JP3609164B2 - 建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置 - Google Patents

建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は建設機械の領域制限掘削制御に係わり、特に、多関節型のフロント装置を備えた油圧ショベル等の建設機械において、フロント装置の動き得る領域を制限した領域制限掘削制御の掘削領域設定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械の代表例として油圧ショベルがある。油圧ショベルは垂直方向にそれぞれ回動可能なブーム、アーム及びバケットからなるフロント装置と、上部旋回体及び下部走行体からなる車体とで構成され、フロント装置のブームの基端は上部旋回体の前部に支持されている。このような油圧ショベルはフロント装置の動作範囲が広いことを特徴とする建設機械であり、そのことが便利である半面、特定の掘削形状よりフロントが突出しては困る作業などに使われる場合にはオペレータに慎重な操作を要求することになる。このため例えば特開平4−136324号公報に示されるようにフロント装置の作業範囲の制限を行うことが考えられている。この特開平4−136324号公報には、制限領域(侵入不可領域)の設定方法として、フロント装置の先端(バケットの爪先)を制限領域(侵入不可領域)に動かし、その位置を記憶するか、あるいは操作パネルから制限領域を数値で入力設定する方法が示されている。
【0003】
また、油圧ショベルではブームなどのフロント部材をそれぞれの手動操作レバーによって操作しているが、それぞれが関節部によって連結され回動運動を行うものであるため、これらフロント部材を操作して所定の領域、特に直線状に設定された領域を掘削することは非常に困難な作業であり、自動化が望まれている。そのような作業を自動化して行う構成とした場合、車体が移動すると作業現場の地形の変化で油圧ショベル自身の姿勢、高さが変化し、車体に関して設定していた領域を車体が移動するごとに設定し直さなくてはならない。そこで、このような作業を容易にするための自動掘削方法が特開平3−295933号公報に提案されている。この自動掘削方法では、掘削地表面に設置したレーザ発振器のレーザ光により車体に設置したセンサにて車体の高さを検出し、その検出した車体高さに基づいて掘削深さ(前者の例の制限領域に相当する)を決定して車体を停止した状態で所定長さだけ直線掘削し、その後に車体を所定距離走行させて停止状態で再び直線掘削する際に前記レーザ光により車体高さ変位量を検出し、その高さ変位量によって掘削深さを補正するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
【0005】
まず、特開平4−136324号公報に記載の従来技術では、車体を基準として制限領域(侵入不可領域)を設定するので、車体が移動し作業現場の地形の変化で油圧ショベル自身の姿勢、高さが変化すると、それに応じて制限領域の設定深さが変化してしまう。例えば地面が傾斜していれば、車体の移動とともに設定深さも地面の傾斜面に沿って変化し、制限領域の設定面も傾斜してしまう。
【0006】
また、特開平3−295933号公報に記載の従来技術では、車体の移動に伴う車体高さの変化の補正は行えるものの、操作パネルにより掘削深さを設定する場合、車体を基準に掘削深さを設定するので、掘削制御でバケットの先端位置を演算するとき、車体の製作公差、あるいは制御に使用するフロント装置の位置、姿勢を計測する角度センサの精度、取り付け公差などが誤差として集積し、実際に掘削した深さが設定した掘削深さと違ってしまい、設定通りに掘削することができない。
【0007】
また、車体の移動により車体高さが変化すると車体からの掘削深さが変化することから、掘削深さの変化量に対してもフロント装置の位置、姿勢を計測するセンサの誤差が影響し、車体高さが変化する前後で掘削深さが変化してしまう。
【0008】
更に、車体高さが変化してもレーザ光が確実にセンサに当たりレーザ光を検出できるようにするためには、車体に多数のセンサを高さ方向に並べて設置する必要があり、センサの装備が大がかりで複雑になる。
【0009】
同様に、車体に備えられたセンサにより高さを補正することから、センサの大きさの制約から補正できる高さは限られた範囲となる。
【0010】
本発明の第1の目的は、車体の移動により車体高さが変化しても掘削領域の設定が変化することのない建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置を提供することである。
【0011】
本発明の第2の目的は、車体の製作公差、あるいは制御に使用するフロント装置の位置、姿勢を計測するセンサの精度、取り付け公差などの誤差の影響が少なく、設定した掘削領域との差を少なく掘削することができる建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置を提供することである。
【0012】
本発明の第3の目的は、車体の移動により車体高さが変化しても掘削領域の設定が変化することがなくかつフロント装置の位置、姿勢を計測するセンサの誤差の影響による掘削深さの変化の少ない建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置を提供することである。
【0013】
本発明の第4の目的は、大がかりで複雑なセンサを要せずに車体の移動を補正できる建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置を提供することである。
【0014】
本発明の第5の目的は、車体の移動を広い範囲で補正できる建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記第1〜第5の目的を達成するために、本発明による建設機械の領域制限掘削制御装置は次の構成を採用する。すなわち、多関節型のフロント装置を構成する上下方向に回動可能な複数のフロント部材と、前記フロント装置を支持する車体とを備えた建設機械に備えられ、前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量の検出信号に基づき前記車体を基準としたフロント装置の先端位置を演算し、このフロント装置の先端位置と前記複数のフロント部材を操作するための操作レバー装置の操作信号とから前記フロント装置の先端位置の目標速度ベクトルを計算し、この目標速度ベクトルを補正することにより、フロント装置が予め設定した掘削領域の境界に近づくとフロント装置の当該境界に接近する方向の移動速度を制限し、当該境界に沿ってフロント装置を動かすよう、前記複数のフロント部材をそれぞれ駆動制御してフロント部材の動作範囲を制限制御する建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置において、(a)前記建設機械の外部に設置され、掘削領域に対する基準位置となる外部基準を与える外部基準部材と;(b)前記フロント装置に備えられ、前記外部基準に前記フロント装置を合わせる目標となるフロント基準を与えるフロント基準部材と;(e)前記外部基準と掘削領域の位置関係を設定する第1設定手段と;(f)前記フロント基準が前記外部基準と一致したときに操作される外部基準設定スイッチと;(g)前記外部基準設定スイッチが操作されたときに前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量の検出信号に基づき前記車体を基準とした前記フロント基準の位置を演算することにより前記車体と前記外部基準との位置関係を求め、この車体と外部基準との位置関係と前記第1設定手段で設定した外部基準と掘削領域の位置関係とから前記車体と掘削領域との位置関係を演算する演算手段と;(h)前記演算手段で演算した前記車体と掘削領域との位置関係から前記車体を基準とした掘削領域を設定する第2設定手段と;を備える構成とする。
【0016】
以上のように構成した本発明においては、フロント基準が外部基準と一致し、外部基準設定スイッチが操作されたときに、第2演算手段にて第1設定手段で設定した外部基準と掘削領域の位置関係を補正して車体と掘削領域の位置関係を演算し、第2設定手段で車体を基準として掘削領域を設定するため、車体の移動による高さ変化を毎回補正して掘削作業が行える。このため、車体が移動し車体高さが変化しても掘削領域の設定は変化せず、常に外部基準を基準とした所定の深さを掘削することができる。
【0017】
また、フロント基準部材を実際に地面に作用するフロント装置に設置し、フロント基準が外部基準と一致したときのフロント装置の位置と姿勢に基づき車体を基準とした掘削領域を設定するので、この掘削領域の設定に際して掘削領域設定演算と掘削制御演算とで車体の製作公差やフロント基準、検出手段等の精度、取付け公差などの誤差の影響が相殺されることとなる。このため、掘削制御でフロント装置の位置を演算するとき、基準光を車体に設置したセンサで検出する方法に比較して上記公差や精度の誤差の影響が少なくなり、設定した掘削領域との差を少なく設定通りに正確に掘削することができる。
【0018】
また、フロント装置の位置、姿勢を計測する検出手段の誤差の影響を受け難いので、車体が移動して車体高さが変化することにより車体からの掘削深さが変化しても、その掘削深さの変化量に対する検出手段の誤差の影響が少なくなり、車体高さが変化する前と後で掘削深さが変化することが防止される。
【0019】
更に、フロント装置を動かしフロント基準が外部基準と一致したときに、外部基準設定スイッチを操作することで外部基準を検出するので、フロント装置に小型でシンプルなフロント基準を設置するだけで車体の移動を補正できる。
【0020】
同様に、フロント装置を操作してフロント基準を外部基準に一致させ、外部基準設定スイッチを操作するので、フロント装置の広い可動範囲を考えれば車体の移動を広い範囲で補正できる。
【0021】
以上の掘削領域設定装置において、好ましくは、前記第1設定手段は、前記外部基準から掘削領域の境界までの深さを設定する手段である。このように第1設定手段を構成することにより、制限領域との境界を水平面とした掘削領域を設定できる。
【0022】
また、前記第1設定手段は、前記外部基準から前記掘削領域の基準点までの深さ、前記車体から前記基準点までの距離、前記掘削領域の境界の傾斜角度を設定する手段であってもよい。このように第1設定手段を構成することにより、勾配を付けた掘削領域を設定できる。
【0023】
また、好ましくは、前記第1設定手段は、設定器により入力されたデータを基に前記外部基準と掘削領域の位置関係を設定する手段である。このように第1設定手段を構成することにより、作業の初めに第1設定手段の設定を行っておけば、作業開始時、あるいは車体を走行して移動するごとにフロント装置を掘削領域の境界に位置決めするための補助員が不要となる。また、補助員の指示による設定にかかる時間を無くすことができ、作業時間を短縮できる。
【0024】
前記第1設定手段は、前記第1設定手段は、前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量の検出信号に基づき、前記フロント装置を動かしフロント装置の先端が掘削領域の境界に来たときの前記フロント装置の先端の位置を演算する手段と、前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量の検出信号に基づき、前記フロント装置を動かし前記フロント基準が前記外部基準に一致したときの前記フロント基準の位置を演算する手段と、前記フロント装置の先端位置と前記フロント基準の位置とから前記外部基準と掘削領域の位置関係を演算し、記憶する手段とを含む構成であってもよい。このように第1設定手段を構成することにより、フロント装置の先端が設定領域の境界に来たときのフロント装置の先端の位置と、フロント基準が外部基準と一致したときのフロント基準の位置とから外部基準と設定領域の位置関係を演算し、記憶することとなり、ダイレクトティーチングにより掘削領域を設定でき、作業状況に合わせて所望の掘削領域を正確に設定することができる。
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
まず、本発明の第1の実施形態を図1〜図11により説明する。
【0026】
図1において、本発明が適用される油圧ショベルは、油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2からの圧油により駆動されるブームシリンダ3a、アームシリンダ3b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の走行モータ3e,3fを含む複数の油圧アクチュエータと、これら油圧アクチュエータ3a〜3fのそれぞれに対応して設けられた複数の操作レバー装置4a〜4fと、油圧ポンプ2と複数の油圧アクチュエータ3a〜3f間に接続され、油圧アクチュエータ3a〜3fに供給される圧油の流量を制御する複数の流量制御弁5a〜5fと、油圧ポンプ2と流量制御弁5a〜5fの間の圧力が設定値以上になった場合に開くリリーフ弁6とを有し、これらは油圧ショベルの被駆動部材を駆動する油圧駆動装置を構成している。
【0027】
また、油圧ショベルは、図2に示すように、垂直方向にそれぞれ回動するブーム1a、アーム1b及びバケット1cからなる多関節型のフロント装置1Aと、上部旋回体1d及び下部走行体1eからなる車体1Bとで構成され、フロント装置1Aのブーム1aの基端は上部旋回体1dの前部に支持されている。ブーム1a、アーム1b、バケット1c、上部旋回体1d及び下部走行体1eはそれぞれブームシリンダ3a、アームシリンダ3b、バケットシリンダ3c、旋回モータ3d及び左右の走行モータ3e,3fによりそれぞれ駆動される被駆動部材を構成し、それらの動作は上記操作レバー装置4a〜4fにより指示される。
【0028】
図1に戻り、操作レバー装置4a〜4fはパイロット圧により対応する流量制御弁5a〜5fを駆動する油圧パイロット方式であり、それぞれ、オペレータにより操作される操作レバー40と、操作レバー40の操作量と操作方向に応じたパイロット圧を生成する1対の減圧弁(図示せず)とにより構成され、各減圧弁の一次ポートはパイロットポンプ43に接続され、二次ポートはパイロットライン44a,44b;45a,45b;46a,46b;47a,47b;48a,48b;49a,49bを介して対応する流量制御弁の油圧駆動部50a,50b;51a,51b;52a,52b;53a,53b;54a,54b;55a,55bに接続されている。
【0029】
以上のような油圧ショベルに本実施形態による掘削領域設定装置を含む領域制限掘削制御装置が搭載されている。この制御装置は、予め作業に応じてフロント装置の所定部位、例えばバケット1cの先端が動き得る掘削領域の設定を指示する設定器7と、ブーム1a、アーム1b及びバケット1cのそれぞれの回動支点に設けられ、フロント装置1Aの位置と姿勢に関する状態量としてそれぞれの回動角を検出する角度計8a,8b,8cと、車体1Bの前後方向の傾斜角θを検出する傾斜計8dと、ブーム用及びアーム用の操作レバー装置4a,4bのパイロットライン44a,44b;45a,45bに設けられ、操作レバー装置4a,4bからのパイロット圧を検出する圧力検出器60a,60b;61a,61bと、油圧ショベルの外部に設置され掘削領域に対する基準位置を示す外部基準を与える外部基準部材80(図2参照;以下、適宜、「外部基準部材」を単に「外部基準」という)と、フロント装置1Aのアーム1bの側部に取り付けられ、外部基準80にフロント装置1Aを合わせる目標となるフロント基準を与えるフロント基準部材70(図2参照;以下、適宜、「フロント基準部材」を単に「フロント基準」と称する)と、フロント装置1Aを操作してフロント基準70が外部基準80に一致したときに押される外部基準設定スイッチ71と、設定器7の設定信号、角度計8a,8b,8c及び傾斜計8dの検出信号、圧力検出器60a,60b;61a,61bの検出信号、及び外部基準設定スイッチ71の操作信号を入力し、バケット1cの先端が動き得る掘削領域を設定すると共に、領域を制限した掘削制御を行うための電気信号を出力する制御ユニット9と、前記電気信号により駆動される比例電磁弁10a,10b,11a,11bと、シャトル弁12とで構成されている。シャトル弁12はパイロットライン44aに設置され、パイロットライン44a内のパイロット圧と比例電磁弁10aから出力される制御圧の高圧側を選択し、流量制御弁5aの油圧駆動部50aに導く。比例電磁弁10b,11a,11bはそれぞれパイロットライン44b,45a,45bに設置され、それぞれの電気信号に応じてパイロットライン内のパイロット圧を減圧して出力する。
【0030】
以上の構成において、本実施形態の掘削領域設定装置は、設定器7、外部基準部材80、フロント基準部材70、外部基準設定スイッチ71、角度計8a,8b,8c及び傾斜計8dと、制御ユニット9の下記する機能により構成されている。
【0031】
設定器7は、図3に示すように、掘削領域の深さを入力するためのアップダウンボタン7a,7b、入力した深さを表示する表示装置7e及び入力した深さを設定信号として制御ユニット9に出力し掘削領域を設定する領域設定スイッチ7fとで構成されている。なお、設定器7のボタン類は適当な操作レバーのグリップ上に設けてもよい。また、ICカードによる方法、バーコードによる方法、無線通信による方法等、他の方法を用いてもよい。
【0032】
外部基準部材80は例えば図2に示すようにクイ80aに水平に張り渡した水糸である。水糸80は工事現場で基準を示すために良く使用されるものである。外部基準部材80は単なるクイ等、油圧ショベルのオペレータから外部基準の確認の取れるものであれば何でも良い。
【0033】
フロント基準部材70は図4に示すようにフロント装置1Aのオペレータから確認できる位置に設置された印である。この印70としては例えば矢印のようなものを鋼材で製作してそれをフロント装置の決められた位置に溶接で取り付ければよい。
【0034】
外部基準設定スイッチ71は、上記の場合、フロント装置1Aを動かして外部基準80である水糸にフロント基準70である矢印があった位置で操作されるもので、この操作により外部基準80の位置が検出され、油圧ショベルの車体1Bと外部基準80との位置関係(車体に対する外部基準80の位置)が演算設定される(後述)。
【0035】
なお、外部基準部材80として工事現場の測量などで使用するレーザ基準光発生器(レーザ燈台)を使用し、フロント基準部材70にそのレーザ光を検出するレーザ検出器を使用しても良い。この場合、レーザ燈台の光をレーザ検出器が検出したときにランプを点灯させ、オペレータがこのランプの点灯を確認して外部基準設定スイッチ71を操作することで同等の機能が果たせる。
【0036】
また、掘削領域の設定演算に際して車体の製作公差の影響をできるだけ少なくするには、フロント基準部材70は作業に支障ない程度にできるだけアーム1bの先端近くに設置され、実際に土に作用するバケット1c近いところで外部基準80と一致させるようにすることが望ましい。外部基準設定スイッチ71は設定器7の中に組み込んでも良い。
【0037】
制御ユニット9は、上記の設定器7の設定信号と、外部基準設定スイッチ71、角度計8a,8b,8c及び傾斜計8dの検出信号を用いて掘削領域を設定する。この制御ユニット9による掘削領域の設定方法及び制御ユニット9の処理機能の概要を図4及び図5を用いて説明する。なお、掘削領域は掘削領域と制限領域の境界(以下、単に掘削領域の境界という)を設定することにより設定され、本実施形態はこの掘削領域の境界として水平面を設定するものである。
【0038】
掘削領域の設定に際しては、まず、図4に示すように、油圧ショベル本体の外部に外部基準部材80として上記のように例えば水糸を設置する。
【0039】
次に、オペレータは設定器7を用いて外部基準80から設定したい掘削領域の境界までの深さhrを入力し、この深さhrにより外部基準80と掘削領域の位置関係を設定する。すなわち、外部基準80の位置を基準とした掘削領域を設定する。この設定は図5に示す制御ユニット9の第1設定手段100の処理機能により行われる。
【0040】
次に、現在の油圧ショベルの車体位置を基準とした掘削領域を設定する。このために、まずオペレータがフロント装置1Aを動かして、フロント装置1Aのアーム1bに備えられたフロント基準70を外部基準80に一致させ、オペレータが外部基準設定スイッチ71を操作する。ここで、フロント装置1Aを動かしているとき、図5に示す第1演算手段120の処理機能により角度計8a,8b,8c及び傾斜計8dの信号に基づき制御ユニット9内でフロント装置1Aの位置と姿勢が演算されており、フロント装置1Aのアーム1bに備えられたフロント基準70が外部基準80に一致し、オペレータが外部基準設定スイッチ71が操作されると、第1演算手段120から得られるそのときのフロント装置1Aの位置と姿勢の情報に基づき、図5に示す第2演算手段140の処理機能により車体1Bと外部基準80との位置関係として車体中心Oから外部基準80までの高さhfが演算され、この高さhf(車体1Bと外部基準80の位置関係)を補正値として、先に設定した深さhr(外部基準80と掘削領域の位置関係)から車体中心Oに対する掘削領域の境界面の深さhsを演算する。そして、図5に示す第2設定手段160の処理機能により、深さhs(車体1Bと掘削領域の位置関係)を油圧ショベルの車体1Bを基準とした掘削領域として設定する。油圧ショベルの車体1Bを基準とした掘削領域の設定が終了すると図5にブロック180として示すように領域制限掘削制御に移行する。
【0041】
油圧ショベルの車体1Bを基準とした掘削領域の設定は外部基準設定スイッチ71が操作されるごとに行われ、油圧ショベルが走行して位置を変えてもその場所で新たな掘削領域の設定が行われる。
【0042】
上記第1設定手段100における外部基準80と掘削領域の位置関係を設定する機能の詳細を図6に処理フローで示す。図中、破線で囲んだ部分は油圧ショベルのオペレータが行わなくてはならない操作を示す。
【0043】
まず、オペレータは地表から設定したい掘削領域の境界までの深さhdを設計施工図面等により決め、その数値を設定器7のボタン7a,7bを用いて入力し、その数値が入力されたことを表示装置7eで確認すると領域設定スイッチ7fを押す。制御ユニット9では、処理101にて領域設定スイッチ7fが押されたかどうかを判定し、押されていない場合は処理101を続行し、押されると処理102へ移る。処理102では、外部基準80から設定したい掘削領域の境界までの深さhrを次の(1)式で演算する。
【0044】
hr=hd+ho …(1)
上記(1)式において、hoは外部基準80の高さ(地表から外部基準80までの高さ)であり、この値hoは既知であり、予め制御ユニット9に記憶させておく。そして、処理103に移り、深さhrを記憶する。なお、外部基準80の高さhoをオペレータが覚えておき、この高さhoを含めた高さhrを設定器7を用いてオペレータが直接入力してもよい。また、設定器7に外部基準80の高さhoを入力するためのボタンを設け、オペレータの操作でこの高さhoの設定を変えれるようにしてもよい。
【0045】
第2演算手段140及び第2設定手段160における車体と掘削領域との位置関係を設定する機能の詳細を図7に処理フローで示す。
【0046】
まず、破線で囲んだ部分で示すように、オペレータが操作レバー40(図1参照)を操作してフロント装置1Aを動かし、フロント基準点70を外部基準80に一致させる。そして、処理141においてオペレータにより外部基準設定スイッチ71が押されたかどうかを判定する。押されていない場合は掘削領域の設定を変えずに設定処理を終了する。処理141において外部基準設定スイッチ71が押されたと判定されると処理142へ行く。
【0047】
処理142ではフロント装置1Aに備えられた角度計8a,8b及び傾斜計8dによりブーム1a、アーム1bの角度α,β及び車体1Bの傾斜角θを読み込む。次に処理143においてブーム、アームの角度α,β及び傾斜角θを用いて外部基準設定スイッチ71が押されたとき(フロント基準点70が外部基準80に一致したとき)の車体中心Oからフロント基準点70までの高さhfを演算する。
【0048】
演算はまず次の(2)式により車体中心Oからブームとアームの接合点(アーム角度計8bの設置点)の高さhbを求める。
【0049】
hb=L1×cos(α−θ) …(2)
上記(2)式においてL1はブーム1aと車体1Bの接合点(ブーム角度計8aの設置点)とブームとアームの接合点との距離であり、この値は既知であり、予め制御ユニット9に記憶しておく。
【0050】
次にブームとアームの接合点からフロント基準70までの高さhflを(3)式により求める。
【0051】
hfl=Lf×cos((α−θ)+(β−θf))…(3)
上記(3)式においてLfはブームとアームの接合点からフロント基準70の設置点までの距離であり、θfはブームとアームの接合点とアームとバケットの接合点(バケット角度計8cの設置点)とを結ぶ直線に対するフロント基準部材70の取り付け角度であり、これらの値はそれぞれ既知であり、予め制御ユニット9に記憶しておく。
【0052】
次に高さhbとhflから式(4)により車体中心Oからフロント基準70までの高さhfを演算する。
【0053】
hf=hb+hfl …(4)
次は、処理144に移り、設定器7で設定した外部基準80から掘削領域の境界までの深さhrを読み込む。
【0054】
次に、処理145において、先ほど演算した車体中心Oからフロント基準70までの高さhfを補正値として、この値hfと設定器7で設定した外部基準80から掘削領域の境界までの深さhrとから、式(5)により車体中心Oから掘削領域の境界までの深さhsを演算する。
【0055】
hs=hr+hf …(5)
最後に、処理161において処理145で演算した掘削領域の境界の深さhsを記憶し、車体を基準とした掘削領域を設定する。
【0056】
以上において、処理141〜145は図5に示す第2演算手段の処理機能に相当し、処理161は図5に示す第2設定手段160の処理機能に相当する。
【0057】
以上を終了し、掘削作業を開始すると、領域制限掘削制御の演算へ処理が移る。
【0058】
次に、上記の掘削領域設定機能を含む制御ユニット9の全体制御機能を図8により説明する。図8において、制御ユニット9は、第1掘削領域設定部9a、フロント姿勢演算部9b、目標シリンダ速度演算部9c、目標先端速度ベクトル演算部9d、方向変換制御部9e、補正後目標シリンダ速度演算部9f、復元制御部9g、補正後目標シリンダ速度演算部9h、目標シリンダ速度選択部9i、目標パイロット圧演算部9j、バルブ指令演算部9k、位置関係演算部9m及び第2掘削領域設定部9nの各機能を有している。
【0059】
第1掘削領域設定部9aは図5の第1設定手段100に相当するもので、図6に示す処理フローの処理101〜103により外部基準80から掘削領域の境界までの深さhrにより外部基準80と掘削領域との位置関係を設定する。
【0060】
フロント姿勢演算部9bは図5の第1演算手段120に相当するもので、制御ユニット9に記憶したフロント装置1A及び車体1Bの各部寸法と、角度計8a,8b,8cで検出した回動角α、β、γ及び傾斜計で検出した傾斜角θを用いて設定及び制御に必要なフロント装置1Aの位置及び姿勢を演算する。
【0061】
位置関係演算部9mは図5の第2演算手段140に相当するもので、図7に示す処理フローの処理141〜145により車体中心Oから掘削領域の境界までの深さhsを演算する。
【0062】
第2掘削領域設定部9nは図5の第2設定手段160に相当するもので、図7に示す処理フローの処理161により上記の深さhsにより油圧ショベルの車体1Bを基準とした掘削領域を設定する。
【0063】
フロント姿勢演算部9bにおいて、フロント装置1Aの位置と姿勢はブーム1aの回動支点を原点としたXY座標系で演算される。このXY座標系は本体1Bに固定した直交座標系であり、垂直面内にあるものとする。例えば、フロント装置1Aのバケット1cの先端位置は、ブーム1aの回動支点とアーム1bの回動支点との距離をL1、アーム1bの回動支点とバケット1cの回動支点との距離をL2、バケット1cの回動支点とバケット1cの先端との距離をL3とすれば、XY座標系により下記の式より求まる。
【0064】
X=L1sinα+L2sin(α+β)+L3sin(α+β+γ)
Y=L1cosα+L2cos(α+β)+L3cos(α+β+γ)
ただし、図4に示すように車体1Bが傾いたときは、バケットと先端と地面との相対位置関係が変化するので、掘削領域の設定が正しく行えなくなる。そこで本実施形態では、車体1Bの傾斜角θを傾斜計8dで検出し、フロント姿勢演算部9bでその傾斜角θの値を入力し、XY座標系を角度θ回転させたXbYb座標系でバケット先端の位置を計算している。これにより、車体1Bが傾いていても正しい領域設定及び掘削制御が行える。なお、車体が傾いたときには車体の傾きを修正してから作業するとか、車体が傾斜しないような作業現場で用いる場合には、必ずしも傾斜計は必要としない。
【0065】
第1掘削領域設定部9a、位置関係演算部9m及び第2掘削領域設定部9nでは、深さhr,hs、高さhf等をXbYb座標系の値に変換して処理する。
【0066】
目標シリンダ速度演算部9cでは操作レバー装置4a,4bの操作信号として圧力検出器60a,60b;61a,61bの検出信号を入力する。その操作信号(パイロット圧)から流量制御弁5a,5bの目標吐出流量(ブームシリンダ3a及びアームシリンダ3bの目標速度)を計算する。
【0067】
目標先端速度ベクトル演算部9dでは、フロント姿勢演算部9bで求めたバケットの先端位置及び目標シリンダ速度演算部9cで求めた目標シリンダ速度と、制御ユニット9に記憶してある先のL1,L2,L3等の各部寸法とからバケット1cの先端の目標速度ベクトルVcを求める。このとき、目標速度ベクトルVcは図4に示すXaYa座標系の値として求める。このXaYa座標系は、第2掘削領域設定部9nで求めた車体中心Oに対する掘削領域の境界面の深さhsだけXbYb座標系をYb方向に平行移動した座標系である。ここで、XaYa座標系での目標速度ベクトルVcのXc座標成分Vcxは目標速度ベクトルVcの掘削領域の境界に平行な方向のベクトル成分となり、Yc座標成分Vcyは目標速度ベクトルVcの掘削領域の境界に垂直な方向のベクトル成分となる。
【0068】
方向変換制御部9eでは、バケット1cの先端が掘削領域内でその境界近傍にあり、目標速度ベクトルVcが掘削領域の境界に接近する方向の成分を持つ場合、垂直なベクトル成分を掘削領域の境界に近づくにつれて減じるように補正する。換言すれば、垂直方向のベクトル成分Vcyにそれよりも小さい掘削領域から離れる方向のベクトル(逆方向ベクトル)を加える。
【0069】
以上のように目標速度ベクトルVcの垂直方向のベクトル成分Vcyを補正することにより、距離Yaが小さくなるにしたがって垂直方向のベクトル成分Vcyの減少量が大きくなるようベクトル成分Vcyが減じられ、目標速度ベクトルVcは目標速度ベクトルVcaに補正される。ここで、掘削領域の境界から距離Ya1の範囲は方向変換領域または減速領域と呼ぶことができる。
【0070】
バケット1cの先端が上記のような補正後の目標速度ベクトルVcaの通りに方向変換制御されたときの軌跡の一例を図9に示す。目標速度ベクトルVcが斜め下方に一定であるときには、その平行成分Vcxは一定となり、垂直成分Vcyはバケット1cの先端が掘削領域の境界に近づくにしたがって(距離Yaが小さくなるにしたがって)小さくなる。補正後の目標速度ベクトルVcaはその合成であるので、軌跡は図示のごとく掘削領域の境界に近づくにつれて平行となる曲線状となる。
【0071】
補正後目標シリンダ速度演算部9fでは、方向変換制御部9eで求めた補正後の目標速度ベクトルからブームシリンダ3a及びアームシリンダ3bの目標シリンダ速度を演算する。これは目標先端速度ベクトル演算部9dでの演算の逆演算である。
【0072】
復元制御部9gでは、バケット1cの先端が掘削領域の外に出たとき、掘削領域の境界からの距離に関係して、バケット先端が掘削領域に戻るように目標速度ベクトルを補正する。換言すれば、垂直方向のベクトル成分Vcyにそれよりも大きな掘削領域に接近する方向のベクトル(逆方向ベクトル)を加える。このように目標速度ベクトルVcの垂直方向のベクトル成分Vcyを補正することにより、距離Yaが小さくなるにしたがって垂直方向のベクトル成分Vcyが小さくなるよう、目標速度ベクトルVcは目標速度ベクトルVcaに補正される。
【0073】
バケット1cの先端が上記のような補正後の目標速度ベクトルVcaの通りに復元制御されたときの軌跡の一例を図10に示す。目標速度ベクトルVcが斜め下方に一定であるときには、その平行成分Vcxは一定となり、また復元ベクトル−KYaは距離Yaに比例するので垂直成分はバケット1cの先端が掘削領域の境界に近づくにしたがって(距離Yaが小さくなるにしたがって)小さくなる。補正後の目標速度ベクトルVcaはその合成であるので、軌跡は図10のように掘削領域の境界に近づくにつれて平行となる曲線状となる。
【0074】
このように復元制御部9gではバケット1cの先端が掘削領域に戻るように制御されるため、掘削領域外に復元領域が得られることになる。また、この復元制御でも、バケット1cの先端の掘削領域の境界に接近する方向の動きが減速されることにより、結果としてバケット1cの先端の移動方向が掘削領域の境界に沿った方向に変換され、この意味でこの復元制御も方向変換制御ということができる。
【0075】
補正後目標シリンダ速度演算部9hでは、復元制御部9gで求めた補正後の目標速度ベクトルからブームシリンダ3a及びアームシリンダ3bの目標シリンダ速度を演算する。これは目標先端速度ベクトル演算部9dでの演算の逆演算である。
【0076】
ここで、復元制御を行う場合は、その復元制御に必要なブームシリンダ及びアームシリンダの動作方向を選択し、その動作方向における目標シリンダ速度を演算する。ただし、復元制御ではブーム1aを上げることでバケット先端を掘削領域に戻すため、ブーム1aの上げ方向が必ず含まれる。その組み合わせも制御ソフトで決まる。
【0077】
目標シリンダ速度選択部9iでは補正後目標シリンダ速度演算部9fで得た方向変換制御による目標シリンダ速度と補正後目標シリンダ速度演算部9hで得た復元制御による目標シリンダ速度の値の大きい方(最大値)を選択し、出力用の目標シリンダ速度とする。
【0078】
目標パイロット圧演算部9jでは、目標パイロット圧としてパイロットライン44a,44b;45a,45bの目標パイロット圧を計算する。
【0079】
バルブ指令演算部9kでは、目標パイロット圧演算部9jで計算した目標パイロット圧に応じた指令値を演算し、対応する電気信号が比例電磁弁10a,10b,11a,11bに出力される。
【0080】
以上の本実施形態においては、オペレータの意志でフロント基準70を外部基準80に一致させ、外部基準設定スイッチ71を押すごとに外部基準80と車体1Bの位置関係を補正して車体と掘削領域の位置関係を演算し、車体を基準とした掘削領域を設定するため、車体の移動による高さ変化をオペレータの意志で補正して掘削作業が行える。このため、車体が移動し車体高さが変化しても掘削領域の設定は変化せず、常に外部基準80を基準とした所定の深さを掘削することができる。
【0081】
また、フロント基準70を実際に地面に作用する部材であるバケットを備えたフロント装置1Aのバケット先端に近いところであるアーム1bに設定し、このフロント基準70と外部基準80が一致し、外部基準設定スイッチ71が押されたときのフロント装置1Aの位置と姿勢に基づき車体1Bを基準とした掘削領域を設定するので、この掘削領域の設定に際して掘削領域設定演算と掘削制御演算とで車体1Bの製作公差や、フロント基準部材70、角度センサ8a〜8c等の精度、取付け公差の誤差の影響が相殺される。このため、掘削制御に際してバケット1cの先端の位置を演算するとき、基準光を車体に設置したセンサで検出する従来方法に比較して、上記公差や精度の誤差の影響が少なくなり、設定した掘削領域との差を少なく設定通りに正確に掘削することができる。
【0082】
今、このことを更に説明する。特開平3−295933号公報に記載の従来技術では、前述したように基準光による車体高さの補正は行える。掘削を行うときには車体高さを補正し、車体中心から設定された深さhsにバケット先端を動かすように制御する。このとき、制御装置は記憶装置に記憶されているブーム、アーム、バケットの寸法L1,L2,L3及び角度センサから検出された各フロント部材の角度α,β,γを用いバケット先端がhsの位置になるように制御演算を行う。しかし、実際のフロント部材には製作誤差があり、例えばブームはL1+εL1、アームはL2+εL2、バケットはL3+εL3の寸法になっている。また、センサから検出した角度α,β,γは真の角度α′,β′,γ′に対してセンサ取り付け誤差、センサ自身の検出誤差等によりεα,εβ,εγの誤差を含んでいる。そのため、制御装置が、
hs(L1,L2,L3,α(hs),β(hs),γ(hs))
にバケット先端を制御しようとしても、実際には
Figure 0003609164
の位置になってしまう。
【0083】
ここで、L1,L2,L3:設計値
α,β,γ:検出値
L1′L2′L3′,α′,β′,γ′:実際値
εL1,εL2,εL3,εα,εβ,εγ:誤差
また、L1′=L1+εL1
L2′=L2+εL2
L3′=L3+εL3
α=α′+εα
β=β′+εβ
γ=γ′+εγ
ただし、α(hs),β(hs),γ(hs),α′(hs),β′(hs),γ′(hs)はフロント装置が深さhs検出の姿勢をとったときの角度の検出値と実際値。
【0084】
例えば、目標のブーム角が30°とすると、制御装置は検出値α(hs)=30°になるようにフロント装置を制御する。このとき、検出値αと実際の角度α′にεα=0.5°の誤差が合った場合には、実際にはα′=30.5°の位置に制御されてしまう。
【0085】
一方、本実施形態ではフロント装置(アーム)にフロント基準70を設けているので、フロント基準70が外部基準80と一致したときの位置hfは制御ユニット9の内部では、
hf(L1,Lf,α(hf),β(hf),θf)
で演算された位置と認識される。その時の実際のフロント基準70は、
Figure 0003609164
の位置にある。このときのバケット先端の位置は、
Figure 0003609164
の位置になっている。
【0086】
ここで、εθf:フロント基準70の取り付け誤差
α(hf),β(hf),γ(hf):フロント装置がhf検出の姿勢をとったときの角度の検出値
α′(hf),β′(hf),γ′(hf):フロント装置がhf検出の姿勢をとったときの角度の実際値
このとき、フロント基準70は真の外部基準80の位置にあるので、制御ユニット9は誤差を含んだ形で真の外部基準80の位置を検出したことになる。このhfを領域制限制御に用いれば、制御ユニット9内の検出位置hfと実際の位置hf′の誤差はhfを検出したときと同じ誤差を含んでいるので、実際には相殺されて真のhf′の位置に一致する。
【0087】
例えば、外部基準80を検出したときに実際のブーム角α′=30°であったとし、センサ8aによる検出値にεα=0.5°の誤差があるとすると、α=29.5°で検出される。この検出値α=29.5°を用いれば、実際にはα′=30°の位置、つまり外部基準80の真の位置と一致するので、誤差は相殺される。
【0088】
次に、領域制限制御を行うときにこのhfを用いて補正されたhsを目標にバケット先端位置を制御すると、少なくともhfに内在されている誤差は先に述べたように実際の外部基準位置から考えると相殺され、残りはhfを検出したときの姿勢からバケット先端をhsに移動するまでのセンサの誤差によるものになる。このとき実際には、バケット先端は、
Figure 0003609164
にある。
【0089】
ここで、α(hs),β(hs),γ(hs):フロント装置がhsの制御姿勢をとったときの角度の検出値
α′(hs),β′(hs),γ′(hs):フロント装置がhsの制御姿勢をとったときの角度の実際値
このとき、本実施形態では(7)式に従いhf検出時の位置は外部基準80の真の位置であるので、従来技術と異なり、hf検出時からhsへ姿勢を制御したときの偏差α(hs)−α(hf),β(hs)−β(hf),γ(hs)−γ(hf)に係わる誤差、
Δεα=εα(hs)−εα(hf) …(9)
Δεβ=εβ(hs)−εβ(hf) …(10)
Δεγ=εγ(hs)−εγ(hf) …(11)
が実際に領域制限制御を行ったときの誤差に係わり、軽微なものとなる。また、本実施形態では、フロント基準70をフロント装置1Aに備えて、外部基準位置設定時と掘削時の姿勢変化を極力少なくすることができ、その場合は(9)〜(11)式に係わる誤差は更に少なくすることができる。
【0090】
なお、後述するダイレクトティーチングによる場合は、hrを設定する場合の誤差も設定時に取り込み、制御時に操作できることからより正確な掘削の制御ができる。
【0091】
次に、本実施形態では、フロント装置1Aの位置と姿勢を検出する角度センサ8a〜8cの誤差の影響を受け難いので、車体が移動して車体高さが変化することにより車体からの掘削深さが変化しても、その掘削深さの変化量に対する角度センサ8a〜8cの誤差の影響が少なくなり、車体高さが変化する前と後で掘削深さが変化することが防止される。
【0092】
更に、特開平3−295933号公報に記載の従来技術では、車体に備えられた基準光検出器が基準光を検出できる広い範囲にあることが必要である。本実施形態では、フロント装置1Aを操作しフロント基準70を外部基準80と一致させ、外部基準設定スイッチ71を押して設定するので、フロント装置1Aに備えられるフロント基準部材70は矢印鋼板等、小型でシンプル部材でよく、大がかりで複雑なセンサを要することなく車体の移動を補正できる。
【0093】
同様に、フロント装置1Aを操作しフロント基準70を外部基準80と一致させ、外部基準設定スイッチ71を押して設定するので、フロント装置1Aの広い可動範囲を考えれば車体の移動を広い範囲で補正できる。
【0094】
また、特開平3−295933号公報に記載の従来技術では、上記のように車体に備えられた基準光検出器が基準光を検出できる範囲にあることが必要であり、基準光検出器の大きさを考えれば大きな制約となる。本実施形態では、フロント基準部材70はフロント装置1A、特にアームに備えられるので、フロント装置の広い可動範囲を考えれば外部基準部材80の設置場所は大きな制約を受ない。このことは、例えば図11に示すように、車体1Bと同じ高さの地面に適当な外部基準部材の設置場所がない場合に、溝Gの中に外部基準部材80を設置することができるなどのメリットがある。また、このことにより先の誤差の問題から外部基準に位置合わせするときの姿勢と掘削時の姿勢との間の変化を少なくするように外部基準部材80を設置することができ、掘削の精度を向上することができる。
【0095】
更に、本実施形態によれば、作業の初めに外部基準部材80(水糸、クイ、レーザ燈台など)を設置し、設定器7を用いて設定を行っておけば、作業開始時、あるいは油圧ショベル本体を走行して移動するごとにバケット1cの先端を掘削領域の境界に位置決めするための補助員が不要となる。また、補助員の指示による設定にかかる時間を無くすことができ、作業時間を短縮できる。
【0096】
また、外部基準部材80は車体の外部に設置され、一度設置されればその位置を変える必要がなく、車体が移動しても掘削領域の基準として継続的に使用できる。
【0097】
なお、本実施形態では外部基準部材を水平に設置する場合を述べたが、外部基準部材は必ずしも水平に設置する必要はなく、工事の必要性で傾きを持たせて段々に掘削をし、大まかに勾配をつけた掘削をしても良い。
【0098】
本発明の第2の実施形態を図12〜図15により説明する。本実施形態は領域制限掘削制御の掘削領域設定装置において、掘削領域として角度を持った掘削領域を設定するものである。
【0099】
図12において、本実施形態の第1掘削領域設定部9a(図8参照;図5の第1設定手段100に相当)では図13に示す設定器7Aを用いて、外部基準80から掘削領域の基準点Pまでの深さhrと、車体中心Oから基準点Pまでの距離hrx、掘削領域の境界の傾斜角度θrを入力し設定する。従って、この場合は、設定器7Aを地表から掘削領域の基準点Pまでの深さhd、車体中心Oから基準点Pまでの距離hrx、掘削領域の境界の傾斜角度θrのいずれを入力するかを選択する選択ボタン7c,7g,7dを有する構造とする。
【0100】
図14に第1掘削領域設定部9aの処理フローを示す。オペレータが深さhd、距離hrx、角度θrを入力すると、処理101,102では先の実施形態と同様に領域設定スイッチ7fが押されたがどうかを確認し、外部基準80から掘削領域の基準点Pまでの深さhr先の(1)式で演算し、処理103で深さhr、距離hrx、角度θrを記憶する。
【0101】
また、第2掘削領域設定部9n(図8参照;図5の第2設定手段160に相当)では、図15に示した掘削領域設定の処理フローの処理141〜145において先の実施形態と同様にフロント基準70と外部基準80の位置を一致させ、外部基準設定スイッチ71を押したときに車体中心Oから掘削領域の基準点Pまでの深さhsを演算し、処理161Aにおいて距離hrx及び角度θrを読み込み、深さhsとこれらの値を記憶し、図12に示すような車体を基準とした掘削領域の設定を行う。
【0102】
この実施形態によれば、紙面垂直方向に油圧ショベルを移動させつつ領域制限掘削制御をするとき第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、勾配を付けた掘削領域を設定して領域制限掘削制御を行うことにより上下水道管の埋設用の溝掘りのような作業が容易に行えるようになる。
【0103】
本発明の第3の実施形態を図16〜図18により説明する。本実施形態は第1及び第2実施形態の第1設定手段100(図5参照)における外部基準80と掘削領域との位置関係の設定をダイレクトティーチングで行うものである。
【0104】
すなわち、第1及び第2の実施形態では、第1設定手段100において外部基準80から掘削領域の境界までの深さhrあるいは車体中心点Oから掘削領域の基準点Pまでの距離hrxを設定器7のアップダウンボタン7a,7b(図3参照)を使用して設定した。本実施形態では、オペレータの操作レバーの操作でバケット1cの先端を図16に二点鎖線で示すように設定したいところに動かして、その場所をダイレクトティーチングすることにより深さhrあるいは距離hrxを設定する。
【0105】
図17に掘削領域のダイレクトティーチングによる設定方法の処理フローを示す。図中、破線で囲んだ部分▲1▼,▲2▼は油圧ショベルのオペレータが行わなくてはならない操作を示す。
【0106】
まず、オペレータは図17の▲1▼に示すように、操作レバーを操作してバケット1cの先端を掘削領域の設定点Pに来るようにフロント装置1Aを動かす。バケット1cの先端が基準点Pに来ると、オペレータは設定器7の領域設定スイッチ7f(図3参照)を押す。
【0107】
制御ユニット9(図1参照)では、処理190において領域設定スイッチ7fが押されたかどうかを判定し、押されていない場合は処理190を継続する。領域設定スイッチ7fが押されると処理191へ移る。
【0108】
処理191ではその時のフロント装置1Aの姿勢から、車体中心Oからのバケット1cの先端までの深さhs、距離hrxを演算する。
【0109】
次に、オペレータは図17の▲2▼に示すように、再び操作レバーを操作してフロント基準70が外部基準80に一致するようにフロント装置1Aを動かす。
【0110】
制御ユニットはその間に処理192において外部基準設定スイッチ71が押されたかどうかの判定を継続する。ここで、フロント基準70と外部基準80が一致して、オペレータにより外部基準設定スイッチ71が押されると処理193へ移る。
【0111】
処理193では、その時のフロント装置1Aの姿勢から車体中心Oからフロント基準70までの高さhfoを演算する。
【0112】
次に処理194において外部基準80から掘削領域の境界までの深さhrを、
hr=hs−hfo …(12)
の演算により求める。
【0113】
最後に、処理195において、上記のようにして求めた深さhrを記憶し、設定を完了する。また、第2の実施形態のように勾配を持つ掘削領域を設定を設定する場合には、更に操作器7でを用いて角度θrを入力し、深さhrと距離hrxと角度θrとを記憶し、図16に二点鎖線で示すような掘削領域を設定する。
【0114】
以上のように外部基準80を基準とした掘削領域の設定が完了すると、掘削制御を開始する。本実施形態の第1設定手段以外の構成は第1の実施形態と同じであり、掘削作業に際しては図5に示す第1演算手段120、第2演算手段140及び第2設定手段160により、図18に示すように処理194で求めたhr(外部基準80と掘削領域の位置関係)または処理191,194で求めたhrx(車体1Bと基準点Pの位置関係),hr(外部基準80と基準点Pの位置関係)と角度θrを使用し、車体が移動してオペレータによりフロント基準70と外部基準80の位置が一致して外部設定スイッチ71が押されるごとにhf(車体1Bと外部基準80の位置関係)を求めて深さhs(車体1Bと掘削領域の位置関係)を更新し、車体を基準とした掘削領域を設定しつつ領域制限掘削制御を行う。
【0115】
本実施形態によればダイレクトティーチングにより掘削領域を設定するので、作業状況に合わせて所望の掘削領域を正確に設定することができる。
【0116】
【発明の効果】
本発明によれば、車体が移動し作業現場の地形の変化で油圧ショベルの高さが変化しても、常に外部基準を基準とした所定の深さを掘削することができ、例えば水平な掘削面を設定した場合には、地面が傾斜していても、車体を移動しつつ水平な面を掘削することができる。
【0117】
また、掘削時に、基準光を車体に設置したセンサで検出する方法に比較して、車体の製作公差やセンサ等の精度、取付け公差の誤差の影響を受難く、設定した掘削領域との差を少なく掘削することができる。
【0118】
また、センサの誤差の影響を受け難いので、車体の移動により車体からの掘削深さが変化しても、掘削するバケット先端点に近い所で外部基準とフロント基準を一致させ、設定を更新するので、車体高さが変化する前と後で掘削深さが変化することが防止できる。
【0119】
更に、フロント基準部材は矢印マークのように小型でシンプルな部材でよいので、大がかりで複雑な光センサを要することなく車体の移動を補正できる。
【0120】
また、フロント基準部材を設置したフロント装置の広い可動範囲を考えれば車体の移動を広い範囲で補正できる。
【0121】
また、本発明によれば、制限領域との境界を水平面とした掘削領域を設定できる。
【0122】
更に、本発明によれば、勾配を付けた掘削領域を設定して領域制限掘削制御を行うことにより上下水道管の埋設用の溝掘りのような作業が容易に行えるようになる。
【0123】
また、本発明によれば、設定器を用いて作業の初めに第1設定手段の設定を行っておけば、作業開始時、あるいは車体を走行して移動するごとにフロント装置を掘削領域の境界に位置決めするための補助員が不要となる。また、補助員の指示による設定にかかる時間を無くすことができ、作業時間を短縮できる。
【0124】
更に、本発明によれば、ダイレクトティーチングにより第1設定手段の設定を行うので、作業状況に合わせて所望の掘削領域を正確に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による掘削領域設定装置を備えた建設機械の領域制限掘削制御装置を油圧駆動装置と共に示す図である。
【図2】本発明が適用された油圧ショベルの外観とその周囲の掘削領域の形状を示す図である。
【図3】設定器の外観を示す図である。
【図4】第1の実施形態の掘削領域設定装置により掘削領域を設定する際の外部基準との関係を示す図である。
【図5】第1の実施形態の掘削領域設定装置の全体の構成を示す図である。。
【図6】第1の実施形態の掘削領域設定装置における第1設定手段の処理フローを示す図である。
【図7】第1の実施形態の掘削領域設定装置における第2演算手段及び第2設定手段の処理フローを示す図である。
【図8】制御ユニットの全体の制御機能を示す機能ブロック図である。
【図9】領域制限掘削制御においてバケットの先端が演算通りに方向変換制御されたときの軌跡の一例を示す図である。
【図10】領域制限掘削制御においてバケットの先端が演算通りに復元制御されたときの軌跡の一例を示す図である。
【図11】車体と同じ高さに適当な外部基準部材の設置場所がない場合に、溝の中に外部基準部材を設置した状態を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態の掘削領域設定装置により掘削領域を設定する際の外部基準との関係を示す図である。
【図13】第2の実施形態で用いる設定器の外観を示す図である。
【図14】第2の実施形態の掘削領域設定装置における第1演算手段の処理フローを示す図である。
【図15】第2の実施形態の掘削領域設定装置における第2演算手段及び第2設定手段の処理フローを示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態の掘削領域設定装置により掘削領域を設定する際の外部基準との関係を示す図である。
【図17】第3の実施形態の掘削領域設定装置における第1設定手段の処理フローを示す図である。
【図18】第3の実施形態の掘削領域設定装置による掘削領域を設定したときの最初の設定時とその後の移動時の関係を示す図である。
【符号の説明】
1A フロント装置
1B 車体
1a ブーム
1b アーム
1c バケット
1d 上部旋回体
1e 下部走行体
2 油圧ポンプ
3a〜3f 油圧アクチュエータ
4a〜4f;204a〜204f 操作レバー装置
5a〜5f 流量制御弁
6 リリーフ弁
7 設定器
8a,8b,8c 角度計(検出手段)
8d 傾斜計(検出手段)
9 制御ユニット
9a 第1掘削領域設定部(第1設定手段)
9b フロント姿勢演算部(第1演算手段)
9c 目標シリンダ速度演算部
9d 目標先端速度ベクトル演算部
9e 方向変換制御部
9f 補正後目標シリンダ速度演算部
9g 復元制御部
9h 補正後目標シリンダ速度演算部
9i 目標シリンダ速度選択部
9j 目標パイロット圧演算部
9k バルブ指令演算部
9m 位置関係演算部(第2演算手段)
9n 第2掘削領域設定部(第2設定手段)
10a 比例電磁弁
10b,11a,11b 比例電磁弁
12 シャトル弁
44a,44b〜49a,49b パイロットライン
60a,60b,61a,61b 圧力検出器
70 フロント基準部材(フロント基準)
71 外部基準設定スイッチ
80 外部基準部材(外部基準)
100 第1設定手段
120 第1演算手段
140 第2演算手段
160 第2設定手段

Claims (5)

  1. 多関節型のフロント装置を構成する上下方向に回動可能な複数のフロント部材と、前記フロント装置を支持する車体とを備えた建設機械に備えられ、前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量の検出信号に基づき前記車体を基準としたフロント装置の先端位置を演算し、このフロント装置の先端位置と前記複数のフロント部材を操作するための操作レバー装置の操作信号とから前記フロント装置の先端位置の目標速度ベクトルを計算し、この目標速度ベクトルを補正することにより、フロント装置が予め設定した掘削領域の境界に近づくとフロント装置の当該境界に接近する方向の移動速度を制限し、当該境界に沿ってフロント装置を動かすよう、前記複数のフロント部材をそれぞれ駆動制御してフロント部材の動作範囲を制限制御する建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置において、
    (a)前記建設機械の外部に設置され、掘削領域に対する基準位置となる外部基準を与える外部基準部材と;
    (b)前記フロント装置に備えられ、前記外部基準に前記フロント装置を合わせる目標となるフロント基準を与えるフロント基準部材と;
    (e)前記外部基準と掘削領域の位置関係を設定する第1設定手段と;
    (f)前記フロント基準が前記外部基準と一致したときに操作される外部基準設定スイッチと;
    (g)前記外部基準設定スイッチが操作されたときに前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量の検出信号に基づき前記車体を基準とした前記フロント基準の位置を演算することにより前記車体と前記外部基準との位置関係を求め、この車体と外部基準との位置関係と前記第1設定手段で設定した外部基準と掘削領域の位置関係とから前記車体と掘削領域との位置関係を演算する演算手段と;
    (h)前記演算手段で演算した前記車体と掘削領域との位置関係から前記車体を基準とした掘削領域を設定する第2設定手段と;
    を備えることを特徴とする建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置。
  2. 請求項1記載の建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置において、前記第1設定手段は、前記外部基準から掘削領域の境界までの深さを設定する手段であることを特徴とする建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置。
  3. 請求項1記載の建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置において、前記第1設定手段は、前記外部基準から前記掘削領域の基準点までの深さ、前記車体から前記基準点までの距離、前記掘削領域の境界の傾斜角度を設定する手段であることを特徴とする建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置。
  4. 請求項1記載の建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置において、前記第1設定手段は、設定器により入力されたデータを基に前記外部基準と掘削領域の位置関係を設定する手段であることを特徴とする建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置。
  5. 請求項1記載の建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置において、前記第1設定手段は、前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量の検出信号に基づき、前記フロント装置を動かしフロント装置の先端が掘削領域の境界に来たときの前記フロント装置の先端の位置を演算する手段と、前記フロント装置の位置と姿勢に関する状態量の検出信号に基づき、前記フロント装置を動かし前記フロント基準が前記外部基準に一致したときの前記フロント基準の位置を演算する手段と、前記フロント装置の先端位置と前記フロント基準の位置とから前記外部基準と掘削領域の位置関係を演算し、記憶する手段とを含むことを特徴とする建設機械の領域制限掘削制御の掘削領域設定装置。
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