JPH06104716B2 - 導電性重合体組成物及びその製造方法 - Google Patents

導電性重合体組成物及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06104716B2
JPH06104716B2 JP2224046A JP22404690A JPH06104716B2 JP H06104716 B2 JPH06104716 B2 JP H06104716B2 JP 2224046 A JP2224046 A JP 2224046A JP 22404690 A JP22404690 A JP 22404690A JP H06104716 B2 JPH06104716 B2 JP H06104716B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
dopant
monomer unit
conductive polymer
perchlorate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2224046A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04106122A (ja
Inventor
享二 帰山
英之 益田
Original Assignee
工業技術院長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 工業技術院長 filed Critical 工業技術院長
Priority to JP2224046A priority Critical patent/JPH06104716B2/ja
Publication of JPH04106122A publication Critical patent/JPH04106122A/ja
Publication of JPH06104716B2 publication Critical patent/JPH06104716B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な導電性重合体組成物及びその製造方法に
関するものである。さらに詳しくいえば、本発明は、各
種電子部品、電極、センサー、光電変換素子などに有用
な、新規なビチオフェン系重合体を主体とする導電性重
合体組成物、及びこのものを電解重合又は化学酸化重合
により容易に製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、電気、電子産業における著しい技術発展に伴い、
新しい優れた電気的機能を有する材料が求められてお
り、高分子化学の分野においても各種の電気特性を有す
る材料が見出され、すでに多くのものが実用化されてい
るが、より一層優れた電気特性を有する材料の探索が盛
んに行われている。特に電気伝導性を有する有機導電性
材料は、例えば各種電子部品、電極、センサー、光電変
換素子などの素材として幅広く利用することができるの
で、優れた特性を有する有機導電性材料の開発研究が積
極的になされている。
これまで、有機導電性材料としては、ポリアセチレン、
ポリ(p−フェニレン)、ポリフェニレンビニレン、ポ
リピロールなどにドーピング剤を添加させたものや、有
機金属ポリマーなどが知られている。しかしながら、こ
れらの有機導電性材料は、導電性、成形性あるいは経済
性などの点で必ずしも満足しうるものではない。
他方、チオフェン系重合体組成物としては、チオフェン
を電解重合して得られた重合体組成物〔「ジャーナル・
オブ・ケミカル・ソサエティ・ケミカル・コミュニケイ
ション(J.C.S.Chem.Commun.)」第382ページ(1983
年)〕や、3-メチルチオフェンを電解重合して得られる
重合体組成物〔「シンセティック・メタルズ(Synth.Me
t.)」第6巻、第317ページ(1983年)〕が知られてい
る。
しかしながら、これらの重合体組成物は適当な支持電解
質を選ぶことにより、良好な電気伝導度を有するものに
なるが、各種溶媒に不溶で、かつ不融であるため、成形
が極めて困難であって、導電性重合体組成物としての実
用的価値は少ない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、このような事情のもとで、優れた電気
伝導度を有し、かつ成形性が良好である上に経済的に製
造しうるなど、実用的価値の高い新規な導電性重合体組
成物を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記目的を達成するために、ビチオフェ
ン類の電解重合および化学酸化重合について鋭意研究を
重ねた結果、2,2′‐ビチオフェン類として3位に炭素
数6以上の直鎖アルキル基を有するものを、ドーパント
を供与しうる支持電解質を用いて該ビチオフェン類を電
解重合すること、又はドーパントを供与しうる酸化剤を
用いて化学酸化重合することにより、新規な導電性重合
体組成物が容易に得られ、このものは優れた電気伝導度
を有し、かつ各種溶剤に可溶で容易に成形することがで
き、実用的価値が高いことを見出し、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
すなはち、本発明は、 一般式 (式中のnは6以上の整数である) で示される単量体単位から成る重合体に対しドーパント
を単量体単位に基づき0.01〜0.5モル%の量でドーピン
グさせて成る導電性重合体組成物を提供するものであ
り、このものは、ドーパントを供与しうる支持電解質を
含有する媒質中において、 一般式 (式中のnは前記と同じ意味を持つ) で示されるビチオフェン誘導体を電解重合すること、又
はドーパントを供与しうる酸化剤を含有する媒質中にお
いて核ビチオフェン誘導体を化学酸化重合することによ
って製造することができる。
本発明において、電解重合に用いる単量体は、3位に炭
素数6以上の直鎖アルキル基を有するビチオフェン誘導
体であり、アルキル基の具体例としては、 n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n
−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ド
デシル基、n−ヘキサデシル基、及びn−オクタデシル
基が挙げられる。このアルキル基の炭素数が6より小さ
いものは、得られる重合体が溶剤に対して難溶性又は不
溶性となり、好ましくない。
本発明の電解重合における支持電解質はドーパントを供
与しうるものであり、このドーパントとしては、例えば
六フッ化リン酸イオン、六フッ化ヒ素酸イオン、四フッ
化ホウ酸イオン、過塩素酸イオン、三フッ化メタンスル
ホン酸イオン、各種ハロゲンイオン、硫酸イオンなどの
陰イオンが挙げられる。該支持電解質としては、前記陰
イオンを含む塩が用いられる。
電解重合は前記支持電解質を例えばニトロベンゼン、ア
セトニトリル、炭酸プロピレンなどの溶媒中に、0.01〜
0.2モル/1の濃度になるように溶解して成る電解液中に
おいて、好ましくは窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気
下、定電流電解、定電位電解、定電圧電解などの方法に
従って行われる。通電時間は、陽極上に形成される重合
体の膜圧が所望の厚みになるように適宜選ばれる。
本発明の化学酸化重合における酸化剤はドーパントを供
与しうるものであり、このドーパントとしては過塩素酸
イオン、四フッ化ホウ酸イオン、四塩化鉄イオンが挙げ
られる。酸化剤としては前記陰イオンを含む高原子価金
属塩が用いられる。
化学酸化重合は前記酸化剤を例えばアセトニトリル、ク
ロロホルム、炭酸プロピレンなどの溶媒中に0.05〜0.6
モル/1の濃度になるように溶解して成る溶液に、好まし
くは窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気下、3-アルキル
‐2,2′‐ビチオフェンの溶液を混合して行う。
このようにして、得られた重合体組成物は、 一般式 (式中のnは前記と同じ意味をもつ) で示される単量体単位から成る重合体に対し、前記ドー
パントが単量体単位に基づき0.01〜0.5モル%の範囲で
ドーピングされたものである。ドーパントの量が単量体
単位に基づき0.01モル%未満では電気伝導度が低くて、
実用的な導電性が得られず、また単量体単位に基づき0.
5モル%を超えると量の割には電気伝導度は高くなら
ず、むしろ機械特性が低下して好ましくない。この重合
体組成物は、ピリジン、テトラヒドロナフタリン、N−
メチルピロリジノンなどの溶媒に可溶である。
本発明の重合体組成物は、文献未載の新規なものであ
り、電解還元又はメタノール抽出することにより、陰イ
オンのドーパントが脱離して、前記一般式(I)で示さ
れる単量体単位から成る重合体となる。このものは塩化
メチレン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、テトラ
ヒドロナフタリンのような溶媒に可溶で成形が容易であ
るので、新規な高分子材料としての利用が可能である。
また、該重合体は、該磁気共鳴により構造を確認するこ
とができた。
本発明の重合体組成物における前記重合体は、重合度が
5〜300、である。なお、該重合度はゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフ装置にて求めることができる。
実施例1. 過塩素酸銅(II)6水和物7.41gをアセトニトリル50ml
に溶解した溶液に、25℃窒素下で、3-ドデシル‐2,2′
‐ビチオフェン3.34gをアセトニトリル50mlに溶解した
溶液を滴下し、6時間反応させた。ガラスフィルター上
に集め、アセトニトリルで洗浄後、真空乾燥して、3.45
gの黒色粉末を得た。この粉末はピリジン、N-メチルピ
ロリジノンなどに可溶であり、メタノール抽出を行って
脱ドープするとジクロロメタンなどに可溶となる。
また、この粉末を圧縮成形したペレットは16S/cmの導電
率を示した。
実施例2. 実施例1と同じ操作を0℃において行うと1.71gの黒色
粉末が得られた。この粉末の圧縮成形ペレットは7S/cm
の導電率を示した。
実施例3. 過塩素酸銅(II)6水和物の替わりに、過塩素酸鉄(II
I)9水和物10.3gを用いて実施例1と同じ操作を行うと
3.05gの黒色粉末が得られた。この粉末の圧縮成形した
ペレットは6S/cmの導電率を示した。
実施例4. 過塩素酸銅(II)6水和物の替わりに四フッ化ホウ酸銅
(II)4.74gを用いて実施例1と同じ操作を行うと1.95g
の黒色粉末が得られた。この粉末の圧縮成形ペレットは
11S/cmの導電率を示した。
実施例5. 過塩素酸銅(II)6水和物の替わりに塩化鉄(III)3.2
4gを用いて実施例1と同じ操作を行うと1.18gの黒色粉
末が得られた。この粉末の圧縮成形ペレットは2S/cmの
導電率を示した。
実施例6. 3-ドデシル‐2,2′‐ビチオフェン1.0gとテトラブチル
アンモニウム四フッ化ホウ酸塩0.20gをアセトニトリル3
0mlに溶解して成る溶液に電極板を挿入し、アルゴン雰
囲気下において、電極表面1cm2当り2mAで3時間電流を
流すと、陽極上に厚さ100μmの膜を生成する。この膜
は1.3S/cmの導電率を示した。
実施例7. 過塩素酸銅(II)6水和物3.70gをアセトニトリル25ml
に溶解した溶液に、25℃窒素下で、3-ヘキシル‐2,2′
‐ビチオフェン1.25gをアセトニトリル25mlに溶解した
溶液を混合し、6時間反応させた。反応生成物をガラス
フィルター上に集め、アセトニトリルで洗浄後、真空乾
燥して、0.95gの黒色粉末を得た。この粉末はピリジ
ン、N-メチルピロリジノンなどに可溶であり、メタノー
ル抽出を行って脱ドープするとジクロロメタンなどに可
溶となる。
また、この粉末を圧縮成形したペレットは14S/cmの導電
率を示した。
実施例8. 3-ヘキシル‐2,2′‐ビチオフェン0.5gとテトラブチル
アンモニウム四フッ化ホウ酸塩0.136gをアセトニトリル
20mlに溶解して成る溶液に電極板を挿入し、アルゴン雰
囲気下において、電極表面1cm2当り2mAの電流を40分間
流すと、陽極上に厚さ12μmの膜を生成する。この膜は
1.3S/cmの導電率を示した。
(発明の効果) 本発明の導電性重合体組成物は、優れた電気伝導度を有
し、かつ成形性が良好である上に経済的に製造しうるな
ど、実用的価値が高く、例えば各種電子部品、電極、セ
ンサー、光電変換素子などに利用が可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中のnは6以上の整数である) で示される単量体単位から成る重合体に対しドーパント
    を単量体単位に基づき0.01〜0.5モル%の量でドーピン
    グさせて成る導電性重合体組成物。
  2. 【請求項2】ドーパントが六フッ化リン酸イオン、六フ
    ッ化ヒ素酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、過塩素酸イ
    オン及び三フッ化メタンスルホン酸イオンの中から選ば
    れた陰イオンである特許請求の範囲第1項記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】ドーパントを供与しうる支持電解質を含有
    する媒質中において、 一般式 (式中のnは6以上の整数である) で示されるビチオフェン誘導体を電解重合することを特
    徴とする、 一般式 (式中のnは前記と同じ意味をもつ) で示される単量体単位から成る重合体に対しドーパント
    を単量体単位に基づき0.01〜0.5モル%の量でドーピン
    グさせて成る導電性重合体組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】ドーパントが六フッ化リン酸イオン、六フ
    ッ化ヒ素酸イオン、四フッ化ホウ酸イオン、過塩素酸イ
    オン及び三フッ化メタンスルホン酸イオンの中から選ば
    れた陰イオンである特許請求の範囲第3項記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】ドーパントを供与しうる酸化剤を含有する
    媒質中において、 一般式 (式中nは6以上の整数である) で示されるビチオフェン誘導体を化学酸化重合をするこ
    とを特徴とする、 一般式 (式中のnは前記と同じ意味をもつ) で示される単量体単位から成る重合体に対してドーパン
    トを単量体単位に基づき0.01〜0.5モル%の量でドーピ
    ングさせて成る導電性重合体組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】酸化剤が過塩素酸銅(II)、四フッ化ホウ
    酸銅(II)、過塩素酸鉄(III)、塩化鉄(III)の中か
    ら選ばれた金属塩である特許請求の範囲第5項記載の製
    造方法。
JP2224046A 1990-08-24 1990-08-24 導電性重合体組成物及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH06104716B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2224046A JPH06104716B2 (ja) 1990-08-24 1990-08-24 導電性重合体組成物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2224046A JPH06104716B2 (ja) 1990-08-24 1990-08-24 導電性重合体組成物及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04106122A JPH04106122A (ja) 1992-04-08
JPH06104716B2 true JPH06104716B2 (ja) 1994-12-21

Family

ID=16807749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2224046A Expired - Lifetime JPH06104716B2 (ja) 1990-08-24 1990-08-24 導電性重合体組成物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06104716B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110190461A1 (en) * 2008-07-16 2011-08-04 Nagase Chemtex Corporation Novel heterocyclic aromatic compound and polymer
JP5618175B2 (ja) * 2008-07-16 2014-11-05 ナガセケムテックス株式会社 新規複素環式芳香族ポリマー

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04106122A (ja) 1992-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Daoust et al. Structure-property relationships in alkoxy-substituted polythiophenes
Pei et al. Electrochromic and highly stable poly (3, 4-ethylenedioxythiophene) switches between opaque blue-black and transparent sky blue
Zagórska et al. Chemical synthesis and characterization of soluble poly (4, 4′-dialkyl-2, 2′-bithiophenes)
JP4291314B2 (ja) 置換チエノチオフェンモノマー及び導電性ポリマー
US4737557A (en) 3-N-higher alkylthiophene polymer and composition thereof
JP4974095B2 (ja) 水溶性π共役重合体の製造方法
US4795687A (en) Electrically conductive material and a process for the preparation of same and secondary battery using the electrically conductive material
CA1269194A (en) Copolymers and blends of polymers with conjugated p- system
EP0180412B1 (en) Bicarbazole-oxadiazole electroactive polymers
Miyazaki et al. Characterization, properties and doping of poly (3-alkylthiophene-2, 5-diyl) s, P3RThs (R= n-C6H13, n-C18H17, n-C12H25), prepared by using zero-valent nickel complex
Naarmann et al. Synthesis of New Electronicaly Conducting Polymers
JPH06104716B2 (ja) 導電性重合体組成物及びその製造方法
JP2546617B2 (ja) 温度特性の向上された導電性高分子化合物
Ng et al. Poly [4‐(2‐heteroaryl) benzenamines]: Novel Electrically Conducting Alternating Copolymers of Aniline and Chalcophenes
JPH0832815B2 (ja) 高分子組成物
KR100823635B1 (ko) 이온 액체를 이용한 전도성 고분자의 나노입자의 제조방법및 이를 이용한 전도성 고분자 컴퍼지트 물질의 제조방법
JPH0138805B2 (ja)
JPS6411209B2 (ja)
JPH0547211A (ja) 高分子電荷移動錯体
JP2005154481A (ja) 導電性高分子およびその用途
Tanaka et al. The preparation of poly (3-methoxy-2, 5-thiophenediyl) with iron (III) chloride and its properties.
JPH02245019A (ja) 半導体製造用組成物
JPS6144921A (ja) 有機半導体材料の製造方法
JPH0674345B2 (ja) 導電性高分子組成物
JP3180358B2 (ja) 固体電解コンデンサの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term