JPH06105635B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JPH06105635B2
JPH06105635B2 JP16805487A JP16805487A JPH06105635B2 JP H06105635 B2 JPH06105635 B2 JP H06105635B2 JP 16805487 A JP16805487 A JP 16805487A JP 16805487 A JP16805487 A JP 16805487A JP H06105635 B2 JPH06105635 B2 JP H06105635B2
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和穂 坂本
治雄 末永
孝 丹羽
孝広 松本
大介 別荘
浩二 ▲吉▼野
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  • Control Of High-Frequency Heating Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は食品や流体等を加熱するための高周波加熱装置
に関し、さらに詳しく言えばその電源装置に高周波電力
を発生する半導体電力変換器を用いた高周波加熱装置に
関するものである。
従来の技術 家庭用の電子レンジ等の高周波加熱装置の電源回路には
第6図に示すような構成のものが多く用いられている。
第6図に於て、運転スイッチ1が投入されると商用電源
2が高圧トランス3に接続される。高圧トランス3の2
次巻線4の出力は、コンデンサ5,ダイオード6により整
流されてマグネトロン7に供給される。高圧トランス3
のヒータ巻線8はマグネトロン7のカソードに接続され
カソードを加熱する。したがって、マグネトロン7は発
振し、高周波電磁波(電波)を出力して、誘電加熱が可
能となる。
第7図(a)は時間t=Oにおいてスイッチ1を投入後
のマグネトロン7の電波出力P0の時間経過を示す図であ
る。
t=Oでスイッチ1が投入されるとマグネトロン7には
カソードヒータ電力と高圧電力とが同時に印加される。
そして約1〜2秒後のt=t1においてカソードの温度が
十分上昇し電波出力P0が立ち上りその後は図のようにほ
ぼ一定に保たれる。もちろんマグネトロン7や高圧トラ
ンス3の温度特性などにより時間の経過と共に多少の電
波出力の低下は生じる場合があるが、基本的には、その
装置の定格出力として定められた電波出力P0(例えば50
0W)を維持するよう構成されている。
第7図(b)は、上記のように高周波加熱装置を動作さ
せた時の装置内部の部品等の温度上昇を示す図である。
例えばマグネトロン7の温度TMと高圧トランス3の周囲
の空気の温度Taは同図のように上昇していく。
第8図は高周波加熱装置の断面図である。筐体9の内部
にオーブン10,マグネトロン7,高圧トランス3などが図
のように配置され、冷却ファン11にて強制冷却される構
成となっている。マグネトロン7の効率は約60%、高圧
トランス3の効率は約90%程度であるので、実際の電波
出力定格500Wの装置の場合、マグネトロン7は約300W、
高圧トランス7は約100W程度の損失が生じる。このた
め、これらの部品の温度は第7図(b)のように運転中
徐々に上昇し、各部品の熱時定数で決まる時間t=t
2(例えば15分)までは比較的早い上昇速度で上昇し、
その後t=t3(例えば60〜120分)で、装置全体の温度
が最高温度に達して飽和する。
このように高周波加熱装置はマグネトロン7や高圧トラ
ンス3などの比較的変換効率の低い部品が多く、従って
熱損失が大きいので運転時の温度上昇が比較的大きく、
かつ、長時間かかって安定温度に達するものである。
装置の定格出力P0の保証は、このような熱損失が生じて
も十分安全性を保ち得る絶縁材料や構成材料でなければ
ならないので、その冷却条件の構成や各部品の仕様はこ
のような保証条件を満たすように設計されている。すな
わち第7図(b)におけるt=t3において、生じた温度
上昇を十分考慮して構成材料や部品仕様、そして冷却構
成が決定されているのである。
したがって、定格出力500Wの場合と600Wの場合とでは、
冷却条件や部品仕様が大きくちがうものとなっている。
例えばマグネトロン7では発生損失が違うため、その冷
却構造が大きくなって大型化,高価格化し、また、高圧
トランス3も大型化,高価格化せざるを得ないのであ
る。
発明が解決しようとする問題点 このように従来の高周波加熱装置は装置の熱損失による
温度上昇が安定した時の温度条件下で装置の安全性,信
頼性を保証し得るような各構成部品の仕様を定め、これ
を用いて構成されていた。
しかしながら、高周波加熱装置は誘電加熱という独特の
加熱方法であるが故に加熱時間は比較的短く、通常一般
家庭で多く使用される再加熱などでは5分間程度以下の
加熱時間で使用することが極めて多いのである。すなわ
ち、第7図(b)において、t=t0程度の時間で使用を
終えるといった使い方が非常に多く、t=t3にまで達す
るような調理はまれにしか行われないのが普通である。
したがって、多くの使用条件下では全く保証する必要の
ないt=t3における温度上昇を保証した高周波加熱装置
をほとんどの場合、t=t0の使用時間で使用していると
いうことになり、この点で過度な品質になっているので
ある。しかしながら、まれにはt=t3にまで達する使用
条件もあり得るのでこのような実質的な過剰品質なもの
とならざるを得なかった。
問題点を解決するための手段 本発明はこのような従来の高周波加熱装置の問題点を解
決するためになされたもので以下に述べる構成より成る
ものである。
すなわち、外部より電力が供給される電源部と、少なく
とも1個の半導体素子を有し前記電源部よりの電力を高
周波電力に変換する電力変換器と、前記半導体素子を制
御する制御部と、前記電力交換器の出力を電磁波エネル
ギーとして放射する電波放射部と、加熱動作開始時に前
記電磁波エネルギーが定常時の定格出力より大きくなる
ように前記制御部を制御する起動制御部とを備えると共
に、前記起動制御部には時限要素を設け、この時限要素
により定められる時間だけ定常時の定格出力より大きく
電磁波エネルギーとなるよう制御する構成とした。
作用 上記構成により本発明による高周波加熱装置は以下のよ
うな作用を有する。
高周波加熱装置の動作開始時に起動制御部より制御部に
立ち上り信号が与えられるので制御部は電力変換器の半
導体素子の動作を制御してその電磁出力を定常時よりも
大きくならしめる。このため高周波加熱装置の使用開始
初期には定常時よりも大きな電波出力を得ることがで
き、加熱時間の短縮化を可能ならしめ、かつ、各構成部
品の冷却構成や耐熱仕様あるいは品質的性能を過剰なも
のとせず適正なものとすることができる。
実施例 以下本発明の実施例について、図面と共に説明する。
第1図は本発明の一実施例を示す高周波加熱装置の回路
図である。
図において、商用電源20,ダイオードブリッジ21および
インダクタ22とコンデンサ23より成るフィルタ回路は、
電源部24を構成しており、コンデンサ26,昇圧トランス2
7,トランジスタ28,ダイオード29,コンデンサ30,ダイオ
ード31、およびマグネトロン32より成る電力変換器33に
電力を供給する。電力変換器33は、コンデンサ26,昇圧
トランス27,トランジスタ28,ダイオード29より成るイン
バータと、昇圧トランス27の出力を整流するコンデンサ
30とダイオード31より成る高圧整流回路と、高周波電力
を発生するマグネトロン32とで構成され、このマグネト
ロン32は、この高周波電力を電磁波エネルギーとして放
射する電波放射部としての作用を兼ねている。もちろ
ん、電力変換器33を900MHzあるいは2450MHzで発振する
半導体発振器で構成し、電波放射部としてアンテナなど
を設けてもよい。
トランジスタ28は、制御部34より例えば20KHz〜200KHz
のスイッチング制御信号を与えられスイッチング動作す
る。従って昇圧トランス27の1次巻線35には高周波電圧
が発生し、この高周波電圧が昇圧され整流されてマグネ
トロン32に供給されマグネトロン32が発振する。制御部
34には入力電流検知器36より入力電流に比例した信号が
送られる。この入力電流検知信号は、第2図に示すよう
に制御部34内の演算増幅器37に送られ、基準信号発生器
38の信号と比較されてその誤差信号がパルス幅制御回路
39に送られるよう構成されている。したがってトランジ
スタ28の導通時間が制御され、いわゆるパルス幅制御に
よって入力電流が定められた値になるよう制御されるの
である。この結果マグネトロン32の電磁波(電波)出力
P0は所定の定められた値(例えば500W)に一定に制御さ
れる。
このような構成において、高周波加熱装置を動作させる
場合、加熱開始指令が加熱開始回路40から起動制御部41
に送られる。起動制御部41は加熱開始指令を受けとる
と、動作開始時の所定の時間の間、定常時の定格出力
(例えば500W)よりも大きい出力(例えば600W)で動作
するよう制御部34に立ち上り信号を与える。
第3図(a)はこの状態を示す電波出力P0の時間変化図
である。t=Oでトランジスタ28が動作開始すると1〜
2秒後のt=t1でマグネトロン32が発振開始し、電波出
力P0は定常時(すなわち定格)より大きい600Wとなるよ
う制御される。そして、tSの時間t4になるとその出力P0
は定常時(すなわち定格)の500Wとなるよう制御され
る。このような電波出力P0の制御は種々の方法でこれを
実現することができるが、例えば第2図に示すように、
起動制御部41により入力電流の基準信号発生器38の発生
信号を制御することが簡単に実現することができる。す
なわち、第3図(a)の出力P0の変化が生じるように入
力電流の基準信号を時間tS後に変化させることにより実
現することが可能である。
第3図(a)における時間tSは装置や各部品の温度が十
分低い間は、定常時より高出力を発生させる時間であ
る。したがって、従来技術の説明図の第7図(b)より
明らかなように、装置の内部温度や各構成部品の温度が
所定の温度より低い間をtSとすればよい。このような考
え方から、tSを決定することができ、第4図に示すよう
にサーミスタ42によりマグネトロン7のアノード温度や
その周囲温度あるいはトランジスタ28の放熱フィンの温
度などを検知し、基準信号発生器43の信号と比較器44で
比較するよう構成した起動制御部41により検出温度信号
に基づいて許容される最大のtSを決定するよう構成する
ことができる。また、第5図に示すように機器の動作停
止時間(すなわち、装置や部品が冷却される時間)をカ
ウントする停止時間カウンタ45を設け、この停止時間カ
ウンタ45の信号で時間tSを決定し、tSをカウントしてtS
後に入力電流の基準信号38を変化させる起動変調カウン
タ46を時限要素として設ける構成とすることにより、装
置の運転状態を検知してこのtSを決定するようにしても
よい。
また、もちろん、例えば5分程度の短時間にtSを限定し
て固定し、単なるタイマー装置を時限要素として設け、
これにより起動制御部41を構成してもよい。
このように電波出力P0を定常時より大きくなるよう制御
していることを使用者に報知するために、第2図に示す
ように、表示部47を設け、これを起動制御部41の信号で
作動せしめるようにすることにより、使用者はパワーア
ップ状態(すなわち600W)であるか定常状態(500W)で
あるかを認識して調理を行うことができるので極めて使
い勝手が良く、高速調理を行うことができる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、商用電源などより得られ
る電源部と、電力変換器と、制御部と、電波放射部と、
動作開始時に定常時より電磁波出力を大きく制御する起
動制御部とを設けると共に、この起動制御部に時限要素
を設け、この時限要素の信号により定常時より大きい電
磁波出力を発生する時間を制御するよう構成したので、
起動時は定常時より大きな電波出力を得ることができ、
一般家庭で使用される場合に使用頻度の高い短時間の加
熱調理の場合には大きな電波出力で加熱調理ができる高
周波加熱装置を提供することができ、スピード調理をよ
り一層高速化することができる。しかも時限要素により
この大出力時間が制御されるよう構成されているので定
常時(すなわち長時間加熱の場合)には確実に本来の低
い出力に制御することができ、冷却構成や部品の耐熱性
能などを過剰品質なものとせず、小型・コンパクト・低
コストなものとし、かつ、高い信頼性を保証した高周波
加熱装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す高周波加熱装置の回路
図、第2図は同回路の制御部の要部ブロック図、第3図
(a),(b)は同装置の電波出力の時間的変化を示す
波形図、第4図は同装置の起動制御部の要部回路図、第
5図は同回路の他の実施例を示すブロック図、第6図は
従来の高周波加熱装置の回路図、第7図(a),(b)
は同装置の電波出力の時間的変化および同装置内の部品
等の温度上昇を示す波形図、第8図は同装置の構成を示
す断面図である。 24……電源部、28……半導体素子、32……電波放射部、
33……電力変換器、34……制御部、41……起動制御部。
フロントページの続き (72)発明者 丹羽 孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松本 孝広 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 別荘 大介 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 ▲吉▼野 浩二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部より電力が供給される電源部と、少な
    くとも1個の半導体素子を有し前記電源部よりの電力を
    高周波電力に変換する電力変換器と、前記半導体素子を
    制御する制御部と、前記電力変換器の出力を電磁波エネ
    ルギーとして放射する電波放射部と、加熱動作開始時に
    前記電磁波エネルギーが定常時の定格出力より大きくな
    るように前記制御部を制御する起動制御部とを備えると
    共に、前記起動制御部には時限要素を設け、この時限要
    素により定められる時間だけ定常時の定格出力より大き
    く電磁波エネルギーとなるよう制御する構成とした高周
    波加熱装置。
  2. 【請求項2】時限要素に時間調節部を設け、前記時限要
    素により定められる時間を可変できるよう構成して定常
    時の定格出力より大きい電磁波エネルギーを放射する時
    間を調節可能とした特許請求の範囲第1項記載の高周波
    加熱装置。
JP16805487A 1987-07-06 1987-07-06 高周波加熱装置 Expired - Lifetime JPH06105635B2 (ja)

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