JPH0610472B2 - モリブデン爆着被覆層を有するコンプレッサー用シリンダ - Google Patents

モリブデン爆着被覆層を有するコンプレッサー用シリンダ

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JPH0610472B2
JPH0610472B2 JP23374988A JP23374988A JPH0610472B2 JP H0610472 B2 JPH0610472 B2 JP H0610472B2 JP 23374988 A JP23374988 A JP 23374988A JP 23374988 A JP23374988 A JP 23374988A JP H0610472 B2 JPH0610472 B2 JP H0610472B2
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JP
Japan
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cylinder
molybdenum
compressor
compressor cylinder
coating layer
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康廣 福田
晋 犬丸
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、コンプレッサ用シリンダ、特に、耐摩耗性に
優れたコンプレッサ用シリンダに関する。
[従来の技術] ロータリーベーン方式のクーラーのコンプレッサが広く
普及しており、その材料はベーン以外は鉄製である。
しかし、カークーラーには軽量化の要求が強いので、ア
ルミニウム合金で製作することが提案されているが、耐
摩耗性が十分でないので実用化が困難であった。
[発明が解決しようとする課題] この発明は、コンプレッサ用シリンダとして特に、軽量
かつ耐摩耗性に優れた構造のものを提供しようとするも
のである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するための本発明の構成は、重量基準で
必須成分として、けい素5〜25%、銅0.3〜5%、マ
グネシウム0.3〜3%、残部アルミニウムからなるア
ルミニウム合金でシリンダ状に成形した部材の内面に金
属モリブデンからなる厚さ30〜200μmの爆着被覆層を
有することを特徴とするコンプレッサ用シリンダ、およ
び、アルミニウム合金が上記金属成分の外に、更に、ニ
ッケル1〜9%、マンガン0.3〜3%のうち一種以上
を含有することを特徴とするコンプレッサ用シリンダで
ある。
本発明で使用する上記アルミニウム合金の成分について
説明すると、けい素の作用は耐摩耗性の向上と線膨脹率
を下げるためであり、その必要量は5〜25%である。5
%未満では耐摩耗性が不十分であり、25%を越えると押
出が困難となる。
ただし、けい素の適切な含有量は鋳物用合金の場合は5
〜10%、押出形材用合金の場合は10〜17%粉末合金の場
合は12〜25%が適当である。
銅の作用は耐摩耗性の高温強度を向上させることであ
り、その量が1%未満であると効果が不十分であり、5
%を越えると効果が飽和して性能が向上しない。
マグネシウムの作用は銅と同じく、耐摩耗性と高温強度
の向上であり、その量が0.3%未満であると効果が不
十分であり、3%を越えると効果が飽和してしまう。
ニッケルの作用は線膨脹係数を小さくすると共に高温強
度を向上させるものであり、その量が1%未満では効果
が不十分であり、9%を越えると熱間加工性が困難とな
る。
マンガンの作用は耐熱性と高温強度の向上であり、その
量が0.3%未満では効果不十分であり、3%を越える
と効果が飽和してしまう。
爆着により被覆層を形成するモリブデンは金属単体モリ
ブデンであり、層厚は30〜200μmとする。
層厚が30μm未満では焼付を生じ、また耐摩耗性も不十
分である。200μmを超えてもそれ以上の効果は得られ
ず製造コストが高くなる。
このモリブデン被覆層の爆着方法は、シリンダーの中央
に金属Mo線を配置し、瞬間的に高電圧・高電流をか
け、爆着し、その後表面を平滑に仕上げる。
上記コンプレッサーの構造の一例を図面に示すロータリ
ーベーン式のカークーラーコンプレッサを参照して説明
すると、シリンダー3内にベーン1を有するローター2
があり、このローター2の回転にしたがって、冷媒の吸
入、加圧冷媒の吐出が行われるものである。
このシリンダに要求される性質は、 (1)線膨脹係数が小さいこと(15〜22×10-6cm/℃)、 (2)ベーンとの焼付が起らず、かつ、耐摩耗性が優れて
いること、 (3)生産性に優れていること、 等である。
上記シリンダの材料としては、けい素5〜25%を含むア
ルミニウム合金、例えば、A1−4%Cu−0.4%M
g−17%Si−2%Ni合金がある。
この材料を用いて、気孔、収縮率の少ない溶湯鋳造法、
または、真空ダイカスト法により鋳造したシリンダ、あ
るいは押出形材のシリンダ内面にモリブデンを爆着によ
り被覆する。
この爆着による被覆法の特徴は、 (1)被覆層の厚さを自由に選ぶことができ、例えば30μ
m程度の厚さの被覆層から200μm程度の厚さの被覆層
まで形成することができる。
(2)爆着は、瞬間的に完了するので生産性が極めて高
い。
(3)爆着による被覆層はメッキや塗装による被覆層に比
較して下地との密着性が強いことである。
[実施例] 以下実施例及び比較例によって本発明を具体的に説明す
る。
第1表に示すアルミニウム合金を用いて製造した円盤部
材に厚さを少しずつ変えたモリブデン層を爆着により形
成したディスクを作製し、それを試験した。
下記第2表にモリブデンからなる爆着被覆層の有無およ
び被覆層の厚さと試験結果の関係を示す。
焼付試験は直径60mmの上記ディスクの外周部に粉末合金
製ピンを面圧50kgf/cmで押圧し、ピンとディスクとの
接触部の速度1000mm/秒でディスクを30分間回転させ
て焼付の有無を調べることにより行った。
耐摩耗試験は焼付試験と同様であるが、さらに潤滑油
(70℃のスニソオイル5GS、日本サン石油株式会社
製)に浸漬した状態で行い、目視により摩耗が見られな
いものを良好とした。
[発明の効果] 以上説明したように本発明のコンプレッサ用シリンダは
十分な耐久性があり、かつ、アルミニウム合金を使用し
ているので、従来のシリンダに比較して重量を50%程度
軽減することもできる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明のシリンダを利用したロータリーベーン式
のカークーラーコンプレッサの構造を説明するための断
面の略図である。 1……ベーン、2……ローター、3……シリンダ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量基準で けい素 5〜25% 銅 0.3〜5% マグネシウム 0.3〜3% アルミニウム 残部 からなるアルミニウム合金でシリンダ状に成形した部材
    の内面に金属モリブデンからなる厚さ30〜200μmの爆
    着被覆層を有することを特徴とするコンプレッサ用シリ
    ンダ。
  2. 【請求項2】重量基準で、上記アルミニウム合金が更
    に、 ニッケル 1〜9% マンガン 0.3〜3% のうち一種以上を含有する上記請求項1記載のコンプレ
    ッサ用シリンダ。
JP23374988A 1988-09-20 1988-09-20 モリブデン爆着被覆層を有するコンプレッサー用シリンダ Expired - Lifetime JPH0610472B2 (ja)

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JPH0281989A JPH0281989A (ja) 1990-03-22
JPH0610472B2 true JPH0610472B2 (ja) 1994-02-09

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JP23374988A Expired - Lifetime JPH0610472B2 (ja) 1988-09-20 1988-09-20 モリブデン爆着被覆層を有するコンプレッサー用シリンダ

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10103261A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Sanyo Electric Co Ltd スクロール圧縮機

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10103261A (ja) * 1996-09-27 1998-04-21 Sanyo Electric Co Ltd スクロール圧縮機

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JPH0281989A (ja) 1990-03-22

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