JPH06102722B2 - 側鎖に酸化防止基を有するポリエーテル共重合体 - Google Patents

側鎖に酸化防止基を有するポリエーテル共重合体

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JPH06102722B2
JPH06102722B2 JP2220796A JP22079690A JPH06102722B2 JP H06102722 B2 JPH06102722 B2 JP H06102722B2 JP 2220796 A JP2220796 A JP 2220796A JP 22079690 A JP22079690 A JP 22079690A JP H06102722 B2 JPH06102722 B2 JP H06102722B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐油性ゴム材料として有用なポリエーテル共重
合体に関する。
(従来技術と発明が解決しようとする課題) ゴム材料ではその酸化劣化を抑制するため、通常酸化防
止剤が添加されているが、油中の環境下では抽出によっ
て酸化防止剤がゴム材料から離脱することがしばしばあ
るばかりでなく、高温下では酸化防止剤の揮発や表面移
行によってその酸化防止効果が低減してしまうことが多
い。のみならず、酸化防止剤のこのような挙動はゴム材
料の耐熱性低下にもつながる。
これを防止する方法の一つとして酸化防止作用を有する
基を持つモノマーを共重合させ、ポリマー側鎖に酸化防
止基をペンダントとして保持させることが考えられる。
しかしながら、耐油性ゴムであるエピクロロヒドリンゴ
ムを始め、各種のポリエーテルゴムに関してそのような
共重合体はこれまで見出されていない。
このような共重合体を与えることが期待されるモノマー
として、T.Fujisawaらは4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
−ブチルフェニルグリシジルチオエーテルを報告してい
る(T.Fujisawaら,J.P-olym.Sci.,Part B12,577(197
4))が、このモノマーは通常エポキシ化合物の高重合
体を与えるジエチル亜鉛−水系の触媒を用いても重合反
応は全く進行しない。その原因の一つとしてチオエーテ
ル基又は立体障害フェノール性水酸基が高重合反応を阻
害していることが考えられる。
また、上記チオエーテルモノマーはその合成原料である
4−メルカプト−3,5−ジ−t−ブチルフェノールの製
造にあたり、多量の亜鉛末を用いるので、廃棄物処理に
問題があるばかりでなく、収率も35%程度と低く工業的
にも有用とは言い難い。
(課題を解決するための手段) 上記の点に鑑み、本発明者らは側鎖に酸化防止性フェノ
ール基を有するポリエーテルポリマーを得る目的で鋭意
検討した。その結果、下記式(I)で表わされる構成単
位を必須成分として含有するポリエーテル共重合体が上
記目的を充分達成し得ることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
本発明は、下記式(I)の繰返し単位及び下記一般式
(II) (但し、Rは基:H,−CH3,−CH2Cl,−CH2Br,−CH2OCH
2CH=CH2又は−CH2OCOCnH2n+1(nは1〜4の整数)を
示す。) で表わされる繰返し単位の1種又は2種以上を有し、モ
ノマー換算の組成比がモル%で(I)/(II)=0.1〜3
0/99.9〜70であり、80℃において0.1g/dlのモノクロロ
ベンゼン溶液で測定した還元粘度が0.4〜10であること
を特徴とする側鎖に酸化防止性フェノール基を有するポ
リエーテル共重合体である。
本発明の新規の共重合体は、下記式(I′)で表わされ
る4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニルグリ
シジルエーテル(本出願人の出願に係る新規の化合物で
ある。特開平2−129178号公報参照。)と下記一般式
(II′)で表わされるエポキシドの1種又は2種以上の
モノマーとを有機錫化合物とリン酸アルキルエステルと
の縮合生成物である触媒の存在下に重合させることによ
って得ることができる。
(但し、Rは基:−H,−CH3,−CH2Cl,−CH2Br,−CH2
OCH2CH=CH2又は−CH2OCOCnH2n+1(nは1〜4の整数)
を示す。) 本発明の構成単位(I)及び(II)(II−1〜6)は、
以下に示すようにエポキシド(I′)及び(II′)(I
I′−1〜6)の開環によって導かれる。
上記エポキシド(II′−1)の具体例としては、酢酸グ
リシジル,プロピオン酸グリシジル等を挙げることがで
きる。
本発明のポリエーテル共重合体はモノマー換算の組成比
がモル%で(I)/(II)=0.1〜30/99.9〜70であり、
構成単位(II)の種類によって以下の組成比(モル%)
が更に好ましく用いられる。(I)が0.1未満では酸化
防止効果が低い。また、30を超えても酸化防止効果の向
上がないばかりでなく、ポリエーテルの本来の特性が損
われる。
1)(I)/(II−1)/(II−2)=0.1〜2/88〜98.
9/1〜10 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が2
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−2)が1
未満では加硫効果が低く、(II−2)が10を超えると老
化性が低下するばかりでなく、ゲル化の傾向が出てく
る。
2)(I)/(II−1)/(II−3)=0.1〜2/96〜99.
4/0.5〜2 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が2
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−3)が0.
5未満では加硫効果が低く、(II−3)が2を超えると
腐蝕性が出てくる。
3)(I)/(II−2)/(II−4)=0.1〜4/2〜10/8
6〜97.9 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が4
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−2)が2
未満では加硫効果が低く、(II−2)が10を超えると老
化性が低下するばかりでなく、ゲル化の傾向が出てく
る。
4)(I)/(II−3)/(II−4)=0.1〜5/0.5〜3/
92〜99.4 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が5
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−3)が0.
5未満では加硫効果が低く、(II−3)が3を超えると
腐蝕性が出てくる。
5)(I)/(II−5)=0.1〜30/70〜99.9 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が30
を超えると耐寒性が低下し、老化性に問題が出てくる。
6)(I)/(II−2)/(II−5)=0.1〜3/1〜10/8
7〜98.5 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が3
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−2)が1
未満では老化性に問題が出てくると共に、硫黄加硫性が
低下し、(II−2)が10を超えると老化性に問題が出て
くる。
7)(I)/(II−4)/(II−5)=0.1〜5/20.1〜6
0/35〜74.9 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が5
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−4)が2
0.1未満では耐寒性が低下し、(II−4)が60を超える
と耐油性が低下する。
8)(I)/(II−5)/(II−6)=0.1〜3/20〜74.
9/25〜79.9 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が3
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−6)が25
未満では耐寒性が低下し、(II−6)が79.9を超えると
耐熱性,耐水性に問題が出てくる。
9)(I)/(II−2)/(II−5)/(II−6)=0.
1〜3/1〜3/20〜73.9/25〜78.9 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が3
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−2)が1
未満でも3を超えても老化性に問題が出てくる。(II−
6)が25未満では耐寒性が低下し、(II−6)が73.9を
超えると耐熱性,耐水性に問題が出てくる。
10)(I)/(II−2)/(II−4)/(II−6)=0.
1〜2/1〜4/40〜83.9/15〜58.9 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が2
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−2)が1
未満では加硫効果が低く、(II−2)が4を超えると耐
熱性,耐油性に問題が出てくる。(II−6)が15未満で
は耐油性が低下し、(II−6)が58.9を超えると耐水性
が低下する。
11)(I)/(II−2)/(II−3)/(II−4)/
(II−6)=0.1〜3/1〜5/1〜4/40〜82.9/15〜57.9 (I)が0.1未満では酸化防止効果が低く、(I)が3
を超えても酸化防止効果の向上がない。(II−2)が1
未満で老化性に問題が出てくると共に硫黄加硫性が低
く、(II−2)が5を超えると老化性に問題が出てくる
と共に耐油性が低下する。(II−3)が1未満では加硫
性が低下し、(II−3)が4を超えると腐蝕性に問題が
出てくる。(II−6)が15未満では耐寒性が低下し、
(II−6)が57.9を超えると耐熱性,耐水性が低下す
る。
前記重合触媒である縮合生成物は、本出願人の出願に係
る米国特許第3,773,694号明細書に記載された特定の有
機錫化合物(A)とリン酸アルキルエステル(B)との
熱縮合物であって、本発明の共重合体の合成に極めて有
効である。
前記有機錫化合物(A)は下記一般式(i)〜(iv)か
ら選ばれる化合物である。
R1 aSnX4-a (i) (但し、(i)式において、R1は置換基を有していても
よい炭素数1〜12のアルキル基,アルケニル基,シクロ
アルキル基,アリール基及びアラルキル基の群より選ば
れる基、Xはハロゲン原子,アルコキシ基,アリールオ
キシ基,アシルオキシ基及びリン酸の部分エステル残基
の群から選ばれる原子又は基であり、aは1〜4を示す
整数である。aが2以上のときRは同一でも異なってい
てもよく、またaが1又は2のときXは同一でも異なっ
ていてもよい。) R1 bSnOc (ii) (但し、(ii)式において、R1は(i)式におけるR1
同じである。bは1又は2であり、bが1のときcは3/
2であり、bが2のときcは1である。また、(ii)式
化合物は(i)式化合物と錯体を形成していてもよ
い。) R2R1 2SnOSnR1 2R2 (iii) (但し、(iii)式において、R1は(i)式におけるR1
と同じであり、R2は(i)式でおけるR1又はXと同じで
ある。また、2個のR2は同一でも異なっていてもよ
い。) (R2 3Sn)dX1 (iv) (但し、(iv)式において、R2は(iii)式におけるR2
と同じであり、少なくとも1個は(i)式のR1から選ば
れる基である。X1は炭酸基,リンの酸素酸基リン酸の部
分エステル残基,多塩基性カルボン酸基,多価アルコー
ル残基の群から選ばれる基である。dはX1の塩基度に対
応する1より大きい数である。) 上記(i)〜(iv)式の有機錫化合物(A)の具体的な
例としては以下のものを挙げることができる。
一般式(i)に属する化合物としては、 (C2H4)4Sn,(C6H5)4Sn,(CH3)3SnF,(C4H9)3SnCl,(C
H3)3SnBr,(C8H17)3SnCl,(CH3)2SnF2,(C4H9)2SnCl2
(C12H23)2SnBr2,(Cyclo-C6H11)2SnI2,(C4H9)SnF3,(C
8H17)SnCl3(C8H17)3SnOCOCH3,(C8H17)2Sn(OCOC17H35)2などが挙げられる。
一般式(ii)に属する化合物としては、 (CH3)2SnO,(C4H9)2SnO,(C8H17)2SnO,(C6H5)2SnO,CH
3SnO3/2,C4H9SnO3/2などが挙げられ、また一般式
(i)と一般式(ii)の化合物の錯体の例としては、 (CH3)2SnO・(C2H5)2SnBr2, (CH3)2SnO・(CH3)2SnCl2 などが挙げられる。
一般式(iii)に属する化合物としては、 (CH3)3SnOSn(CH3)3,Cl(C4H9)2SnOSn(C4H9)Cl,(CH3CO
O)(C6H5)2SnOSn(C6H5)2(CH3COO)などが挙げられる。
一般式(iv)に属する化合物としては、 〔(CH3)3Sn〕2CO3,〔(C4H9)3Sn〕2CO3,(C4H9)3SnOP
(O)(OC8H17)2,〔(C8H17)3Sn〕3PO4,(C4H9)3SnOCH2CH2
OSn(C4H9)3 などが挙げられる。
当該触媒を構成する他の成分であるリン酸アルキルエス
テル(B)としては、下記一般式(III)で表わされる
正リン酸の完全若しくは部分エステルが好ましく用いら
れる。
(R3O)3P=O (III) (但し、(III)式において、R3は水素若しくは炭素数
2以上のアルキル基,アルケニル基又はシクロアルキル
基であり、少なくともR3のうち1個は水素原子以外の基
である。) 上記(III)式の具体的な例としては、 (C2H5)3PO4,(C3H7)3PO4,(C4H9)3PO4,(C8H17)3PO4
(CH2=CH-CH2)3PO4,(C6H11)3PO4,(ClCH2-CH2)3PO4,(C
l2C3H5)3PO4,(C2H5)2HPO4,(C4H9)2HPO4,(C4H9)H2PO4
などが挙げられる。
当該触媒は、上記有機錫化合物(A)とリン酸アルキル
エステル(B)との混合物を150〜300℃の温度範囲で加
熱することによって縮合生成物として得られる。溶媒は
必要があれば使用してもよい。上記(A)成分と(B)
成分は通常含まれる錫原子とリン原子との比で1:10〜1
0:1の範囲になるように用いられる。
上記触媒生成反応において、(A)成分及び(B)成分
の種類に従って種々の比較的簡単な物質が縮合反応で生
成脱離する。得られた縮合物は縮合度の種々の段階で目
的とする活性を示す。
最適の縮合度は、(A)成分と(B)成分の種類と比率
によって異なるが、それらは実験的に容易に定めること
ができる。縮合物は、一般に初期においては、ヘキサ
ン,ベンゼンなどの溶媒に可溶であるが、縮合反応の進
行によって不溶化する。
本発明のポリエーテル共重合体は、上記縮合生成物を触
媒として(I′)式化合物4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
t−ブチルフェニルグリシジルエーテルと上記他のエポ
キシド(II′)を通常脂肪族炭化水素類,芳香族炭化水
素類等の溶媒の存在下又は非存在下に0〜80℃で通常攪
拌又は振盪下で重合させることによって得られる。触媒
の使用量は総原料モノマー1モルに対して0.01〜5.0gの
範囲が適当である。反応の際反応系の水分は可能な限り
低くすることが望ましい。
本発明のポリエーテル共重合体は、80℃において0.1g/d
lのモノクロロベンゼン溶液で測定した還元粘度が0.1か
ら10の範囲のものがゴム材料としては良好な利用性をも
っている。
(実施例) 実施例1 攪拌機,温度計及び蒸留装置を付した100ml三ツ口フラ
スコにジブチル錫オキシド10.0g,トリブチルホスフェー
ト23.4gを入れ、窒素気流下で攪拌しながら260℃で15分
間加熱して留出物を留去させ、残留物として固体状の縮
合物質を得た。このものを触媒として以下の重合を行っ
た。
内容量50mlのガラス製アンプルの内部を窒素置換し、上
記縮合物質54.6mgと、4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−
ブチルフェニルグリシジルエーテル(I′)0.064g,プ
ロピオン酸グリシジル14.8g及びアリルグリシジルエー
テル0.13gを含むベンゼン溶液20mlを仕込み封管後アン
プルを振盪しながら30℃で83時間反応させた。
反応後反応物をヘキサン100ml中に投入し、一夜浸漬後
ヘキサン傾斜除去し、更にヘキサン100mlによる洗浄を
2回、メタノール100mlによる洗浄を2回繰返した後減
圧で8時間乾燥してゴム状のポリマー11.2gを得た。
第1表に仕込みモノマー比,反応条件及び生成ポリマー
の各成分組成比及び還元粘度を示した。組成比は紫外線
吸収スペクトル,ヨウ素価を測定することにより求め
た。還元粘度は0.1g/dlのクロロベンゼン溶液で80℃に
おける測定値である。
得られた共重合体のNMRスペクトルは次の通りであっ
た。1 H−NMR(CDCl3)δ(ppm) 1.1〜1.2(−CH3(II−1)),1.42(t−ブチル
(I)),2.3〜2.4(−CH2(II−1)),3.5〜3.7 3.8〜4.2(−O−CH2−(II−2)),4〜4.3(−O−CH
2−(II−1)),5.1〜5.3(=CH2(II−2)),5.8〜
5.9(−CH=(II−2)),6.72(芳香族(I)) 実施例2〜14 第1表に示す仕込モノマー,触媒量及び反応条件で実施
例1と同様に共重合を行い、得られた共重合体の組成
比、還元粘度を実施例1と同様にして求め、第1表に示
した。
また、1H−NMR(CDCl3)δ(ppm)の数値は次の通りで
あった。
実施例2(I/II−1/II−2)は実施例1の数値と同一で
あった。
実施例3(I/II−1/II−3)1.1〜1.2(−CH3(II−
1)),1.41(t−ブチル(I)),2.3〜2.4(CH2(II
−1)),3.5〜3.7 4.0〜4.3(−O−CH2−(II−1)),6.72(芳香族
(I)) 実施例4(I/II−2/II−4)1.42(t−ブチル
(I)),3.2〜3.6 3.95(−O−CH2−(II−2)),5.1〜5.3(=CH2(II
−2)),5.8〜5.9(−CH=(II−2)),6.70(芳香族
(I)) 実施例5(I/II−2/II−4),実施例6(I/II−2/II−
4)は実施例4と同じであった。
実施例7(I/II−3/II−4)0.9〜1.2(−CH3(II−
4)),1.42(t−ブチル(I)),3.2〜3.6 6.74(芳香族(I)) 実施例8(I/II−3/II−4)は実施例7と同じであっ
た。
実施例9(I/II−5)1.43(t−ブチル(I)),3.6〜
3.8 6.74(芳香族(I)) 実施例10(I/II−5),実施例11(I/II−5)は実施例
9と同じであった。
実施例12(I/II−2/II−5)1.43(t−ブチル
(I)),3.6〜3.8 4(−O−CH2−(II−2)),5.1〜5.3(=CH2(II−
2)),5.8〜5.9(−CH=(II−2)),6.75(芳香族
(I)) 実施例13(I/II−4/II−5)1.42(t−ブチル
(I)),3.4〜3.8 6.7(芳香族(I)) 実施例14(I/II−4/II−5)は実施例13と同じであっ
た。
実施例15 攪拌機,温度計,試料導入部及び窒素導入部を備えた四
ツ口の3l容量ガラス製フラスコ中で重合反応を行った。
反応器内を窒素置換後上記の触媒2.2g,ヘキサン1092g,4
−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニルグリシジ
ルエーテル(I′)4.6g,エピクロロヒドリン305g及び
エチレンオキシド145gを仕込み攪拌しながら20℃で10時
間反応させた。
重合反応終了後ヘキサンを除去した後ヘキサン1で2
回洗浄、更に熱水で洗浄しゴム質固体状ポリマーを得
た。第1表に仕込みモノマー比,反応条件及び生成ポリ
マーの各成分組成比及び実施例1と同様にして求めた還
元粘度を示した。組成比は紫外線吸収スペクトル,塩素
元素分析より求めた。得られた共重合体のNMRスペクト
ルは次の通りであった。1 H−NMR(CDCl3)δ(ppm) 1.41(t−ブチル(I)),3.6〜3.8 −CH2−O−(II−6)),6.7(芳香族(I)) 実施例16〜21 第1表に示す仕込モノマー,触媒量及び反応条件で実施
例15と同様に共重合を行い、得られた共重合体の組成
比,還元粘度を実施例15と同様にして求め、第1表に示
した。
また、1H−NMR(CDCl3)δ(ppm)の数値は次の通りで
あった。
実施例16,17,18(I/II−5/II−6)は実施例15と同じで
あった。
実施例19(I/II−2/II−5/II−6)1.41(t−ブチル
(I)),3.5〜3.8 4.0(−CH2−O−(II−2)),5.1〜5.8(=CH2(II−
2)),5.8〜5.9(−CH=(II−2)),6.7(芳香族
(I)) 実施例20(I/II−2/II−4/II−6)1.19(−CH3(II−
4)),1.42(t−ブチル(I)),3.3〜3.7 −CH2−CH2−O−(II−6)),4.0(−O−CH2−(II
−2)),5.1〜5.3(=CH2(II−2)),5.8〜5.9(−C
H=II−2)),6.7(芳香族(I)) 実施例21(I/II−2/II−3/II−4/II−6)1.13(−CH3
(II−4)),1.42(t−ブチル(I)),3.3〜3.7 −CH2−CH2−O−(II−6)),4.0(−O−CH2−(II
−2)),5.1〜5.8(=CH2(II−2)),5.8〜5.9(−C
H=II−2)),6.7(芳香族(I)) 実施例22 前記実施例16で得られた共重合体100部(重量基準,以
下同じ。)に対しFEFカーボン40部,ソルビタンモノス
テアレート2部,ニッケルジブチルジチオカーバメート
1部,炭酸カルシウム5部,ペンタエリスリトール(30
0メッシュ通過)2部,マグネシア3部,2,4,6−トリメ
ルカプトトリアジン1部及びN−シクロヘキシルチオフ
タルイミド1部を配合し、ロール混練りを行い、170℃
で15分間加硫した。得られた加硫ゴムについて150℃に
おける耐熱老化試験を行い、引張強さ変化率の経時変化
を第1図に示した。
比較例1 エピクロロヒドリン−エチレンオキシド共重合体ゴム
(「エピクロマーC」ダイソー社製) 100部に対し、実施例22と同じ配合剤を配合し、ロール
混練りを行い、170℃で15分間加硫した。得られた加硫
ゴムについて実施例22と同様に150℃における耐熱老化
試験を行い、引張強さ変化率の経時変化を第1図に併せ
て示した。
実施例23 前記実施例22と同様にして得られた加硫ゴムを燃料油D
に40℃で48時間含浸し、更に新しい燃料油Dに交換後40
℃で48時間含浸させ、含浸後のゴムについて125℃にお
ける耐熱老化試験を行い、引張強さ変化率の経時変化を
第2図に示した。
比較例2 前記比較例1と同様にして得られた加硫ゴムを、実施例
23と同様に燃料油Dに40℃で48時間含浸し、更に新しい
燃料油Dに交換後40℃で48時間含浸させ、含浸後のゴム
について125℃における耐熱老化試験を行い、引張強さ
変化率の経時変化を第2図に併せて示した。
上記実施例22及び比較例1と実施例23及び比較例2の試
験結果から、本発明の共重合体ゴム(I/II−5/II−6)
が油含浸前の耐熱性において従来のゴム(II−5/II−
6)と同等に近い性能を有していること、また油含浸後
の耐熱性において本発明の共重合体ゴムが、従来の老化
防止剤を単に配合しただけのゴムに比べてはるかに優れ
ていることが分る。
(発明の効果) 本発明によれば、側鎖に酸化防止基を有するポリエーテ
ル共重合体は、従来の酸化防止剤を配合したゴム材料と
比べて、ポリエーテルゴム本来の特性を保持しつつ、更
に格段に優れた耐油性,耐熱老化性を有しており、産業
上有用なものといえる。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例22及び比較例1の、第2図は実施例23及
び比較例2の、夫々耐熱老化試験結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−117598(JP,A) 特開 平3−128931(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) の繰返し単位及び下記一般式(II) (但し、Rは基:H,−CH3,−CH2Cl,−CH2Br,−CH2OCH
    2CH=CH2又は−CH2OCOCnH2n+1(nは1〜4の整数)を
    示す。) で表わされる繰返し単位の1種又は2種以上を有し、モ
    ノマー換算の組成比がモル%で(I)/(II)=0.1〜3
    0/99.9〜70であり、80℃において0.1g/dlのモノクロロ
    ベンゼン溶液で測定した還元粘度が0.4〜10であること
    を特徴とする側鎖に酸化防止性フェノール基を有するポ
    リエーテル共重合体。
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