JPH06109129A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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Publication number
JPH06109129A
JPH06109129A JP4254685A JP25468592A JPH06109129A JP H06109129 A JPH06109129 A JP H06109129A JP 4254685 A JP4254685 A JP 4254685A JP 25468592 A JP25468592 A JP 25468592A JP H06109129 A JPH06109129 A JP H06109129A
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JP
Japan
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hydraulic
friction element
hydraulic friction
interlock
valve
Prior art date
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Pending
Application number
JP4254685A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Watabe
晋治 渡部
Shigeki Kondo
滋樹 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変速時の油圧式摩擦要素の切り換え制御にお
いて歯車変速装置のインターロックを予測した場合、電
気油圧変換バルブの制御信号出力を補正することにより
インターロックを防止する。 【構成】 電気油圧変換バルブ400A〜400Dと、
車両の加速度を検出する加速度センサと、所定期間の車
両加速度変化を演算する手段、前記車両加速度変化の所
定の基準値に基づいて変速装置のインターロックを予測
する手段、前記変速装置のインターロック予測時に前記
電気油圧変換バルブの制御信号を補正する油圧制御手段
とを構成する電子制御装置4を備えている。 【効果】 車両走行不能や油圧式摩擦要素の焼損あるい
は走行中の急ブレーキを防止、各油路毎に切り換え弁を
配設する必要がなく油圧回路も簡素化、又バルブスティ
ック等の油路回路中の不具合発生確率の上昇を低く抑え
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動変速機の制御装置
に関し、とくに自動変速機の変速フィーリング向上のた
めに油圧式摩擦要素の油圧を電気油圧変換バルブを用い
て直接に電子制御する油圧制御装置のフェィルセーフ技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】変速フィーリング向上の為に、油圧式摩
擦要素の油圧を電気油圧変換バルブを用いて電子制御す
る従来の自動変速機の制御装置として、例えば特開平3
−163265号公報に示されたものがある。これによると、
複数の前進変速段を有し、電気油圧変換バルブが油圧式
摩擦要素とマニュアルバルブとを連通する油路中に挿入
され、前記油圧式摩擦要素への供給油圧を電気油圧変換
バルブで直接制御するようにした自動変速機の油圧制御
装置において、前記電気油圧変換バルブと油圧式摩擦要
素間の油路中に、インターロックし得る他の油圧式摩擦
要素の供給油圧を導き、前記インターロックし得る他の
油圧式摩擦要素の供給油圧が一つでも発生している時に
は油圧式摩擦要素への油圧の供給を禁止するインターロ
ック防止弁を設け、三つ以上の油圧式摩擦要素が同時に
係合してしまうところのインターロックを防止するよう
に構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動変速機の制
御装置にあっては、インターロック防止弁の作動をイン
ターロックし得る他の油圧式摩擦要素の供給油圧によっ
て作動させる構成にしている。しかしながら、一般に変
速過程のトルクフェーズにおいては油圧式摩擦要素の切
り換えに伴うある程度のインターロックは必要である。
そのためインターロック弁の作動油圧設定を一義的に決
めると変速時の負荷状態によって前記トルクフェーズに
おけるインターロックの度合いが変化し、変速条件によ
っては常にインターロック弁が作動し目標の変速段が達
成できないことがある。また、インターロック防止を達
成するためには油圧式摩擦要素と電気油圧変換バルブと
を連通する各油路ごとに前記インターロック弁を配置し
なければならず、油圧回路の複雑化及び部品点数が多く
なることによるコストアップ、バルブスティック等の油
圧回路中の不具合発生確率の上昇等を招いてしまう問題
があった。
【0004】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、変速時の油圧式摩擦要素の切り
換え制御における歯車変速装置のインターロックを予測
し、インターロック予測時に電気油圧変換バルブの制御
信号を補正することにより、インターロックを防止する
ことができる自動変速機の制御装置を得ることを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る自
動変速機の制御装置は、各油圧式摩擦要素に対して油圧
を供給および排出する油圧バルブと、車両の加速度を検
出する加速度検出手段と、この加速度検出手段の検出結
果に基づき所定期間の車両加速度変化を演算する加速度
変化演算手段と、前記車両加速度変化の所定の基準値に
基づいて前記油圧式摩擦要素におけるインターロックを
予測するインターロック予測手段と、前記インターロッ
ク予測時に、前記1つの油圧式摩擦要素を係合し前記別
の油圧式摩擦要素を解放するよう前記油圧バルブの動作
を補正する油圧制御手段とを備えたものである。
【0006】請求項2の発明に係る自動変速機の制御装
置は、各油圧式摩擦要素に対して油圧を供給および排出
する油圧バルブと、前記1つの油圧式摩擦要素に対応す
る変速段から前記別の油圧式摩擦要素に対応する変速段
への変速制御過程の経過時間を計時する経過時間計時手
段と、前記経過時間の所定の基準時間に基づいて前記油
圧式摩擦要素におけるインターロックを予測するインタ
ーロック予測手段と、前記インターロック予測時に、前
記1つの油圧式摩擦要素を係合し前記別の油圧式摩擦要
素を解放するよう前記油圧バルブの動作を補正する油圧
制御手段とを備えたものである。
【0007】請求項3の発明に係る自動変速機の制御装
置は、各油圧式摩擦要素に対して油圧を供給および排出
する油圧バルブと、車両の加速度を検出する加速度検出
手段と、この加速度検出手段の検出結果に基づき所定期
間の車両加速度変化を演算する加速度変化演算手段と、
前記車両加速度低下量の別の所定の基準値に基づき変速
過程のトルクフェーズ開始を検出するトルクフェーズ検
出手段と、このトルクフェーズ経過時間を計時するトル
クフェーズ経過時間計時手段と、前記トルクフェーズ経
過時間の所定の基準時間に基づいて前記油圧式摩擦要素
におけるインターロックを予測するインターロック予測
手段と、前記インターロック予測時に、前記1つの油圧
式摩擦要素を係合し前記別の油圧式摩擦要素を解放する
よう前記油圧バルブの動作を補正する油圧制御手段とを
備えたものである。
【0008】
【作用】請求項1の発明における自動変速機の制御装置
は、油圧式摩擦要素毎に配置した油圧バルブによって、
油圧式摩擦要素の係合あるいは解放動作を同時に制御し
ながら油圧式摩擦要素の切り換えを行い変速する(いわ
ゆるクラッチ−ツウ−クラッチ変速)場合に、変速過程
のトルクフェーズでの歯車変速装置のインターロックを
車両の加速度低下量に基づいて予測し、油圧バルブの制
御動作を補正しインターロックを防止することにより、
車両走行不能や油圧式摩擦要素の焼損あるいは走行中の
急ブレーキを防止することができるので、各油路毎に切
り換え弁を配設する必要がなくコストの上昇、バルブス
ティック等の油圧回路中の不具合発生確率の上昇を低く
抑えることができ、また、油圧回路も簡素化できる。
【0009】請求項2の発明における自動変速機の制御
装置は、油圧式摩擦要素毎に配置した油圧バルブによっ
て、油圧式摩擦要素の係合あるいは解放動作を同時に制
御しながら油圧式摩擦要素の切り換えを行い変速する
(いわゆるクラッチ−ツウ−クラッチ変速)場合に、変
速制御過程の経過時間を計時し、その計時した経過時間
に基づいて歯車変速装置のインターロックをに基づいて
予測し、油圧バルブの制御動作を補正しインターロック
を防止する。
【0010】請求項3の発明における自動変速機の制御
装置は、油圧式摩擦要素毎に配置した油圧バルブによっ
て、油圧式摩擦要素の係合あるいは解放動作を同時に制
御しながら油圧式摩擦要素の切り換えを行い変速する
(いわゆるクラッチ−ツウ−クラッチ変速)場合に、車
両加速度の低下量に基づいて変速制御過程におけるトル
クフェーズの開始を検出すると同時にトルクフェーズの
経過時間の計測値にの経過時間を計時し、その計時した
経過時間に基づいて歯車変速装置のインターロックをに
基づいて予測し、油圧バルブの制御動作を補正しインタ
ーロックを防止する。
【0011】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の概略要部構成を示すブロック図
である。1はエンジンの本体を示し、エンジン1のクラ
ンク軸に直結した駆動軸10に連結しているトルクコン
バータ12の入力要素であるポンプで内部の作動油を回
し、またトルクコンバータ12の出力要素であるタービ
ンに連結した入力軸26より取り出した駆動力(トルク
増大された)を変速機2に入力する。変速機2では、車
両の走行状態に応じた駆動力を駆動輪に伝えるため、電
子制御装置4(以下、ECU4と称す)により油圧制御
装置3に介装された電気油圧変換バルブ(400A,4
00B,400C,400D)に制御信号を出力し、油
圧式摩擦要素2Aと歯車変速装置2Bの作動組み合わせ
を切り換え所望の変速段を達成して出力軸62から差動
歯車装置72、駆動車軸74を介して駆動輪に伝達す
る。
【0012】ECU4にはエンジン1の図示しない吸気
管に介装されたスロットルバルブ1Aの開度を検出する
ためのスロットル開度センサ4dの出力信号、エンジン
クランク軸回転速度センサ4a、変速機2の入力軸回転
速度センサ4b及び出力軸回転速度センサ4c、車両の
変速開始時と変速後の加速度を検出する加速度センサ
(図示しない)、運転者のブレーキ操作及びシフトセレ
クタレバー操作を検出するところのブレーキスイッチ
(図示しない)、シフトセレクタレバースイッチ(図示
しない)の出力信号等を入力し、車両の走行状態を検出
し、変速機2を前記検出した車両走行状態に応じた変速
段に変速制御する。尚、ECU4は加速度検出手段、加
速度変化演算手段、インターロック予測手段、油圧制御
手段、経過時間計時手段、及びトルクフェーズ経過時間
計時手段を構成する。
【0013】図2は前進4段後進1段の変速段が達成可
能な自動変速機の歯車変速装置を示す骨格図を示したも
のであり、エンジン1のクランク軸に直結された駆動軸
10はトルクコンバータ12の入力用ケーシング14を
介して同トルクコンバータ12のポンプ16に連結され
ており、同トルクコンバータ12のステータ18はワン
ウェイクラッチ20を介して変速機ケーシング22に連
結されている。
【0014】トルクコンバータ12のタービン24は入
力軸26を介して第3係合要素としてのオーバドライブ
クラッチ28(以下、単にODクラッチ28と称す)、
第4係合要素としてのアンダードライブクラッチ30
(以下、単にUDクラッチ30と称す)、及びリバース
クラッチ32(以下、単にRクラッチ32と称す)に連
結されている。
【0015】ODクラッチ28の出力軸は第1中間軸3
4を介して第1単純遊星歯車装置36(以下、単に第1
歯車装置36と称する)の第1キャリア38と第2単純
遊星歯車装置40(以下、単に第2歯車装置40と称す
る)の第2キャリア42とに連結されるとともに、第1
中間軸34の回転を停止させるための第1係合要素とし
てのロー・リバースブレーキ44(以下、単にL&Rブ
レーキ44と称す)に連結されている。
【0016】UDクラッチ30の出力側は第1歯車装置
36の第1サンギヤ46に連結されている。Rクラッチ
32の出力側は第2中間軸48を介して第1歯車装置3
6の第1リングギヤ50と第2歯車装置40の第2サン
ギヤ52とに連結されるとともに、第2中間軸48の回
転を停止させるための第2係合要素としての2−4ブレ
ーキ54に連結されている。
【0017】第1歯車装置36は、第1サンギヤ46、
同サンギヤ46に噛み合いする第1ピニオンギヤ56、
同ピニオンギヤ56を回転自在に支持するとともに自身
が回転可能な第1キャリア38、第1ピニオンギヤ56
に噛み合いする第1リングギヤ50から構成されてい
る。
【0018】第2歯車装置40は第2サンギヤ52、同
サンギヤ52に噛み合いする第2ピニオンギヤ58、同
ピニオンギヤ58を回転自在に支持するとともに自身が
回転可能な第2キャリア42、第2ピニオンギヤ58に
噛み合いする第2リングギヤ60から構成されている。
そして、同第2リングギヤ60は、第1中間軸34が挿
通される中空の出力軸62を介して出力歯車64に連結
されている。
【0019】出力歯車64は、上記入力軸26に対して
略平行に配設された中間伝動軸66の右側に設けられた
非駆動歯車68にアイドラ70を介して噛み合いされて
おり、中間伝動軸66の左端は、差動歯車装置72を介
して駆動車軸74に連結された最終減速歯車76に連結
されている。なお、図2からも明らかなように変速機ケ
ーシング22はトルクコンバータ12から出力歯車64
まで、及び中間伝動軸66、差動歯車装置72等を内包
するように形成されている。
【0020】前記、各クラッチ、ブレーキはそれぞれ係
合用ピストン装置あるいはサーボ装置等を備えており、
油圧が供給・排出されることにより係合・解放動作が行
われる。そして、前記油圧は、図示しない油圧制御装置
によって、各クラッチ、ブレーキに選択的に供給され、
同各クラッチ、ブレーキの作動の組み合わせによって、
前進4段後進1段の変速段が達成される。表1は、各変
速段における各クラッチ、ブレーキの作動状態を示した
ものであり、同表において、“○”印はクラッチ、また
はブレーキの係合を示し、“−”印は解放を示してい
る。
【0021】
【表1】
【0022】上記構成において、L&Rブレーキ44が
係合すると第1キャリア38と第2キャリア42が固定
されて反力要素となり、UDクラッチ30の係合によ
り、トルクコンバータ12からの駆動力が入力軸26、
UDクラッチ30、第1サンギヤ46、第1ピニオンギ
ヤ56、第1リングギヤ50、第2サンギヤ52、第2
ピニオンギヤ58、第2リングギヤ60を介して出力軸
62に伝達され、さらに出力歯車64、中間伝動軸6
6、最終減速歯車76を介して駆動車軸74に伝達され
て表1からも明らかなように第1速が達成される。
【0023】次に、UDクラッチ30の係合状態を保持
したまま、L&Rブレーキ44を解放して2−4ブレー
キ54を係合させると、第1リングギヤ50、第2サン
ギヤ52の回転が停止されて反力要素となり、駆動力が
第1サンギヤ46、第1キャリア38、第2キャリア4
2、第2リングギヤ60、出力軸62へと伝達され第2
速が達成される。
【0024】次に、UDクラッチ30の係合状態を保持
したまま、2−4ブレーキ54を解放し、ODクラッチ
28を係合させると、第1サンギヤ46と第1キャリア
38とが一体的に回転するので第1歯車装置36全体が
一体的に回転し、従って第2歯車装置40も同様に全体
が一体的に回転して、入力軸26と出力軸62とが同一
回転速度となる第3速が達成される。
【0025】次に、ODクラッチ28の係合状態を保持
したまま、UDクラッチ30を解放し2−4ブレーキ5
4を係合させると、第2サンギヤ52の回転が停止して
反力要素となるので、駆動力が入力軸26からODクラ
ッチ28、第1中間軸34、第1キャリア38、第2キ
ャリア42、第2ピニオンギヤ58、第2リングギヤ6
0、出力軸62へと伝達され、出力軸62の回転が入力
軸26の回転よりも速くなるオーバドライブの第4速が
達成される。
【0026】次に、ODクラッチ28、2−4ブレーキ
54を解放しL&Rブレーキ44を係合すると、第4キ
ャリア38と第2キャリア42が固定されて反力要素と
なり、Rクラッチ32の係合により駆動力が第2中間軸
48、第1リングギヤ50、第2サンギヤ52、第2ピ
ニオンギヤ58、第2リングギヤ60、出力軸62へと
伝達され後退の変速段が達成される。
【0027】次に、図2に示す歯車変速装置において、
表1に示す各変速段を達成するための油圧制御装置3の
構成及びその動作について説明する。図3に示す油圧制
御装置は、オイルパン80からフィルタ82、油路84
を経てオイルポンプ86へ吸引されオイルポンプ86よ
り油路88へ吐出される油圧を、トルクコンバータ12
に供給するとともに図2に示す歯車変速装置の各クラッ
チ28,30,32、及びブレーキ44,54を係合、
解放させるために同クラッチ及びブレーキへ車両の運転
状態に応じて選択的に供給、排出するものである。
【0028】主に調圧弁100、トルクコンバータ制御
弁200、手動弁300、第1電気油圧変換バルブ40
0A(以下、L&Rソレノイドバルブ400Aと称
す)、第2電気油圧変換バルブ400B(以下、2−4
ソレノイドバルブ400Bと称す)、第3電気油圧変換
バルブ400C(以下、UDソレノイドバルブ400C
と称す)、第4電気油圧変換バルブ400D(以下、O
Dソレノイドバルブ400Dと称す)、ライン圧切り換
え弁500を構成要素としており、各要素は油路によっ
て結ばれている。
【0029】調圧弁100は、油路88の油圧(ライン
圧)を変換段に対応した所望の値に調整するもので、受
圧面102と受圧面104とを有するランド106、同
受圧面104に対向する受圧面108と受圧面110と
を有するランド112、同受圧面110に対向する受圧
面114と受圧面116とを有するランド118、同受
圧面116に対向する受圧面120と受圧面122とを
有するランド124、同受圧面122に実質的に対向す
る受圧面126と受圧面128とを有するランド13
0、及び同受圧面128に対向する受圧面132を有す
るランド136が形成されたスプール138、ランド1
36に当接しスプール138を図3中右方向へ付勢する
スプリング140とで構成されている。
【0030】受圧面108は受圧面104よりも大きい
受圧面積を、受圧面114は受圧面110よりも大きい
受圧面積を、受圧面120は受圧面116よりも大きい
受圧面積をそれぞれ有し、受圧面122及び受圧面12
6、受圧面128及び受圧面132はそれぞれ同一の受
圧面積を有している。そして、受圧面102にはオリフ
ィス142が介装された湯路144が、受圧面104,
108間にはオリフィス146が介装された油路148
を介して油路88が、受圧面110,114間にはオリ
フィス150が介装された油路152が、受圧面11
6,120間にはオリフィス154が配設された油路1
56が、ランド130と136との間には油路158を
介した油路88と油路160のオリフィス162下流側
に連通された油路164とがそれぞれ連通され、ランド
130とランド124との間が油路166を介して油路
84へ連通されている。
【0031】トルクコンバータ制御弁200は、受圧面
202,204を有するランド206、及び同受圧面2
04に対向し受圧面204と同一の受圧面積を有する受
圧面208を有するランド212とが形成されたスプー
ル弁214と、ランド212に当接しスプール214を
図3中右方へ付勢するスプリング216とで構成され、
調圧弁100にて調圧された油路88の油圧を油路16
0、油路168、オリフィス170が介装された油路1
72を介して受圧面202に作用させスプリング216
の付勢力とのバランスにより油路168の油圧を所定圧
に調圧して、同油路168を介してトルクコンバータ1
2に供給するものである。なお、トルクコンバータ12
から排出された油は油路174を介して変速機の各潤滑
部へ供給される。
【0032】手動弁300は、R,N,P,Dの3位置
が選定可能なスプール302を有し、同スプール302
はランド304,306,308,310と、同スプー
ルを所望の位置に設定するために車室内に配設され、通
常駐車時に用いられるP位置、後進用のR位置、停車用
のN位置、第1速〜第4速の前進の変速段の間での変速
が可能となるD4位置、第1速〜第3速の変速段の間で
の変速が可能となるD3位置、第3速以上の変速段への
変速が禁止される2位置、及び第2速以上の変速段への
変速が禁止されるL位置が設けられた図示しない従来公
知のセレクトレバーに機械的もしくは電気的に連結され
る連結部とを備えている。
【0033】そして、セレクトレバーが操作され、D
4,D3,2,Lのいずれか一つが選定されると、上記
スプール302はD位置に移動され、油路88と油路3
14及び各ソレノイド弁へ連通する油路316とがラン
ド304とランド306との間の空間を介して連通され
るとともに、油路144と排出ポート318に連通する
排油路320とがランド308とランド310との間の
空間、油路322、ランド304右側の油圧室323を
介して連通され、後述する如くL&Rソレノイドバルブ
400A、2−4ソレノイドバルブ400B、UDソレ
ノイドバルブ400C、ODソレノイドバルブ400D
のON,OFFの組み合わせに応じてセレクタレバーの
選定位置及び車両の運転状態に対応した前進の変速段を
図2に示す歯車変速装置に適宜達成させる。
【0034】セレクタレバーがPもしくはN位置に選定
されると上記スプール302は図示のN,P位置に選定
され油路88と油路144とが油路324、ランド30
8とランド310との間の空間を介して、油路88と油
路314とがランド304とランド306との間の空間
を介してそれぞれ連通されるとともに、オリフィス32
6が介装されRクラッチ32に接続された油路328と
排油路320とがランド306とランド308との間の
空間、油路322、油圧室323を介して連通され、さ
らに油圧316も排油路320に連通されてニュートラ
ルの状態を達成させる。
【0035】セレクタレバーがR位置に選定されるとス
プール302はR位置に選定され油路88と油路314
及び油路328とがランド304とランド306との間
の空間を介して連通されるとともに油路144と排油路
320とがランド306とランド308との間の空間、
油路322、油圧室323を介して連通し、油圧316
も排油路320に連通されて、後述する如く、歯車変速
装置に後進の変速状態(変速段)を達成させる。
【0036】L&Rソレノイドバルブ400AはECU
4からの制御信号に応じて作動する常開型の三方弁で、
内部にソレノイドコイル402a、弁体404a、同弁
体404aを開方向に付勢するスプリング406aが配
設されており、上記ソレノイドコイル402aの非励磁
状態において上記弁体404aが排油路320とオリフ
ィス408が介装されL&Rブレーキ44に接続された
油路410との連通を遮断するとともに、同油路410
とチェック弁412を介して油路316もしくは油路3
28の油圧が導かれる油路414とを連通させ、上記ソ
レノイドコイル402aの励磁状態において上記弁体4
04aが油圧410と油圧414との連通を遮断すると
ともに同油路410排油路320とを連通させるように
構成されている。
【0037】2−4ソレノイドバルブ400Bは常閉型
の三方弁で、内部にソレノイドコイル402b、弁体4
04b、同弁体404dを閉方向に付勢するスプリング
406bが配設されており、上記ソレノイドコイル40
2bの非励磁状態において上記弁体404bが油路31
6とオリフィス415が介装され2−4ブレーキ54に
接続された油路416との連通を遮断するとともに、同
油路416と排油路320とを連通させ、ソレノイドコ
イル402bの励磁状態において弁体404bが排油路
320と油路416との連通を遮断するとともに同油路
416と油路316とを連通させるように構成されてい
る。
【0038】UD及びODソレノイドバルブ400C,
400Dは上記L&Rソレノイドバルブ400Aと同様
の常開型の三方弁で、内部にソレノイドコイル402
c,402d、弁体404c,404d、同弁体404
c,404dを開方向に付勢するスプリング406c,
406dがそれぞれ配設されており、ソレノイドコイル
402c,402dNO非励磁状態において上記弁体4
04c,404dが排油路320とオリフィス418,
420が介装されUDクラッチ30、ODクラッチ28
に接続された油路422,424との連通を遮断すると
ともに同油路422,424と油路316とを連通さ
せ、ソレノイドコイル402c,402dの励磁状態に
おいて弁体404c,404dが排油路320と油路4
22,424との連通を遮断するとともに同油路42
2,424と油路316とを連通するように構成されて
いる。
【0039】各ソレノイドバルブ400A,400B,
400C,400Dの“ON”(励磁)、“OFF”
(非励磁)の組み合わせと変速段との関係はの表2に示
すとうりである。表中の“−”はON,OFFのどちら
でもよいことを示す。
【0040】
【表2】
【0041】ライン圧切り換え弁500は変速段に対応
した値にライン圧を切り換えるためのもので、オリフィ
ス502が介装された油路314の油圧が作用する受圧
面504と受圧面506とを有するランド508、及び
同受圧面506に対向するとともに同受圧面506と同
一の受圧面積を有する受圧面510と油路424の油圧
が作用する受圧面514とを有するランド516が形成
されたスプール弁518と、受圧面514に当接しスプ
ール弁518を図3中右方向へ付勢するスプリング52
0とで構成される。
【0042】油路314に油圧が供給され、油路424
に油圧が供給されていないときは受圧面504に作用す
る圧力がスプリング520の付勢力に打ち勝って上記ス
プール弁518を図面左方向へ変位せしめるので油路1
56とExポートとがランド508と510との空間を
介して連通し、油路424及び油路314のいずれにも
油圧が供給されていない場合、もしくは油圧424に油
圧が供給されている場合はスプリング520の付勢力、
もしくは同付勢力と受圧面514に作用する圧力とによ
ってスプール弁518が図面右方向へ変位するので油路
156と油路424とがランド516左側の油圧室を介
して連通する。
【0043】次に、上記油圧制御装置3の作動を説明す
る。車両の運転者が車室内に配設された図示しないセレ
クタレバーをPもしくはN位置に設定すると、同セレク
タレバーに機械的もしくは電気的に連結された手動弁3
00のスプール302も上記セレクタレバーに連動して
P,N位置に設定される。そして、エンジンが始動され
るとオイルポンプ86で発生した油圧が油路88へ吐出
され、同油圧は油路148を介して調圧弁100の受圧
面104,108に作用するとともに、油路324、手
動弁300のランド308とランド310との間の空
間、油路144を介して調圧弁100の受圧面102に
作用する。
【0044】調圧弁100のスプール138は、上記受
圧面に作用する圧力とスプリング140の付勢力とがバ
ランスする位置で安定し、油路158を介してランド1
30と136との間の空間へ導かれた油圧の一部が油路
164及び油路166へ排出されて上記油路88内の油
圧が最も低い所定圧(第1のライン圧と称する)に調圧
される。
【0045】また、油路88及び油路164の油圧は、
油路160を介してトルクコンバータ制御弁200へ導
かれトルクコンバータ12へ油路168を介して所定圧
を供給する。さらに、上記油路88の油圧は、手動弁3
00のランド304,306との間の空間、油路314
を介してライン圧切り換え弁500の右端油圧室へ導か
れ受圧面504に作用し、スプリング520の付勢力に
打ち勝ってスプール518を図3中左端位置へ変位せし
めて油路156と排油路320とを連通状態にする。な
お、各ソレノイドバルブ400A,400B,400
C,400Dは全てOFF(非励磁)状態に保たれてい
る。
【0046】ここで、運転者がセレクタレバーを操作し
てD4位置を選択すると、手動弁300はD位置に設定
され、ランド310により油路324が遮断されて油路
144と油路322とが連通し、調圧弁100の右端油
圧室の油圧が同油路322、排油路320を介して排出
される。油路88はさらに手動弁300のランド304
とランド306との間の空間を介して油路316とも連
通し、同油路316の油圧は油路152を介して調圧弁
100のランド112とランド118との間の空間へ導
かれる。そして、スプール138は受圧面110,11
4、及び受圧面104,108へ作用する力とスプリン
グ140の付勢力とがバランスする位置で安定し、油路
158の油圧の一部を油路164及び油路166から排
出せしめ、上記油路88の油圧を比較的高い(例えば1
0Kgf/cm2)所定圧(第2のライン圧と称す)に
調圧する。
【0047】油路316の油圧は、ソレノイドバルブ4
00B,400C,400Dへ導かれるとともに、チェ
ック弁412、油路414を介してL&Rソレノイドバ
ルブ400Aへも導かれる。なお、油路314は、上記
N,P位置の場合と同様に油路88と連通状態に保持さ
れる。また、セレクタレバーがD4位置に設定される
と、表1に示すようにL&Rブレーキ44とUDクラッ
チ30とを係合させて第1速の変速段を達成するため
に、ECU4から表2に示すようにL&R、2−4、U
Dソレノイドバルブ400A,400B,400Cを非
励磁状態に保持し、ODソレノイドバルブ400Dを非
励磁状態から励磁状態にし、L&R及びUDソレノイド
バルブ400A,400Cのみを開状態にして油路41
4と油路410、油路316と油路422をそれぞれ連
通させるための制御信号が出力される。
【0048】次に、第1速から第2速へのシフトアップ
を例に各部の動きを説明する。車両が走行を開始し、ス
ロットル開度信号や車速信号等に基づきECU4により
第2速の変速段へのシフトアップが指示されると、表1
に示すように2−4ブレーキ54とUDクラッチ30と
を係合させるべくL&R、2−4,ODソレノイドバル
ブ400A,400B,400Dを励磁状態にし、UD
ソレノイドバルブ400Cを非励磁状態とするための制
御信号が上記ECU4から出力される。L&Rソレノイ
ドバルブ400Aは非励磁状態から励磁状態へ切り換わ
るため油路410と非油路320とが連通して同油路4
10の油圧が排出されL&Rブレーキ44が解放され
る。2−4ソレノイドバルブ400Bは非励磁状態から
励磁状態へ切り換わるため油路316と油路416とが
連通し同油路416に導かれた油圧によって2−4ブレ
ーキ54を結合させる。また、このときのUDクラッチ
30は結合状態に保持され、ODクラッチ28は解放状
態に保たれている。
【0049】その他の変速動作については、表1、表2
に示す各変速段における各油圧式摩擦要素及び各ソレノ
イドバルブの作動組み合わせに従って、基本的には上記
第1速から第2速への変速動作の説明と同様の内容であ
りここでは説明を省略する。図4はECU4内の概略構
成を示すものである。ECU4はレベル変換回路600
及びA/D変換器601を通して得られた加速度センサ
(図示しない)等の出力信号、波形整形回路602、及
び入出力ポート603通して得られた各種回転速度セン
サのアナログ信号、パルス信号、スイッチ信号に基づい
て車両の走行状態に応じた変速段に自動変速機2を変速
制御するため、得られた各種信号を処理しその処理結果
を入出力ポート604からソレノイドバルブ駆動回路6
05に出力し前記変速段に対応したクラッチ及びブレー
キのソレノイドバルブを例えばデューティ駆動すること
によって係合・解放動作させ変速制御するものである。
CPU606の制御手順やデータは予めROM607で
記憶しており、また、RAM608は演算過程における
データを一時的に格納するようになっている。
【0050】次に1速から2速へのアップシフトを例に
変速動作を説明する。1速の状態ではL&Rブレーキ4
4とUDクラッチ30が係合されている。例えばエンジ
ン1が駆動側にある場合のパワー・オン・1−2アップ
シフトでは、この状態からL&Rブレーキ44を解放し
ながら2−4ブレーキ54を係合していくことにより、
摩擦要素の切り換えを滑らかに行い、出力軸トルク変動
を小さく抑えながら2速を達成するためにL&Rソレノ
イドバルブ400A、及び2−4ソレノイドバルブ40
0Bをデューティ制御してL&Rブレーキ44及び2−
4ブレーキ54の油圧をきめ細かく制御する。この変速
過程には2−4ブレーキ54の係合が始まり、それに伴
ってL&Rブレーキ44が徐々に解放されていく、いわ
ゆるトルクフェーズ(速度比は1速のままでトルク比だ
けが2速へ移行する状態)が存在する。このトルクフェ
ーズにおける変速機の入力軸トルクTt及び出力軸トル
クToとL&Rブレーキ44の反力トルクTLR及びブレ
ーキ54の反力トルクT24の関係式は次のように表され
る。
【0051】 TLR=K1*Tt − K2*T24 (1)
【0052】 To=i1*Tt − K3*T24 (2)
【0053】ここで、K1,K2,K3は第1歯車装置
36及び第2歯車装置40の各歯車の歯数によって決ま
る定数、i1は第1速の変速比を示すものである。この
トルクフェーズにおける前記両ブレーキ切り換え時の反
力トルクの関係は上記(1)式のように2−4ブレーキ
54の係合に伴う反力トルクT24の増加により、L&R
ブレーキ44の反力トルクTLRが低減しゼロとなるよう
に解放されてトルクフェーズを完了するのが理想的であ
る。この場合(2)式のように、2−4ブレーキ54の
係合に伴う反力トルクT24の増加により出力軸トルクT
oが2速のギヤ比で決まるレベルまで低下する。
【0054】しかし、前記ブレーキ切り換え時に過剰オ
ーバラップ状態になった場合は前記歯車変速装置におい
てインターロック状態が発生する。また、逆にアンダー
ラップ状態の関係になると駆動系がニュートラル化して
エンジンの吹き上がりを生じることになる。インターロ
ック移行状態においては、歯車変速装置の回転が阻止さ
れる方向に反力が作用するため出力軸トルクToは零方
向に向かって低下していく。従って、この出力軸トルク
Toの低下に伴って変化する車両前後加速度の低下や変
速機の入力軸回転速度Nt、同出力軸回転速度Noの低
下、エンジンマウント荷重変化などから前記インターロ
ックを予測することができる。
【0055】以下、本発明の実施例を制御フローチャー
トに従って説明する。図5はメインフローチャートで、
ステップS100ではエンジン1の吸入空気量を制御す
るスロットルバルブ1Aに介装されたスロットルセンサ
4dにより検出したスロットル開度Thを読み込む。ス
テップS101では図示しないシフトセレクタレバース
イッチによりシフトセレクタレバー位置を読み込む。ス
テップS102ではエンジン回転速度Ne、変速機入力
軸回転速度Nt、変速機出力軸回転速度No(車速に相
当する)を演算する。
【0056】ステップS103では図示しない加速度セ
ンサにより検出した車両前後加速度aを読み込む。ステ
ップS104では予め設定されたシフトパターンマップ
から前記スロットル開度Thと変速機出力軸回転速度N
oとにより車両走行状態に適した目標変速段を読み取
る。ステップS105ではRAM608に格納してある
前回変速時に達成した変速段データから変速機の現在の
変速段を読み取り、前記ステップS104で読み取った
目標変速段と比較し変速すべきかを判定し、NOであれ
ばメインルーチンの始めにもどり、YESであればステ
ップS106へ進んで変速制御サブルーチンを実行す
る。
【0057】図6は本発明の第1実施例による変速制御
サブルーチンのフローチャートで、ステップS200で
は既に変速制御中かどうか変速制御判定フラグによって
判定し、フラグがセットされてなければ変速制御開始時
の初期設定をするためステップS201に進んで変速制
御判定フラグをセットし、低速段係合要素であるL&R
ブレーキ44を解放するための制御信号をL&Rソレノ
イドバルブ400Aに出力する。ステップS202では
高速段係合要素である2−4ブレーキ54を係合するた
めの制御信号を2−4ソレノイドバルブ400Bに出力
する。ステップS203では変速制御過程の経過時間T
Moを計時するためタイマをスタートさせる。ステップ
S204では変速制御開始時の車両加速度asoをRAM
608に格納しリターンする。
【0058】一方、ステップS200で変速制御中と判
定した場合はステップS205に進み、ステップS20
5では変速制御開始時の車両加速度asoと現時点の車両
加速度anとの差演算から車両加速度低下量(aso
n)を算出し、予め実験的に求めて設定したインター
ロック移行状態時の車両加速度低下量の基準値ar1と比
較し基準値以上に低下していればステップS207に進
む。低下量が基準値以下であればステップ206に進ん
で、ステップ206では変速制御過程における経過時間
TMoが予め実験的に解っている平均的な変速時間を所
定の係数倍大きくして設定した基準時間tr1以上かを比
較し、NOであればステップS210に進んで変速制御
を続行する。
【0059】ステップ206でYESの場合はステップ
S207に進む。ステップS207およびステップS2
08では各係合要素をインターロックを回避する方向に
ソレノイドバルブの制御信号を出力する。まずステップ
S207では低速段係合要素であるL&Rブレーキ44
を係合するための制御信号をL&Rソレノイドバルブ4
00Aに出力する。次にステップS208では高速段係
合要素である2−4ブレーキ54を解放するための制御
信号を2−4ソレノイドバルブ400Bに出力する。ス
テップS209では今回の変速でインターロックを予測
したため変速実行前の変速段を現在の変速段としてRA
M608に格納し変速を完了する。
【0060】実施例2.図7は本発明の第2実施例によ
る変速制御サブルーチンのフローチャートで、ステップ
S300では既に変速制御中かどうか変速制御判定フラ
グによって判定し、フラグがセットされてなければ変速
制御開始時の初期設定をするためステップS301に進
んで変速制御判定フラグをセットし、低速段係合要素で
あるL&Rブレーキ44を解放するための制御信号をL
&Rソレノイドバルブ400Aに出力する。ステップS
302では高速段係合要素である2−4ブレーキ54を
係合するための制御信号を2−4ソレノイドバルブ40
0Bに出力する。ステップS303では変速制御開始時
の車両加速度asoをRAM608に格納する。ステップ
S304ではトルクフェーズ判定フラグをクリアしてリ
ターンする。
【0061】ステップS300で変速制御中と判定した
場合はステップS305へ進み、ステップS305では
変速過程がトルクフェーズかどうかをトルクフェーズ判
定フラグでチェックし、フラグがセットされてなければ
ステップS306へ進み、ステップS306では変速制
御開始時の車両加速度asoと現時点の車両加速度an
の差演算から車両加速度低下量(aso−an)を算出
し、予め実験的に求めて設定したトルクフェーズ開始状
態時の車両加速度低下量の基準値ar2と比較し基準値以
上に低下していなければそのままリターンする。ステッ
プS306で車両加速度低下量が基準値以上に低下して
いればトルクフェーズ開始状態でありステップS307
に進んでトルクフェーズ判定フラグをセットする。そし
てステップS308でトルクフェーズ過程の経過時間T
M1を計時するためタイマをスタートさせリターンす
る。
【0062】ステップS305でトルクフェーズ中と判
定した場合はステップS309に進み、ステップS30
9では前記第1実施例同様に変速制御開始時の車両加速
度asoと現時点の車両加速度anとの差演算から車両加
速度低下量(aso−an)を算出し、予め実験的に求め
て設定したインターロック移行状態時の車両加速度低下
量の基準値ar1と比較し基準値以上に低下していればス
テップS311に進む。低下量が基準値以下であればス
テップ310に進んで、ステップ310ではトルクフェ
ーズ制御過程における経過時間TM1が予め実験的に解
っている平均的なトルクフェーズ所要時間を所定の係数
倍大きくして設定した基準時間tr2以上かを比較し、N
OであればステップS314に進んで変速制御を続行す
る。
【0063】ステップS310でYESの場合はステッ
プS311に進む。ステップS311及びステップS3
12では各係合要素をインターロックを回避する方向に
ソレノイドバルブの制御信号を出力する。まずステップ
S311では低速段係合要素であるL&Rブレーキ44
を係合するための制御信号をL&Rソレノイドバルブ4
00Aに出力する。次にステップS312では高速段係
合要素である2−4ブレーキ54を解放するための制御
信号を2−4ソレノイドバルブ400Bに出力する。ス
テップS313では今回の変速でインターロックを予測
したため変速実行前の変速段を現在の変速段としてRA
M608に格納し変速を完了する。
【0064】図8(a)〜(e)は前記パワー・オン・
1−2アップシフト経過の第1実施例のタイムチャート
を示したもので、図8(a)は1−2変速指令信号、図
8(b)はL&Rソレノイドバルブ制御信号、図8
(c)は2−4ソレノイドバルブ制御信号、図8(d)
はL&Rブレーキ及び2−4ブレーキ油圧、図8(e)
は車両加速度を示したものである。なお、上記実施例で
は変速機変速時の歯車変速装置のインターロック移行状
態を車両前後加速度で検出するようにしたが、インター
ロック移行状態に伴う出力軸トルクToの低下に関係す
る変速機の入力軸回転速度Nt、同出力軸回転速度No
の速度低下、エンジンマウント荷重変化等に基づいて前
期インターロックを予測するようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、各油圧式摩擦
要素に対して油圧を供給および排出する油圧バルブと、
車両の加速度を検出する加速度検出手段と、この加速度
検出手段の検出結果に基づき所定期間の車両加速度変化
を演算する加速度変化演算手段と、前記車両加速度変化
の所定の基準値に基づいて前記油圧式摩擦要素における
インターロックを予測するインターロック予測手段と、
前記インターロック予測時に、前記1つの油圧式摩擦要
素を係合し前記別の油圧式摩擦要素を解放するよう前記
油圧バルブの動作を補正する油圧制御手段とを備えたの
で、車両走行不能や油圧式摩擦要素の焼損あるいは走行
中の急ブレーキを防止することができるので、各油路毎
に切り換え弁を配設する必要がなくコストの上昇、バル
ブステッック等の油圧回路中の不具合発生確率の上昇を
低く抑えることができ、また、油圧回路も簡素化できる
という構成がある。
【0066】請求項2の発明によれば、各油圧式摩擦要
素に対して油圧を供給および排出する油圧バルブと、前
記1つの油圧式摩擦要素に対応する変速段から前記別の
油圧式摩擦要素に対応する変速段への変速制御過程の経
過時間を計時する経過時間計時手段と、前記経過時間の
所定の基準時間に基づいて前記油圧式摩擦要素における
インターロックを予測するインターロック予測手段と、
前記インターロック予測時に、前記1つの油圧式摩擦要
素を係合し前記別の油圧式摩擦要素を解放するよう前記
油圧バルブの動作を補正する油圧制御手段とを備えたの
で、第1の発明の効果に加え変速制御過程の経過時間よ
りインターロックを予測することで早期にインターロッ
クを回避できるとという効果がある。
【0067】請求項3の発明によれば、各油圧式摩擦要
素に対して油圧を供給および排出する油圧バルブと、車
両の加速度を検出する加速度検出手段と、この加速度検
出手段の検出結果に基づき所定期間の車両加速度変化を
演算する加速度変化演算手段と、前記車両加速度低下量
の別の所定の基準値に基づき変速過程のトルクフェーズ
開始を検出するトルクフェーズ検出手段と、このトルク
フェーズ経過時間を計時するトルクフェーズ経過時間計
時手段と、前記トルクフェーズ経過時間の所定の基準時
間に基づいて前記油圧式摩擦要素におけるインターロッ
クを予測するインターロック予測手段と、前記インター
ロック予測時に、前記1つの油圧式摩擦要素を係合し前
記別の油圧式摩擦要素を解放するよう前記油圧バルブの
動作を補正する油圧制御手段とを備えたので、第1の発
明の効果に加えトルクフェーズ中にインターロックを予
測することで高い信頼性により確実にインターロックを
回避できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例による自動変速機の制御装置
の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例に適用される前進4段後進1段の
変速段が達成可能な自動変速機の歯車変速装置を示す骨
格図である。
【図3】図1の実施例に適用される自動変速機の油圧制
御装置の油圧回路図である。
【図4】図1の実施例に適用される電子制御装置の概略
構成図である。
【図5】図1の実施例のメインフローを示すフローチャ
ートである。
【図6】図1の実施例1の1−2シフト実行フローを示
すフローチャートである。
【図7】図1の実施例2の1−2シフト実行フローを示
すフローチャートである。
【図8】図1の実施例の1−2シフト実行時のタイムチ
ャートである。
【符号の説明】
1 エンジン 2 変速機 2A 油圧式摩擦要素 2b 歯車変速装置 3 油圧制御装置 4 電子制御装置 12 トルクコンバータ 28 ODクラッチ 30 UDクラッチ 32 Rクラッチ 44 L&Rブレーキ 54 2−4ブレーキ 86 オイルポンプ 100 調圧弁 200 トルクコンバータ制御弁 300 手動弁 400A L&Rソレノイドバルブ 400B 2−4ソレノイドバルブ 400C UDソレノイドバルブ 400D ODソレノイドバルブ 500 ライン圧切り換え弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】請求項2の発明における自動変速機の制御
装置は、油圧式摩擦要素毎に配置した油圧バルブによっ
て、油圧式摩擦要素の係合あるいは解放動作を同時に制
御しながら油圧式摩擦要素の切り換えを行い変速する
(いわゆるクラッチーツクラッチ)の場合に、変速制御
過程の経過時間を計時し、その計時した経過時間に基づ
いて歯車変速装置のインターロックを予測し、油圧バル
ブの制御動作を補正しインターロックを防止する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】請求項3の発明における自動変速機の制御
装置は、油圧式摩擦要素毎に配置した油圧バルブによっ
て、油圧式摩擦要素の係合あるいは解放動作を同時に制
御しながら油圧式摩擦要素の切り換えを行い変速する
(いわゆるクラッチーツクラッチ)の場合に、車両加速
度の低下量に基づいて変速制御過程におけるトルクフェ
ーズも開始を検出すると同時にトルクフェーズの経過時
間を計時し、その計時した経過時間に基づいて歯車変速
装置のインターロックを予測し、油圧バルブの制御動作
を補正しインターロックを防止する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧の供給及び排出動作を通して1つの
    油圧式摩擦要素を解放しながら別の油圧式摩擦要素を結
    合することで、前記1つの油圧式摩擦要素に対応した変
    速段から別の油圧式摩擦要素に対応した変速段への変速
    を行うようにした自動変速機の制御装置において、 前記各油圧式摩擦要素に対して油圧を供給および排出す
    る油圧バルブと、 車両の加速度を検出する加速度検出手段と、 この加速度検出手段の検出結果に基づき所定期間の車両
    加速度変化を演算する加速度変化演算手段と、 前記車両加速度変化の所定の基準値に基づいて前記油圧
    式摩擦要素におけるインターロックを予測するインター
    ロック予測手段と、前記インターロック予測時に、前記
    1つの油圧式摩擦要素を係合し前記別の油圧式摩擦要素
    を解放するよう前記油圧バルブの動作を補正する油圧制
    御手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 油圧の供給及び排出動作を通して1つの
    油圧式摩擦要素を解放しながら別の油圧式摩擦要素を結
    合することで、前記1つの油圧式摩擦要素に対応した変
    速段から別の油圧式摩擦要素に対応した変速段への変速
    を行うようにした自動変速機の制御装置において、前記
    各油圧式摩擦要素に対して油圧を供給および排出する油
    圧バルブと、 前記1つの油圧式摩擦要素に対応する変速段から前記別
    の油圧式摩擦要素に対応する変速段への変速制御過程の
    経過時間を計時する経過時間計時手段と、前記経過時間
    の所定の基準時間に基づいて前記油圧式摩擦要素におけ
    るインターロックを予測するインターロック予測手段
    と、前記インターロック予測時に、前記1つの油圧式摩
    擦要素を係合し前記別の油圧式摩擦要素を解放するよう
    前記油圧バルブの動作を補正する油圧制御手段とを備え
    たことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 油圧の供給及び排出動作を通して1つの
    油圧式摩擦要素を解放しながら別の油圧式摩擦要素を結
    合することで、前記1つの油圧式摩擦要素に対応した変
    速段から別の油圧式摩擦要素に対応した変速段への変速
    を行うようにした自動変速機の制御装置において、 前記各油圧式摩擦要素に対して油圧を供給および排出す
    る油圧バルブと、 車両の加速度を検出する加速度検出手段と、 この加速度検出手段の検出結果に基づき所定期間の車両
    加速度変化を演算する加速度変化演算手段と、 前記車両加速度低下量の別の所定の基準値に基づき変速
    過程のトルクフェーズ開始を検出するトルクフェーズ検
    出手段と、 このトルクフェーズ経過時間を計時するトルクフェーズ
    経過時間計時手段と、 前記トルクフェーズ経過時間の所定の基準時間に基づい
    て前記油圧式摩擦要素におけるインターロックを予測す
    るインターロック予測手段と、 前記インターロック予測時に、前記1つの油圧式摩擦要
    素を係合し前記別の油圧式摩擦要素を解放するよう前記
    油圧バルブの動作を補正する油圧制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする自動変速機の制御装置。
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