JPH06106124A - 塗布装置 - Google Patents
塗布装置Info
- Publication number
- JPH06106124A JPH06106124A JP28524592A JP28524592A JPH06106124A JP H06106124 A JPH06106124 A JP H06106124A JP 28524592 A JP28524592 A JP 28524592A JP 28524592 A JP28524592 A JP 28524592A JP H06106124 A JPH06106124 A JP H06106124A
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- JP
- Japan
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- coating
- blade surface
- smoothing blade
- smoothing
- intersection
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- Coating Apparatus (AREA)
- Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 動圧の調整範囲を広くして、均一塗布、高速
塗布、薄膜塗布などの用途に応じて、安定した塗布状態
が得られ、塗布厚が均一でスジ等の無い平滑な表面を有
する高品質な塗膜を形成できるようにする。 【構成】 スムージングブレード面9aをベースフィル
ム7側に膨らむ湾曲面9a1 とし、かつスムージングブ
レード面9a中、スリット4に向かう面を連続する2つ
以上の平面9a2 及び9a3 とする。そして、湾曲面9
a1 と一方の平面9a2 との交点Bからフロントブレー
ド面8aに引いた接線t1 と、スムージングブレード面
9aの下流端Eからこのスムージングブレード面9aに
引いた接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <180°とす
る。更に、2つの平面9a2 及び9a3 と接線t1 との
なす角θ2 及びθ3 の大小関係を、θ2 <θ3 とする。
この場合、5°≦θ2 ≦15°及び20°≦θ3 ≦45
°が好ましい。
塗布、薄膜塗布などの用途に応じて、安定した塗布状態
が得られ、塗布厚が均一でスジ等の無い平滑な表面を有
する高品質な塗膜を形成できるようにする。 【構成】 スムージングブレード面9aをベースフィル
ム7側に膨らむ湾曲面9a1 とし、かつスムージングブ
レード面9a中、スリット4に向かう面を連続する2つ
以上の平面9a2 及び9a3 とする。そして、湾曲面9
a1 と一方の平面9a2 との交点Bからフロントブレー
ド面8aに引いた接線t1 と、スムージングブレード面
9aの下流端Eからこのスムージングブレード面9aに
引いた接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <180°とす
る。更に、2つの平面9a2 及び9a3 と接線t1 との
なす角θ2 及びθ3 の大小関係を、θ2 <θ3 とする。
この場合、5°≦θ2 ≦15°及び20°≦θ3 ≦45
°が好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイコーターと称され
るエクストルージョン型の塗布装置に関する。
るエクストルージョン型の塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗布型の磁気記録媒体を製造する
際の磁性塗料の塗布方法としては、グラビアロール方式
やリバースロール方式等に代表されるように、ロールを
用いるロール塗布方式が主流となっている。
際の磁性塗料の塗布方法としては、グラビアロール方式
やリバースロール方式等に代表されるように、ロールを
用いるロール塗布方式が主流となっている。
【0003】しかしながら、これらのロール塗布方式に
おいては、ロールからベースフィルムへの塗料転写不良
による塗布厚ムラのための出力変動や塗料飛散によるド
ロップ・アウト、余剰供給塗料が混合工程に戻されるこ
とによる塗料品質の劣化等の問題があり、特に高速塗布
になるにしたがってこれらの問題が顕著になる傾向にあ
る。
おいては、ロールからベースフィルムへの塗料転写不良
による塗布厚ムラのための出力変動や塗料飛散によるド
ロップ・アウト、余剰供給塗料が混合工程に戻されるこ
とによる塗料品質の劣化等の問題があり、特に高速塗布
になるにしたがってこれらの問題が顕著になる傾向にあ
る。
【0004】近年、これらの問題を解決し得る新しい塗
布方式として、エクストルージョン(ダイ)方式が注目
され、塗布型磁気記録媒体の製造工程において、既に一
部実用化されている。
布方式として、エクストルージョン(ダイ)方式が注目
され、塗布型磁気記録媒体の製造工程において、既に一
部実用化されている。
【0005】エクストルージョン方式は、先端部に所定
幅の狭隘なスリットを有するとともに、この先端部近傍
をドクターエッジ化してなるダイを用い、移動中の支持
体表面に向けて連続的に押し出した塗料を上記ドクター
エッジ化した面によって均一な厚さをもって支持体上に
塗布するというものであり、これまで写真フィルムや印
画紙等の分野において用いられてきたものである。
幅の狭隘なスリットを有するとともに、この先端部近傍
をドクターエッジ化してなるダイを用い、移動中の支持
体表面に向けて連続的に押し出した塗料を上記ドクター
エッジ化した面によって均一な厚さをもって支持体上に
塗布するというものであり、これまで写真フィルムや印
画紙等の分野において用いられてきたものである。
【0006】ところで、上記エクストルージョン方式の
塗布装置においては、可撓性支持体と当接するダイの先
端面の形状が塗膜品質に大きく影響を与えることが知ら
れており、これまで各方面でその改良が進められてい
る。
塗布装置においては、可撓性支持体と当接するダイの先
端面の形状が塗膜品質に大きく影響を与えることが知ら
れており、これまで各方面でその改良が進められてい
る。
【0007】例えば、特開昭57−84771号公報、
特開昭58−104666号公報、特開昭60−238
179号公報、特開平1−288364号公報、特開平
2−35959号公報等に、ダイ先端部(いわゆるリッ
プ部)の形状を種々規定した塗布装置が開示されてい
る。
特開昭58−104666号公報、特開昭60−238
179号公報、特開平1−288364号公報、特開平
2−35959号公報等に、ダイ先端部(いわゆるリッ
プ部)の形状を種々規定した塗布装置が開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の塗布装置に
おいては、リップ部、特にスムージングブレード面のス
リット出口部分にくさび形状をもたせることにより、く
さび圧力(動圧)を発生させて、高速塗布の実現、塗布
状態の安定性を図るようにしている。
おいては、リップ部、特にスムージングブレード面のス
リット出口部分にくさび形状をもたせることにより、く
さび圧力(動圧)を発生させて、高速塗布の実現、塗布
状態の安定性を図るようにしている。
【0009】しかしながら、上記従来の塗布装置におい
ては、上記リップ部のくさび形状を一つの曲率面あるい
は一つの平面で構成するようにしているため、動圧の調
整範囲が狭く、均一塗布、高速塗布、薄膜塗布などの用
途に応じて最適なくさび形状を得ることができないとい
う不都合があった。
ては、上記リップ部のくさび形状を一つの曲率面あるい
は一つの平面で構成するようにしているため、動圧の調
整範囲が狭く、均一塗布、高速塗布、薄膜塗布などの用
途に応じて最適なくさび形状を得ることができないとい
う不都合があった。
【0010】従って、塗布ムラやスジ等の発生を十分に
抑えることはできず、さらなる改良が望まれている。
抑えることはできず、さらなる改良が望まれている。
【0011】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、動圧の調整範囲を広く
することができ、均一塗布、高速塗布、薄膜塗布などの
用途に応じて、安定した塗布状態が得られ、塗布厚が均
一でスジ等の無い平滑な表面を有する高品質な塗膜を形
成することができる塗布装置を提供することにある。
ので、その目的とするところは、動圧の調整範囲を広く
することができ、均一塗布、高速塗布、薄膜塗布などの
用途に応じて、安定した塗布状態が得られ、塗布厚が均
一でスジ等の無い平滑な表面を有する高品質な塗膜を形
成することができる塗布装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ダイ先端のフ
ロントブレード面8a及びスムージングブレード面9a
に沿って連続的に走行する可撓性支持体7上に上記ダイ
先端に設けられたスリット4より塗料3を押し出しなが
ら塗布するエクストルージョン型の塗布装置において、
上記スムージングブレード面9aを可撓性支持体7側に
膨らむ湾曲面9a1 とし、かつスムージングブレード面
9a中、スリット4に向かう面を連続する2つ以上の平
面9a2 及び9a3 とする。
ロントブレード面8a及びスムージングブレード面9a
に沿って連続的に走行する可撓性支持体7上に上記ダイ
先端に設けられたスリット4より塗料3を押し出しなが
ら塗布するエクストルージョン型の塗布装置において、
上記スムージングブレード面9aを可撓性支持体7側に
膨らむ湾曲面9a1 とし、かつスムージングブレード面
9a中、スリット4に向かう面を連続する2つ以上の平
面9a2 及び9a3 とする。
【0013】この場合、上記スムージングブレード面9
aにおける湾曲面9a1 と平面9a2 との交点(点B)
から上記フロントブレード面8aに引いた接線t1 と、
上記スムージングブレード面9aの下流端(点E)から
このスムージングブレード面9aに引いた接線t2 との
なす角θ1 を、θ1 <180°とする。
aにおける湾曲面9a1 と平面9a2 との交点(点B)
から上記フロントブレード面8aに引いた接線t1 と、
上記スムージングブレード面9aの下流端(点E)から
このスムージングブレード面9aに引いた接線t2 との
なす角θ1 を、θ1 <180°とする。
【0014】そして、上記スムージングブレード面9a
における湾曲面9a1 と平面9a2との交点を第1の交
点B、上記スムージングブレード面9aにおける2つの
平面9a2 及び9a3 との交点を第2の交点C、上記ス
ムージングブレード面9aのスリット出口端を第3の交
点Dとし、第1の交点Bから上記フロントブレード面8
aに引いた接線t1 と上記第1及び上記第2の交点B及
びCとを結ぶ線とのなす角をθ2 、上記第1の交点Bか
らフロントブレード面8aに引いた接線t1 と上記第2
及び第3の交点C及びDとを結ぶ線とのなす角をθ3 と
したとき、θ2<θ3 とする。また、適用条件によって
は、θ2 >θ3 としてもよい。
における湾曲面9a1 と平面9a2との交点を第1の交
点B、上記スムージングブレード面9aにおける2つの
平面9a2 及び9a3 との交点を第2の交点C、上記ス
ムージングブレード面9aのスリット出口端を第3の交
点Dとし、第1の交点Bから上記フロントブレード面8
aに引いた接線t1 と上記第1及び上記第2の交点B及
びCとを結ぶ線とのなす角をθ2 、上記第1の交点Bか
らフロントブレード面8aに引いた接線t1 と上記第2
及び第3の交点C及びDとを結ぶ線とのなす角をθ3 と
したとき、θ2<θ3 とする。また、適用条件によって
は、θ2 >θ3 としてもよい。
【0015】
【作用】本発明に係る塗布装置においては、可撓性支持
体7が、ダイ先端のフロントブレード面8a及びスムー
ジングブレード面9aに沿って連続的に走行しており、
スリット4から押し出された塗料3が、スムージングブ
レード面9aと可撓性支持体7の間に引き込まれること
により、上記可撓性支持体7上に塗料3が塗布される。
体7が、ダイ先端のフロントブレード面8a及びスムー
ジングブレード面9aに沿って連続的に走行しており、
スリット4から押し出された塗料3が、スムージングブ
レード面9aと可撓性支持体7の間に引き込まれること
により、上記可撓性支持体7上に塗料3が塗布される。
【0016】このとき、可撓性支持体7の走行位置は、
第1の交点Bからフロントブレード面8aに引いた接線
t1 が基準となる。そして、スムージングブレード面9
a中、スリット4に向かう連続した2つ以上の面9a2
及び9a3 を、上記接線t1に対してそれぞれある角度
θ2 及びθ3 に設定することにより、くさび圧力(動
圧)が発生する。この動圧の発生によって、可撓性支持
体7がスムージングブレード面9a上で浮上することと
なるため、スリット4から押し出された塗料3が上記可
撓性支持体7に対して均一に塗布されることになる。
第1の交点Bからフロントブレード面8aに引いた接線
t1 が基準となる。そして、スムージングブレード面9
a中、スリット4に向かう連続した2つ以上の面9a2
及び9a3 を、上記接線t1に対してそれぞれある角度
θ2 及びθ3 に設定することにより、くさび圧力(動
圧)が発生する。この動圧の発生によって、可撓性支持
体7がスムージングブレード面9a上で浮上することと
なるため、スリット4から押し出された塗料3が上記可
撓性支持体7に対して均一に塗布されることになる。
【0017】この場合、可撓性支持体7に対して、スリ
ット4からの塗料3の押し出しによる流体圧力荷重がか
かるが、上記接線t1 とスムージングブレード面9aの
下流端(点E)からこのスムージングブレード面9aに
引いた接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <180°とし
ているため、その荷重と釣り合う張力分力が発生し、可
撓性支持体7にかかる上記流体圧力荷重と、上記接線t
1 に沿って走行させることに伴って発生する張力荷重と
が釣り合うことになる。
ット4からの塗料3の押し出しによる流体圧力荷重がか
かるが、上記接線t1 とスムージングブレード面9aの
下流端(点E)からこのスムージングブレード面9aに
引いた接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <180°とし
ているため、その荷重と釣り合う張力分力が発生し、可
撓性支持体7にかかる上記流体圧力荷重と、上記接線t
1 に沿って走行させることに伴って発生する張力荷重と
が釣り合うことになる。
【0018】このことから、流体圧力荷重<張力荷重に
伴う塗料溢れ出し(オーバーフロー)による塗布不良や
流体圧力荷重>張力荷重に伴う塗料の供給量不足による
塗布不良(欠け)を防止することができる。
伴う塗料溢れ出し(オーバーフロー)による塗布不良や
流体圧力荷重>張力荷重に伴う塗料の供給量不足による
塗布不良(欠け)を防止することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係る塗布装置の実施例を図1
〜図6を参照しながら説明する。
〜図6を参照しながら説明する。
【0020】実施例1 本実施例の塗布装置は、塗布型の磁気記録媒体の製造工
程において磁性塗料の塗布に使用されるもので、図1に
示すように、ダイ(エクストルーダ)1のポケット(塗
料溜り)2内に磁性塗料3を供給し、これをスリット4
に供給して押し出し、ガイドロール5,6等を介して走
行されるベースフィルム7上に塗布するものである。
程において磁性塗料の塗布に使用されるもので、図1に
示すように、ダイ(エクストルーダ)1のポケット(塗
料溜り)2内に磁性塗料3を供給し、これをスリット4
に供給して押し出し、ガイドロール5,6等を介して走
行されるベースフィルム7上に塗布するものである。
【0021】上記ダイ1は、図2に示すように、所定の
幅を持った略々直方体形状を有する金属ブロックからな
り、先端部が斜めに削り取られ、いわゆるくさび形とさ
れるとともに、その先端部1aには超硬合金等によって
形成されたフロントブレード8及びスムージングブレー
ド9が一体的に設けられている。
幅を持った略々直方体形状を有する金属ブロックからな
り、先端部が斜めに削り取られ、いわゆるくさび形とさ
れるとともに、その先端部1aには超硬合金等によって
形成されたフロントブレード8及びスムージングブレー
ド9が一体的に設けられている。
【0022】また、上記ダイ1には、ダイ1の先端面1
aに臨むようにスリット4が塗布幅に応じて形成されて
いるが、このスリット4は、塗料が押し出される隙間と
なるものであって、通常0.1〜0.3mm程度の非常
に狭い隙間とされる。このスリットを高い精度で加工・
調整することによって、幅方向の塗料流れが層流化し、
ベースフィルムに対し、塗布膜を均一な厚みで塗布する
ことができる。
aに臨むようにスリット4が塗布幅に応じて形成されて
いるが、このスリット4は、塗料が押し出される隙間と
なるものであって、通常0.1〜0.3mm程度の非常
に狭い隙間とされる。このスリットを高い精度で加工・
調整することによって、幅方向の塗料流れが層流化し、
ベースフィルムに対し、塗布膜を均一な厚みで塗布する
ことができる。
【0023】上記スリット4の背面側には、このスリッ
ト4と通ずるポケット2がスリット4の幅と略等しい長
さをもって円柱状の空間として形成されている。そし
て、このポケット2の両端部には、ポケット2の内径よ
りも小さい内径を有する塗料供給口10,11がダイ1
の両側面1b,1cに開口する如く設けられており、こ
こから磁性塗料3がポケット2内へ供給されるようにな
されている。従って、上記ポケット2は、塗料供給ポン
プ12から圧送された塗料を受ける空間となりアキュー
ムレータの機能を持つことになる。
ト4と通ずるポケット2がスリット4の幅と略等しい長
さをもって円柱状の空間として形成されている。そし
て、このポケット2の両端部には、ポケット2の内径よ
りも小さい内径を有する塗料供給口10,11がダイ1
の両側面1b,1cに開口する如く設けられており、こ
こから磁性塗料3がポケット2内へ供給されるようにな
されている。従って、上記ポケット2は、塗料供給ポン
プ12から圧送された塗料を受ける空間となりアキュー
ムレータの機能を持つことになる。
【0024】このような構成を有する塗布装置におい
て、塗料供給ポンプ12からダイ1のポケット2に供給
された磁性塗料3は、そのアキュームレータ効果によっ
て塗料圧力が一様化され、スリット4に均一に押し出さ
れる。ベースフィルム7は、スリット4の出口端部に設
けられたフロントブレード8及びスムージングブレード
9に沿って抱かれた状態で連続的に走行しており、スリ
ット4から押し出された磁性塗料3は、スムージングブ
レード9によって均一な塗布厚と平滑な表面をもった塗
膜とされる。
て、塗料供給ポンプ12からダイ1のポケット2に供給
された磁性塗料3は、そのアキュームレータ効果によっ
て塗料圧力が一様化され、スリット4に均一に押し出さ
れる。ベースフィルム7は、スリット4の出口端部に設
けられたフロントブレード8及びスムージングブレード
9に沿って抱かれた状態で連続的に走行しており、スリ
ット4から押し出された磁性塗料3は、スムージングブ
レード9によって均一な塗布厚と平滑な表面をもった塗
膜とされる。
【0025】以上が本実施例の塗布装置の概略構成であ
るが、かかる塗布装置においては、フロントブレード8
の先端面(フロントブレード面)8a及びスムージング
ブレード9の先端面(スムージングブレード面)9aの
形状が形成される塗膜の品質に大きく影響する。
るが、かかる塗布装置においては、フロントブレード8
の先端面(フロントブレード面)8a及びスムージング
ブレード9の先端面(スムージングブレード面)9aの
形状が形成される塗膜の品質に大きく影響する。
【0026】そこで、以下、これらフロントブレード面
8a及びスムージングブレード面9aの形状について図
3を参照しながら詳述する。
8a及びスムージングブレード面9aの形状について図
3を参照しながら詳述する。
【0027】まず、スムージングブレード面9aは、円
滑な塗料の流れを得るために、曲面形状とする必要があ
る。フロントブレード面8aについても、ベースフィル
ム7の走行性等を考慮すると、曲面形状とすることが好
ましい。
滑な塗料の流れを得るために、曲面形状とする必要があ
る。フロントブレード面8aについても、ベースフィル
ム7の走行性等を考慮すると、曲面形状とすることが好
ましい。
【0028】そこで、本実施例では、スムージングブレ
ード面9aを曲率半径60mmの曲面9a1 とし、フロ
ントブレード面8aを曲率半径10mmあるいは60m
mの曲面とした。
ード面9aを曲率半径60mmの曲面9a1 とし、フロ
ントブレード面8aを曲率半径10mmあるいは60m
mの曲面とした。
【0029】また、スムージングブレード面9aにおい
てベースフィルム7を塗料によって浮上させるには、ス
ムージングブレード面9aのスリット出口側面とベース
フィルム7との間の空間をくさび形として圧力を高める
必要があることから、スムージングブレードのスリット
出口側に、ベースフィルム7に対してそれぞれ適切な角
度を持った連続する2つの平面部分9a2 及び9a3 を
設ける。
てベースフィルム7を塗料によって浮上させるには、ス
ムージングブレード面9aのスリット出口側面とベース
フィルム7との間の空間をくさび形として圧力を高める
必要があることから、スムージングブレードのスリット
出口側に、ベースフィルム7に対してそれぞれ適切な角
度を持った連続する2つの平面部分9a2 及び9a3 を
設ける。
【0030】上述のフロントブレード面8a及びスムー
ジングブレード面9aにおいて、スリット4からの塗料
の押し出し方向(図3中、矢印X方向)における先端部
は、フロントブレード面8aではスリット端(点A)で
あり、スムージングブレード面9aでは湾曲面9a1 と
一方の平面部分9a2 と交点(点B)である。
ジングブレード面9aにおいて、スリット4からの塗料
の押し出し方向(図3中、矢印X方向)における先端部
は、フロントブレード面8aではスリット端(点A)で
あり、スムージングブレード面9aでは湾曲面9a1 と
一方の平面部分9a2 と交点(点B)である。
【0031】本実施例では、上記フロントブレード面8
aの先端部(図中、点A)において接線t1 を引いたと
きに、上記スムージングブレード面9aの上記交点(図
中、点B)がこの接線t1 の延長線上に位置するように
設定する。なお、ここで点Bが接線t1 上に完全に一致
するのが理想的であるが、加工精度等による若干のズレ
は許容されるものとする。そして、上記2つの平面部分
9a2 及び9a3 と上記接線t1 とのなす角θ2 及びθ
3 の大小関係は、θ2 <θ3 であり、その設定値として
は、それぞれ5°≦θ2 ≦15°及び20°≦θ3 ≦4
5°が好ましい。
aの先端部(図中、点A)において接線t1 を引いたと
きに、上記スムージングブレード面9aの上記交点(図
中、点B)がこの接線t1 の延長線上に位置するように
設定する。なお、ここで点Bが接線t1 上に完全に一致
するのが理想的であるが、加工精度等による若干のズレ
は許容されるものとする。そして、上記2つの平面部分
9a2 及び9a3 と上記接線t1 とのなす角θ2 及びθ
3 の大小関係は、θ2 <θ3 であり、その設定値として
は、それぞれ5°≦θ2 ≦15°及び20°≦θ3 ≦4
5°が好ましい。
【0032】また、上記接線t1 と、スムージングブレ
ード面9aの下流端(点E)からこのスムージングブレ
ード面9aに引いた接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <
180°に設定する。
ード面9aの下流端(点E)からこのスムージングブレ
ード面9aに引いた接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <
180°に設定する。
【0033】ここで、上記実施例に係る塗布装置におい
て、ベースフィルム7に磁性塗料3を塗布する場合につ
いて、図4を参照しながら説明すると、ベースフィルム
7が、フロントブレード面8a及びスムージングブレー
ド面9aに沿って連続的に走行しており、スリット4か
ら押し出された磁性塗料3が、スムージングブレード面
9aとベースフィルム7の間に引き込まれることによ
り、上記ベースフィルム7上に磁性塗料3が塗布される
ことになる。
て、ベースフィルム7に磁性塗料3を塗布する場合につ
いて、図4を参照しながら説明すると、ベースフィルム
7が、フロントブレード面8a及びスムージングブレー
ド面9aに沿って連続的に走行しており、スリット4か
ら押し出された磁性塗料3が、スムージングブレード面
9aとベースフィルム7の間に引き込まれることによ
り、上記ベースフィルム7上に磁性塗料3が塗布される
ことになる。
【0034】このとき、ベースフィルム7の走行位置
は、スムージングブレード面9a上の交点Bからフロン
トブレード面8aに引いた接線t1 が基準となる。そし
て、スムージングブレード面9a中、スリット4に向か
う連続した2つの平面部分9a2 及び9a3 を、上記接
線t1 に対してそれぞれ上記角度θ2 及びθ3 に設定し
ているため、くさび圧力(動圧)が発生する。この動圧
の発生によって、ベースフィルム7がスムージングブレ
ード面9a上で浮上することとなり、スリット4から押
し出された磁性塗料3は上記ベースフィルム7に均一に
塗布されることになる。
は、スムージングブレード面9a上の交点Bからフロン
トブレード面8aに引いた接線t1 が基準となる。そし
て、スムージングブレード面9a中、スリット4に向か
う連続した2つの平面部分9a2 及び9a3 を、上記接
線t1 に対してそれぞれ上記角度θ2 及びθ3 に設定し
ているため、くさび圧力(動圧)が発生する。この動圧
の発生によって、ベースフィルム7がスムージングブレ
ード面9a上で浮上することとなり、スリット4から押
し出された磁性塗料3は上記ベースフィルム7に均一に
塗布されることになる。
【0035】ところで、通常の塗布装置においては、磁
性材料3をベースフィルム7に塗布する際に、スムージ
ングブレード面9a上でのベースフィルム7の圧力浮上
特性に対して、ベースフィルム7にかかる張力と磁性材
料3の塗料厚という制約から以下のような問題が生じて
くる。
性材料3をベースフィルム7に塗布する際に、スムージ
ングブレード面9a上でのベースフィルム7の圧力浮上
特性に対して、ベースフィルム7にかかる張力と磁性材
料3の塗料厚という制約から以下のような問題が生じて
くる。
【0036】即ち、ベースフィルム7には、スリット4
からの磁性塗料3の押し出しによる流体圧力荷重と、上
記接線t1 に沿って走行させることに伴って発生する張
力荷重とがかかってくる。そして、流体圧力荷重が張力
荷重よりも大きく、流体圧力のかかるポイントがフロン
トブレード8側に近い場合、磁性塗料3がスムージング
ブレード9とベースフィルム7の間に入り込めず、その
ため余剰分がフロントブレード8側に溢れ出し(オーバ
ーフロー)、塗布不能となる。
からの磁性塗料3の押し出しによる流体圧力荷重と、上
記接線t1 に沿って走行させることに伴って発生する張
力荷重とがかかってくる。そして、流体圧力荷重が張力
荷重よりも大きく、流体圧力のかかるポイントがフロン
トブレード8側に近い場合、磁性塗料3がスムージング
ブレード9とベースフィルム7の間に入り込めず、その
ため余剰分がフロントブレード8側に溢れ出し(オーバ
ーフロー)、塗布不能となる。
【0037】逆に、流体圧力荷重が張力荷重よりも小さ
く、流体圧力のかかるポイントがフロントブレード8側
から遠い場合、塗料供給量不足状態となって、スリット
出口付近で欠けとなり、塗布不能となる。
く、流体圧力のかかるポイントがフロントブレード8側
から遠い場合、塗料供給量不足状態となって、スリット
出口付近で欠けとなり、塗布不能となる。
【0038】一方、本実施例に係る塗布装置において
は、上述したように、接線t1 と接線t2 とのなす角θ
1 を、θ1 <180°としているため、流体圧力荷重と
釣り合う張力分力が発生し、ベースフィルム7にかかる
流体圧力荷重と張力荷重とが釣り合うことになる。従っ
て、流体圧力荷重<張力荷重に伴う塗料溢れ出し(オー
バーフロー)による塗布不能や流体圧力荷重>張力荷重
に伴う塗料の供給量不足による塗布不能(欠け)を防止
することができる。
は、上述したように、接線t1 と接線t2 とのなす角θ
1 を、θ1 <180°としているため、流体圧力荷重と
釣り合う張力分力が発生し、ベースフィルム7にかかる
流体圧力荷重と張力荷重とが釣り合うことになる。従っ
て、流体圧力荷重<張力荷重に伴う塗料溢れ出し(オー
バーフロー)による塗布不能や流体圧力荷重>張力荷重
に伴う塗料の供給量不足による塗布不能(欠け)を防止
することができる。
【0039】実施例2 この実施例2は、図5及び図6に示すように、スムージ
ングブレード面9aの形状を変更した例を示す。その他
の装置構成は、先の実施例1と同様であり、従って、同
一の部材には同一の符号を付してその詳細な説明は省略
する。
ングブレード面9aの形状を変更した例を示す。その他
の装置構成は、先の実施例1と同様であり、従って、同
一の部材には同一の符号を付してその詳細な説明は省略
する。
【0040】即ち、この実施例2においては、先の実施
例1と異なり、スムージングブレード面9aに形成され
た2つの平面部分9a2 及び9a3 と、スムージングブ
レード面9a上の交点Bからフロントブレード面8aに
引いた接線t1 とのなす角θ2 及びθ3 の大小関係を、
θ2 >θ3 したものである。そして、その設定値として
は、それぞれ20°≦θ2 ≦45°及び0°≦θ3 ≦5
°が好ましい。
例1と異なり、スムージングブレード面9aに形成され
た2つの平面部分9a2 及び9a3 と、スムージングブ
レード面9a上の交点Bからフロントブレード面8aに
引いた接線t1 とのなす角θ2 及びθ3 の大小関係を、
θ2 >θ3 したものである。そして、その設定値として
は、それぞれ20°≦θ2 ≦45°及び0°≦θ3 ≦5
°が好ましい。
【0041】この実施例2においても、上記実施例1と
同様に、接線t1 と接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <
180°としているため、流体圧力荷重と釣り合う張力
分力が発生し、ベースフィルム7にかかる流体圧力荷重
と張力荷重とが釣り合うことになる。従って、流体圧力
荷重<張力荷重に伴う塗料溢れ出し(オーバーフロー)
による塗布不能や流体圧力荷重>張力荷重に伴う塗料の
供給量不足による塗布不能(欠け)を防止することがで
きる。
同様に、接線t1 と接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <
180°としているため、流体圧力荷重と釣り合う張力
分力が発生し、ベースフィルム7にかかる流体圧力荷重
と張力荷重とが釣り合うことになる。従って、流体圧力
荷重<張力荷重に伴う塗料溢れ出し(オーバーフロー)
による塗布不能や流体圧力荷重>張力荷重に伴う塗料の
供給量不足による塗布不能(欠け)を防止することがで
きる。
【0042】次に、2つの実験例を示す。一つの実験例
は、実施例1に係るダイ、実施例2に係るダイ及び比較
例に係るダイをそれぞれ用いて、ベースフィルム7に、
塗布速度を種々変えて実際に磁性塗料3(VHS用磁性
塗料)を塗布して、その塗布状態を判定したものであ
る。
は、実施例1に係るダイ、実施例2に係るダイ及び比較
例に係るダイをそれぞれ用いて、ベースフィルム7に、
塗布速度を種々変えて実際に磁性塗料3(VHS用磁性
塗料)を塗布して、その塗布状態を判定したものであ
る。
【0043】ここで、各種ダイの構成を示す。 <共通の構成> ダイ1 :全幅340mm、塗布幅290mmのエク
ストルージョン・ダイ ポケット2:直径40mmの円筒状の孔でダイの幅方向
に貫通 スリット4:0.2mmの隙間 フロントブレード8 :肉厚5mmの超硬合金 スムージングブレード9:肉厚5mmの超硬合金
ストルージョン・ダイ ポケット2:直径40mmの円筒状の孔でダイの幅方向
に貫通 スリット4:0.2mmの隙間 フロントブレード8 :肉厚5mmの超硬合金 スムージングブレード9:肉厚5mmの超硬合金
【0044】<各種の構成> ・実施例1(図3及び図4参照) θ1=170° θ2=10° θ3=30° ・実施例2(図5及び図6参照) θ1=170° θ2=30° θ3=0° ・比較例(スムージングブレード面に単一の平面部分が
形成されているもの) θ1=170° θ2は無し θ3=30°
形成されているもの) θ1=170° θ2は無し θ3=30°
【0045】また、塗布条件下記の通りである。
【0046】<塗布条件> ベースフィルム7:幅620mm、厚さ14.5μmの
ビデオテープ用ポリエチレンテレフタレートフィルム 張力 :ベースフィルム全幅で15〜20k
g 塗布厚 :乾燥後4μm
ビデオテープ用ポリエチレンテレフタレートフィルム 張力 :ベースフィルム全幅で15〜20k
g 塗布厚 :乾燥後4μm
【0047】そして、この実験例の結果を以下の表1に
示す。この表1において、◎は非常に良好な塗布状態、
○は良好な塗布状態、△は不安定な塗布状態、×は塗布
困難を示す。
示す。この表1において、◎は非常に良好な塗布状態、
○は良好な塗布状態、△は不安定な塗布状態、×は塗布
困難を示す。
【0048】
【表1】
【0049】この実験結果から、実施例1に係るダイ
は、塗料動圧の高い設計で、低速〜中速において、塗布
厚むらがほとんど無い非常に良好な塗布状態となるが、
高速になると、塗料動圧が高すぎて、磁性塗料3による
ベースフィルム7の浮上量が大きくなり、スリット4か
らの供給流量より塗布流量がまさり、スリット出口で欠
けが発生してしまうことが観察された。一方、実施例2
に係るダイは、実施例1とは反対に塗布速度が高速にな
るほど、塗布状態が良好となることが観察された。
は、塗料動圧の高い設計で、低速〜中速において、塗布
厚むらがほとんど無い非常に良好な塗布状態となるが、
高速になると、塗料動圧が高すぎて、磁性塗料3による
ベースフィルム7の浮上量が大きくなり、スリット4か
らの供給流量より塗布流量がまさり、スリット出口で欠
けが発生してしまうことが観察された。一方、実施例2
に係るダイは、実施例1とは反対に塗布速度が高速にな
るほど、塗布状態が良好となることが観察された。
【0050】比較例に係るダイにおいては、スムージン
グブレード面9aの形状が制限されることから、高速で
の塗料動圧の適正化がむずかしく、実施例1及び実施例
2に比べて良好な塗布状態が得られなかった。
グブレード面9aの形状が制限されることから、高速で
の塗料動圧の適正化がむずかしく、実施例1及び実施例
2に比べて良好な塗布状態が得られなかった。
【0051】次に、他の実験例を示す。この他の実験例
は、実施例1に係るダイ、実施例2に係るダイ及び比較
例に係るダイをそれぞれ用いて、ベースフィルム7に、
塗布厚を種々変えて実際に磁性塗料3(VHS用磁性塗
料)を塗布して、その塗布状態を判定したものである。
は、実施例1に係るダイ、実施例2に係るダイ及び比較
例に係るダイをそれぞれ用いて、ベースフィルム7に、
塗布厚を種々変えて実際に磁性塗料3(VHS用磁性塗
料)を塗布して、その塗布状態を判定したものである。
【0052】ここで、各種ダイの構成を示す。 <共通の構成> ダイ1 :全幅340mm、塗布幅290mmのエク
ストルージョン・ダイ ポケット2:直径40mmの円筒状の孔でダイの幅方向
に貫通 スリット4:0.2mmの隙間 フロントブレード8 :肉厚5mmの超硬合金 スムージングブレード9:肉厚5mmの超硬合金
ストルージョン・ダイ ポケット2:直径40mmの円筒状の孔でダイの幅方向
に貫通 スリット4:0.2mmの隙間 フロントブレード8 :肉厚5mmの超硬合金 スムージングブレード9:肉厚5mmの超硬合金
【0053】<各種の構成> ・実施例1(図3及び図4参照) θ1=170° θ2=10° θ3=30° ・実施例2(図5及び図6参照) θ1=170° θ2=45° θ3=0° ・比較例(スムージングブレード面に単一の平面部分が
形成されているもの) θ1=170° θ2は無し θ3=30°
形成されているもの) θ1=170° θ2は無し θ3=30°
【0054】また、塗布条件下記の通りである。
【0055】<塗布条件> ベースフィルム7:幅620mm、厚さ14.5μmの
ビデオテープ用ポリエチレンテレフタレートフィルム 張力 :ベースフィルム全幅で15〜20k
g 塗布速度 :250m/min
ビデオテープ用ポリエチレンテレフタレートフィルム 張力 :ベースフィルム全幅で15〜20k
g 塗布速度 :250m/min
【0056】そして、この実験例の結果を以下の表2に
示す。この表2において、◎は非常に良好な塗布状態、
○は良好な塗布状態、△は不安定な塗布状態、×は塗布
困難を示す。
示す。この表2において、◎は非常に良好な塗布状態、
○は良好な塗布状態、△は不安定な塗布状態、×は塗布
困難を示す。
【0057】
【表2】
【0058】この実験結果から、実施例1に係るダイに
おいては、通常の磁気テープ塗布厚(2〜6μm)では
問題なく塗布できるが、塗布厚1.0μm以下では、塗
料動圧が薄膜化する程急増するため、塗布状態が不安定
になり、塗布困難となる。
おいては、通常の磁気テープ塗布厚(2〜6μm)では
問題なく塗布できるが、塗布厚1.0μm以下では、塗
料動圧が薄膜化する程急増するため、塗布状態が不安定
になり、塗布困難となる。
【0059】一方、実施例2に係るダイにおいては、
0.5μm以下の塗布厚で塗料動圧が適正になるように
面取り角度を設計したものであるため、薄膜でも良好に
塗布できることが確認できた。
0.5μm以下の塗布厚で塗料動圧が適正になるように
面取り角度を設計したものであるため、薄膜でも良好に
塗布できることが確認できた。
【0060】比較例に係るダイにおいては、スムージン
グブレード面9aの形状が制限されることから、薄膜で
の塗料動圧の適正化がむづかしく、実施例1及び実施例
2に比べて良好な塗布状態が得られなかった。
グブレード面9aの形状が制限されることから、薄膜で
の塗料動圧の適正化がむづかしく、実施例1及び実施例
2に比べて良好な塗布状態が得られなかった。
【0061】上記のように、本実施例に係る塗布装置に
よれば、接線t1 と接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <
180°としているため、その荷重と釣り合う張力分力
が発生し、ベースフィルム7にかかる流体圧力荷重と、
接線t1 に沿って走行させることに伴って発生する張力
荷重とが釣り合うことになり、ベースフィルム7への磁
性塗料3の塗布過程において、オーバーフローや欠け等
は生じなくなり、良好な塗布状態を得ることができる。
よれば、接線t1 と接線t2 とのなす角θ1 を、θ1 <
180°としているため、その荷重と釣り合う張力分力
が発生し、ベースフィルム7にかかる流体圧力荷重と、
接線t1 に沿って走行させることに伴って発生する張力
荷重とが釣り合うことになり、ベースフィルム7への磁
性塗料3の塗布過程において、オーバーフローや欠け等
は生じなくなり、良好な塗布状態を得ることができる。
【0062】また、スムージングブレード面9aにおけ
る2つの平面部分9a2 及び9a3と接線t1 とのなす
角θ2 及びθ3 の大小関係をθ2 <θ3 とすることによ
り、塗布条件が塗布厚の厚い方において有効となり、ま
た、上記大小関係をθ2 >θ3 とすることにより、高速
塗布及び薄膜塗布に有効となる。
る2つの平面部分9a2 及び9a3と接線t1 とのなす
角θ2 及びθ3 の大小関係をθ2 <θ3 とすることによ
り、塗布条件が塗布厚の厚い方において有効となり、ま
た、上記大小関係をθ2 >θ3 とすることにより、高速
塗布及び薄膜塗布に有効となる。
【0063】このように、本実施例においては、2つの
平面部分9a2 及び9a3 の角度θ2 及びθ3 を適宜変
更することで、塗料動圧の調整を行うことができ、しか
もその調整範囲を広げることができるため、均一塗布、
高速塗布、薄膜塗布などの各種用途に応じた最適なリッ
プ形状を得ることができる。従って、塗布厚が均一でス
ジ等の無い平滑な表面を有する高品質な塗膜を形成する
ことができる。
平面部分9a2 及び9a3 の角度θ2 及びθ3 を適宜変
更することで、塗料動圧の調整を行うことができ、しか
もその調整範囲を広げることができるため、均一塗布、
高速塗布、薄膜塗布などの各種用途に応じた最適なリッ
プ形状を得ることができる。従って、塗布厚が均一でス
ジ等の無い平滑な表面を有する高品質な塗膜を形成する
ことができる。
【0064】なお、上記実施例においては、スムージン
グブレード面9aに2つの平面部分9a2 及び9a3 を
設ける例を示したが、スムージングブレード面9aに2
つ以上の平面部分を設けるようにしてもよい。この場
合、塗料動圧の調整範囲を更に広げることができ、各種
用途に応じた最適なリップ形状を得ることができる。
グブレード面9aに2つの平面部分9a2 及び9a3 を
設ける例を示したが、スムージングブレード面9aに2
つ以上の平面部分を設けるようにしてもよい。この場
合、塗料動圧の調整範囲を更に広げることができ、各種
用途に応じた最適なリップ形状を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る塗布装置に
よれば、スムージングブレード面を可撓性支持体側に膨
らむ湾曲面とし、かつスムージングブレード面中、スリ
ットに向かう面を連続する2つ以上の平面としたので、
動圧の調整範囲を広くすることができ、均一塗布、高速
塗布、薄膜塗布などの用途に応じて、安定した塗布状態
が得られ、塗布厚が均一でスジ等の無い平滑な表面を有
する高品質な塗膜を形成することができる。
よれば、スムージングブレード面を可撓性支持体側に膨
らむ湾曲面とし、かつスムージングブレード面中、スリ
ットに向かう面を連続する2つ以上の平面としたので、
動圧の調整範囲を広くすることができ、均一塗布、高速
塗布、薄膜塗布などの用途に応じて、安定した塗布状態
が得られ、塗布厚が均一でスジ等の無い平滑な表面を有
する高品質な塗膜を形成することができる。
【図1】本発明に係る塗布装置を、塗布型の磁気記録媒
体の製造工程において磁性塗料の塗布に使用される塗布
装置に適用した実施例(以下、単に実施例に係る塗布装
置と記す)を示す概略構成図である。
体の製造工程において磁性塗料の塗布に使用される塗布
装置に適用した実施例(以下、単に実施例に係る塗布装
置と記す)を示す概略構成図である。
【図2】本実施例に係る塗布装置に用いられるダイを一
部破断して示す概略斜視図である。
部破断して示す概略斜視図である。
【図3】本実施例に係る塗布装置に用いられるダイの一
実施例(実施例1)におけるフロントブレード及びスム
ージングブレードの形状を示す模式図である。
実施例(実施例1)におけるフロントブレード及びスム
ージングブレードの形状を示す模式図である。
【図4】本実施例に係る塗布装置に用いられるダイの一
実施例における塗布状態を示す模式図である。
実施例における塗布状態を示す模式図である。
【図5】本実施例に係る塗布装置に用いられるダイの他
の実施例(実施例2)におけるフロントブレード及びス
ムージングブレードの形状を示す模式図である。
の実施例(実施例2)におけるフロントブレード及びス
ムージングブレードの形状を示す模式図である。
【図6】本実施例に係る塗布装置に用いられるダイの他
の実施例における塗布状態を示す模式図である。
の実施例における塗布状態を示す模式図である。
1 ダイ 2 ポケット 3 磁性塗料 4 スリット 7 ベースフィルム 8 フロントブレード 8a フロントブレード面 9 スムージングブレード 9a スムージングブレード面 9a1 湾曲面 9a2,9a3 平面部分 12 塗料供給ポンプ
Claims (4)
- 【請求項1】 ダイ先端のフロントブレード面及びスム
ージングブレード面に沿って連続的に走行する可撓性支
持体上に上記ダイ先端に設けられたスリットより塗料を
押し出しながら塗布するエクストルージョン型の塗布装
置において、 上記スムージングブレード面を上記可撓性支持体側に膨
らむ湾曲面とし、かつ上記スムージングブレード面中、
スリットに向かう面を連続する2つ以上の平面としたこ
とを特徴とする塗布装置。 - 【請求項2】 上記スムージングブレード面における上
記湾曲面と上記平面との交点から上記フロントブレード
面に引いた接線と、上記スムージングブレード面の下流
端からこのスムージングブレード面に引いた接線とのな
す角θ1 が、θ1 <180°であることを特徴とする請
求項1記載の塗布装置。 - 【請求項3】 上記スムージングブレード面における上
記湾曲面と上記平面との交点を第1の交点、上記スムー
ジングブレード面における2つの平面との交点を第2の
交点、上記スムージングブレード面のスリット出口端を
第3の交点とし、第1の交点から上記フロントブレード
面に引いた接線と上記第1及び上記第2の交点とを結ぶ
線とのなす角をθ2、上記第1の交点からフロントブレ
ード面に引いた接線と上記第2及び第3の交点とを結ぶ
線とのなす角をθ3としたとき、θ2<θ3であること
を特徴とする請求項1又は2記載の塗布装置。 - 【請求項4】 上記第1の交点から上記フロントブレー
ド面に引いた接線と上記第1及び上記第2の交点とを結
ぶ線とのなす角をθ2、上記第1の交点からフロントブ
レード面に引いた接線と上記第2及び第3の交点とを結
ぶ線とのなす角をθ3としたとき、θ2>θ3であるこ
とを特徴とする請求項1又は2記載の塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28524592A JPH06106124A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 塗布装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28524592A JPH06106124A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 塗布装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06106124A true JPH06106124A (ja) | 1994-04-19 |
Family
ID=17688996
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28524592A Pending JPH06106124A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 塗布装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06106124A (ja) |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP28524592A patent/JPH06106124A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20011009 |