JPH06104078A - 高周波加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高周波加熱装置の関するもので、
導波管内に設けた金属板とこれを駆動、停止する駆動手
段により、食品の量によらず加熱のスピードアップを目
的とする。 【構成】 高周波を発振する高周波発振源１２と、食品
などを出し入れする加熱室１と、加熱室１に高周波を導
く導波管５ａ、５ｂの中に設けた金属板６と、金属板６
を駆動する駆動手段７と、金属板６を高出力が得られる
位置へ駆動もしくは停止する制御手段８を設ける構成と
した。この構成で、食品の量によらず、発振源の電力を
常に最大にでき、加熱時間が短縮できた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食品を加熱する高周波
加熱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の高周波加熱装置は、図５に示すよ
うに加熱室１全体が金属で囲まれた閉空間の中に、高周
波発振源２からの高周波を導波管５を介して伝搬され、
食品４を加熱している。したがって、加熱室１内には、
その加熱室壁によって生じる定在波１３で食品４が加熱
され、定在波の腹の強い部分では、電界が集中し加熱が
促進される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、加熱室１と高周波発振源２とのマッチン
グを、加熱室に食品４の量として、水２リットルで最大
電力が供給されるように設計されていた。したがって、
食品４の量が比較的小量の電波加熱の場合（ごはん１杯
１００グラム等）には、加熱室１と高周波発振源２のミ
スマッチにより電波発振源２の電力は、最大電力の７割
程度しか供給されず、加熱のロスタイム、高周波発振源
の温度上昇などの課題があった。本発明は、上記課題を
解決するもので、食品の量によらずに食品をすばやく加
熱するための高周波加熱装置を提供することを第１の目
的としている。

【０００４】また、加熱室内の食品の形状や、重量など
の信号、情報化ら自動的に最大電力が供給されるように
金属板を調整し、使い勝手のよい高周波加熱装置を提供
することを第２の目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記第１の目
的を達成するために、電源により高周波を発振する発振
源と、高周波により加熱される食品などを出し入れする
加熱室と、加熱室に高周波を導く少なくとも１つ以上の
導波管と、導波管の中に設けた金属板と、金属板を駆動
する駆動手段と、金属板を高出力が得られる位置へ駆動
もしくは停止する制御手段を設ける構成としてある。

【０００６】また、第２の目的を達成するために、制御
手段は、加熱室内の食品の物理量（重量、形状誘電率な
ど）、加熱室内の電界分布を検出する検出手段、食品の
物理量の変化（水分変化、誘電率変化）を検出する検出
手段の少なくとも１つ以上の検出手段の信号により、金
属板を高出力が得られる位置へ駆動もしくは停止する構
成としてある。

【０００７】

【作用】本発明は、上記構成によって、導波管内の金属
板によって、いかなる食品が加熱室に置かれても加熱室
と、高周波発振源の最適なマッチングをとる作用を有す
る。

【０００８】さらに、検出手段により、自動的に金属板
を駆動し高周波発振源の最適なマッチングになる作用を
有する。

【０００９】

【実施例】以下本発明の実施例を図１から図４を用いて
説明する。

【００１０】図１において、１は加熱室、２は高周波発
振源であるマグネトロン、３はマグネトロン２に供給す
る電源、４は食品、５ａ、５ｂはマグネトロン２からの
高周波を加熱室１に導く複数の導波管、６は導波管５ａ
内に儲け導波管金属面付近に平行に設けた金属板、７は
金属板６を任意の位置で駆動もしくは停止させるための
駆動手段であるモータ、８は駆動手段、マグネトロン２
などを制御する制御手段、９は食品４をのせるターンテ
ーブルである。

【００１１】図２は本発明の実施例の導波管５ａ内の金
属板６を組み込んだ時の拡大構成図である。導波管５ａ
内で制御手段８より、モータ７によって金属板６は、回
転したり、任意の位置へ駆動、停止したりする。制御手
段８は加熱室１内の食品４にマグネトロン２の電力が、
常に最大になるようにその金属板６の駆動、停止を行
う。

【００１２】図３は、本発明の第２の実施例である。１
０は食品４の重量を検出する重量センサ、１１は食品４
の形状を検出する形状センサ、１２は食品４の加熱に伴
う水蒸気の変化を検出する湿度センサである。

【００１３】これら１０、１１、１２のセンサからの信
号が、制御手段８に入力され、導波管５ａ内の金属板６
を回転したり、任意の位置へ自動的に駆動、停止したり
する。

【００１４】図４は、金属板６を要れる前と入れた後で
の同じ食品の加熱時間の比較を示したものである。

【００１５】金属板６を要れることによって、ごはん１
杯の小量負荷で１分かかっていたものが、３２秒と半分
で加熱されることができた。これは、今までの高周波加
熱装置が、食品負荷２リットルの水で最大電力が入るよ
うにマッチングをとっており、小量負荷では、ミスマッ
チによりマグネトロン２の電力が、負荷に供給されず
に、マグネトロン２に反射されて戻ってきていたためで
ある。しかし本発明によれば、金属板６の調整により小
量負荷の食品でのマグネトロンの最大電力が、食品に供
給されるので、加熱時間の短縮が図れるのである。

【００１６】なお、検出手段として１０、１１、１２以
外の物理量を測れるセンサであれば何でもよく、その組
合せも何でもよく本発明の実施例に限定するものではな
い。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の高周波加
熱装置は、次に述べる効果がある。

【００１８】すなわち、使用者が、ふだんよく使う小量
負荷の加熱（ごはん１杯等）において、金属板６を調整
し、負荷にマグネトロンの最大電力が入るように制御手
段により制御するので、従来よりはるかに速く食品が加
熱され、加熱時間の短縮がはかれ、便利さ、使用感の向
上がはかれる。

【００１９】またこれまで、小量負荷の食品では、食品
に供給されるマグネトロンの電力の一部は、食品に吸収
されず、反射されてマグネトロン自身を加熱することに
なり、マグネトロンの冷却も厳しいものであったが、本
発明では、そういうこともなく冷却設計もきわめて簡単
になる特有の効果が発揮できる。

【００２０】さらに、食品の物理量を測るセンサを用い
ることによって、加熱に伴う食品の形状変化、物質の変
化にも追随し、自動的にマグネトロンの最大電力を供給
するように金属板を調整するので、使用者は、面倒な操
作も要らず、きわめて使い勝手の良くなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における高周波加熱装置の全
体構成図

【図２】同本発明の一実施例における導波管内の金属板
の構成図

【図３】同本発明の第２の高周波加熱装置の全体構成図

【図４】同本発明の一実施例の加熱時間の比較図

【図５】従来の高周波加熱装置の全体構成図

【符号の説明】

１ 加熱室 ２ 高周波発振源（マグネトロン） ３ 電源 ４ 食品 ５ａ、５ｂ 導波管 ６ 金属板 ７ 駆動手段 ８ 制御手段 １０ 重量センサ（検出手段） １１ 形状センサ（検出手段） １２ 湿度センサ（検出手段）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電源により高周波を発振する高周波発信源
   と、前記高周波により加熱される食品などを出し入れす
   る加熱室と、前記加熱室に前記高周波を導く少なくとも
   １つ以上の導波管と、前記導波管の中に設けた金属板
   と、前記金属板を駆動する駆動手段と、前記金属板を高
   出力が得られる位置へ駆動もしくは停止する制御手段と
   からなる高周波加熱装置。
2. 【請求項２】前記制御手段は、前記加熱室内の食品の物
   理量（重量、形状、誘電率など）、前記加熱室内の電解
   分布を検出する検出手段、前記食品の物理量の変化（水
   分変化、誘電率変化）を検出する検出手段の少なくとも
   １つ以上の検出手段の信号により、前記金属板を高出力
   が得られる位置へ駆動もしくは停止する構成とした請求
   項１記載の高周波加熱装置。