JPH06104010A - 密閉形二次電池 - Google Patents

密閉形二次電池

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JPH06104010A JP4277984A JP27798492A JPH06104010A JP H06104010 A JPH06104010 A JP H06104010A JP 4277984 A JP4277984 A JP 4277984A JP 27798492 A JP27798492 A JP 27798492A JP H06104010 A JPH06104010 A JP H06104010A
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荻 張
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接合部の接合強度を高め、寿命および信頼性
を向上させることができる密閉形二次電池を得る。 【構成】 固体電解質管1の開口部にα−アルミナリン
グ2がガラス半田接合されてなり、このα−アルミナリ
ング2の一方の面に陰極蓋3を、前記一方の面または他
方の面に陽極蓋4を接合し、かつこの接合を珪素と少な
くともチタン、ジルコニウム、クロムから選択された一
つの金属とを含有するアルミニウム層12を介在させて
行う。 【効果】 陰極蓋3とα−アルミナリング2との接合部
および陽極蓋4とα−アルミナリング2との接合部のア
ルミニウム層を活性化させることができるので、気密性
を高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は密閉形二次電池に関する
もので、さらに詳しく言えば、イオン伝導性の固体電解
質管の内部に陰極室を、外部に陽極室を形成してなる密
閉形二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオン伝導性の固体電解質管の内部に陰
極室を、外部に陽極室を形成してなる密閉形二次電池と
しては、陰極室に陰極活物質としてのナトリウムを、陽
極室に陽極活物質としての硫黄を用いた電池がある。
【0003】このような密閉形二次電池の従来の構造を
図3および図4のナトリウム−硫黄電池の要部断面図に
よって説明する。
【0004】すなわち、図3の密閉形二次電池は、固体
電解質管1の上端にα−アルミナリング2がガラス半田
接合され、このα−アルミナリング2の上面に陰極蓋3
が、下面に陽極蓋4がそれぞれ熱圧接合され、前記陰極
蓋3には陰極端子5が溶接されるとともに、その中央部
を貫通して陰極集電体としての陰極パイプ6が溶接さ
れ、その下方を内部に金属繊維7が配された前記固体電
解質管1内に挿入し、約150℃の保温下において前記
陰極パイプ6より固体電解質管1内を排気した後、同温
度で溶融させたナトリウム8を真空充填し、充填後陰極
端子5の上端を封止して陰極室構成体とし、この陰極室
構成体を円筒形の硫黄成形体10が内挿され、陽極集電
端子11が溶接された陽極集電体を兼ねる電槽9内に挿
入してその上端を前記陽極蓋4と真空溶接してなる。
【0005】一方、図4の密閉形二次電池は、α−アル
ミナリング2の上面に陰極蓋3と陽極蓋4とが熱圧接合
されてなる以外は図3の密閉形二次電池と同一である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した構造の密閉形
二次電池では、α−アルミナリング2と陰極蓋3または
陽極蓋4との熱圧接合を高純度のアルミニウムを介して
行い、アルミニウムをα−アルミナリング2と陰極蓋3
または陽極蓋4とに相互拡散させているが、陰極活物質
としてのナトリウムや反応生成物としての多硫化ナトリ
ウムおよびα−アルミナリング中の珪素によって接合部
にアルミニウム、ナトリウム、珪素からなる腐食相が生
成して気密不良が発生するという問題があった。
【0007】上記した腐食相の生成を抑制する方法とし
て、珪素の含有率を減少させることも考えられるが、珪
素の含有率を減少させると、接合部の強度が小さくなる
という問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、イオン伝導性の固体電解質管の開口部に
α−アルミナリングが接合されてなり、前記α−アルミ
ナリングの一方の面に陰極蓋が接合され、この陰極蓋に
よって密閉される陰極室と、前記α−アルミナリングの
一方の面または他方の面に陽極蓋が接合され、この陽極
蓋によって密閉される陽極室とを備えてなる密閉形二次
電池において、前記陰極蓋とα−アルミナリングおよび
陽極蓋とα−アルミナリングとが珪素と少なくともチタ
ン、ジルコニウム、クロムから選択された一つの金属と
を含有するアルミニウムを介在させて接合されてなるこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【作 用】本発明は、珪素と少なくともチタン、ジルコ
ニウム、クロムから選択された一つの金属とを含有する
アルミニウムを介在させて陰極蓋とα−アルミナリング
および陽極蓋とα−アルミナリングとを接合しているの
で、前記アルミニウム中に固溶しているチタン、ジルコ
ニウム、クロムがアルミニウムの表面を活性化して接合
強度を高めることができる。
【0010】
【実施例】図1および図2は、本発明の密閉形二次電池
の断面図で、図3および図4と同一部分には同じ符号を
付して以下の説明を省略する。
【0011】本発明の特徴は、図1および図2に示した
如く、陰極蓋3とα−アルミナリング2および陽極蓋4
とα−アルミナリング2が珪素と少なくともチタン、ジ
ルコニウム、クロムから選択された一つの金属を含有す
るアルミニウム層12を介在させて接合したものであ
る。
【0012】前記アルミニウム層12は厚みが0.2〜
2mm、珪素の含有率が10〜100PPM、チタンの
含有率が1000PPM以下、ジルコニウムの含有率が
700PPM以下、クロムの含有率が2000PPM以
下で、各々のアルミニウム層を陰極蓋3とα−アルミナ
リング2との間および陽極蓋4とα−アルミナリング2
との間に配し、温度約600〜625℃、圧力約120
0〜1600kg/cm2 で5〜30分間保持して空気
中で熱圧接合して本発明電池を製作した。
【0013】上記した各物質を含有するアルミニウム層
12を用いた図1および図2の本発明電池から任意に5
個抽出し、引張試験によりα−アルミナリング2と陰極
蓋3およびα−アルミナリング2と陽極蓋4との接合強
度を図3および図4の従来電池と比較した。また、上記
本発明電池10セルと従来電池10セルとについて、ヘ
リウムリーク量によって気密性を調査した。表1は上記
調査結果を示すものである。
【0014】表1は、珪素の含有率を10PPMとし、
チタンの含有率を変化させた場合の本発明電池の従来電
池に対する接合強度の上昇率と気密性とを示すものであ
る。
【0015】
【表1】
【0016】表1から、珪素の含有率を10PPMとし
た場合、チタンの含有率が1000PPM以下であれ
ば、気密性、接合強度を高めることができ、珪素の含有
率を100PPMとし、さらにジルコニウムを700P
PM、クロムを2000PPM含有させても同様であっ
た。また、図1、図2の電池についても差異はなかっ
た。
【0017】表2は,珪素の含有率を10PPMとし、
ジルコニウムの含有率を変化させた場合の本発明電池の
従来電池に対する接合強度の上昇率と気密性とを示すも
のである。
【0018】
【表2】
【0019】表2から、珪素の含有率を10PPMとし
た場合は、ジルコニウムの含有率が700PPM以下で
あれば、気密性、接合強度を高めることができ、珪素の
含有率を100PPMとし、さらにチタンを1000P
PM、クロムを2000PPM含有させても同様であっ
た。また、図1、図2の電池についても差異はなかっ
た。
【0020】表3は、珪素の含有率を10PPMとし、
クロムの含有率を変化させた場合の本発明電池の従来電
池に対する接合強度の上昇率と気密性とを示すものであ
る。
【0021】
【表3】
【0022】表3から、珪素の含有率を10PPMとし
た場合は、クロムの含有率が2000PPM以下であれ
ば、気密性、接合強度を高めることができ、珪素の含有
率を100PPMとし、さらにチタンを1000PP
M、ジルコニウムを700PPM含有させても同様であ
った。また、図1、図2の電池についても差異はなかっ
た。
【0023】上記した各金属は、チタンを1000PP
M以上、ジルコニウムを700PPM以上、クロムを2
000PPM以上にすると、アルミニウム中から接合部
に析出して接合強度や気密性を低下させる原因になるの
で、上記含有率以下にするのが好ましい。
【0024】
【発明の効果】上記したとおりであるから、本発明の密
閉形二次電池は、陰極蓋とα−アルミナリングとの接合
部のアルミニウム層および陽極蓋とα−アルミナリング
との接合部のアルミニウム層を活性化でき、気密性を高
めることができるので、密閉形二次電池の信頼性および
寿命の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉形二次電池の要部断面図である。
【図2】本発明の密閉形二次電池の要部断面図である。
【図3】従来の密閉形二次電池の要部断面図である。
【図4】従来の密閉形二次電池の要部断面図である。
【符号の説明】
1 固体電解質管 2 α−アルミナリング 3 陰極蓋 4 陽極蓋 12 アルミニウム層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【表2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【表3】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン伝導性の固体電解質管の開口部に
    α−アルミナリングが接合されてなり、前記α−アルミ
    ナリングの一方の面に陰極蓋が接合され、この陰極蓋に
    よって密閉される陰極室と、前記α−アルミナリングの
    一方の面または他方の面に陽極蓋が接合され、この陽極
    蓋によって密閉される陽極室とを備えてなる密閉形二次
    電池において、前記陰極蓋とα−アルミナリングおよび
    陽極蓋とα−アルミナリングとが珪素と少なくともチタ
    ン、ジルコニウム、クロムから選択された一つの金属と
    を含有するアルミニウム層を介在させて接合されてなる
    ことを特徴とする密閉形二次電池。
  2. 【請求項2】 珪素の含有率が10〜100PPMであ
    ることを特徴とする請求項第1項記載の密閉形二次電
    池。
  3. 【請求項3】 珪素の含有率が10〜100PPMであ
    り、かつチタンの含有率が1000PPM以下、ジルコ
    ニウムの含有率が700PPM以下、クロムの含有率が
    2000PPM以下であることを特徴とする請求項第1
    項記載の密閉形二次電池。
  4. 【請求項4】 陰極室に収納される陰極活物質がナトリ
    ウムであり、陽極室に収納される陽極活物質が硫黄であ
    り、イオン伝導性の固体電解質管がβ−アルミナまたは
    β”−アルミナであることを特徴とする請求項第1項記
    載の密閉形二次電池。
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