JPH06104376B2 - 識別表示が付されたフッ素樹脂製品及びその製造方法 - Google Patents

識別表示が付されたフッ素樹脂製品及びその製造方法

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JPH06104376B2
JPH06104376B2 JP1284197A JP28419789A JPH06104376B2 JP H06104376 B2 JPH06104376 B2 JP H06104376B2 JP 1284197 A JP1284197 A JP 1284197A JP 28419789 A JP28419789 A JP 28419789A JP H06104376 B2 JPH06104376 B2 JP H06104376B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、識別表示が付されたフッ素樹脂製品と、その
製造方法に関する。
発明の技術的背景 ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEという)などの
フッ素樹脂は、耐熱性、耐候性、耐化学薬品性、離型
性、滑り特性、非粘着性、機械的強度などの点におい
て、他の合成樹脂と比較して、著しく優れた特性を有す
ることから、この特性を利用して、腐蝕性流体あるいは
高温流体を扱うパイプライン、タンクあるいは機械装置
などの耐食性ライニング材として広く利用されている。
しかし、このPTFEなどのフッ素樹脂は、水や油に濡れに
くく、接着エネルギが小さいという特徴を有している。
これは、フッ素樹脂が、水に対する接触角が大きく、ま
た分子間凝集力が低いので、空気/ポリマー界面の分子
間力が低くなり、表面自由エネルギーが著じるしく低い
ため、分子間凝集力の大きい液体や固体に対して濡れに
くく、接触しにくいのである。
したがって、このフッ素樹脂を用いて成形した製品、例
えば容器のようなものも、その表面に直接文字を書いた
りあるいはラベル等を貼ることが難しく、その内容物が
何たるかの識別表示を付すことができないか、またでき
たとしてもその表示を長期にわたり保持させることが難
しいという不具合がある。
例えば、IC、LSI用の偏平なシリコンウェハを多数枚収
容して搬送するためのウェハ用バスケットにおいても同
様である。このウェハ用バスケットは、フッ素樹脂で成
形されたものが広く用いられているが、このウェハ用バ
スケットは、工程管理面からの要請により、製造ロット
の番号、製造年月日等を表示する識別マークが付され、
バスケット内に収容されたシリコンウェハを個別に管理
している。
ところが、フッ素樹脂製のウェハ用バスケットは、上述
した撥水性、撥油性、非粘着性等の特徴を有することか
ら、直接ウェハ用バスケットに識別マークをフェルトペ
ン等を用いて書いても、あるいは識別マークを書き込ん
だシールを貼っても、容易に識別マークが消えたり、シ
ールが剥れ易いという欠点があった。
ところで、このようなフッ素樹脂製品に他の部材を接着
させる方法の1つとして、フッ素樹脂表面を、液体アン
モニアに金属ナトリウムを溶かした溶液で処理して、そ
の表面を化学的に活性化する方法がある。この方法を利
用してフッ素樹脂製品の表面に識別表示を付すことも考
えられる。
しかし、この方法では、処理液自体が環境汚染を引き起
す虞があり、その取扱いに危険が伴なうため、それを防
止するために高価な装置を必要とするという問題点があ
った。また、この方法で処理したフッ素樹脂表面は、茶
褐色に変色し、外観が悪いばかりでなく、処理表面が長
いこと太陽光線にさらされると、接着性が低下するとい
う不具合もあった。
さらに、フッ素樹脂表面にプラズマ処理ないしスパッタ
リング処理などの物理的処理を施したり、あるいはフッ
素樹脂表面を機械的に粗面化するなどの方法も提案され
ているが、この方法では、処理に手間が掛ったりあるい
はコスト上昇を伴なうなどの問題点があった。
また、本出願人は、フッ素樹脂製品を、その融点以上の
温度に再焼成した後に冷却することにより、その表面に
1000個/cm2以上の粒状突起物を形成し、その表面に識別
表示を付す方法を提案した。しかし、この方法では、焼
成されたフッ素樹脂製品を再度焼成しなければならない
ことと、インク等の着色材料の接着が不十分で、再焼成
したフッ素樹脂製品の表面に、例えばバーコードを印字
すると、細い線の一部に薄い部分が生じ、バーコードの
読み取り不能という事態が起る可能性もあった。
そこで本発明者等は、PTFE樹脂表面に識別表示を付する
ための方法について鋭意検討したところ、未焼成のPTFE
樹脂は、機械的強度が低いものの、粘着性があることに
着目するとともに、ペースト押し出しされたままの未焼
成PTFEでは識別表示のための熱転写リボンなどがPTFE表
面に付着してしまい、未焼成PTFEの表面が剥離してしま
うという新たな不具合が発生してしまうが、PTFEの融点
以下の温度で熱処理した場合には、そのような不都合が
生じないことに着目し、本発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであ
り、容易には消えない明瞭な識別表示が付され、しかも
各種読取機によって容易に読み取ることのできる識別表
示が付されたフッ素樹脂製品を提供することを目的と
し、またこのようなフッ素樹脂製品を安価、かつ容易に
製造できる識別表示が付されたフッ素樹脂製品の製造方
法を提供することを目的とする。
発明の概要 かかる目的を達成するために、本発明に係る識別表示が
付されたフッ素樹脂製品は、180℃以上で、しかもPTFE
の融点以下の温度で加熱処理された未焼成のPTFE体の表
面に、着色材料を塗布して所定の識別表示を付し、少な
くとも表面に実質的な透明なフッ素樹脂フィルムを積層
したことを特徴としている。
また本発明に係る識別表示が付されたフッ素樹脂製品の
製造方法は、ペースト状に押出された未焼成のPTFE体を
少なくとも180℃以上でかつPTFEの融点以下の温度で加
熱処理する工程と、 この加熱処理されたPTFE体の表面に着色材料を塗布して
所定の識別表示を付す識別表示工程と、 識別表示が付されたPTFE体の表面に実質的に透明なフッ
素樹脂フィルムを積層する工程と、からなることを特徴
としている。
発明の具体的説明 以下、本発明と図面に示す実施例に基づき、より具体的
に説明する。
第1図は本発明の一実施例に係る識別表示が付されたフ
ッ素樹脂製品の製造過程を示す要部断面図、第2〜5図
は同フッ素樹脂製品の使用例を示す要部斜視図である。
本発明に係る識別表示が付されたフッ素樹脂製品の第1
の製造方法を説明する。
この製造方法では、識別表示を施したいPTFE体としての
PTFEフィルムをまず準備する。PTFEフィルムの厚さは特
に限定されないが、50〜500μmが好ましく、特に100〜
200μmが好ましい。
このPTFEフィルムを製造するためには、たとえば、まず
PTFEパウダーに比較的粘度の高い潤滑性の優れた押出助
剤、例えば、ホワイトオイル、アイソパーμ、スモイル
P−55(いずれも商品名)を加えて円筒状に予備成形
し、この円筒状の予備成形体(ビレット)を押出機のシ
リンダに入れ、ラムにより加圧してダイスの形状に押出
す。これをペースト押出と称す。
この押出助剤を含む未焼成のPTFE押出成形物をロールに
よってフィルム状に圧延した後に、前記押出助剤を抽出
乾燥して除去すれば、未焼成のPTFEフィルム2が得られ
る。
このようにして形成した未焼成のPTFEフィルム2を、ま
ず、180℃以上であってかつPTFEの融点以下の温度で加
熱処理する。
かかる加熱処理により未焼成のPTFEフィルム2が有する
粘着性は、保持されることになり、後にインクを付した
場合の付着性が向上し、同時に未焼成のPTFEフィルム2
の表面層の剥離も生じないことになる。上述したような
ペースト押出し成形から加熱処理に至る各工程は、各工
程毎に行なっても良いが、一連の作業として行なっても
良い。
なお、ここの未焼成のPTFEフィルム2は、後に詳述する
明色系充填剤を有するものと対比する意味で無充填剤の
未焼成のPTFEフィルム2ということができる。
次に、加熱処理された未焼成のPTFEフィルム2の表面に
識別表示を付す。この識別表示の付着手段としては、X
−Yプロッタ、スクリーン印刷、グラビア印刷、コート
法、スピンコート法、はけ塗り等があるが、特に本発明
では、熱転写記録方式のプリンタ、例えばバーコードプ
リンタによる方法が好ましい。
識別表示の付着手段は、未焼成のPTFEフィルム2の表面
に、第1図(B)に示すように、識別表示形状に、着色
材料4を付着させる。識別表示形状は、PTFEフィルム2
の表面側(矢印A方向)から見た着色材料4の全体形状
が何らかの識別表示を構成していればよい。識別表示形
状としては、言語、文字、数字、絵、バーコード等に限
らず、何らかの識別表示を構成する形状であれば何でも
良い。未焼成のPTFEフィルム2は前記加熱処理によって
も、その粘着性が保持されるので、インクを付した場合
の付着性が向上するとともに未焼成のPTFEフィルムの表
面層の剥離も生じることがなく、このフイルム2の表面
に、都合良く着色材料を塗布することができ、その着色
材料が容易には消えないことになる。
塗布工程の際には、PTFEの表面に凹部を設け、この凹部
内に着色材料を埋め込むようにしてもよい。フィルム2
の表面に凹部を形成するための手段としては、たとえ
ば、何らかの識別表示形状の突部が設けられた型体をPT
FEフィルム2の表面に打刻もしくは押印すれば良い。凹
部の深さは特に限定されないが、好ましくは10〜100μ
m、特に好ましくは40〜60μmである。ただし、凹部の
深さがPTFEフィルム2の厚さ以上にはならないようにす
ることが好ましい。フィルム2が破れるのを防止するた
めである。前述した凹部の形成の具体的手段としては、
たとえば型体による打刻工程の際に、型体の表面にイン
ク等を塗布して置き、打刻時に凹部の形成と同時に、凹
部内にインク等の着色材料を埋め込むことが好ましい。
より具体的には、市販のタイプライター等により、打刻
と着色とを同時に行なうことができる。現在のタイプラ
イターでは、文字や数字等しか打刻できないが、バーコ
ード等も打刻できるようにしても良い。なお、着色材料
とは、PTFE2の表面に何らかの着色を施すものであれば
何でも良く、塗料、インク等を含む概念である。
そして、少なくとも識別表示が付された未焼成のPTFEフ
ィルム2の表面側に、実質的に透明なフッ素樹脂フィル
ム6を積層する。
実質的に透明なフッ素樹脂フィルム6は、その厚さが、
少なくとも20μm以上、特に0.3〜3mmが好ましく、その
取付は、PTFEフィルム2の全体を覆うようにしても良
い。実質的に透明なフッ素樹脂フィルム6は、着色材料
4による識別表示が外部から見える程度に実質的に透明
であれば良い。この透明なフッ素樹脂フィルム6として
は、耐薬品性に優れ、しかもPTFEフィルム2との密着性
に優れたフィルムであることが好ましく、例えば、テト
ラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエー
テルとの共重合体であるPFA、テトラフルオロエチレン
とヘキサフルオロプロピレンとの共重合体であるFEP、
あるいはテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロ
ピレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重
合体であるEPEなどのフッ素樹脂で成形される。
前記未焼成のPTFEフィルム2と実質的に透明なフッ素樹
脂フィルム6との積層は、透明なフッ素樹脂フィルム6
の融点以上であってかつ前記PTFE2の融点以下で加熱す
ることにより行なう場合には、第1図(E)に示すよう
に、PTFEフィルム2の表裏面を覆うように、2枚のフィ
ルム2を用いてこれらフィルム2の周縁6aが熱融着する
ようにして行うことが好ましい。PTFEの融点以下の温度
でフィルム6をフィルム2に熱融着する事は困難であ
り、2枚のフィルム6によりフィルム2を密封するため
である。
このようにPTFEフィルム2の融点以下で積層させた場合
には、PTFEフィルム2が未焼成のままである。また、PT
FEの融点以下の温度で熱融着するため、PTFEフィルム表
面に形成された識別表示用着色材料の劣化も少ない。
融着するための温度は、透明フィルム6の材質によって
も異なるが、たとえば、PFAフィルム6を用いる場合に
は、加熱温度は、315〜325度が好ましく、この範囲の温
度により透明なフッ素樹脂フィルム6相互の周縁6aがり
ょうこうに融着し、PTFEフィルム2を良好に密閉する。
この融着後は、急冷却しても徐冷却でもよく、PTFEを焼
成していないので、結晶化度の低下によりPTFEの透明度
が増す等という虞はない。なお、PTFEの融点以上の温度
で前記フッ素樹脂フィルム6をPTFEフィルム2上に積層
させる場合には、PTFEフィルム2における少なくとも識
別表示が付された表面に、PFA等からなるフッ素樹脂フ
ィルム2を熱融着する。
次に第2の製造方法について説明する。
この製造方法では、前記第1の製造方法と同様な厚さの
PTFEフィルム2を準備し、この未焼成のPTFEフィルム2
を、180℃以上でPTFEの融点以下の温度で加熱処理し、
この加熱処理された未焼成のPTFEフィルム2の表面に、
前述したような手段により、識別表示を付す。
そして、実質的に透明のフッ素樹脂フィルム6を密着す
る際またはその前後に、第1図(D)に示すように、PT
FEフィルム2の裏面に少なくとも一層以上フッ素樹脂基
板7を積層する。このフッ素樹脂基板7を設けることに
より製品全体の剛性が向上する。このフッ素樹脂基板7
は、PTFEフィルム2と同一もしくは異なるフッ素樹脂で
構成される。
なお、フッ素樹脂基板7の形成は、必ずしも板状に限ら
ず、その他のあらゆる形状であっても良い。
前記フッ素樹脂基板7をPTFEフィルム2の裏面に積層さ
せると同時またはその前後に、この未焼成のPTFEフィル
ム2の表面側に、前述したような実質的に透明なフッ素
樹脂フィルム6を密着状態に積層し、PTFEの融点以上で
加熱融着する。この温度は、たとえば、PTFEフィルム2
にPFAフィルム6を密着する場合には、加熱温度は、340
〜360度が好ましく、これにより透明なフッ素樹脂フィ
ルム6、PTFEフィルム2及びフッ素樹脂基板7を3者が
密着状態となる。なお、この場合PTFEフィルム2とフッ
素樹脂基板7との間に、前述したフッ素樹脂フィルム6
を介して加熱融着すれば、より強固にPTFEフィルム2と
フッ素樹脂基板7とを融着できる。
この密着後は、これらを急冷する。この急冷は、冷却水
等によって行われ、急冷の速度は、5〜100℃/secが好
ましい。このような急冷によれば、高温にさらされてい
る時間が短いため、着色材料4が劣化することはない。
また、急冷によってPTFEフィルム2の結晶化度が低下し
て透明度が増したとしても、このPTFEフィルム2には、
裏面にフッ素樹脂基板7を密着しているので、各種読取
機によって、識別表示が読み取り難くなることはない。
つぎに本発明の第3の製造方法について説明する。
この第3の方法は、前記未焼成のPTFEフィルム2に明色
系充填材が充填したものである。
この明色系充填材をPTFEフィルム2に充填させるには、
予備成形体を形成するためのPTFEパウダーにこの明色系
充填材を混合させれば良い。明色系充填剤としては、PT
FEに充填してPTFEを明色系にするものであれば何でもよ
く、顔料等をも含む広い意味で用いられ、具体的には窒
化ボロン、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、フッ化カ
ルシウム、チッ化ケイ素等が例示される。なお、本発明
において、明色系とは、光の反射率が大きいものを広く
意味し、純粋な白色以外に、白色に近い、たとえば、乳
白色、クリーム色あるいはその他の色なども含む。充填
剤の充填量は、充填剤の種類によっても異なるが、一般
に、PTFEに対して、0.1〜30重量%が好ましい。
この製法も、前述の第1あるいは第2の場合と同様な厚
さの未焼成のPTFEフィルム2を準備するが、このPTFEフ
ィルム2は前記製法と異なり明色系充填剤入りのもので
ある。この未焼成の明色充填剤入りのPTFEフィルム2
を、180℃以上で、かつPTFEフィルム2の融点以下の温
度で加熱処理し、この加熱処理された未焼成のPTFEフィ
ルム2の表面に、前述と同様にして識別表示を付す。
この識別表示の付着手段は、未焼成のPTFEフィルム2の
表面に、第1図(B)に示すように、識別表示形状に、
暗色系着色材料4を付着させるが、この暗色系着色材料
とは、必ずしも純粋な黒色に限らず、PTFEフィルム2の
表面に何らかの着色を施し、PTFEフィルム2の色と明暗
差あるいは濃淡差が生じるようにするものであれば特に
限定されず、塗料、インク等の他、PTFEフィルム2の表
面の色と異なる材質のものであれば何でも良い。すなわ
ち、PTFEフィルム2の表面と反射率が異なるようにする
ものであれば何でも良い。なお、反射率の差によって情
報を読み取る読み取り機を用いて、PTFEフィルム2表面
の識別表示を読み取るという観点からは、必ずしもPTFE
フィルム2側が明色系で、着色材料側が暗色系である必
要はなく、その逆であっても良い。
そして、次ぎにこのPTFEフィルム2の表裏面に、第1図
(E)に示すように、透明フィルム6を積層させ、その
周縁6a相互を熱融着する。この融着は、透明なフッ素樹
脂フィルム6の融点以上であってかつ前記PTFE2の融点
以下で加熱することにより行なう。
この製法は、明色系充填剤をPTFEフィルムに含有させる
以外は、前述した第1の製法と同様である。
つぎに本発明の第4の製造方法について説明する。
この第4の方法は、前記第3の方法と同様に未焼成のPT
FEフィルム2に明色系充填材が充填されたもので、前述
の実施例と同様な厚さを有する未焼成の明色系充填剤入
りのPTFEフィルム2を準備し、この未焼成のPTFEフィル
ム2を、180℃以上でPTFEの融点以下の温度で加熱処理
し、この加熱処理された未焼成のPTFEフィルム2の表面
に識別表示を付す。
そして、少なくとも識別表示が付された未焼成のPTFEフ
ィルム2の表面側に、実質的に透明なフッ素樹脂フィル
ム6を積層する際に、PTFE2の融点以上で加熱融着する
ことにより行なう。
このようにPTFE2の融点以上としたのは、この温度では
透明なフッ素樹脂フィルム6とPTFEフィルム2が融着
し、一体化することとなるからである。
この融着後、これらフィルム2,6を急冷する。この急冷
は、冷却水等によって行われ、急冷の速度は、5〜100
℃/secが好ましい。このような急冷によれば、高温にさ
らされている時間が短いため、着色材料4が劣化するこ
とはない。また、急冷によってPTFEフィルム2の結晶化
度が低下したとしても、このフィルムには、明色系充填
材料が充填してあるので、このフィルムが透明になるこ
とはなく、各種読取機によって、識別表示が読み取り難
くなることはない。
このような識別表示が付されたフッ素樹脂製品10の適用
例としては、例えば、第2図に示すようなウェハ用バス
ケット11に用いる場合を挙げることができる。
このウェハ用バスケット11は、半導体回路を構成するた
めのシリコンウェハWを並列的に多数収容するバスケッ
ト本体12を有する。このバスケット本体12は、シリコン
ウェハWに順次化学処理を施こすために、耐薬品性を有
する素材でなければならないことから、たとえばフッ素
樹脂により形成されている。そして、このバスケット本
体12の内部には、前記シリコンウェハWを多数収容する
溝部13が形成され、バスケット本体12の端壁には、前記
識別表示が付されたフッ素樹脂製品10から成るマークプ
レートMが着脱自在に取付けられるようになっている。
このマークプレートMには、バーコード等の識別表示
が、前述した本発明の製造方法により形成されている。
なお、マークプレートMをバスケット本体12の端壁に着
脱自在に設けるため、この端壁には突起Taが形成してあ
り、この突起Taに前記マークプレートMの取付孔oを嵌
合するようにしている。
このようにしてマークプレートMが取付けられたウェハ
用バスケット11は、そのバスケット本体12の内部に多数
収容したシリコンウェハWを、工程管理することができ
る。つまり、このシリコンウェハWを製造するに当って
の必要な情報、例えば、製造ロットの番号、製造年月日
等は、マークプレートMに付された識別表示を、バーコ
ード読取り装置により読取れば、直ちに知ることがで
き、これにより確実に工程管理を行なうことができる。
マークプレートMをバスケット本体11に着脱自在に取付
けるための他の手段としては、第3図に示すようにバス
ケット本体12の端壁に一対のL字状アングル材16,16を
取付け、この両アングル材16,16の両内側面によりマー
クプレート挿入溝17を形成し、このマークプレート挿入
溝17にマークプレートMを挿入するようにしてもよい。
また、第4図に示すようにバスケット本体12の端壁に一
対の取付孔18,18を形成し、この両取付孔18,18にマーク
プレートM側より突出したピン19を嵌合するようにして
もよい。さらに、第5図に示すようにマークプレートM
に弾性脚部20,20を設け、この弾性脚部20,20がバスケッ
ト本体12の突部21を挟持するようにしてもよい。
また、上述した実施例では、PTFE体としてPTFEフィルム
を用いたが、本発明は、これに限定されるものではな
く、PTFEシート、あるいはその他の立体的なPTFE成形体
に識別表示を付する場合にも適用が可能である。
発明の効果 以上説明してきたように、本発明によれば、所定の温度
で加熱処理された未焼成のフッ素樹脂フィルムを使用し
てあることから、このフイルムの表面に、都合良く着色
材料を塗布することができ、その着色材料が容易には消
えないことになる。
また、未焼成のPTFEフィルム2に明色系充填材が充填し
たものを使用し、これに透明のフッ素樹脂フィルム融着
し、これを急冷した場合には、急冷によってフッ素樹脂
フィルムの結晶化度が低下したとしても、このフィルム
中の明色系充填材料により、このフィルムが透明度が増
すことはなく、各種読取機によって、フィルム上の識別
表示が容易に読み取れる。また、急冷しているため、PT
FEフィルムに形成された識別表示を構成する着色材料が
劣化することはない。
さらに、PTFEフィルムの裏面にフッ素樹脂基板を少なく
とも一層以上積層させた場合には、製品全体の剛性が向
上することになる。
しかも、再焼成などの工程がないので、前記フッ素樹脂
製品を安価かつ容易に製造できる。
以下、本発明をさらに具体的な実施例に基づき説明する
が、本発明は、何らこのような実施例に限定されるもの
ではない。
(実施例) PTFEファインパウダー(三井デュポンフロロケミカル社
製)に押出助剤(アイソパーE)を約20重量%、白色顔
料の酸化チタン約0.5重量%を各々加えて均一に混合し
た後、これを約5kgf/cm2で予備成形した後、押出機に入
れてペースト押出成形し、前記押出助剤を乾燥せしめ
て、厚さ0.1mmの未焼成PTFEフィルムを得た。次いで、
この未焼成PTFEフィルムを320℃にて約2時間加熱処理
した。
次に、この加熱処理した未焼成PTFEフィルムをの表面に
サーマルリボンD105B(リコー社製)を使用して、バー
コードを付した。
このとき、PTFEフィルム表面には、バーコードが鮮明に
印字されており、未焼成フィルムの表面剥離は認められ
なかった。
次に、バーコードが印字された未焼成のPTFEフィルムの
全表面を厚さ0.3mmのPFAフィルムで被覆し、若干の押圧
力を加えた状態で、PTFEの融点以上(350℃)に昇温し
た後急冷した。
その結果、昇温によるバーコードの劣化も少なく、市販
のバーコード読取機で容易に読み取ることが可能であっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る識別表示が付されたフ
ッ素樹脂製品の製造過程を示す要部断面図、第2〜5図
は同フッ素樹脂製品の使用例を示す要部斜視図である。 2……PTFEフィルム、 4……着色材料、6……フッ素樹脂フィルム 7……フッ素樹脂基板 10……フッ素樹脂製品

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも180℃以上で、かつPTFEの融点
    以下の温度で加熱処理された未焼成のPTFE体の表面に、
    着色材料を塗布して所定の識別表示を付し、少なくとも
    識別表示か付された面に、実質的に透明なフッ素樹脂フ
    ィルムが積層してあることを特徴とする識別表示が付さ
    れたフッ素樹脂製品。
  2. 【請求項2】少なくとも180℃以上で、かつPTFEの融点
    以下の温度で加熱処理された未焼成のPTFE体の表面に、
    着色材料を塗布して所定の識別表示を付し、識別表示が
    付された表面には実質的に透明なフッ素樹脂フィルムが
    積層してあり、裏面にはフッ素樹脂基板が積層してある
    ことを特徴とする識別表示が付されたフッ素樹脂製品。
  3. 【請求項3】少なくとも180℃以上で、かつPTFEの融点
    以下の温度で加熱処理された未焼成のPTFE体の表面に、
    着色材料を塗布して所定の識別表示を付し、少なくとも
    表面に実質的に透明なフッ素樹脂フィルムがPTFEの融点
    以上の温度で熱融着してあることを特徴とする識別表示
    が付されたフッ素樹脂製品。
  4. 【請求項4】少なくとも180℃以上で、かつPTFEの融点
    以下の温度で加熱処理された未焼成のPTFE体の表面に、
    着色材料を塗布して所定の識別表示を付し、識別表示が
    付された表面には実質的に透明なフッ素樹脂フィルムが
    PTFEの融点以上の温度で熱融着してあり、裏面にはフッ
    素樹脂基板がPTFEの融点以上の温度で熱融着してあるこ
    とを特徴とする識別表示が付されたフッ素樹脂製品。
  5. 【請求項5】前記未焼成PTFEには、明色系充填材が含有
    してあることを特徴とする請求項第1ないし4項のいず
    れかに記載の識別表示が付されたフッ素樹脂製品。
  6. 【請求項6】ペースト状に押出された未焼成のPTFEフィ
    ルムを少なくとも180℃以上でかつPTFEの融点以下の温
    度で加熱処理する工程と、 この加熱処理されたPTFE体の表面に着色材料を塗布して
    所定の識別表示を付す識別表示工程と、 識別表示が付されたPTFE体の表面に実質的に透明なフッ
    素樹脂フィルムを積層する工程と、 からなるフッ素樹脂製品の製造方法。
  7. 【請求項7】ペースト状に押出された未焼成のPTFE体を
    少なくとも180℃以上でかつPTFEの融点以下の温度で加
    熱処理する工程と、 この加熱処理されたPTFE体の表面に着色材料を塗布して
    所定の識別表示を付す識別表示工程と、 識別表示が付されたPTFE体の表面に実質的に透明なフッ
    素樹脂フィルムを積層し、裏面にフッ素樹脂基板を密着
    し、これらをPTFEの融点以上の温度で融着する工程と、 この融着後に急冷する工程と、 からなるフッ素樹脂製品の製造方法。
  8. 【請求項8】ペースト状に押出された未焼成のPTFE体を
    少なくとも180℃以上でかつPTFEの融点以下の温度で加
    熱処理する工程と、 この加熱処理されたPTFE体の表面に着色材料を塗布して
    所定の識別表示を付す識別表示工程と、 識別表示が付されたPTFE体の表裏面に実質的に透明なフ
    ッ素樹脂フィルムを積層し、これらを、前記実質的に透
    明なフッ素樹脂フィルムの融点以上でしかもPTFEの融点
    以下の温度でフィルム相互を融着する工程と、 からなるフッ素樹脂製品の製造方法。
  9. 【請求項9】PTFE体には、明色系充填材が含有してある
    ことを特徴とする請求項第6ないし8項のいずれかに記
    載のフッ素樹脂製品の製造方法。
  10. 【請求項10】明色系充填剤を含有するペースト状に押
    出された未焼成のPTFE体を少なくとも180℃以上でかつP
    TFEの融点以下の温度で加熱処理する工程と、 この加熱処理されたPTFE体の表面に着色材料を塗布して
    所定の識別表示を付す識別表示工程と、 識別表示が付されたPTFE体の表面に実質的に透明なフッ
    素樹脂フィルムを積層し、PTFEの融点以上で融着する工
    程と、 この融着されたフィルムを急冷する工程と、 からなるフッ素樹脂製品の製造方法。
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