JPH06108113A - 焼結用グリーン体の前脱脂装置 - Google Patents

焼結用グリーン体の前脱脂装置

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JPH06108113A
JPH06108113A JP4257018A JP25701892A JPH06108113A JP H06108113 A JPH06108113 A JP H06108113A JP 4257018 A JP4257018 A JP 4257018A JP 25701892 A JP25701892 A JP 25701892A JP H06108113 A JPH06108113 A JP H06108113A
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JP
Japan
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green body
container
degreasing
activated carbon
binder
Prior art date
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Pending
Application number
JP4257018A
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English (en)
Inventor
Eiji Nakamu
中務栄治
Ippei Yamauchi
山内一平
Masao Takeda
武田正夫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】簡易な構成により、脱脂の不均質化を招くこと
なく、脱脂を比較的高速で進行できるようにする。 【構成】グリーン体Aを活性炭製の容器10内に収容
し、容器10の外部からグリーン体Aを加熱するととも
に、容器10の外部に雰囲気ガスXを送風してその内部
に雰囲気ガスXを層流状態で流動させ、グリーン体Aか
ら出るバインダー蒸気Bを活性炭製容器10に吸着させ
つつ脱脂を進行させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に外観が重要視され
る射出成形品(いわゆる外観部品)の脱脂を比較的高速
で行う上で有用となる焼結用グリーン体の前脱脂装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉末の射出成形製造プロセスでは、先
ず、金属、セラミックス、サーメット等の粉体にバイン
ダー(パラフィンワックス等の低分子量成分、熱可塑性
樹脂等の高分子量成分、その他を適宜の分量で配合した
もの)を混合し、所要形状に射出成形していわゆるグリ
ーン体が作られる。次に、このグリーン体を脱脂工程で
脱脂することによりいわゆるブラウン体の状態にされ
る。そして、最後にこのブラウン体を焼結工程で焼結に
付すことにより、強度のある最終製品に仕上げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した脱
脂工程のうち主として前半部分においては、グリーン体
を急速加熱するとバンダーが粘塑性状態になってグリー
ン体の形状にだれや変形が生じるため、従来からグリー
ン体を軟化温度以下の領域で加熱し、バインダーを徐々
に揮散させるようにしてきた。すなわち、バインダーに
は前述のように低融点のものから高融点のものまで様々
のものが含まれ、それらのバインダーはグリーン体を急
速で加熱昇温させたときには一斉に溶融してだれや変形
につながるが、昇温速度を抑えることによってある瞬間
において同時に溶融しているバインダーの割合を制限す
ることで、融点の異なるバインダーを次々に橋渡し的に
溶融、蒸発させ、その結果、バインダーの保形力が失わ
れる前にある程度ブラウン体の保形性を発現させてだれ
や変形を防ぐことが可能になる。このような前脱脂処理
は通常、30wt%程度のバインダー除去を目安として
行っている。しかし、以上のような前脱脂処理による
と、バインダーの蒸発および拡散が極めてゆるやかに進
行し、前脱脂完了までに長時間を要するという致命的な
問題があった。
【0004】これに対して、グリーン体に雰囲気ガスを
乱流状態で送風してバインダー蒸気をグリーン体表面か
ら除去する手法や、加圧室の一部を冷却状態として室内
の雰囲気からバインダー蒸気を凝縮させ除去する手法、
さらには、グリーン体が配設される雰囲気を真空排気し
バインダー蒸気を外部に排出する手法などが考えられて
いる。
【0005】ところが、乱流を送風する手法では、グリ
ーン体が配設される空間全体を均一な乱流状態にするこ
とが技術的に困難であり、グリーン体がどこに配置され
るかによって各グリーン体間で脱脂の進行具合にばらつ
きが生じ易いという不具合を抱える。しかも、このもの
はグリーン体の送風に面する側とその背面側とで蒸発速
度が異なるので、1個のグリーン体上で脱脂の不均一さ
を生じ易い。また、冷却部を設ける手法では、バインダ
ー蒸気が拡散によって冷却部に届くまでに長時間を要す
るので、実質的な脱脂時間の短縮化につながり難い面が
ある。さらに、真空排気する手法では、対流加熱ができ
ないため加熱は専ら輻射に頼ることになる。このため、
グリーン体上において均熱化が阻害され、グリーン体に
おいて影になる部分の脱脂ができ難いという問題があ
る。
【0006】不均質な脱脂は焼結後の最終製品の不均質
に結びつく。
【0007】本発明は、このような課題に着目してなさ
れたものであって、簡易な構成により、脱脂の不均質化
を招くことなく、脱脂を比較的高速で進行できるように
した焼結用グリーン体の前脱脂装置を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次のような構成を採用したものであ
る。
【0009】すなわち、本発明に係る焼結用グリーン体
の前脱脂装置は、内部にグリーン体の収容空間を形成し
た活性炭製の通気性容器と、この容器の周囲に雰囲気ガ
スを送風する送風手段と、前記容器を介して前記グリー
ン体を加熱する加熱手段とを具備してなり、グリーン体
から出るバインダー蒸気を流動させ、近傍の活性炭に吸
着させつつ脱脂を進行させることを特徴とする。
【0010】
【作用】このような構成のものであれば、容器は通気性
を有しているので、容器に対して送風がなされると雰囲
気ガスの一部は収容空間に入り込み、そこを層流状態と
なって緩やかに流動する。このとき、グリーン体から出
たバインダー蒸気はその流動によって運ばれ、近傍の活
性炭に到達して吸着される。このようにバインダー蒸気
が流動的に運搬されると、周辺の活性炭が飽和するまで
は収容空間のバインダー蒸気濃度は常に低いレベルに保
たれ、蒸発速度の低下が防がれる。活性炭は特にその表
面積(吸着面積)が広いことで知られており、所定の脱
脂処理が終わるまでに飽和しないものを用いることは比
較的容易である。また、周囲の活性炭に吸着されないバ
インダー蒸気は流動によって僅かづつ容器の外表面から
放出される。したがって、本発明は、終始有効な速度で
バインダーを蒸発、除去することが可能になる。
【0011】その際、収容空間内全体は層流であるの
で、グリーン体の設置場所によって脱脂状態にばらつき
が生じることが少なくなり、また、1個のグリーン体上
においても、雰囲気ガスの送風に面する側とその背面側
とで著しく蒸発が不均一になることがなくなるので、単
体のグリーン体全体の均質化を高めることができる。さ
らに、外部からの熱の一部は一旦活性炭製の容器に吸熱
され、その容器の内周全面から輻射によってグリーン体
に伝達されるので、グリーン体に対する均熱化が促進さ
れる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1〜図4を参
照して説明する。
【0013】この焼結用グリーン体の前脱脂装置は、主
としてバインダーの前脱脂を行うことを目的として構成
されたものであり、図1に示すように、外壁1と内壁2
によって内部を処理室3と加熱室4に区画された処理ケ
ース5が主体をなしている。処理室3の中央には容器1
0を載置するための架台6が配置され、内壁2の一対の
対向面にはそれぞれ開口部2a、2bが設けられてい
る。一方の開口部2aには送風手段である均熱ファン7
が配設され、その均熱ファン7の支軸7aが内壁2およ
び外壁1を貫通してケース外部に付設したモータ8に接
続されている。また、前記加熱室4には加熱手段として
例えばシースヒータ等のヒータ9が配設されている。す
なわち、この前脱脂装置は主に対流によって加熱を行う
もので、処理ケース5内にガス導入系路12から例えば
雰囲気ガスとして空気Xを導入し、前記均熱ファン7を
作動させることにより、処理室3内の空気Xを対向面の
開口部2bを介して加熱室4に導出し、ヒータ9で加熱
した後に、開口部2aを介して再び処理室3内に導入す
るという循環を生起し、これにより容器10を加熱する
ようになっている。
【0014】容器10は、活性炭のフェルト成形体から
なる通気性を有したもので、一部にグリーン体Aを挿脱
するための図示しない開閉蓋を有しており、閉成時に内
部に処理空間Sを形成するようになっている。
【0015】次に、図示装置における脱脂工程について
説明する。容器10内にMo(モリブデン)製のセッタ
11を配置し、その上にグリーン体Aを収容して、該容
器10を処理室3に搬入する。そして、処理ケース5内
にガス導入系路12を通じて空気Xを導入し、ヒータ9
および均熱ファン7をONにする。ヒータ9は図2に示
すように、先ずグリーン体Aを80℃程度に加熱し、そ
の後徐々に昇温させて200℃まで加熱し、しかる後常
温に戻すまでの工程を1日間をかけて行うように制御さ
れる。
【0016】このような前脱脂装置であれば、処理開始
後、容器10に向かって送風される空気Xは乱流状態に
あるが、その一部は図1中矢印に示すようにその容器1
0の収容空間Sに入り込み、そこを層流状態となって緩
やかに流動する。このとき、図3に示すように、グリー
ン体Aから出たバインダー蒸気Bはその空気Xの流動に
よって運ばれ、活性炭製容器10の内周に到達して吸着
される。このようにバインダー蒸気Bが流動的に運搬さ
れると、周辺の活性炭が飽和するまでは図4に示すよう
にグリーン体A表面のバインダー蒸気Bの濃度は常に低
いレベルに保たれ、その結果、グリーン体Aからのバイ
ンダーの蒸発速度の低下が防がれる。なお、活性炭製容
器10は本実施例の脱脂処理を通じて飽和することはな
い。何故なら、活性炭は内部ポアを含めてその表面積が
極めて広い上に、周囲の活性炭製容器10に吸着されな
いバインダー蒸気Bが図4に示すように流動によって僅
かづつ容器10の外に放出され、排気系路13から排出
されるからである。
【0017】本実施例では、このようにして、グリーン
体Aに対して1日で30wt%程度の前脱脂率を達成す
ることができる。前脱脂を終えたグリーン体Aはその
後、処理ケース5から取り出され、脱脂・焼結炉に移さ
れて、先ず200℃から400乃至500℃程度の加熱
で本脱脂が行われ、続いて、焼結工程に付されることと
なる。前脱脂で少なくとも30wt%以上を脱脂してお
けば、本脱脂時にグリーン体Aに有効な保形力が生じ
る。前脱脂は比較的低温で行われるので、グリーン体A
の粉体成分が熱的変質を起こさない。
【0018】以上のようにして、本前脱脂装置は、収容
空間S内を緩やかな層流状態にしてグリーン体Aからバ
インダーを除去するので、容器10内に複数のグリーン
体Aを収容した場合に各場所によってグリーン体Aの脱
脂状態にばらつきが生じることを防止することができ
る。また、1個のグリーン体A上においても、雰囲気ガ
スXの送風に面する側とその背面側とで著しく不均一に
なることがなく、全体の均質化を高めることができる。
さらに、ヒータ9からの熱の一部は一旦活性炭製の容器
10に吸熱され、その容器10の内周全面から輻射によ
ってグリーン体Aに伝達されるので、グリーン体Aに対
する均熱化が促進される。さらにまた、上記の効果に加
えて、活性炭を用いたことで適度な加熱により容易に再
生利用できる利点や、活性炭は熱伝導率や放射率が大き
く熱容量が小さいので図示のようにグリーン体Aの周辺
を覆ってもグリーン体Aに対する加熱を高効率で行うこ
とができる効果などが付随して得られる。
【0019】なお、本発明は上述した実施例のみに限定
されるものではない。例えば、前記実施例では容器10
内に単一の収容空間Sを形成したが、図5に示すよう
に、容器20内に複数の収容空間Sを形成して各収容空
間Sごとにグリーン体Aを収容するようにしてもよい。
また、前記実施例では雰囲気ガスとして空気を用いた
が、N2 やAr等の不活性ガスを用いることもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明に係る焼結用グリーン体の前脱脂
装置は、以上説明したように、グリーン体を活性炭製の
容器内に収容し、容器外部からグリーン体を加熱すると
ともに、容器外部に雰囲気ガスを送風して容器内部に雰
囲気ガスを層流状態で流動させ、その結果、グリーン体
から出るバインダー蒸気を活性炭製容器に吸着させつつ
脱脂を進行させるものであるため、簡単な構成でありな
がら、グリーン体表面のバインダー蒸気濃度を常に低い
レベルに保って脱脂を比較的高速で進行させることがで
き、その上に、容器内に配置される複数のグリーン体間
で脱脂の均質化を図り、また1個のグリーン体上におい
ても脱脂の均質化を高めることができるという優れた効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す模式的な全体縦断面
図。
【図2】同実施例の温度処理パターンを示すグラフ。
【図3】同実施例で前脱脂が行われる様子を示す作用説
明図。
【図4】図3の部分拡大図。
【図5】本発明の他の実施例を示す図1に対応した断面
図。
【符号の説明】
7…送風手段(均熱ファン) 9…加熱手段(ヒータ) 10、20…容器 A…グリーン体 B…バインダー蒸気 S…収容空間 X…雰囲気ガス(空気)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にグリーン体の収容空間を形成した活
    性炭製の通気性を有した容器と、この容器の周囲に雰囲
    気ガスを送風する送風手段と、前記容器を介して前記グ
    リーン体を加熱する加熱手段とを具備してなり、グリー
    ン体から出るバインダー蒸気を流動させ、近傍の活性炭
    に吸着させつつ脱脂を進行させることを特徴とする焼結
    用グリーン体の前脱脂装置。
JP4257018A 1992-09-25 1992-09-25 焼結用グリーン体の前脱脂装置 Pending JPH06108113A (ja)

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