JPH06103086B2 - 汚泥溶融システム - Google Patents

汚泥溶融システム

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JPH06103086B2
JPH06103086B2 JP4150097A JP15009792A JPH06103086B2 JP H06103086 B2 JPH06103086 B2 JP H06103086B2 JP 4150097 A JP4150097 A JP 4150097A JP 15009792 A JP15009792 A JP 15009792A JP H06103086 B2 JPH06103086 B2 JP H06103086B2
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JP
Japan
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exhaust gas
heat exchanger
sludge
temperature
dry
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高史 臼井
守生 入山
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荏原インフィルコ株式会社
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/34Indirect CO2mitigation, i.e. by acting on non CO2directly related matters of the process, e.g. pre-heating or heat recovery

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、下水汚泥、焼却残
渣、都市ごみ焼却残渣等の固体廃物即ち汚泥を乾燥粉砕
して溶融炉で燃焼溶融してスラグとして排出し、溶融炉
で発生する排ガスが有する熱エネルギーを利用して前記
汚泥を乾燥させると共に、該排ガスを処理する汚泥溶融
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、汚泥溶融装置において、乾燥機と
して直接加熱式熱風乾燥機を用いる場合には、溶融排ガ
スの保有する熱量を有効に回収するためにガス・ガス型
熱交換器を用いている。また、溶融炉には、例えば、表
面溶融炉、コークスベッド炉及び旋回流式溶融炉があ
る。表面溶融炉及びコークスベッド炉は、原理上、炉室
内に乾燥汚泥を多量に保持して順次溶融して行くため、
炉の形や原料の供給装置の形式等はほぼその構造が固定
されたものとなっている。これに対し、旋回流式溶融炉
は、微粉炭燃焼炉と同様に乾燥汚泥を気流に同伴して輸
送し、該乾燥汚泥を炉内に投入するので、投入装置の構
造やその位置は自由に変更でき、炉の形もかなり自由に
設計できる関係でその形式にはさまざまなものが開発さ
れている。
【0003】このような旋回流式溶融炉としては、横型
あるいは傾斜型の炉室に対して接線方向に乾燥汚泥を投
入する方式(例えば、特開昭64−49814号、実開
昭60−76717号参照)、竪型炉室頂部中心に設置
された補助バーナと同心円を形成する旋回ノズルから乾
燥汚泥を投入する方式(例えば、特開昭61−1050
17号参照)、竪型の炉室に対して補助バーナと乾燥汚
泥投入ノズルとが接線方向をなす方式(例えば、特開平
3−36412号参照)等である。旋回流式溶融炉にお
ける横型あるいは傾斜型では、主燃焼部分の炉壁表面上
のスラグコーティング層を円周方向に均一に形成するこ
とが難しく、炉頂部の旋回ノズルから乾燥汚泥を投入す
る方式では十分な旋回半径を得られないために強い旋回
力を得ることが難しい。また、補助バーナを接線方向に
取り付けた場合にはスラグがバーナタイルに入り込んで
バーナの損耗を生じる等の問題点がある。
【0004】乾燥汚泥の粒径は、一般に、200ミクロ
ン程度が望ましいとされている。これは燃焼速度を速め
ることと旋回流に効率よく同伴させて炉内滞留時間を確
保しより溶融を促進せしめることを目的としている。し
かし、反面、乾燥汚泥の微粒化のために動力の大きい粉
砕機を必要としたり、溶融ミストが排ガスとともに炉外
に飛散し、スラグの回収率が低くなるという欠点があ
る。そのため、炉室出口をサイクロン状に絞りスラグミ
ストの捕捉率を高める工夫もなされている(例えば、特
開昭63−172808号公報参照)。逆に、スラグ化
率を向上させるために、乾燥汚泥の粒径を大きくする
と、未溶融物がスラグに混入し、スラグを再利用するこ
とを考えると、その品質に問題がある。一次燃焼室と二
次燃焼室の接続部は、最も温度が高くなる部位であるた
め、スラグミストの捕捉を目的に断面を絞った構造とす
ると、熱とスラグの浸食により耐火物の損耗が激しくな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、旋回流
式溶融炉で発生する溶融排ガス即ち排ガスの温度は、通
常の焼却炉から排出される排ガスに比較して非常に高く
なる。そのため、旋回流式溶融炉から排出される排ガス
が有する熱エネルギーを利用するために、旋回流式溶融
炉の後段に熱交換器を配置する場合に、該熱交換器が熱
伝達面の温度が高くなるガス・ガス型熱交換器を使用す
ると、排ガスに含まれる飛散溶融ミスト等が熱交換器の
熱伝達面に溶着し、熱交換の性能の低下や溶融ミスト等
が付着して煙道の閉塞等の問題が発生する。
【0006】そこで、この発明の目的は、上記課題を解
決することであり、溶融炉から排出される排ガスの熱エ
ネルギーを有効に利用するため、溶融炉の後段に配置さ
れている第1熱交換器に導入する場合に、第1熱交換器
に送り込まれる排ガスの温度を排ガスに含まれる共融塩
類の軟化温度以下に制御し、更に第1熱交換器の後段に
配置されている第2熱交換器に送り込まれる排ガスの温
度を排ガスに含まれる飛灰の凝固温度以下に制御し、共
融塩類が各熱交換器、排ガス通路等の壁面に付着するの
を防止する安価で且つメインテナンスが容易な汚泥溶融
システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するために、次のように構成されている。即ち、こ
の発明は、乾燥汚泥を燃焼溶融するための一次燃焼室と
該一次燃焼室に連通する二次燃焼室とを有する溶融炉、
該溶融炉に接続する排ガス通路、該排ガス通路を通じて
排出される排ガスで燃焼空気を加熱する第1熱交換器、
該第1熱交換器の後段に接続した汚泥を乾燥するための
乾燥排ガスを加熱する第2熱交換器、該第2熱交換器の
後段に接続した排ガスを処理する排ガス処理装置、該排
ガス処理装置からの排ガスを外部へ排出するための送風
機、前記第2熱交換器で加熱された乾燥排ガスを更に加
熱する熱風発生炉、該熱風発生炉からの乾燥排ガスによ
って泥状を乾燥する乾燥機及び該乾燥機で乾燥した乾燥
汚泥を貯留し且つ定量的に前記溶融炉に空気輸送する乾
燥汚泥供給装置を有する汚泥溶融システムにおいて、前
記乾燥機から排出した乾燥排ガスの一部を前記第1熱交
換器に導入する乾燥排ガス通路、該乾燥排ガス通路に接
続して乾燥排ガスを前記第2熱交換器で加熱して前記熱
風発生炉に送り込む分岐乾燥排ガス通路、前記第1熱交
換器に導入される排ガスの温度を調節するために前記第
2熱交換器を通過した排ガスの一部を前記第1熱交換器
に導入する排ガス循環通路、該排ガス循環通路に設けた
排ガス循環用送風機、及び前記第2熱交換器に導入され
る排ガスの温度を調節するために前記排ガス循環通路に
接続して排ガスを前記第2熱交換器に導入する分岐排ガ
ス循環通路を有することを特徴とする汚泥溶融システム
に関する。
【0008】また、この汚泥溶融システムにおいて、前
記排ガス処理装置は、前記第2熱交換器の後段に配置し
た集塵器と該集塵器の後段に配置した脱硫装置から成
り、前記排ガス循環通路は前記第2熱交換器の後流に接
続するか、前記集塵器の後流に接続するか、或いは前記
送風機から送り出される排ガスを外部へ排出する煙突、
及び該煙突と前記送風機の間の通路に設けた排ガス流量
調整手段を有し、前記排ガス処理装置は前記送風機と前
記排ガス流量調整手段との間の前記通路に接続している
ものである。
【0009】また、この汚泥溶融システムにおいて、前
記溶融炉における前記一次燃焼室と前記二次燃焼室との
接続部の開口面積は拡大した形状に形成され、且つ前記
二次燃焼室と前記排ガス通路との接続部の開口面積は縮
小した形状に形成されているおり、また、前記送風機か
ら送り出される排ガスを外部へ排出する煙突及び前記第
2熱交換器と前記排ガス処理装置との間に配置された前
記煙突に導入する白煙防止用ガスを加熱する第3熱交換
器を有している。
【0010】更に、この汚泥溶融システムは、前記第1
熱交換器に導入する排ガス流量を調節する前記排ガス循
環通路に設けた第1調節弁、前記第2熱交換器に導入す
る排ガス流量を調節する前記分岐排ガス循環通路に設け
た第2調節弁、前記第1熱交換器に導入する乾燥排ガス
流量を調節する前記乾燥排ガス通路に設けた第4調節
弁、前記第1熱交換器に導入する排ガスの温度を検出す
る第1センサー、前記第2熱交換器に導入する排ガスの
温度を検出する第2センサー、並びに前記第1熱交換器
と前記第2熱交換器に導入される排ガスの各温度を調節
するために、前記第1センサーと前記第2センサーから
の検出信号に応答して前記第1調節弁、前記第2調節弁
及び前記第4調節弁の開閉状態を制御するコントローラ
を有しており、具体的には、前記第1熱交換器に導入す
る排ガスの温度を1100℃以下に且つ前記第2熱交換
器に導入する排ガスの温度を800℃以下に制御するも
のである。また、この汚泥溶融システムは、前記溶融炉
に設けたスラグ排出装置、該スラグ排出装置から排出さ
れる排ガスを前記第2熱交換器の後流に送り込むバイパ
ス通路、及び該バイパス通路に設けた第3調節弁を有
し、前記コントローラによって前記第3調節弁を開閉状
態を制御し、排ガスの一部を前記スラグ排出装置を通じ
て前記第2熱交換器の後流にバイパスし、前記第1熱交
換器及び前記第2熱交換器に導入される排ガスの温度の
調節を補助するものである。
【0011】
【作用】この発明による汚泥溶融システムは、上記のよ
うに構成されているので、次のように作用する。即ち、
この汚泥溶融システムは、乾燥機から排出した乾燥排ガ
スの一部を第1熱交換器に導入する乾燥用ガス通路、該
乾燥排ガス通路に接続して乾燥排ガスを第2熱交換器で
加熱して熱風発生炉に送り込む分岐乾燥排ガス通路、前
記第1熱交換器に導入される排ガスの温度を調節するた
めに第3熱交換器から排出した排ガスの一部を前記第1
熱交換器に導入する排ガス循環通路、該排ガス循環通路
に設けた排ガス循環用送風機、及び前記第2熱交換器に
導入される排ガスの温度を調節するために前記排ガス循
環通路に接続して排ガスを前記第2熱交換器に導入する
分岐排ガス循環通路を有するので、前記第1熱交換器及
び前記第2熱交換器を順次に通って熱交換された排ガス
の温度は低下し、該低下した排ガスを前記溶融炉から排
出した排ガス中に混入することができ、該排ガスの温度
を低下させることができる。
【0012】それ故に、排ガスの温度が低下し、排ガス
中に含まれている飛灰の軟化温度以下になって前記第1
熱交換器に導入され、前記第1熱交換器の壁面に付着す
ることが防止される。次いで、前記第2熱交換器に導入
される前に、排ガスの温度は共融塩の凝固温度以下に低
下されているので、前記第2熱交換器に入る時に、共融
塩はすでに凝固しており、前記第2熱交換器内で凝固す
ることはないので、壁面に付着するようなことが防止さ
れる。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による汚泥
溶融システムの実施例を説明する。図1はこの発明によ
る汚泥溶融システムの一実施例を示すブロック図、図2
は図1の汚泥溶融システムで使用されている溶融炉を示
す断面図、図3は図2に示す線A−Aにおける断面図、
及び図4は図2に示す線B−Bにおける断面図である。
【0014】図1に示すように、この汚泥溶融システム
は、溶融炉1、該溶融炉1で発生する溶融排ガス(以
下、排ガスという)を排出するため、溶融炉1に接続す
る排ガス通路24、該排ガス通路24を通じて排出され
る排ガスで燃焼空気を加熱する第1熱交換器即ち熱交換
器3、該熱交換器3の後段に接続した汚泥を乾燥するた
めの乾燥排ガスを加熱する第2熱交換器即ち熱交換器
4、該熱交換器4の後段に接続した白煙防止用空気を加
熱する第3熱交換器即ち熱交換器5、該熱交換器5の後
段に接続した排ガスを処理する排ガス処理装置、該排ガ
ス処理装置からの排ガスを外部へ排出するための送風機
8、熱交換器4で加熱された乾燥排ガスを更に加熱する
熱風発生炉9、該熱風発生炉9からの乾燥排ガスによっ
て有機性泥状物等の汚泥を乾燥する乾燥機10、及び該
乾燥機10で乾燥した乾燥汚泥を貯留し且つ定量的に溶
融炉1に空気輸送する乾燥汚泥供給装置15を有してい
る。上記排ガス処理装置は、熱交換器5の後段に配置し
た乾式電気集塵器6と該乾式電気集塵器6の後段に配置
した脱硫装置7から構成されている。
【0015】この汚泥溶融システムにおいて、熱風発生
炉9はバーナ等を備えており、冷風吸い込み弁13を通
じて取り入れられた冷風及び循環している乾燥排ガスを
熱交換器4でまず加熱して加熱ガスを生成し、次いで、
該加熱ガスを熱風発生炉9のバーナによって更に加熱
し、その加熱ガスを乾燥機10に送り込む。ここで、冷
風吸い込み弁13は、調節弁16によって引き抜かれる
ガス量によって変化する圧力を調整するため使用されて
いる。乾燥機10に送り込まれた加熱ガスは乾燥機10
に外部から投入した汚泥を加熱して乾燥し、乾燥された
汚泥は乾燥汚泥としてエアコンベア等の移送手段で乾燥
汚泥供給装置15に送り込まれる。乾燥機10を通った
加熱ガスは集塵装置11に送り込まれ、集塵装置11で
加熱ガスに含まれるごみ、パティキュレート、乾燥汚泥
等が集塵される。集塵装置11は、サイクロン、バグフ
ィルタ或いは両者の併用が好ましい。集塵装置11の後
流には、冷風を外部から取り入れるための通路が接続さ
れ、該通路には冷風吸い込み弁13が設けられている。
そこで、集塵装置11から放出された乾燥排ガス及び外
部空気は、乾燥排ガス用送風機14によって蒸発水分を
除湿するため水洗浄塔12に吸い込まれる。使用する水
量に制限がある場合には間接冷却法によってもよい。次
いで、乾燥排ガス用送風機14で送り出されたガスは、
乾燥排ガス通路30及び分岐乾燥排ガス通路31に送り
出される。また、熱交換器5は、外部から取り入れた空
気を排ガスで熱交換して加熱して白煙防止用空気を生成
するものであり、該白煙防止用空気を煙突20へ送り込
んで白煙の発生を防止する。
【0016】溶融炉1は、図2に示すように、旋回流式
溶融炉であり、乾燥汚泥を燃焼溶融する縦型円筒状の一
次燃焼室25と、一次燃焼室25に連通する傾斜型の二
次燃焼室26とから構成されている。溶融炉1における
一次燃焼室25と二次燃焼室26との接続部27、即ち
一次燃焼室25の下部はほぼ同径であり、接続部27の
角部は面取りされている。また、二次燃焼室26と縦型
の排ガス通路24との接続部29の開口面積は縮小した
形状に形成されている。排ガス通路24は、溶融炉1の
排ガスと溶融スラグを分離する分離室28を有してお
り、熱交換器3は排ガス通路24の出口に接続されてい
る。
【0017】溶融炉1は、頂部に補助バーナ37を持
ち、乾燥汚泥と予熱された燃焼空気を混合して炉室内側
壁に対して接線方向に燃焼空気を導入するように取り付
けられた投入ノズル38を有する竪型の一次燃焼室25
と、その下部において接続する炉室後部に補助バーナ3
9を有する傾斜した二次燃焼室26から構成されてい
る。乾燥汚泥ホッパを有する乾燥汚泥供給装置15から
一次燃焼室25の上部側の乾燥汚泥投入ノズル38まで
空気輸送された乾燥汚泥は、予熱空気と混合して溶融炉
1に投入される。溶融炉1に投入される直前に予熱空気
と乾燥汚泥を混合することにより、乾燥汚泥の予熱と熱
分解の促進を図り、少しでも速やかに乾燥汚泥が炉室内
で燃焼を開始できるよう意図したものである。また、両
者を混合して同一ノズルから吐出することにより、吐出
速度の確保にも効果がある。
【0018】乾燥汚泥は、空気輸送や炉室内での分散や
燃焼を考慮して水分は10%以下が望ましい。炉室は燃
焼やスラグ流れの円周方向における偏りを少なくするた
め、竪型円筒状とすることが望ましい。乾燥汚泥投入ノ
ズル38を接線方向に取り付けることにより、炉室頂部
の旋回ノズルから下向きに乾燥汚泥を投入することに比
べて強い旋回が得られ、1mm程度の粒径の乾燥汚泥で
も熱分解及び燃焼をしつつ炉室内壁面上をより効果的に
転動し凝集して溶融面に捕捉され、溶融するので、再飛
散が抑制され、スラグ化率を向上させることができる。
しかし、乾燥汚泥の発熱量が低下した時等、燃焼速度や
熱量の関係から一次燃焼室25内ですべての乾燥汚泥が
溶融するまで完結することは困難なため、一部に残留す
る未溶融物の完全溶融をするために傾斜型の二次燃焼室
26が必要である。
【0019】溶融スラグは、温度が同じ場合、スラグ中
の成分であるCaOとSiO2 の比によって示される塩
基度の値によって粘性が異なる。一般に、下水汚泥の塩
基度は、無添加の状態では、0.15〜0.25で0.
22以上で比較的粘性が低く、二次燃焼室26の傾斜角
度は10〜15度で良い。0.18〜0.22では、二
次燃焼室26の傾斜角度は15〜25度が必要であり、
0.18以下では25〜40度の傾斜角度が必要であ
る。ただし、スラグの粘性は、補助燃料の燃焼によるス
ラグの温度調整や消石灰添加による成分の調整によって
低くできるので、条件によって選択設定すれば良い。二
次燃焼室26の容積は、既に、一次燃焼室25で70%
以上の燃焼を完結している関係で、一次燃焼室25の容
積より小さくて良い。
【0020】一次燃焼室25の下部と二次燃焼室26と
の接続部27は、一次燃焼室25でのスラグミスト捕捉
効率を高めるために、サイクロン状に絞ることが従来行
われていたが、乾燥汚泥粒径を約200ミクロンから1
mm以下という条件にすることにより、この絞りを用い
ずに十分な捕捉効率を実現できる。また、従来の接続部
27の絞り構造は、溶融炉1の中で最も温度が高く、ス
ラグの浸食の激しい損耗を生じ実用上好ましくないこと
が分かった。従って、この接続部27の構造としては、
絞り構造とせず接合部にできる壁面形状を鈍角にするよ
う面取りをすることも重要である。
【0021】また、二次燃焼室26の出口即ち排ガス通
路24との接続部29は、スラグによる損耗がさほど顕
著でないため及びスラグミストの補集効率の向上とスラ
グ流出口付近の温度を維持するために、外部への熱の輻
射放散を防止する意味で絞り構造とするのが好ましいこ
とが分かった。この場合、絞り開口の底部は、スラグの
流出を円滑に行わしめるために、二次燃焼室26の底部
延長線上に位置するように偏心させ、接続部29の絞り
の程度は、通常運転時に、二次燃焼室26の出口ガス速
度が20m/sec以下となるように開口の寸法を決定
するのが好ましい。20m/sec以上に排ガスの流速
を速くすると、圧力損失が増大し、対向壁に熱風及びス
ラグミストを吹き付けることにより壁面の摩耗浸食が増
大するので好ましくない。なお、二次燃焼室26の出口
が開口する三次燃焼室40は残留するわずかなスラグミ
ストを溶融排ガスから分離するために、二次燃焼室26
に比べて大きな断面積が必要であり、その断面積は流速
が5m/sec以下となるよう決定するのが好ましい。
【0022】汚泥の発熱量が低い場合には、熱量を補う
ために補助バーナ39を併用して温度保持を行う必要が
ある。バーナ39によって加熱を要する部位は比較的に
バーナ39に近い炉室壁面であることと、炉室内の旋回
流を更に助長する意味からバーナ39は側壁の接線方向
取付けが良いが、灰分やスラグに作用する遠心力によっ
てバーナタイルへのスラグ堆積やバーナチップの損耗を
生じるので、炉頂軸方向の位置に取り付けることが必要
である。また、軸方向の取り付けとした場合、燃焼空気
による旋回を阻害しないために、バーナ39も火炎の短
い旋回火炎型とすることが望ましい。火炎長さの長いバ
ーナ39を使用した場合には、炉室中部或いは下部の主
燃焼ゾーンを加熱することになり、両者の相乗効果によ
って局部的な過熱による耐火物の損耗や排ガス中のNO
X 濃度の増大を招く。
【0023】燃焼空気は、溶融炉1の一次燃焼室25に
乾燥汚泥と混合して吹き込む以外に、溶融炉1内全体の
旋回維持と燃焼域を分散することによる窒素酸化物低減
を目的として、一次燃焼室25と二次燃焼室26に分散
してそれぞれ複数個のノズル41が設けられている。ノ
ズル41の設置角度は、炉内壁に対して接線方向である
ことが好ましいが、実用上、30度以内で十分である。
乾燥汚泥輸送用空気と予熱燃焼空気との混合後の温度
は、予熱された燃焼空気の温度で異なるが、100〜4
00℃程度である。従って、燃焼空気温度は溶融温度の
1300〜1400℃に比較して非常に低いので、乾燥
汚泥の燃焼による発熱が不十分な場合には、逆にノズル
41付近を冷却する恐れがある。特に、炉室上部は、乾
燥汚泥が燃焼を開始して間もない部位であることから、
十分な温度を確保できない場合がある。汚泥灰分の融点
は、一般に、1150〜1200℃である。また、10
50〜1150℃においては、汚泥灰分が半溶融状態と
なり、クリンカという付着物を形成するため、旋回流を
阻害し、ノズル41の閉塞を生じる恐れがあるので、ノ
ズル41の付近の温度は1200℃以上に保つことが好
ましい。従って、水冷の度合いが強い場合には、上記温
度を維持することが困難になることがある。このような
場合には、水冷ジャケット42への水を通すことを停止
して空冷又は冷却を行わないようにする。
【0024】汚泥の発熱量が高い場合には、混合する燃
焼空気の量を調節して増加させ、ノズル41からの空気
吐出速度を高めることによって旋回流を強めることがで
き、炉室上部での乾燥汚泥滞留時間と燃焼速度を増加さ
せることができるので、炉室上部温度の保持或いは上昇
を期待することができる。しかしながら、ノズル41か
らの空気吐出速度を過度に高めると、耐火物の磨耗を生
じるので、30〜70m/secに設定することが好ま
しい。乾燥汚泥投入ノズル38付近の温度を保持し、ク
リンカの付着を防ぐためには、上記の方法の他、耐火物
保護を目的として行っている水冷をやめて空冷或いは冷
却なしとして、炉室内壁面温度を高めることも有効であ
る。ノズル付近は、炉室中部或いは下部と比較して温度
が低いので、耐火物を水冷する必要性が低いものであ
る。
【0025】この汚泥溶融システムは、特に、乾燥機1
0から排出した乾燥排ガスの一部を熱交換器3に導入す
る乾燥排ガス通路30、乾燥排ガス通路30に接続して
乾燥用ガスを熱交換器4で加熱して熱風発生炉9に送り
込む分岐乾燥排ガス通路31、熱交換器3に導入される
排ガスの温度を調節するために熱交換器5から排出した
排ガスの一部を熱交換器3に導入する排ガス循環通路3
2、排ガス循環通路32に設けた排ガス循環用送風機2
2、及び熱交換器4に導入される排ガスの温度を調節す
るために排ガス循環用通路32に接続して排ガスを熱交
換器4に導入する分岐排ガス循環用通路33を有するこ
とを特徴としている。更に、排ガス循環用通路32は、
熱交換器5の後流に配置された乾式電気集塵器6の後流
に接続されている。
【0026】更に、この汚泥溶融システムは、熱交換器
3に導入する排ガス流量を調節する排ガス循環通路32
に設けた第1調節弁即ち調節弁17、熱交換器4に導入
する排ガス流量を調節する分岐排ガス循環通路33に設
けた第2調節弁即ち調節弁18、熱交換器3に導入する
乾燥排ガス流量を調節する乾燥排ガス通路30に設けた
第4調節弁即ち調節弁16、熱交換器3に導入する排ガ
スの温度を検出する第1センサー即ち温度センサー3
4、熱交換器4に導入する排ガスの温度を検出する第2
センサー即ち温度センサー35、並びに熱交換器3と熱
交換器4に導入される排ガスの各温度を調節するため
に、温度センサー34と温度センサー35からの検出信
号に応答して調節弁17,18及び16の開閉状態を制
御するコントローラ23を有している。
【0027】また、この汚泥溶融システムは、溶融炉1
に設けたスラグ排出装置2、該スラグ排出装置2から排
出される排ガスを第2熱交換器4の後流に送り込むバイ
パス通路36、及び該バイパス通路36に設けた第3調
節弁即ち調節弁19を有しており、コントローラ23に
よって調節弁19を開閉状態を制御し、溶融炉1の排ガ
スをスラグ排出装置2を通じて熱交換器4の後流に送り
込んでバイパスし、熱交換器3及び熱交換器4に導入さ
れる排ガスの温度の調節を補助することができるもので
ある。即ち、この汚泥溶融システムでは、乾燥排ガス通
路30を通じて排ガス通路24に導入した乾燥排ガス
と、排ガス循環通路32及び分岐排ガス循環通路33を
通じて排ガス通路24に導入した排ガス即ち溶融排ガス
とで、熱交換器3と熱交換器4に導入される排ガスの温
度を低下させる場合に、排ガスの温度が設定温度T1
2 以下にならない時に、溶融炉1の排ガスをスラグ排
出装置2から熱交換器4の後流にバイパスし、熱交換器
3と熱交換器4に入り込む排ガス流量を低減して熱交換
器3と熱交換器4とに入り込む排ガスの温度を低減する
ものである。
【0028】この汚泥溶融システムにおいて、乾燥機1
0は、解砕機構を有する有機性泥状物を乾燥する気流乾
燥機であり、入口風量制御を採用することにより、乾燥
機本体の上昇流速を常にある範囲に保つことにより風力
分級効果により飛び出し粒径をある範囲に限定できるも
のが望ましい。しかし、通常、上記のような機構を持つ
乾燥機といえども、汚泥性状の影響を受けて粒径は30
0〜800ミクロン程度変動する。このような変動に対
しても、スラグの性状に悪影響を与えないために溶融炉
1は多段に構成することが望ましい。溶融炉1におい
て、一次燃焼室25は均一な旋回と炉壁へのスラグコー
ティングを行うために縦型円筒状であり、二次燃焼室2
6はスラグの完全溶融とスラグからの脱泡を行うために
傾斜型であることが望ましい。
【0029】また、溶融炉1の排ガス出口に接続する第
1熱交換器3は、使用温度域が高いので、耐熱上二重管
構造の輻射型とすることが望ましいが、熱伝達面積を多
くとることができない構造なので、熱交換量の少ない燃
焼空気を熱交換するのに適用することが望ましい。ま
た、熱交換器3の構造上、排ガスに含まれる飛灰が壁面
に多少の付着したとしても圧力損失の上昇や熱伝達効率
の低下を抑えることができるという利点を有している。
また、乾燥排ガスを加熱する熱交換器4は、熱交換量が
多いため、シェルアンドチューブ式とすることが望まし
い。更に、白煙防止用ガスを加熱する熱交換器5は、主
として煙突20から放出される水蒸気の凝縮に起因する
白煙が住民感情に与える悪影響を払拭するために採用す
るものである。従って、熱交換器5は、不要な場合には
設けなくてもよいものである。
【0030】この汚泥溶融システムについては、溶融炉
1では、98%以上の灰分が溶融し、スラグとなってス
ラグ排出装置2から排出されるが、一部の溶融ミストは
飛散し、高温のため塩化物や低沸点金属塔は揮散する。
微細なダストは、溶融ミストや融解した共融塩類の接着
効果によって、排ガス通路24の煙道壁面や熱交換器
3、熱交換器4及び熱交換器5の伝熱管に溶着し、煙道
や伝熱管の閉塞を生じる。溶融炉1の出口直後、即ち、
燃焼空気を加熱する熱交換器3付近の溶融ミストは、ほ
ぼスラグと同様の組成であり、付着力を生じ始めるのは
灰分の一部が溶融を始める軟化点温度、即ち1000〜
1100℃程度に相当するものである。これに対して、
下流の乾燥排ガス用の熱交換器4付近では、揮散した塩
類が濃縮される結果、共融塩類の影響が強くなり、共融
塩類の凝固点温度、即ち750〜800℃を超えると、
付着力が増大する傾向がある。従って、熱交換器3に導
入する溶融炉1からの排ガスの設定温度T1 は、110
0℃以下に制御することが好ましく、また、熱交換器4
に導入する排ガスの設定温度T2 は、800℃以下に制
御することが好ましいものである。
【0031】ところで、従来の汚泥溶融システムを用い
て、各熱交換器入口温度に特に温度条件を設定せずに運
転を行ったところ、燃焼空気用熱交換器入口温度が11
50℃、乾燥用熱交換器入口温度が850〜900℃と
なり、5〜7日で煙道や熱交換器の管板にダストが堆積
溶着し、排ガス通路即ち煙道の圧力損失の増大、熱交換
器の性能劣化によって運転停止に到った。これに対し
て、この発明による汚泥溶融システムを用いて運転管理
を行ったところ、約3カ月間連続して運転を行うことが
できた。更に、汚泥溶融システムを長期間安定した安定
を継続するためには、更に温度を低く管理する必要があ
るが熱交換効率も低下するので、排ガス温度をあまり低
くすることは省エネルギーの立場から好ましくないもの
である。燃焼空気用熱交換器入口温度を低下せしめるた
めに、混合するガスには優先順位があり、調節弁16を
調節して、乾燥排ガス通路30を通じて熱交換器3の上
流側の排ガス通路24に乾燥排ガスを供給し、乾燥排ガ
スを優先的に使用することが望ましい。それは、乾燥排
ガスには、臭気成分が含まれており、その脱臭のために
高温雰囲気において排ガスを加熱分解せしめる必要があ
るからである。
【0032】また、乾燥用熱源補給用に熱風発生炉9に
おいて使用する補助燃料の燃焼によって乾燥排ガスの酸
素濃度は、10%程度に低下しているため、溶融炉1の
出口に混合するガスの性状としては、低空気比による窒
素酸化物濃度の低減という技術思想に合致するものであ
る。更に、引き抜く乾燥排ガス量は、ほぼ熱風発生炉9
での補助燃料の燃焼で発生したガス量に等しい。従っ
て、乾燥系から引き抜くガス量には限界があるので、温
度降下が不充分な場合は、乾燥排ガス用送風機14の入
口側の冷風吸い込み弁13を調節して外気を吸入するこ
とによって補うことができる。更に、排ガスの温度降下
が満たされない時には、調節弁17を調節して排ガスの
一部を排ガス通路24に導入することが好ましい。ま
た、排ガスは脱臭の必要がないので、比較的低温の乾燥
排ガスの加熱用の熱交換器4の入口側の排ガスの温度を
調節するのに使用することが好ましい。この汚泥溶融シ
ステムにおいて、排ガス及び乾燥排ガスのいずれのガス
も送風機22,14の吐出側から分岐するのは、圧力が
正圧であり、容易に流通でき且つガス量の調節が比較的
に炉圧即ち排ガス通路24内の圧に影響を受け難いこと
に加えて、ガス温度が低くなっており、少量で効果的に
温度を低下せしめることができるからである。
【0033】しかし、溶融排ガスの場合、煙突20の手
前に抵抗となるような排ガスの流量を調整できる調節弁
やオリフィス21等の流量調節手段が必要である。この
ような流量調節手段を排ガス通路24に設けた場合に
は、図1で点線で示すように、排ガス循環通路32を送
風機8と流量調節手段21との間の排ガス通路24に接
続し、排ガスの一部を取り出すように構成することもで
きる。更に、排ガス循環通路32から排ガス通路24へ
のガス量を任意にコントロールする必要がある場合に
は、専用に排ガス循環用送風機22を設置することが望
ましい。この汚泥溶融システムでは、排ガスが脱硫装置
7を通過することにより、水の蒸発によってガスは多く
の顕熱を失っているので、混合による温度降下には効果
的であるが省エネルギー的見地からは最善ではない。熱
の有効利用を優先して考えると、次のような方法をとる
ことが望ましい。この場合、集塵器6の機種によってガ
ス循環のルートが異なる。まず、集塵器として乾式電気
集塵器6を使用する場合には、その使用温度が250〜
300℃に限定される関係上、白煙防止用の熱交換器5
の後段に配置し、その後段に脱硫装置7を配置し、循環
ガスは集塵器6の出口から吸引することが望ましい。
【0034】この発明による汚泥溶融システムは、上記
のように構成されており、次に、この汚泥溶融システム
の作動の一実施例を、図6及び図7に示す処理フロー図
を参照して説明する。この汚泥溶融システムを作動する
ことによって送風機8,14等は作動する。そこで、温
度センサー34によって熱交換器3に導入される排ガス
の温度TX を検出すると共に、温度センサー35によっ
て熱交換器4に導入される排ガスの温度TY を検出する
(ステップ50)。検出温度TX をコントローラ23に
入力して設定温度T1 と比較し、検出温度TX が設定温
度T1 以下であるか否かを判断する(ステップ51)。
X <T1 の場合には、検出温度TY をコントローラ2
3に入力して設定温度T2 と比較し、検出温度TY が設
定温度T2 以下であるか否かを判断する(ステップ5
2)。TY <T2 の場合には、熱交換器3及び熱交換器
4に導入される排ガスの温度TX ,TY は、それぞれ設
定温度T1 ,T2 以下であるので、乾燥排ガスを送り込
んだり、排ガスをフィードバックして循環させたり、或
いは溶融炉1の排ガスをバイパスさせる必要がないの
で、調節弁17、調節弁18、調節弁19、調節弁16
を閉鎖し(ステップ53)、通常の作動を続ける。ま
た、TY ≧T2 の場合には、熱交換器4に導入される排
ガスの温度TY は、設定温度T2 以上であるので、送風
機22を作動して調節弁18を最初は一部開放して排ガ
スをフィードバックさせて循環させる(ステップ5
4)。調節弁18を通じて排ガスを熱交換器4の上流側
の排ガス通路24に送り込んで所定の時間経過した後に
(ステップ55)、再度温度TY を検出し、該検出温度
Y を設定温度T2 と比較判断を繰り返す。この場合、
比較判断の回数Nをカウントし(ステップ56)、所定
回数N1 まで行い、再度の比較判断の度に調節弁18の
開放状態を徐々に大きくし、所定回数N1 時には調節弁
18を全開する。所定回数N1 繰り返して調節弁18を
全開しても(ステップ57)、検出温度TY が設定温度
2 以下にならない場合には、熱交換器4が閉塞等の故
障をしているとして、異常信号を発したり、汚泥溶融シ
ステムの作動を停止する(ステップ58)。
【0035】ステップ51において、TX ≧T1 の場合
には、検出温度TY をコントローラ23に入力して設定
温度T2 と比較し、検出温度TY が設定温度T2 以下で
あるか否かを比較判断する(ステップ59)。TY <T
2 の場合には、熱交換器4に導入される排ガスの温度T
Y は設定温度T2 以下であるので、排ガスをフィードバ
ックして循環させる必要がないので、調節弁18を閉鎖
する(ステップ60)。また、TY ≧T2 の場合には、
熱交換器3に導入される排ガスの温度TX は、設定温度
1 以上であり、熱交換器4に導入される排ガスの温度
Y は、設定温度T2 以上であるので、送風機22を作
動して調節弁16,18を最初は一部開放し、乾燥排ガ
スを調節弁16から送り込むと共に、排ガスを調節弁1
8からフィードバックさせて循環させる(ステップ6
1)。調節弁16を通じて乾燥排ガスを熱交換器3の上
流側の排ガス通路24に送り込むと共に、調節弁18を
通じて排ガスを熱交換器4の上流側の排ガス通路24に
送り込み、所定の時間経過した後に(ステップ62)、
再度温度TX ,TY を検出し、該検出温度TX ,TY
設定温度T1 ,T2 と比較判断を繰り返す。この場合、
比較判断の回数Nをカウントし(ステップ63)、所定
回数N2 まで行い、再度の比較判断の度に調節弁16,
18の開放状態を徐々に大きくし、所定回数N2 時には
調節弁16,18を全開する。所定回数N2 繰り返して
も(ステップ64)、検出温度TX ,TY が設定温度T
1 ,T2 以下にならない場合には、排ガスを熱交換器3
の上流側の排ガス通路24に導入するため、調節弁17
を開放する(ステップ65)。
【0036】この時、調節弁17を最初は一部開放し、
排ガスを調節弁17からフィードバックさせて循環させ
る。調節弁17を通じて排ガスを熱交換器3の上流側の
排ガス通路24に送り込み、所定の時間経過した後に
(ステップ66)、再度温度TX ,TY を検出し、該検
出温度TX ,TY を設定温度T1 ,T2 と比較判断を繰
り返す。この場合、比較判断の回数Nをカウントし(ス
テップ67)、所定回数N3 まで行い、再度の比較判断
の度に調節弁17の開放状態を徐々に大きくし、所定回
数N3 時には調節弁17を全開する。所定回数N3 繰り
返して調節弁17を全開しても(ステップ68)、検出
温度TX ,TY が設定温度T1 ,T2 以下にならない場
合には、溶融炉1から排出される排ガスの一部をスラグ
排出装置2を通じて排出させるため、調節弁19を開放
する(ステップ69)。
【0037】この時、調節弁19を最初は一部開放し、
排ガスを調節弁19からバイパスさせ、該バイパスの排
ガスを熱交換器4の後流の排ガス通路24に排出する。
調節弁19を通じて排ガスを熱交換器4の後流側の排ガ
ス通路24に送り込み、所定の時間経過した後に(ステ
ップ70)、再度温度TX ,TY を検出し、該検出温度
X ,TY を設定温度T1 ,T2 と比較判断を繰り返
す。この場合、比較判断の回数Nをカウントし(ステッ
プ71)、所定回数N4 まで行い、再度の比較判断の度
に調節弁19の開放状態を徐々に大きくし、所定回数N
4 時には調節弁19を全開する。所定回数N4 繰り返し
て調節弁19を全開しても(ステップ72)、検出温度
X ,TY が設定温度T1 ,T2 以下にならない場合に
は、熱交換器3が閉塞等の故障をしているとして、異常
信号を発したり、汚泥溶融システムの作動を停止する
(ステップ73)。
【0038】次に、図5を参照して、この発明による汚
泥溶融システムの別の実施例を説明する。図5に示す汚
泥溶融システムは、図1のものと比較して排ガス循環通
路32の排ガス通路24への接続位置が相違する以外
は、全く同一の構成及び作動であるので、同一の部品に
は同一の符号を付して重複する説明は省略する。この汚
泥溶融システムは、集塵器として湿式電気集塵器6を使
用する場合には、電気集塵器6を腐食から防除するため
に、脱硫装置7を湿式電気集塵器6の前に配置し、該脱
硫装置7の後段に湿式電気集塵器6を配置する。そし
て、排ガス通路24から循環排ガスを取り出すには、脱
硫装置7の上流側で且つ白煙防止用の第3熱交換器5の
出口側に排ガス循環通路32を接続し、第3熱交換器5
の出口から吸引することが望ましい。
【0039】この汚泥溶融システムにおいて、乾燥排ガ
ス及び溶融排ガスの一部を抜き出す量には送風機14及
び22の能力から経済的に限界がある。しかし、汚泥の
発熱量が低い場合或いはスラグの融点が高い場合には、
補助バーナで多くの燃料を燃焼する場合が多い。この場
合、通常よりも入熱量が多くなるため、前述のような低
温ガスの混合のみでは温度を十分低下させることができ
ないことがある。また、乾燥汚泥投入量を調節して温度
調節するという考えもあるが即応性に乏しく溶融炉1の
処理量という基本的な性能を低下せしめることになる。
このような場合、溶融炉1の出口の溶融排ガスの一部を
第3調節弁19を調節して、スラグ排出装置2を経由し
て、燃焼空気加熱用の第1熱交換器3と乾燥排ガス加熱
用の第2熱交換器4をバイパスさせて、第2熱交換器4
の出口に導くことにより、熱交換器通過ガス量の減少と
バイパスダクトにおける放熱によって効果的に各熱交換
器入口温度を低下せしめることができる。また、スラグ
排出装置2を経由することによりスラグ排出部の放熱に
よるスラグ温度降下を阻止し、スラグ固着によるスラグ
の円滑流出渋滞を未然に防ぐ副次的効果を合わせ持つも
のである。
【0040】
【発明の効果】この発明は、上記のように構成されてい
るので、次のような効果を有している。即ち、従来、熱
風直接乾燥機を使用した溶融装置においては煙道や熱交
換器のダストトラブルのために円滑な運転が困難であっ
たが、この汚泥溶融システムでは、下水汚泥のような性
状変動の大きな原料を安定して且つ効率的に溶融でき、
安価で保守容易な溶融システムを提供することができ
る。即ち、この汚泥溶融システムを用いて汚泥を溶融処
理する場合に、排ガスが有する熱エネルギーを熱交換器
で有効に回収し、燃焼空気の加熱したり、汚泥乾燥用の
乾燥排ガスを加熱することができ、しかも、各熱交換器
に導入される排ガスの温度を所定温度以下に制御するこ
とができるので、各熱交換器壁面或いは排ガス通路壁面
に排ガスが含んでいる共融塩類が付着することがなく、
排ガス通路及び各熱交換器の閉塞等の故障が発生せず、
しかも壁面には常に付着物が無いので、熱エネルギーを
有効に回収することができる。
【0041】また、この汚泥溶融システムに組み込んだ
溶融炉は、乾燥汚泥を燃焼溶融する一次燃焼室と該一次
燃焼室に連通する二次燃焼室とを有しており、しかも前
記一次燃焼室と前記二次燃焼室との接続部の開口面積は
拡大した形状に形成され、且つ前記二次燃焼室と前記排
ガス通路との接続部は角部を面取りした形状に形成され
ているので、下水汚泥のような組成や発熱量や乾燥物粒
径が不定期的に変動するような原料を溶融する場合に
も、容易に対応することができ、安定した効率的な運転
を行うことができ、粉砕機や分級機を用いて前処理する
必要がないので、建設費も易く、保守も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による汚泥溶融システムの一実施例を
示すブロック図である。
【図2】図1の汚泥溶融システムで使用されている溶融
炉を示す断面図である。
【図3】図2に示す線A−Aにおける断面図である。
【図4】図2に示す線B−Bにおける断面図である。
【図5】この発明による汚泥溶融システムの別の実施例
を示すブロック図である。
【図6】この汚泥溶融システムの作動の一例を示す処理
フロー図の一部である。
【図7】この汚泥溶融システムの作動の一例を示す処理
フロー図の残りである。
【符号の説明】
1 溶融炉 2 スラグ排出装置 3,4,5 熱交換器 6 集塵器 7 脱硫装置 8,14,22 送風機 9 熱風発生炉 10 乾燥機 15 乾燥汚泥供給装置 16,17,18,19 調節弁 23 コントローラ 24 排ガス通路 25,26 燃焼室(一次燃焼室、二次燃焼室) 30 乾燥排ガス通路 31 分岐乾燥排ガス通路 32 排ガス循環通路 33 分岐排ガス循環通路 34,35 温度センサー 36 バイパス通路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥汚泥を燃焼溶融する溶融炉、該溶融
    炉に接続する排ガス通路、該排ガス通路を通じて排出さ
    れる排ガスで燃焼空気を加熱する第1熱交換器、該第1
    熱交換器の後段に接続した汚泥を乾燥するための乾燥排
    ガスを加熱する第2熱交換器、該第2熱交換器の後段に
    接続した排ガスを処理する排ガス処理装置、該排ガス処
    理装置からの排ガスを外部へ排出するための送風機、前
    記第2熱交換器で加熱された乾燥排ガスを更に加熱する
    熱風発生炉、該熱風発生炉からの乾燥排ガスによって汚
    泥を乾燥する乾燥機及び該乾燥機で乾燥した乾燥汚泥を
    貯留し且つ定量的に前記溶融炉に空気輸送する乾燥汚泥
    供給装置を有する汚泥溶融システムにおいて、前記乾燥
    機から排出した乾燥排ガスの一部を前記第1熱交換器に
    導入する乾燥排ガス通路、該乾燥排ガス通路に接続して
    乾燥排ガスを前記第2熱交換器で加熱して前記熱風発生
    炉に送り込む分岐乾燥排ガス通路、前記第1熱交換器に
    導入される排ガスの温度を調節するために前記第2熱交
    換器を通過した排ガスの一部を前記第1熱交換器に導入
    する排ガス循環通路、該排ガス循環通路に設けた排ガス
    循環用送風機、及び前記第2熱交換器に導入される排ガ
    スの温度を調節するために前記排ガス循環通路に接続し
    て排ガスを前記第2熱交換器に導入する分岐排ガス循環
    通路を有することを特徴とする汚泥溶融システム。
  2. 【請求項2】 前記排ガス処理装置は前記第2熱交換器
    の後段に配置した集塵器と該集塵器の後段に配置した脱
    硫装置から成り、前記排ガス循環通路は前記第2熱交換
    器の後流に接続していることを特徴とする請求項1に記
    載の汚泥溶融システム。
  3. 【請求項3】 前記排ガス処理装置は前記第2熱交換器
    の後段に配置した集塵器と該集塵器の後段に配置した脱
    硫装置から成り、前記排ガス循環通路は前記集塵器の後
    流に接続していることを特徴とする請求項1に記載の汚
    泥溶融システム。
  4. 【請求項4】 前記送風機から送り出される排ガスを外
    部へ排出する煙突、及び該煙突と前記送風機の間の通路
    に設けた排ガス流量調整手段を有し、前記排ガス処理装
    置は前記送風機と前記排ガス流量調整手段との間の前記
    通路に接続していることを特徴とする請求項1に記載の
    汚泥溶融システム。
  5. 【請求項5】 前記送風機から送り出される排ガスを外
    部へ排出する煙突、及び前記第2熱交換器と前記排ガス
    処理装置との間に配置された前記煙突に導入する白煙防
    止用ガスを加熱する第3熱交換器を有することを特徴と
    する請求項1に記載の汚泥溶融システム。
  6. 【請求項6】 前記溶融炉は一次燃焼室と該一次燃焼室
    に連通する二次燃焼室とを有しており、前記一次燃焼室
    と前記二次燃焼室との接続部の開口面積は拡大した形状
    に形成され、且つ前記二次燃焼室と前記排ガス通路との
    接続部は角部を面取りした形状に形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の汚泥溶融システム。
  7. 【請求項7】 前記第1熱交換器に導入する排ガス流量
    を調節する前記排ガス循環通路に設けた第1調節弁、前
    記第2熱交換器に導入する排ガス流量を調節する前記分
    岐排ガス循環通路に設けた第2調節弁、前記第1熱交換
    器に導入する乾燥排ガス流量を調節する前記乾燥排ガス
    通路に設けた第4調節弁、前記第1熱交換器に導入する
    排ガスの温度を検出する第1センサー、前記第2熱交換
    器に導入する排ガスの温度を検出する第2センサー、並
    びに前記第1熱交換器と前記第2熱交換器に導入される
    排ガスの各温度を調節するために、前記第1センサーと
    前記第2センサーからの検出信号に応答して前記第1調
    節弁、前記第2調節弁及び前記第4調節弁の開閉状態を
    制御するコントローラを有することを特徴とする請求項
    1に記載の汚泥溶融システム。
  8. 【請求項8】 前記第1熱交換器に導入する排ガスの温
    度を1100℃以下に制御すると共に、前記第2熱交換
    器に導入する排ガスの温度を800℃以下に制御するこ
    とを特徴とする請求項7に記載の汚泥溶融システム。
  9. 【請求項9】 前記溶融炉に設けたスラグ排出装置、該
    スラグ排出装置から排出される排ガスを前記第2熱交換
    器の後流に送り込むバイパス通路、及び該バイパス通路
    に設けた第3調節弁を有し、前記コントローラによって
    前記第3調節弁を開閉状態を制御し、排ガスの一部を前
    記スラグ排出装置を通じて前記第2熱交換器の後流にバ
    イパスし、前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器に導
    入される排ガスの温度の調節を補助することを特徴とす
    る請求項7に記載の汚泥溶融システム。
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