JPH06106950A - 車両のサスペンション制御装置 - Google Patents

車両のサスペンション制御装置

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Publication number
JPH06106950A
JPH06106950A JP28370792A JP28370792A JPH06106950A JP H06106950 A JPH06106950 A JP H06106950A JP 28370792 A JP28370792 A JP 28370792A JP 28370792 A JP28370792 A JP 28370792A JP H06106950 A JPH06106950 A JP H06106950A
Authority
JP
Japan
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road surface
damping force
delay time
sensor
vehicle
Prior art date
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Pending
Application number
JP28370792A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Mine
篤 美禰
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Priority to GB9316850A priority patent/GB2270050B/en
Priority to DE19934329161 priority patent/DE4329161C2/de
Priority to US08/193,552 priority patent/US5497325A/en
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 路面センサを適正に移動及び角度変化して、
路面検出を最適化すると共に、走行全域で制御系全体の
遅れに対して常にサスペンション特性を最適タイミング
で切換える。 【構成】 前輪2と後輪3にそれぞれ減衰力を切換制御
することが可能なサスペンション5,5’を配設し、更
に車体1の前方下部に路面の凹凸を検出する路面センサ
10を、路面検出位置を車体前方へ移動することが可能
に設ける。そして特に中速時には移動装置11により路
面センサ10自体を移動し、高速時は最大移動状態で更
に角度可変装置15により路面センサ10自体を前方へ
角度変化して、路面検出位置を前方へ移動し、且つ必要
に応じてディレイ時間を算出して減衰力切換信号を前後
輪サスペンション5,5’に出力し、少なくとも前輪2
が路面検出位置に達するタイミングと、制御系の遅れ時
間を加味して前輪サスペンション5の減衰力が切換えら
れるタイミングとを常に略一致する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の各車輪に設けら
れて、路面の凹凸状態に応じてサスペンション特性を切
換制御するサスペンション制御装置に関し、詳しくは、
走行全域で制御系の遅れに対して減衰力を確実に切換え
る制御に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、サスペンションは、スプリング
とショックアブソーバを有して車両の各車輪の車体と車
軸との間に設けられ、路面からの衝撃をスプリングで吸
収し、その跳ね返りの持続振動をショックアブソーバに
より減衰して、衝撃等を緩和するものである。このため
ショックアブソーバの減衰力が大きいと、車体のロール
等を抑えて車両姿勢の安定性を向上できるが、路面の凹
凸に対して敏感に反応するためゴツゴツした乗り心地に
なる。逆に減衰力が小さいと、路面からの振動入力が低
減してソフトな乗り心地になる。このため近年、ショッ
クアブソーバに減衰力可変装置を付加して、サスペンシ
ョン特性の減衰力を、良路と悪路の路面状態、制動、発
進、旋回等の走行状態に応じて制御し、操安性と乗り心
地を両立することを可能にした、セミアクティブサスペ
ンション装置が出現している。
【0003】ここで、路面の凹凸に対してサスペンショ
ン特性を切換える制御では、車体前部に路面の凹凸を検
出する超音波方式等の路面センサが設けられる。この場
合に路面センサは、車両のピッチングによる検出誤差を
少なくするため、できるだけ前輪の近くに配置して路面
検出するように移動することが望まれる。
【0004】一方、路面センサを固定したままに保つ
と、路面センサによる路面検出位置に車輪が実際に達す
る時間が、車速により変化する。またセンサ系、制御
系、アクチュエータ系には固有の遅れ時間があり、この
制御系全体の遅れ時間を考慮すると、或る車速以上にな
ると路面センサで検出した路面情報を、サスペンション
特性の切換制御に用いるための時間的な余裕が無くなっ
て、最適なタイミングでの変更ができなくなる。そこで
車両の走行全域で、車輪が路面検出位置に達するタイミ
ングと、制御系全体の遅れ時間を加味してサスペンショ
ン特性が切換えられるタイミングを常に一致するように
制御することが要求される。
【0005】従来、上記路面の凹凸に対するサスペンシ
ョン特性切換制御に関しては、例えば特開平3−182
825号公報の先行技術がある。ここで車体の前端下部
に路面凹凸センサを設け、このセンサ出力に基づいてサ
スペンション特性を切換えることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、路面凹凸センサが車体に固定して
設けられ、常に前輪の前方一定距離だけ離れた路面を検
出する構成であるから、高速時には制御系全体の遅れ時
間によりサスペンション特性を、最適なタイミングで切
換制御することができないことがある。
【0007】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、路面センサを適正に移動及び角度変化して、路面検
出を最適化すると共に、走行全域で制御系全体の遅れに
対して常にサスペンション特性を最適タイミングで切換
えることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、車輪にスプリング、減衰力可変装置を有
するショックアブソーバ、減衰力を切換制御するアクチ
ュエータを備えたサスペンションを配設する車両におい
て、車体前方下部に路面の凹凸を検出する路面センサ
を、移動装置と角度可変装置を備えて路面検出位置を車
体前方へ移動することが可能に設け、この路面センサと
走行状態の信号を制御ユニットで処理し、制御系の遅れ
を生じないように移動装置と角度可変装置に選択的に作
動信号を出力し、制御系の遅れに対するディレイ時間を
調整して減衰力切換信号をアクチュエータに出力するよ
うに構成するものである。
【0009】
【作用】上記構成に基づき、路面センサで路面が正確に
検出され、この路面センサによる路面情報でサスペンシ
ョンの減衰力が切換制御される。そして低速時には、路
面センサが最短位置に固定され、この状態で制御系の遅
れに対するディレイ時間を算出し、このディレイ時間経
過後に減衰力切換信号をアクチュエータに出力する。ま
た車速が上昇して前輪が路面検出位置に速く達するよう
になると、移動装置により路面センサ自体が前方へ移動
し、または角度可変装置により路面センサ自体が真下に
向いた状態から前方へ角度変化して、路面検出位置が車
体前方へ遠ざかるようになり、こうして常に制御系全体
の遅れ時間が確保される。そしてこのセンサ作動状態で
も必要に応じて同様にディレイ時間を算出して減衰力切
換信号をアクチュエータに出力することで、少なくとも
前輪が路面検出位置に達するタイミングと、制御系の遅
れ時間を加味して前輪サスペンションの減衰力が切換え
られるタイミングとが常に略一致したものになり、こう
して走行全域で車両姿勢を確実に安定化することが可能
になる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1において、車両のサスペンション制御系の概
略について説明する。符号1は車体であり、前輪2と後
輪3の車軸4と車体1との間に、サスペンション5,
5’がそれぞれ介設されている。前輪サスペンション5
は、車体1と車軸4との間にスプリング6と減衰力可変
式ショックアブソーバ20を並列的に設け、ショックア
ブソーバ20の上部に減衰力を切換制御するアクチュエ
ータとして電動式のモータ7を設けて構成される。後輪
サスペンション5’も同一の構成であり、同一部分には
同一の符号にダッシュを付して説明を省略する。
【0011】車体1の前輪2の直前方には、路面の凹凸
を検出する路面センサ10が、アクチュエータのモータ
12を備えた移動装置11と、角度可変装置15に装着
して設けられる。これにより路面センサ10は、移動装
置11により前方へ移動し、または角度可変装置15に
より前方へ傾いて、路面検出位置を移動することが可能
になっている。また走行状態を検出するため車速センサ
13を有する。そして路面センサ10と車速センサ13
の信号は制御ユニット14に入力し、制御ユニット14
の出力信号で前後輪サスペンション5,5’のモータ
7,7’、移動装置11、角度可変装置15を作動する
ように構成される。
【0012】制御ユニット14は、路面情報に応じた減
衰力切換信号を選択し、更に制御系の遅れに対して減衰
力切換信号の出力タイミングや、路面検出位置を制御す
る。以下にその制御則について説明する。車速をV、制
御系全体の遅れ時間をΔt、センサとタイヤ中心との最
短前後距離をLo、センサ水平移動量をΔL1、センサ
角度変化した場合の水平方向の移動量、即ちセンサ傾斜
移動量をΔL2とすると、タイヤ前方の路面検出位置ま
での全体の長さは、Lo+ΔL1+ΔL2、路面検出時
からタイヤ到達までの時間は、(Lo+ΔL1+ΔL
2)/Vとなる。また路面情報を制御に使用する際に調
整されるディレイ時間ΔTを含む余裕時間は、(Lo+
ΔL1+ΔL2)/V−Δtとなる。
【0013】また路面センサ10を車体前方へ傾斜する
際の諸元を、図7のように定める。即ち、センサ取付高
さをHo、センサ傾斜角をθ、路面Dの凹凸部Eの高さ
をΔH、センサ検出距離をLnとする。この場合に路面
センサ10が真下に向いたθ=0では、ΔH=Ln−H
oとなる。また、θ>0では、ΔL2=Ln・sin
θ、ΔH=Ho−Ln・cosθとなる。ただし、凹凸
部Eの上方向を正、前方距離を正とする。従って、ディ
レイ時間算出可能な低速時には、ディレイ時間ΔTを算
出して制御する。また中高速時には、路面センサ10自
体を水平移動し、更に角度変化して路面検出位置を車体
前方へ移動するように制御する。これにより常に制御系
全体の遅れ時間Δtが確保されて、走行全域で少なくと
も前輪2が路面検出位置に達するタイミングと、前輪サ
スペンション5の減衰力を切換えるタイミングを略一致
することができる。
【0014】そこで、車速Vがディレイ時間算出可能な
設定車速Vs1(Lo/Δt)以下の低速時には、ΔL
1=θ=0として、ディレイ時間ΔTを、ΔT=Lo/
V−Δtにより算出し、且つ路面凹凸高さΔHを、ΔH
=Ln−Hoにより算出して制御する。また設定車速V
s1以上の中高速時においては、センサを最も前方移動
した際に制御可能な設定車速Vs2に対して、これ以下
ではΔT=θ=0として、センサ水平移動量ΔL1を、
ΔL1=V・Δt−Loにより算出し、且つ路面凹凸高
さΔHを、同様にΔH=Ln−Hoにより算出して制御
する。
【0015】更に、設定車速Vs2以上では、ΔL1=
ΔLmax(ΔLmaxはセンサ最大移動量)として、
車速Vの上昇に応じてセンサ傾斜角θを余裕を持って順
次増大する。そしてセンサ傾斜移動量ΔL2を、ΔL2
=Ln・sinθにより算出し、更にディレイ時間ΔT
を、ΔT=(Lo+ΔLmax+ΔL2)/V−Δtに
より求める。また路面凹凸高さΔHを、ΔH=Ho−L
n・cosθにより算出して制御する。
【0016】図2において、減衰力可変式ショックアブ
ソーバ20の具体的構成について説明する。ショックア
ブソーバ20は、車軸4側のシリンダ21に車体1側の
ロッド22がピストン23を有して移動可能に挿入さ
れ、このピストン23により上部室24と下部室25に
区画してオイルOが充填される。ピストン23には伸び
側のメイン通路26とメインバルブ26aが、縮み側の
メイン通路27とメインバルブ27aがそれぞれ設けら
れる。そしてロッド上昇で伸びる際には、一方のメイン
バルブ26aが開き上部室24からオイルOがメイン通
路26を介して下部室25に流れ、逆にロッド下降で縮
む場合は、他方のメインバルブ27aが開き下部室25
からオイルOがメイン通路27を介して上部室24に流
れる。ここで各メイン通路26,27のオリフィス口径
は小さく設定され、これにより伸び側と縮み側で等しい
ハードな減衰力を生じる。
【0017】またロッド22の内部には、減衰力可変装
置30が設けられている。この減衰力可変装置30は、
ロッド22の中心に連通孔31が下端を下部室25に連
通して設けられ、この連通孔31が伸び側のサブ通路3
2とサブバルブ32a、縮み側のサブ通路33とサブバ
ルブ33a、及び両者兼用のサブ通路34を介して上部
室24に連通する。また連通孔31にはモータ7からの
シャッタ35が連結ロッド36を介して回転可能に挿入
され、このシャッタ35の円周上に3種類の孔38,3
9,40が所定の回転角度づつ変位して設けられる。
【0018】そこで、モータ7によりシャッタ35が所
定の角度回転位置して、孔38のみがサブ通路32に連
通すると、ロッド下降で縮む場合は、サブバルブ32a
が閉じる。またロッド上昇で伸びると、そのサブバルブ
32aも開き上部室24のオイルOがサブ通路32にも
流れてオリフィス口径を増すことになり、これにより伸
び側がソフトで縮み側がハードな図3の第1モードの減
衰力特性になる。次いでモータ7により他の孔39がサ
ブ通路33に連通すると、この場合には、上述と逆にロ
ッド下降で縮む場合にのみ、サブバルブ33aも開いて
オリフィス口径を増すことになり、このため伸び側がハ
ードで縮み側がソフトな図3の第2モードの減衰力特性
になる。更に、モータ7により他の孔40がサブ通路3
4に連通すると、この場合はサブ通路34に常時オイル
Oが流れてオリフィス口径を増すため、伸び側と縮み側
共にややソフトな図3の第3モードの減衰特性になる。
こうしてモータ7により3種類のモードの減衰特性を得
ることが可能になる。
【0019】次に、この実施例の作用を、図4のフロー
チャートを用いて説明する。先ず車両走行時にステップ
S1で車速Vを読込み、ステップS2で路面センサ出力
Lnを読込み、ステップS3で車速Vと設定車速Vs1
を比較して走行状態をチェックする。ここで実用的な数
値として、例えばLo=0.5m、Δt=0.03秒と
すると、Vs1=60Km/hになる。
【0020】そこで設定車速Vs1以下の低速時には、
ステップS4に進みΔL1=θ=0により、路面センサ
10を真下に向けた状態で最短距離に固定してディレイ
時間ΔTを算出する。そこでディレイ時間ΔTは、前輪
2が車速Vに応じて路面検出位置(Lo)に達する時間
Lo/Vから、制御系全体の遅れ時間Δtを減算して算
出され、車速Vに対して図5(a)のディレイ時間特性
のように、減少関数的に調整される。このため車速Vが
低くて、前輪2が路面センサ10の路面検出位置に比較
的遅く達する場合は、これに対応してディレイ時間ΔT
も長くなる。
【0021】その後ステップS5で路面凹凸高さΔHを
算出する。またステップS6で路面高さΔHの時間履歴
データΔhを作成し、ステップS7でこの時間履歴デー
タΔh、マイコン演算周期等により今回の減衰力変更に
必要な路面高さ情報Δh(ΔT)を算出する。そしてス
テップS8でこの路面高さ情報Δh(ΔT)に適した減
衰力特性を定め、この減衰力切換信号を上記ディレイ時
間ΔTの経過後に、前後輪サスペンション5,5’のシ
ョックアブソーバ20,20’のモータ7,7’に同時
に出力する。そこで上述の車速Vの低い場合は、長いデ
ィレイ時間ΔTにより減衰力切換信号が遅く出力され、
これにより少なくとも前輪2が路面検出位置に達するの
と略一致した最適タイミングで、前輪サスペンション5
の減衰力可変装置30が適正な減衰力に切換わる。
【0022】そこで図6のように、路面センサ10が凸
部Aを検出すると、図3の第2モードの減衰力切換信号
がモータ7,7’に出力して、前輪サスペンション5の
減衰力可変装置30がその特性に切換わる。このため前
輪2が実際に凸部Aを走行して上方移動する際に、減衰
力可変装置30は縮み側がソフトで伸が側がハードに減
衰作用する。次いで後輪3がその凸部Aを走行する際に
は、既に後輪サスペンション5’が同一の特性に切換わ
っているため、同様に減衰作用して車体1の上方移動が
抑えられる。
【0023】一方、路面センサ10が凹部Bを検出する
と、今度は図3の第1モードの減衰力切換信号がモータ
7,7’に出力し、前輪2と後輪3が実際に凹部Bを走
行して下方移動する際に、前後輪サスペンション5,
5’の減衰力可変装置30は、伸び側がソフトで縮み側
がハードに減衰作用して、車体1の下方移動が抑えられ
る。こうして車両の車体1は、路面の凹凸部A,Bに対
して上下動の少ない姿勢を保つように確実に制御され
る。
【0024】次に、車速Vが設定車速Vs1以上に上昇
すると、図4のフローチャートのステップS3からS9
に進み、センサを最も前方移動した際に制御可能な設定
車速Vs2と比較する。ここで上述の具体的な数値、L
o=0.5m、Δt=0.03秒、ΔLmax=0.3
3mとすると、Vs2=100Km/hとなる。
【0025】そこで設定車速Vs2以下の中速時には、
ステップS10に進みΔT=0として固定する。この場
合は、車速Vと制御系全体の遅れ時間Δtに応じて進む
距離V・Δtから、センサ前後最短距離Loを減算する
ことにより、センサ水平移動量ΔL1が図6(b)のよ
うに算出される。またステップS11で路面凹凸高さΔ
Hが、上述と同様に算出される。そしてステップS12
で上記移動信号が移動装置11に出力し、路面センサ1
0自体が真下に向いた状態で移動して、路面検出位置が
センサ水平移動量ΔL1だけ前輪2の前方へ移るように
なる。
【0026】こうして車速Vの上昇により前輪2が路面
検出位置に速く達する場合には、これに対応して路面セ
ンサ10自体の移動で路面検出位置が車体の前方に遠ざ
かるように制御され、これにより常に制御系全体の遅れ
時間Δtが確保される。このため制御系の遅れの後に、
上記路面凹凸高さΔHに適した減衰力特性を定めてその
減衰力切換信号が、上述と同様に前後輪サスペンション
5,5’のショックアブソーバ20,20’のモータ
7,7’に出力しても、少なくとも前輪2が路面検出位
置に達するのと略一致した最適タイミングで、前輪サス
ペンション5の減衰力可変装置30が適正な減衰力に切
換わる。そこでこの中速時にも前輪2と後輪3が路面の
凹凸部A,Bに達する際に、前後輪サスペンション5,
5’が減衰作用して、車両姿勢が確実に安定制御され
る。
【0027】更に上記設定車速Vs2以上の高速時に
は、ステップS9からS13に進む。この車速域では例
えば図5(c)のセンサ傾斜角特性のように、Vs2≦
V<Vs3(120km/h)でθ=30度、Vs3≦
V<Vs4(140km/h)でθ=40度、Vs4≦
V<Vs5(160km/h)でθ=50度、Vs5≦
V<Vs6(180km/h)でθ=55度のように、
各車速V毎にセンサ傾斜角θが設定されている。そこで
設定車速Vs3以下では、ステップS14に進んでセン
サ最大移動量ΔLmaxに保った状態で、路面センサ1
0自体を更に真下に向いた状態から30度前方へ傾け
る。このため路面センサ10自体の角度変化により路面
検出位置が、最大限水平移動した位置から更に前方へ余
裕を持って移動し、車速Vが更に上昇しても制御系全体
の遅れ時間Δtが確保されることになる。
【0028】その後、ステップS15に進んでこの場合
のセンサ傾斜移動量ΔL2を算出する。そしてステップ
S16で低速時と同様に、前輪2が車速Vに応じてこの
場合の全体の長さの位置に達する時間(Lo+ΔLma
x+ΔL2)/Vから、制御系全体の遅れ時間Δtを減
算してディレイ時間ΔTが算出され、且つセンサ傾斜角
θ等により路面凹凸高さΔHが算出される。その後ステ
ップS17でディレイ時間ΔTの時間履歴データΔT
(n)を作成し、ステップS18で路面高さΔHの時間
履歴データΔhを作成し、ステップS19でこれらの時
間履歴データΔT(n)、Δh、マイコン演算周期等に
より今回の減衰力変更に必要な路面高さ情報Δh(Δ
T)を算出する。そしてステップS20でこの路面高さ
情報Δh(ΔT)に適した減衰力特性を定め、この減衰
力切換信号を上記ディレイ時間ΔTの経過後に出力す
る。
【0029】こうしてこの高速時には、路面センサ10
自体を前方へ向け、このセンサ傾斜状態で路面情報を得
てディレイ時間により出力制御されることで、同様に少
なくとも前輪2が路面検出位置に達するのと略一致した
最適タイミングで、前輪サスペンション5の減衰力可変
装置30が適正な減衰力に切換わる。また車速が設定車
速Vs3以上では、ステップS13からS21以降に進
んで同様に制御されるの。そこでこの高速時にも前輪2
と後輪3が路面の凹凸部A,Bに達する際に、前後輪サ
スペンション5,5’が減衰作用して、車両姿勢が確実
に安定制御される。
【0030】尚、路面センサ10が平坦な路面を検出す
る場合には、減衰力可変装置30が図3の第3モードの
特性で伸び側と縮み側がややソフトなものに制御され、
これにより乗り心地が良好になる。
【0031】以上、本発明の実施例について説明した
が、路面センサの水平移動と角度変化は、任意に組合わ
せて制御することができる。またセミアクティブサスペ
ンション装置について説明したが、アクティブサスペン
ション装置、車両挙動特性変更手段にも適応することが
できる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
体に路面センサを設け、路面の凹凸状態に応じてサスペ
ンションの特性を切換える制御において、路面センサが
常に車輪に近い路面を検出することを前提にして構成さ
れるので、車両のピッチング等の影響が少ない状態で正
確に路面を検出することができ、制御精度も向上する。
制御系の遅れに対して路面センサ自体を移動したりまた
は角度変化し、路面検出位置を前方移動して常に制御系
の遅れ時間を確保し、この状態で必要に応じてディレイ
時間を算出して減衰力切換信号を出力するように制御す
るので、制御系の遅れに対して常に最適タイミングでサ
スペンション特性を切換えることができ、走行全域で確
実に車両姿勢を安定化することが可能になる。
【0033】中速時に路面センサを移動し、高速時に路
面センサを角度変化するように制御するので、路面セン
サの突出を少なくして、高速域まで確実に路面検出位置
を移動することができる。路面センサは所定量づつ角度
変化されるので、動作が確実化する。中高速時にのみ路
面センサが車体の前方に突出し、この場合の突出も比較
的少ないので、極低速の小回り時に邪魔になったり、破
損することは無い。また路面センサが車両のデザインに
与える影響は全く無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両のサスペンション制御装置の
実施例を示す全体の構成図である。
【図2】減衰力可変式ショックアブソーバを示す断面図
である。
【図3】サスペンションの減衰力特性を示す図である。
【図4】路面の凹凸状態に応じたサスペンション特性の
変更制御を示すフローチャートである。
【図5】ディレイ時間、センサ移動量及びセンサ傾き角
の調整状態を示す図である。
【図6】路面の凹凸状態を示す略図である。
【図7】センサ取付け状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 車体 2 前輪 3 後輪 5,5’ サスペンション 6,6’ スプリング 7,7’ モータ 10 路面センサ 11 移動装置 13 車速センサ 14 制御ユニット 15 角度可変装置 20,20’ ショックアブソーバ 30 減衰力可変装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪にスプリング、減衰力可変装置を有
    するショックアブソーバ、減衰力を切換制御するアクチ
    ュエータを備えたサスペンションを配設する車両におい
    て、車体前方下部に路面の凹凸を検出する路面センサ
    を、移動装置と角度可変装置を備えて路面検出位置を車
    体前方へ移動することが可能に設け、この路面センサと
    走行状態の信号を制御ユニットで処理し、制御系の遅れ
    を生じないように移動装置と角度可変装置に選択的に作
    動信号を出力し、制御系の遅れに対するディレイ時間を
    調整して減衰力切換信号をアクチュエータに出力するよ
    うに構成することを特徴とする車両のサスペンション制
    御装置。
  2. 【請求項2】 制御ユニットは、低速時には路面センサ
    を真下に向けて最短前後距離に固定し、制御系全体の遅
    れ時間に対しディレイ時間を調整して減衰力切換信号を
    出力し、中速時にはディレイ時間を零とし、車速と制御
    系全体の遅れ時間に基づいて路面センサを真下に向いた
    状態で前方に水平移動しながら減衰力切換信号を出力
    し、高速時には路面センサを最大水平移動位置に固定し
    た状態で各車速毎に前方に傾斜し、各傾斜状態で制御系
    全体の遅れ時間に対しディレイ時間を調整して減衰力切
    換信号を出力するように制御することを特徴とする請求
    項1記載の車両のサスペンション制御装置。
  3. 【請求項3】 ディレイ時間は車速に対して減少関数的
    に調整し、センサ水平移動量とセンサ傾斜角は車速に対
    して増大関数的に定めることを特徴とする請求項2記載
    の車両のサスペンション制御装置。
JP28370792A 1992-08-31 1992-09-29 車両のサスペンション制御装置 Pending JPH06106950A (ja)

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DE19934329161 DE4329161C2 (de) 1992-08-31 1993-08-30 Steuervorrichtung für ein Fahrzeug
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022138276A (ja) * 2021-03-10 2022-09-26 本田技研工業株式会社 車両

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