JPH06106407A - 穴加工方法 - Google Patents
穴加工方法Info
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- JPH06106407A JPH06106407A JP28082192A JP28082192A JPH06106407A JP H06106407 A JPH06106407 A JP H06106407A JP 28082192 A JP28082192 A JP 28082192A JP 28082192 A JP28082192 A JP 28082192A JP H06106407 A JPH06106407 A JP H06106407A
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- hole drilling
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 大掛かりな装置を必要とせずに、被加工物の
加工精度を損なうことなく、極めて効率的・経済的にバ
リの発生を防止できる穴加工方法を提供する。 【構成】 穴加工工具10を被加工物20の一方の面2
2Aから反対側の面22Bまで貫通させて穴加工を行う
穴加工方法において、反対側の面22Bの側に加圧され
た粉体4あるいは流動体を当接させた状態で穴加工工具
10を貫通させることを特徴とする穴加工方法である。
図1(B)のように、穴加工が進んでドリル刃先16の
前方の被加工物残部22Cが薄くなっても、加圧された
粉体4が内側から支えているため、被加工物残部22C
がドリル10の切削圧力で曲げられてバリとなることは
ない。図1(C)のように、内面22Bにドリル刃先1
6が突出した後は、加圧された粉体4は被加工物20と
同様にドリル刃14で切削・除去されつつ、加工部位2
2を支持してバリの発生を防止する。
加工精度を損なうことなく、極めて効率的・経済的にバ
リの発生を防止できる穴加工方法を提供する。 【構成】 穴加工工具10を被加工物20の一方の面2
2Aから反対側の面22Bまで貫通させて穴加工を行う
穴加工方法において、反対側の面22Bの側に加圧され
た粉体4あるいは流動体を当接させた状態で穴加工工具
10を貫通させることを特徴とする穴加工方法である。
図1(B)のように、穴加工が進んでドリル刃先16の
前方の被加工物残部22Cが薄くなっても、加圧された
粉体4が内側から支えているため、被加工物残部22C
がドリル10の切削圧力で曲げられてバリとなることは
ない。図1(C)のように、内面22Bにドリル刃先1
6が突出した後は、加圧された粉体4は被加工物20と
同様にドリル刃14で切削・除去されつつ、加工部位2
2を支持してバリの発生を防止する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被加工物に切削工具
等を貫通させて穴加工を行う際に、被加工物の貫通側の
面でのバリの発生を抑えることができる加工方法に関す
る。
等を貫通させて穴加工を行う際に、被加工物の貫通側の
面でのバリの発生を抑えることができる加工方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ドリル等の穴加工工具を用いて被加工物
に穴加工を行う際には、ドリル等を被加工物の一方の面
から反対側の面まで貫通させることになる。この際、反
対側の面にドリル等の刃先が突出することによって、被
加工物のこの面にバリが発生することになる。このバリ
の発生の仕組みについて、図3を参照して説明する。図
3は、被加工物72にドリル60によって貫通穴74を
明ける穴加工を行う際に、バリ72Dが発生する仕組み
を示す説明図である。図3(A)に示されるように、穴
加工の際、被加工物72の表面72Aからドリル60が
進入するに従って、ドリル60の刃先66の前方にある
被加工物72の残部72Cに対して、切削圧力が掛かる
ことになる。穴加工が進むに従って、ドリル刃先66の
前方の被加工物残部72Cの厚さtは小さくなる。この
結果、図3(B)に示されるように、被加工物残部72
Cの強度が切削圧力に負けてドリル60の進行方向に曲
げられ、被加工物72の裏面72Bにドリル刃先66が
突出することによって、バリ72Dとなる。このように
して、穴加工に伴って、バリ72Dが発生する。
に穴加工を行う際には、ドリル等を被加工物の一方の面
から反対側の面まで貫通させることになる。この際、反
対側の面にドリル等の刃先が突出することによって、被
加工物のこの面にバリが発生することになる。このバリ
の発生の仕組みについて、図3を参照して説明する。図
3は、被加工物72にドリル60によって貫通穴74を
明ける穴加工を行う際に、バリ72Dが発生する仕組み
を示す説明図である。図3(A)に示されるように、穴
加工の際、被加工物72の表面72Aからドリル60が
進入するに従って、ドリル60の刃先66の前方にある
被加工物72の残部72Cに対して、切削圧力が掛かる
ことになる。穴加工が進むに従って、ドリル刃先66の
前方の被加工物残部72Cの厚さtは小さくなる。この
結果、図3(B)に示されるように、被加工物残部72
Cの強度が切削圧力に負けてドリル60の進行方向に曲
げられ、被加工物72の裏面72Bにドリル刃先66が
突出することによって、バリ72Dとなる。このように
して、穴加工に伴って、バリ72Dが発生する。
【0003】このようなバリの発生を防止する方法とし
て、被加工物の穴加工工具が貫通する側の面に補強材を
当てて穴加工を行う方法がある。例えば、板状の被加工
物の場合には、穴加工工具と反対側の面に被加工物と同
様の硬さを有する板材を当接させておいて、穴加工を行
う。また、筒状の被加工物の場合には、被加工物の内径
にぴったり嵌合する形状とした被加工物と同様の硬さを
有する芯金を挿入しておいて、穴加工を行うという方法
である。また、一旦発生したバリの除去方法として、砥
粒を含んだ流動性のメディアをバリの部分に連続的に当
接させることによって、バリを除去する方法が知られて
いる。このような流動性メディアによるバリの除去方法
としては、例えば、特開昭64−500022号公報に
おいて開示された、流動性メディアによる加工方法の発
明がある。この公報に記載された加工方法は、シリコン
オイル等の流動性を有する媒体に研磨材料等の砥粒を分
散させた流動性メディアを、加工部分に当接させること
によって、被加工物の加工を行う方法である。そして、
流動性メディアの流量等を適切に制御することによっ
て、必要な程度の加工を効率よく、かつ安定して行うこ
とができる。
て、被加工物の穴加工工具が貫通する側の面に補強材を
当てて穴加工を行う方法がある。例えば、板状の被加工
物の場合には、穴加工工具と反対側の面に被加工物と同
様の硬さを有する板材を当接させておいて、穴加工を行
う。また、筒状の被加工物の場合には、被加工物の内径
にぴったり嵌合する形状とした被加工物と同様の硬さを
有する芯金を挿入しておいて、穴加工を行うという方法
である。また、一旦発生したバリの除去方法として、砥
粒を含んだ流動性のメディアをバリの部分に連続的に当
接させることによって、バリを除去する方法が知られて
いる。このような流動性メディアによるバリの除去方法
としては、例えば、特開昭64−500022号公報に
おいて開示された、流動性メディアによる加工方法の発
明がある。この公報に記載された加工方法は、シリコン
オイル等の流動性を有する媒体に研磨材料等の砥粒を分
散させた流動性メディアを、加工部分に当接させること
によって、被加工物の加工を行う方法である。そして、
流動性メディアの流量等を適切に制御することによっ
て、必要な程度の加工を効率よく、かつ安定して行うこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
補強材・芯金を用いるバリ発生防止方法においては、板
状の被加工物や簡単な内面形状のパイプ等の場合には、
容易に補強材・芯金を作成することができるが、筒状の
被加工物の内径が数ミリ以下と細い場合や、穴径が複雑
に変化している場合等には、芯金の作成が困難となる。
しかも、芯金が作成できたとしても、一回の穴加工毎に
一個の芯金を消費することになり、極めて不経済で効率
の悪い方法となる。また、後者の流動性メディアによる
バリの除去方法においては、穴加工後に別工程を設けて
行うため非効率的であるばかりか、装置が大掛かりなも
のとなり、さらに、大きなバリを除去しようとすると他
の必要な部分まで削られてしまうため、大きなバリを除
去するのが困難であるという問題点があった。そこで本
発明においては、大掛かりな装置を必要とせずに、被加
工物の加工精度を損なうことなく、極めて効率的かつ経
済的にバリの発生を防止することができる穴加工方法を
提供することを目的とする。
補強材・芯金を用いるバリ発生防止方法においては、板
状の被加工物や簡単な内面形状のパイプ等の場合には、
容易に補強材・芯金を作成することができるが、筒状の
被加工物の内径が数ミリ以下と細い場合や、穴径が複雑
に変化している場合等には、芯金の作成が困難となる。
しかも、芯金が作成できたとしても、一回の穴加工毎に
一個の芯金を消費することになり、極めて不経済で効率
の悪い方法となる。また、後者の流動性メディアによる
バリの除去方法においては、穴加工後に別工程を設けて
行うため非効率的であるばかりか、装置が大掛かりなも
のとなり、さらに、大きなバリを除去しようとすると他
の必要な部分まで削られてしまうため、大きなバリを除
去するのが困難であるという問題点があった。そこで本
発明においては、大掛かりな装置を必要とせずに、被加
工物の加工精度を損なうことなく、極めて効率的かつ経
済的にバリの発生を防止することができる穴加工方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明において
は、上記課題を解決するために、穴加工工具を被加工物
の一方の面から反対側の面まで貫通させて穴加工を行う
穴加工方法において、前記反対側の面の側に加圧された
粉体あるいは流動体を当接させた状態で前記穴加工工具
を貫通させることを特徴とする穴加工方法を創出した。
ここで流動体とは、液体や粘性流体のみに限られず、こ
れらの媒体に固体を分散させたもの等も含まれる。
は、上記課題を解決するために、穴加工工具を被加工物
の一方の面から反対側の面まで貫通させて穴加工を行う
穴加工方法において、前記反対側の面の側に加圧された
粉体あるいは流動体を当接させた状態で前記穴加工工具
を貫通させることを特徴とする穴加工方法を創出した。
ここで流動体とは、液体や粘性流体のみに限られず、こ
れらの媒体に固体を分散させたもの等も含まれる。
【0006】
【作用】さて、上記構成を備えた本発明に係る穴加工方
法においては、穴加工工具を被加工物の一方の面から反
対側の面まで貫通させて穴加工を行う穴加工方法に先立
って、まず、反対側の面の側に加圧された粉体あるいは
流動体が当接させられる。この状態で穴加工工具が被加
工物の一方の面から反対側の面まで貫通させられて、穴
加工方法が実行される。ここで、反対側の面の側に加圧
された粉体が当接している場合には、穴加工が進むに従
って穴加工工具の刃先の前方にある被加工物残部が薄く
なっても、加圧された粉体が被加工物残部を裏側から支
えているため、被加工物残部の強度が切削圧力に負けて
曲げられることがない。そして、被加工物の裏面に穴加
工工具の刃先が突出した後は、加圧された粉体は被加工
物と同様に穴加工工具で切削加工されて除去されつつ、
被加工物を支持してバリの発生を防止することになる。
法においては、穴加工工具を被加工物の一方の面から反
対側の面まで貫通させて穴加工を行う穴加工方法に先立
って、まず、反対側の面の側に加圧された粉体あるいは
流動体が当接させられる。この状態で穴加工工具が被加
工物の一方の面から反対側の面まで貫通させられて、穴
加工方法が実行される。ここで、反対側の面の側に加圧
された粉体が当接している場合には、穴加工が進むに従
って穴加工工具の刃先の前方にある被加工物残部が薄く
なっても、加圧された粉体が被加工物残部を裏側から支
えているため、被加工物残部の強度が切削圧力に負けて
曲げられることがない。そして、被加工物の裏面に穴加
工工具の刃先が突出した後は、加圧された粉体は被加工
物と同様に穴加工工具で切削加工されて除去されつつ、
被加工物を支持してバリの発生を防止することになる。
【0007】また、反対側の面の側に加圧された流動体
が当接している場合には、粉体の場合と異なった作用効
果により、バリの発生が防止される。すなわち、加圧さ
れた流動体では、薄くなった被加工物残部を粉体の場合
のように完全に支持することはできないため、被加工物
残部が切削圧力に負けて穴加工工具の進行方向に曲げら
れ、被加工物の裏面に穴加工工具の刃先が突出すること
によりバリとなる。しかし、同時に、穴加工工具の突出
により形成された貫通穴から、加圧された流動体が穴加
工工具の刃先の間を通って噴出する。この際、一旦生じ
たバリも、噴出する流動体の圧力によって穴加工工具の
刃先側に曲げられ、回転する刃先によって切削除去され
る。これによって、結果として、バリの発生が確実に防
止される。このようにして、加圧された粉体あるいは流
動体を被加工物の裏側に当接させることによって、大掛
かりな装置を必要とせずに、被加工物の加工精度を損な
うことなく、極めて効率的かつ経済的にバリの発生を防
止することができる。
が当接している場合には、粉体の場合と異なった作用効
果により、バリの発生が防止される。すなわち、加圧さ
れた流動体では、薄くなった被加工物残部を粉体の場合
のように完全に支持することはできないため、被加工物
残部が切削圧力に負けて穴加工工具の進行方向に曲げら
れ、被加工物の裏面に穴加工工具の刃先が突出すること
によりバリとなる。しかし、同時に、穴加工工具の突出
により形成された貫通穴から、加圧された流動体が穴加
工工具の刃先の間を通って噴出する。この際、一旦生じ
たバリも、噴出する流動体の圧力によって穴加工工具の
刃先側に曲げられ、回転する刃先によって切削除去され
る。これによって、結果として、バリの発生が確実に防
止される。このようにして、加圧された粉体あるいは流
動体を被加工物の裏側に当接させることによって、大掛
かりな装置を必要とせずに、被加工物の加工精度を損な
うことなく、極めて効率的かつ経済的にバリの発生を防
止することができる。
【0008】
実施例1 次に、本発明を具現化した実施例1について、図1およ
び図2を参照して説明する。図1は、本発明に係る穴加
工方法の実施例1を示す図である。図1(A)は本発明
の穴加工方法を示す全体図であり、図1(B)および図
1(C)は、穴加工の際における、被加工物の裏面から
の粉体による支持の状態を示す部分拡大図である。図1
(A)に示されるように、本実施例の穴加工方法は、穴
加工が行われる被加工物20と、この被加工物20を挟
持固定する保持具40と、被加工物20に穴加工を行う
ドリル10を中心として実施される。
び図2を参照して説明する。図1は、本発明に係る穴加
工方法の実施例1を示す図である。図1(A)は本発明
の穴加工方法を示す全体図であり、図1(B)および図
1(C)は、穴加工の際における、被加工物の裏面から
の粉体による支持の状態を示す部分拡大図である。図1
(A)に示されるように、本実施例の穴加工方法は、穴
加工が行われる被加工物20と、この被加工物20を挟
持固定する保持具40と、被加工物20に穴加工を行う
ドリル10を中心として実施される。
【0009】ドリル10は、その先端部12にドリル刃
14が設けられており、図示しない回転機構によってド
リル10が回転することによって、ドリル刃14により
被加工物の切削による穴加工が行われる。保持具40
は、被加工物20を保持する保持穴42を有し、この保
持穴42に被加工物20が嵌合されて挟持固定される。
この被加工物20は、図1(A)に示されるように、内
部に内径の変化する盲穴20Aが設けられた部材であ
り、その外周も内径の変化に従って、先端部22が中央
部26に比較して細くなっている。また、後端部28は
中央部26に比べて太くなっており、保持具40の保持
穴42で係止されている。
14が設けられており、図示しない回転機構によってド
リル10が回転することによって、ドリル刃14により
被加工物の切削による穴加工が行われる。保持具40
は、被加工物20を保持する保持穴42を有し、この保
持穴42に被加工物20が嵌合されて挟持固定される。
この被加工物20は、図1(A)に示されるように、内
部に内径の変化する盲穴20Aが設けられた部材であ
り、その外周も内径の変化に従って、先端部22が中央
部26に比較して細くなっている。また、後端部28は
中央部26に比べて太くなっており、保持具40の保持
穴42で係止されている。
【0010】本実施例においては、被加工物20の先端
部22に、ドリル10によって盲穴20Aまで貫通する
貫通穴24を明ける加工を行う。まず、図1(A)に示
されるように、穴加工に先立って、被加工物20の盲穴
20Aの先端部に粒度分布が調節された微細な(粒径が
数ミクロン〜数十ミクロン程度)粉体4が充填される。
そして、加圧手段34が作動してピストンロッド32が
前進することによって、充填された粉体4がピストン3
0で加圧される。これによって、盲穴20Aの先端部内
面22Bに、ピストン30で加圧された粉体4が当接さ
せられることになる。なお、本実施例においては、充填
される粉体4として、被加工物20と同一または同等の
材質からなる粉体を用いている。また、粉体4の粒度分
布は、充填性が良く、かつ加工終了後の排除が容易なよ
うに調節されている。この状態から、ドリル10が回転
しながら、ドリル刃14が被加工物20の先端部22の
外周面22Aに当接させられて、先端部22の穴加工が
行われる。従って、本実施例の加工方法は、穴加工工具
10を被加工物の一方の面22Aから反対側の面22B
まで貫通させて穴加工を行う穴加工方法において、反対
側の面22Bの側に加圧された粉体4を当接させた状態
で穴加工工具10を貫通させることを特徴とする穴加工
方法である。
部22に、ドリル10によって盲穴20Aまで貫通する
貫通穴24を明ける加工を行う。まず、図1(A)に示
されるように、穴加工に先立って、被加工物20の盲穴
20Aの先端部に粒度分布が調節された微細な(粒径が
数ミクロン〜数十ミクロン程度)粉体4が充填される。
そして、加圧手段34が作動してピストンロッド32が
前進することによって、充填された粉体4がピストン3
0で加圧される。これによって、盲穴20Aの先端部内
面22Bに、ピストン30で加圧された粉体4が当接さ
せられることになる。なお、本実施例においては、充填
される粉体4として、被加工物20と同一または同等の
材質からなる粉体を用いている。また、粉体4の粒度分
布は、充填性が良く、かつ加工終了後の排除が容易なよ
うに調節されている。この状態から、ドリル10が回転
しながら、ドリル刃14が被加工物20の先端部22の
外周面22Aに当接させられて、先端部22の穴加工が
行われる。従って、本実施例の加工方法は、穴加工工具
10を被加工物の一方の面22Aから反対側の面22B
まで貫通させて穴加工を行う穴加工方法において、反対
側の面22Bの側に加圧された粉体4を当接させた状態
で穴加工工具10を貫通させることを特徴とする穴加工
方法である。
【0011】ここで、図1(B)に示されるように、穴
加工が進むに従ってドリル刃先16の前方にある被加工
物残部22Cが薄くなっても、加圧された粉体4が内側
から支えているため、被加工物残部22Cがドリル10
の切削圧力によって曲げられることはない。そして、図
1(C)に示されるように、加工部位22の内面22B
にドリル刃先16が突出した後は、加圧された粉体4は
被加工物20と同様にドリル刃14で切削加工されて除
去されつつ、被加工物20の加工部位22を支持してバ
リの発生を防止することになる。このようにして、図1
(A)に示されるように、被加工物20の先端部22に
貫通穴24が形成された後に、加圧手段34の作動でピ
ストンロッド32が後進して、粉体4の加圧が解除され
る。そして、盲穴20A内の粉体4が排除されて、被加
工物20の穴加工が終了する。
加工が進むに従ってドリル刃先16の前方にある被加工
物残部22Cが薄くなっても、加圧された粉体4が内側
から支えているため、被加工物残部22Cがドリル10
の切削圧力によって曲げられることはない。そして、図
1(C)に示されるように、加工部位22の内面22B
にドリル刃先16が突出した後は、加圧された粉体4は
被加工物20と同様にドリル刃14で切削加工されて除
去されつつ、被加工物20の加工部位22を支持してバ
リの発生を防止することになる。このようにして、図1
(A)に示されるように、被加工物20の先端部22に
貫通穴24が形成された後に、加圧手段34の作動でピ
ストンロッド32が後進して、粉体4の加圧が解除され
る。そして、盲穴20A内の粉体4が排除されて、被加
工物20の穴加工が終了する。
【0012】本実施例においては、被加工物20の内・
外径およびドリル10の外径は、極めて小さいものであ
る。図1において、被加工物20の盲穴20Aの内径は
1mmで、形成される貫通穴24の内径(図1(A)に
おける寸法D)は0.2mmである。このような細く、
段差のある盲穴20Aについては、従来の方法における
芯金を作成するのは非常に困難である。また、貫通穴2
4も極めて細いことから、流動性メディア加工によりバ
リを除去する方法も、実施が不可能に近い。これに対し
て、本実施例の穴加工方法においては、上述の如く、大
掛かりな装置も必要とせず、被加工物の加工精度も損わ
ず、極めて効率的かつ経済的にバリの発生を防止するこ
とができ、極めて顕著な作用効果が得られる。
外径およびドリル10の外径は、極めて小さいものであ
る。図1において、被加工物20の盲穴20Aの内径は
1mmで、形成される貫通穴24の内径(図1(A)に
おける寸法D)は0.2mmである。このような細く、
段差のある盲穴20Aについては、従来の方法における
芯金を作成するのは非常に困難である。また、貫通穴2
4も極めて細いことから、流動性メディア加工によりバ
リを除去する方法も、実施が不可能に近い。これに対し
て、本実施例の穴加工方法においては、上述の如く、大
掛かりな装置も必要とせず、被加工物の加工精度も損わ
ず、極めて効率的かつ経済的にバリの発生を防止するこ
とができ、極めて顕著な作用効果が得られる。
【0013】実施例2 次に、本発明を具現化した実施例2について、図2を参
照して説明する。図2は、本発明に係る穴加工方法の実
施例2を示す図である。図2(A)および図2(B)
は、穴加工方法の実施例2における穴明けの各段階を示
す部分拡大図である。なお、実施例1と同等の部材に
は、同一符号を附して説明を省略する。本実施例の穴加
工方法においては、図2(A)に示されるように、穴加
工を行うのに先立って、まず、被加工物の加工部位22
の裏側にあたる盲穴20Aの先端部に流動体6が充填さ
れる。そして、実施例1と同様に、図1(A)に示され
るように、加圧手段34でピストンロッド32が前進す
ることによって、流動体6がピストン30で加圧され
る。これによって、盲穴20Aの先端部内面22Bに、
ピストン30で加圧された流動体6が当接させられるこ
とになる。この状態から、ドリル10が回転しながら、
ドリル刃14が被加工物の先端部22の外周面22Aに
当接させられて、先端部22の穴加工が行われる。
照して説明する。図2は、本発明に係る穴加工方法の実
施例2を示す図である。図2(A)および図2(B)
は、穴加工方法の実施例2における穴明けの各段階を示
す部分拡大図である。なお、実施例1と同等の部材に
は、同一符号を附して説明を省略する。本実施例の穴加
工方法においては、図2(A)に示されるように、穴加
工を行うのに先立って、まず、被加工物の加工部位22
の裏側にあたる盲穴20Aの先端部に流動体6が充填さ
れる。そして、実施例1と同様に、図1(A)に示され
るように、加圧手段34でピストンロッド32が前進す
ることによって、流動体6がピストン30で加圧され
る。これによって、盲穴20Aの先端部内面22Bに、
ピストン30で加圧された流動体6が当接させられるこ
とになる。この状態から、ドリル10が回転しながら、
ドリル刃14が被加工物の先端部22の外周面22Aに
当接させられて、先端部22の穴加工が行われる。
【0014】ここで、図2に示されるように、盲穴20
Aの先端部内面22Bに加圧された流動体6が当接して
いる場合には、粉体の場合と異なった作用効果によりバ
リの発生が防止される。すなわち、加圧された流動体6
では、薄くなった被加工物残部を粉体の場合のように完
全に支持することはできない。このため、図2(A)に
示されるように、被加工物残部がドリル10の切削圧力
に負けてドリル10の進行方向に曲げられ、被加工物の
先端部内面22Bにドリル刃先16が突出することによ
りバリ22Dとなる。しかし、同時に、図2(B)に示
されるように、ドリル10の突出により形成された貫通
穴24から、加圧された流動体6がドリル刃先14の間
の溝を通って矢印6Aのように噴出する。この際、一旦
生じたバリ22Dも、噴出する流動体6の圧力によって
ドリル10側に曲げられ、この曲げられたバリ22D
は、矢印10Aの方向に回転するドリル刃先14によっ
て切削除去される。
Aの先端部内面22Bに加圧された流動体6が当接して
いる場合には、粉体の場合と異なった作用効果によりバ
リの発生が防止される。すなわち、加圧された流動体6
では、薄くなった被加工物残部を粉体の場合のように完
全に支持することはできない。このため、図2(A)に
示されるように、被加工物残部がドリル10の切削圧力
に負けてドリル10の進行方向に曲げられ、被加工物の
先端部内面22Bにドリル刃先16が突出することによ
りバリ22Dとなる。しかし、同時に、図2(B)に示
されるように、ドリル10の突出により形成された貫通
穴24から、加圧された流動体6がドリル刃先14の間
の溝を通って矢印6Aのように噴出する。この際、一旦
生じたバリ22Dも、噴出する流動体6の圧力によって
ドリル10側に曲げられ、この曲げられたバリ22D
は、矢印10Aの方向に回転するドリル刃先14によっ
て切削除去される。
【0015】このようにして、被加工物の先端部22に
貫通穴24が形成された後に、図1(A)に示される加
圧手段34の作動で、ピストンロッド32が後進して、
流動体6の加圧が解除される。そして、盲穴20A内の
流動体6が排除されて、被加工物20の穴加工が終了す
る。このようにして、結果として、バリの発生が確実に
防止される。なお、本実施例の加工方法において用いら
れる流動体としては、粘性の高いものが用いられてい
る。これによって、より完全にバリの発生が防止され
る。
貫通穴24が形成された後に、図1(A)に示される加
圧手段34の作動で、ピストンロッド32が後進して、
流動体6の加圧が解除される。そして、盲穴20A内の
流動体6が排除されて、被加工物20の穴加工が終了す
る。このようにして、結果として、バリの発生が確実に
防止される。なお、本実施例の加工方法において用いら
れる流動体としては、粘性の高いものが用いられてい
る。これによって、より完全にバリの発生が防止され
る。
【0016】以上説明したようにして、加圧された粉体
あるいは流動体を被加工物の加工部位の裏側に当接させ
ることによって、大掛かりな装置を必要とせずに、被加
工物の加工精度を損なうことなく、極めて効率的かつ経
済的にバリの発生を防止することができる。
あるいは流動体を被加工物の加工部位の裏側に当接させ
ることによって、大掛かりな装置を必要とせずに、被加
工物の加工精度を損なうことなく、極めて効率的かつ経
済的にバリの発生を防止することができる。
【0017】上記の各実施例においては、細い盲穴を有
する被加工物に対して、その盲穴に粉体あるいは流動体
を加圧充填して穴加工を行う方法について説明したが、
被加工物は盲穴を有するものにかぎられない。すなわ
ち、貫通穴を有する被加工物の場合には、一方の開口を
ふさいで粉体あるいは流動体を加圧充填すればよい。さ
らに、板状の被加工物であっても、その裏面を密着して
覆う治具を用いることによって、同様な穴加工方法を行
うことができる。また、穴加工工具として、ドリルを使
用した場合について説明したが、その他の穴加工工具を
用いても良いことは言うまでもない。さらに、被加工物
や貫通穴の形状,大きさ等も例示に過ぎず、これ以外に
も種々の形状,大きさ等とすることができる。また、実
施例1においては、粉体として被加工物と同一の材質か
らなる粉体を用いているが、必ずしも被加工物と同一の
材質でなくても、同等の硬度を有するものでも良く、さ
らには硬度がある程度異なる粉体でも、同様の作用効果
を得ることができる。穴加工方法に用いられるその他の
部材等の構造,形状,大きさ,材質,数,配置等につい
ても、本実施例に限定されるものではない。
する被加工物に対して、その盲穴に粉体あるいは流動体
を加圧充填して穴加工を行う方法について説明したが、
被加工物は盲穴を有するものにかぎられない。すなわ
ち、貫通穴を有する被加工物の場合には、一方の開口を
ふさいで粉体あるいは流動体を加圧充填すればよい。さ
らに、板状の被加工物であっても、その裏面を密着して
覆う治具を用いることによって、同様な穴加工方法を行
うことができる。また、穴加工工具として、ドリルを使
用した場合について説明したが、その他の穴加工工具を
用いても良いことは言うまでもない。さらに、被加工物
や貫通穴の形状,大きさ等も例示に過ぎず、これ以外に
も種々の形状,大きさ等とすることができる。また、実
施例1においては、粉体として被加工物と同一の材質か
らなる粉体を用いているが、必ずしも被加工物と同一の
材質でなくても、同等の硬度を有するものでも良く、さ
らには硬度がある程度異なる粉体でも、同様の作用効果
を得ることができる。穴加工方法に用いられるその他の
部材等の構造,形状,大きさ,材質,数,配置等につい
ても、本実施例に限定されるものではない。
【0018】さらに、実施例1に固有の効果として、被
加工物と同一の材質からなる粉体を用いているため、ド
リルによる切削・除去が円滑に行われ、穴加工の精度も
損なわれないという利点がある。また、実施例2に固有
の効果として、粘性の高い流動体を用いているため、よ
り完全にバリの発生が防止される。
加工物と同一の材質からなる粉体を用いているため、ド
リルによる切削・除去が円滑に行われ、穴加工の精度も
損なわれないという利点がある。また、実施例2に固有
の効果として、粘性の高い流動体を用いているため、よ
り完全にバリの発生が防止される。
【0019】
【発明の効果】本発明においては、穴加工工具を被加工
物の一方の面から反対側の面まで貫通させて穴加工を行
う穴加工方法において、前記反対側の面の側に加圧され
た粉体あるいは流動体を当接させた状態で前記穴加工工
具を貫通させることを特徴とする穴加工方法を創出した
ために、大掛かりな装置を必要とせずに、被加工物の加
工精度を損なうことなく、極めて効率的かつ経済的にバ
リの発生を防止することができる。これによって、穴加
工方法の製造工程全体を短縮して生産効率を向上させる
ことができ、極めて実用的な穴加工方法となる。
物の一方の面から反対側の面まで貫通させて穴加工を行
う穴加工方法において、前記反対側の面の側に加圧され
た粉体あるいは流動体を当接させた状態で前記穴加工工
具を貫通させることを特徴とする穴加工方法を創出した
ために、大掛かりな装置を必要とせずに、被加工物の加
工精度を損なうことなく、極めて効率的かつ経済的にバ
リの発生を防止することができる。これによって、穴加
工方法の製造工程全体を短縮して生産効率を向上させる
ことができ、極めて実用的な穴加工方法となる。
【図1】本発明に係る穴加工方法の実施例1を示す図で
ある。
ある。
【図2】本発明に係る穴加工方法の実施例2を示す図で
ある。
ある。
【図3】従来例の穴加工方法を示す図である。
4 粉体 6 流動体 10 穴加工工具 20 被加工物 22A 被加工物の一方の面 22B 被加工物の反対側の面
Claims (1)
- 【請求項1】 穴加工工具を被加工物の一方の面から反
対側の面まで貫通させて穴加工を行う穴加工方法におい
て、前記反対側の面の側に加圧された粉体あるいは流動
体を当接させた状態で前記穴加工工具を貫通させること
を特徴とする穴加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28082192A JPH06106407A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 穴加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28082192A JPH06106407A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 穴加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06106407A true JPH06106407A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17630455
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28082192A Pending JPH06106407A (ja) | 1992-09-25 | 1992-09-25 | 穴加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06106407A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5564869A (en) * | 1995-01-25 | 1996-10-15 | Ford Motor Company | Method of drilling ductile materials |
US5593256A (en) * | 1995-07-05 | 1997-01-14 | Ford Motor Company | Eliminating hinged drill caps |
JP2014037016A (ja) * | 2012-08-13 | 2014-02-27 | Asahi Kasei Homes Co | 穿孔形成補助装置 |
-
1992
- 1992-09-25 JP JP28082192A patent/JPH06106407A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5564869A (en) * | 1995-01-25 | 1996-10-15 | Ford Motor Company | Method of drilling ductile materials |
US5593256A (en) * | 1995-07-05 | 1997-01-14 | Ford Motor Company | Eliminating hinged drill caps |
JP2014037016A (ja) * | 2012-08-13 | 2014-02-27 | Asahi Kasei Homes Co | 穿孔形成補助装置 |
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