JPH06103034B2 - 複数シリンダロータリ圧縮機を備えた冷凍サイクル - Google Patents
複数シリンダロータリ圧縮機を備えた冷凍サイクルInfo
- Publication number
- JPH06103034B2 JPH06103034B2 JP57011015A JP1101582A JPH06103034B2 JP H06103034 B2 JPH06103034 B2 JP H06103034B2 JP 57011015 A JP57011015 A JP 57011015A JP 1101582 A JP1101582 A JP 1101582A JP H06103034 B2 JPH06103034 B2 JP H06103034B2
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- JP
- Japan
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- cylinder
- chamber
- suction
- compression
- rotary compressor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F04—POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
- F04C—ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
- F04C23/00—Combinations of two or more pumps, each being of rotary-piston or oscillating-piston type, specially adapted for elastic fluids; Pumping installations specially adapted for elastic fluids; Multi-stage pumps specially adapted for elastic fluids
- F04C23/008—Hermetic pumps
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数個の圧縮室を有するロータリ圧縮機、す
なわち複数シリンダロータリ圧縮機を備え、特に、例え
ば空気調和機、冷凍冷蔵庫等に用いる冷凍サイクルに関
するものである。
なわち複数シリンダロータリ圧縮機を備え、特に、例え
ば空気調和機、冷凍冷蔵庫等に用いる冷凍サイクルに関
するものである。
冷凍サイクルにおいて、その能力が大きかったり、また
は複数段の圧縮過程、膨張過程をもつものなどでは、冷
媒圧縮用に複数台の圧縮機が必要となる。
は複数段の圧縮過程、膨張過程をもつものなどでは、冷
媒圧縮用に複数台の圧縮機が必要となる。
しかし、実際に複数台の圧縮機を用いることは稀で、殆
どの場合は、1台の圧縮機に複数個の圧縮室を有する複
数シリンダ圧縮機が用いられている。その理由は、複数
台の圧縮機を使用するものに比べ、複数シリンダ圧縮機
は、(1)原価が安い、(2)据付けスペースが小さく
てよいことから製品をコンパクトにまとめられる。
(3)冷凍機油を溜めるためのチャンバが1個なので、
冷凍機油のバランスの問題がない、といった利点による
ものである。
どの場合は、1台の圧縮機に複数個の圧縮室を有する複
数シリンダ圧縮機が用いられている。その理由は、複数
台の圧縮機を使用するものに比べ、複数シリンダ圧縮機
は、(1)原価が安い、(2)据付けスペースが小さく
てよいことから製品をコンパクトにまとめられる。
(3)冷凍機油を溜めるためのチャンバが1個なので、
冷凍機油のバランスの問題がない、といった利点による
ものである。
このように、存在価値の高い複数シリンダの圧縮機も現
在の工作技術では実現が困難であるということから、レ
シプロ式(すなわち複数シリンダレシプロ圧縮機)が主
流を占めているのが実状で、複数シリンダロータリ圧縮
機はまだ開発過程にある。
在の工作技術では実現が困難であるということから、レ
シプロ式(すなわち複数シリンダレシプロ圧縮機)が主
流を占めているのが実状で、複数シリンダロータリ圧縮
機はまだ開発過程にある。
複数シリンダロータリ圧縮機が実用化されれば、前記複
数シリンダレシプロ圧縮機に比べて、さらに次のような
優れた利点がある。(1)圧縮性能が優れている、
(2)部品点数が少ないので圧縮機原価が安くなる、
(3)小形になる。
数シリンダレシプロ圧縮機に比べて、さらに次のような
優れた利点がある。(1)圧縮性能が優れている、
(2)部品点数が少ないので圧縮機原価が安くなる、
(3)小形になる。
そこで、このような複数シリンダロータリ圧縮機の実用
化を目指した開発の一例を本発明の背景として説明す
る。
化を目指した開発の一例を本発明の背景として説明す
る。
先ず、本発明を実現するため従来の工作技術で製造可能
な複数シリンダロータリ圧縮機を開発した例を、本発明
の先行技術として説明する。
な複数シリンダロータリ圧縮機を開発した例を、本発明
の先行技術として説明する。
第5図は、本発明の先行技術に係る複数シリンダロータ
リ圧縮機の断面図、第6図は、第5図における上クラン
ク,下クランクの詳細を示す斜視図、第7図は、第6図
の上クランク,下クランクに設けた継手の係合状態を示
す断面図である。
リ圧縮機の断面図、第6図は、第5図における上クラン
ク,下クランクの詳細を示す斜視図、第7図は、第6図
の上クランク,下クランクに設けた継手の係合状態を示
す断面図である。
第5図に示す複数シリンダロータリ圧縮機3において、
チャンバ1、チャンバ上蓋2a、チャンバ下蓋2bの3品に
より高圧圧力室が形成されている。
チャンバ1、チャンバ上蓋2a、チャンバ下蓋2bの3品に
より高圧圧力室が形成されている。
第5図において、シリンダは、上シリンダ26aと下シリ
ンダ26bとに分割されている。モータに近い上圧縮要素3
aは、前記上シリンダ26a、この上シリンダ26a内で偏心
回転する上ローラ5a、この上ローラ5aを偏心回転させ
る、前記モータのモータシャフトに直結されたクランク
軸に係る上クランク6a(本実施例では、モータシャフト
と上クランク6aは一体)、この上クランク6aを支持する
とともに、上シリンダ26aとで上圧縮室16aを構成する上
シリンダ用上ベアリング28aと上シリンダ用下ベアリン
グ27aとから構成されている。
ンダ26bとに分割されている。モータに近い上圧縮要素3
aは、前記上シリンダ26a、この上シリンダ26a内で偏心
回転する上ローラ5a、この上ローラ5aを偏心回転させ
る、前記モータのモータシャフトに直結されたクランク
軸に係る上クランク6a(本実施例では、モータシャフト
と上クランク6aは一体)、この上クランク6aを支持する
とともに、上シリンダ26aとで上圧縮室16aを構成する上
シリンダ用上ベアリング28aと上シリンダ用下ベアリン
グ27aとから構成されている。
一方、上圧縮要素3aの下に位置する下圧縮要素3bは、前
記下シリンダ26b、この下シリンダ26b内で偏心回転する
下ローラ5b、前記上クランク6aから動力伝達されて(動
力伝達の手段については後述する)下ローラ5bを偏心回
転させるクランク軸に係る下クランク6b、この下クラン
ク6bを支持するとともに下シリンダ26bとで下圧縮室16b
を構成する下シリンダ用上ベアリング28bと下シリンダ
用下ベアリング27bとで構成されている。
記下シリンダ26b、この下シリンダ26b内で偏心回転する
下ローラ5b、前記上クランク6aから動力伝達されて(動
力伝達の手段については後述する)下ローラ5bを偏心回
転させるクランク軸に係る下クランク6b、この下クラン
ク6bを支持するとともに下シリンダ26bとで下圧縮室16b
を構成する下シリンダ用上ベアリング28bと下シリンダ
用下ベアリング27bとで構成されている。
そして、チャンバ1内に、前記モータと、前記上圧縮要
素3aと下圧縮要素3bとを連結して(連結の手段について
は後述する)収納し、上圧縮要素3aの上シリンダ26aが
チャンバ1に固定されている。
素3aと下圧縮要素3bとを連結して(連結の手段について
は後述する)収納し、上圧縮要素3aの上シリンダ26aが
チャンバ1に固定されている。
上圧縮要素3aと下圧縮要素3bとの連結は、上シリンダ用
下ベアリング27aに、下シリンダ用上ベアリング28bをボ
ルト29によって固定する。
下ベアリング27aに、下シリンダ用上ベアリング28bをボ
ルト29によって固定する。
ここで、上圧縮要素3aから下圧縮要素3bへの動力伝達の
手段を第6、7図に示す。
手段を第6、7図に示す。
すなわち、クランク軸を、モータシャフト10、上ローラ
5aを偏心運動させる上偏心部7、および凸形継手9aを一
体成形した上クランク6aと、前記凸形継手9aと係合する
凹形継手9b、下ローラ5bを偏心運動させる下偏心部8、
およびシャフト13を一体成形した下クランク6bとの2部
品から構成する。
5aを偏心運動させる上偏心部7、および凸形継手9aを一
体成形した上クランク6aと、前記凸形継手9aと係合する
凹形継手9b、下ローラ5bを偏心運動させる下偏心部8、
およびシャフト13を一体成形した下クランク6bとの2部
品から構成する。
上クランク6aと一体になったモータシャフト10にはロー
タ11が固定され、このロータ11が上クランク6aを回転さ
せる。また、モータシャフト10は、上シリンダ用上ベア
リング28aによって回転自在に支持されている。下クラ
ンク6bのシャフト13は、下シリンダ用下ベアリング27b
によって回転自在に支持されている。
タ11が固定され、このロータ11が上クランク6aを回転さ
せる。また、モータシャフト10は、上シリンダ用上ベア
リング28aによって回転自在に支持されている。下クラ
ンク6bのシャフト13は、下シリンダ用下ベアリング27b
によって回転自在に支持されている。
17は、チャンバ1に嵌合されたステータコア、18はコイ
ルである。
ルである。
このように構成した複数シリンダロータリ圧縮機3は、
次の理由により、従来の工作精度で製作可能である。
次の理由により、従来の工作精度で製作可能である。
すなわち、上圧縮要素3aを構成する上シリンダ26a、上
ローラ5a、そのモータシャフト10にモータのロータ11が
固定された上クランク6a、上シリンダ用上ベアリング28
a、および上シリンダ用下ベアリング27aの工作および組
立は、従来の単一シリンダロータリ圧縮機と何等変ると
ころはない。同様に、下圧縮要素3bを構成する下シリン
ダ26b、下ローラ5b、下クランク6b、下シリンダ用上ベ
アリング28bおよび下シリンダ用下ベアリング27bの工作
および組立は、前述の上圧縮要素3aとは独立に行ない、
その工作精度は当然従来どおりである。
ローラ5a、そのモータシャフト10にモータのロータ11が
固定された上クランク6a、上シリンダ用上ベアリング28
a、および上シリンダ用下ベアリング27aの工作および組
立は、従来の単一シリンダロータリ圧縮機と何等変ると
ころはない。同様に、下圧縮要素3bを構成する下シリン
ダ26b、下ローラ5b、下クランク6b、下シリンダ用上ベ
アリング28bおよび下シリンダ用下ベアリング27bの工作
および組立は、前述の上圧縮要素3aとは独立に行ない、
その工作精度は当然従来どおりである。
このようにして組み立てた上圧縮要素3aの上シリンダ用
下ベアリング27aと、下圧縮要素3bの下シリンダ用上ベ
アリング28bとをボルト29で締結して接続する。このと
き、上クランク6aから下クランク6bへの動力伝達は、前
述したように、継手9a,9bの組合せで行ない、工作精度
を上,下クランク6a,6bの継手部分で逃げるようにす
る。各圧縮要素3a,3bの工作精度は、継手9a,9bの工作精
度よりもはるかに高いので、継手部分で工作精度を逃げ
るのは極めて有効な手段である。
下ベアリング27aと、下圧縮要素3bの下シリンダ用上ベ
アリング28bとをボルト29で締結して接続する。このと
き、上クランク6aから下クランク6bへの動力伝達は、前
述したように、継手9a,9bの組合せで行ない、工作精度
を上,下クランク6a,6bの継手部分で逃げるようにす
る。各圧縮要素3a,3bの工作精度は、継手9a,9bの工作精
度よりもはるかに高いので、継手部分で工作精度を逃げ
るのは極めて有効な手段である。
このように、第5図に示した複数シリンダロータリ圧縮
機3は、従来の工作技術により製作することができる。
機3は、従来の工作技術により製作することができる。
したがって、従来、複数シリンダレシプロ圧縮機を使用
していた冷凍サイクルにおいて、前記圧縮機の代りに本
発明の複数シリンダロータリ圧縮機を使用することによ
り、圧縮性能が向上する、部品点数が少ないので原価が
安くなる、小形になる、という利点がある。
していた冷凍サイクルにおいて、前記圧縮機の代りに本
発明の複数シリンダロータリ圧縮機を使用することによ
り、圧縮性能が向上する、部品点数が少ないので原価が
安くなる、小形になる、という利点がある。
なお、第6,7図に示す例では、上,下クランク6a,6bの継
手部分に、凹凸形の継手9a,9bを使用したが、凹凸形の
継手に限らず、スプライン形の継手、その他などを使用
するようにしてもよい。
手部分に、凹凸形の継手9a,9bを使用したが、凹凸形の
継手に限らず、スプライン形の継手、その他などを使用
するようにしてもよい。
さらに、本実施例においては、上圧縮要素3aと下圧縮要
素3bとの連結の手段は、上シリンダ用ベアリング27a
に、下シリンダ用上ベアリング28bをボルト29で固定す
るようにしているが、上シリンダ用下ベアリング27aに
下シリンダ26bを固定したり、上シリンダ26aに下シリン
ダ用上ベアリング28bを固定したり、あるいは上シリン
ダ26aに下シリンダ26bを固定するようにしてもよい。
素3bとの連結の手段は、上シリンダ用ベアリング27a
に、下シリンダ用上ベアリング28bをボルト29で固定す
るようにしているが、上シリンダ用下ベアリング27aに
下シリンダ26bを固定したり、上シリンダ26aに下シリン
ダ用上ベアリング28bを固定したり、あるいは上シリン
ダ26aに下シリンダ26bを固定するようにしてもよい。
このように構成した複数シリンダロータリ圧縮機3内の
冷媒の流れは、まず、吸込パイプ19から圧縮機内に導び
かれ、シリンダ4に設けられた上吸込路20a,下吸込路20
bを経て、それぞれ上圧縮室16a,下圧縮室16bに入り、圧
縮後、上圧縮室16aからは上吐出弁21aを通り吐出パイプ
22から圧縮機外へ、また下圧縮室16bからは下吐出弁21b
を通り、吐出キャップ23と下ベアリング14とで形成され
た吐出室24へ一旦吐出され、シリンダ4に設けられた吐
出路を通って、吐出パイプ22から圧縮機外へ吐出される
のである。
冷媒の流れは、まず、吸込パイプ19から圧縮機内に導び
かれ、シリンダ4に設けられた上吸込路20a,下吸込路20
bを経て、それぞれ上圧縮室16a,下圧縮室16bに入り、圧
縮後、上圧縮室16aからは上吐出弁21aを通り吐出パイプ
22から圧縮機外へ、また下圧縮室16bからは下吐出弁21b
を通り、吐出キャップ23と下ベアリング14とで形成され
た吐出室24へ一旦吐出され、シリンダ4に設けられた吐
出路を通って、吐出パイプ22から圧縮機外へ吐出される
のである。
上記第5図に示す複数シリンダロータリ圧縮機は、一本
の吸込パイプ19でチャンバ1内へ導いた冷媒ガスを、上
吸込路20aを経て上シリンダ26aの上圧縮室16aへ、上吸
込路20aから分れた下吸込路20bを経て下シリンダ26bの
下圧縮室16bへ導く。
の吸込パイプ19でチャンバ1内へ導いた冷媒ガスを、上
吸込路20aを経て上シリンダ26aの上圧縮室16aへ、上吸
込路20aから分れた下吸込路20bを経て下シリンダ26bの
下圧縮室16bへ導く。
一般によく知られているように、圧縮機の吸込側では、
吸込み行程が終了して瞬間的に吸込路のシリンダ側開口
が塞がれると、その直前までの吸込み行程における冷媒
の流れの慣性が働く。そこで冷媒ガスは、吸込路のシリ
ンダ側開口が開いたときに、シリンダのそれぞれの圧縮
室に一気に密度濃く押し込まれる、いわゆる慣性過給効
果が生じる。
吸込み行程が終了して瞬間的に吸込路のシリンダ側開口
が塞がれると、その直前までの吸込み行程における冷媒
の流れの慣性が働く。そこで冷媒ガスは、吸込路のシリ
ンダ側開口が開いたときに、シリンダのそれぞれの圧縮
室に一気に密度濃く押し込まれる、いわゆる慣性過給効
果が生じる。
しかるに、一本の吸込管路で複数のシリンダに冷媒ガス
を導く構造のものでは、各圧縮要素で発生した圧力脈動
が吸込管路で干渉し合い、吸込側における圧力損失が避
けられず、慣性過給の効果を減少させるという問題があ
った。
を導く構造のものでは、各圧縮要素で発生した圧力脈動
が吸込管路で干渉し合い、吸込側における圧力損失が避
けられず、慣性過給の効果を減少させるという問題があ
った。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもの
で、複数の圧縮要素同士の圧力脈動の干渉がなく、吸込
側の圧力損失を低減するとともに、慣性過給の効果によ
り冷凍能力を向上しうる複数シリンダロータリ圧縮機を
備えた冷凍サイクルを提供することを目的とする。
で、複数の圧縮要素同士の圧力脈動の干渉がなく、吸込
側の圧力損失を低減するとともに、慣性過給の効果によ
り冷凍能力を向上しうる複数シリンダロータリ圧縮機を
備えた冷凍サイクルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る複数シリンダ
ロータリ圧縮機を備えた冷凍サイクルの構成は、チャン
バと、このチャンバ内に収納された1台のモータと、少
なくとも、シリンダ、このシリンダ内で偏心回転するロ
ーラ、このローラを偏心回転させるクランク軸、このク
ランク軸を支持するとともに、前記シリンダとで圧縮室
を構成するベアリングとからなり、前記モータに連結さ
れて前記チャンバ内に収納された複数の圧縮要素とから
なる複数シリンダロータリ圧縮機を用いる冷凍サイクル
において、前記複数の各圧縮要素にそれぞれ独立して前
記チャンバを貫通して設けられた吸込路と、前記複数の
圧縮要素からそれぞれ独立して前記チャンバ内に一旦吐
出された冷媒ガスを一緒にしてチャンバ外へ導く共通の
吐出路とを備え、この複数シリンダロータリ圧縮機にお
ける前記吐出路と前記複数の吸込路との間に複数のサイ
クル要素を具備し、前記複数の吸込路が独立して前記サ
イクル要素の異なる部分に接続され、前記吐出路が前記
吸込路の接続したサイクル要素とは別のサイクル要素に
接続されるようにしたものである。
ロータリ圧縮機を備えた冷凍サイクルの構成は、チャン
バと、このチャンバ内に収納された1台のモータと、少
なくとも、シリンダ、このシリンダ内で偏心回転するロ
ーラ、このローラを偏心回転させるクランク軸、このク
ランク軸を支持するとともに、前記シリンダとで圧縮室
を構成するベアリングとからなり、前記モータに連結さ
れて前記チャンバ内に収納された複数の圧縮要素とから
なる複数シリンダロータリ圧縮機を用いる冷凍サイクル
において、前記複数の各圧縮要素にそれぞれ独立して前
記チャンバを貫通して設けられた吸込路と、前記複数の
圧縮要素からそれぞれ独立して前記チャンバ内に一旦吐
出された冷媒ガスを一緒にしてチャンバ外へ導く共通の
吐出路とを備え、この複数シリンダロータリ圧縮機にお
ける前記吐出路と前記複数の吸込路との間に複数のサイ
クル要素を具備し、前記複数の吸込路が独立して前記サ
イクル要素の異なる部分に接続され、前記吐出路が前記
吸込路の接続したサイクル要素とは別のサイクル要素に
接続されるようにしたものである。
上記技術的手段による働きは次のとおりである。
複数の吸込路がそれぞれ独立に複数の圧縮要素に接続さ
れ、しかも、複数の吸込路が独立してサイクル要素の異
なる部分に接続しているので、これらの接続位置間に容
積が確保されることになる。すなわち、各圧縮要素の吸
込側間は、サイクル要素および該サイクル要素までの吸
込路の容積が確保されている。
れ、しかも、複数の吸込路が独立してサイクル要素の異
なる部分に接続しているので、これらの接続位置間に容
積が確保されることになる。すなわち、各圧縮要素の吸
込側間は、サイクル要素および該サイクル要素までの吸
込路の容積が確保されている。
これらの容積を有することにより、上記したように複数
の吸込路が独立して設けられた各圧縮要素の圧力脈動が
吸込路にて干渉し合うことがなく、吸込損失を低減する
ことができる。さらに、一方の吸込路の圧力脈動に対し
て他の吸込路はさらに圧力脈動に影響されにくくなり、
より大きな慣性過給を得ることができる。
の吸込路が独立して設けられた各圧縮要素の圧力脈動が
吸込路にて干渉し合うことがなく、吸込損失を低減する
ことができる。さらに、一方の吸込路の圧力脈動に対し
て他の吸込路はさらに圧力脈動に影響されにくくなり、
より大きな慣性過給を得ることができる。
本発明の実施例を説明する前に、本発明を開発する前段
階として開発した先行技術を、第3図および第4図を参
照して説明する。
階として開発した先行技術を、第3図および第4図を参
照して説明する。
第3図は、本発明の先行技術に係る複数シリンダロータ
リ圧縮機の断面図、第4図は、第3図の複数シリンダロ
ータリ圧縮機を組み込んだ冷凍サイクルの一例を示すサ
イクル構成図である。この第3図において、第5図と同
一符号を付したものは同等部分であるから、その説明を
省略する。
リ圧縮機の断面図、第4図は、第3図の複数シリンダロ
ータリ圧縮機を組み込んだ冷凍サイクルの一例を示すサ
イクル構成図である。この第3図において、第5図と同
一符号を付したものは同等部分であるから、その説明を
省略する。
前記第5図に示した先行技術では、吸込パイプ19は一本
であったが、本実施例においては、各圧縮要素に、それ
ぞれ独立した吸込路をチャンバを貫通して設けたもので
ある。すなわち、第3図に示す複数シリンダロータリ圧
縮機33は、それぞれ独立の吸込路に係る上吸込路30a、
下吸込路30bを有する、吸込圧力の高い上圧縮要素33aと
吸込圧力の低い下圧縮要素33bとを設け、上圧縮要素33a
の上吸込路30aに、下圧縮要素33bの吐出ガスを導く連通
路38を設けたものである。しかして、上シリンダ用吸込
パイプ31aと、下シリンダ用吸込パイプ31bとは、それぞ
れ独立してチャンバ1を貫通して設けられている。
であったが、本実施例においては、各圧縮要素に、それ
ぞれ独立した吸込路をチャンバを貫通して設けたもので
ある。すなわち、第3図に示す複数シリンダロータリ圧
縮機33は、それぞれ独立の吸込路に係る上吸込路30a、
下吸込路30bを有する、吸込圧力の高い上圧縮要素33aと
吸込圧力の低い下圧縮要素33bとを設け、上圧縮要素33a
の上吸込路30aに、下圧縮要素33bの吐出ガスを導く連通
路38を設けたものである。しかして、上シリンダ用吸込
パイプ31aと、下シリンダ用吸込パイプ31bとは、それぞ
れ独立してチャンバ1を貫通して設けられている。
このように構成した複数シリンダロータリ圧縮機33にお
いて、下シリンダ用吸込パイプ31bから吸込まれた冷媒
は、下吸込路30bを通って下圧縮室16bに入り圧縮された
のち、下吐出弁21bから、吐出キャップ23と下シリンダ
用下ベアリング27bで構成された吐出室24へ一旦吐出さ
れる。次に、上吸込路30aの途中に開口する連通路38を
通って、上シリンダ用吸込パイプ31aから吸込まれた冷
媒とともに上吸込路30aを通って、上圧縮室16aに入り、
圧縮後、上吐出弁21aを通りチャンバ1内に吐出されて
のち、吐出パイプ22から圧縮機外へ吐出される。
いて、下シリンダ用吸込パイプ31bから吸込まれた冷媒
は、下吸込路30bを通って下圧縮室16bに入り圧縮された
のち、下吐出弁21bから、吐出キャップ23と下シリンダ
用下ベアリング27bで構成された吐出室24へ一旦吐出さ
れる。次に、上吸込路30aの途中に開口する連通路38を
通って、上シリンダ用吸込パイプ31aから吸込まれた冷
媒とともに上吸込路30aを通って、上圧縮室16aに入り、
圧縮後、上吐出弁21aを通りチャンバ1内に吐出されて
のち、吐出パイプ22から圧縮機外へ吐出される。
この複数シリンダロータリ圧縮機33を組込んだ冷凍サイ
クルの一例を、第4図を参照して説明する。
クルの一例を、第4図を参照して説明する。
第4図において、第3図と同一符号を付したものは同一
部分である。そして34は凝縮器、37は第1減圧器、39は
蒸発器、40は第2減圧器、41は気液分離器であり、これ
らは冷凍サイクルを構成するサイクル要素である。
部分である。そして34は凝縮器、37は第1減圧器、39は
蒸発器、40は第2減圧器、41は気液分離器であり、これ
らは冷凍サイクルを構成するサイクル要素である。
複数シリンダロータリ圧縮機33の吐出パイプ22は冷媒配
管を介して凝縮器34に接続し、上シリンダ用吸込パイプ
31aは冷媒配管を介して気液分離器41に接続し、下シリ
ンダ用吸込パイプ31bはサイクル要素の異なる部品であ
る蒸発器39に接続している。
管を介して凝縮器34に接続し、上シリンダ用吸込パイプ
31aは冷媒配管を介して気液分離器41に接続し、下シリ
ンダ用吸込パイプ31bはサイクル要素の異なる部品であ
る蒸発器39に接続している。
冷媒の流れを説明すると、吐出パイプ22から吐出された
高圧ガス冷媒は、凝縮器34で凝縮し液冷媒となる。次
に、第1減圧器37で中間圧力に減圧され2相状態とな
り、気液分離器41でガス冷媒と液冷媒に分離される。ガ
ス冷媒は、上シリンダ用吸込パイプ31aを通り、上圧縮
要素33aに直接導かれ、液冷媒は、第2減圧器40でさら
に減圧され、蒸発器39で蒸発後、下シリンダ用吸込パイ
プ31bを通り、下圧縮要素33bで圧縮されたのち、連通路
38を通って、上圧縮要素33aへ導かれる。
高圧ガス冷媒は、凝縮器34で凝縮し液冷媒となる。次
に、第1減圧器37で中間圧力に減圧され2相状態とな
り、気液分離器41でガス冷媒と液冷媒に分離される。ガ
ス冷媒は、上シリンダ用吸込パイプ31aを通り、上圧縮
要素33aに直接導かれ、液冷媒は、第2減圧器40でさら
に減圧され、蒸発器39で蒸発後、下シリンダ用吸込パイ
プ31bを通り、下圧縮要素33bで圧縮されたのち、連通路
38を通って、上圧縮要素33aへ導かれる。
上記の冷凍サイクルは、従来、多効サイクルという名称
で呼ばれ、2台の独立した圧縮機で実用化されていたも
のであるが、本先行技術においては1台の複数シリンダ
ロータリ圧縮機33で、多効サイクルを実現することがで
きたもので、いわゆる2段圧縮サイクルである。
で呼ばれ、2台の独立した圧縮機で実用化されていたも
のであるが、本先行技術においては1台の複数シリンダ
ロータリ圧縮機33で、多効サイクルを実現することがで
きたもので、いわゆる2段圧縮サイクルである。
第3図の複数シリンダロータリ圧縮機によれば、吸込パ
イプ31a,31bをそれぞれ独立に上吸込路30a,下吸込路30b
を経て上圧縮要素32a,下圧縮要素32bに接続することに
より、上シリンダ26a,下シリンダ26bで発生した圧力脈
動は吸込路にて干渉し合うことがなく、吸込側の圧力損
失を低減する。
イプ31a,31bをそれぞれ独立に上吸込路30a,下吸込路30b
を経て上圧縮要素32a,下圧縮要素32bに接続することに
より、上シリンダ26a,下シリンダ26bで発生した圧力脈
動は吸込路にて干渉し合うことがなく、吸込側の圧力損
失を低減する。
また、第4図の冷凍サイクルによれば、上,下圧縮要素
の圧力脈動の、各圧縮要素同士の干渉がなく、吸込損失
を低減することができる。
の圧力脈動の、各圧縮要素同士の干渉がなく、吸込損失
を低減することができる。
しかし、吐出側の圧力脈動の低減、配管振動および騒音
の低減について、なお改良の余地があった。
の低減について、なお改良の余地があった。
次に、前述の先行技術からさらに進んだ本発明の各実施
例を第1図および第2図を参照して説明する。
例を第1図および第2図を参照して説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る複数シリンダロータ
リ圧縮機の断面図、第2図は、第1図の複数シリンダロ
ータリ圧縮機を組み込んだ冷凍サイクルの一例を示すサ
イクル構成図である。これらの図において、第3,4図と
同一符号を付したものは同等部分である。
リ圧縮機の断面図、第2図は、第1図の複数シリンダロ
ータリ圧縮機を組み込んだ冷凍サイクルの一例を示すサ
イクル構成図である。これらの図において、第3,4図と
同一符号を付したものは同等部分である。
第1図に示す複数シリンダロータリ圧縮機32は、それぞ
れ独立した吸込路をチャンバを貫通して設けたものであ
る。すなわち、上圧縮要素32aの上圧縮室16aに冷媒を導
く上吸込路30aと、これに接続した上シリンダ用吸込パ
イプ31aをチャンバ1を貫通して設け、また、下圧縮要
素32bの下圧縮室16bに冷媒を導く下吸込路30bと、これ
に接続したシリンダ用吸込パイプ31bをチャンバ1を貫
通して設けたものである。
れ独立した吸込路をチャンバを貫通して設けたものであ
る。すなわち、上圧縮要素32aの上圧縮室16aに冷媒を導
く上吸込路30aと、これに接続した上シリンダ用吸込パ
イプ31aをチャンバ1を貫通して設け、また、下圧縮要
素32bの下圧縮室16bに冷媒を導く下吸込路30bと、これ
に接続したシリンダ用吸込パイプ31bをチャンバ1を貫
通して設けたものである。
このように構成した複数シリンダロータリ圧縮機32にお
いて、上シリンダ用吸込パイプ31aから吸込まれた冷媒
は、上吸込路30aを通って上圧縮室16aに入り、圧縮後、
上吐出弁21aから一旦チャンバ1内に吐出される。ま
た、下シリンダ用吸込パイプ31bから吸込まれた冷媒
は、下吸込路30bを通って下圧縮室16bに入り、圧縮後、
下吐出弁21bから、吐出キャップ23と下シリンダ用下ベ
アリング27bで構成された吐出室24へ一旦吐出され、吐
出路25を通って、チャンバ1内に吐出され前記上吐出弁
21aから吐出された冷媒ガスと一緒になり、吐出パイプ2
2から圧縮機外へ吐出される。
いて、上シリンダ用吸込パイプ31aから吸込まれた冷媒
は、上吸込路30aを通って上圧縮室16aに入り、圧縮後、
上吐出弁21aから一旦チャンバ1内に吐出される。ま
た、下シリンダ用吸込パイプ31bから吸込まれた冷媒
は、下吸込路30bを通って下圧縮室16bに入り、圧縮後、
下吐出弁21bから、吐出キャップ23と下シリンダ用下ベ
アリング27bで構成された吐出室24へ一旦吐出され、吐
出路25を通って、チャンバ1内に吐出され前記上吐出弁
21aから吐出された冷媒ガスと一緒になり、吐出パイプ2
2から圧縮機外へ吐出される。
この複数シリンダロータリ圧縮機32を組み込んだ冷凍サ
イクルの一例を、第2図を参照して説明する。
イクルの一例を、第2図を参照して説明する。
第2図において、第1図と同一符号を付したものは同一
部分である。そして34は凝縮器、35aは上シリンダ用蒸
発器、35bは下シリンダ用蒸発器、36aは上シリンダ用減
圧器、36bは下シリンダ用減圧器であり、これらは冷凍
サイクルを構成するサイクル要素である。実線矢印はこ
れらサイクル要素を具備する冷媒配管の冷媒の流れ方向
を示している。
部分である。そして34は凝縮器、35aは上シリンダ用蒸
発器、35bは下シリンダ用蒸発器、36aは上シリンダ用減
圧器、36bは下シリンダ用減圧器であり、これらは冷凍
サイクルを構成するサイクル要素である。実線矢印はこ
れらサイクル要素を具備する冷媒配管の冷媒の流れ方向
を示している。
複数シリンダロータリ圧縮機32の吐出パイプ22は冷媒配
管を介して凝縮器34に接続し、上シリンダ用吸込パイプ
31aは冷媒配管を介して上シリンダ用蒸発器35a,上シリ
ンダ用減圧器36aに接続し、下シリンダ用吸込パイプ31b
は異なる下シリンダ用蒸発器35b、下シリンダ用減圧器3
6bに接続している。すなわち、複数の吸込パイプ31a,31
bが独立してサイクル要素の異なる部分に接続され、吐
出パイプ22が前記吸込パイプ31a,31bの接続したサイク
ル要素とは別のサイクル要素に接続されている。
管を介して凝縮器34に接続し、上シリンダ用吸込パイプ
31aは冷媒配管を介して上シリンダ用蒸発器35a,上シリ
ンダ用減圧器36aに接続し、下シリンダ用吸込パイプ31b
は異なる下シリンダ用蒸発器35b、下シリンダ用減圧器3
6bに接続している。すなわち、複数の吸込パイプ31a,31
bが独立してサイクル要素の異なる部分に接続され、吐
出パイプ22が前記吸込パイプ31a,31bの接続したサイク
ル要素とは別のサイクル要素に接続されている。
冷媒の流れを説明すると、吐出パイプ22から吐出された
高圧ガス冷媒は、凝縮器34で凝縮して液冷媒となる。次
に2系統に分離し、一方は上シリンダ用減圧器36aで減
圧され、上シリンダ用蒸発器35aで蒸発後、上シリンダ
用吸込パイプ31aを通り、複数シリンダロータリ圧縮機3
2の上圧縮要素32aへ行く。他方は、下シリンダ用減圧器
36bで減圧され、下シリンダ用蒸発器35bで蒸発後、下シ
リンダ用吸込パイプ31bを通り、下圧縮要素32bへ行く。
高圧ガス冷媒は、凝縮器34で凝縮して液冷媒となる。次
に2系統に分離し、一方は上シリンダ用減圧器36aで減
圧され、上シリンダ用蒸発器35aで蒸発後、上シリンダ
用吸込パイプ31aを通り、複数シリンダロータリ圧縮機3
2の上圧縮要素32aへ行く。他方は、下シリンダ用減圧器
36bで減圧され、下シリンダ用蒸発器35bで蒸発後、下シ
リンダ用吸込パイプ31bを通り、下圧縮要素32bへ行く。
上記の冷媒サイクルは、いわゆる単段独立圧縮サイクル
であり、2レベルの蒸発温度が得られ、異なる温度レベ
ルからの熱回収サイクルや冷凍冷蔵庫等に、利用価値が
極めて高いものである。
であり、2レベルの蒸発温度が得られ、異なる温度レベ
ルからの熱回収サイクルや冷凍冷蔵庫等に、利用価値が
極めて高いものである。
第1図の複数シリンダロータリ圧縮機32によれば、次の
作用、効果が得られる。
作用、効果が得られる。
(1)吸込パイプ31a,31bをそれぞれ独立に上吸込路30
a,下吸込路30bを経て上圧縮要素32a,下圧縮要素32bに接
続することにより、上シリンダ26a,下シリンダ26bで発
生した圧力脈動は吸込路にて干渉し合うことがなく、吸
込側の圧力損失を低減する。
a,下吸込路30bを経て上圧縮要素32a,下圧縮要素32bに接
続することにより、上シリンダ26a,下シリンダ26bで発
生した圧力脈動は吸込路にて干渉し合うことがなく、吸
込側の圧力損失を低減する。
圧縮機の吸込側では、吸込み行程が終了して瞬間的に吸
込路のシリンダ側開口が塞がれると、その直前までの吸
込み行程における冷媒の流れの慣性が働き、そこで吸込
路のシリンダ側開口が開いたときに、冷媒ガスは各シリ
ンダのそれぞれ上圧縮室16a,下圧縮室16bに一気に密度
濃く押し込まれる。この慣性過給効果によって体積効率
が向上し、冷凍能力が向上する。
込路のシリンダ側開口が塞がれると、その直前までの吸
込み行程における冷媒の流れの慣性が働き、そこで吸込
路のシリンダ側開口が開いたときに、冷媒ガスは各シリ
ンダのそれぞれ上圧縮室16a,下圧縮室16bに一気に密度
濃く押し込まれる。この慣性過給効果によって体積効率
が向上し、冷凍能力が向上する。
(2)上圧縮要素32a,下圧縮要素32bの各吐出側を、チ
ャンバ内に開口し、チャンバ内に一旦吐出された圧縮冷
媒ガスを一緒にしてチャンバ外へ導くようにしたので、
冷媒ガスに混入されている潤滑油をチャンバ内で分離す
ることができる。したがって、冷凍サイクル中に油が漏
出することが防止され、圧縮要素等に対する潤滑性能を
適正に維持できる。
ャンバ内に開口し、チャンバ内に一旦吐出された圧縮冷
媒ガスを一緒にしてチャンバ外へ導くようにしたので、
冷媒ガスに混入されている潤滑油をチャンバ内で分離す
ることができる。したがって、冷凍サイクル中に油が漏
出することが防止され、圧縮要素等に対する潤滑性能を
適正に維持できる。
(3)上記のように各圧縮要素ごとに圧縮冷媒ガスを一
旦チャンバ内に吐出してのち、それを集めてチャンバ外
へ導くようにしたので、吐出側の圧力脈動が低減され、
配管振動および騒音を低減することができる。
旦チャンバ内に吐出してのち、それを集めてチャンバ外
へ導くようにしたので、吐出側の圧力脈動が低減され、
配管振動および騒音を低減することができる。
次に、第2図の冷凍サイクルによれば、吸込パイプ31a,
31bは、独立してサイクル要素の異なる部分、すなわち
上シリンダ用蒸発器35a,下シリンダ用蒸発器35bに接続
されることにより、少なくとも接続位置間の容積が確保
されることになる。
31bは、独立してサイクル要素の異なる部分、すなわち
上シリンダ用蒸発器35a,下シリンダ用蒸発器35bに接続
されることにより、少なくとも接続位置間の容積が確保
されることになる。
第2図を参照して具体的に述べれば、上圧縮要素32aに
は吸込パイプ31aが接続され、この吸込パイプ31aはサイ
クル要素である蒸発器35a、減圧器36aに接続し、一方、
下圧縮要素32bには吸込パイプ31bが接続され、この吸込
パイプ31bは前記と異なるサイクル要素である蒸発器35
b、減圧器36bに接続し、これら吸込パイプ31a,31bは互
いに吐出パイプ22との合流点を共有した吸込側管路を構
成している。両圧縮要素32a,32bの前記吸込管路との接
続位置間に、一方の上圧縮要素32a側には蒸発器35a、減
圧器36a、およびこれらサイクル要素までの吸込パイプ3
1aの容積が確保され、他方の下圧縮要素32b側には蒸発
器35b、減圧器36b、およびこれらサイクル要素までの吸
込パイプ31bの容積が確保されている。
は吸込パイプ31aが接続され、この吸込パイプ31aはサイ
クル要素である蒸発器35a、減圧器36aに接続し、一方、
下圧縮要素32bには吸込パイプ31bが接続され、この吸込
パイプ31bは前記と異なるサイクル要素である蒸発器35
b、減圧器36bに接続し、これら吸込パイプ31a,31bは互
いに吐出パイプ22との合流点を共有した吸込側管路を構
成している。両圧縮要素32a,32bの前記吸込管路との接
続位置間に、一方の上圧縮要素32a側には蒸発器35a、減
圧器36a、およびこれらサイクル要素までの吸込パイプ3
1aの容積が確保され、他方の下圧縮要素32b側には蒸発
器35b、減圧器36b、およびこれらサイクル要素までの吸
込パイプ31bの容積が確保されている。
この接続位置間に確保された容積を有することにより
上,下圧縮要素の32a,32b圧力脈動の、各圧縮要素同士
の干渉がなく、吸込損失を低減することができる。さら
に、一方の吸込路の圧力脈動に対して他の吸込路は圧力
脈動が影響されにくくなり、より大きな慣性過給効果を
得ることができる。
上,下圧縮要素の32a,32b圧力脈動の、各圧縮要素同士
の干渉がなく、吸込損失を低減することができる。さら
に、一方の吸込路の圧力脈動に対して他の吸込路は圧力
脈動が影響されにくくなり、より大きな慣性過給効果を
得ることができる。
なお、上述の実施例は、圧縮要素が2個の場合につい
て、説明したが、本発明は、圧縮要素が3個以上の場合
にも同様に適用できるものである。
て、説明したが、本発明は、圧縮要素が3個以上の場合
にも同様に適用できるものである。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、複数の圧
縮要素同士の圧力脈動の干渉がなく、吸込側の圧力損失
を低減するとともに、慣性過給の効果により冷凍能力を
向上しうる複数シリンダロータリ圧縮機を備えた冷凍サ
イクルを提供することができる。
縮要素同士の圧力脈動の干渉がなく、吸込側の圧力損失
を低減するとともに、慣性過給の効果により冷凍能力を
向上しうる複数シリンダロータリ圧縮機を備えた冷凍サ
イクルを提供することができる。
第1図は、本発明の一実施例に係る複数シリンダロータ
リ圧縮力の断面図、第2図は、第1図の複数シリンダロ
ータリ圧縮力を組み込んだ冷凍サイクルの一例を示すサ
イクル構成図、第3図は、本発明の先行技術に係る複数
シリンダロータリ圧縮機の断面図、第4図は、第3図の
複数シリンダロータリ圧縮機を組み込んだ冷凍サイクル
の一例を示すサイクル構成図、第5図は、本発明の先行
技術に係る複数シリンダロータリ圧縮機の断面図、第6
図は、第5図における上クランク,下クランクの詳細を
示す斜視図、第7図は、第6図の上クランク,下クラン
クに設けた継手の係合状態を示す断面図である。 1……チャンバ、5a……上ローラ、5b……下ローラ、6a
……上クランク、6b……下クランク、11……ロータ、16
a……上圧縮室、16b……下圧縮室、22……吐出パイプ、
32a,……上圧縮要素、32b、……下圧縮要素、26a……上
シリンダ、26b……下シリンダ、27a……上シリンダ用下
ベアリング、27b……下シリンダ用下ベアリング、28a…
…上シリンダ用上ベアリング、28b……下シリンダ用上
ベアリング、30a……上吸込路、30b……下吸込路、31a
……上シリンダ用吸込パイプ、31b……下シリンダ用吸
込パイプ、34……凝縮器、35a……上シリンダ用蒸発
器、35b……下シリンダ用蒸発器、36a……上シリンダ用
減圧器、36b……下シリンダ用減圧器。
リ圧縮力の断面図、第2図は、第1図の複数シリンダロ
ータリ圧縮力を組み込んだ冷凍サイクルの一例を示すサ
イクル構成図、第3図は、本発明の先行技術に係る複数
シリンダロータリ圧縮機の断面図、第4図は、第3図の
複数シリンダロータリ圧縮機を組み込んだ冷凍サイクル
の一例を示すサイクル構成図、第5図は、本発明の先行
技術に係る複数シリンダロータリ圧縮機の断面図、第6
図は、第5図における上クランク,下クランクの詳細を
示す斜視図、第7図は、第6図の上クランク,下クラン
クに設けた継手の係合状態を示す断面図である。 1……チャンバ、5a……上ローラ、5b……下ローラ、6a
……上クランク、6b……下クランク、11……ロータ、16
a……上圧縮室、16b……下圧縮室、22……吐出パイプ、
32a,……上圧縮要素、32b、……下圧縮要素、26a……上
シリンダ、26b……下シリンダ、27a……上シリンダ用下
ベアリング、27b……下シリンダ用下ベアリング、28a…
…上シリンダ用上ベアリング、28b……下シリンダ用上
ベアリング、30a……上吸込路、30b……下吸込路、31a
……上シリンダ用吸込パイプ、31b……下シリンダ用吸
込パイプ、34……凝縮器、35a……上シリンダ用蒸発
器、35b……下シリンダ用蒸発器、36a……上シリンダ用
減圧器、36b……下シリンダ用減圧器。
フロントページの続き (72)発明者 野口 泰孝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所家電研究所内 (72)発明者 香曽我部 弘勝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所家電研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−72205(JP,A) 特開 昭54−119112(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】チャンバと、このチャンバ内に収納された
1台のモータと、少なくとも、シリンダ、このシリンダ
内で偏心回転するローラ、このローラを偏心回転させる
クランク軸、このクランク軸を支持するとともに、前記
シリンダとで圧縮室を構成するベアリングとからなり、
前記モータに連結されて前記チャンバ内に収納された複
数の圧縮要素とからなる複数シリンダロータリ圧縮機を
用いる冷凍サイクルにおいて、 前記複数の各圧縮要素にそれぞれ独立して前記チャンバ
を貫通して設けられた吸込路と、 前記複数の圧縮要素からそれぞれ独立して前記チャンバ
内に一旦吐出された冷媒ガスを一緒にしてチャンバ外へ
導く共通の吐出路とを備え、 この複数シリンダロータリ圧縮機における前記吐出路と
前記複数の吸込路との間に複数のサイクル要素を具備
し、 前記複数の吸込路が独立して前記サイクル要素の異なる
部分に接続され、前記吐出路が前記吸込路の接続したサ
イクル要素とは別のサイクル要素に接続されたことを特
徴とする複数シリンダロータリ圧縮機を備えた冷凍サイ
クル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57011015A JPH06103034B2 (ja) | 1982-01-28 | 1982-01-28 | 複数シリンダロータリ圧縮機を備えた冷凍サイクル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57011015A JPH06103034B2 (ja) | 1982-01-28 | 1982-01-28 | 複数シリンダロータリ圧縮機を備えた冷凍サイクル |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21226891A Division JPH05106575A (ja) | 1991-08-23 | 1991-08-23 | 複数シリンダロータリ圧縮機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58128491A JPS58128491A (ja) | 1983-08-01 |
JPH06103034B2 true JPH06103034B2 (ja) | 1994-12-14 |
Family
ID=11766283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57011015A Expired - Lifetime JPH06103034B2 (ja) | 1982-01-28 | 1982-01-28 | 複数シリンダロータリ圧縮機を備えた冷凍サイクル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06103034B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2592622B1 (en) | 2010-07-08 | 2016-03-16 | Yugen Kaisha Fujii Piano Service | Action for upright piano |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5142765A (en) * | 1974-10-08 | 1976-04-12 | Kanegafuchi Chemical Ind | Bikoshitsumakuno seizoho |
JPS54119112A (en) * | 1978-03-08 | 1979-09-14 | Sanyo Electric Co Ltd | Rotary compressor |
-
1982
- 1982-01-28 JP JP57011015A patent/JPH06103034B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58128491A (ja) | 1983-08-01 |
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