JPH06107551A - 関節症治療剤 - Google Patents

関節症治療剤

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JPH06107551A
JPH06107551A JP28696792A JP28696792A JPH06107551A JP H06107551 A JPH06107551 A JP H06107551A JP 28696792 A JP28696792 A JP 28696792A JP 28696792 A JP28696792 A JP 28696792A JP H06107551 A JPH06107551 A JP H06107551A
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JP
Japan
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chitin
water
soluble
arthropathy
chitosan
Prior art date
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Pending
Application number
JP28696792A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nakagawa
晃 中川
Satoru Miyata
悟 宮田
Yuji Shimozono
雄二 下園
Yoshiomi Soejima
義臣 副島
Masaru Saida
勝 斉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
Original Assignee
Hisamitsu Pharmaceutical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水溶性キチンまたは水溶性キトサンを含有す
ることを特徴とする。変形性膝関節症、肩関節周囲炎な
どの関節症の治療を目的とした関節症治療剤。 【構成】 カルボキシメチルキチン、ジヒドロキシプロ
ピルキチン、ヒドロキシエチルキチン、カルボキシルキ
チン、キトサンオリゴ糖、N−サクシニルキトサン、ヒ
ドロキシプロピルキトサンなどの水溶性キチンまたは水
溶性キトサンを有効成分として含有してなる関節症治療
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は関節症治療剤に関するも
のである。更に詳しくは、有効成分として水溶性キチン
または水溶性キトサンを用いることを特徴とする、変形
性膝関節症、肩関節周囲炎などの関節症の本質的な治療
を目的とした関節症治療剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで変形性関節症や慢性関節リウマ
チなどに対する薬物療法としては、非ステロイド剤、ス
テロイド剤、免疫抑制剤などの経口剤が使われている。
しかしこれらはいずれも対処療法であり、障害された関
節組織の修復あるいは改善といった本質的な治療方法で
はなかった。
【0003】これに対して関節液の成分の1つであるヒ
アルロン酸ナトリウムの誘導体を有効成分とした関節症
治療剤が特開昭61−210034号公報として公知で
ある。しかも今日ヒアルロン酸ナトリウムを有効成分と
した関節症治療剤が商品化され臨床に適用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ヒアルロン酸ナトリウ
ムを有効成分とした関節症治療剤は、現在臨床に適用さ
れているがまだその有効性が充分であるとは言い難い。
またヒアルロン酸ナトリウムは、鶏のとさかなどからの
抽出、或いはバイオ技術による製造が行われているが、
非常にコストが高いといった問題点を有している。本発
明の目的は従来のヒアルロン酸ナトリウムと比べて有効
性が高く、しかも廉価な関節症治療剤を開発することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ヒアルロ
ン酸ナトリウムに替わり得る関節症治療剤の開発を目的
として鋭意研究を行った結果、ヒアルロン酸ナトリウム
と同様に生体成分由来で、保湿効果を有している水溶性
キチンまたは水溶性キトサンが上記目的を満足する成分
であることを見いだし本発明を完成した。即ち関節症治
療剤として水溶性キチンまたは水溶性キトサンを生理食
塩水に溶解した製剤は関節症治療剤としてヒアルロン酸
ナトリウムより顕著な効果を有しており、しかもコスト
的にも非常に廉価であることがわかった。キチンは地球
上で年間1×1011(推定)が生物生産されている非常
に豊富な天然資源であり、種々の応用が検討されている
生体適合性の優れた天然高分子原料である。またキチン
はバイオ技術で製造することも可能であり、そのコスト
はヒアルロン酸ナトリウムに比較して非常に安く、産業
利用上大変有利である。有効成分として使用する水溶性
キチンまたは水溶性キトサンは、かに、えびなど甲殻類
の殻、蚕など昆虫の甲皮、おきあみ、いかなど軟体動物
の殻や骨格などに広く含まれているキチンの誘導体であ
り、保湿作用、免疫調整作用、抗菌作用などを有してい
る。
【0006】水溶性キチンまたは水溶性キトサンは、キ
チンまたはキトサンにカルボキシル基、カルボキシメチ
ル基、糖などの親水基を置換或いは導入して水溶性とし
たものである。例えばカルボキシメチルキチン(CM−
キチン)、ヒドロキシエチルキチン(HE−キチン、グ
リコ−ルキチン)ジヒドロキシプロピルキチン(DHP
−キチン)、カルボキシルキチン(C−キチン)、キト
サンオリゴ糖、N−サクシニルキトサン、ヒドロキシプ
ロピルキトサンなどがある。CM−キチンは、キチンを
アルカリ存在下、モノクロル酢酸を反応してC−6の水
酸基にカルボキシメチル基を導入したものである。商品
の例としては、片倉チッカリン(株)のカルボキシメチ
ルキチンがある。HE−キチンは、アルカリ存在下、モ
ノクロルヒドリン或いはエチレンオキサイドを反応させ
てC−6の水酸基にヒドロキシエチル基を導入したもの
である。またDHP−キチンは、キチンにアルカリ存在
下、3−クロロ−1,2−プロパンジオ−ルを反応させ
て得られる。またヒドロキシプロピルキトサンまたはC
−キチンは、キチンを酸化クロムなどの酸化剤で6位の
ヒドロキシメチル基を酸化して得られる。キトサンオリ
ゴ糖は、キトサンを酵素処理したもので、例えば片倉チ
ッカリン(株)からキトサンオリゴ糖が商品化されてい
る。ヒドロキシプロピルキトサンは、キトサンにプロピ
レンオキサイドを反応させて得られる。これら水溶性キ
チンまたは水溶性キトサンの置換度は、水溶性とするた
めに50%以上であることが望ましい。これらの水溶性
キチンまたはキトサンは、ヒアルロン酸ナトリウムと同
様、保湿作用を有しているが、その他にも免疫調整作用
などの薬理効果を併せ持っている。関節症を引き起こす
慢性関節リウマチ、全身性エリテマト−デスなどの膠原
病は、明確ではないが自己免疫疾患(免疫異常)である
と考えられている。従って免疫調整作用を有している水
溶性キチンは、関節症の本質的治療剤として非常に有効
であると考えられる。次に本発明の製造方法について述
べる。本発明の関節症治療剤を製造するには、通常、水
溶性キチンを溶液が注射針を通過できる粘度(5000
0センチポイズ以下)となるような濃度で生理食塩水に
溶解して滅菌後、注射剤とする。それら水溶性キチンま
たは水溶性キトサンの濃度としては、0.05〜3重量
%、好ましくは0.2〜2重量%が用いられる。以下に
実施例及び試験例を示し、本発明を更に具体的に説明す
る。
【0007】
【実施例】
実施例 1 カルボキシメチルキチン0.5gを100mlの生理食
塩水に溶解し、0.22μmの膜でフィルタ−し検体と
した(検体1)。また対照としてヒアルロン酸ナトリウ
ム0.5gを同様に生理食塩水100mlに溶解し、0.
22μmの膜でフィルタ−し検体とした(検体2)。
【0008】試験例 1 (関節における鎮痛作用) 実施例1で得られた検体1及び検体2についてラット関
節における鎮痛作用を試験した。 (使用動物)ウィスター系雄性ラットを6週令で購入
し、7日間自由に飼育して実験に用いた。 (実験方法)ラットの後肢膝関節腔内に0.02mMの
ブラジキニンを含む0.5%CM−キチン(検体1)及
び0.5%ヒアルロン酸ナトリウム(検体2)を0.05
ml投与してラットの歩行動作を観察した。対照にはブ
ラジキニンのみを投与し比較した。ラットの関節疼痛判
定は後藤らの判定基準(表1)に従って行った。
【0009】
【表1】 (結 果)ラットにおける疼痛試験の結果を表2に示し
た。
【0010】
【表2】 *:5%で対照に対して有為差があることを示す。 **:1%で対照に対して有為差があることを示す。
【0011】表2の結果から明からかなように、本発明
のカルボキシメチルキチンを含有する製剤である検体1
は対照及びヒアルロン酸ナトリウムを含有する製剤であ
る検体2に比べ、ブラジキニン誘発のラット関節痛に対
して優れた鎮痛効果を示した。
【0012】
【発明の効果】本発明の水溶性キチンまたは水溶性キト
サンを含有する関節症治療剤は、ヒアルロン酸ナトリウ
ムなどの従来の治療剤に比べ、湿潤作用による関節軟骨
表面の被服、保護潤滑機能の改善などの薬理作用以外に
も免疫調整作用なども併せ持っているため優れた治療効
果を有している。また出発原料であるキチンが地球上に
豊富に存在しており、またバイオでの製造も可能である
ため商品コストが廉価であるといったメリットを有して
いる。従って、本発明の水溶性キチンまたは水溶性キト
サンを含有する製剤は、変形性関節症、肩関節周囲炎な
どの関節症の治療剤として産業上大変有用な医薬品であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 副島 義臣 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内 (72)発明者 斉田 勝 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光製 薬株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性キチンまたは水溶性キトサンを有
    効成分とすることを特徴とする関節症治療剤。
  2. 【請求項2】 水溶性キチンがカルボキシメチルキチ
    ン、ジヒドロキシプロピルキチン、ヒドロキシエチルキ
    チンまたはカルボキシルキチンである請求項1記載の関
    節症治療剤。
  3. 【請求項3】 水溶性キトサンがキトサンオリゴ糖、N
    −サクシニルキトサンまたはヒドロキシプロピルキトサ
    ンである請求項1記載の関節症治療剤。
JP28696792A 1992-09-30 1992-09-30 関節症治療剤 Pending JPH06107551A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002539233A (ja) * 1999-03-22 2002-11-19 ヴィルバク リウマチ障害を一般投与によって予防または治療するための、コンドロイチン硫酸およびキトサンに基づく組成物
KR101352426B1 (ko) * 2013-07-05 2014-01-17 주식회사 네이처바이오 관절연골 재생 및 골관절염 예방 또는 치료를 위한 약학적 조성물
JP2017533186A (ja) * 2014-10-29 2017-11-09 ラボラトワール・メディドム・エスアーLaboratoire Medidom S.A. キトサンを含む加熱殺菌された製剤及びその調製方法

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JP2002539233A (ja) * 1999-03-22 2002-11-19 ヴィルバク リウマチ障害を一般投与によって予防または治療するための、コンドロイチン硫酸およびキトサンに基づく組成物
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