JPH0610901Y2 - 粉状化粧料塗布容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、アイシャドウ、ほほ紅等の粉状化粧料を圧縮
充填し、かつこの粉状化粧料の塗布具を備えた粉状化粧
料塗布容器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、アイシャドウ、ほほ紅等の粉状化粧料は、塗
布具と共にコンパクトケースに収納されていた。また、
キャップに塗布具を垂下させ、本体内に化粧料を塗布具
に当接するようスプリング等で弾発させて内装した構成
も見られる。この種の構成の場合、キャップもしくは本
体を回転させた後キャップを抜脱すると、その回転によ
って化粧料が塗布具に付着し、抜脱と同時に化粧料が塗
布可能となるものであった。しかし、塗布具に化粧料を
付着させるためにはキャップもしくは本体を回転操作し
なければならなかった。また、回転量に比例して化粧料
の付着量が増減するため、毎回均一に化粧料を取り出す
事は困難であった。そこで、実公昭５７−１９０４５号
公報により、化粧料を充填した中皿が本体内に設けられ
た螺旋に螺合して内装され、キャップに植設された塗布
具を本体内に抜き差しする事により中皿が進退し、その
結果中皿が螺旋により回転して塗布具に化粧料を付着さ
せる構成が提案されている。この構成に場合、塗布具を
本体内に抜き差しする事により中皿が回転するため、使
用時ごとにキャップもしくは本体を回転させる手間が省
けるものとなっていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、塗布具の先端が化粧料に当接して中皿を押し下
げるため、中皿に充填された化粧料が減少するにつれ、
中皿の降下ストローク、つまり中皿の回転量が少なくな
り、塗布具に付着する化粧料の量も減少してしまい、毎
回均一な量の化粧料を取り出せないという欠点は解消さ
れていなかった。

〔課題を解決する為の手段〕

キャップ２もしくは本体１の一方に、先端に塗布具３を
設けた塗布棒４を設け、他方に化粧料１５を内装し、塗
布棒４もしくは化粧料１５のどちらか一方をスプリング
１１によって塗布具３と化粧料１５を圧接させた構成に
おいて、スプリング１１によって弾発された塗布棒４も
しくは化粧料１５を回動自在に内装し、下端に摺動体５
を連設し、他方を回動不能に固定する。

この摺動体５の外側壁もしくは相対する内側壁の一方に
回動制御片１３を突設し、他方の側壁にスプリング１１
が伸長した状態で回動制御片１３が係合する螺旋溝部
８、およびスプリング１１が圧縮された状態で回動制御
片１３が係合するストレート溝部７を連続して刻設す
る。本考案は以上構成の粉状化粧料塗布容器である。

〔作用〕

キャップ２が本体１に嵌合している場合、スプリング１
１の弾発力により塗布棒４の先端の塗布具３に化粧料１
５が圧接されている。この時、スプリング１１が圧縮さ
れ、回動制御片１３がストレート溝部７に係合してい
る。

キャップ２を抜脱すると、スプリング１１が伸長して塗
布棒４もしくは化粧料１５を摺動させる。この時、回動
制御片１３はストレート溝部７を螺旋溝部８の方向に移
動し、回動制御片１３が螺旋溝部８に位置すると、螺旋
状に摺動体５を回動させる。その結果、摺動体５を連設
した塗布具３もしくは化粧料１５が回転し、他方は固定
されており、しかも塗布具３と化粧料１５はスプリング
１１により圧接しているため、相対回転により塗布具３
に化粧料１５が付着し、塗布具３の抜脱と同時に化粧料
１５の塗布が可能となっている。

また、再び化粧料１５を塗布具３に付着させたい場合に
は、スプリング１１が伸長した状態では回動制御片１３
が螺旋溝部８に係合しているため、塗布具３を化粧料１
５に当接させ、僅かに、螺旋溝部８の範囲でスプリング
１１を圧縮させれば、回動制御片１３が螺旋溝部８を往
復し、塗布具３もしくは化粧料１５が回転し、塗布具３
に化粧料１５を付着させる事ができる。

〔実施例〕

本考案の粉状化粧料塗布容器は、本体１とキャップ２と
より構成されている。先ず、本考案第１実施例を第１図
および第２図によって説明する。

先端にスポンジチップ等の塗布具３を設けた塗布棒４
は、他端に摺動体５を連設している。この摺動体５は、
外側壁にガイド溝６が刻設されている。このガイド溝６
は、縦状に刻設されたストレート溝部７と、このストレ
ート溝部７の下方に連続した螺旋溝部８とより構成され
ている。更に、この摺動体５の下端には、スプリング受
け部９が設けられている。そしてこの摺動体５は、有底
筒状の外筒１０に上下摺動自在、回動自在に、しかし脱
落不能に内装されている。

この外筒１０の底部と摺動体５のスプリング受け部９と
の間には、スプリング１１が挾持され、摺動体５を上方
に弾発している。

この中筒１２は、塗布棒４が貫通しており、塗布棒４及
び塗布具３が外部へ露出している。そして、摺動体５が
相対する中筒１２の下端内側壁には、摺動体５のガイド
溝６に係合する回動制御片１３を突設している。この回
動制御片１３は、スプリング１１が伸長して塗布棒４が
最も突出した状態で螺旋溝部８に係合し、スプリング１
１が縮むとストレート溝部７に係合するよう構成されて
いる。また、回動制御片１３が螺旋溝部８に位置すると
螺旋溝部８に倣って摺動体５が回動するようになってい
る。更に、中筒１２の上部には、キャップ２が抜脱可能
に嵌合する嵌合部１４を設けている。

なお、ガイド溝６と回動制御片１３の配置は逆にする事
も可能である。ガイド溝６を中筒１２の内側壁に設けた
場合には、塗布棒４が最も伸長した時に回動制御片１３
が螺旋溝部８に係合するよう、螺旋溝部８をストレート
溝部７の上方に配置する必要がある。以上が本体１であ
る。

キャップ２は有底筒状をしており、塗布具３が挿入可能
に構成されている。このキャップ２の底部には、化粧料
１５が圧縮充填される充填部１６を設けている。このキ
ャップ２の充填部１６までの深さは、塗布具３をキャッ
プ２に挿入して本体１にキャップ２を嵌合させた時、塗
布具３が化粧料１５に当接し、スプリング１１が圧縮さ
れる深さとなっている。なお、このキャップ２の嵌合力
は、圧縮されたスプリング１１の弾発力よりも大きなも
のとなっており、キャップ２を本体１に嵌合させると、
本体１内のスプリング１１を圧縮保持できるようになっ
ている。

次に、その他の実施例として第３図に示す構成を説明す
る。キャップ２は、先端に塗布具３を有した塗布棒４が
垂下している。本体１は、摺動体５、外筒１０、および
中筒１２とより構成されている。摺動体５の上端には、
化粧料１５が充填される充填部１６を設けており、下端
にはスプリング受け部９を設けている。また、摺動体５
の外側壁には、上部に縦状のストレート溝部７が、下部
に螺旋溝部８がそれぞれ連続して配置されたガイド溝６
が刻設されている。この摺動体５は、有底筒状の外筒１
０に、底部と摺動体５の間にスプリング１１を挾持さ
せ、摺動自在、回動自在、しかし脱落不能に内装されて
いる。外筒１０の上端には、上部にキャップ２が抜脱可
能に嵌合する嵌合部１４を設けた中筒１２が止着されて
いる。この中筒１２の下部内側壁には、摺動体５のガイ
ド溝６に係合する回動制御片１３が突設されている。な
お、この実施例の場合も同様に、スプリング１１の弾発
力はキャップ２の嵌合力よりも弱いものとなっている。

また第４図は、本体１の底部に化粧料１５を充填し、キ
ャップ２内にスプリング１１を内装して塗布棒４を摺動
自在に弾発させた構成である。第５図は、本体１に塗布
棒４を立設させ、キャップ２にスプリング１１を内装し
て化粧料１５を摺動自在に内装した構成である。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、摺動可能に、回動可能に内装さ
れた摺動体５の外側壁と、この摺動体５に相対する中筒
１２の内側壁に、回動制御片１３およびこの回動制御片
１３が係合するガイド溝６を設け、塗布具３と化粧料１
５の一方を摺動体５に、他方を固定して配置したため、
塗布具３の抜き差しにより塗布具３もしくは化粧料１５
がガイド溝６の螺旋溝部８により回動し、塗布具３に化
粧料１５を付着させる事ができる。

しかも、ガイド溝６はストレート溝部７と螺旋溝部８と
より構成され、スプリング１１が伸長している状態で
は、回動制御片１３が螺旋溝部８に係合しているため、
化粧料１５に塗布具３を圧接させ、スプリング１１を圧
縮する初期の段階で摺動体５に連設された塗布具３もし
くは化粧料１５が回動し、回動制御片１３がストレート
溝部７に係合すると摺動体５は回動しないようになって
いる。従って、化粧料１５の増減に関係なく塗布具３も
しくは化粧料１５が毎回螺旋溝部８の角度だけ回転する
ため、毎回均一に化粧料１５を塗布具３に付着させる事
ができる。また、使用時にはスプリング１１が伸長して
摺動体５がストレート溝部７に係合しているため、塗布
具３が回動せず、塗布具３を固定した状態で使用でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、本考案第１実施例の側断面図。
第３図、第４図および第５図は、その他の実施例の側断
面図。第６図は、本考案第１実施例の摺動体の斜視図。 １……本体、２……キャップ、３……塗布具、４……塗
布棒、５……摺動体、７……ストレート溝部、８……螺
旋溝部、１１……スプリング、１３……回動制御片、１
５……化粧料

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】キャップ(2)もしくは本体(1)の一方に、先
   端に塗布具(3)を設けた塗布棒(4)を設け、他方に化粧料
   (15)を内装し、塗布棒(4)もしくは化粧料(15)のどちら
   か一方をスプリング(11)によって塗布具(3)と化粧料(1
   5)を圧接させた構成において、 スプリング(11)によって弾発された塗布棒(4)もしくは
   化粧料(15)を回動自在に内装し、下端に摺動体(5)を連
   設し、他方を回動不能に固定し、 該摺動体(5)の外側壁もしくは相対する内側壁の一方に
   回動制御片(13)を突設し、他方の側壁にスプリング(11)
   が伸長した状態で回動制御片(13)が係合する螺旋溝部
   (8)、およびスプリング(11)が圧縮された状態で回動制
   御片(13)が係合するストレート溝部(7)を連続して刻設
   した事を特徴とする粉状化粧料塗布容器。