JPH06104680B2 - プロリン誘導体 - Google Patents

プロリン誘導体

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JPH06104680B2
JPH06104680B2 JP9080386A JP9080386A JPH06104680B2 JP H06104680 B2 JPH06104680 B2 JP H06104680B2 JP 9080386 A JP9080386 A JP 9080386A JP 9080386 A JP9080386 A JP 9080386A JP H06104680 B2 JPH06104680 B2 JP H06104680B2
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静夫 中村
誠 井上
正敏 稲井
嘉章 津田
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は新規なプロリン誘導体又はその塩に関する。
発明の構成 本発明のプロリン誘導体は、下記一般式(1)で表わさ
れる。
〔式中、R1はアダマンチル基、インダニル基、テトラヒ
ドロナフチル基、置換基として低級アルキル基を有する
ことのあるC3-C8シクロアルキル基又はC1-C9アルキル基
を示すか、又はR1は、式 (式中、R5及びR6は、同一又は相異つて、水素原子、低
級アルキル基、フエニル基、フエニル低級アルキル基、
ナフチル基又はC3-C8シクロアルキル基を示すか、又はR
5R6N−は を示し、RはC3-C8アルキレン基を示す。); R2は、水素原子又は低級アルキル基を示し; R3は、低級アルキル基を示し; R4は、ヒドロキシ基、低級アルコキシ基、式 (式中、R7は水素原子を、R8は水素原子、低級アルキル
基又はフエニル低級アルキル基を示すか、又はR7及びR8
は互いに結合してC2-C4アルキレン橋を形成していても
よい。R9は、水素原子又は低級アルキル基を示す。)で
表わされる基、又は置換基として低級アルコキシ基、低
級アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、カルバモイ
ル基、フェニルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイ
ル基、ナフチルカルバモイル基、ピリジル基、 4−(1,1−ジフエニルメチル)−1−ピペラジニル基
又は低級アルコキシカルボニルアミノ基を有する低級ア
ルコキシ基を示すか、或いはR4は、フェニルオキシ基、
ナフチルオキシ基、トコフエリルオキシ基、1−(フェ
ニル低級アルキル)−ピペリジルオキシ基、アミノ基、
低級アルコキシカルボニル−フェニルアミノ基、低級ア
ルキルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ
基、トルエンスルホニルアミノ基又はナフチルスルホニ
ルアミノ基を示す。但し、R1がC1-C9アルキル基のと
き、R4はヒドロキシ基又は低級アルコキシ基であっては
ならない。〕 本明細書において、特に断らない限り、「低級アルキ
ル」及び「低級アルコキシ」なる用語は、単独で用いら
れた場合も他の基に含まれた状態で用いられた場合も、
夫々、炭素数1〜6の直鎖又は分枝アルキル基(例え
ば、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、1−
メチルプロピル、t−ブチル、ペンチル、イソアミル、
ネオペンチル、ヘキシル基等)及び炭素数1〜6の直鎖
又は分枝アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、
イソプロポキシ、イソブトキシ、1−メチルプロポキ
シ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソアミルオキ
シ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等)を指す
ものとする。
上記一般式(1)におけるR、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R
8及びR9で表わされる各基及び後述する他の一般式にお
ける対応する各基は、次の通りである。
インダニル基及びテトラヒドロナフチル基としては、例
えば1−インダニル、2−インダニル、1,2,3,4−テト
ラヒドロ−1−ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロ−2
−ナフチル基等を挙げることができる。
置換基として低級アルキル基を有することのあるC3-C8
シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチル、シクロオクチル基等の炭素数3〜8のシクロ
アルキル基及び例えば1−メチルシクロプロピル、1−
メチル−シクロブチル、1−メチルシクロペンチル、1
−メチルシクロヘキシル、1,3−ジメチルシクロヘキシ
ル、1,4−ジメチルシクロヘキシル、1−メチルシクロ
ヘプチル基等の上記低級アルキル基で置換された炭素数
3〜8のシクロアルキル基を挙げることができる。
C1-C9アルキル基としては、例えばメチル、エチル、イ
ソプロピル、イソブチル、1−メチルプロピル、プロピ
ル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソアミル、ネオ
ペンチル、ヘキシル基等の低級アルキル基及びヘプチ
ル、オクチル、ノニル、4−メチルペンチル、5−メチ
ルヘキシル、6−メチルヘプチル、7−メチルオクチル
基等の炭素数1〜9の直鎖又は分枝鎖状アルキル基を挙
げることができる。
フエニル低級アルキル基としては、例えばベンジル、1
−フエニルエチル、2−フエニルエチル、3−フエニル
プロピル、4−フエニルブチル、5−フエニルペンチ
ル、6−フエニルヘキシル基等を挙げることができる。
C3-C8シクロアルキル基としては、炭素数3〜8のシク
ロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル、シクロオクチル基等を挙げることができる。
R5R6N−で示される におけるRで示されるC3-C8アルキレン基としては、炭
素数3〜8の直鎖状のアルキレン基、例えば、トリメチ
レン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレ
ン、オクタメチレン等を挙げることができる。
部位の例としては、アミノ、メチルアミノ、エチルアミ
ノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミ
ノ、イソブチルアミノ、1−メチルプロピルアミノ、t
−ブチルアミノ、ペンチルアミノ、イソアミルアミノ、
ネオペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、フエニルアミ
ノ、ベンジルアミノ、フエネチルアミノ、N,N−ジメチ
ルアミノ、N,N−ジプロピルアミノ、N,N−ジペンチルア
ミノ、N−フエニル−N−メチルアミノ、N−フエニル
−N−エチルアミノ、N−フエニル−N−プロピルアミ
ノ、N−フエニル−N−ベンジルアミノ、N,N−ジフエ
ニルアミノ、N−ベンジル−N−メチルアミノ、N−ベ
ンジル−N−イソプロピルアミノ、N,N−ジベンジルア
ミノ、α−ナフチルアミノ、β−ナフチルアミノ、シク
ロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチ
ルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロオクチルアミ
ノ、N−シクロペンチル−N−メチルアミノ、N−シク
ロヘキシル−N−エチルアミノ、N−シクロペンチル−
N−フエニルアミノ、N,N−ジシクロペンチルアミノ等
を挙げることができる。
の例としては、アジリジノ、アゼチジノ、ピロリジノ、
ピペリジノ、ヘキサヒドロアゼピノ、オクタヒドロアゾ
シノ基等を挙げることができる。
また、R7及びR8が互いに結合して形成したC2-C4アルキ
レン基としては、エチレン、トリメチレン、テトラメチ
レン基等を挙げることができる。
の具体例としては、グリシン、L−アラニン、Lバリ
ン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−フエニルア
ラニン、L−プロリン、D−アラニン、D−バリン、D
−ロイシン、D−イソロイシン、D−フエニルアラニ
ン、D−プロリン、(S)−2−アゼチジンカルボン
酸、L−ピペコリン酸、グリシンメチルエステル、L−
アラニンメチルエステル、L−バリンエチルエステル、
L−ロイシンメチルエステル、L−イソロイシンメチル
エステル、L−フエニルアラニンメチルエステル、L−
プロリンメチルエステル等のアミノ酸及びアミノ酸の低
級アルキルエステル残基等を例示できる。
R4で示される置換低級アルコキシ基の置換基に関し、低
級アルコキシカルボニル基としては、前記炭素数1〜6
の低級アルコキシ基とカルボニル基とが結合した基、例
えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポ
キシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシ
カルボニル、イソブトキシカルボニル、1−メチルプロ
ポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチル
オキシカルボニル、イソアミルオキシカルボニル、ネオ
ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル
基等を例示できる。ハロゲン原子としては、フツ素、塩
素、臭素、ヨウ素等を例示できる。ナフチルカルバモイ
ル基としては、α−ナフチルカルバモイル、β−ナフチ
ルカルバモイル基等を例示できる。ピリジル基として
は、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル基を例
示できる。低級アルコキシカルボニルアミノ基として
は、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルア
ミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニ
ルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、ペンチルオ
キシカルボニルアミノ、ヘキシルオキシカルボニルアミ
ノ基等を例示できる。
R4で示される置換基として低級アルコキシ基、低級アル
コキシカルボニル基、ハロゲン原子、カルバモイル基、
フェニルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイル基、
ナフチルカルバモイル基、ピリジル基、基 4−(1,1−ジフエニルメチル)−1−ピペラジニル基
又は低級アルコキシカルボニルアミノ基を有する低級ア
ルコキシ基としては、1個の低級アルコキシ基、低級ア
ルコキシカルボニル基、カルバモイル基、フェニルカル
バモイル基、ジフェニルカルバモイル基、ナフチルカル
バモイル基、ピリジル基、基 4−(1,1−ジフエニルメチル)−1−ピペラジニル基
又は低級アルコキシカルボニルアミノ基で、又は1〜3
個のハロゲン原子で置換されている炭素数1〜6個の低
級アルコキシ基を例示でき、その具体例としては、メト
キシエトキシ、メトキシプロポキシ、メトキシペンチル
オキシ、メトキシヘキシルオキシ、エトキシメトキシ、
t−ブトキシメトキシ、ヘキシルオキシエトキシ、メト
キシカルボニルメトキシ、1−メトキシカルボニルエト
キシ、2−メトキシカルボニルエトキシ、6−エトキシ
カルボニルヘキシルオキシ、2−クロロエトキシ、2−
ブロムエトキシ、2,2−ジクロルエトキシ、2,2,2−トリ
クロルエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、6−
フルオロヘキシルオキシ、カルバモイルメチルオキシ、
2−カルバモイルエチルオキシ、3−カルバモイルプロ
ピルオキシ、フエニルカルバモイルメチルオキシ、N,N
−ジフエニルカルバモイルメチルオキシ、2−フエニル
カルバモイルエチルオキシ、2−ピコリルオキシ、3−
ピコリルオキシ、4−ピコリルオキシ、1,4−ベンゾジ
オキサン−2−イルメチルオキシ、2−(1,4−ベンゾ
ジオキサン−2−イル)エチルオキシ、2−〔4−(1,
1−ジフエニルメチル)−1−ピペラジニル〕エチルオ
キシ、4−〔4−(1,1−ジフエニルメチル)−1−ピ
ペラジニル〕ブチルオキシ、2−t−ブトキシカルボニ
ルアミノプロポキシ、2−t−ブトキシカルボニルアミ
ノエトキシ、2−メトキシカルボニルアミノプロポキシ
基等を例示できる。
ナフチルオキシ基としては、α−ナフチルオキシ、β′
−ナフチルオキシ基等を例示できる。
トコフエリルオキシ基としては、α−トコフエリルオキ
シ、β−トコフエリルオキシ、γ−トコフエリルオキシ
又はδ−トコフエリルオキシ基を例示できる。
1−(フェニル低級アルキル)−ピペリジルオキシ基と
しては、1−フエニルメチル−3−ピペリジルオキシ、
1−フエニルメチル−2−ピペリジルオキシ、1−フエ
ニルメチル−4−ピペリジルオキシ、1−(1−フエネ
チル)−3−ピペリジルオキシ、1−(2−フエネチ
ル)−3−ピペリジルオキシ、1−(2−フエネチル)
−4−ピペリジルオキシ、1−(3−フエニルプロピ
ル)−3−ピペリジルオキシ、1−(3−フエニルプロ
ピル)−4−ピペリジルオキシ、1−(6−フエニルヘ
キシル)−3−ピペリジルオキシ基等を例示できる。
低級アルコキシカルボニル−フェニルアミノ基として
は、2−メトキシカルボニルフエニルアミノ、3−メト
キシカルボニルフエニルアミノ、4−メトキシカルボニ
ルフエニルアミノ、2−エトキシカルボニルフエニルア
ミノ、3−エトキシカルボニルフエニルアミノ、4−エ
トキシカルボニルフエニルアミノ、2−プロピルオキシ
カルボニルフエニルアミノ、2−ブトキシカルボニルフ
エニルアミノ、2−ペンチルオキシカルボニルフエニル
アミノ、2−ヘキシルオキシカルボニルフエニルアミ
ノ、4−イソプロピルオキシカルボニルフエニルアミ
ノ、3−イソブチルオキシカルボニルフエニルアミノ基
等を例示できる。
低級アルキルスルホニルアミノ基としては、メタンスル
ホニルアミノ、エタンスルホニルアミノ基等を例示でき
る。
ナフチルスルホニルアミノ基としては、α−ナフチルス
ルホニルアミノ、β−ナフチルスルホニルアミノ基等を
例示できる。
また上記一般式(1)の化合物は、分子内に複数個の不
斉炭素原子を有しており、複数個の光学異性体が存在す
るが、本発明はそのすべての異性体を包含する。
本発明のプロリン誘導体及びその塩は、アンジオテンシ
ン変換酵素阻害作用を有し、高血圧症の診断、予防又は
治療剤として有用である。特に上記作用の持続時間が長
く腎障害増悪作用がより少なく且つ低毒性である。さら
に本発明のプロリン誘導体及びその塩は、免疫力増強作
用、去タン作用及び眼内圧低下作用及び脂質低下作用を
も有し、免疫賦活剤、去タン剤及び縁内障治療剤及び抗
高脂血症剤として有用である。
上記本発明プロリン誘導体の塩には、医薬的に許容され
る酸付加塩が含まれる。該酸付加塩を形成する酸性化合
物としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水
素酸等の無機酸及びマレイン酸、フマール酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ベンゼンスルホン
酸、メタンスルホン酸等の有機酸を例示できる。
また本発明のプロリン誘導体中、酸性基を有するものは
これに医薬的に許容される塩基を作用させることにより
塩とすることができ、本発明はかかる塩をも包含する。
上記塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
カリウム等の無機塩基、リジン、アルギニン、オルニチ
ン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、エチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキ
シルアミン等の有機塩基を例示できる。
本発明の一般式(1)のプロリン誘導体の1つのクラス
の化合物は、一般式 〔式中R1°はアダマンチル基、インダニル基、テトラヒ
ドロナフチル基又は置換基として低級アルキル基を有す
ることのあるC3-C8シクロアルキル基を示す。
R2°は水素原子又は低級アルキル基を示し、R3°は低級
アルキル基を示す。R4°はヒドロキシ基又は低級アルコ
キシ基を示す。〕 で表わされる化合物である。
本発明のプロリン誘導体の他のクラスの化合物は、一般
〔式中、R1′は、 (式中、R5及びR6は前記に同じ。)を示し、 R2′は水素原子又は低級アルキル基を示し、 R3′は低級アルキル基を示し、R4′は、ヒドロキシ基又
は低級アルコキシ基を示す。〕 で表わされる化合物である。
更に、本発明のプロリン誘導体の他のクラスの化合物
は、一般式 〔式中、R1″は炭素数4〜8のアルキル基を示し、R2
は水素原子又は低級アルキル基を示し、R3″は低級アル
キル基を示し、R4″は、基 (式中、R7、R8及びR9は前記に同じ。)を示す。〕 で表わされる化合物である。
更に、本発明のプロリン誘導体の他のクラスの化合物
は、一般式 〔式中、R1は、炭素数1〜9のアルキル基を示し、R2
は水素原子又は低級アルキル基を示し、R3は低級ア
ルキル基を示し、R4は、置換基として低級アルコキシ
基、低級アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、カル
バモイル基、フェニルカルバモイル基、ジフェニルカル
バモイル基、ナフチルカルバモイル基、ピリジル基、基 4−(1,1−ジフエニルメチル)−1−ピペラジニル基
又は低級アルコキシカルボニルアミノ基を有する低級ア
ルコキシ基を示すか、或いはR4は、フェニルオキシ
基、ナフチルオキシ基、トコフエリルオキシ基、1−
(フェニル低級アルキル)−ピペリジルオキシ基、アミ
ノ基、低級アルコシカルボニル−フェニルアミノ基、低
級アルキルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルア
ミノ基、トルエンスルホニルアミノ基又はナフチルスル
ホニルアミノ基を示す。〕 で表わされる化合物である。
一般式(1)のプロリン誘導体のうちでも、特に、R1
シクロペンチル基、2−インダニル基又はn−ヘプチル
基を示し、R2がエチル基を示し、R3がメチル基を示し、
R4がメトキシ基(R1がn−ヘプチルの場合を除く)、L
−フエニルアラニン残基、L−フエニルアラニン−メチ
ルエステル残基、1−フエニルメチル−3−ピペリジル
オキシ基、メトキシカルボニルメトキシ基又は2−メト
キシエトキシ基を示す化合物が好ましい。
本発明の一般式(1)のプロリン誘導体は、例えば以下
に示す各種方法により製造することができる。尚、以下
の製造法の説明においては、一般式(1)のプロリン誘
導体の合成中間体の製造法をも併せて記載する。
〈反応式−1〉 〔式中R1、R2及びR3は一般式(1)におけると同じ。〕 上記反応式−1によればシステイン誘導体(2)をα−
ケト酸(3)とを反応させることにより化合物(4)が
収得される。この反応は金属水素錯化合物を用いた還元
的結合生成反応、即ちシステイン誘導体(2)とα−ケ
ト酸(3)との反応により生ずるシツフ塩基を金属水素
錯化合物を用いて還元することにより行なわれる。金属
水素錯化合物としては、例えば水素化硼素ナトリウム、
水素化硼素リチウム、水素化硼素シアノナトリウム、水
素化硼素シアノリチウム等を利用できる。之等錯化合物
はシステイン誘導体(2)に対し、通常約2〜6倍モル
量、好ましくは約2〜3倍モル量用いられる。またα−
ケト酸(3)は、システイン誘導体(2)の約1〜10倍
モル量、好ましくは約3〜5倍モル量用いられる。上記
反応は、反応に悪影響を与えない不活性溶媒中で行なわ
れる。該溶媒としては、例えば水、エタノール、メタノ
ール、2−プロパノール等のアルコール類、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等の
エーテル類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル
スルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒等が単
独で又は混合溶媒として用いられる。反応は通常0〜50
℃、好ましくは室温もしくはその付近の温度下に、約3
〜24時間で完結する。尚水素化硼素シアノナトリウム、
水素化硼素シアノリチウムを用いる場合、通常pH6.5〜
8.5程度、好ましくは中性付近で反応は速やかに進行す
る。
〈反応式−2〉 〔式中、R1、R2及びR3は一般式(1)におけると同じで
あり、R10は、水酸基、低級アルコキシ基、基 (式中R4は一般式(1)におけると同じ。)、ジフエニ
ルメチルオキシ基、フタルイミドメチルオキシ基又はp
−メトキシベンジルオキシ基を示し、Xはハロゲン原
子、アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニ
ルオキシ基を示す。〕 上記化合物(6)においてXで示されるハロゲン原子と
しては、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を、アルキル
スルホニルオキシ基としては、メタンスルホニルオキシ
基、エタンスルホニルオキシ基等の低級アルキルスルホ
ニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基
等を、アリールスルホニルオキシ基としては、p−トル
エンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ
基、p−クロルベンゼンスルホニルオキシ基、メシチレ
ンスルホニルオキシ基等を夫々例示できる。
上記反応式−2に示す方法によれば、システイン誘導体
(5)を化合物(6)を用いてアルキル化することによ
り、化合物(1a)が得られる。アルキル化反応は適当な
溶媒中、脱酸剤の存在下に行なわれる。溶媒としては、
例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール、t
−ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル
類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキ
シド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)
等の非プロトン性極性溶媒等を使用できる。脱酸剤とし
ては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩
もしくはアルカリ金属炭酸水素塩、トリエチルアミン、
ピリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデカン−
7−エン(DBU)等の有機第3級アミン等を使用でき
る。脱酸剤は通常システイン誘導体(5)に対して約1
〜2倍モル、好ましくは約1〜1.2倍モル用いられる。
化合物(6)は、システイン誘導体(5)に対して、通
常少なくとも等モル量、好ましくは約1〜1.2倍モル用
いられる。反応は一般に約0〜80℃、好ましくは室温も
しくはその付近の温度下に行なわれ、約3〜72時間で完
結する。
上記反応において出発材料として用いられるシステイン
誘導体(5)のうち、R1が基 (式中、R5及びR6は一般式(1)の場合と同じ。)であ
る化合物は、例えばM.Verderame,J.Pharm.Sic.,50,312
(1961)等に記載の方法を参考にして合成でき、また上
記システイン誘導体(5)のうち、R1がC1-C9アルキル
基、アダマンチル基、インダニル基、テトラヒドロナフ
チル基又は置換基として低級アルキル基を有することの
あるC3-C8シクロアルキル基を示す化合物は、J.Org.Che
m.,16,749(1959)、Helv.Chim.Acta.,32,866(1949)C
hem.Pharm.Bull.,26(5),1576(1978)、Arch.Pharm.
(Weinheim)316,934(1983)等を参考にして合成され
る。
また、他方の出発物質である化合物(6)のうち、R10
が水酸基又は低級アルコキシ基を示すものは公知である
か又は公知方法に従い容易に合成される。また、R10
(R4は一般式(1)におけると同じ。)である化合物
(6)は、後述する方法(反応式−7)により合成でき
る。
〈反応式−3〉 〔式中、R1、R2及びR3は、一般式(1)におけると同じ
であり、R10aは、t−ブトキシ基、 (式中、R4aはt−ブトキシ基、p−メトキシベンジル
オキシ基、ジフエニルメチルオキシ基、フタルイミドメ
チルオキシ基又は基 を示し、 R7及びR8は一般式(1)の場合に同じであり、R11はt
−ブチル基を示す。)、p−メトキシベンジルオキシ
基、ジフエニルメチルオキシ基又はフタルイミドメチル
オキシ基を示し、R10bは、水酸基又は基 を示し、 R12は水酸基又は (R7及びR8は上記に同じ)を示す。〕 上記反応式−3に示す方法によれば、化合物(1a′)を
アニソール、チオアニソール、ジメチルスルフイド等の
スカベンジヤーの存在下あるいは非存在下に、好ましく
はスカベンジヤーの存在下に酸処理することにより、副
生成物を生成させることなく、化合物(1a″)を収得で
きる。
酸処理反応において、酸としては例えばトリフルオロ酢
酸(TFA)、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、塩化水素酸、臭化水素酸、弗化水素酸、酢酸
等を例示できる。該反応は例えばジエチルエーテル、TH
F、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム等のハ
ロゲン化炭化水素等の該反応に悪影響を与えない溶媒中
又は無溶媒下で行ない得る。またアニソール等のスカベ
ンジヤーは、通常化合物(1a′)に対し約1〜10倍モル
量、好ましくは約3〜5倍モル量用いられる。反応は約
0〜50℃、好ましくは約0〜25℃の温度条件下に約30分
〜10時間を要して行なわれる。
〈反応式−4〉 〔式中、R1、R2及びR3は、一般式(1)におけると同じ
であり、R4bは、低級アルコキシ基、基 (式中、R7、R8及びR9は一般式(1)におけると同
じ。)、置換基として低級アルコキシ基、低級アルコキ
シカルボニル基、ハロゲン原子、カルバモイル基、フェ
ニルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイル基、ナフ
チルカルバモイル基、ピリジル基、基 4−(1,1−ジフエニルメチル)−1−ピペラジニル基
又は低級アルコキシカルボニルアミノ基を有する低級ア
ルコキシ基を示すか、或いはR4bは、フェニルオキシ
基、ナフチルオキシ基、トコフエリルオキシ基、1−
(フェニル低級アルキル)−ピペリジルオキシ基、アミ
ノ基、低級アルコキシカルボニル−フェニルアミノ基、
低級アルキルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニル
アミノ基、トルエンスルホニルアミノ基又はナフチルス
ルホニルアミノ基を示す。但し、R1がC1-C9アルキル基
のとき、R4bは低級アルコキシ基であってはならな
い。〕 上記反応式−4によれば、前記反応式−1〜−3により
得られるカルボン酸(7)と、アミン(8)との反応に
より本発明化合物(1b)が収得される。該反応は通常の
アミド結合生成反応に従つて、下記各種の方法により実
施される。
(a)縮合剤の存在下、カルボン酸(7)とアミン
(8)とを脱水縮合反応させる方法、 (b)混合酸無水物法、即ちカルボン酸(7)にハロギ
酸アルキルエステルを反応させ混合酸無水物とし、これ
にアミン(8)を反応させる方法、 (c)活性エステル法、即ちカルボン酸(7)を、例え
ばp−ニトロフエニルエステル、N−ヒドロキシコハク
酸イミドエステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン
−2,3−ジカルボキシイミドエステル等の活性エステル
とし、これにアミン(8)を反応させる方法、 (d)カルボン酸ハライド法、即ちカルボン酸(7)の
ハライドにアミン(8)に反応させる方法、 (e)その他、例えばカルボン酸(7)を無水酢酸等の
脱水剤により酸無水物とし、これにアミン(8)を反応
させる方法;カルボン酸(7)と低級アルコールのエス
テルに、アミン(8)を高圧高温下に反応させる方法。
上記各方法は、公知の之等方法と略々同条件下に実施さ
れる。特に好ましい方法は上記(a)の方法である。該
方法につき詳述すれば、縮合剤としては具体的にはN,
N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、DCC−
N−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、DCC−N−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、DCC−N−ヒド
ロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド
(HONB)、ジフエニルフオスフオリルアジド(DPPA)−
トリエチルアミン、シアノリン酸ジエチル(DEPC)−ト
リエチルアミン、ウオーターソルブルカルボジイミド・
HCl(WSCD・HCl)−HOBt等を用いることができる。反応
は一般に適当な溶媒中にて行なわれ、該溶媒としては、
反応に悪影響を及ぼさない公知の各種のものを用い得
る。具体例としては、例えば塩化メチレン、クロロホル
ム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチ
ルエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メ
チル、酢酸エチル等のエステル類、DMF、DMSO、HMPA等
の非プロトン性極性溶媒等を例示できる。アミン(8)
の使用量はカルボン酸(7)に対して通常少なくとも等
モル量程度、好ましくは1〜1.2倍モル量程度とされる
のがよく、縮合剤はカルボン酸(7)に対して約1〜2
倍モル量、好ましくは約1〜1.2倍モル量とすることが
できる。反応は通常−20〜30℃程度、好ましくは約−10
℃〜室温下に、約3〜24時間で完結する。
上記反応式−4の反応において出発物質として用いられ
るアミン(8)のうち、R4bが低級アルコキシ基又はア
ミノ基を示すものは公知化合物である。R4bが基 (式中、R7、R8及びR9は一般式(1)におけると同
じ。)であるアミン(8)は、ペプチド合成において常
用されている方法や公知文献〔ボダンスズキーら著「ペ
プチド合成」第2版(M.Bodanszky,Y.S.Klausner,M.A.O
ndetti共著“Peptide Synthesis"2nd Ed.)(1976)、
「生化学実験講座」第1巻,タンパク質の化学IV,日本
生化学会編、東京化学同人発行(1977)等を参考にして
又は下記反応式−5B及び6に従い容易に合成される。そ
の他のアミン(8)は、下記反応式に従い合成される。
〈反応式−5A〉 〔式中、RAは、ベンジルオキシカルボニル基、p−メト
キシベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボ
ニル基又はt−アミルオキシカルボニル基を示し、Xは
ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基又はアリー
ルスルホニルオキシ基を示し、R4b′は、置換基として
低級アルコキシ基、低級アルコキシカルボニル基、ハロ
ゲン原子、カルバモイル基、フェニルカルバモイル基、
ジフェニルカルバモイル基、ナフチルカルバモイル基ピ
リジル基、基 4−(1,1−ジフエニルメチル)−1−ピペラジニル基
又は低級アルコキシカルボニルアミノ基を有する低級ア
ルキル基、或いは1−(フェニル低級アルキル)−ピペ
リジル基を示す。〕 上記化合物(10)においてXで示されるハロゲン原子と
しては、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を、アルキル
スルホニルオキシ基としては、メタンスルホニルオキシ
基、エタンスルホニルオキシ基等の低級アルキルスルホ
ニルオキシ基を、アリールスルホニルオキシ基として
は、p−トルエンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホ
ニルオキシ基、p−クロルベンゼンスルホニルオキシ
基、メシチレンスルホニルオキシ基を夫々例示できる。
上記反応式−5Aに示す方法によれば、カルボン酸(9)
を化合物(10)を用いてアルキル化することにより、化
合物(11)が得られる。アルキル化反応は適当な溶媒
中、塩基の存在下に行なわれる。溶媒としては、例えば
メタノール、エタノール、2−プロパノール、t−ブタ
ノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類、ジメ
チルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等の非プ
ロトン性極性溶媒等を使用できる。塩基としては、例え
ば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩もしくは
アルカリ金属炭酸水素塩、トリエチルアミン、ピリジ
ン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕ウンデカン−7−エ
ン(DBU)等の有機類3級アミン等を使用できる。塩基
は、通常カルボン酸(9に対して約1〜2倍モル、好ま
しくは約1〜1.2倍モル用いられる。化合物(10)は、
カルボン酸(9)に対して通常少なくとも等モル量、好
ましくは約1〜1.2倍モル用いられる。反応は一般に約1
0〜100℃、好ましくは室温もしくはその付近の温度下に
行なわれ、約8〜48時間で完結する。
〈反応式−5B〉 〔式中、RAは上記に同じであり、R4cはアリール基、ト
コフエリル基又はR4b′を示し、R4dは、低級アルコキシ
カルボニルフェニル基、低級アルキルスルホニル基、フ
ェニルスルホニル基、トルエンスルホニル基又はナフチ
ルスルホニル基を示し、R7、R8及びR9は、一般式(1)
の場合と同じである。〕 上記反応式−5Bによれば、カルボン酸(9)と化合物
(12)、(14)又は(16)とを縮合させることにより夫
々化合物(13)、(15)及び(17)を得る。この縮合反
応は、反応式−4で用いたa)〜e)の各種の方法によ
り行なうことができる。又、触媒量の4−ジメチルアミ
ノピリジン(4−DMAP)或いは4−ピロリジノピリジン
の存在下DCC或いはWSCD・HClを用いることによっても高
収率で化合物(13)、(15)及び(17)が得られる。反
応は一般に適当な溶媒中にて行なわれ、該溶媒として
は、反応に悪影響を及ぼさない各種公知のものを用い得
る。具体例としては、例えば塩化メチレン、クロロホル
ム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチ
ルエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メ
チル、酢酸エチル等のエステル類、DMF、DMSO、HMPA等
の非プロトン性極性溶媒等を例示できる。化合物(1
2)、(14)又は(16)の使用量は、カルボン酸(9)
に対して通常少なくとも等モル量程度、好ましくは1〜
1.2倍モル量程度とされるのがよく、縮合剤はカルボン
酸(9)に対して約1〜2倍モル量、好ましくは約1〜
1.2倍モル量とすることができる。反応は通常−10〜30
℃程度、好ましくは約0℃〜室温下に、約5〜24時間で
完結する。
〈反応式−6〉 〔式中、RA及びR4bは上記に同じ。〕 上記反応式−6によれば、上記反応式−5A及び5Bにより
得られる化合物(18)からアミノ保護基RAを接触還元反
応又は酸処理により除去することにより、アミン(8)
を得ることができる。
RAがベンジルオキシカルボニル又はp−メトキシベンジ
ルオキシカルボニルの場合は、接触還元によって容易に
アミン(8)を得ることができる。該反応は、例えば酸
化白金、パラジウム−炭素、パラジウム黒等の通常の触
媒を用いて水素添加する還元的方法により行なうことが
できる。触媒の使用量としては特に制限されず広い範囲
内で適宜選択できるが、化合物(18)に対して5〜10重
量%程度用いるのがよい。上記触媒を用いる水素添加
は、例えば水、メタノール、エタノール等の低級アルコ
ール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエス
テル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
類の非プロトン性極性溶媒及びこれらの混合溶媒中に例
えば水素圧1気圧、0〜40℃にて行ない得、一般に30分
〜6時間程度で反応は終了する。
又RAがベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジ
ルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル又はt−
アミルオキシカルボニル基のいずれの場合も酸処理する
ことにより容易にアミン(8)を得ることができる。該
反応は、化合物(18)をアニソール、チオアニソール、
ジメチルスルフイド等のスカベンジヤーの存在下或いは
非存在下に酸処理することにより副生成物を生成させる
ことなくアミン(8)を得ることができる。
酸処理反応において、酸としては例えばトリフルオロ酢
酸(TFA)、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、塩化水素酸、臭化水素酸、弗化水素酸、酢酸
等を例示できる。該反応は例えばジエチルエーテル、TH
F、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル等のエステル類、塩化メチレン、クロロホルム等のハ
ロゲン化炭化水素等の溶媒中もしくは無溶媒で行ない得
る。又アニソール等のスカベンジヤーは、通常化合物
(18)に対し約1〜10倍モル量、好ましくは約3〜5倍
モル量用いられる。反応は約0〜50℃、好ましくは約0
〜25℃の温度条件下に約30分〜約10時間を要して行なわ
れる。
〈反応式−7〉 〔式中、R4eは、上記R4b又は水酸基を示し(即ちR4e=
R4)、X及びR3は前記に同じ。〕 上記反応式−7によれば、上記反応式−6で得られたア
ミン(8)又はプロリン即ちアミン(19)とカルボン酸
(20)との縮合反応により、化合物(21)が得られる。
この縮合反応は、前記反応式−4と同様に行なうことが
できる。
〈反応式−8〉 〔式中、R1、R3は前記に同じ。R2aは低級アルキル基を示
す。R4aは低級アルコキシ基、式 (式中、R7、R8は前記に同じであり、R9aは低級アルキル
基を示す。)又は、置換基として低級アルコキシ基、低
級アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、カルバモイ
ル基、フェニルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイ
ル基、ナフチルカルバモイル基、ピリジル基、基 4−(1,1−ジフエニルメチル)−1−ピペラジニル基
又は低級アルコキシカルボニルアミノ基を有する低級ア
ルコキシ基を示すか、或いは、フェニルオキシ基、ナフ
チルオキシ基、トコフエリルオキシ基、1−(フェニル
低級アルキル)−ピペリジルオキシ基又は低級アルコキ
シカルボニルフェニルアミノ基を示す。R4bは、ヒド
ロキシ基又は式 (式中R7、R8は前記に同じ。)又はカルボキシフェニル
アミノ基を示す。R4cは、アミノ基、低級アルキルス
ルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、トル
エンスルホニルアミノ基又はナフチルスルホニルアミノ
基を示す。〕 上記反応式−8によれば、化合物(22)或いは(26)を
塩基性化合物の存在下加水分解することにより化合物
(23)(24)、(25)、(27)が得られる。上記加水分
解は、水中或いは、水と適当な有機溶媒との混合溶媒中
で行なわれる。該有機溶媒としては例えば、メタノー
ル、エタノール等の低級アルコール類、ジエチルエーテ
ル、THF、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル
等が用いられる。塩基性化合物としては、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアル
カリ金属水酸化物を用い得る。
加水分解a)においては、その成績体の生成比は、反応
温度、反応時間、塩基性化合物の使用量により異なり、
特に塩基性化合物の使用量に依存している。塩基性化合
物の使用量について詳述すれば、化合物(22)に対して
通常約2.5〜4倍モル量用いるならば、化合物(23)の
みを得ることができる。一方化合物(22)に対して通常
約1〜1.5倍モル量用いるならば化合物(23)、(2
4)、(25)各々を混合物として得ることができる。
加水分解b)においては、化合物(26)に対して通常約
1.2〜2倍モル量の塩基性化合物を用いるならば、化合
物(27)のみを高収量で得ることができる。
いずれの反応も通常約0〜40℃、好ましくは室温下に好
適に進行し、約1〜12時間で完結する。
上記各反応式で示される反応により得られる目的化合物
は、通常の分離手段により容易に単離精製することがで
きる。該手段としては、溶媒抽出法、希釈法、蒸留法、
再結晶法、カラムクロマトグラフイー、プラパラテイブ
薄層クロマトフラフイー、イオン交換クロマトフラフイ
ー等を例示できる。
本発明の一般式(1)のプロリン誘導体はそのままであ
るいは慣用の製剤担体と共に人に投与することができ
る。投与単位形態としては特に限定がなく必要に応じ適
宜選択して使用される。斯かる投与単位形態としては錠
剤、散剤、顆粒剤、経口用溶液等の経口剤、注射剤等の
非経口剤等を例示できる。投与されるべき有効成分の量
としては特に限定がなく広い範囲から適宜選択されるが
所期の効果を発揮するためには1日当り体重1kg当り0.0
6〜50mg程度、好ましくは0.06〜10mg程度とするのがよ
い。また投与単位形態中に有効成分を1〜500mg含有せ
しめるのがよい。
本発明に於て錠剤、カプセル剤、経口用溶液等の経口剤
は常法に従つて製造される。即ち錠剤は本発明化合物を
ゼラチン、澱粉、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、滑
石、アラビアゴム等の製剤学的賦形剤と混合し、製造さ
れる。カプセル剤は本発明化合物を不活性の製剤充填剤
もしくは希釈剤と混合し、硬質ゼラチンカプセル、軟質
カプセル等に充填される。シロツプ剤もしくはエリキシ
ル剤は本発明化合物を蔗糖等の甘味剤、メチル−及びプ
ロピルパラベン類等の防腐剤、着色剤、調味剤等と混合
して製造される。また非経口剤は常法に従つて製造され
る。即ち非経口投与薬剤は本発明化合物を滅菌した液状
担体に溶解して製造される。好ましい担体は水または生
理食塩水である。所望の透明度、安定性及び非経口使用
の適用性を有する液剤は約1〜500mgの有効成分を、水
及び有機溶剤に溶解し且つ分子量が200〜5000であるポ
リエチレングリコールに溶解して製造される。斯かる液
剤にはナトリウムカルボキシメチルセルローズ、メチル
セルローズ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ
ール等の潤滑剤が含有されているのが好ましい。さらに
は上記液剤中にベンジルアルコール、フエノール、チメ
ロサール等の殺菌剤及び防カビ剤、さらに必要に応じ蔗
糖、塩化ナトリウム等の等張剤、安定剤、緩衝剤等が含
まれていてもよい。更に安定性を高めるために非経口投
与用薬剤は充填後冷凍され、この分野で公知の凍結乾燥
技術により水を除去することができる。而して使用直前
に凍結乾燥粉末を再調製することができる。
実施例 以下、本発明化合物の製造例を実施例として挙げる。ま
た参考例として、本発明化合物製造のための原料化合物
の製造例を挙げる。
下記参考例及び実施例において、一般に、反応式−2の
システイン誘導体(5)〔式中、R1はアダマンチル基、
インダニル基、テトラヒドロナフチル基、置換基として
低級アルキル基を有することのあるC3-C8シクロアルキ
ル基を示す。〕と2−ブロムプロピオン酸−t−ブチル
エステルとの反応生成物の2個の異性体のうちシリカゲ
ルクロマトグラフイー(エーテル−n−ヘキサン系)に
おいて先流出分をα−異性体、後流出分をβ−異性体と
称する。以下このα−異性体を用いて誘導された化合物
をα−異性体と称し、またこのβ−異性体を用いて誘導
された化合物をβ−異性体と称する。
参考例1 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−(1−ア
ダマンチルチオ)エチル〕−アラニン−t−ブチルエス
テル・α及びβ−異性体の製造 S−1−アダマンチル−L−システインエチルエステル
10g及び2−ブロムプロピオン酸−t−ブチルエステル
7.3gのHMPA30ml溶液にトリエチルアミン4.9mlを加え室
温下36時間攪拌した。反応液を氷水にあけ酢酸エチルで
抽出した。抽出液を十分水洗した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。抽出液を減圧留去し残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイー(溶媒;エーテル:n−ヘキサン
=1:3)で分離精製し、先流出分より目的化合物のα−
異性体を無色油状物質として得た。収量3.6g。
▲〔α〕25 D▼=+11.2°(c=1.3、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.1〜2.4(22H、m)、 1.45(9H、s)、 2.81(2H、d、J=6Hz)、 3.40(2H、q、J=7Hz)、 4.20(2H、q、J=7Hz) 後流出分より目的化合物のβ−異性体を無色油状物質と
して得た。収量1.9g。
▲〔α〕25 D▼=−9.1°(c=0.3、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.2〜2.2(22H、m) 1.47(9H、s)、 2.71(1H、d−d、J=14Hz、8Hz)、 2.90(1H、d−d、J=14Hz、6Hz)、 3.19(1H、q、J=7Hz)、 3.43(1H、d−d、J=6Hz、8Hz) 4.21(2H、q、J=7Hz) 参考例2〜7 上記参考例1と同様にして下記第1表に記載の各化合物
を得た。
参考例8 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−(1−ア
ダマンチルチオ)エチル〕−アラニン・β−異性体の製
造 参考例1で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−(1−アダマンチルチオ)エチル〕−アラニ
ン−t−ブチルエステルのβ−異性体1.8gを25%HBr−
酢酸に溶かし室温下2時間攪拌した。溶媒を減圧留去
し、残渣を氷水にあけ飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
pH4とし、塩化メチレンで抽出した。抽出液を水洗後無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液を減圧留去し残渣
を塩化メチレンより結晶化し、目的化合物のβ−異性体
を得た。収量1.2g。
mp.68〜72℃。
▲〔α〕25 D▼=+3.3°(c=0.7、エタノール) 参考例9〜12 上記参考例8と同様にして下記第2表に記載の各化合物
を得た。
実施例1 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−(1−ア
ダマンチルチオ)エチル〕−アラニル−(S)−プロリ
ン−t−ブチルエステル・β−異性体の製造 参考例6で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−(1−アダマンチルチオ)エチル〕−アラニ
ン・β−異性体830mgと(S)−プロリン−t−ブチル
エステル390mgのDMF10ml溶液に氷冷攪拌下、WSCD・HCl
の418mg、N−ヒドロキシベンゾトリアゾールの308mg及
びトリエチルアミン0.64mlを加えた。氷冷下2時間攪拌
した後、さらに室温下15時間攪拌した。反応液を氷水に
あけ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え弱アルカリ
性とした後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を充分水洗
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液を減圧留去
し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(溶
媒;クロロホルム:メタノール=30:1)で精製し、目的
化合物のβ−異性体を無色油状物質として得た。収量66
0mg。
▲〔α〕25 D▼=−64.9°(c=0.3、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.28(3H、d、J=6.5Hz)、 1.44、1.46(計9H、各s)、 1.6〜2.2(21H、m)、 2.71(1H、d−d、J=6Hz、13Hz)、 2.88(1H、d−d、J=7Hz、13Hz)、 3.39(1H、d−d、J=6Hz、7Hz)、 3.58(1H、q、J=6.5Hz)、 4.20(2H、q、J=7Hz)、 4.35〜4.5(1H、m) 実施例2 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−(1−メ
チルシクロヘキシルチオ)エチル〕−アラニル−(S)
−プロリン−t−ブチルエステル・β−異性体の製造 参考例9で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−(1−メチルシクロヘキシルチオ)エチル〕
−アラニン2.0gより実施例1と同様にして目的化合物を
無色油状物質として得た。収量2.9g。
▲〔α〕25 D▼=−75.1°(c=0.7、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.20(3H、t、J=7Hz)、 1.28(3H、s)、 1.44、1.46(計9H、各s)、 1.2〜2.4(17H、m)、 2.65(1H、d−d、J=13Hz、7Hz)、 2.82(1H、d−d、J=13Hz、6Hz)、 3.55(1H、d−d、J=7Hz、6Hz)、 3.5〜3.8(3H、m)、 4.20(2H、q、J=7Hz)、 4.3〜4.6(1H、m) 実施例3 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−(2−イ
ンダニルチオ)エチル〕−アラニル−(S)−プロリン
−t−ブチルエステル・β−異性体の製造 参考例10で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−(2−インダニルチオ)エチル〕−アラニン
のβ−異性体1.2g、(S)−プロリン−t−ブチルエス
テル670mg及びDEPC(90%含量)710mgのDMF20ml溶液
に、氷冷攪拌下、トリエチルアミン400mgのDMF5mlをゆ
つくりと滴下した。徐々に室温に戻しながら15時間攪拌
した後、反応液に氷水を加え、さらに飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液で弱アルカリ性とした後、酢酸エチルで抽
出した。抽出液を水、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液を減圧留去し、残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(溶媒:クロロ
ホルム:メタノール=30:1)で精製して、目的化合物の
β−異性体を無色油状物質として得た。収量1.7g。
▲〔α〕25 D▼=−69.7°(c=0.7、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.30(3H、d、J=7Hz)、 1.44、1.46(計9H、各s)、 1.6〜2.2(4H、m)、 2.29(1H、brs)、 2.7〜3.8(11H、m)、 4.21(2H、q、J=7Hz)、 4.4〜4.5(1H、m) 7.15(4H、s) 実施例4 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−(1−シ
クロペンチルチオエチル〕−アラニル−(S)−プロリ
ン−t−ブチルエステル・β−異性体の製造 参考例12で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−シクロペンチルチオエチル〕−アラニン・β
−異性体580mgより実施例3と同様にして目的化合物の
β−異性体を無色油状物質として得た。収量737mg。
▲〔α〕26 D▼=−88.1°(c=0.6、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.29(3H、d、J=7Hz)、 1.44、1.47(計9H、各s)、 1.4〜2.3(12H、m)、 2.65(1H、d−d、J=13Hz、6Hz)、 2.86(1H、d−d、J=13Hz、6Hz)、 3.0〜3.3(1H、m)、 3.3〜3.7(4H、m)、 4,20(2H、q、J=7Hz)、 4.3〜4.5(1H、m) 実施例5 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−(1−ア
ダマンチルチオ)エチル〕−アラニル−(S)−プロリ
ン・β−異性体及びそのL−アルギニン塩の製造 実施例1で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−(1−アダマンチルチオ)エチル〕−アラニ
ル−(S)−プロリン−t−ブチルエステル・β−異性
体の632mgより、参考例8と同様にして目的化合物を無
色非結晶性物質として得た。収量470mg。
上記反応で得た化合物470mgのエタノール5ml溶液に、攪
拌下L−アルギニン181mgの水2ml溶液を加えた。水及び
エタノールを留去した後、減圧で乾燥し、目的化合物の
L−アルギニン塩を無色粉末として得た。収量309mg。
mp 115〜120℃ ▲〔α〕26 D▼=−32.5°(c=0.5、エタノール) 実施例6〜8 上記実施例5と同様にして下記第3表に記載の各化合物
を得た。
下記参考例及び実施例において、一般にS−(N−置換
カルバモイルメチル)−L−システインエチルエステル
と2−ブロムプロピオン酸−t−ブチルエステルとの反
応生成物の2個の異性体のうちシリカゲルクロマトグラ
フイー(エーテル−n−ヘキサン系)において先流出分
をα−異性体、後流出分をβ−異性体と称する。以下こ
のα−異性体を用いて誘導された化合物をα−異性体と
称し、またこのβ−異性体を用いて誘導された化合物を
β−異性体と称する。
参考例13 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−シクロペ
ンチルカルバモイルメチルチオエチル〕−アラニン−t
−ブチルエステル・α及びβ−異性体の製造 S−シクロペンチルカルバモイルメチル−L−システイ
ンエチルエステル5.5g及び2−ブロムプロピオン酸−t
−ブチルエステル4.2gのHMPA10ml溶液にトリエチルアミ
ン2.8mlを加え室温下30時間攪拌した。反応液を氷水に
あけ酢酸エチルで抽出した。抽出液を十分水洗した後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽出液を減圧留去し残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(溶媒;エー
テル:n−ヘキサン=10:1)で分離精製し、先流出分より
目的化合物のα−異性体を無色油状物質として得た。
収量1.36g。
▲〔α〕26 D▼=+28.6°(c=0.9、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.27(3H、d、J=7Hz)、 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.45(9H、s)、 1.5〜2.1(8H、m)、 2.83(2H、d、J=6Hz)、 3.26(2H、s)、 4.21(2H、q、J=7Hz) 後流出分より目的化合物のβ−異性体を無色油状物質と
して得た。収量1.94g。
▲〔α〕26 D▼=−33.4°(c=0.6、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.29(3H、d、J=7Hz)、 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.47(9H、s)、 1.5〜2.2(8H、m)、 3.26(2H、s)、 4.21(2H、q、J=7Hz) 参考例14 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ベンジル
カルバモイルメチルチオエチル〕−(R,S)−アラニン
−t−ブチルエステルの製造 S−ベンジルカルバモイルメチル−L−システインエチ
ルエステル2.2g及び2−ブロムプロピオン酸−t−ブチ
ルエステル1.6gのHMPA5ml溶液にトリエチルアミン1.0ml
を加え室温下34時間攪拌した。反応液を氷水にあけ酢酸
エチルで抽出した。抽出液を十分水洗した後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。抽出液を減圧留去し残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフイー(溶媒;クロロホル
ム:メタノール=40:1)で精製し、目的化合物を無色油
状物質として得た。収量2.3g。
▲〔α〕23 D▼=−9.6°(c=0.9、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.19(3H、d、J=7Hz)、 1.27(3H、t、J=7Hz)、 1.43(9H、s)、 3.34(2H、s)、 4.18(2H、q、J=7Hz)、 4.44、4.45(計2H、各s)、 7.30(5H、s) 参考例15〜17 上記参考例14と同様にして下記第4表に記載の各化合物
を得た。
参考例18 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−シクロペ
ンチルカルバモイルメチルチオエチル〕−アラニン・β
−異性体の製造 参考例13で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−シクロペンチルカルバモイルメチルチオエチ
ル〕−アラニン−t−ブチルエステルのβ−異性体1.84
gを25%HBr−酢酸5mlに溶かし室温下1時間攪拌した。H
Br−酢酸を減圧留去し、残渣を氷水にあけ飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液をpH4とし、クロロホルムで抽出し
た。抽出液を水洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽
出液を減圧留去し残渣にエーテルを加え析出した結晶を
取し、目的化合物を得た。収量670mg。
mp 119〜121℃ ▲〔α〕23 D▼=−31.9°(c=0.5、エタノール) 参考例19〜22 上記参考例18と同様にして下記第5表に記載の各化合物
を得た。
参考例23 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−(N−ベ
ンジル−N−イソプロピルカルバモイルメチルチオ)エ
チル〕−(R,S)−アラニンの製造 S−(N−ベンジル−N−イソプロピルカルバモイルメ
チル)−L−システインエチルエステル10gのエタノー
ル30ml、水10mlの混液に氷冷下ピルビン酸13gを加え、4
N−水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調製した。水素化ホ
ウ素シアノナトリウム3.7gを徐々に加え、さらに室温下
一晩攪拌した。溶媒を減圧下留去し残渣を氷水中に注
ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8とした。エー
テル洗浄後、水層を10%−塩酸でpH4とし酢酸エチルで
抽出した。抽出液を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後
減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
イー(溶媒;クロロホルム:メタノール=15:1)で精製
し、目的化合物を得た。収量2.8g。
▲〔α〕20 D▼=+3.2°(c=1.0、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.12(3H、d、J=7Hz)、 1.18(3H、d、J=7Hz)、 1.31(3H、d、J=7Hz)、 1.34(3H、t、J=7Hz)、 2.9〜3.8(7H、m)、 4.18、4.21(計2H、各q、J=7Hz)、 4.53(2H、s)、 6.74(1H、brs)、 7.23(5H、s) 参考例24〜26 上記参考例23と同様にして下記第6表に記載の各化合物
を得た。
実施例9 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−シクロペ
ンチルカルバモイルメチルチオエチル〕−アラニル−
(S)−プロリン−t−ブチルエステル・β−異性体の
製造 参考例18で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−シクロペンチルカルバモイルメチルチオエチ
ル〕−アラニン・β−異性体600mgと(S)−プロリン
−t−ブチルエステル330mgのDMF5ml溶液に氷冷攪拌
下、DEPC(90%含量)314mgのDMF2ml溶液を加えた。さ
らにトリエチルアミン0.3mlのDMF1ml溶液をゆつくり滴
下した。氷冷下2時間攪拌した後、さらに室温下10時間
攪拌した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
抽出液を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフイー(溶媒;クロロホルム:メタノール=35:1)
で精製し、目的化合物を無色油状物質として得た。収量
740mg。
▲〔α〕26 D▼=−87.9°(c=0.4、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.29(3H、d、J=7Hz)、 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.44、1.46(計9H、各s)、 1.5〜2.2(12H、m)、 3.26(2H、s)、 4.22(2H、q、J=7Hz)、 4.3〜4.5(1H、m) 実施例10〜17 上記実施例9と同様にして下記第7表に記載の各化合物
を得た。
実施例18 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−シクロペ
ンチルカルバモイルメチルチオエチル〕−アラニル−
(S)−プロリン・β−異性体及びそのマレイン酸塩の
製造 実施例9で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−シクロペンチルカルバモイルメチルチオエチ
ル〕−アラニル−(S)−プロリン−t−ブチルエステ
ル・β−異性体580mgを25%HBr−酢酸1.5mlに溶かし室
温下1時間攪拌した。HBr−酢酸を減圧下留去し残渣を
氷水に注ぎ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH4とし
た。塩化メチレンで抽出後、抽出液を水洗、無水硫酸ナ
トリウム乾燥後、減圧留去し目的化合物を無色油状物質
として得た。収量546mg。
上記で得た化合物540mgをTHF5mlに溶かしマレイン酸140
mgのTHF10ml溶液を加えた後減圧下溶媒を留去、残渣に
エーテルを加え、析出した結晶を取した。THF−エー
テルより再結晶し、目的化合物のマレイン酸塩を得た。
収量215mg。
▲〔α〕22 D▼=−48.0°(c=1.4、エタノール) NMR(CD3OD):δ値 1.29(3H、d、J=7Hz)、 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.4〜2.2(12H、m)、 3.26(2H、s)、 4.20(2H、q、J=7Hz)、 4.3〜4.5(1H、m)、 6.26(2H、s) 実施例19〜26 上記実施例18と同様にして下記第8表に記載の各化合物
を得た。
下記参考例及び実施例において、一般にS−アルキル−
L−システインエチルエステルと2−ブロムプロピオン
酸−t−ブチルエステルとの反応生成物を2個の異性体
のうちシリカゲルクロマトグラフイー(エーテル−n−
ヘキサン系)において先流出分をα−異性体、後流出分
をβ−異性体と称する。以下このα−異性体を用いて誘
導された化合物をα−異性体と称し、またこのβ−異性
体を用いて誘導された化合物をβ−異性体と称する。
参考例27 N−ベンジルオキシカルボニル−(S)−プロリル−
(S)−プロリン−t−ブチルエステルの製造 N−ベンジルオキシカルボニル−(S)−プロリン5.0
g、(S)−プロリン−t−ブチルエステル3.4g、WSCD
・HCl4.9g及びHOBt2.7gをDMF15mlに溶解し、氷冷攪拌
下、トリエチルアミン2.8mlを加えた。一晩攪拌した
後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出
液を10%塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水
で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧留去し、
残渣をn−ヘキサンより結晶化した。
収量:6.9g 融点:89〜90.5℃ ▲〔α〕18 D▼=−107.1°(c=0.9、エタノール) 参考例28 (S)−プロリル−(S)−プロリン−t−ブチルエス
テル・塩酸塩の製造 参考例27で得られたN−ベンジルオキシカルボニル−
(S)−プロリル−(S)−プロリン−t−ブチルエス
テル6.5gをイソプロピルアルコール30mlに溶解し、10%
パラジウム−炭素約2gを触媒として接触還元を行なっ
た。反応終了後触媒を去し、液を減圧下留去した。
残渣をエーテル15mlに溶解し、氷冷下4N−HCl−酢酸エ
チル4.5mlを加えた。析出した結晶を取し、減圧下に
乾燥した。
収量:4.1g ▲〔α〕18 D▼=−140.1°(c=0.5、エタノール) 参考例29 (a)N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ヘ
プチルチオエチル〕−アラニン−t−ブチルエステル・
α及びβ−異性体の製造 S−ヘプチル−L−システインエチルエステル5.9g及び
2−ブロムプロピオン酸−t−ブチルエステル5.5gのHM
PA20ml溶液にトリエチルアミン3.4mlを加え室温下24時
間攪拌した。反応液を氷水にあけ酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を十分水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。抽出液を減圧留去し残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー(溶媒:エーテル:n−ヘキサン=1:
3)で分離精製し、先流出分より目的化合物のα−異性
体を無色油状物質として得た。収量2.8g。
▲〔α〕20 D▼=+26.9°(c=0.9、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 0.88(3H、t、J=5Hz)、 1.27(3H、d、J=7Hz)、 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.4〜1.8(10H、m)、 1.45(9H、s)、 2.55(2H、t、J=7Hz)、 2.80(2H、d、J=6Hz)、 3.32(1H、q、J=7Hz)、 3.46(1H、t、J=7Hz)、 4.20(2H、q、J=7Hz) 後流出分より目的化合物のβ−異性体を無色油状物質と
して得た。収量2.6g。
▲〔α〕20 D▼=−38.6°(c=1.3、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 0.88(3H、t、J=7Hz)、 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.30(3H、d、J=7Hz)、 1.4〜1.8(10H、m)、 1.47(9H、s)、 2.54(2H、t、J=7Hz)、 2.70(1H、d−d、J=13Hz、7.5Hz)、 2.92(1H、d−d、J=13Hz、5Hz)、 3.29(1H、q、J=7Hz)、 3.47(1H、d−d、J=5Hz、7.5Hz)、 4.21(2H、q、J=7Hz) (b)N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ヘ
プチルチオエチル〕−アラニン・β−異性体の製造 得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−
ヘプチルチオエチル〕−アラニン−t−ブチルエステル
のβ−異性体2.4gをTFA10mlに溶かし室温下3時間攪拌
した。TFAを減圧留去し、残渣を氷水にあけ飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液でpH4とし、塩化メチレンで抽出し
た。抽出液を水洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽
出液を減圧留去し残渣を塩化メチレン−エーテルより再
結晶し、目的化合物のβ−異性体を得た。収量1.8g。
mp.124−126℃。
▲〔α〕23 D▼=−25.1°(c=0.7、DMF) 実施例27 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ヘプチル
チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリル−(S)−
プロリン−t−ブチルエステル・β異性体の製造 参考例29で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−ヘプチルチオエチル〕−アラニン・β異性体
2.6g、参考例28で得られた(S)−プロリル−(S)−
プロリン−t−ブチルエステル塩酸塩2.5g、WSCD・HCl
1.7g及びHOBt1.1gをDMF25mlに溶解し、氷冷攪拌下、ト
リエチルアミン3.6mlを加えた。一晩攪拌した後、反応
液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した。無
水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフイー(溶媒;クロロホルム:メ
タノール=30:1)で精製し、目的化合物を無色油状物質
として得た。
収量:3.5g ▲〔α〕20 D▼=−121.5°(c=1.0、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 0.87(3H、t、J=5.5Hz)、 1.1〜1.4(16H、m) 1.43(9H、s)、 1.7〜2.2(8H、m)、 2.52(2H、t、J=7Hz)、 3.3〜3.9(6H、m)、 4.20(2H、q、J=7Hz)、 4.4〜4.6(1H、m)、 4.6〜4.8(1H、m) 実施例28〜31 上記実施例27と同様にして下記第9表に記載の各化合物
を得た。
参考例30 (a)N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ペ
ンチルチオエチル〕−アラニン−t−ブチルエステル・
α及びβ−異性体の製造 S−ペンチル−L−システインエチルエステル8.6g及び
2−ブロムプロピオン酸−t−ブチルエステル8.2gのHM
PA20ml溶液にトリエチルアミン5.5mlを加え室温下24時
間攪拌した。反応液を氷水にあけ酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を十分水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。抽出液を減圧留去し残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー(溶媒;エーテル:n−ヘキサン=1:
2)で分離精製し、先流出分より目的化合物のα−異性
体を無色油状物質として得た。収量3.9g。
▲〔α〕25 D▼=+28.6°(c=1.0、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 0.90(3H、t、J=5.5Hz)、 1.28(3H、d、J=7Hz)、 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.45(9H、s)、 1.3〜1.8(6H、m)、 2.56(2H、t、J=7Hz)、 2.81(2H、d、J=6Hz)、 3.32(1H、q、J=7Hz)、 3.46(1H、t、J=6Hz)、 4.20(2H、q、J=7Hz) 後流出分(β−異性体) 収量3.6g。
▲〔α〕25 D▼=−42.2°(c=1.0、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 0.90(3H、t、J=5.5Hz)、 1.30(3H、d、J=7Hz)、 1.30(3H、t、J=7Hz)、 1.47(9H、s)、 1.3〜1.8(6H、m)、 2.23(1H、brs)、 2.54(2H、t、J=7Hz)、 2.70(1H、d−d、J=13Hz、8Hz)、 2.92(1H、d−d、J=13Hz、5.5Hz)、 3.29(1H、q、J=7Hz)、 3.45(1H、d−d、J=8Hz、5.5Hz)、 4.21(2H、q、J=7Hz) (b)N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ペ
ンチルチオエチル〕−アラニン・β−異性体の製造 得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−
ペンチルチオエチル〕−アラニン−t−ブチルエステル
・β−異性体800mgをTFA5mlに溶かし室温下3時間攪拌
した。TFAを減圧下留去し、残渣を氷水にあけ飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液でpH4とし塩化メチレンで抽出し
た。抽出液を水洗後無水硫酸ナトリウムで乾燥した。抽
出液を減圧留去し残渣を塩化メチレンより再結晶し、目
的化合物のβ−異性体を得た。収量580mg。
融点:124−125℃ ▲〔α〕21 D▼=−28.1°(c=0.9、DMF) 実施例32 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ペンチル
チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリル−(S)−
プロリン−t−ブチルエステル・β−異性体の製造 上記参考例30で得られたN−〔(R)−1−エトキシカ
ルボニル−2−ペンチルチオエチル〕−アラニン・β−
異性体700mg及び参考例28で得られた(S)−プロリル
−(S)−プロリン−t−ブチルエステル塩酸塩730mg
を用い、実施例27と同様にして目的化合物を無色油状物
質として得た。収量:930mg ▲〔α〕20 D▼=−144.4°(c=0.4、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 0.89(3H、t、J=5.5Hz)、 1.1〜1.4(12H、m)、 1.43(9H、s)、 1.8〜2.3(8H、m)、 2.52(2H、t、J=7Hz)、 3.3〜3.9(6H、m)、 4.20(2H、q、J=7Hz)、 4.3〜4.5(1H、m)、 4.5〜4.8(1H、m)、 実施例33 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ヘプチル
チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリル−(S)−
プロリン・β−異性体及びそのL−アルギニン塩の製造 実施例27で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−ヘプチルチオエチル〕−アラニル−(S)−
プロリル−(S)−プロリン−t−ブチルエステル・β
−異性体3.1gを25%HBr−酢酸10mlに溶かし室温下2時
間攪拌した。溶媒は減圧下留去し残渣を飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液に溶かし弱アルカリ性とした。エーテル
洗浄後、水層を10%塩酸でpH4とし、塩化メチレンで抽
出後、抽出液を数回水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧留去し目的化合物を無色油状物質として得た。
収量2.3g。
上記で得た化合物2.3gをエタノール20mlに溶かしL−ア
ルギニン780mgの水6ml溶液を加えた後減圧下溶媒を留去
した。残渣にエタノールを加え、減圧下留去する操作を
数回行なった。残渣に酢酸エチル−n−ヘキサンを加
え、析出した結晶を取、目的化合物のL−アルギニン
塩を得た。
収量2.5g ▲〔α〕18 D▼=−92.0°(c=1.3、エタノール) NMR(CD3OD)δ値 0.90(3H、t、J=5.5Hz)、 1.1〜1.6(16H、m)、 1.6〜2.3(12H、m)、 2.3〜2.9(4H、m)、 3.1〜3.8(9H、m)、 4.19(2H、q、J=7Hz)、 4.2〜4.4(1H、m) 実施例34〜37 上記実施例33と同様にして下記第10表に記載の各化合物
を得た。
実施例38 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ペンチル
チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリル−(S)−
プロリン・β−異性体及びそのL−アルギニン塩の製造 実施例32で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−ペンチルチオエチル〕−アラニル−(S)−
プロリル−(S)−プロリン−t−ブチルエステル・β
−異性体890mgを用い、実施例33と同様にして目的化合
物を無色油状物質として得た。
収量:690mg(遊離) L−Arg塩 ▲〔α〕21 D▼=−84.1°(c=0.5、エタノール) NMR(CD3OD):δ値 0.91(3H、t、J=5.5Hz)、 1.1〜1.6(12H、m)、 1.6〜2.3(12H、m)、 2.4〜2.9(4H、m)、 3.1〜3.8(9H、m)、 4.19(2H、q、J=7Hz)、 4.2〜4.5(1H、m) 参考例31 N−t−ブトキシカルボニル−(S)−プロリン−フエ
ニルカルバモイルメチルエステルの製造 N−t−ブトキシカルボニル−(S)−プロリン2.8g、
フエニルカルバモイルメチルブロマイド2.8gをDMF15ml
に溶解し、炭酸水素ナトリウム1.1gを加え室温下20時間
攪拌した。反応液を氷水にあけ酢酸エチルで抽出した。
抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフイー(溶媒;クロロホル
ム)で精製し、目的化合物を無色油状物質として得た。
収量3.5g ▲〔α〕19 D▼=−31.3°(c=0.7、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.42(9H、s)、 3.3〜3.7(2H、m)、 4.3〜4.5(1H、m)、 4.68(1H、d、J=15Hz)、 4.89(1H、d、J=15Hz)、 7.0〜7.9(5H、m) 参考例32 N−t−ブトキシカルボニル−(S)−プロリン−フエ
ニルエステルの製造 N−t−ブトキシカルボニル−(S)−プロリン3.0g、
フエノール1.3g及び4−DMAP340mgを塩化メチレン40ml
に溶解し、氷冷攪拌下WSCD−HCl2.7gを加えた。一晩攪
拌した後、反応液を氷水にあけエーテルで抽出した。抽
出液を10%塩酸、水、5%炭酸ナトリウム水溶液、水で
順次洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧留去
し、残渣をn−ヘキサンより結晶化した。
収量3.5g ▲〔α〕22 D▼=−68.5°(c=0.6、エタノール) 融点 64−66℃ 参考例33〜45 上記参考例31、参考例32と同様にして下記第11表に記載
の各化合物を得た。尚、表中、Phはフエニル基を、Boc
はt−ブトキシカルボニル基を、Zはベンジルオキシカ
ルボニル基を指す(以下同じ)。
参考例46 (S)−プロリンフエニルエステル・塩酸塩の製造 参考例32で得られたN−t−ブトキシカルボニル−
(S)−プロリンフエニルエステル2.8gを4NHCl−酢酸
エチル25mlに溶解し室温下1.5時間攪拌した。減圧下溶
媒を留去し、残渣に酢酸エチル−エーテルを加え析出し
た結晶を取した。
収量1.9g ▲〔α〕22 D▼=−22.1°(c=0.9、エタノール) 参考例47 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−プロピル
チオエチル〕−アラニン−t−ブチルエステル・α及び
β−異性体の製造 S−プロピル−L−システインエチルエステル7.9g及び
2−ブロムプロピオン酸−t−ブチルエステル12.4gのH
MPA40ml溶液にトリエチルアミン8.3mlを加え室温下40時
間攪拌した。反応液を氷水にあけ酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を充分水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。抽出液を減圧留去し残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフイー(溶媒;エーテル:n−ヘキサン=1:
3)で分離精製し、先流出分より目的化合物のα−異性
体を無色油状物質として得た。
収量4.4g ▲〔α〕22 D▼=+29.9°(c=0.9、エタノール) NMR(CD3OD):δ値 0.98(3H、t、J=7Hz)、 1.24(3H、d、J=7Hz)、 1.28(3H、t、J=7Hz)、 1.45(9H、s)、 2.53(2H、t、J=7Hz)、 2.79(2H、d、J=6Hz)、 4.18(2H、q、J=7Hz) 後流出分より目的化合物のβ−異性体を無色油状物質と
して得た。
収量4.8g ▲〔α〕22 D▼=−44.4°(c=0.7、エタノール) NMR(CD3OD):δ値 0.99(3H、t、J=7Hz)、 1.25(3H、d、J=7Hz)、 1.28(3H、t、J=7Hz)、 1.47(9H、s)、 2.52(2H、t、J=7Hz)、 4.19(2H、q、J=7Hz) 参考例48 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−プロピル
チオエチル〕−アラニン・β−異性体の製造 参考例47で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−プロピルチオエチル〕−アラニン−t−ブチ
ルエステル・β−異性体4.7gをTFA15mlに溶かし室温下
2.5時間攪拌した。TFAを減圧留去し、残渣を氷水にあけ
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH4とし、塩化メチレ
ンで抽出した。抽出液を水洗後無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。抽出液を減圧留去し残渣にエーテルを加え析出
した結晶を取した。塩化メチレン−エーテルより再結
晶し、目的化合物のβ−異性体を得た。
収量1.9g NMR(CD3OD):δ値 1.00(3H、t、J=7Hz)、 1.31(3H、t、J=7Hz)、 1.46(3H、d、J=7Hz)、 2.57(2H、t、J=7Hz)、 3.52(1H、q、J=7Hz) 4.27(2H、q、J=7Hz) 実施例39 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−プロピル
チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリン−メトキシ
カルボニルメチルエステル・β−異性体・マレイン酸塩
の製造 参考例33で得られたN−t−ブトキシカルボニル−
(S)−プロリン−メトキシカルボニルメチルエステル
650mgを用いて参考例46と同様にして(S)−プロリン
−メトキシカルボニルメチルエステル・塩酸塩440mgを
得た。参考例48で得られたN−〔(R)−1−エトキシ
カルボニル−2−プロピルチオエチル〕−アラニン・β
−異性体430mg、(S)−プロリン−メトキシカルボニ
ルメチルエステル・塩酸塩440mgをDMF10mlに溶かし、氷
冷攪拌下DEPC(90%含量)360mgのDMF2ml溶液を加え
た。更にトリエチルアミン0.51mlのDMF2ml溶液をゆつく
り滴下した。氷冷下2時間攪拌した後、更に室温下10時
間攪拌した。反応液を氷水にあけ酢酸エチルで抽出し
た。抽出液を充分水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。抽出液を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフイー(溶媒;クロロホルム:メタノール=4
0:1)で精製し、目的化合物のβ−異性体を無色油状物
質として得た。
収量610mg 上記で得た化合物610mgを酢酸エチル25mlに溶かし、こ
れにマレイン酸163mgを溶解させた後減圧下留去した。
残渣にエーテルを加え析出した結晶を取した。酢酸エ
チル−エーテルより再沈澱し目的化合物のβ−異性体・
マレイン酸塩を得た。
収量507mg ▲〔α〕25 D▼=−80.0°(c=0.5、メタノール) 融点107−108℃ 実施例40 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ヘプチル
チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリン−2−メト
キシカルボニルフエニルアミド・β−異性体・マレイン
酸塩の製造 参考例39で得られたN−ベンジルオキシカルボニル−
(S)−プロリン−2−メトキシカルボニルフエニルア
ミド1.9gをエタノール20mlに溶かし、10%Pd−炭素1gを
加え常温常圧下水素添加した。1.5時間後、触媒を取
し、液を減圧下留去した。残渣にエーテルを加え析出
した結晶を取し、(S)−プロリン−2−メトキシカ
ルボニルフエニルアミド950mgを得た。次いで参考例29
(b)で得たN−〔(R)−1−エトキシカルボニル−
2−ヘプチルチオエチル〕−アラニン・β−異性体1.1
g、(S)−プロリン−2−メトキシカルボニルフエニ
ルアミド890mg、WSCD・HCl760mg、及びHOBt490mgをDMF2
0mlに溶解し、氷冷攪拌下トリエチルアミン0.5mlを加え
た。一晩攪拌した後、反応液を氷水にあけ、酢酸エチル
で抽出した。抽出液を十分水洗し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。抽出液を減圧留去し、残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフイー(溶媒;クロロホルム:メタノ
ール=30:1)で精製し目的化合物のβ−異性体を無色油
状物質として得た。収量1.6g 上記で得た化合物1.6gを酢酸エチル50mlに溶かし、これ
にマレイン酸350mgを溶解させた後、減圧下留去した。
残渣にエーテルを加え、析出した結晶を取した。酢酸
エチル−エーテルより再結晶し、目的化合物のβ−異性
体・マレイン酸塩を得た。収量1.2g ▲〔α〕21 D▼=−92.3°(c=0.8、エタノール) 融点118−120℃ 実施例41〜55 上記実施例39及び実施例40と同様にして下記第12表に記
載の各化合物を得た。
参考例49 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−シクロオ
クチルチオエチル〕−アラニン−t−ブチルエステル・
α−及びβ−異性体の製造 参考例1と同様にして、標記化合物を得た。
α−異性体 ▲〔α〕22 D▼=+26.8°(c=0.9、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.28(3H、d、J=7Hz)、 1.29(3H、t、J=7Hz)、 1.45(9H、s)、 1.4〜2.1(15H、m)、 2.34(1H、brs)、 2.81(2H、d、J=6Hz)、 3.33(1H、q、J=7Hz)、 3.46(1H、t、J=6Hz) 4.20(2H、q、J=7Hz) β−異性体 ▲〔α〕22 D▼=−31.5°(c=1.0、エタノール) NMR(CDCl3):δ値 1.30(3H、d、J=7Hz)、 1.30(3H、t、J=7Hz)、 1.47(9H、s)、 1.4〜2.1(15H、m)、 2.24(1H、brs)、 2.5〜3.2(2H、m)、 3.2〜3.6(2H、m)、 4.21(2H、q、J=7Hz) 参考例50 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−シクロオ
クチルチオエチル〕−アラニン・α及びβ−異性体の製
造 上記参考例49で得られたN−〔(R)−1−エトキシカ
ルボニル−2−シクロオクチルチオエチル〕−アラニン
−t−ブチルエステルのα−及びβ−異性体を夫々用
い、参考例8と同様にして、標記化合物を得た。
α−異性体 ▲〔α〕23 D▼=+21.6°(c=0.5、DMF) 融点102〜106℃ β−異性体 ▲〔α〕23 D▼=−18.9°(c=0.5、DMF) 融点139〜143℃ 実施例56 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−シクロオ
クチルチオエチル〕−アラニル−(S)−プロリン−メ
チルエステル・β−異性体・マレイン酸塩の製造 参考例50で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−シクロオクチルチオエチル〕−アラニン・β
−異性体及び(S)−プロリンメチルエステル・塩酸塩
を用い、実施例39と同様にして標記化合物を得た。
▲〔α〕23 D▼=−57.2°(c=0.4、メタノール) 融点116〜117℃ 実施例57及び58 実施例56と同様にして下記第13表の化合物を得た。
実施例59 N−〔(R)−1−カルボキシ−2−シクロペンチルチ
オエチル〕−アラニル−(S)−プロリン・β−異性体
の製造 実施例57で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−シクロペンチルチオエチル〕−アラニル−
(S)−プロリン−メチルエステル・β−異性体・マレ
イン酸塩300mgをエタノール2mlに溶かし、1N-NaOH2.9ml
を室温下滴下した。一晩攪拌した後、氷冷下2N-HClで中
和し、溶媒を完全に留去した。残渣をメタノールに溶か
し、高速液体クロマトグラフイ−(カラム;ケムコソル
ブ7-ODS-H、溶出溶媒;メタノール:水:酢酸=50:50:
0.4)で分取した。溶媒を留去した後エーテル4mlを加え
析出した結晶を取し目的化合物を白色結晶性物質とし
て得た。
収量160mg ▲〔α〕22 D▼=−98.0°(c=0.1、メタノール) 融点85〜95℃ 実施例60 N−〔(R)−1−カルボキシ−2−(2−インダニ
ル)チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリン・β−
異性体の製造 実施例58で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−(2−インダニル)チオエチル〕−アラニル
−(S)−プロリン−メチルエステル・β−異性体・マ
レイン酸塩300mgを実施例59と同様にして目的化合物の
β−異性体を白色結晶性物質として得た。
収量165mg ▲〔α〕22 D▼=−78°(c=1、メタノール) 融点96〜100℃ 実施例61 N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ヘプチル
チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリル−(S)−
フエニルアラニン−メチルエステル・β−異性体・マレ
イン酸塩の製造 参考例29で得られたN−〔(R)−1−エトキシカルボ
ニル−2−ヘプチルチオエチル〕−アラニン・β−異性
体及び(S)−プロリル−(S)フエニルアラニンメチ
ルエステル・塩酸塩を用い、実施例39と同様にして標記
化合物を得た。
▲〔α〕23 D▼=−41.9°(c=0.8、エタノール) NMR(CD3OD):δ値 0.90(3H、t、J=5Hz)、 1.32(3H、t、J=7Hz)、 1.52(3H、d、J=7Hz)、 2.58(2H、t、J=7Hz)、 3.65(3H、s)、 4.29(2H、q、J=7Hz)、 6.26(2H、s)、 7.24(5H、s) 処方例1 錠剤の調製 それぞれ5mgのN−〔(R)−1−エトキシカルボニル
−2−ヘプチルチオエチル〕−アラニル−(S)−プロ
リン−メトキシカルボニルメチルエステル・β−異性体
・マレイン酸塩を含有する経口使用のための1000錠が次
の処方によつて調製される。
配 合 量(g) N−〔(R)−1−エトキシ カルボニル−2−ヘプチルチ オエチル〕−アラニル−(S) −プロリン−メトキシカルボ ニルメチルエステル・β− 異性体・マレイン酸塩 5 乳糖(日本薬局方品) 50 コーンスターチ(日本薬局方品) 25 結晶セルローズ(日本薬局方品) 25 メチルセルローズ(日本薬局方品) 1.5 ステアリン酸マグネシウム 1 (日本薬局方品) N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ヘプチル
チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリン−メトキシ
カルボニルメチルエステル・β−異性体・マレイン酸
塩、乳糖、コーンスターチ及び結晶セルローズを十分混
合し、メチルセルローズの5%水溶液で顆粒化し200メ
ツシユの篩に通してステアリン酸マグネシウムと混合し
て錠剤にプレスされる。
処方例2 カプセル剤の調製 それぞれ10mgのN−〔(R)−1−エトキシカルボニル
−2−ヘプチルチオエチル〕−アラニル−(S)−プロ
リン−2−メトキシエチルエステル・β−異性体・マレ
イン酸塩を含有する経口使用のための1000個の硬質ゼラ
チンカプセルが次の処方によつて調製される。
配 合 量(g) N−〔(R)−1−エトキシ カルボニル−2−ヘプチルチ オエチル〕−アラニル−(S) −プロリン−2−メトキシエ チルエステル・β−異性体・ マレイン酸塩 10 乳糖(日本薬局方品) 80 澱粉(日本薬局方品) 30 滑石(日本薬局方品) 5 ステアリン酸マグネシウム 1 (日本薬局方品) 上記成分を細かく粉末にし、均一な混合物になるよう十
分攪拌した後所望の寸法を有する経口投与用のゼラチン
カプセルに充填する。
処方例3 注射剤の調製 非経口投与に適する殺菌した水溶液を下記処方に従つて
調製する。
配 合 量(g) N−〔(R)−1−エトキシ カルボニル−2−ヘプチルチ オエチル〕−アラニル−(S) −プロリン−1−フエニルメ チル−3−ピペリジルエステ ル・β−異性体・二塩酸塩 1 ポリエチレングリコール 0.3 (日本薬局方品) 分子量:4000 塩化ナトリウム(日本薬局方品) 0.9 ポリオキシエチレンソルビタン 0.4 モノオレエート(日本薬局方品) メタ重亜硫酸ナトリウム 0.1 メチル−パラベン(日本薬局方品) 0.18 プロピル−パラベン(日本薬局方品) 0.02 注射用蒸留水 100(ml) 上記パラベン類、メタ重亜硫酸ナトリウム及び塩化ナト
リウムを攪拌しながら80℃で上記の約半量の蒸留水に溶
解する。得られた溶液を40℃まで冷却し、N−〔(R)
−1−エトキシカルボニル−2−ヘプチルチオエチル〕
−アラニル−(S)−プロリン−1−フエニルメチル−
3−ピペリジルエステル・β−異性体・二塩酸塩、次に
ポリエチレングリコール及びポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレエートをその溶液中に溶解する。次にその
溶液に注射用蒸留水を加えて最終の容量に調製し、適当
なフイルターペーパーを用いて滅菌過することにより
滅菌し、滅菌容器(1ml)に充填する。
処方例4 錠剤の調製 それぞれ5mgのN−〔(R)−1−エトキシカルボニル
−2−シクロペンチルチオエチル〕−アラニル−(S)
−プロリン−メチルエステル・β−異性体・マレイン酸
塩を含有する経口使用のための1000錠が次の処方によつ
て調製される。
配 合 量(g) N−〔(R)−1−エトキシカル ボニル−2−シクロペンチルチオ エチル〕−アラニル−(S)− プロリン−メチルエステル・ β−異性体・マレイン酸塩 5 乳糖(日本薬局方品) 50 コーンスターチ(日本薬局方品) 25 結晶セルローズ(日本薬局方品) 25 メチルセルローズ(日本薬局方品) 1.5 ステアリン酸マグネシウム 1 (日本薬局方品) N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−シクロペ
ンチルチオエチル〕−アラニル−(S)−プロリン−メ
チルエステル・β−異性体・マレイン酸塩、乳糖、コー
ンスターチ及び結晶セルローズを十分混合し、メチルセ
ルローズの5%水溶液で顆粒化し200メツシユの篩に通
してステアリン酸マグネシウムと混合して錠剤にプレス
される。
処方例5 錠剤の調製 それぞれ5mgのN−〔(R)−1−エトキシカルボニル
−2−(2−インダニルチオ)エチル〕−アラニル−
(S)−プロリン−メチルエステル・β−異性体・マレ
イン酸塩の含有する経口使用のための1000錠が次の処方
によつて調製される。
配 合 量(g) N−〔(R)−1−エトキシカル ボニル−2−(2−インダニルチ オ)エチル〕−アラニル−(S) −プロリン−メチルエステル・ β−異性体・マレイン酸塩 5 乳糖(日本薬局方品) 50 コーンスターチ(日本薬局方品) 25 結晶セルローズ(日本薬局方品) 25 メチルセルローズ(日本薬局方品) 1.5 ステアリン酸マグネシウム 1 (日本薬局方品) N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−(2−イ
ンダニルチオ)エチル〕−アラニル−(S)−プロリン
−メチルエステル・β−異性体・マレイン酸塩、乳糖、
コーンスターチ及び結晶セルローズを十分混合し、メチ
ルセルローズの5%水溶液で顆粒化し200メツシユの篩
に通してステアリン酸マグネシウムと混合して錠剤にプ
レスされる。処方例6 錠剤の調製 それぞれ5mgのN−〔(R)−1−エトキシカルボニル
−2−ヘプチルチオエチル〕−アラニル−(S)−プロ
リル−(S)−フエニルアラニン−メチルエステル・β
−異性体・マレイン酸塩を含有する経口使用のための10
00錠が次の処方によつて調製される。
配 合 量(g) N−〔(R)−1−エトキシ カルボニル−2−ヘプチルチ オエチル〕−アラニル−(S) −プロリル−(S)−フエニル アラニン−メチルエステル・ β−異性体・マレイン酸塩 5 乳糖(日本薬局方品) 50 コーンスターチ(日本薬局方品) 25 結晶セルローズ(日本薬局方品) 25 メチルセルローズ(日本薬局方品) 1.5 ステアリン酸マグネシウム 1 (日本薬局方品) N−〔(R)−1−エトキシカルボニル−2−ヘプチル
チオエチル〕−アラニル−(S)−プロリル−(S)−
フエニルアラニン−メチルエステル・β−異性体・マレ
イン酸塩、乳糖、コーンスターチ及び結晶セルローズを
十分混合し、メチルセルローズの5%水溶液で顆粒化し
200メツシユの篩に通してステアリン酸マグネシウムと
混合して錠剤にプレスされる。
薬理試験例1 アンジオテンシン変換酵素(ACE)に対する阻害活性 ウサギ肺アセトンパウダー(シグマ社製)より精製した
酵素液100μlと試料溶液100μlとを混合し、37℃にて
10分間緩かに振盪し、これに基質として6.99mMのヒプリ
ル−ヒスチジル−ロイシン(蛋白奨励会製)溶液100μ
lを加え、振盪下に37℃にて45分間反応させた後、1N−
硫酸200μlを添加して反応を停止させた。反応によつ
て生成した馬尿酸を抽出するため、飽和量の塩化ナトリ
ウムとジエチルエーテル2mlを反応液に加え、15分間激
しく振盪した後、遠心分離(2000rpm、5分)を行い、
エーテル層1.5mlを分取した。エーテル層は、溶媒を留
去した後、1.5mlの蒸留水に溶解して228nmの吸光度を測
定した。対照としては、試料溶液の代りに蒸留水100μ
lを用い、以下、上記と同様の操作を行つた。
阻害活性は、対照の吸光度より試料溶液を添加した場合
の吸光度を差し引き、これを更に対照の吸光度にて除し
た値を百分率として阻害率を算出し、50%の阻害率を示
すために必要な試料の反応液中の濃度(IC50)として表
わした。
供試化合物は、第14表に記載のものである。結果は、第
14表に併記する。
第14表から明らかなように、本発明化合物は、アンジオ
テンシン変換酵素に対する阻害活性に優れていることが
判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 37/02 ABD ABL ABU ACH ADN C07D 207/16 8217−4C C12N 9/99 9359−4B (C07D 401/12 207:00 211:00) (C07D 405/12 207:00 311:00) (C07D 405/12 207:00 319:00)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1はアダマンチル基、インダニル基、テトラヒ
    ドロナフチル基、置換基として低級アルキル基を有する
    ことのあるC3-C8シクロアルキル基又はC1-C9アルキル基
    を示すか、又はR1は、式 (式中、R5及びR6は、同一又は相異って、水素原子、低
    級アルキル基、フェニル基、フェニル低級アルキル基、
    ナフチル基又はC3-C8シクロアルキル基を示すか、又はR
    5R6N−は を示し、RはC3-C8アルキレン基を示す)で表わされる
    基を示し: R2は水素原子又は低級アルキル基を示し; R3は低級アルキル基を示し; R4はヒドロキシ基、低級アルコキシ基、式 (式中、R7は水素原子を、R8は水素原子、低級アルキル
    基又はフェニル低級アルキル基を示すか、又はR7及びR8
    は互いに結合してC2-C4アルキレン橋を形成していても
    よい。R9は水素原子又は低級アルキル基を示す)で表わ
    される基、又は置換基として低級アルコキシ基、低級ア
    ルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、カルバモイル
    基、フェニルカルバモイル基、ジフェニルカルバモイル
    基、ナフチルカルバモイル基、ピリジル基、基 4−(1,1−ジフェニルメチル)−1−ピペラジニル基
    又は低級アルコキシカルボニルアミノ基を有する低級ア
    ルコキシ基を示すか、或はR4はフェニルオキシ基、ナフ
    チルオキシ基、トコフェリルオキシ基、1−(フェニル
    低級アルキル)−ピペリジルオキシ基、アミノ基、低級
    アルコキシカルボニル−フェニルアミノ基、低級アルキ
    ルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、
    トルエンスルホニルアミノ基又はナフチルスルホニルア
    ミノ基を示す。但し、R1がC1-C9アルキル基のとき、R4
    はヒドロキシ基又は低級アルコキシ基であってはならな
    い。〕 で表わされるプロリン誘導体又はその塩。
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