JP2605172B2 - 作業機の軌跡制御装置 - Google Patents

作業機の軌跡制御装置

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JP2605172B2 JP27131890A JP27131890A JP2605172B2 JP 2605172 B2 JP2605172 B2 JP 2605172B2 JP 27131890 A JP27131890 A JP 27131890A JP 27131890 A JP27131890 A JP 27131890A JP 2605172 B2 JP2605172 B2 JP 2605172B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は2本以上のアームを有する作業機、特に2方
向の直線軌跡制御を選択的に行うことができる作業機の
軌跡制御装置に関する。
B.発明の背景 第9図に示す多関節基礎用作業機CM(以下、作業機)
は、下部走行体LT上に上部旋回体USを旋回可能に設けて
成り、上部旋回体US上に第1アーム1,第2アーム2,第3
アーム3およびこれらを駆動する第1シリンダ5,第2シ
リンダ6,第3シリンダ7を有し、第3アーム3の先端に
回転掘削バケット4を装着して第4シリンダ8でその姿
勢を制御するものである。
このような作業機の場合、回転掘削バケット4を掘削
したい場所に位置決めし、バケット4を回転させながら
移動して掘削を行い、バケット4の中にたまった土砂を
排出するためダンプトラック等の位置にバケット4を移
動させて蓋を開いて排土するという一連の作業が行われ
る。
ここで必要なのは、バケット4を任意の方向へ移動さ
せる任意方向軌跡制御であり、かつ、掘削中はバケット
4の姿勢を一定に保ちながら掘削方向へバケット4を直
線移動させる直線軌跡制御である。
本出願人は先に、このような任意方向軌跡制御と、直
線軌跡制御とを選択して作業可能な軌跡制御装置を提案
した(特願平1−245704号)。
この軌跡制御装置は、第1の方向に操作すると水平方
向速度指令値を出力し、直交する第2の方向に操作する
と垂直方向指令値を出力する制御レバーを有する。この
制御レバーを第1および第2の方向の間の第3の方向に
操作すると、操作方向に応じた任意方向の軌跡制御が可
能となる。
ところで、この軌跡制御装置で制御される軌跡は直接
軌跡であり、制御レバーを操作したときの制御対象の位
置座標に基づいて設定される。例えば、第9図に示すよ
うなX,Y平面を想定するとき、アーム先端のアタッチメ
ント連結点PをXY平面内でY方向(垂直)に移動させる
場合は、制御レバー操作開始時のアタッチメント連結点
PのX座標Xoをメモリに記憶し、この座標Xoを通るY軸
と平行な直線上をアタッチメント連結点Pが移動するよ
うに制御する。アタッチメント連結点を水平に移動させ
る場合は、XY平面を90゜回転させて同様な制御を行う。
このような軌跡制御装置では、第1または第2の方向
に操作されている制御レバーを中立にしたとき、連結点
PのX座標でメモリの座標値、つまり目標軌跡が更新さ
れる。
C.発明が解決しようとする課題 このため、軌跡制御を停止したときに目標軌跡Xoから
のずれが残ると、そのずれた座標値で目標値が更新され
てしまい、次に軌跡制御を起動したときには作業開始時
の直線からずれた直線上を移動することになる。特に起
動停止を繰り返すような作業では軌跡が大きくずれてい
ってしまう。
そこで目標軌跡Xoを常時保持しておき、押ボタンスイ
ッチを設けて目標軌跡を更新したいときのみ押ボタンス
イッチを操作するようにすれば、上述した問題は解決さ
れる。しかしながら、軌跡制御の方向には水平と垂直方
向があり、それらの切換は先に説明したように座標の90
゜回転によって行うので、レバー中立時にスイッチを押
圧しても水平/垂直方向の区別がつかず、この方式は採
用できない。また逆に、目標軌跡を保持したいときのみ
押ボタンスイッチを操作するということも考えられる
が、軌跡制御を中断している間押ボタンを押し続けて目
標値の更新を禁止する必要があり、操作性が劣るという
問題がある。またいずれの方式も誤操作による危険を取
り除くことができない。
本発明の目的は、同一方向の軌跡制御動作時に、特別
なスイッチを設けることなくレバー中立時に目標軌跡を
保持し、断続的な軌跡制御における軌跡のずれの累積を
防止することにより、作業効率と施工精度を向上される
ようにした作業機の軌跡制御装置を提供することにあ
る。
D.課題を解決するための手段 本発明に係る作業機の軌跡制御装置は、回転可能に連
結された少なくとも2本以上のアーム先端のアタッチメ
ント連結点を第1および第2の方向に直線軌跡制御する
装置であって、第1および第2の方向への軌跡制御を指
令する制御レバーと、前記アタッチメント連結点の位置
を検出する位置検出手段と、前記制御レバーの操作に応
動して軌跡目標を記憶保持する記憶手段と、制御レバー
の操作指令に応じて、位置検出されるアタッチメント連
結点が記憶された軌跡目標上を移動するように前記アー
ムを駆動制御する駆動制御手段とを備えた作業機の軌跡
制御装置に適用される。
そして上述の目的は、軌跡目標が記憶保持された後
は、前記制御レバーが同一方向に操作されるときは制御
レバーが中立に戻ってもその記憶内容を更新せず、異な
った方向に操作されるときに記憶内容を更新して保持す
る記憶制御手段を具備することにより達成される。
E.作用 軌跡目標が記憶保持された後は、異なった方向に制御
レバーが操作されるときに記憶内容である軌跡目標が更
新される。制御レバーが同一方向に操作されるときは制
御レバーが中立に戻ってもその記憶内容は更新されな
い。
F.実施例 第1図〜第8図は本発明を第9図に示す作業機に適用
した場合の一実施例を示す。
第7図のようにその作業機の座標を定義し、以下の説
明はこの座標に従う。第7図に示すように点Oを第1ア
ーム1の回動支点とし、第1〜第3のアーム1〜3の長
さをL1〜L3、アーム1の対地角度をα,第2アーム2の
第1アーム1に対する相対角度および第3アーム3の第
2アーム2に対する相対角度をT2,T3、各アーム先端の
座標を(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)とするとき、
各座標はそれぞれ、 X1=L1cos(α+δ) Y1=L1sin(α+δ) X2=X1+L2cos(α+δ−T2) Y2=X1+L2sin(α+δ−T2) X3=X2+L3cos(α+δ−T2−T3) (1) Y3=X2+L3sin(α+δ−T2−T3) (2) の表すことができる。ここでδは、制御座標を回転させ
る設定角度であり、後述するように0度または90度の値
をとる。この(1),(2)式から第3アーム3先端の
速度X3v,Y3vを求めると、 X3v=−αv・L1・sin(α+δ) −(αv−T2v)・L2・sin(α+δ−T2) −(αv−T2v−T3v)・L3・sin(α+δ−T2−T3) …
(3) Y3v=−αv・L1・cos(α+δ) +(αv−T2v)・L2・cos(α+δ−T2) +(αv−T2v−T3v)・L3・cos(α−T2−T3) …
(4) と表すことができる。
ただし、αv,T2v,T3vはそれぞれα,T2,T3の微分値で
ある。
周知のとおり3本のアームを有する多関節作業機にお
いては、アーム先端を軌跡制御するには拘束条件を定め
て2本のアームを駆動するが、実施例では、第1アーム
を固定とし、第2,第3アームを駆動するようにしてい
る。
すなわち、拘束条件を式で表すと次のとおりである。
αv=0 ここで、(3),(4)式のX3v,Y3vを速度指令信号X
v,Yvとし、上記拘束条件を式(3),(4)に代入して
軌跡制御のために駆動する2本のアームの角速度T2v,T3
vを求めると、 ここで、A2=α+δ−T2,A3=α+δ−T2−T3であ
る。
次に制御装置を第1図に基づいて説明する。
角度検出器150は4つの角度検出器11〜14から成る。
角度検出器11は、第1アーム1の回動支点付近に取付
けられ、周知の振り子機構とポテンショメータにより第
1アームの対地角αを検出し、その対地角αを修正方向
速度指令値演算回路200へ入力する。角度検出器12,13
は、第2,第3アーム2,3の回動支点に取付けられ、周知
のレバー機構とポテンショメータにより、それぞれ第1
アーム1と第2アーム2との相対角T2,第2アーム2と
第3アーム3との相対角T3を検出し、各相対角T2,T3を
修正方向速度指令値演算回路200および第1の流量制御
値演算回路400へ入力する。角度検出器14は回転掘削バ
ケット4の回転支点に取付けられ、周知のレバー機構と
ポテンショメータにより第3アーム3と回転掘削バケッ
ト4の相対角T4を検出し、その相対角T4を第2の流量制
御値演算回路500へ入力する。
制御レバー10は運転席に取付けられ、例えばレバー機
構とポテンショメータで構成され、レバーの操作角度に
相応した信号を出力する。この信号は、第3アーム3先
端の水平および垂直方向速度指令値Hv,Vvとして速度指
令値選択回路100に入力される。
速度指令値選択回路100は、水平および垂直方向速度
指令値Hv,Vvを判定し、いずれかが零であるときは後述
する修正方向速度指令値X2vをX方向速度指令値Xvとし
て出力する。またこのとき、水平方向速度指令値Hvが零
のときは垂直方向速度指令値VvをY方向速度指令値Yvと
して出力し、垂直方向速度指令値Vvが零であるときは水
平方向速度指令値HvをY方向速度指令値Yvとして出力す
る。水平および垂直方向速度指令値Hv,Vvがともに零で
ないときは水平方向速度指令値HvをX方向速度指令値Xv
として、垂直方向速度指令値VvをY方向速度指令値Yvと
して出力する。
速度指令値選択回路100はまた、制御レバー10を垂直
方向→中立あるいは垂直方向→中立→垂直方向に操作す
るとき、また水平方向→中立あるいは水平方向→中立→
水平方向と操作するときは継続して選択信号S1を出力
し、制御レバー10を垂直方向→中立→水平方向あるいは
水平方向→中立→垂直方向に操作するときは、選択信号
S1が出力されなくなる。また、垂直方向速度指令値Vvが
Y方向速度指令値Yvとして出力されているとき選択信号
S2を出力する。これら選択信号S1,S2は修正方向速度指
令値演算回路200へ入力される。
修正方向速度指令値演算回路200は、角度α,T2,T3,選
択信号S1,S2およびY方向指令値Yvから修正方向速度指
令値X2vを演算するとともに、X軸と第2,第3アーム2,3
のなす角度A2,A.を演算し、これらを角速度制御値演算
回路300を入力する。
角速度制御値演算回路300は、角度A2,A3,T3および速
度指令値Xv,Yvから第2,第3アーム2,3の角速度制御値T2
v,T3vを演算し、これらを第1および第2の流量制御値
演算回路400,500に入力する。
第1の流量制御値演算回路400は、角速度制御値T2v,T
3vおよび角度T2,T3からシリンダ6,7の流量制御値Q2,Q3
を演算し、電気油圧変換弁16,17に入力する。第2の流
量制御値演算回路500は、角速度制御値T2v,T3vおよび角
度T4からシリンダ8の流量制御値Q4を演算し、電気油圧
変換弁18に入力する。
これらの電気油圧変換弁16〜18には不図示の油圧源か
ら圧油が導かれており、電気油圧変換弁16〜18は、入力
される流量制御値Q2〜Q4に応じた流量および方向で圧油
をシリンダ6〜8に供給する。操作レバー19は、コント
ロールバルブ15へ手動操作量に応じたパイロット油圧を
与え、コントロールバルブ15の開口面積と切換方向を制
御して第1アーム用シリンダ5へ送る圧油の流量および
方向を制御する。これにより、第1アームシリンダ5は
操作レバー19により任意に伸縮可能である。また図示は
省略したが、第2,第3アーム用シリンダ6,7および回転
掘削バケット用シリンダ8についても任意に伸縮可能な
ように操作レバーが設けられており、コントロールバル
ブからの圧油と電気油圧変換弁16,17,18からの圧油とが
合流するように接続されている。
第2図は、水平,垂直方向速度指令値Hv,Vvを判定し
て、XおよびY方向速度指令値Xv,Yvを出力するととも
に上述した選択信号S1,S2を出力する速度指令値選択回
路100を示す。水平垂直方向速度指令値Hv,Vvはそれぞれ
比較器101,102により指令値が零であるかどうか判定さ
れ、比較器101,102の出力が不一致のとき排他的論理和
回路103の出力がハイレベルとなり、切替器104が駆動さ
れてX方向速度指令値XvとしてX2vを選択して出力す
る。比較器101,102の出力が一致しているときは、排他
的論理和回路103の出力はローレベルで、X方向速度指
令値Xvには水平方向速度指令値Hvが選択され出力され
る。また、垂直方向速度指令値Vvが零でないときは比較
器102により選択信号S2が出力されると共に、切替器105
が駆動されてY方向速度指令値Yvに垂直方向速度指令値
Vvを選択し出力する。垂直方向速度指令値Vvが零のとき
は選択信号S2は出力されず、Y方向速度指令値Yvに水平
方向速度指令値Hvを選択して出力する。
水平速度指令値Vvと垂直速度指令値Hvの状態を示すH,
Vは遅延回路106で遅延されてH′,V′として出力され、
記憶器107に入力される。また、H,Vはそれぞれ反転され
て論理積回路108に入力され、H,Vが共に0のとき論理積
回路108の出力はハイレベルとなる。記憶器107の制御端
子には論理積回路108の出力が入力されており、この制
御端子がハイレベルになると入力側のH′,V′をH″,
V″として記憶保持し、制御端子がローレベルのときに
はH″,V″を新しいH′,V′で常時更新する。論理積回
路109の2つの反転入力端子にはHとH″が入力され、
非反転入力端子にはV″が入力されるとともに、論理積
回路110の2つの反転入力端子にはVとV″が入力さ
れ、非反転入力端子にはH″が入力される。
したがって、論理積回路109は、前回の速度指令値の
状態が垂直方向のみ(V″=1,H″=0)で、かつ今回
の水平方向速度指令値の状態が零(H=0)のとき、換
言すると、前回の操作が垂直方向のみで今回がレバー中
立または垂直方向のみのとき、選択信号S1を出力する。
論理積回路110は前回の速度指令値の状態が水平方向の
み(V″=0,H″=0)で、かつ今回の垂直方向速度指
令値の状態が零(V=0)のとき、換言すると、前回の
操作が水平方向のみで今回がレバー中立または水平方向
のみのとき、選択信号S1を出力する。これらの選択信号
S1は論理和ゲート111から出力される。
以上の入出力関係をまとめると以下のようになる。
第3図は、角度α,T2,T3およびY方向速度指令値Yvが
入力され、修正方向速度指令値X2vを演算する修正方向
速度指令値演算回路200を示す。
今、修正方向速度指令値X2vを、 X2v=K1・ΔX・|Yv| …(7) と定義する。ここで、K1は定数、ΔXは、第8図
(b),(c)に示すとおり、制御レバー10の操作開始
時における原点0から目標軌跡OLまでのX方向距離を示
す値X0、操作開始後に逐次求められるX方向距離Xとの
偏差であり、 ΔX=X0−X …(8) で表わされる。
ここで、X方向距離Xは、 X=L1・cos(α+δ)+L2・cos(α+δ−T2) +L3・cos(α+δ−T2−T3) …(9) で表わされ、角度δの設定器213,切替器214,加算器201
〜204,余弦関数発生器206〜208,係数器209〜211により
演算される。ここで、δは選択信号S2が入力されている
とき切替器214が駆動されて0゜,そうでないときは90
゜となる。また、加算器201〜203の各出力は、それぞ
れ、 A1=α+δ A2=α+δ−T2 A2=α+δ−T2−T3 として出力される。
加算器204の出力Xは選択信号S1が入力されたとき記
憶器215に初期値X0として記憶され、以後、加算器204か
らの出力Xと記憶部215からの出力X0との偏差ΔX(=X
0−X)が加算点205で得られる。すなわち、(8)式の
偏差ΔXは加算点205で得られる。また、(7)式のX2v
は、作業方向速度指令値Yvの絶対値を出力する絶対値変
換器216と、この出力|Yv|と偏差ΔXとを乗算する乗算
器217と、乗算器217からの出力ΔX・|Yv|に係数Kを掛
けて修正方向速度指令値X2vを得る係数器212とによって
演算される。
第4図は、角度A2,A3,T3,Y方向速度指令値Yv,および
X方向速度指令値Xvが入力され、第1アーム1に対する
第2アーム2の角速度制御値T2vおよび、第2アーム2
に対する第3アーム3の角速度制御値T3vを演算する角
速度制御値演算回路300を示す。
速度指令値Xv,Yvに対する第2,3アーム2,3の角速度制
御値T2v,T3vは前述の(3),(4)式にて求められる
から、角速度制御演算回路300は、第4図に示すとお
り、cosA3,sinA3,cosA2,sinA2,sinT3をそれぞれ出力す
る関数発生器305〜309と、これらの関数にL2あるいはL3
の係数を掛ける係数器310〜314と、L2・sinT3にL3の係
数を掛ける係数器315と、XvcosA3,YvsinA3,Xv(L2・cos
A2+L3・cosA3),Yv(L2・sinA2+L3・sinA3)をそれぞ
れ出力する乗算器316〜319と、(Xv・cosA3+Yv・sinA
3),−Xv(L2・cosA2+L3・cosA3)−Yv(L2・sinA2+
L3・sinA3)をそれぞれ出力する加算点303,304と、これ
らの出力により(5)式,(6)式に示した割算を行な
い、T2v,T3vを出力する割算器320,321とから構成され
る。
第5図は第1の流量制御値演算回路400を示し、入力
される角度T2,T3および角速度制御値T2v,T3vにより、第
2,第3シリンダ6,7の流量制御値、すなわち電気油圧変
換弁16,17への入力信号Q2,Q3を演算する。この流量制御
値Q2,Q3は、 Q2=T2v・f(T2)・a2 …(10) Q3=T3v・g(T3)・a3 …(11) として表わせる。なお、シリンダ面積a2,a3は、実際に
はロッド側,ボトム側では異なるから、伸出時,収縮時
に応じてa2,a3を適宜切換えて用いる必要がある。
(10)式,(11)式を演算するため、この第1の流量
制御値演算回路400は、第5図に示すとおり、リンク補
正するためのf(T2),g(T3)の関数発生器401,402
と、シリンダ速度を演算する乗算器403,404と、シリン
ダ速度にシリンダ面積a2,a3を乗じ、流量制御値Q2,Q3を
得る係数器405,406とを有する。
第6図は第2の流量制御値演算回路500を示す。入力
される角度T4は関数発生器502によりh(T4)でリンク
補正される。入力される角速度制御値T2v,T3vは加算点
で符号を反転してから加算されて回転掘削バケットの角
速度制御値T4(=−(T2v+T3v))となる。これらほ乗
算器503で乗算された後、係数器504によりシリンダ8の
面積a4が乗算されて回転掘削バケット用シリンダ8の流
量制御値Q4が演算される。この場合も伸縮に応じてa4の
値を切換える。
次に本装置の動作について説明する。
図示しない電源スイッチを投入するとこの装置が起動
し、角度検出器11〜13で検出された角度α,T2,T3に基づ
いて、修正方向速度指令値演算回路200では第3アーム
3先端の位置、すなわちX座標が演算される。このとき
設定角δは、制御レバー10の垂直方向速度指令値Vvが零
のとき90゜、そうでないときは選択信号S2が入力されて
0゜が選択される。また、電源投入時は記憶器107の出
力がクリア(H″=V″=0)されるから、制御レバー
10が中立であっても選択信号S1は出力されず、記憶器21
5の値はアームの運動にともなって逐次更新される。そ
して、制御レバー10が水平方向のみまたは垂直方向のみ
に操作されると選択信号S1が入力され、その時点のX座
標が初期値X0として記憶部215に記憶保持される。
垂直方向または水平方向に制御レバー10を操作してい
るときには選択信号S1が出力されているから、記憶器21
5に記憶されている初期値X0は更新されない。また、垂
直方向または水平方向にのみ操作している制御レバー10
を中立に戻したとき、選択信号S1が出力され続けるので
記憶器215の記憶値X0は更新されない。
次に作業中に逐次演算される第3アーム3先端のX座
標Xと初期値X0との偏差(ずれ量)ΔXが加算点205で
演算される。修正方向速度指令値演算回路200は、偏差
ΔXと作業速度指令値Yvの絶対値|Yv|との積に定数Kを
掛けて修正方向速度指令値X2vを出力する。
速度指令値選択回路100では、上述したように選択信
号S1,S2を出力するとともに、選択信号S1が出力される
条件では、X方向速度指令値Xvとして修正方向速度指令
値X2vを選択し、そうでないときは水平方向速度指令値H
vを選択して出力する。また選択信号S2が出力される条
件では、Y方向速度指令値Yvとして垂直方向速度指令値
Vvを選択し、そうでないときは水平方向速度指令値Hvを
選択して出力する。すなわち、第8図(a)〜(c)に
示すように、設定角δとX,Y方向速度指令値が選択され
る。
第8図(a)は制御レバー10を水平,垂直方向ともに
操作した場合で、δ=0゜,Xv=Hv,Yv=Vvが選択されて
制御レバー10の操作に応じた任意方向軌跡制御のための
指令値が出力される。第8図(b)は、制御レバー10を
垂直方向のみ操作した場合でδ=0゜,Xv=X2v,Yv=Vv
が選択されて水平方向の偏差フィードバックが働く垂直
直線軌跡制御のための指令値が出力される。第8図
(c)は制御レバー10を水平方向のみ操作した場合で、
δ=90゜,Xv=X2v,Yv=Hvが選択されて、垂直方向の偏
差フィードバックが働く水平直線軌跡制御のための指令
値が出力される。
この修正方向速度指令値XvとY方向速度指令値Yvと各
角度A2,A3,T3とにより、角速度制御値演算回路300が第
2,第3アーム2,3の角速度制御値T2v,T3vを演算する。こ
れらの角速度制御値T2v,T3vは、第1の流量制御値演算
回路400にてリンク補正され、第2,第3のシリンダ5,6の
流量制御値Q2,Q3に変換される。これらの流量制御値Q2,
Q3は電気油圧変換弁16,17に供給され、油圧源からの圧
油が所定方向,所定流量にて第2,第3シリンダ5,6に供
給される。これにより第2,第3アーム2,3が回動して第
3アーム3先端の軌跡がX,Y方向に制御される。
また角速度制御値T2v,T3vは第2の流量制御値演算回
路500にも入力され、第2,第3アーム2,3の角速度制御値
T2v,T3vの和の符号を反転した角速度制御値T4vが演算さ
れ、さらにリンク補正された後、回転掘削バケット用シ
リンダ8の流量制御値Q4に変換される。この流量制御値
Q4は電気油圧変換弁18に供給され、油圧源からの圧油が
所定方向,所定流量にてバケット用シリンダ8に供給さ
れる。これにより、バケット4が第2,第3アームの角速
度の和を打ち消すように回動して、軌跡制御中のバケッ
ト4の姿勢角は一定に保たれる。
このように本実施例では、制御レバー10を垂直方向→
中立→水平方向あるいは水平方向→中立→垂直方向に操
作したときにのみ軌跡目標値である記憶器215の記憶値
を更新するようにしているので、同一方向の軌跡制御操
作中に制御レバー10を中立に戻す操作が頻繁に行われる
場合でも、作業開始時に一度定められた直線を目標とし
た軌跡制御が作業終了まで継続して行うことができる。
すなわち、軌跡目標値X0は、作業当初の軌跡制御点のX
座標のままで作業が進み、中立に戻したときのずれ量が
次の目標値に影響を与えることがなくなり、軌跡精度が
向上する。
また、回転掘削バケット4による垂直または水平掘削
中には偏差フィードバックの働く直線軌跡制御およびバ
ケット角姿勢制御が働くので、掘削済の孔をくずした
り、バケット側面が孔の壁面に押しつけられて回転不能
となったりするおそれがなく、掘削能率が向上する。さ
らに、水平,垂直方向以外の操作では、レバーの操作方
向に応じた任意方向軌跡制御が可能で、排土操作や、バ
ケットの位置決め操作が容易に行え、一連の施工を効率
良く行うことができる。
なお、本発明を適用するにあたっては以上の実施例の
各構成要素を次のようにしても良い。
アーム数は3本に限定されない。
制御アームを第2,第3アームとしたが、他の組み合わ
せでも良く、また2本の制御アームを自動的に切り替え
ても良い。
各アームを油圧シリンダで駆動したが、油圧に限定さ
れず、また油圧モータ、油圧ロータリアクチなどその他
のアクチュエータを用いることができる。
アースオーガやバイブロハンマをアタッチメントとし
て使用する場合には、アタッチメントの姿勢角制御は行
わない。
第1アーム1の角度を上部旋回体に対する相対角で検
出し、作業機本体の傾斜角を検出して相対角を補正して
も良い。
操作レバーの速度指令値は水平,垂直方向に限定され
ない。例えば、アタッチメントの作業方向と、その直角
方向としても良く、それらをスイッチにより適宜選択す
るようにしてもよい。
任意方向軌跡制御が選択されたときは、姿勢制御をキ
ャンセルするようにしてもよい。
第2図のスイッチ104,105を手動で切換えてもよい。
任意方向軌跡制御はできないものでもよい。例えば、
1本の制御レバーは1方向にのみ往復操作可能とし、操
作ノブに設けた押し釦操作で第1および第2の方向を選
択するようにしてもよい。
G.発明の効果 本発明によれば、軌跡目標値が記憶保持された後は、
異なった方向に軌跡制御するような操作が行われたとき
にのみ軌跡目標値を更新するようにしたので、同一方向
での軌跡制御中に操作レバーを中立位置に頻繁に操作す
るような作業時にも、軌跡対象部位の軌跡目標からのず
れが軌跡精度に影響を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第8図は一実施例を説明するもので、第1図は
その全体構成図、第2図は速度指令値選択回路の詳細回
路図、第3図は修正方向速度指令値演算回路の詳細回路
図、第4図は角速度制御値演算回路の詳細回路図、第5
図は第1の流量制御値演算回路の詳細回路図、第6図は
第2の流量制御値演算回路の詳細回路図、第7図は座標
を定義する図、第8図は速度指令の出力方法による軌跡
制御を説明する図、第9図は本発明を適用できる回転掘
削バケット付き作業機の全体構成図である。 1〜3:アーム、4:回転掘削バケット 5〜8:油圧シリンダ、10:制御レバー 11〜14:角度検出器、15〜18:電気油圧変換弁 100:速度指令値演算回路、150:角度検出部 200:修正方向速度指令値演算回路、215:記憶器 300:角速度制御値演算回路 400,500:流量制御値演算回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転可能に連結された少なくとも2本以上
    のアーム先端のアタッチメント連結点を第1および第2
    の方向に直線軌跡制御する装置であって、第1および第
    2の方向への軌跡制御を指令する制御レバーと、前記ア
    タッチメント連結点の位置を検出する位置検出手段と、
    前記制御レバーの操作に応動して軌跡目標を記憶保持す
    る記憶手段と、制御レバーの操作指令に応じて、位置検
    出されるアタッチメント連結点が記憶された軌跡目標上
    を移動するように前記アームを駆動制御する駆動制御手
    段とを備えた作業機の軌跡制御装置において、 軌跡目標が記憶保持された後は、前記制御レバーが同一
    方向に操作されるときは制御レバーが中立に戻ってもそ
    の記憶内容を更新せず、異なった方向に操作されるとき
    に記憶内容を更新して保持する記憶制御手段を具備する
    ことを特徴とする作業機の軌跡制御装置。
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