を任意の円錐面,半球面等の傾斜
交差面形状となし得る。したがって、ガスケットをフラ
ンジシール間に装填して、ボルトを締付けると、シール
面接触面が円錐面,半球面等の傾斜交差面形状をなすフ
ランジシール面に馴染,変形して、フランジシール面に
適正に接触させることができる。このとき、フープ及び
フィラーには従来ガスケットのような屈曲部がないか
ら、軸線方向の変形に際して、フィラーの流動が円滑に
行われ、フープとフィラーとの間に隙間が生じたりする
ことがない。しかも、このような軸線方向に変形する場
合には、これに伴ってフープが縮径変形される、つまり
フィラーを径方向に圧縮させるように縮径変形されるこ
とから、フープとフィラーとの密着度、延いてはガスケ
ット密度が高くなる。特に、フランジシール面が円錐面
や半球面のように中心方向への傾斜する形状をなす場合
には、ガスケットを締め付けることにより、ガスケット
端にはこれを中心方向に圧縮させる分力が作用して、フ
ープが中心方向に倒れ込むことになる。その結果、フィ
ラーが更に圧縮されて、フープ,フィラー間の密着度な
いしガスケット密度が大幅に高くなる。
【0008】したがって、フランジシール面間のシール
を、低締付面圧によって良好に行うことができる。しか
も、渦巻形ガスケットが、円錐面形状又は半球面形状を
なすフランジシール面間に、そのガスケット端面がシー
ル面に対応する形状をなした状態で挟圧されていること
から、フランジに振動が作用した場合にも、ガスケット
とシール面との間の相対運動が生じ難く、フィラーが摩
耗するような虞れは殆どない。さらに、両フランジシー
ル面の平行度が振動により損なわれた場合にも、ガスケ
ットが上記した如く軸線方向に変形し易いものであるこ
とか、かかるシール面間の平行度の変化にも容易に追随
して、シール面との接触を適正に維持し、シール性能が
低下する虞れがない。
【0009】
【実施例】以下、本発明の構成を図1及び図2に示す実
施例に基づいて具体的に説明する。
【0010】この実施例のフランジ継手構造は、一般的
な配管ラインに設けられるもので、図1に示す如く、配
管4,5の端部に溶着した環状フランジ6,7を、その
間に渦巻形ガスケット1を介在させた状態で複数のボル
ト8…により締結させてなる。
【0011】両フランジ6,7には、円錐面形状をなし
て平行するガスケット挟圧面たるフランジシール面6
a,7aが形成されている。すなわち、一方のフランジ
6には環状突部6´が突設されており、この突部6´の
端面を凹状円錐面をなすシール面6aに形成してある。
他方のフランジ7には上記突部6´が嵌合しうる環状溝
7´が凹設されており、その溝底面を凸状円錐面をなす
シール面7aに形成してある。したがって、環状溝7´
内に渦巻形ガスケット1を装填させた上、突部6´を溝
7´に嵌合させた状態で、フランジ4,5間をボルト8
…により締め付けることにより、渦巻形ガスケット1が
平行するフランジシール面6a,7aで挟圧せしめられ
るようになっている。
【0012】渦巻形ガスケット1は、図2に示す如く、
平帯板状の金属フープ2とテープ状のフィラー3とを渦
巻状に重合一体化させてなり、軸線方向の外力を作用さ
せることにより、両者2,3間に滑りを生じて、軸線方
向にテレスコープ状に変形しうるように構成されてい
る。
【0013】フープ2はステンレス鋼等の金属薄板材で
構成されている。フープ2はフィラー3より長尺とされ
ていて、巻き始め部分2a及び巻き終わり部分2bを、
図2に示す如く、複数回巻いた上で複数箇所においてス
ポット溶接させてある。なお、フープ端部分2a,2b
の巻き数は、主として、締付面圧との関係においてガス
ケット1の軸線方向における剛性が充分に得られるこ
と、及び後述する如く軸線方向に変形させたときにおい
てフィラー3を圧縮させるべく縮径変形できることを条
件として、適宜に設定される。
【0014】フィラー3は、無機質紙、膨張黒鉛粒子を
集合形成した膨張黒鉛シート、延伸により多孔質化させ
た多孔質四弗化エチレン樹脂シートから選択した一種又
は複数種のシート材で構成されている。特に、上記無機
質紙としては、36.5重量%以上の繊維状物(セラミ
ック繊維5〜20重量%、セピオライト(約0.2μm
の繊維径を有するα型のものが好ましい)13.5〜2
5重量%、パルプ等の有機繊維麻1〜10重量%)と、
59重量%以下(より好ましくは45.5〜59重量
%)のタルク鉱物,炭酸カルシウム,クレー,硫酸バリ
ウム等の無機粉体と、1〜10重量%の天然ゴムラテッ
クス,合成ゴムラテックス,樹脂エマルジョン等のバイ
ンダーとから構成したものが好適する。
【0015】なお、フープ2及びフィラー3の構成材
質,厚み等は、ガスケット径や被密封流体の性状等の条
件に応じて適宜に選定しておく。
【0016】また、フィラー3の幅aは、フランジシー
ル面形状に応じてテレスコープ状に変形させたときにも
ガスケット端面であるシール面接触面1a,1bにフー
プ2が露出しないように、フープ2の幅bより若干広く
設定されている(図2参照)。フィラー3がフープ2か
らの突出量(ケバ出し量)が過小であると、フープ2が
フランジシール面に接触して、フープ接触部分が洩れ道
を形成する虞れがあり、逆に、フィラー3の突出量が過
大であると、フィラー3のケバ出し部分が被密封流体圧
力や高温振動等により脱落する虞れがあり、何れにして
も良好なシール機能を期待できない。両者a,bの寸法
は、このような点を考慮して決定する必要があり、一般
には、1<a/b≦1.5の範囲でフランジシール面の
形状等のシール条件に応じて決定しておくことが好まし
い。
【0017】以上のように構成されたフランジ継手構造
にあっては、フラットに製作された渦巻形ガスケット1
をシール面6a,7a間に介挿して、フランジ6,7を
締め付けていくと、その締付力によりガスケット1が軸
線方向に滑り変形して、シール面接触面1a,1bがシ
ール面6a,7aに対応する円錐面形状に変化せしめら
れていき、最終的に、図2に示す如く、シール面6a,
7aに全面的に接触せしめられることになる。すなわ
ち、シール面接触面1a,1bのシール面6a,7aへ
の変形性,馴染み性が極めて高い。しかも、ガスケット
1が軸線方向に変形されると、フープ2が縮径変形せし
められてフィラー3を径方向に圧縮することから、フー
プ2とフィラー3との間に隙間を生じたりすることがな
く、ガスケット密度が向上する。
【0018】したがって、フランジ6,7間を渦巻形ガ
スケット1により低締付圧で良好にシールさせることが
できる。また、円錐面形状をなすフランジシール面6
a,7a間に渦巻形ガスケット1が軸線方向に変形可能
な状態で装填されていることから、フランジに振動が生
じる場合において、フランジシール面6a,7aの平行
度が変化したときにも、これに渦巻形ガスケット1が追
随変形して、シール性能の低下を回避することができ
る。また、ガスケット1とフランジシール面6a,7a
とが円錐面をなして接触していることから、両者間に相
対運動が生じ難く、振動によりフィラー3が摩耗するよ
うな虞れが殆どなく、耐久性が大幅に向上する。
【0019】渦巻形ガスケット1は、上記した如く、製
作時のフラット形態のままで使用することができるが、
必要に応じて、シール面接触面1a,1bをフランジシ
ール面6a,7aに対応する傾斜交差面形状(例えば図
2に示す形状)に人為的に或いは適宜の加圧成形機によ
り予備成形した上で、使用するようにしてもよい。な
お、フープ2,フィラー3の巻き上げ条件(巻き締め度
等)は、シール面形状や予備成形の有無等に応じて適宜
に設定されるが、その条件次第ではシール性の更なる向
上が期待される。
【0020】本発明者が実験したところによれば、本発
明に係るフランジ継手構造は、従来継手構造に比して低
締付面圧で良好なシール性能を発揮するものであること
が確認された。また、この実験において、予備成形の有
無によっては圧縮特性やシール性に格別の差異は認めら
れなかったが、予備成形品を使用すると、シール面6
a,7aへの馴染み易さや低締付時のシール特性を更に
向上させることができることが判明した。
【0021】すなわち、実験例1では、軸線に対して4
5°をなす平行な円錐面間に渦巻形ガスケットを挟圧さ
せた上、ガスケットの内周領域に0.3Kgf/cm2
の窒素ガスを供給して、ガスケット1の外周領域への漏
洩量を測定した。渦巻形ガスケットとしては、幅6mm
のSUS304製平帯板からなるフープと、セラミック
混抄シート(セピオライトを含む無機繊維及びタルクを
主成分とする無機質紙)からなる幅8mmの平帯状のフ
ィラーとを、内径43.8mm,外径54.2mm,径
方向厚さ8mmのフラットな渦巻形状に重合一体化させ
てなるものを使用した。
【0022】また、実験例2では、フィラーとして膨張
黒鉛シートを使用した点を除いて実験例1で使用した渦
巻形ガスケットと同一構成の渦巻形ガスケット(内径4
3.8mm,外径54.1mm,径方向厚さ8mmのフ
ラット形状に製作されたもの)を使用して、実験例1と
同一条件で漏洩量を測定した。
【0023】また、実験例3では、実験例1で使用した
渦巻形ガスケットをその両端面が45°の円錐面となる
ように予備成形(成形圧力250Kgf/cm2 による
金型成形)した渦巻形ガスケットを使用して、実施例1
と同一条件で漏洩量を測定した。
【0024】さらに、比較例として、従来継手構造につ
いても同様の実験を行った。すなわち、この実験では、
平行平面間に従来ガスケットを挟圧させた上、ガスケッ
トの内周領域に0.3Kgf/cm2 の窒素ガスを供給
して、ガスケット1の外周領域への漏洩量を測定した。
使用したガスケットは、幅方向断面形状をW形に成形し
てなる伝統的な渦巻形ガスケット(内径43.5mm,
外径57mm,径方向厚さ4.85mm)である。
【0025】これらの実験結果は図4に示す通りであ
り、本発明に係るフランジ継手構造では、渦巻形ガスケ
ットを予備成形しておくと否とに拘わらず、従来継手構
造に比して低締付面圧で極めて良好なシール性を発揮す
ることが確認された。また、渦巻形ガスケットについ
て、これを予備成形しておくと、シール面への馴染み易
さや低締付時のシール特性を更に向上させ得ることも確
認された。なお、図4において、○は実験例1、△は実
験例2、●は実験例3、■は比較例においての測定結果
を夫々示している。また、図4における締付荷重は、渦
巻形ガスケットにこれを挟圧すべく与えられた軸線方向
荷重である。
【0026】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲におい
て適宜に改良・変更することができる。特に、フランジ
シール面6a,7aは、フランジ軸線に対して傾斜状に
交差する傾斜交差面形状をなすものであればよく、上記
した円錐面形状の他、半球面形状等とすることができ
る。例えば、図3に示す如く、フランジシール面6a,
7aを半球面形状として、両シール面6a,7aにフラ
ットな渦巻形ガスケット1又は両端面が半球面となるよ
うに予備成形された渦巻形ガスケット1を挟圧装填させ
るようにしてもよい。かかるフランジ継手構造にあって
は、上記した作用効果を奏しうることは勿論、更に、フ
ランジ6,7間を締め付けることにより、渦巻形ガスケ
ット1が半球面上を滑って、両フランジ6,7の芯ずれ
が矯正されるといった効果も奏せられることになる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解されるよう
に、本発明のフランジ継手構造によれば、低締付面圧で
良好なシール機能を発揮させることができる。しかも、
振動の影響を受けるような機器,場所に適用した場合に
も、シール性能が低下せず、耐久性の向上及び用途の大
幅な拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフランジ継手構造の一実施例を示
す縦断側面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す詳細図である。
【図3】変形例を示すフランジ継手構造の縦断側面図で
ある。
【図4】実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…渦巻形ガスケット、1a,1b…シール面接触面
(ガスケット端面)、2…フープ、3…フィラー、6,
7…フランジ、6a,7a…フランジシール面、8…ボ
ルト。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向するフランジを、その対向面たるフ
    ランジシール面間に渦巻形ガスケットを挟圧させた状態
    で、複数のボルトにより締結させてなるフランジ継手構
    造において、両フランジシール面がフランジ軸線に対し
    て傾斜状に交差する円錐面,半球面等の傾斜交差面形状
    をなしており、渦巻形ガスケットが、平帯板状の金属製
    フープとテープ状のフィラーとを軸線方向に変形可能な
    渦巻形態に重合させてなるものであることを特徴とする
    フランジ継手構造。
JP4167624A 1992-06-25 1992-06-25 フランジ継手構造 Expired - Lifetime JPH0811992B2 (ja)

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