JPH06106672A - 制振金属パイプ - Google Patents

制振金属パイプ

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JPH06106672A
JPH06106672A JP25672492A JP25672492A JPH06106672A JP H06106672 A JPH06106672 A JP H06106672A JP 25672492 A JP25672492 A JP 25672492A JP 25672492 A JP25672492 A JP 25672492A JP H06106672 A JPH06106672 A JP H06106672A
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JP
Japan
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damping
pipe
vibration
metal
pipes
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Application number
JP25672492A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Sugino
智幸 杉野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性および制振性に優れた密着2重管構造
の制振金属パイプ。 【構成】 複数の金属管を積層してなる制振金属パイプ
であって、複数の金属管を積層し密着させてなり、内層
の金属管の外面と、外層の金属管の内面のどちらか一方
に、内層、外層の金属より軟質の金属がメッキされてい
る。内層の金属管および外層の金属管には一体性がない
ので同期的に振動せず、内層の金属管と外層の金属管の
接触面では振動にずれが発生し、摩擦エネルギーとして
消耗され、制振効果が発揮されるが、その際にいずれか
一方にメッキが施されているで内層の金属管と外層の金
属管で固有振動周波数が異なると共に、密着の際にメッ
キ層が変形して内層の金属管と外層の金属管の接触面積
が向上するので、接触面で消費される摩擦エネルギーが
大きくなり、従来のものより優れた制振効果が発揮され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車の排気ガス用部品
あるいは各種産業機械等に用いられる制振性、耐熱性に
優れた制振金属パイプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、騒音規制が社会的な要請として取
り上げられ、これに伴い騒音の発生源である自動車や産
業機械に制振鋼板が使用されるようになった。制振鋼板
とは、鋼板のもつ強度、靭性、加工性などの長所を損な
わずに、機能複合化あるいは合金化により制振機能を付
与した鋼板であり、構造部材を兼ねる制振材料である。
【0003】構造部材を兼ねる制振合金には、Mn −C
u 合金が良く知られているが、Mn−Cu 合金では50
〜60℃以上で制振性能が劣化するほか、歪みに敏感な
ため残留応力の除去が必要である。また、合金型制振鋼
板を代表するフェライト系ステンレス鋼では350℃以
上まで性能を保持するものの、歪みに敏感であって加工
後の残留応力の除去が不可欠で、かつ制振のメカニズム
が磁区壁に起因するため、40Oe 程度の磁場が印加さ
れると性能がなくなってしまうという性質がある。
【0004】これに対して複合型制振鋼板は、制振性能
が極めて高度で歪みに影響されない。この複合型制振鋼
板は、鋼板/粘弾性樹脂/鋼板で構成される三層構造を
とり、振動減衰機構は鋼板の曲げ振動にともなう樹脂の
" ずり (Shear)"に基づく粘弾性を利用するものであ
る。しかし、この複合型制振鋼板は粘弾性樹脂を利用し
ているため、温度依存性、周波数依存性を有するほか、
温度により剛性が変化する欠点があり、せいぜい130
℃までの温度でしか使用に耐えない。
【0005】しかるに、騒音・振動防止の必要性は前記
の温度以下に限定されるものではなく、さらに高温度に
おいて使用に耐え、かつ制振特性の優れた制振材料の出
現が要求されている。例えば、自動車の排気ガス用部品
は走行中の振動と、加熱、冷却とが繰り返され、該部品
には制振性、耐熱性が優れていることが要求されてい
る。自動車の排気用部品は400〜600℃の高温にさ
らされるものであり、前記の複合型制振鋼板ではかかる
高温では充分な制振性を発揮できないばかりか、耐熱性
においても劣るものであり、自動車用部品あるい産業用
機器の制振材としての使用に耐えないものである。
【0006】そこで、高温で耐え得る制振鋼板として、
超塑性合金積層板や金属芯材複合型制振鋼板等が提案さ
れている。例えば、特開昭63−99937号公報の制
振金属板の発明では、金属板と金属板の間に微細なセラ
ミックス等の介在物を均一に食い込ませて接合し、金属
板同志は冶金学的に接合しない状態で当接し、制振性に
優れた鋼板を得ている。
【0007】しかしこれらの提案は、いずれも板材とし
て形成されたものであり、パイプ等に加工することが難
しく、制振金属管には適しない。そこでこの問題点を解
決すべく提案されたのが密着2重管であって、図2に示
すように少なくとも2本のパイプを内外に積層し引き抜
いて密着させたものである。
【0008】この密着2重管においては、互いに密着し
た内管および外管は外部からの機械的な衝撃によりそれ
ぞれ固有の振動周波数で振動する。しかし、内管および
外管には一体性がないので同期的に振動せず、内管と外
管の接触面では振動にずれが発生するので、接触面にお
いて一方の管の振動が他方の管によって制止され、摩擦
エネルギーとして消耗され、制振効果が発揮される。
【0009】その他に制振金属パイプおよび製造方法と
して、特開昭58−57944号公報にはNi基金属管
とTi基金属管の一方を他方に嵌挿した後、両者を小径
化して接合管体を得、この管体を加熱してNi基金属管
とTi基金属管の界面に拡散により振動減衰性能に優れ
たNi−Ti金属間化合物を形成した制振金属パイプが
開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
密着2重管は同一材料で作ったパイプを重ねて冷間で引
抜き外管と内管を密着させたものであり、それぞれの固
有の振動周波数の差があまりなく、単管に比べて振動ピ
ークを抑えることはできるものの、制振性がまだ充分で
なかった。また、Ni基金属管とTi基金属管を接合し
て加熱する制振金属パイプでは、成分系が限られている
上に加熱するという操作を必要とする。
【0011】本発明は従来の制振金属管の制振性がまだ
不十分であるという問題点を解決するためになされたも
のであって、従来の制振金属管よりさらに制振性を高め
た制振金属管を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者等は従来の密着2
重管において、減衰機能を向上させるためには、密着性
を向上させることが必要であるとの認識の下に、外管と
内管を密着させる手法について鋭意研究を重ねた。その
結果、外管の内面または内管の外面のいずれかに軟質の
金属をメッキすることにより、外管と内管の密着性が向
上し、制振効果が向上することを見出して本発明に到っ
たものである。
【0013】本発明の制振金属パイプは、複数の金属管
を積層し密着させてなる制振金属パイプであって、内層
の金属管の外面と、外層の金属管の内面のどちらか一方
に、内層、外層の金属より軟質の金属がメッキされてい
ることを要旨とする。
【0014】外管の内面または内管の外面のいずれかに
メッキされる軟質の金属については、外管または内管よ
り軟質の金属または合金であれば特に制約はなく、例え
ばAl、Cu、Sn、Zn、Cd等やこれらの合金を用
いることができる。
【0015】本発明に用いられる金属パイプとしては、
フェライト系ステンレス鋼、普通鋼、銅、アルミなどが
使用できる。外管の内管外周への密着方法は特に制約は
なく、何等かの方法で外管が内管の外周に密着できれば
良い。例えば、外管の中に内管を挿入し、そのままの状
態で引き抜いて外管を内管に密着させても良いし、また
逆に内管を拡径することによって外管に密着させても良
い。
【0016】外層に用いられる金属管の固有振動周波数
と内層に用いられる金属管の固有振動周波数とは出来る
だけ異ならせる方が好ましい。固有振動周波数を変える
のに、質量を変える、肉厚を変える、材質を変える等い
ずれの手段によっても良い。また、外層の金属管と内層
の金属管は、それぞれ一層である必要はなく、複層であ
っても良い。
【0017】
【作用】互いに密着した内層の金属管および外層の金属
管は外部からの機械的な衝撃によりそれぞれ固有の振動
周波数で振動する。然るに、内層の金属管および外層の
金属管には一体性がないので同期的に振動せず、内層の
金属管と外層の金属管の接触面では振動にずれが発生す
るので、接触面において一方の管の振動が他方の管によ
って制止され、摩擦エネルギーとして消耗され、制振効
果が発揮される。
【0018】本発明の制振パイプにおいては、内管と外
管の間に介在する軟質金属のメッキ層が内管と外管を密
着させる時に若干変形し、密着の度合いが向上している
ので、接触面積が大きくなり、その結果制振効果が高め
られる。また、メッキされている側とされていない側で
は固有振動数が異なるので、接触面で消費される摩擦エ
ネルギーが大きくなって、従来のものより優れた制振効
果が発揮される。さらに、本発明の制振金属パイプは、
温度依存性が全く無く、高温においても制振効果は劣化
しない。さらには歪みに対する感受性を考慮する必要も
無い。
【0019】
【実施例】本発明の実施例を従来例と対比して説明し、
本発明の効果を明らかにする。本発明の実施例として、
SUS430JILからなる厚さ1.0mmの外管1
に、同じくSUS430JILからなり、外面に目付量
120g/m2の厚みでAlメッキした厚さ1.0mm
の内管2を挿通し、冷間引抜きにより外管1と内管2を
密着させて、外径50.8mm、肉厚2.0mmの制振
金属パイプを製作した。なお、冷間引抜きは、内外の金
属管を密着させることが目的で、軽度の塑性加工である
ため、肉厚の変化はわずかである。
【0020】比較のために、従来例としてSUS430
JILからなり、外径50.8mm、肉厚2.0mmの
単管と、図2の斜視図に示すように、SUS430JI
Lからなる厚さ1.0mmの外管1に、同じくSUS4
30JILからなる厚さ1.00mmの内管2を挿通
し、冷間引抜きにより外管1と内管2を密着させて、外
径50.8mm、肉厚2.0mmの単純な密着2重管構
造の制振金属パイプを製作した。
【0021】製作した本実施例の制振金属パイプ、従来
例の制振金属パイプおよび単管について制振性を評価し
た。制振性の評価は、これらパイプを糸で吊り、同じ強
さでハンマで叩いた際の振動状態をFFTにて周波数解
析し、振動のピーク高さを比較した。得られた結果は図
1に示した。なお、図1においてA〜Eの周波数は0〜
10kHzの間のピークの生じた周波数に対応してい
る。
【0022】図1に示したように、本発明の実施例は、
一部の周波数でピークの高さに差がなく制振の効果がな
かったものの、従来例の単純な密着2重管構造のものに
比べて、振動のピーク高さが著しく低く、全体として優
れた制振性を有し、本発明の効果が確認された。
【0023】
【発明の効果】本発明の制振金属パイプは以上詳述した
ように、複数の金属管を積層してなる制振金属パイプで
あって、複数の金属管を積層し密着させてなり、内層の
金属管の外面と、外層の金属管の内面のどちらか一方
に、内層、外層の金属より軟質の金属がメッキされてい
ることを特徴とするものであって、内層の金属管および
外層の金属管には一体性がないので同期的に振動せず、
内層の金属管と外層の金属管の接触面では振動にずれが
発生し、摩擦エネルギーとして消耗され、制振効果が発
揮されるが、その際にいずれか一方にメッキが施されて
いるで内層の金属管と外層の金属管で固有振動周波数が
異なると共に、密着の際にメッキ層が変形して内層の金
属管と外層の金属管の接触面積が向上するので、接触面
で消費される摩擦エネルギーが大きくなり、従来のもの
より優れた制振効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例と従来例のパイプの周波数と振
動ピークの高さを示す線図である。
【図2】密着2重管の製造方法を説明する斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 外管 2 内管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の金属管を積層し密着させてなる制
    振金属パイプであって、内層の金属管の外面と、外層の
    金属管の内面のどちらか一方に、内層、外層の金属より
    軟質の金属がメッキされていることを特徴とする制振金
    属パイプ。
JP25672492A 1992-09-25 1992-09-25 制振金属パイプ Pending JPH06106672A (ja)

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JP25672492A JPH06106672A (ja) 1992-09-25 1992-09-25 制振金属パイプ

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6082104A (en) * 1997-08-08 2000-07-04 Nippon Soken, Inc. Stainless double tube exhaust manifold
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CN109944983A (zh) * 2019-04-09 2019-06-28 武汉地震工程研究院有限公司 基于摩擦耗能的减震管道系统

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