JPH06104980B2 - 作業機の軌跡制御装置 - Google Patents

作業機の軌跡制御装置

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JPH06104980B2
JPH06104980B2 JP24570489A JP24570489A JPH06104980B2 JP H06104980 B2 JPH06104980 B2 JP H06104980B2 JP 24570489 A JP24570489 A JP 24570489A JP 24570489 A JP24570489 A JP 24570489A JP H06104980 B2 JPH06104980 B2 JP H06104980B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は2本以上のアームを有する作業機、特に任意方
向軌跡制御と直線軌跡制御の両方を要求される作業機に
好適な軌跡制御装置に関する。
B.発明の背景 第9図に示す多関節基礎用作業機CM(以下、作業機)
は、下部走行体LT上に上部旋回体USを旋回可能に設けて
成り、上部旋回体US上に第1アーム1,第2アーム2,第3
アーム3及びこれらを駆動する第1シリンダ5,第2シリ
ンダ6,第3シリンダ7を有し、第3アーム3の先端に回
転掘削バケット4を装着して第4シリンダ8でその姿勢
を制御するものである。
このような作業機の場合、回転掘削バケット4を掘削し
たい場所に位置決めし、バケット4を回転させながら移
動して掘削を行い、バケット4の中にたまった土砂を排
出するためダンプトラック等の位置にバケット4を移動
させて蓋を開いて排土するという一連の作業が行われ
る。
ここで必要なのは、バケット4を任意の方向へ移動させ
る任意方向軌跡制御であり、かつ、掘削中はバケット4
の姿勢を一定に保ちながら掘削方向へバケット4を直線
移動させる直線軌跡制御である。
ところで、ショベル本体と、ブームと、アームと、アー
ム先端に取付けられたバケットとを有する油圧式パワー
ショベルにおいては、バケットの姿勢を一定に保ちなが
らバケットの位置を任意の方向に軌跡制御できる制御装
置が種々知られている。例えば、特公昭61−45025号公
報においては、バケット回動点を軌跡制御するため、バ
ケット回動点の水平及び垂直方向の速度設定レバーから
の信号を用いてブーム及びアームの目標回動速度を演算
し、これにより各シリンダの流量制御を行い、併せてバ
ケット姿勢角の一定制御を行なっている。
また、直線軌跡制御が可能な作業機の軌跡制御装置とし
ては本発明者が提案した特願昭63−108099号がある。す
なわち、軌跡制御対象点の作業方向速度を速度指令レバ
ーで与え、目標直線軌跡からのずれ量に応じた修正方向
速度指令を作業方向速度指令と直交する方向に与え、こ
れらの速度指令から各アームの角速度制御値を演算し、
これにより各シリンダの流量制御を行い直線軌跡制御を
行っている。
C.発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記従来技術である特公昭61−45025号
公報の装置は、バケットの任意方向制御には適している
が直線軌跡制御には適していない。すなわち、直線軌跡
制御を行うためには、作業方向の速度設定値のみ与え、
他方の速度設定値を零とすれば良いが、位置フィードバ
ックをかけていないから軌跡のずれ量が出てこれを補正
することができない。このため、回転掘削バケットでは
掘削済みの孔をくずしたり、バケット側面が孔の壁面に
押しつけられて回転不能となったりする。
また、特願昭63−108099号に示した装置は、軌跡のずれ
を位置フィードバックにより修正するため、作業方向と
直交する方向の速度指令値を軌跡のずれ量に応じて与え
ているので直線軌跡制御には適しているが任意方向軌跡
制御には適していない。このため排土時や位置決め時の
作業効率が低下する。
本発明の技術的課題は、任意方向軌跡制御と直交軌跡制
御を操作レバーの操作のみによって任意に選択可能にす
ることにある。
D.課題を解決するための手段 本発明に係る作業機の軌跡制御装置は、回転可能に連結
された少なくとも2本以上のアームと、これら各アーム
を回動運動せしめる駆動手段と、入力信号に応じてその
駆動手段を介してアームの移動量および移動方向を制御
する制御手段とを備えた作業機に適用される。
そして上述の技術的課題は次の構成で解決される。
軌跡対象部位の第1および第2の方向における第1およ
び第2の速度をそれぞれ同時にまたは択一的に指令する
速度指令手段と、この速度指令手段により第1の方向の
速度のみが指令されたときには軌跡対象部位の移動軌跡
を第1の方向に設定するとともに、第2の方向の速度の
みが指令されたときには軌跡対象部位の移動軌跡を第2
の方向に設定する軌跡方向設定手段と、各アームに関連
した角度を検出する角度検出手段と、軌跡対象部位の位
置を検出する位置検出手段と、検出された軌跡対象部位
の位置に基づいて、直線軌跡の方向と直交する方向にお
ける軌跡対象部位の該直線軌跡からのずれ量を演算する
ずれ量演算手段と、ずれ量と指令されたいずれか一方の
速度の指令値とに基づいて、軌跡と直交する方向の修正
速度指令値を演算する修正速度指令値演算手段と、第1
の速度指令のみが出力されているときにはその第1の速
度指令値を第1の方向の速度指令値として選択するとと
もに修正方向速度指令値を第2の方向速度指令値として
選択し、第2の速度指令のみが出力されているときには
その第2の速度指令値を第2の方向の速度指令値として
選択するとともに修正方向速度指令値を第1の方向の速
度指令値として選択し、第1および第2の速度指令が出
力されているときには、第1の速度指令値を第1の方向
の速度指令値として選択するとともに第2の速度指令値
を第2の方向の速度指令値として選択する速度指令値選
択手段と、第1または第2の速度指令のみが出力されて
いるときは軌跡対象部位が直線軌跡に沿って、または前
記第1および第2の速度指令がともに出力されていると
きには両速度指令値により決まる方向に沿って指令され
た速度で移動するようにアームの回動速度を第1および
第2の方向の速度指令値を用いて演算して入力信号とし
て制御手段に入力する回動速度演算手段とを具備する。
E.作用 速度指令値選択手段は、第1の速度指令のみが出力され
ているときにはその第1の速度指令値を第1の方向の速
度指令値として選択するとともに修正方向速度指令値を
第2の方向速度指令値として選択する。これにより、軌
跡対象部位は、第1の方向に向く直線上を軌跡制御され
る。そのとき、軌跡対象部位が直線上から外れるとその
ずれ量が演算される。修正方向速度指令値演算手段は、
軌跡対象部位を上記設定された直線上に戻すように、第
1の方向の速度指令値とずれ量とに基づいて修正方向速
度指令値を演算する。したがって、各アームは位置フィ
ードバックを受けながら第1の方向に軌跡制御される。
速度指令選択制御手段はまた、第2の速度指令のみが出
力されているときにはその第2の速度指令値を第2の方
向の速度指令値として選択するとともに修正方向速度指
令値を第1の方向の速度指令値として選択する。この場
合、軌跡対象部位は上述と同様な位置フィードバックを
第1の方向に受けながら第2の方向に軌跡制御される。
さらに速度指令値選択手段は、第1および第2の速度指
令が出力されているときには、第1の速度指令値を第1
の方向の速度指令値として選択するとともに第2の速度
指令値を第2の方向の速度指令値として選択する。その
結果、上記位置フィードバックを行うことなく、軌跡対
象部位が第1および第2の方向の速度指令値に応じた方
向に軌跡制御される。
F.実施例 第1図〜第8図は本発明を第9図に示す作業機に適用し
た場合の一実施例を示す。
第7図のようにこの作業機の座標を定義し、以下の説明
はこの座標に従う。第7図に示すように点Oを第1アー
ム1の回動支点とし、第1〜第3のアーム1〜3の長さ
L1〜L3、アーム1の大地角度をα,第2アーム2の第1
アーム1に対する相対角度および第3アーム3の第2ア
ーム2に対する相対角度をT2,T3、各アーム先端の座標
を(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)とするとき、各
座標はそれぞれ、 と表すことができる。ここでδは、制御座標を回転させ
る設定角度であり、後述するように0度または90度の値
をとる。この(1),(2)式から第3アーム3先端の
速度33を求めると、3 =−・L1sin(α+δ)−(−2)・L2sin(α
+δ−T2)−(−23)・L3sin(α+δ−T2−T
3) …(3)3 =・L1cos(α+δ)+(−2)・L2cos(α+
δ−T2)+(−23)・L3cos(α−T2−T3) …
(4) と表すことができる。
周知のとおり3本のアームを有する多関節作業機におい
ては、アーム先端を軌跡制御するには拘束条件を定めて
2本のアームを駆動するが、実施例では、第1アームを
固定とし、第2,第3アームを駆動するようにしている。
すなわち、拘束条件を式で表すと次のとおりである。
=0 ここで、(3),(4)式の33を速度指令信号
,とし、上記拘束条件を式(3),(4)に代入し
て軌跡制御のために駆動する2本のアームの角速度
23を求めると、 ここで、A2=α+δ−T2,A3=α+δ−T2−T3である。
次に制御装置を第1図に基づいて説明する。
角度検出部150は4つの角度検出器,11〜14から成る。
角度検出器11は、第1アーム1の回動支点付近に取付け
られ、周知の振り子機構とポテンショメータにより第1
アームの対地角αを検出し、その対地角αを修正方向速
度指令値演算回路200へ入力する。角度検出器12,13は、
第2,第3アーム2,3の回動支点に取付けられ、周知のレ
バー機構とポテンショメータにより、それぞれ第1アー
ム1と第2アーム2との相対角T2,第2アーム2と第3
アーム3との相対角T3を検出し、各相対角T2,T3を修正
方向速度指令値演算回路200および第1の流量制御値演
算回路400へ入力する。角度検出器14は回転掘削バケッ
ト4の回転支点に取付けられ、周知のレバー機構とポテ
ンショメータにより第3アーム3と回転掘削バケット4
の相対角T4を検出し、その相対角T4を第2の流量制御値
演算回路500へ入力する。
制御レバー10は運転席に取付けられ、例えばレバー機構
とポテンショメータで構成され、レバーの操作角度に相
応した信号を出力する。この信号は、第3アーム3先端
の水平および垂直方向速度指令値,として速度指令
値選択回路100に入力される。
速度指令値選択回路100は、水平および垂直方向速度指
令値,を判定し、いずれかが零であるときは後述す
る修正方向速度指令値2をX方向速度指令値として
出力する。またこのとき、水平方向速度指令値が零の
ときは垂直方向速度指令値をY方向速度指令値とし
て出力し、垂直方向速度指令値が零であるときは水平
方向速度指令値をY方向速度指令値として出力す
る。水平および垂直方向速度指令値,がともに零で
ないときは水平方向速度指令値をX方向速度指令値
として、垂直方向速度指令値をY方向速度指令値と
して出力する。速度指令値選択回路100はまた、X方向
速度指令値に修正方向速度指令値2が出力されてい
るとき選択信号S1を出力し、Y方向速度指令値に垂直
方向速度指令値が出力されているとき選択信号S2を出
力し、これら選択信号S1,S2を修正方向速度指令値演算
回路200へ入力する。
修正方向速度指令値演算回路200は、角度α,T2,T3
選択信号S1,S2およびY方向指令値から修正方向速度
指令値2を演算するとともに、X軸と第2,第3アーム
2,3のなす角度A2,A3を演算し、これらを角速度制御値
演算回路300に入力する。
角速度制御値演算回路300は、角度A2,A3,T3及び速度
指令値,から第2,第3アーム2,3の角速度制御値
23を演算し、これらを第1および第2の流量制御
値演算回路400に入力する。
第1の流量制御値演算回路400は、角速度制御値2
3及び角度T2,T3からシリンダ5,6の流量制御値Q2,Q3
演算し、電気油圧変換弁16,17に入力する。第2の流量
制御値演算回路500は、角速度制御値23及び角度T
4からシリンダ7の流量制御値Q4を演算し、電気油圧変
換弁18に入力する。
これらの電気油圧変換弁16〜18には不図示の油圧源から
圧油が導かれており、電気油圧変換弁16〜18は、入力さ
れる流量制御値Q2〜Q4に応じた流量および方向で圧油を
シリンダ6〜8に供給する。操作レバー19は、コントロ
ールバルブ15へ手動操作量に応じたパイロット油圧を与
え、コントロールバルブ15の開口面積と切換方向を制御
して第1アーム用シリンダ5へ送る圧油の流量および方
向を制御する。これにより、第1アームシリンダ5は操
作レバー19により任意に伸縮可能である。また図示は省
略したが、第2,第3アーム用シリンダ6,7および回転掘
削バケット用シリンダ8についても任意に伸縮可能なよ
うに操作レバーが設けられており、コントロールバルブ
からの圧油と電気油圧変換弁16,17からの圧油とが合流
するように接続されている。
第2図は、水平,垂直方向速度指令値,を判定し
て、XおよびY方向速度指令値,を出力する速度指
令値選択回路100を示す。水平,垂直方向速度指令値
,はそれぞれ比較器101,102により指令値が零であ
るかどうか判定され、排他的論理和回路103により比較
器101,102の出力が不一致のとき選択信号S1が出力され
ると共に、切替器104が駆動されてX方向速度指令値2
を選択して出力する。比較器101,102の出力が一致して
いるときは、選択信号S1は出力されず、X方向速度指令
値には水平方向速度指令値が選択され出力される。
また、垂直方向速度指令値が零でないときは比較器10
2により選択信号S2が出力されると共に、切替器105が駆
動されてY方向速度指令値に垂直方向速度指令値を
選択して出力する。垂直方向速度指令値が零のときは
選択信号S2は出力されず、Y方向速度指令値に水平方
向速度指令値を選択して出力する。
以上の入出力関係をまとめると以下のようになる。
第3図は、角度α,T2,T3およびY方向速度指令値が
入力され、修正方向速度指令値2を演算する修正方向
速度指令値演算回路200を示す。
今、修正方向速度指令値2を、2 =K1・ΔX・|| ………(7) と定義する。ここで、K1は定数、ΔXは、第8図
(b),(c)に示すとおり、制御レバー10の操作開始
時における原点0から目標軌跡OLまでのX方向距離を示
す値X0と、操作開始後に逐次求められるX方向距離Xと
の偏差であり、 ΔX=X0−X ……(8) で表わされる。
ここで、X方向距離Xは、 X=L1・cos(α+δ)+L2・cos(α+δ−T2)+L3
cos(α+δ−T2−T3) …(9) で表わされ、角度δの設定器213,切替器214,加算器201
〜204,余弦関数発生器206〜208,係数器209〜211により
演算される。ここで、δは選択信号S2が入力されている
とき切替器214が駆動されて0°,そうでないときは90
°となる。また、加算器201〜203の各出力は、それぞ
れ、 A1=α+δ A2=α+δ−T2 A2=α+δ−T2−T3 として出力される。
加算器204の出力Xは選択信号S1が入力されたとき記憶
器215に初期値X0として記憶され、以後、加算器204から
の出力Xと記憶器215からの出力X0との偏差ΔX(=X0
−X)が加算点205で得られる。すなわち、(8)式の
偏差ΔXは加算点205で得られる。また、(7)は、作
業方向速度指令値の絶対値を出力する絶対値変換器21
6と、この出力||と偏差ΔXとを乗算する乗算器217
と、乗算器217からの出力ΔX・||に係数Kを掛け
て修正方向速度指令値2を得る係数器212とによって演
算される。
第4図は、角度A2,A3,T3,Y方向速度指令値,および
X方向速度指令値が入力され、第1アーム1に対する
第2アーム2の角速度制御値2および、第2アーム2
に対する第3アーム3の角速度制御値3を演算する角
速度制御値演算回路300を示す。
速度指令値,に対する第2,3アーム2,3の角速度制御
23は前述の(3),(4)式にて求められるか
ら、角速度制御値演算回路300は、第4図に示すとお
り、cosA3,sinA3,cosA2,sinA2,sinT3をそれぞれ出力す
る関数発生器305〜309と、これらの関数にL2あるいはL3
の係数を掛ける係数器310〜314と、L2・sinT3にL3の係
数を掛ける係数器315と、cosA3,sinA3,(L2・c
osA2+L3・cosA3),(L2・sinA2+L3・sinA3)をそ
れぞれ出力する乗算器316〜319と、(・cosA3+・s
inA3),−(L2・cosA2+L3・cosA3)−(L2・sinA
2+L3・sinA3)をそれぞれ出力する加算点303,304と、
これらの出力により(5)式,(6)式に示した割算を
行ない、23を出力する割算器320,321とから構成
される。
第5図は第1の流量制御値演算回路400を示し、入力さ
れる角度T2,T3および角速度制御値23により、第
2,第3シリンダ5,6の流量制御値、すなわち電気油圧変
換弁16,17への入力信号Q2,Q3を演算する。この流量制
御値Q2,Q3は、 Q22・f(T2)・a2 …(10) Q33・g(T3)・a3 …(11) として表わせる。なお、シリンダ面積a2,a3は、実際に
はロッド側,ボトム側では異なるから、伸出時,収縮時
に応じてa2,a3を適宜切換えて用いる必要がある。
(10)式,(11)式を演算するため、この第1の流量制
御値演算回路400は、第5図に示すとおり、リンク補正
するためのf(T2),g(T3)の関数発生器401,402と、
シリンダ速度を演算する乗算器403,404と、シリンダ速
度にシリンダ面積a2,a3を乗じ、流量制御値Q2,Q3を得
る係数器405,406とを有する。
第6図は第2の流量制御値演算回路500を示す。入力さ
れる角度T4は関数発生器502によりリンク補正される。
入力される角速度制御値23は加算点で符号を反転
してから加算されて回転掘削バケットの角速度制御値
4(=−(23))となる。これらは乗算器503で乗
算された後、係数器504によりシリンダ8の面積a4が乗
算されて回転掘削バケット用シリンダ8の流量制御値Q4
が演算される。この場合も伸縮に応じてa4の値を切換え
る。
次に本装置の動作について説明する。
図示しない電源スイッチを投入するとこの装置が起動
し、角度検出器11〜13で検出された角度α,T2,T3に基
づいて、修正方向速度指令値演算回路200では第3アー
ム3先端の位置、すなわちX座標が演算される。このと
き設定角δは、操作レバー10の垂直方向速度指令値が
零のとき90°、そうでないときは選択信号S2が入力され
て0°が選択される。また、制御レバー10が水平方向の
みまたは垂直方向のみに操作されると選択信号S1が入力
され、その時点のX座標が初期値X0として記憶器215に
記憶保持される。次に作業中に逐次演算される第3アー
ム3先端のX座標Xと初期値X0との偏差(ずれ量)ΔX
が加算点205で演算される。修正方向速度指令値演算回
路200は、偏差ΔXと作業速度指令値の絶対値||
との積に定数Kを掛けて修正方向速度指令値2を出力
する。
速度指令値選択回路100では、上述の選択信号S1,S2
出力すると同時に、選択信号S1が出力される条件では、
X方向速度指令値として修正方向速度指令値2を選
択し、そうでないときは水平方向速度指令値を選択し
て出力する。また選択信号S2が出力される条件では、Y
方向速度指令値として垂直方向速度指令値を選択
し、そうでないときは水平方向速度指令値を選択して
出力する。すなわち、第8図(a)〜(c)に示すよう
に、設定角δとX,Y方向速度指令値が選択される。
第8図(a)は操作レバー10を水平,垂直方向ともに操
作した場合で、δ=0°,=,=が選択されて
操作レバー10の操作に応じた任意方向軌跡制御のための
指令値が出力される。第8図(b)は、操作レバー10を
垂直方向のみ操作した場合でδ=0°,=2,=
が選択されて水平方向の偏差フィードバックが働く垂
直直線軌跡制御のための指令値が出力される。第8図
(c)は操作レバー10を水平方向のみ操作した場合で、
δ=90°,=2,=が選択されて、垂直方向の
偏差フィードバックが働く水平直線軌跡制御のための指
令値が出力される。
この修正方向速度指令値とY方向速度指令値と各角
度A2,A3,T3とにより、角速度制御値演算回路300が第
2,第3アーム2,3の角速度制御値23を演算する。
これらの角速度制御値23は、第1の流量制御値演
算回路400にてリンク補正され、第2,第3のシリンダ5,6
の流量制御値Q2,Q3に変換される。これらの流量制御値
Q2,Q3は電気油圧変換弁16,17に供給され、油圧源から
の圧油が所定方向,所定流量にて第2,第3シリンダ5,6
に供給される。これにより第2,第3アーム2,3が回動し
て第3アーム3先端の軌跡がX,Y方向に制御される。
また角速度制御値23は第2の流量制御値演算回路
500にも入力され、第2,第3アーム2,3の角速度制御値
23の和の符号を反転した角速度制御値4が演算さ
れ、さらにリンク補正された後、回転掘削バケット用シ
リンダ8の流量制御値Q4に変換される。この流量制御値
Q4は電気油圧変換弁18に供給され、油圧源からの圧油が
所定方向,所定流量にてバケット用シリンダ8に供給さ
れる。これにより、バケット4が第2,第3アームの角速
度の和を打ち消すように回動して、軌跡制御中のバケッ
ト4の姿勢角は一定に保たれる。
このように本実施例では、回転掘削バケット4による垂
直または水平掘削中には偏差フィードバックの働く直線
軌跡制御およびバケット角姿勢制御が働くので、掘削済
の孔をくずしたり、バケット側面が孔の壁面に押しつけ
られて回転不能となったりするおそれがなく、掘削能率
が向上する。また、水平,垂直方向以外の操作では、レ
バーの操作方向に応じた任意方向軌跡制御が可能で、排
土操作や、バケットの位置決め操作が容易に行え、一連
の施工を効率良く行うことができる。
なお、本発明を適用するにあたっては以上の実施例の各
構成要素を次のようにしても良い。
アーム数は3本に限定されない。
制御アームを第2,第3アームとしたが、他の組み合わ
せでも良く、また、2本の制御アームを自動的に切り替
えても良い。
各アームを油圧シリンダで駆動したが、油圧に限定さ
れず、また油圧モータ、油圧ロータリアクチなどその他
のアクチュエータを用いることができる。
アースオーガやバイブロハンマをアタッチメントとし
て使用する場合には、アタッチメントの姿勢角制御は行
わない。
第1アーム1の角度を上部旋回体に対する相対角で検
出し、作業機本体の傾斜角を検出して相対角を補正して
も良い。
操作レバーの速度指令値は水平,垂直方向に限定され
ない。例えば、アタッチメントの作業方向と、その直角
方向としても良く、これらをスイッチにより適宜選択す
るようにしてもよい。
角度検出器として、磁気抵抗素子を用いたもの、差動
コイルを用いたもの、光学式、磁気式のロータリエンコ
ーダを用いたものなどポテンショメータに限定されな
い。
任意方向軌跡制御が選択されたときは、姿勢制御をキ
ャンセルするようにしてもよい。
第2図のスイッチ104,105を手動で切換えてもよい。
G.発明の効果 本発明によれば、速度指令手段からいずれか一方の速度
指令値が指令されると軌跡対象部位は位置フィードバッ
クを受けながらその方向に直線軌跡制御され、また、両
方向の速度指令値が同時に指令されると両速度指令値に
応じた方向に軌跡制御されるので、例えば速度指令を与
える制御レバーの操作方法を変えるだけで施工精度のよ
い直線軌跡制御と、施工前の段取り性のよい任意方向軌
跡制御とを簡単に選択でき、施工効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は一実施例を説明するもので、第1図は
その全体構成図、第2図は速度指令値選択回路の詳細回
路図、第3図は修正方向速度指令値演算回路の詳細回路
図、第4図は角速度制御値演算回路の詳細回路図、第5
図は第1の流量制御値演算回路の詳細回路図、第6図は
第2の流量制御値演算回路の詳細回路図、第7図は座標
を定義する図、第8図は速度指令の出力方法による軌跡
制御を説明する図、第9図は本発明を適用できる回転掘
削バケット付き作業機の全体構成図である。 1〜3:アーム、4:回転掘削バケット 5〜8:油圧シリンダ、10:制御レバー 11〜14:角度検出器、15〜18:電気油圧変換弁 100:速度指令値演算回路、150:角度検出部 200:修正方向速度指令演算回路 300:角速度制御値演算回路 400,500:流量制御値演算回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能に連結された少なくとも2本以上
    のアームと、これら各アームを回動運動せしめる駆動手
    段と、入力信号に応じてその駆動手段を介して前記アー
    ムの移動量および移動方向を制御する制御手段とを備え
    た作業機の軌跡制御装置において、 軌跡対象部位の第1および第2の方向における第1およ
    び第2の速度をそれぞれ同時にまたは択一的に指令する
    速度指令手段と、 この速度指令手段により第1の方向の速度のみが指令さ
    れたときには前記軌跡対象部位の移動軌跡を前記第1の
    方向に設定するとともに、第2の方向の速度のみが指令
    されたときには前記軌跡対象部位の移動軌跡を前記第2
    の方向に設定する軌跡方向設定手段と、 前記各アームに関連した角度を検出する角度検出手段
    と、 前記軌跡対象部位の位置を検出する位置検出手段と、 検出された軌跡対象部位の位置に基づいて、前記直線軌
    跡の方向と直交する方向における前記軌跡対象部位の該
    直線軌跡からのずれ量を演算するずれ量演算手段と、 前記ずれ量と前記指令されたいずれか一方の速度の指令
    値とに基づいて、前記軌跡と直交する方向の修正速度指
    令値を演算する修正速度指令値演算手段と、 前記第1の速度指令のみが出力されているときにはその
    第1の速度指令値を第1の方向の速度指令値として選択
    するとともに修正方向速度指令値を第2の方向速度指令
    値として選択し、前記第2の速度指令のみが出力されて
    いるときにはその第2の速度指令値を第2の方向の速度
    指令値として選択するとともに修正方向速度指令値を第
    1の方向の速度指令値として選択し、前記第1および第
    2の速度指令が出力されているときには、前記第1の速
    度指令値を第1の方向の速度指令値として選択するとと
    もに第2の速度指令値を第2の方向の速度指令値として
    選択する速度指令値選択手段と、 前記第1または第2の速度指令のみが出力されていると
    き前記軌跡対象部位が前記直線軌跡に沿って、または前
    記第1および第2の速度指令がともに出力されていると
    きには両速度指令により決まる方向に沿って指令された
    速度で移動するように前記アームの回動速度を前記第1
    および第2の方向の速度指令値を用いて演算して前記入
    力信号として前記制御手段に入力する回動速度演算手段
    とを具備することを特徴とする作業機の軌跡制御装置。
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