JPH06108567A - 間仕切壁とその構築工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、間柱を使用せずに、ランナー部
材に対して両側の壁材を簡単容易に取り付け出来ると共
に、特別な連結金物を用いてこれら壁材を所定の間隔を
置いて且つ連続して隣接の壁材と連結出来ることを特徴
としている。 【構成】 この発明の間仕切壁は、両側のフランジ部に
多数の並列したスリットを有するランナー部材を天井と
床に取り付け、縦側縁に沿って嵌め合い溝式の連結部が
を有する壁材を、天井と床のランナー部材を挟んで両側
から取り付け、ランナー部材に取り付けられた壁材の嵌
め合い溝式の連結部に連結金物のフランジ部を一緒に嵌
め込むと共に、続いての隣接の壁材の縦側縁を嵌め込ん
で連結して、両側の壁材を間隔を置いて整列配置したこ
とを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は建築物の壁構造、特に
間仕切壁と、この様な間仕切壁の構築工法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来の建築物の壁、特に間仕切壁の構築
工法においては、天井および床に取り付けられた上下ラ
ンナーに対して間柱を一定の間隔を置いて直立に立てゝ
両側に下地壁材を取り付けて固定しているのが一般的で
あり、必要に応じて下地壁材に耐火材を用いて耐火間仕
切壁を構築したり、或は断熱材や遮音材を下地壁材の間
に充填して断熱および遮音性能を達成するようにしてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】併し乍ら、この様な従
来の構築工法においては、上下ランナーや、間柱や、断
熱材や或は遮音材および下地壁材の取り付けを総て人手
に頼っており、従って、非常に多くの人手と時間を要
し、人手不足の今日では、工期の短縮、構築工法の簡易
化や各工程の自動化等が大いに所要されており、特に、
上下ランナーや間柱への壁材の取り付けに時間が掛かる
等の問題が見られる。

【０００４】従って、この発明の目的は、この様な従来
の構築工法における課題を解決するために、間柱を用い
ること無く、上下の天井および床ランナーに対して両側
の壁材を簡単容易に取り付け出来ると共に、特別な連結
金物を用いてこれら壁材を所定の間隔を置いて且つ連続
して隣接の壁材と連結することが出来る間仕切壁とその
構築工法とを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明に依れば、間仕切壁は、両側のフランジ
部に多数のスリットが並列して設けられて建物の天井お
よび床に取り付けられるランナー部材、互いに隣接連結
する縦側縁に沿って嵌め合い溝式の連結部が設けられた
間仕切壁用の両側の壁材、該壁材を連結部にて連結する
際に両側のフランジ部を一緒に嵌め込んで連結して両側
の壁材を間隔を置いて整列配置する連結金物から成るこ
とを特徴としている。

【０００６】更に、この発明に依れば、間仕切壁の構築
工法は、両側のフランジ部に多数のスリットが並列して
設けられたランナー部材を建物の天井および床に取り付
け、縦側縁に沿って嵌め合い溝式の連結部が設けられた
壁材を、天井および床に取り付けられた該ランナー部材
を挟んで両側から取り付け、ランナー部材に取り付けら
れた該壁材の嵌め合い溝式の連結部に連結金物のフラン
ジ部を一緒に嵌め込むと共に、続いての隣接の壁材の縦
側縁を嵌め込んで連結して、両側の壁材を間隔を置いて
整列配置して構成することを特徴としている。

【０００７】この発明の他の目的や特長および利点は以
下の添付図面に沿っての詳細な説明により明らかになろ
う。

【０００８】

【実施例】図面の図１乃至図８には、この発明の間仕切
壁の一実施例が示されており、図示される様に、この発
明の間仕切壁１０は、両側の縦側縁１２に沿って嵌め合
い溝式に互いに噛み合い結合される連結部１４が設けら
れた壁材１１と、この壁材１１の縦側縁１２の嵌め合い
溝式の連結部１４に隣合って設けられた嵌め込み溝１５
にフランジ部２２が嵌め込まれて挟持される特別な連結
金物２０と、両側のフランジ部に多数のスリットが並列
して設けられたランナー部材３０とから構成されてい
る。また、必要に応じては、壁材１１の間に適宜な断熱
材２９を詰めることが出来る。

【０００９】この発明の間仕切壁１０の壁材１１には、
セメントボード、木片セメントボード、木毛セメントボ
ード、石膏ボード、ケイカルボード、抄造石膏板、モル
タル板、ガラス繊維やカーボン繊維やノンアスベスト繊
維入りのボード等が使用できるし、必要に応じては表面
が仕上加工された上述のボードを使用することも同様に
出来る。

【００１０】この発明の間仕切壁１０の斯様な壁材１１
は両側の縦側縁１２に沿って隣接の壁材１１と嵌め合い
溝式に互いに噛み合い結合される連結部１４が設けられ
ている。すなわち、壁材１１のこの様な連結部１４は図
６に明示される様に凸部１６と凹部１７との組み合わせ
とから成り、壁材１１の一方の縦側縁１２の連結部１４
に凸部１６が設けられ、他方の反対側の縦側縁１２の連
結部１４に凹部１７が設けられていて、隣接の壁材１１
と順次嵌め込み連結することが出来るように成ってい
る。また、図示される様に、連結部１４の凸部１６およ
び凹部１７に適宜なテーパーや勾配を付けて、嵌め込み
がしっかりと強固に行われるようにするのが好適であ
る。特に、図示される実施例の連結部１４においては、
凸部１６と凹部１７の外側面１８、１８’に勾配が付け
られていて、内側面１９、１９’は壁材１１の表面と平
行に成っている。

【００１１】また、壁材１１の両側の縦側縁１２に沿っ
て設けられた連結部１４、特に凸部１６を有する方の連
結部１４の内側、すなわち連結部１４の凸部１６の根本
の内側には、この発明の特別な連結金物２０のフランジ
部２２が嵌め込まれる断面Ｌ字形の嵌め込み溝１５が設
けられている。すなわち、壁材１１の連結部１４のこの
Ｌ字形の嵌め込み溝１５は、連結金物２０のフランジ部
２２と、連結金物２０のフランジ部２２がほゞ直角に屈
曲する連結金物２０の隣接のウエブ部２４とに相当する
鉤型、すなわちＬ字形の断面を成しており、このＬ字形
断面の嵌め込み溝１５に連結金物２０のフランジ部２２
と、このフランジ部２２に直ぐに隣接するウエブ部２４
部分とが嵌め込まれるように成っている。

【００１２】壁材１１の連結部１４に取り付けられる連
結金物２０は図３〜図５に明示される様に断面コの字形
の長尺連結金物で、両側のフランジ部２２と、これらフ
ランジ部２２を連結するウエブ部２４とから成り、ウエ
ブ部２５に長手方向に間隔を置いて多数のリップ部２
６、２７がウエブ部２５の両側に縦方向に突出して設け
られている。また、この連結金物２０は鋼板や鉄板等か
ら造られ、亜鉛鉄板が特に好適である。このリップ部２
６、２７は図３および図５に明示される様に１つ置きに
交互に間隔を置いて設けられて、先端が僅かに内側に曲
げられていて壁材１０間に充填される断熱材の横方向の
保持を好適に為すことが出来ると共に、連結金物２０を
多数積層して梱包および運搬する時に、連結金物２０を
良好に積み重ねることが出来、従って、積層および梱包
容積が最小限に成って好適である。また、図示される様
に、リップ部２６、２７の間には孔２８が設けられてい
て、重量の軽減を図るようにしている。更に、連結金物
２０のフランジ部２２は単にほゞ直角に折り曲げるだけ
でなく、図４に示される様に少なくとも二重または三重
に屈曲して加工したり、フランジ部２２に断面Ｕ字形の
細長いキャップ材を被ぶせてカシメることによって、強
度を高めることが出来ると共に音や熱の吸収を高めて騒
音や衝撃音を和らげる制音効果や、熱の伝達を遮る断熱
効果を増大できる。

【００１３】また、図７および図８には、ランナー部材
３０が下ランナーとして用いられるよう図示されている
が、上ランナーとしても同様に用いられることが出来る
のは勿論である。図示される様に、ランナー部材３０は
断面コの字形に、すなわち溝形鋼の様に金属薄板から造
られ、ウエブ部３１の両側からほゞ直角に折り曲げられ
て成るフランジ部３２に多数のスリット３３が並列して
設けられている。この様なスリット３３は、例えば１０
〜２０mm間隔で多数並列して設けられていて、壁材１１
を取り付ける際の釘４０の打ち込みを容易にしている。
また、壁材１１のランナー部材３０への釘による取り付
けの際に、ランナー部材３０の内側への湾曲を防止する
ためにスペーサー３４をランナー部材３０内に或る間隔
を置いて配置するのが好適である。スペーサー３４は図
示される様に金属薄板から断面コの字形に造られ、ウエ
ブ部３５の両側から直立したフランジ部３６に切り込み
３７が設けられている。この切り込み３７は断熱材２９
の挿入が良好に出来るようにしている。また、ウエブ部
３５から直立するフランジ部３６の折曲げ角部３８には
適宜なアール（Ｒ）が付けられていて、スペーサー３４
をランナー部材３０内に押し込み設置する場合に、容易
に押し込み出来るようにしている。また、この様なスペ
ーサー部材３０を上ランナーとして用いる場合には、ス
ペーサー３４はスポット溶接して取り付けて置くと好適
である。

【００１４】この様に構成されたこの発明の間仕切壁１
０は、次の様にして構築される。先ず、図１に示される
様に、建物１の天井２、壁３および床４に墨出しをして
取り付けられた天井用の上ランナー５、垂直な壁用ラン
ナー６および床用の下ランナー７に対して壁材１１の１
つがねじ或は釘４０によって取り付けられて固定され
る。これら天井用の上ランナー５、垂直な壁用ランナー
６および床用の下ランナー７に取り付けられた壁材１１
の縦側縁１２に沿った連結部１４の嵌め込み溝１５に長
尺の連結金物２０のフランジ部２２が嵌め込まれて取り
付けられる。次いで、この様に取り付け固定された壁材
１１の内側にロックウールやガラスウール等の断熱材２
９が詰め込まれて取り付けられ、その外側に反対側の壁
材１１が天井用の上ランナー５、垂直な壁用ランナー６
および床用の下ランナー７に対して同様に釘４０によっ
て取り付けられる（図９）。続いて、先に取り付けられ
た壁材１１の連結部１４に新たな隣接の壁材１１の連結
部１４を凹凸部１６、１７がしっかり噛み合うよう嵌め
込んで連結されて、壁材１１の上下縁辺が釘４０により
上下ランナー５、７に取り付けられて固定される（図１
０）。上下ランナー５、７として使用されるランナー部
材３０への壁材１１の釘４０による取り付けは、ランナ
ー部材３０にスリット３３が設けられているために釘４
０を容易に打ち込むことが出来、取り付けを容易にする
と共に取り付け時間を大いに短縮することが出来る。続
いて、連結金物２０のフランジ部２２がこの壁材１１の
連結部１４の嵌め込み溝１５に嵌め込まれて取り付けら
れ、上述したと同様に断熱材２９の充填と反対側の壁材
１１の取り付けが続いて行われて、間仕切壁が築成され
る（図１１および図１２）。尚、壁材１１の連結部１４
の嵌め込みの際に、適宜な接着剤を併用して連結を行う
と一層強固に連結されて好適である。

【００１５】

【発明の効果】この様に構成されるこの発明の間仕切壁
とその構築工法に依れば、天井および床用の上下ランナ
ーと壁に取り付けられた垂直ランナーとに対して壁材を
両側から釘やねじによって取り付けて、壁材の縦側縁の
連結部を隣接の壁材の連結部と嵌め込み連結すると共に
連結部に隣接して設けられた嵌め込み溝に長尺の連結金
物のフランジ部を嵌め込んで両側の壁材を間隔を置いて
整列配置して、間仕切壁を簡単且つ迅速に取り付け構築
することが出来、更に、壁材間には必要に応じて適宜な
断熱材や遮音材を充填することによって一層耐火遮音性
能を高めることが出来、壁材を何等間柱を用いずに長尺
の特異な連結金物を用いて所定の間隔を置いて簡単に設
置することが出来ると共に、上下ランナーとして使用さ
れるランナー部材のフランジ部に多数のスリットを並列
して設けているので、壁材の釘による取り付けが非常に
容易に且つ簡単に成って時間を短縮することが出来、簡
単な手段をもって能率良く、しかも自動的に間仕切壁を
構築でき、施工期間を短縮出来て経済性を併せて高める
ことが出来、軽量で高性能の耐火遮音性の間仕切壁を安
価に構築することが出来る等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の間仕切壁の壁材の１つが建物の天
井、壁および床用のランナーに取り付けられた状態を示
す概要図である。

【図２】この発明の間仕切壁の構成を示すよう一部を拡
大した概要斜視図である。

【図３】この発明の間仕切壁の連結金物の正面図であ
る。

【図４】図３に示される連結金物の横水平断面図であ
る。

【図５】図３に示される連結金物の側面図である。

【図６】この発明の間仕切壁の壁材の連結状態を示すべ
く連結金物を省略した拡大部分断面図である。

【図７】この発明の間仕切壁のランナー部材への取り付
けを示す縦断面拡大部分図である。

【図８】図７に示されるランナー部材とスペーサーを示
す拡大斜視図である。

【図９】この発明の間仕切壁の構築工程の第１段階を示
す概要図である。

【図１０】この発明の間仕切壁の構築工程の第２段階を
示す概要図である。

【図１１】この発明の間仕切壁の構築工程の第３段階を
示す概要図である。

【図１２】この発明の間仕切壁の構築工程の第４段階を
示す概要図である。

【符号の説明】

１ 建物 ２ 天井 ３ 垂直な壁 ４ 床 ５ 天井用の上ランナー ６ 垂直な壁用ランナー ７ 床用の下ランナー １０ 間仕切壁 １１ 壁材 １２ 縦側縁 １４ 連結部 １５ 嵌め込み溝 １６ 凸部 １７ 凹部 １８、１８’ 外側面 １９、１９’ 内側面 ２０ 連結金物 ２２ フランジ部 ２４ ウエブ部 ２６、２７ リップ部 ２８ 孔 ３０ ランナー部材 ３１ ウエブ部 ３２ フランジ部 ３３ スリット ３４ スペーサー ３５ ウエブ部 ３６ フランジ部 ３７ 切り込み ３８ 角部 ４０ 釘

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 両側のフランジ部に多数のスリットが並
   列して設けられて建物の天井および床に取り付けられる
   ランナー部材、互いに隣接連結する縦側縁に沿って嵌め
   合い溝式の連結部が設けられた間仕切壁用の両側の壁
   材、該壁材を連結部にて連結する際に両側のフランジ部
   を一緒に嵌め込んで連結して両側の壁材を間隔を置いて
   整列配置する連結金物から成ることを特徴とする間仕切
   壁。
2. 【請求項２】 両側のフランジ部に多数のスリットが並
   列して設けられたランナー部材を建物の天井および床に
   取り付け、縦側縁に沿って嵌め合い溝式の連結部が設け
   られた壁材を、天井および床に取り付けられた該ランナ
   ー部材を挟んで両側から取り付け、ランナー部材に取り
   付けられた該壁材の嵌め合い溝式の連結部に連結金物の
   フランジ部を一緒に嵌め込むと共に、続いての隣接の壁
   材の縦側縁を嵌め込んで連結して、両側の壁材を間隔を
   置いて整列配置して構成することを特徴とする間仕切壁
   の構築工法。