JPH0610453B2 - 内燃機関のピストン - Google Patents
内燃機関のピストンInfo
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- JPH0610453B2 JPH0610453B2 JP62227788A JP22778887A JPH0610453B2 JP H0610453 B2 JPH0610453 B2 JP H0610453B2 JP 62227788 A JP62227788 A JP 62227788A JP 22778887 A JP22778887 A JP 22778887A JP H0610453 B2 JPH0610453 B2 JP H0610453B2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F3/00—Pistons
- F02F3/10—Pistons having surface coverings
- F02F3/12—Pistons having surface coverings on piston heads
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B3/00—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/02—Light metals
- F05C2201/021—Aluminium
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F05—INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
- F05C—INDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
- F05C2225/00—Synthetic polymers, e.g. plastics; Rubber
- F05C2225/02—Rubber
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、内燃機関のピストンに係り、特にその耐熱性
の改良に関する。
の改良に関する。
近年、内燃機関の高性能化に伴いピストンの熱負荷は一
段と厳しくなっており、特に高回転、部分負荷時での熱
負荷は大きく、異常燃焼いわゆるデトネーションが生じ
やすい。
段と厳しくなっており、特に高回転、部分負荷時での熱
負荷は大きく、異常燃焼いわゆるデトネーションが生じ
やすい。
これは、機関圧縮工程において、点火プラグによる着火
に先立ち、あるいはこれと並行して高温となったピスト
ントップで発火するもので、この発火によりピストン頭
部の表面を荒らす現象であり、特にスキッシュエリアで
発生しやすく、かつ、このスキッシュエリアで発生する
と表面の荒れが進展して機関性能上不都合を生じる。
に先立ち、あるいはこれと並行して高温となったピスト
ントップで発火するもので、この発火によりピストン頭
部の表面を荒らす現象であり、特にスキッシュエリアで
発生しやすく、かつ、このスキッシュエリアで発生する
と表面の荒れが進展して機関性能上不都合を生じる。
特に、4サイクルエンジンではピストンリングが回転自
在のため、リングを介して放熱が可能であって、熱的条
件は比較的緩やかであるが、2サイクルエンジンではシ
リンダに開口された排気および掃気ポート等の開閉を行
う関係から、通常排気ポートの反対側等の比較的低温の
部分に設けられる鉄製時のノックピンによってピストン
リングの回り止めを行っており、リングの回転による熱
放散が行われないため熱的条件が厳しいものとなる。
在のため、リングを介して放熱が可能であって、熱的条
件は比較的緩やかであるが、2サイクルエンジンではシ
リンダに開口された排気および掃気ポート等の開閉を行
う関係から、通常排気ポートの反対側等の比較的低温の
部分に設けられる鉄製時のノックピンによってピストン
リングの回り止めを行っており、リングの回転による熱
放散が行われないため熱的条件が厳しいものとなる。
このため、ピストン頭部を保護する目的で、ピストン頭
部に鉄メッキを施すもの(実開昭57−28147)、
あるいはニッケルメッキを施すもの(特開昭55−78
856)等が提案されている。
部に鉄メッキを施すもの(実開昭57−28147)、
あるいはニッケルメッキを施すもの(特開昭55−78
856)等が提案されている。
このようにピストン頭部にメッキを施すことにより、異
常燃焼に基づくピストン頭部の形状損傷という不都合は
解決できるものの、新たな問題が生じてきた。すなわ
ち、ピストン頭部の耐熱性の向上に伴い、エンジンの更
なる高出力化が可能となり、ピストンがより過酷な条件
で使用されるようになった。
常燃焼に基づくピストン頭部の形状損傷という不都合は
解決できるものの、新たな問題が生じてきた。すなわ
ち、ピストン頭部の耐熱性の向上に伴い、エンジンの更
なる高出力化が可能となり、ピストンがより過酷な条件
で使用されるようになった。
一方、ピストンは頭部をメッキ保護されることで断熱化
され、放熱性が低下する傾向にある。これらから、従来
は何ら耐熱性の対策を施してないピストンリングのトッ
プリングと、このトップリングを収納するトップリング
溝との間で高熱による表面荒れが生じ、ピストンリング
としての十分な性能を発揮できなくなるという問題点が
生じてきた。
され、放熱性が低下する傾向にある。これらから、従来
は何ら耐熱性の対策を施してないピストンリングのトッ
プリングと、このトップリングを収納するトップリング
溝との間で高熱による表面荒れが生じ、ピストンリング
としての十分な性能を発揮できなくなるという問題点が
生じてきた。
本発明の目的は、燃焼温度が高出力機関においても、ト
ップリング部分の不都合を生じさせない内燃機関のピス
トンを提供するにある。
ップリング部分の不都合を生じさせない内燃機関のピス
トンを提供するにある。
本発明は、高出力化する2サイクルエンジンにおいて
は、ピストントップの保護に加えてトップリング溝内の
保護が必要であり、特にトップリングは燃焼行程で圧力
を受けてトップリング溝の下面に押圧され、この押圧部
分はピストンの放熱経路にもなることから熱的負荷が大
きくなり、このためにトップリング溝内の下面側の保護
が重要であるとの知見に基づくものである。そして、保
護層等の寸法許容範囲が比較的広いピストントップ部に
対し、リングが装着される関係から、トップリング溝内
の保護層には寸法精度の高い手法を採用するに到ったも
のである。
は、ピストントップの保護に加えてトップリング溝内の
保護が必要であり、特にトップリングは燃焼行程で圧力
を受けてトップリング溝の下面に押圧され、この押圧部
分はピストンの放熱経路にもなることから熱的負荷が大
きくなり、このためにトップリング溝内の下面側の保護
が重要であるとの知見に基づくものである。そして、保
護層等の寸法許容範囲が比較的広いピストントップ部に
対し、リングが装着される関係から、トップリング溝内
の保護層には寸法精度の高い手法を採用するに到ったも
のである。
すなわち、トップリング溝内にリング廻り止め用ノック
ピンを有する2サイクル式内燃機関のピストンにおい
て、ピストントップ部にニッケルメッキ層を施して所定
圧さのニッケルメッキ層を形成するとともに、トップリ
ング溝の少なくとも溝部下面の排気ポート側でありかつ
ノックピン近傍を除く部分に、いわゆる硬質アルマイト
処理等といわれる陽極酸化処理を施して所定厚さの陽極
酸化処理層を形成したものである。
ピンを有する2サイクル式内燃機関のピストンにおい
て、ピストントップ部にニッケルメッキ層を施して所定
圧さのニッケルメッキ層を形成するとともに、トップリ
ング溝の少なくとも溝部下面の排気ポート側でありかつ
ノックピン近傍を除く部分に、いわゆる硬質アルマイト
処理等といわれる陽極酸化処理を施して所定厚さの陽極
酸化処理層を形成したものである。
ここにおいて、ニッケルメッキとしては、エッジ部のメ
ッキ層を他の部分とほぼ均等の厚さにできる点で無電解
ニッケルメッキが好ましく、厚さは20〜30μmが好
ましい。厚さが20μm未満では保護効果が十分でな
く、30μmを越えても保護効果はそれ程変わらない
が、厚くなるとメッキ処理時間が長くなって不利であ
る。ニッケルメッキを施す部位は、ピストントップ部で
あればよく、必ずしも全面を必要としないがスキッシュ
エリアに対向した部分にあれば効果的である。
ッキ層を他の部分とほぼ均等の厚さにできる点で無電解
ニッケルメッキが好ましく、厚さは20〜30μmが好
ましい。厚さが20μm未満では保護効果が十分でな
く、30μmを越えても保護効果はそれ程変わらない
が、厚くなるとメッキ処理時間が長くなって不利であ
る。ニッケルメッキを施す部位は、ピストントップ部で
あればよく、必ずしも全面を必要としないがスキッシュ
エリアに対向した部分にあれば効果的である。
また、陽極酸化処理層の厚さは10μm程度が好まし
く、あまり厚いと剥離等の問題を生じるので好ましくな
い。さらに、陽極酸化処理層が形成される部位は、トッ
プリング溝の内面のうち、通常2サイクルエンジンの排
気ポートと対向しない部分に配置されるピストンリング
廻り止め用のノックピンの近傍を除く部位であればよ
く、少なくともトップリング溝の溝部下面側の一部、特
に2サイクルエンジンにあっては、高温の排ガスにさら
れる機会の多い排気ポートに対向される部分に設けてあ
れば足りる。
く、あまり厚いと剥離等の問題を生じるので好ましくな
い。さらに、陽極酸化処理層が形成される部位は、トッ
プリング溝の内面のうち、通常2サイクルエンジンの排
気ポートと対向しない部分に配置されるピストンリング
廻り止め用のノックピンの近傍を除く部位であればよ
く、少なくともトップリング溝の溝部下面側の一部、特
に2サイクルエンジンにあっては、高温の排ガスにさら
れる機会の多い排気ポートに対向される部分に設けてあ
れば足りる。
このような構成において、異常燃焼等によるピストント
ップの表面荒れはニッケルメッキ層により防止でき、一
方、高負荷等に伴うトップリング溝の荒れは陽極酸化処
理層により防止できる。
ップの表面荒れはニッケルメッキ層により防止でき、一
方、高負荷等に伴うトップリング溝の荒れは陽極酸化処
理層により防止できる。
この際、トップリング溝においては、陽極酸化処理層の
薄い膜であるためトップリングが嵌め込まれるための形
状精度が確保される。また、トップリング溝内の陽極酸
化処理層は、少なくとも燃焼圧力による負荷の大きい下
面側とされ、排気により高温となる排気ポート側とされ
ることで、充分な耐熱性が確保できるとともに、通常そ
の反対側とされるノックピン部分を除くことで、鉄製が
多用されるノックピンに対して陽極酸化処理による影響
を及ぼすことがなく、機関の高性能化に対応できること
になる。
薄い膜であるためトップリングが嵌め込まれるための形
状精度が確保される。また、トップリング溝内の陽極酸
化処理層は、少なくとも燃焼圧力による負荷の大きい下
面側とされ、排気により高温となる排気ポート側とされ
ることで、充分な耐熱性が確保できるとともに、通常そ
の反対側とされるノックピン部分を除くことで、鉄製が
多用されるノックピンに対して陽極酸化処理による影響
を及ぼすことがなく、機関の高性能化に対応できること
になる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図には、本発明に係るピストンを適用した2サイク
ルエンジンの一部が示されている。この図において、エ
ンジン10のシリンダブロック11にはシリンダヘッド
12が被嵌、固定されるとともに、シリンダブロック1
1内に形成されたシリンダ13内には本発明に係るピス
トン30が軸方向摺動自在に収納されている。このピス
トン30は、ピストンロッド14を介してクランク軸1
5により駆動されるようになっている。
ルエンジンの一部が示されている。この図において、エ
ンジン10のシリンダブロック11にはシリンダヘッド
12が被嵌、固定されるとともに、シリンダブロック1
1内に形成されたシリンダ13内には本発明に係るピス
トン30が軸方向摺動自在に収納されている。このピス
トン30は、ピストンロッド14を介してクランク軸1
5により駆動されるようになっている。
前記シリンダ13の途中には、クランク軸15が収納さ
れたクランクケース16内と連通する掃気孔17が開口
されるとともに、排ガスを放出する排気孔18が開口さ
れている。この排気孔18内には、エンジン回転数に応
じて排気タイミングを変化させる排気バルブ19が設け
られている。
れたクランクケース16内と連通する掃気孔17が開口
されるとともに、排ガスを放出する排気孔18が開口さ
れている。この排気孔18内には、エンジン回転数に応
じて排気タイミングを変化させる排気バルブ19が設け
られている。
前記シリンダヘッド12内には、ピストン30のピスト
ントップ31に対向して燃焼室20が形成されている。
この燃焼室20の中央上部には、点火プラグ21が設け
られるとともに、周縁部には、第2図にも拡大して示さ
れるように、混合気を点火プラグ21側に集中させて着
火性を高めるためのスキッシュエリア22が設けられて
いる。
ントップ31に対向して燃焼室20が形成されている。
この燃焼室20の中央上部には、点火プラグ21が設け
られるとともに、周縁部には、第2図にも拡大して示さ
れるように、混合気を点火プラグ21側に集中させて着
火性を高めるためのスキッシュエリア22が設けられて
いる。
前記ピストン30は、第3図に拡大して示されるよう
に、ピストンオップ31側がスカート部32側よりもや
や小径に機械加工され、トップ側周面はトップ側に向か
って先細となるテーパ面33に形成されている。このテ
ーパ面33の一部とピストントップ31の全面とを被覆
するように無電解のニッケルメッキが施されて所定厚
さ、例えば20〜30μmの厚さのニッケルメッキ層4
1が形成されている。この際、ピストントップ31の表
面の面粗度は、6.3Sより滑らかとされ、異常燃焼が
発生しにくくされている。
に、ピストンオップ31側がスカート部32側よりもや
や小径に機械加工され、トップ側周面はトップ側に向か
って先細となるテーパ面33に形成されている。このテ
ーパ面33の一部とピストントップ31の全面とを被覆
するように無電解のニッケルメッキが施されて所定厚
さ、例えば20〜30μmの厚さのニッケルメッキ層4
1が形成されている。この際、ピストントップ31の表
面の面粗度は、6.3Sより滑らかとされ、異常燃焼が
発生しにくくされている。
また、ピストントップ31のやや下方には所定間隔を離
してピストンリングであるトップリング51を収納する
トップリング溝34およびエクスパンダー等のセカンド
リング52を収納するセカンドリング溝35がこの順序
でそれぞれ設けられている。前記トップリング溝34の
下面34Aを含む表面には、いわゆる硬質アルマイト処
理といわれる陽極酸化処理が施されて所定厚さ、例えば
10μm程度の陽極酸化処理層42が形成されている。
また、セカンドリング溝35よりもやや下方のスカート
部32の周面には、すずメッキが施されて所定厚さのす
ずメッキ層43が形成され、シリンダ13との摺動抵抗
が小さくなるようにされている。この際、すずメッキ層
43の厚さは、従来一般の厚さと同程度である。
してピストンリングであるトップリング51を収納する
トップリング溝34およびエクスパンダー等のセカンド
リング52を収納するセカンドリング溝35がこの順序
でそれぞれ設けられている。前記トップリング溝34の
下面34Aを含む表面には、いわゆる硬質アルマイト処
理といわれる陽極酸化処理が施されて所定厚さ、例えば
10μm程度の陽極酸化処理層42が形成されている。
また、セカンドリング溝35よりもやや下方のスカート
部32の周面には、すずメッキが施されて所定厚さのす
ずメッキ層43が形成され、シリンダ13との摺動抵抗
が小さくなるようにされている。この際、すずメッキ層
43の厚さは、従来一般の厚さと同程度である。
次に、本実施例におけるピストンの製造工程につき、第
4図(A)〜(D)ないし第7図を参照して説明する。
4図(A)〜(D)ないし第7図を参照して説明する。
第4図(A)において、アルミ合金鋳物からなるピスト
ン30は、一般のピストンと同様に機械加工により所定
の外径形状となるよう形成されている。この際、本実施
例では、ピストントップ31近傍の周面は、前記ニッケ
ルメッキ層41の厚さ分を考慮してテーパ面33に加工
される。
ン30は、一般のピストンと同様に機械加工により所定
の外径形状となるよう形成されている。この際、本実施
例では、ピストントップ31近傍の周面は、前記ニッケ
ルメッキ層41の厚さ分を考慮してテーパ面33に加工
される。
この機械加工後、第4図(B)に示されるように、ゴム
製で筒状の第1のマスキング治具60でピストントップ
3およびテーパ面33以外の部分を覆った状態で、洗浄
を行なうとともに、必要に応じて活性化処理等のメッキ
前処理を行なった後、ピストン30をpH4、93±2℃
に保持された無電解ニッケルメッキ浴に浸漬し、20〜
30μmの厚さ、より好ましくは25±3μmのニッケ
ルメッキ層41を形成する。この際、メッキ厚さが20
μm未満では薄くてトップ表面の荒れ防止の効果が少な
く、一方、厚さが厚い分には荒れ防止の効果上は問題な
いが、30μmを越えるような厚さになると処理時間が
長くなってコスト上不利であるばかりでなく、その膜厚
分の切削加工量が多くなり、この点からも不利となる。
また、無電解ニッケルメッキを用いるのは、トップ31
とテーパ面33とが交差するエッジ部分におけるメッキ
膜厚が厚くなるのを防止して全体を均一の厚さにするた
めであり、エッジ部形状の工夫やメッキ時にエッジ部を
一部覆ってやるなどすれば、電解メッキであってもよ
い。
製で筒状の第1のマスキング治具60でピストントップ
3およびテーパ面33以外の部分を覆った状態で、洗浄
を行なうとともに、必要に応じて活性化処理等のメッキ
前処理を行なった後、ピストン30をpH4、93±2℃
に保持された無電解ニッケルメッキ浴に浸漬し、20〜
30μmの厚さ、より好ましくは25±3μmのニッケ
ルメッキ層41を形成する。この際、メッキ厚さが20
μm未満では薄くてトップ表面の荒れ防止の効果が少な
く、一方、厚さが厚い分には荒れ防止の効果上は問題な
いが、30μmを越えるような厚さになると処理時間が
長くなってコスト上不利であるばかりでなく、その膜厚
分の切削加工量が多くなり、この点からも不利となる。
また、無電解ニッケルメッキを用いるのは、トップ31
とテーパ面33とが交差するエッジ部分におけるメッキ
膜厚が厚くなるのを防止して全体を均一の厚さにするた
めであり、エッジ部形状の工夫やメッキ時にエッジ部を
一部覆ってやるなどすれば、電解メッキであってもよ
い。
前記マスキング治具60は、第6図にも示されるよう
に、筒状の本体61を備え、この本体61は、メッキ液
のスカート部32側への侵入を防止するため、ピストン
30のテーパ面33に所定の緊度で液密に接する円環状
のリップ部62を上端開口縁に有するとともに、セカン
ドリング溝35に係合してリップ部62の位置決めをす
る治具固定部としての環状凸部63を一体に有してい
る。
に、筒状の本体61を備え、この本体61は、メッキ液
のスカート部32側への侵入を防止するため、ピストン
30のテーパ面33に所定の緊度で液密に接する円環状
のリップ部62を上端開口縁に有するとともに、セカン
ドリング溝35に係合してリップ部62の位置決めをす
る治具固定部としての環状凸部63を一体に有してい
る。
このようにしてニッケルメッキが完了したら、洗浄等の
後処理をした後、第1のマスキング治具60を外し、次
いで、第4図(C)に示されるように、ピストン30に
ニッケルメッキ層41側を覆うキャップ状のゴムからな
る第2のマスキング治具70を取付けるとともに、トッ
プリング溝34の近傍を除くスカート部32を覆う円筒
状のゴムからなる第3のマスキング治具80を取付け
る。この状態で、洗浄等の一般の前処理をした後、0〜
5℃の温度に保持された35%の硫酸浴中に10〜20
分浸漬し、陽極酸化処理により10μm程度の陽極酸化
処理層42を形成する。
後処理をした後、第1のマスキング治具60を外し、次
いで、第4図(C)に示されるように、ピストン30に
ニッケルメッキ層41側を覆うキャップ状のゴムからな
る第2のマスキング治具70を取付けるとともに、トッ
プリング溝34の近傍を除くスカート部32を覆う円筒
状のゴムからなる第3のマスキング治具80を取付け
る。この状態で、洗浄等の一般の前処理をした後、0〜
5℃の温度に保持された35%の硫酸浴中に10〜20
分浸漬し、陽極酸化処理により10μm程度の陽極酸化
処理層42を形成する。
前記第2のマスキング治具70は、第7図にも示される
ように、有底円筒状の本体71を備え、この本体71
は、メッキ液の治具70内への流入を防止するため、ピ
ストン30のテーパ面33と所定の緊度で液密に接する
円環状のリップ部72を下端開口縁に一体に有するとと
もに、このリップ部72の位置決めをピストンリップ3
1との当接で確保するための圧着力強化用の円板状ばね
板材73を備えている。
ように、有底円筒状の本体71を備え、この本体71
は、メッキ液の治具70内への流入を防止するため、ピ
ストン30のテーパ面33と所定の緊度で液密に接する
円環状のリップ部72を下端開口縁に一体に有するとと
もに、このリップ部72の位置決めをピストンリップ3
1との当接で確保するための圧着力強化用の円板状ばね
板材73を備えている。
さらに、2サイクルエンジンでは、ピストンリング(ト
ップリング、セカンドリング)51、52の回り止め用
のノックピン36が設けられているが、このピン36は
一般に鉄製であり、硫酸浴中で溶融する虞れがあるた
め、このピン36の周囲を覆う舌片部74を一体に備え
ている。この舌片部74は、第5図にも示されるよう
に、前記ばね板材73から一体あるいは別体として延長
された狭巾の芯金75を有し、この芯金75の押圧力に
よりピン36の周囲を液密に封止できるようになってい
る。この際、舌片部74とこの舌片部74に対向される
位置の円環状のリップ部72との距離が短いため、リッ
プ部72によるシールが十分に行なえない場合には、舌
片部74をリップ部72の下縁側から切り離し、治具7
0の外周側から延長した形状としてもよい。
ップリング、セカンドリング)51、52の回り止め用
のノックピン36が設けられているが、このピン36は
一般に鉄製であり、硫酸浴中で溶融する虞れがあるた
め、このピン36の周囲を覆う舌片部74を一体に備え
ている。この舌片部74は、第5図にも示されるよう
に、前記ばね板材73から一体あるいは別体として延長
された狭巾の芯金75を有し、この芯金75の押圧力に
よりピン36の周囲を液密に封止できるようになってい
る。この際、舌片部74とこの舌片部74に対向される
位置の円環状のリップ部72との距離が短いため、リッ
プ部72によるシールが十分に行なえない場合には、舌
片部74をリップ部72の下縁側から切り離し、治具7
0の外周側から延長した形状としてもよい。
第3のマスキング治具80は、第1のマスキング治具6
0と同様に円筒状のゴムからなり、同じく円筒状の本体
81ならびにこの本体81に一体に形成された液密シー
ル用の円環状のリップ部82および治具固定用の環状凸
部83を備えており、第1のマスキング治具60とは、
セカンドリング溝35からリップ部82までの長さ寸法
が異なるのみである。また、この第3の治具80におい
て、第2の治具70と同様に、リップ部82と環状凸部
83との間の寸法が短いことから、シール性に問題が生
じる場合は、治具固定用の環状凸部83を廃し、ピスト
ン30のピストンピン挿入用孔37(第3図参照)に係
合する凸部を設けて治具80の固定と、リップ部82の
位置決めとを行なってもよい。
0と同様に円筒状のゴムからなり、同じく円筒状の本体
81ならびにこの本体81に一体に形成された液密シー
ル用の円環状のリップ部82および治具固定用の環状凸
部83を備えており、第1のマスキング治具60とは、
セカンドリング溝35からリップ部82までの長さ寸法
が異なるのみである。また、この第3の治具80におい
て、第2の治具70と同様に、リップ部82と環状凸部
83との間の寸法が短いことから、シール性に問題が生
じる場合は、治具固定用の環状凸部83を廃し、ピスト
ン30のピストンピン挿入用孔37(第3図参照)に係
合する凸部を設けて治具80の固定と、リップ部82の
位置決めとを行なってもよい。
このようにして陽極酸化処理層41を形成した後、必要
に応じて熱水等による封孔処理を行い、さらに洗浄等の
後処理をして第1、第2の両マスキング治具70、80
を取外し、さらに第4図(D)に示されるように、キャ
ップ状の第3のマスキング治具90をピストントップ3
1側から被せ、ピストン30のセカンドリング溝35の
下方まで被覆する。この状態で洗浄等の前処理をしたの
ち、ピストン30のスカート部32にすずメッキ処理に
より所定厚さのすずメッキ層43を形成し、再度洗浄等
の後処理を行なった後、治具90を取り外して完成品と
する。
に応じて熱水等による封孔処理を行い、さらに洗浄等の
後処理をして第1、第2の両マスキング治具70、80
を取外し、さらに第4図(D)に示されるように、キャ
ップ状の第3のマスキング治具90をピストントップ3
1側から被せ、ピストン30のセカンドリング溝35の
下方まで被覆する。この状態で洗浄等の前処理をしたの
ち、ピストン30のスカート部32にすずメッキ処理に
より所定厚さのすずメッキ層43を形成し、再度洗浄等
の後処理を行なった後、治具90を取り外して完成品と
する。
前記第3のマスキング治具90は、第2のマスキング治
具70と同様に、有底円筒状の本体91の開口部周縁に
一体に形成された円環状のリップ部92を有するととも
に、ピストントップ31での位置決めと圧着力強化用の
円板状のばね板材93を有し、さらに、トップリング溝
34に係合する環状凸部94を有している。
具70と同様に、有底円筒状の本体91の開口部周縁に
一体に形成された円環状のリップ部92を有するととも
に、ピストントップ31での位置決めと圧着力強化用の
円板状のばね板材93を有し、さらに、トップリング溝
34に係合する環状凸部94を有している。
前記第1ないし第4のマスキング治具60、70、8
0、90の材質としては、加硫剤中の硫黄分を除いた特
殊のエチレンプロピレンゴム(EPDM)やブチル系ゴ
ム等が用いられる。これは、治具60、70、80、9
0がメッキの前処理液で浸されない耐薬品性を求められ
るとともに、ピストン30の表面にすずメッキが施され
ていた場合、このすずを浸すことがない材質であること
を要求されるためである。
0、90の材質としては、加硫剤中の硫黄分を除いた特
殊のエチレンプロピレンゴム(EPDM)やブチル系ゴ
ム等が用いられる。これは、治具60、70、80、9
0がメッキの前処理液で浸されない耐薬品性を求められ
るとともに、ピストン30の表面にすずメッキが施され
ていた場合、このすずを浸すことがない材質であること
を要求されるためである。
以上のようにして所定の表面処理をされた本実施例によ
れば、次のような効果がある。
れば、次のような効果がある。
すなわち、テーパ面33を含むピストントップ31部に
はニッケルメッキ層41を形成したから、ニッケルの融
点が約1480℃と高いことに基づく耐熱性を発揮でき
るとともに、ビッカース硬度(HV)で550と硬いこ
とに基づく耐損傷性を発揮でき、高負荷で熱的条件の厳
しい高性能エンジンのピストンとして十分な耐久性を発
揮できる。
はニッケルメッキ層41を形成したから、ニッケルの融
点が約1480℃と高いことに基づく耐熱性を発揮でき
るとともに、ビッカース硬度(HV)で550と硬いこ
とに基づく耐損傷性を発揮でき、高負荷で熱的条件の厳
しい高性能エンジンのピストンとして十分な耐久性を発
揮できる。
特に、異常燃焼の発火点となりやすいピストントップ3
1の周縁エッジ部をニッケルメッキ層41で覆ったか
ら、発火を有効に防止できる。
1の周縁エッジ部をニッケルメッキ層41で覆ったか
ら、発火を有効に防止できる。
この際、ピストントップ31の外周縁は、ニッケルメッ
キ層41を形成するための逃げとしてテーパ面33に形
成されており、段付きの小径に形成されているものでな
いから、第1のマスキング60のリップ部62によるシ
ール位置からニッケルメッキ層41を形成することがで
き、ニッケルメッキ層41のテーパ面33上の長さ寸法
L(第4図(B)参照)を、治具60の位置決め精度に
対応した精度で一定にできる。なお、段付き小径形状と
した場合は、リップ部62が段部と干渉するなどの理由
から前記寸法Lに相当する長さ寸法がばらつき、十分な
発火防止効果は期待できない。
キ層41を形成するための逃げとしてテーパ面33に形
成されており、段付きの小径に形成されているものでな
いから、第1のマスキング60のリップ部62によるシ
ール位置からニッケルメッキ層41を形成することがで
き、ニッケルメッキ層41のテーパ面33上の長さ寸法
L(第4図(B)参照)を、治具60の位置決め精度に
対応した精度で一定にできる。なお、段付き小径形状と
した場合は、リップ部62が段部と干渉するなどの理由
から前記寸法Lに相当する長さ寸法がばらつき、十分な
発火防止効果は期待できない。
また、トップリング溝34には、いわゆる硬質アルマイ
ト処理により陽極酸化処理層42を設けたから、高温下
でのトップリング溝34とトップリング51との当接に
よる損傷を防止できる。
ト処理により陽極酸化処理層42を設けたから、高温下
でのトップリング溝34とトップリング51との当接に
よる損傷を防止できる。
さらに、セカンドリング溝35より下方のスカート部3
2の外周には、すずメッキ層43が形成されているか
ら、シリンダ13とのなじみが良好となって摺動抵抗を
低減できる。
2の外周には、すずメッキ層43が形成されているか
ら、シリンダ13とのなじみが良好となって摺動抵抗を
低減できる。
また、2サイクルエンジンにおいて、リング回転防止用
として鉄製のノックピン36を用いたとしても、このピ
ン36の部分は、トップリング溝34の陽極酸化処理時
には、第2のマスキング治具70の舌片部74により液
密にシールされているから、溶融することはない。
として鉄製のノックピン36を用いたとしても、このピ
ン36の部分は、トップリング溝34の陽極酸化処理時
には、第2のマスキング治具70の舌片部74により液
密にシールされているから、溶融することはない。
さらに、各表面処理を行なうにあたり、第1〜第4のマ
スキング治具60、70、80、90を用いて必要な部
分以外は十分にシールしたから、適正な位置に適正な表
面処理を行なうことができる。この際、第1、第3の治
具60、80にあっては環状凸部63、83により十分
な固定と、正確なリップ部位置決めができ、第2、第4
の治具70、90にあってはばね板材73、93によ
り、第4の治具90ではこれに加えて環状凸部94によ
り、十分な固定と正確な位置決めとが行なえる。また、
各治具60、70、80、90の材質は、すずメッキ層
43に悪影響を与えないゴム材から形成されているた
め、製品不良等を生じさせることもない。
スキング治具60、70、80、90を用いて必要な部
分以外は十分にシールしたから、適正な位置に適正な表
面処理を行なうことができる。この際、第1、第3の治
具60、80にあっては環状凸部63、83により十分
な固定と、正確なリップ部位置決めができ、第2、第4
の治具70、90にあってはばね板材73、93によ
り、第4の治具90ではこれに加えて環状凸部94によ
り、十分な固定と正確な位置決めとが行なえる。また、
各治具60、70、80、90の材質は、すずメッキ層
43に悪影響を与えないゴム材から形成されているた
め、製品不良等を生じさせることもない。
さらに、異常燃焼を発生しているか否かを検出する指標
の1つとして爆発時の燃焼室20の指示圧を測定するこ
とが行なわれるが、本発明者らの実験によると、この指
示圧は、ピストントップ31の面粗度に左右されること
が判明した。
の1つとして爆発時の燃焼室20の指示圧を測定するこ
とが行なわれるが、本発明者らの実験によると、この指
示圧は、ピストントップ31の面粗度に左右されること
が判明した。
すなわち、第8図に示されるように、横軸にピストント
ップ31の面粗度をとり、縦軸に爆発時の燃焼室20の
指示圧をとると、面粗度が6.3Sより粗い場合は、指
示圧が通常の爆発時の圧力を越えることとなり、異常燃
焼を生じていることが判る。従って、本実施例のように
ピストントップ31の面粗度を6.3Sより滑らかに形
成しておけば、この点からも異常燃焼の発生を防止する
ことができる。
ップ31の面粗度をとり、縦軸に爆発時の燃焼室20の
指示圧をとると、面粗度が6.3Sより粗い場合は、指
示圧が通常の爆発時の圧力を越えることとなり、異常燃
焼を生じていることが判る。従って、本実施例のように
ピストントップ31の面粗度を6.3Sより滑らかに形
成しておけば、この点からも異常燃焼の発生を防止する
ことができる。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、本発明の目的を達成し得る範囲での変形は、本発明
に含まれるものである。
く、本発明の目的を達成し得る範囲での変形は、本発明
に含まれるものである。
例えば、前記実施例では、ニッケルメッキ層41をピス
トントップ31の全面に設けたが、必ずしもこれに限定
されるものではなく、異常燃焼の発火点となりやすいス
キッシュエリア22に対向する位置のピストントップ3
1に設け、中央部には設けないものであってもよく、要
するに必要に応じたピストントップ部に設ければ足り
る。
トントップ31の全面に設けたが、必ずしもこれに限定
されるものではなく、異常燃焼の発火点となりやすいス
キッシュエリア22に対向する位置のピストントップ3
1に設け、中央部には設けないものであってもよく、要
するに必要に応じたピストントップ部に設ければ足り
る。
また、陽極酸化処理層42をトップリング溝34の上下
面全周に設けたが、必ずしもこれに限定されるものでは
なく、少なくともリング51と溝34との表面荒れ現象
の発生の多い下面34A側に設ければ良く、しかも、2
サイクルエンジンの場合、第9図に示されるように、高
温の排ガスにさらされる機会の多い排気孔18側の一
部、具体的には角度αで示す半周程度であっても十分で
ある。この際、2サイクルエンジンにおける排気孔18
の反対側は掃気孔17による低温の混合気にさらされる
ため、さほど高温とはならず、必ずしも陽極酸化処理は
必要ではない。
面全周に設けたが、必ずしもこれに限定されるものでは
なく、少なくともリング51と溝34との表面荒れ現象
の発生の多い下面34A側に設ければ良く、しかも、2
サイクルエンジンの場合、第9図に示されるように、高
温の排ガスにさらされる機会の多い排気孔18側の一
部、具体的には角度αで示す半周程度であっても十分で
ある。この際、2サイクルエンジンにおける排気孔18
の反対側は掃気孔17による低温の混合気にさらされる
ため、さほど高温とはならず、必ずしも陽極酸化処理は
必要ではない。
さらに、第1のマスキング治具60のリップ部62の位
置決めおよびピストン30への固定は、前記実施例のよ
うに、セカンドリング溝35に係止される環状凸部63
によるものに限らず、第10図に示されるように、ピス
トン30の外周と所定の圧力で密接に嵌合される治具固
定部63Aとしてもよく、この時の位置決めは、別途設
ける位置決め治具によりピストン30へのマスキング治
具60の嵌合深さにより行なう。この際、このピストン
外周での固定は、他のマスキング治具70、80、90
の固定手段として適用することは十分可能である。
置決めおよびピストン30への固定は、前記実施例のよ
うに、セカンドリング溝35に係止される環状凸部63
によるものに限らず、第10図に示されるように、ピス
トン30の外周と所定の圧力で密接に嵌合される治具固
定部63Aとしてもよく、この時の位置決めは、別途設
ける位置決め治具によりピストン30へのマスキング治
具60の嵌合深さにより行なう。この際、このピストン
外周での固定は、他のマスキング治具70、80、90
の固定手段として適用することは十分可能である。
本発明のピストンによれば、ピストントップに設けたニ
ッケルメッキ層およびトップリング溝の少なくとも下面
の一部に設けた陽極酸化処理層により、従来以上の高負
荷の内燃機関に適用できるという効果がある。
ッケルメッキ層およびトップリング溝の少なくとも下面
の一部に設けた陽極酸化処理層により、従来以上の高負
荷の内燃機関に適用できるという効果がある。
第1図ないし第8図は本発明の一実施例を示すもので、
第1図は2サイクルエンジンに適用した断面図、第2図
は第1図の要部の拡大断面図、第3図は本実施例のピス
トンの要部の拡大断面図、第4図(A)〜(D)は本実
施例の製造工程を示す説明図、第5図は第4図(C)の
V−V線に沿う断面図、第6図および第7図は共に本実
施例の製造に用いる第1および第2のマスキング治具の
一部を切欠いた斜視図、第8図はピストントップの面粗
度と燃焼室の指示圧との関係を示す特性図、第9図は本
発明の他の実施例を示す2サイクルエンジンの横断面
図、第10図は本発明のさらに他の実施例を示すピスト
ンの要部拡大断面図である。 30……ピストン、31……ピストントップ、32……
スカート部、33……テーパ面、34……トップリング
溝、34A……下面、41……ニッケルメッキ層、42
……陽極酸化処理層、43……すずメッキ層、51……
トップリング、60、70、80、90……第1、第
2、第3、第4のマスキング治具。
第1図は2サイクルエンジンに適用した断面図、第2図
は第1図の要部の拡大断面図、第3図は本実施例のピス
トンの要部の拡大断面図、第4図(A)〜(D)は本実
施例の製造工程を示す説明図、第5図は第4図(C)の
V−V線に沿う断面図、第6図および第7図は共に本実
施例の製造に用いる第1および第2のマスキング治具の
一部を切欠いた斜視図、第8図はピストントップの面粗
度と燃焼室の指示圧との関係を示す特性図、第9図は本
発明の他の実施例を示す2サイクルエンジンの横断面
図、第10図は本発明のさらに他の実施例を示すピスト
ンの要部拡大断面図である。 30……ピストン、31……ピストントップ、32……
スカート部、33……テーパ面、34……トップリング
溝、34A……下面、41……ニッケルメッキ層、42
……陽極酸化処理層、43……すずメッキ層、51……
トップリング、60、70、80、90……第1、第
2、第3、第4のマスキング治具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 康二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 山本 均 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (56)参考文献 特公 昭59−36100(JP,B2)
Claims (1)
- 【請求項1】トップリング溝内にリング回り止め用ノッ
クピンを有する2サイクル式内燃機関のピストンにおい
て、ピストントップ部にニッケルメッキ層を形成すると
ともに、トップリング溝の少なくとも溝部下面の排気ポ
ート側でありかつノックピン近傍を除く部分に陽極酸化
処理層を形成したことを特徴とする内燃機関のピスト
ン。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62227788A JPH0610453B2 (ja) | 1987-09-11 | 1987-09-11 | 内燃機関のピストン |
US07/239,763 US4955353A (en) | 1987-09-11 | 1988-09-02 | Piston for internal combustion engine |
IT8848335A IT1224882B (it) | 1987-09-11 | 1988-09-09 | Pistone per motore a combustione interna e metodo per produrlo |
ES8802767A ES2010793A6 (es) | 1987-09-11 | 1988-09-09 | Piston para motores de combustion interna y metodo para fabricar el mismo. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62227788A JPH0610453B2 (ja) | 1987-09-11 | 1987-09-11 | 内燃機関のピストン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6473155A JPS6473155A (en) | 1989-03-17 |
JPH0610453B2 true JPH0610453B2 (ja) | 1994-02-09 |
Family
ID=16866393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62227788A Expired - Fee Related JPH0610453B2 (ja) | 1987-09-11 | 1987-09-11 | 内燃機関のピストン |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4955353A (ja) |
JP (1) | JPH0610453B2 (ja) |
ES (1) | ES2010793A6 (ja) |
IT (1) | IT1224882B (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04106556U (ja) * | 1991-02-28 | 1992-09-14 | 株式会社アツギユニシア | アルミニウム合金製ピストン |
US5450784A (en) * | 1993-09-28 | 1995-09-19 | Detroit Diesel Corporation | Electroplated piston skirt for improved scuff resistance |
JPH08144842A (ja) * | 1994-11-24 | 1996-06-04 | Yamaha Motor Co Ltd | ディーゼルエンジン |
JPH11182679A (ja) * | 1997-12-24 | 1999-07-06 | Sanshin Ind Co Ltd | 内燃エンジン |
DE60012866T2 (de) * | 1999-12-14 | 2005-09-08 | Kibun Food Chemifa Co., Ltd. | Propylenglykolhyaluronat und äusserlich anzuwendendes Hautpflegemittel, das dieses enthält |
US6446767B1 (en) * | 1999-12-16 | 2002-09-10 | Angelo Gonzalez | Caliper pistons with improved heat isolation |
US6425364B1 (en) | 2000-11-28 | 2002-07-30 | Bombardier Motor Corporation Of America | Two-stroke direct fuel injected marine engine having anodized piston ring grooves |
WO2002096460A1 (en) * | 2001-05-30 | 2002-12-05 | Cornell Research Foundation, Inc. | Endopeptidase/anti-psma antibody fusion proteins for treatment of cancer |
WO2013147246A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 本田技研工業株式会社 | ピストンプッシュロッド組立体、マスタシリンダ及びピストンプッシュロッド組立体の製造方法 |
DK3078032T3 (da) * | 2013-12-03 | 2020-07-20 | Schneider Electric It Corp | System til isolering af stærkstrømsskinner |
US10047864B2 (en) * | 2016-09-16 | 2018-08-14 | MayMaan Research, LLC | Compression ring for pistons |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US2606085A (en) * | 1948-10-07 | 1952-08-05 | Elmer C Kiekhaefer | Piston ring lock |
US2926649A (en) * | 1954-10-11 | 1960-03-01 | Hicks J Byron | Internal combustion engines |
US3906923A (en) * | 1973-12-10 | 1975-09-23 | Cummins Engine Co Inc | Piston and cylinder construction |
DE2921952A1 (de) * | 1979-05-30 | 1980-12-04 | Volkswagenwerk Ag | Aus aluminium oder einer aluminiumlegierung gefertigter kolben fuer eine verbrennungskraftmaschine |
JPS5936100A (ja) * | 1982-08-23 | 1984-02-28 | 株式会社豊田自動織機製作所 | フオ−クリフト |
DE3330554A1 (de) * | 1983-08-24 | 1985-03-07 | Kolbenschmidt AG, 7107 Neckarsulm | Kolben fuer brennkraftmaschinen |
-
1987
- 1987-09-11 JP JP62227788A patent/JPH0610453B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1988
- 1988-09-02 US US07/239,763 patent/US4955353A/en not_active Expired - Fee Related
- 1988-09-09 IT IT8848335A patent/IT1224882B/it active
- 1988-09-09 ES ES8802767A patent/ES2010793A6/es not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6473155A (en) | 1989-03-17 |
ES2010793A6 (es) | 1989-12-01 |
IT1224882B (it) | 1990-10-24 |
US4955353A (en) | 1990-09-11 |
IT8848335A0 (it) | 1988-09-09 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |