JPH06104818B2 - 帯電防止剤 - Google Patents

帯電防止剤

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JPH06104818B2
JPH06104818B2 JP61226098A JP22609886A JPH06104818B2 JP H06104818 B2 JPH06104818 B2 JP H06104818B2 JP 61226098 A JP61226098 A JP 61226098A JP 22609886 A JP22609886 A JP 22609886A JP H06104818 B2 JPH06104818 B2 JP H06104818B2
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博義 浜中
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な帯電防止剤に関するものである。ここ
に帯電防止剤とは、プラスチック、繊維、紙、セラミッ
クなどの絶縁性材料を半導体化し、帯電しない材料へと
変化させる薬剤である。
〔従来技術及びその問題点〕
近年、急速に発展してきたINSに代表される高度情報化
社会では、コンピューターなしでは生活できなくなって
いるが、そのもとのIC、LSIが極く微量の静電気の存在
によっても影響を受け、コンピューターの誤動作を招く
だけではとどまらず、ある場合には破壊されてしまうこ
とがあり、今や静電気対策は最も重要なものになってい
る。現在、ICの組立て工場では、人口的に高湿度条件を
つくって、その中で作業させているところがあり、ま
た、コンピューター操作室では、電導性カーボンをまき
散らしているところもある。さらに、作業服も、例え
ば、金属を織り込んだ導電繊維でつくらなければならな
い程、その中で働く人間にとっては、余り好ましくない
環境状態を余儀なくされている。
従来より、プラスチック、合成繊維などの絶縁性材料が
帯電して、塵埃が付着し、商品価値を下げるのを防ぐ意
味で、主として界面活性剤を応用した帯電防止剤が用い
られており、それらは材料の成型時に同時に混入させる
内部練込み型と、でき上がった製品に塗布する、いわゆ
る表面塗布型との二種類に大別されるが、現在公知の界
面活性剤を応用した内部練込み型のものでは、表面にお
いて正確に最密充填状態をもたらすことができないの
で、表面固有抵抗を1019Ω(半導体域)以下とすること
ができない。例えば、プラスチックへ練込んだ場合、最
も性能良好なものでも表面固有抵抗値を1012Ω程度にし
か下げることができず、したがって、塵埃の付着防止と
いう点では役立っても、コンピューターの誤動作防止や
ICの静電破壊からの保護を目的としたパッケージ類には
用いられない。また、物質の特徴上、対象とした材料の
内部では不均一に分布しているために、内部練込み型帯
電防止剤が混入されている材料を二次加工する必要があ
って、切断した場合、切断面に静電気を発生してしまう
ので、根本的に電気特性が改質されるに至っていない。
一方、表面塗布型の帯電防止剤では、濃度によっては表
面に正しく配向して、最密充填状態を呈しており、した
がって、極性基間の距離が近接し、かつ揃った状態にあ
るので、その上に吸着水脈が存在すれば、処理材料の表
面固有抵抗値を1010Ω程度とすることも一部の条件下で
は可能であるが、イオン伝導によって、導電性を示して
いるので、湿度が低い状態では、極端に導電性が低下し
てしまい、目的とする役目を果たすことができなくな
る。また、高湿度条件下では、配向吸着が保たれている
間の導電性は良いが、経時的に、吸着水脈中の水の粒子
が極性基と極性基の間に多く入り込み、その結果、表面
での配向状態が不規則になり、極性基間の距離にバラツ
キが出るために、次第に導電性が低下して行く傾向が見
られ、好ましくない。
そのような意味で、特にIC関連の包装部品、ハウジング
材、作業服及び作業用品等では、本質的に電気特性を改
質させることが必要で、電子伝導性のものが強く望まれ
ている。
これまで、無機系では、金属粉末、金属繊維、カーボン
粉末もしくは酸化スズ、酸化インジウム等の導電材料を
練り込むか、または金属を蒸着させることが行われてき
たが、前者の方法では導電材料同士が接触できる程、多
量に添加しないと効果が出ないので、コストの高騰と同
時に、成型作業性が著しく低下するという欠点が生じ、
また、後者の方法でも、一度に多量に処理しないと、電
力量等のユーティリティーコストに見合うことができ
ず、また、再現性の良いものができないという難点があ
った。
また、有機系では、電子伝導性のものとしては、ポリア
セチレンや共役二重結合型のポリエン及びTCNQ・TTFな
どの電荷移動錯体が知られているが、不飽和結合を応用
しようとすると、例えば、プラスチック全体を変革させ
なければならず、また、電荷移動錯体もその効果を伝達
させようとすると、多量に混入させなければならないの
で、いずれの場合にも、技術的、経済的な面から見て、
実用化され難い。
従って、本発明の目的は、上記した従来品の欠点を改善
した新規な帯電防止剤を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、種々研究の結果 (1)分子間水素結合力の強い結晶性多価ヒドロキシ化
合物の中に、それと共晶化し得る電荷移動型結合体を組
み込むことができれば、固体状態でも水溶液系と類似し
た電気伝導特性をもつ小粒子素材をつくることが可能に
なり、対象とする絶縁材料に対して、より少量で効率良
く各部分と接触し得るので、帯電防止効果の一層の均一
性が期待されること (2)さらにまた、熱歴を伴って対象とする絶縁体材料
に混入させる必要がある場合でも、成型時に融解熱が発
生する分だけ、帯電防止効果に実際に寄与する電荷移動
型結合体の分解を遅らせることになり、添加時の実質有
効量をより多く保持し得るものになるであろうこと との仮説を立て、電子引性の強いSとOよりなるイオウ
の酸素酸の示す共鳴性とイオン解離性の違いに着目し
て、それと強塩基性窒素化合物とを組み合わせて、二対
のイオン結合を含む配位化合物を合成し、その配位化合
物を結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物の形で少
量、プラスチック、繊維、紙、セラミックなどの絶縁性
材料と接触させることにより、材質を選ばずそれらの材
料が完全に半導体化され、種々の条件下でも、長期間に
わたって無帯電性になるということを見出し、この知見
に基づき本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式I (但し、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7及びR8は炭素数1〜22の
炭化水素基またはヒドロキシ置換炭化水素基、基内にア
ミド結合及び/又はエステル結合を合計2個以下有する
炭素数合計12〜25の炭化水素系の基、中間にエーテル酸
素を1個含む炭素数合計2〜11の炭化水素系の基、炭素
数合計4〜25のO−炭化水素基置換3−オキシ−2−ヒ
ドロキシプロピル基、炭素数合計2〜122の末端ヒドロ
キシル基置換ポリオキシ炭化水素基、同一原子団内の中
心窒素原子ともう一つのN−置換基とでモルホリン環又
は炭素数合計4〜20のC−炭化水素基置換イミダゾリン
環を形成する残基であり、(A)2-はSO3 --もしくはSO4
--であり、かつR1,R2,R3,R4,R5,R6,R7及びR8のうちの少
なくとも1つの基が炭素数6以上の炭化水素基である
か、もしくはそれを連結させた基であり、かつ、少なく
とももう1つがヒドロキシメチル基もしくは2−ヒドロ
キシ置換炭化水素基であることを要する。)にて表され
る電荷移動型結合体(以下、所定の結合体と称する。)
と、結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物からなる帯
電防止剤である。共晶物の確認は粉末X線回折で調べる
ことができる。
本発明の帯電防止剤は、独特な導電付与効果を有し、特
に体積導電性に勝れており、絶縁性材料の一部に本発明
の帯電防止剤を接触させるだけで、他の部分に対しても
充分な電荷の漏洩性を与える。また、本発明の帯電防止
剤を絶縁性材料の中に少量混入させただけで、どの厚み
の部分に対しても等しく導電性が付与される。さらに、
従来公知の各種イオン界面活性剤等を使用したイオン伝
導型の帯電防止剤の場合と異なり、帯電性の種類(プラ
ス帯電性とマイナス帯電性)に関係なく、対象とする絶
縁性材料を確実に半導体の側に近づける。
なお、本発明の帯電防止剤は配位結合型のイオン構造物
であるにもかかわらず、熱安定性が良好で、成型時に混
入させる場合でも、熱劣化して対象とする絶縁体材料の
物性を弱めるということがない。また、表面に本発明の
帯電防止剤を展着させた後、印刷あるいは接着工程を必
要とする場合においても全く支障なく、作業し得る。
本発明の帯電防止剤において、所定の結合体は結晶性多
価ヒドロキシ化合物との共晶物の形で用いられるが、導
電付与効果がより勝れたものになると同時に、熱安定性
がさらに向上するという大きな長所に加えて、絶縁体材
料との混和作業性の容易さという特長があり、さらに、
界面導電膜の固定化に寄与することから、長期間安定し
た導電付与効果を発揮し得るという利点がある。
次に、本発明の帯電防止剤の製造方法について説明する
と、先ず、所定の結合体は、一級、二級もしくは三級ア
ミンの1種もしくは2種以上2モル(但し、そのうち、
少なくとも1個の炭素数合計6〜22の炭化水素基を有す
るものの合計が、最小限1モルなければならない)と硫
酸もしくは亜硫酸1モルとを反応させた後、最小限、二
つのアンモニウム基中のN−H結合がすべてN−C結合
に変換するような反応モル数を選んで、ホルマリンもし
くは炭素数2〜22のオレフィンオキシドを反応させるこ
とを基本として製造され、その場合、反応としては、第
四級アンモニウム:ヒドロキシドを経由する他のジ第四
級アンモニウム・硫酸塩およびジ第四級アンモニウム・
亜硫酸塩の製造方法と異なり、単純にアミン類を原料に
した系のまま、常圧もしくは加圧下、20〜200℃、好ま
しくは0〜10kg/cm2、50〜100℃において、水その他の
極性溶媒の存在下で円滑、かつ正確に行い得る。かくし
て製造されるヒドロキシメチル基もしくは2−ヒドロキ
シ置換炭化水素基を有する所定の結合体は、その構造が
知られていない新規化合物である。
次に、所定の共晶物は、所定の結合体と、ペンタエリス
リトール、ソルビトール、マンニトール、ベンジリデン
ソルビトール、ジ(ベンジリデン)ソルビトール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジ(ペン
タエリスリトール)、ビスフェノールA、ハイドロキノ
ン、ピロガロール等の結晶性多価ヒドロキシ化合物の1
種もしくは2種以上とを適切な割合で混合させ、つづい
て、単層液体となるところまで加熱した後、冷却させ
て、製造する。
この場合、両者共に良溶媒となるものを投入し、加熱し
ながら、徐々に取り除いて行くと、共晶化が促進するこ
とがある。また、これらの操作は常圧下で充分に行うこ
とができ、通常、N2ガス等の不活性気体の存在下が望ま
しい。
なお、本発明に関連して、所定の結合体の周辺物として
は三級アミン1モルとジメチル硫酸もしくはジエチル硫
酸1モルとを反応させて得られる四級アンモニウム:ア
ルキルサルファートが古くから知られているが、通常商
品化されている界面活性剤型帯電防止剤の四級アンモニ
ウム・ナイトラートや四級アンモニウム・パークロラー
トよりもさらに帯電防止性能が劣り、また、熱安定性も
悪いので、商品価値をもたない。
一方、他に、ジアンモニウム構造を有するものでは、ケ
イ弗化水素酸塩型のカチオン界面活性剤があるが(特許
第837735号明細書参照)、この化合物では、二つのイオ
ン対間に解離度の差異もなく、また、ヘキサフルオロシ
リカートアニオン自体の共鳴性もないので、通常のイオ
ン伝導型の帯電防止剤の領域では使用できるが、絶縁体
材料を半導体化する効力はない。
〔作用〕
ここで、本発明において、勝れた導電付与効果を表す作
用機構に関して、前述の一般式Iにおいて(A)2-がSO
4 --であるものを例にとって下記共鳴構造式(A)及び
(B) を参照しつつ説明すると、電気陰性度の高い原子同士
(SとO)の組み合わせからできている電子吸引基が二
つの強塩基性窒素化合物と結合したことによって強めら
れるI効果によって、共鳴構造式(A)、(B)に示し
たように共鳴構造体において広範囲の電子移動が起こ
り、電子伝導が活発化すると同時に、特に共鳴構造式
(B)では、O とSとでN1 及びN2 に対するク
ローン力が異なり、O で固定されない側のN を含む
結合素子の活動度が一層増すので、全体的に、イオン伝
導としての働きをも強めるためであろうと推測される。
〔実施例〕
所定の結合体及びその結晶性多価ヒドロキシ化合物との
共晶物の製造例を先ず説明し、次いで本発明の帯電防止
剤の調製及び性能を実施例によって説明する。
製造例1 かきまぜ器、温度計、滴下ロート、気体流入管及びコン
デンサーを付属させた加圧反応装置に、ドデシル=ジメ
チルアミン426.8g(2モル)を仕込み、607.8gのイソプ
ロピルアルコールに溶解させた後、撹拌下に、30〜40℃
で95%硫酸103.2g(1モル相当)を1時間要して滴下し
た。つづいて、内温を70℃に高めた後、70〜75℃、1〜
2kg/cm2の条件下でエチレンオキシド88.2g(2モル)を
3時間要して導入した。しかる後、内容物をロータリー
エバポレーターに移し取り、50mmHgの減圧下に、90〜95
℃で3時間要して、イソプロピルアルコールと水を系外
に除外し、下記構造の結合体1を得た。
製造例2 かきまぜ器、温度計、気体流入管及びコンデンサーを付
属させた四ツ口フラスコに、製造例1で合成した結合体
1を100g、ペンタエリスリトールを200g仕込み、900gの
水を注入して、分散及び溶解させた。つづいて、N2気流
下に、徐々に加熱しながら、脱水を行いつつ、210℃ま
で昇温させ、均一相を形成させた。しかる後、210〜220
℃で2時間を要して、注入した水を全量、系外に除去さ
せた後、冷却を行い、結合体1とペンタエリスリトール
との共晶物を作成した。
製造例3 製造例1の方法にしたがって、表−1に示した結合体2
〜21をそれぞれ製造した。
実施例1 平均重合度1350の塩化ビニル樹脂100部、ジオクチルフ
タラート40部、ステアリン酸カルシウム0.7部及びステ
アリン酸鉛0.3部よりなる配合物を、170℃、5分の混練
条件でカレンダー成型して得た軟質PVCフィルム(厚さ1
00μ)の片側に製造例1及び3で得られた各種結合体及
び製造例2で得られた共晶物並びにその製造方法に準じ
て製造したいくつかの共晶物のエタノール溶液を各々、
5g/m2の量展着した後、ガーゼを用いて一様に広げ、23
℃、50%RHの恒温恒湿条件で24時間静置させた。
しかる後、同条件で表面固有抵抗を測定し、さらに1年
間、同条件で静置させたものについても表面固有抵抗を
測定した。
また、比較試料として、従来公知のカチオン型帯電防止
剤であるオクタデシル=ジメチル=2−ヒドロキシエチ
ルアンモニウム=クロリド(以下、OMHEACと称する)、
ステアラミドプロピル=ジメチル=2−ヒドロキシエチ
ルアンモニウム=ナイトラート(以下、SMHEANと称す
る)及びドデシル=トリメチルアンモニウム=メチルサ
ルファート(以下、DMAMSと称する)を選び、同様の試
験に供した。
表−2に、試験結果を示したが、本発明の帯電防止剤で
処理された軟質PVCフィルムは完全に半導体面となって
おり、しかも、長時間確実にその状態を維持し得るとい
うことが認められた。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例2 本発明の帯電防止剤のアセトン−メタノール(1:1)混
合溶液中に平均分子量200000の低密度ポリエチレンフィ
ルム(厚さ50μ)を5秒間浸漬させた後、15℃、30%RH
の恒温恒湿条件下に24時間静置し、風乾させた。
しかる後、同条件で表面固有抵抗を測定した。さらに、
5000Vの印加電圧を付加させて強制帯電させた時の帯電
量と半減期を測定した。
また、比較試料として、実施例1で使用したOMHEAC、SM
HEAN及びDMAMSを選び、同様の試験に供した。
表−3に試験結果を示したが、本発明の帯電防止剤で処
理された低密度ポリエチレンフィルムは全く無帯電な材
質となることが確認された。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例3 本発明の帯電防止剤の1%エタノール溶液31.5mlとフロ
ン/LPG混合ガス38.5mlを内填させて、70mlスプレーを作
成した後、透明アクリル樹脂板(10×10cm2)に10cm離
れたところから5秒間噴射させた。
しかる後、23℃、50%RH及び15℃、30%RHの恒温恒湿条
件下で表面固有抵抗を測定した。
また、比較試料として、実施例1で使用したOMHEACを選
び、1%エタノール溶液として調整した後、スプレー化
し、同様の試験に供した。
表−4に、試験結果を示したが、本発明の帯電防止剤は
条件変化によっても影響を受けることの少ない、勝れた
性能付与剤であることとが確認された。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例4 白色無地のナイロンタフタ(10×10cm2)及びテトロン
タフタ(10×10cm2)の片側の面に対して、本発明の帯
電防止剤を内填させたスプレーを10cmの距離から5秒間
噴射させた後、23℃、50%RH恒温恒湿条件下に24時間静
置させた。
しかる後、同条件のもとで、処理面及び裏面の表面固有
抵抗を測定した。
また、比較試料として、実施例3で使用したOMHEACを選
び、スプレー化した後、同様の試験に供した。
表−5に、試験結果を示したが、本発明の帯電防止剤は
比較物質のOMHEACと異なり、対象物全体を完全に半導体
としていることがわかった。このことは、例えば、衣服
の処理をした場合、従来の帯電防止剤のOMHEACが上着の
最表面の静電気を中和するのに役立つが、その下の衣類
との間で起こる剥離帯電の防止には不充分であり、それ
に対して、本発明の帯電防止剤では全般的に無帯電な衣
服環境をつくるという長所を明確にあらわしている。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例5 複写用上質紙(A−4版のもの)の片方の面に対して本
発明の帯電防止剤を内填させたスプレーを10秒間噴射さ
せた後、20℃、40%RH及び60%RHの条件下に24時間静置
させた。しかる後、それぞれの条件下で、スプレー処理
した面の表面固有抵抗を測定した。
また、比較試料として、実施例3で使用したOMHEACとオ
クタデシルアミンの5モルエチレンオキシド付加体(以
下、OA−EOと称する)を選び、スプレー化した後、同様
の試験に供した。
表−6に、試験結果を示したが、本発明の帯電防止剤は
内部浸透による効果の減退もなく、紙正面を確実に半導
体化していることがわかった。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例6 A硬度80゜半硬質ウレタンペレット100部に対して、本
発明の帯電防止剤をそれぞれ適量添加して、混和させた
後、190℃で押出し成型法により、幅2.5cm、厚さ1cmの
角棒を作製した。
次いで、23℃、50%RH恒温恒湿条件で24時間静置させた
後、同条件で表面固有抵抗を測定した。
また、比較試料として、実施例1で使用したOMHEAC、SM
HEAN、DMAMS、実施例5で使用したOA−EO及びステアラ
ミドプロピル=ジメチル=2−ヒドロキシエチルアンモ
ニウム=パークロラート(以下、SMHEAPCと称する)を
選び、同様の試験に供した。
表−7に、試験結果を示したが、イオン伝導型の各比較
試料が共に、相溶性の良い極性ポリマーであるウレタン
樹脂の内部に拡散してしまうために、表面に配向せず、
したがって、導電性を充分に発揮し得ないのに対して、
電子伝導性をも呈する本発明の帯電防止剤では、ウレタ
ン樹脂に相溶して、内部に拡散している状態でも確実
に、全体を半導体化するということがわかった。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例7 平均重合度800の塩化ビニル樹脂100部、ジオクチル錫オ
キシド3部及びブチル=ステアラート0.5部よりなる硬
質PVC配合物に対して、本発明の帯電防止剤をそれぞれ
適量添加して混和させた後、180℃、5分の混練条件で
押出し成型して得た硬質PVCシート(厚さ1mm)を23℃、
50%RH恒温恒湿条件下で24時間静置させた。しかる後、
同条件で表面及び体積固有抵抗を測定した。
また、比較試料として、実施例6で使用したSMHEAN、DM
AMS、SMHEAPC及びジ(ステアラミドプロピル=ジメチル
=2−ヒドロキシエチルアンモニウム)=ヘキサフルオ
ロシリカート(以下、DSMHEAHFと称する)を選び、同様
の試験に供した。
表−8に、試験結果を示したが、本発明の帯電防止剤が
混入されている硬質PVCシートは完全に半導体域にあり
同時に試みたタバコ吸着テストでも、全く灰の付着は見
られなかった。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例8 中衝撃型ABS樹脂(旭化成(株)製スタイラック121)ペ
レット100部に対して、本発明の帯電防止剤をそれぞれ
2部添加した後、220℃で射出成型により、厚さ2mmのプ
レート(10cm×10cm)を作製し、23℃、50%RH恒温恒湿
条件下で24時間静置させた後、同条件で表面固有抵抗を
測定した。また、加重300gをかけて、15分間、テトロン
布と連続摩擦させた時の摩擦帯電量も測定した。
比較試験としては、SMHEAN、OA−EO、SMHEAPC、DSMHEAH
Fを選び、同様の試験に供した。
表−9に試験結果を示したが、本発明の帯電防止剤が練
込まれているABS樹脂プレートは完全に半導体域にあ
り、摩擦帯電も全く引き起こさないということが確認さ
れた。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例9 メタクリル酸メチル100部、アゾジイソブチロニトリル
0.3部の系に対して、本発明の帯電防止剤をそれぞれ0.2
5部添加した後、二枚の耐圧ガラス板の間に注入し、120
℃で4時間を要してモノマーキャスト法により、20cm×
20cmのアクリル樹脂板を成型した。しかる後、23℃、50
%RH恒温恒湿条件下で24時間静置させ、表面固有抵抗を
測定した。つづいて、それらの試験体を沸騰水中に20分
浸漬させた後、取り出し、23℃、50%RH恒温恒湿条件下
で24時間静置させたものについて、表面固有抵抗を再測
定した。
比較試料として、メタクリル酸メチルと比較的相溶性の
良いDMAMS及びOA−EOを選び、同様の試験に供した。
表−10に試験結果を示したが、比較試料のDMAMSとOA−E
Oを混入させているものが共に、熱水との接触によって
再び絶縁体化してくるのに対して、本発明の帯電防止剤
を混入させているものでは、殆ど電気特性を変化させな
いということがわかった。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例10 ポリアクリル酸エチル(平均分子量150000)の10%エマ
ルションに対して、本発明の帯電防止剤をそれぞれ0.5
%添加して、均一混合させた液にナイロン製白無地の手
袋を5秒間浸漬させた後、取り出し、絞り率150%とし
たところで、1時間風乾燥させ、つづいて、15分間、10
5℃で熱風乾燥させた。しかる後、23℃、50%RH恒温恒
湿条件下で24時間静置させたものについて、同条件で表
面固有抵抗を測定した。
比較試料としては、カチオン型帯電防止剤は全くポリア
クリル酸エチルエマルションと良く相溶しなかったの
で、使用せず、OA−EOだけを選んで、同様の試験に供し
た。
表−11に試験結果を示したが、本発明の帯電防止剤は、
ポリアクリル酸エチルの中に入り込んだ状態でも、充分
にナイロン手袋の電気特性を変化させるということが認
められた。
また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
実施例11 23℃、50%RH恒温恒湿条件のところで、オーバーヘッド
プロジェクター用PETフィルム(21cm×30cmで、厚さ100
μのもの)の片側の一つの角を含めて10cm四方のところ
に本発明の帯電防止剤の1%エタノール溶液を0.2ml滴
下した後、ガーゼでその部分だけに広げながら、50回強
く摩擦した。
しかる後、その部分の表面固有抵抗を測定し、つづい
て、その反対部分に5000Vの印加電圧をかけ、帯電荷減
衰特性を測定した。また、上記の処理を施さなかった側
(裏面)をテトロン布で15回強く摩擦した後、タバコ吸
着テストを行い、帯電性の有無を調べた。
比較試料としては、カチオン型帯電防止剤のOMHEAC、SM
HEAN、DMAMS、SMHEAPC及びDSMHEAHFを選び、同様の試験
に供した。
表−12に試験結果を示したが、本発明の帯電防止剤で処
理したPETフィルムは完全に半導体化しており、全く帯
電しないということが確認された また結合体と結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶物が
共晶前の結合体よりも相対的に効果が優れていることが
明らかである。
〔発明の効果〕 以上により、電子伝導性とイオン伝導性の複合作用を呈
する電荷移動型結合体を結晶性多価ヒドロキシ化合物と
の共晶物の形で使用する本発明の帯電防止剤の有孔性が
多方面から認められた。
なお、本発明の帯電防止剤をプラスチックやセラミック
等の粉末の極く一部分にだけ添加するだけで、全体の接
触帯電性を失わせたり、あるいは、また、プラスチック
パイプの外側に本発明の帯電防止剤を展着させることに
より、内側の部分とプラスチックもしくはセラミック、
顔料粒子等との間の摩擦帯電性を失わせることなど、従
来到達し得なかった領域での有益性も大いにある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式I (但し、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7及びR8は炭素数1〜22の
    炭化水素基またはヒドロキシ置換炭化水素基、基内にア
    ミド結合及び/又はエステル結合を合計2個以下有する
    炭素数合計12〜25の炭化水素系の基、中間にエーテル酸
    素を1個含む炭素数合計2〜11の炭化水素系の基、炭素
    数合計4〜25のO−炭化水素基置換3−オキシ−2−ヒ
    ドロキシプロピル基、炭素数合計2〜122の末端ヒドロ
    キシル基置換ポリオキシ炭化水素基、同一原子団内の中
    心窒素原子ともう一つのN−置換基とでモルホリン環又
    は炭素数合計4〜20のC−炭化水素基置換イミダゾリン
    環を形成する残基であり、(A)2-はSO3 --もしくはSO4
    --であり、かつR1,R2,R3,R4,R5,R6,R7及びR8のうちの少
    なくとも1つが炭素数6以上の炭化水素基であるか、も
    しくはそれを連結させた基であり、かつ、少なくともも
    う1つがヒドロキシメチル基もしくは2−ヒドロキシ置
    換炭化水素基であることを要する。)にて表される電荷
    移動型結合体と、結晶性多価ヒドロキシ化合物との共晶
    物からなることを特徴とする帯電防止剤。
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