JPH06102648B2 - メルカプトアシルアミノ酸のジスルフィド誘導体 - Google Patents

メルカプトアシルアミノ酸のジスルフィド誘導体

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JPH06102648B2
JPH06102648B2 JP3510190A JP51019091A JPH06102648B2 JP H06102648 B2 JPH06102648 B2 JP H06102648B2 JP 3510190 A JP3510190 A JP 3510190A JP 51019091 A JP51019091 A JP 51019091A JP H06102648 B2 JPH06102648 B2 JP H06102648B2
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    • C07C323/51Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having the sulfur atoms of the thio groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton
    • C07C323/60Thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides substituted by halogen, oxygen or nitrogen atoms, or by sulfur atoms not being part of thio groups containing thio groups and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton having the sulfur atoms of the thio groups bound to acyclic carbon atoms of the carbon skeleton with the carbon atom of at least one of the carboxyl groups bound to nitrogen atoms
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は心臓障害および痛みの処置(治療)に有用なメ
ルカプトアシルアミノ酸のジスルフィド誘導体に関す
る。
本発明の化合物で処置されるであろう心臓障害には高血
圧症、うっ血性心不全、浮腫および腎不全が含まれる。
ヒト高血圧症は多数の病因の疾患を表わしている。これ
らに含まれるものに高血圧症のナトリウムおよび体積依
存性低レニン形がある。高血圧症の一つの側面を制御す
るように作用する薬剤は、必ずしも他の側面の制御に有
効であるとは限らない。
エンケファリンはラットの脳室内に注入された場合深在
性無痛覚を起こすことが知られている天然のアヘン誘導
体(opiate)受容体アゴニストである。エンケファリン
は天然に存在する一般的にエンケファリナーゼとして知
られている酵素の群により作用を受け、それらにより不
活性化されることも当業分野では知られている。
沈痛薬および高血圧症の処置に有用なエンケファリナー
ゼ阻害剤として多くのメルカプロアシルアミン酸が知ら
れている。米国特許第4,774,256号は式 (式中、nは1−15であり、R2およびR3は種々のアリー
ル、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキル基
である)の化合物を開示している。この化合物はエンケ
ファナリーゼ阻害活性を持つと開示されている。
Haslanger et alによる米国特許第4,801,609号は式 (式中nは0または1であり;R1は置換フェニルであ
り、R2は置換アルキル、フェニルまたはヘテロアリール
である)の抗高血圧化合物を開示している。Roques et
alによる米国特許第4,513,009号はR1がアルキル、任意
に置換されたフェニルおよびチエニルを含み;R2がフェ
ニルおよび置換アルキルを含む類似の化合物を開示して
いる。Roques et alにより開示された化合物は基本的に
はエンケファリナーゼ阻害活性を持っているが、抗高血
圧性とも言われている。Greenberg et alによる米国特
許第4,401,677号およびWilkinsoによるEPA38,046号もま
た類似の範囲の化合物を開示しており、前者は鎮痛活性
を記載しており、後者はアンジオテンシン変換酵素に対
するよりもエンケファリナーゼに対するより大きな特異
性を記載している。米国特許第4,329,495号はR2がアル
キルチオアルキルであり、R1が置換フェニルであり−CO
OHが−CH2OHにより置き換えられているか、またはR1
フェニルであり−COOHが存在する類似のキラルエンケフ
ェリナーゼ阻害剤を開示している。Kobinyi et alによ
る米国特許第4,500,467号はR1側鎖がNHまたは硫黄原子
を含むHaslanger et alにより開示された化合物と類似
の化合物のベンゾイルチオ誘導体を開示している。
メルカプトアシルアミノ鎖のジスルフィド誘導体はアン
ギオテンシン変換酵素阻害剤であることが同定されてい
る。Ondetti et alによる米国特許第4,053,651号は式 (式中、R2は水素、低級アルキルまたはフェニル低級ア
ルキルであり、R1は任意に置換された低級アルキルを含
んでいる)のジスルフィド化合物を開示している。また
Ondetti et alによる米国特許第4,228,007号はR2側鎖が
酵素または硫黄原子を含む類似の化合物を開示してい
る。Ondetti et alによる米国特許第4,105,776号はメル
カプトアシルプロリンのジスルフィド化合物を開示して
おり、Suh et alによる米国特許第4,256,761号は三級ア
ミノ基を含むメルカプトアシルアミノ化合物のジスルフ
ィド化合物を開示している。
心臓が血圧、血液量および水、ナトリウムおよびカリウ
ムの排泄の制御を助ける心房性ナトリウム利尿因子(AN
F)と呼ばれる一連のヘプチドホルモンを分泌すること
が知られている。ANFは血圧を短期間減少させ、うっ血
性心不全の処置に有用であることが見い出されている。
P.Needleman et alによる“アトリオペプチン:体液、
電解質および血圧ホメオスタシスに密接に関与する心臓
性ホルモン"N.Engl.J.Med.31413(1986)pp828-834お
よびM.Cantin et alによる“内分泌腺としての心臓”、
Scientific American,254(1986)pg.7681を参照された
い。Olinsによる米国特許第4,740,499号は心房性ペプチ
ドとチオルファン(米国特許第4,513,009号の範囲内の
化合物)またはケラトルファンを同時投与することを含
む心房性ペプチドの効果の延長性を開示している。
高血圧症のいくつかの型の処置に有効であることが知ら
れている薬剤の組はACE阻害剤であり、アンジオテンシ
ンIからアンジオテンシンIIを形成させることによる血
管抵抗および液体体積の増加により起こされる血圧の上
昇の阻害に有用である。ACE阻害剤の総説としてはM.Wyv
rattおよびA.Patchettによる“アンジオテンシン変換酵
素阻害剤の設計における最近の進歩”Med.Res.Rev.Vol
5,No.4(1985)pp483-531を参照されたい。
発明の概要 本願で開示する化合物は、式 〔式中、 R1は低級アルキル,シクロ低級アルキル,アリールまた
はヘテロアリールであり; R2は水素;低級アルキル;シクロ低級アルキル;ヒドロ
キシ,低級アルコキシ,メルカプト,低級アルキルチ
オ,アリール,ヘテロアリール,アラルキルオキシまた
はアラルキルチオで置換された低級アルキル;アリー
ル;またはヘテロアリールであり; R3は−OR5または−NR5R6であり; R4およびR9は独立して−(CH2)qR8であり; R5およびR6は独立して水素、低級アルキル、ヒドロキシ
低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキルおよびアリ
ール低級アルキルから成る群より選択されるか、または
R5およびR6はそれらが結合されている窒素と一緒に5−
7員環を形成し; R7は低級アルキル,低級アルコキシ,シクロアルキル,
ハロ,シアノおよびアミノメチルから成る群より選択さ
れる1から3の置換基により置換されたフェニルであ
り; R8は水素,ヒドロキシ,低級アルコキシ,メルカプト,
低級アルキルチオ,アリールまたはヘテロアリールであ
り; nは1または2であり; pは0または1であり; qは0,1または2であり;および tは0または1である〕 およびその薬学的に受容可能な塩により表わされる。
式Iの化合物の好適な群はtがゼロであるものであり、
pおよびtの両方がゼロである化合物がより好適であ
る。好適な式Iの化合物の他の群はR4が水素,ヒドロキ
シ,メトキシ,フェニルまたはベンジルであるものであ
る。式Iの化合物のさらに別の好適な群はR2が水素また
はチエニルであるものである。式Iの化合物の好適なア
ミノ酸部分(すなわち、−NH−CH(R2)−CH(R4)−(CH2)t
−(CHR9)p−COR3)はpおよびtが各々0であり、R2
水素でありおよびR4はヒドロキシまたはメトキシである
もの(例えば、イソセリンまたはO−メチルイソセリ
ン);tが1であり、pが0であり、R2が水素でありおよ
びR4がヒドロキシであるもの(例えばホモイソセリ
ン);pおよびtが各々0であり、R2がチエニルであり、
およびR4が水素であるもの(例えばβ−チエニル−β−
アラニン);およびpおよびtが各々0であり、R2が水
素でありおよびR4がフェニルまたはベンジルであるもの
である。
式Iの別の好適な化合物はR1がフェニルまたは低級アル
キル置換フェニル(例えばトリル)であるものである。
さらに別の好適な化合物の群はR3がヒドロキシまたは低
級アルコキシであるものである。nの好適な値は1であ
る。
式Iの特に好適な化合物はR1がフェニルまたはトリルで
あり;nが1であり;R2が水素またはチエニルであり;R4
が水素,ヒドロキシ,メトキシ,フェニルまたはベンジ
ルであり;pが0であり;およびR3がヒドロキシまたは低
級アルコキシである化合物である。
式IIの化合物の好適な群はR7が低級アルキル置換フェニ
ル(特にトリル)であるものである。式IIの化合物の別
の好適な群はR2が置換低級アルキル,特に低級アルキル
チオ低級アルキル、および特にメチルチオエチルである
ものである。式IIの好適な化合物の第3の群はR3がヒド
ロキシまたは低級アルコキシであるものである。nの好
適な値は1である。
式IIの特に好適な化合物はR7がトリルであり;R2が置換
低級アルキル、特に低級アルキルチオ低級アルキルであ
り、R3がヒドロキシまたはアルコキシである化合物であ
る。
上記の化合物のうち、本発明化合物は以下の4種の化合
物およびその薬学的に許容しうる塩である。
1,1′−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベン
ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス
−(S)−イソセリン ジエチル エステル; 1,1′−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベン
ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス
−(S)−イソセリン; 1,1′−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベン
ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス
−(S)−メチオニン ジエチル エステル; 1,1′−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベン
ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス
−(S)−メチオニン 本願における開示はまた本発明のメルカプトアシルアミ
ノ酸ジスルフィド誘導体を心房性ナトリウム利尿因子
(ANF)と組合せて、および本発明のメルカプトアシル
アミノ酸ジスルフィド誘導体をアンジオテンシン変換酵
素(ACE)阻害剤と組合せての心臓疾患の処置にも関す
る。
本発明の他の態様は、本発明のメルカプトアシルアミン
酸ジスルフィド誘導体単独でまたはANFまたはACE阻害剤
と組合せたものから成る医薬組成物に関する。
詳細な説明 本明細書で使用される限り、用語“低級アルキル”とは
1から6の炭素原子の直線状または分枝アルキル鎖を意
味し、“低級アルコキシ”とは同様に1から6の炭素原
子を持つアルコキシ基を意味する。シクロ低級アルキル
とは3から6の炭素原子の環状アルキル基を意味してい
る。
“アリール”とは6から10の環構成原子を持つ単環式ま
たは融合二環式炭素環式芳香族基を意味し、“ヘテロア
リール”は1−2の環構成原子が別々に窒素、酸素また
は硫黄である5−10の環構成原子を持つ単環式または融
合二環式芳香族基を意味し、ここでアリールおよびヘテ
ロアリール基の炭素環構成原子は低級アルキル、ヒドロ
キシ、ハロ、低級アルコキシ、シクロ低級アルキル、シ
アノ、アミノメチル、トリフルオロメチル、フェニル、
フェノキシまたはフェニルチオから成る群より選択され
る0から3の置換基で置換されている。炭素環式アリー
ル基の例はフェニル、α−ナフチルおよびβ−ナフチル
であり、ヘテロ環式アリール基の例はフリル、チエニ
ル、ピロリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インド
リルおよびピリジルである。例えば2−ピリジル、3−
ピリジルのようなすべての位置異性体が含まれる。
“アラルキルオキシ”および“アラルキルチオ”は各々
アリール低級アルコキシおよびアリール低級アルキルチ
オ基を意味する。
“ハロ”はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素基を意味す
る。
本発明のある種の化合物は酸性である(例えば、カルボ
キシル基を持っている化合物)。これらの化合物は無機
および有機塩基と薬学的に受容可能な塩を形成する。そ
のような塩の例としてはナトリウム、カリウム、カルシ
ウ、アルミニウム、金および銀塩が挙げられる。アンモ
ニア、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、N
−メチルグルカミンなどのような薬学的に受容可能なア
ミンと形成された塩もまた含まれる。
塩が不溶性である溶媒または媒質中または真空下または
凍結乾燥により除去できるたとえば水のような溶媒中、
生成物の遊離酸形を一当量またはそれ以上の適当な塩基
または酸と反応させるかまたは適当なイオン交換樹脂上
で存在する塩のカチオンを別のカチオンに交換するなど
の常法により塩が形成されるであろう。
式IおよびIIの化合物は少くとも1つの不整炭素を含ん
でおり、それ故種々の立体異性体を含んでいる。本発明
は純粋な形およびラセミ混合物を含む混合物でのすべて
のそのような異性体を包含している。
本発明化合物はANFと組み合わせて用いることができ
る。Needleman et alにより示されているように、これ
まで多数のANFが単離されているすべてがシステインジ
スルフィド架橋内に17アミノ酸の同一のコア配列を持
ち、異なったN−末端長を持っている。これらのペプチ
ドは共通のプレプロホルモン(ヒトおよびラットに対し
て各々151および152アミノ酸)のN−末端切断断片(21
-48アミノ酸)を表わしている。ヒト、ブタおよびウシ
のカルボキシ末端28アミノ酸ペプチドは同一であるが、
ラットおよびマウスの類似のペプチドは異なっており、
前者は位置12にメチオニン基を含み、一方後者はイソロ
イシンを含んでいる。天然に存在するANEの種々の合成
類似体もまた匹敵する生物活性を持っていることが観察
されている。本発明で使用しようと企図されたANFの例
はαヒトAP21(アトリオペプチンI),αヒトAP28,α
ヒトAP23(アトリオペプチンIIまたはAPII)、αヒトAP
24,αヒトAP25,αヒトAP26,αヒトAP33およびMet12がIl
eである前記の各々に対応するラットの配列である。
本発明の別の態様はACE阻害剤および式Iの化合物の組
合せの投与である。
ACE阻害剤の例は上記Wyrrattによる論文および以下の米
国特許:米国特許第4,105,776、4,468,519、4,555,50
6、4,374,829、4,462,943、4,470,973、4,470,972、4,3
50,704、4,256,761、4,344,949、4,508,729、4,512,92
4、4,410,520および4,374,847号(すべてここに引例と
して含まれている);および以下の外国特許または公開
特許出願に記載されている: 1982年10月6日に公開された英国明細書第2095682号は
アンジオテンシン変換酵素阻害剤といわれており、式 {(A)RbおよびR9 bはOH、1−6Cアルコキシ、2−6C
アルケニルオキシ、ジ(1−6Cアルキル)アミノ−(1
−6C)アルコキシ、1−6Cヒドロキシアルコキシ、アシ
ルアミノ−(1−6C)アルコキシ、アシルオキシ−(1
−6C)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ−
(1−6C)アルコキシ、NH2、モノ−またはジ−(1−6
Cアルキル)アミノ、ヒドロキシアミノまたはアリール
(1−6C)アルキルアミノ;R1 b−R5 b、R7 bおよびR8 b
1−20Cアルキル、2−20Cアルケニル、2−20Cアルキ
ニル、アリール、7−12Cを持つアリール−(1−6C)
アルキルまたは7−12Cを持つヘテロ環式(1−6C)ア
ルキル; R6 bはシクロアルキル、ポリシクロアルキル、部分的に
飽和されたシクロアルキルまたはポリシクロアルキル、
3−20Cを持つシクロアルキル−(1−6C)アルキル、
6−10Cアリール、アリール−(1−6C)アルキル、ア
リール−(2−6C)アルケニルまたはアリール−(2−
6C)アルキニル;または R2 bおよびR3 bはそれらが結合されているCおよびN原子
と一緒になるかまたはR3 bおよびR5 bはそれらが結合され
ているNおよびC原子と一緒になって3−5Cまたは2−
4Cおよび一つのS原子を含むN−ヘテロ環を形成し; すべてのアルキル、アルケニルおよびアルキニルはOH、
1−6Cアルコキシ、チオ(原文のまま)、1−6Cアルキ
ルチオ、NH2、モノ−またはジ(1−6Cアルキル)アミ
ノ、ハロゲンまたはNO2で任意に置換されており: すべての“シクロアルキル”基(ポリおよび部分的不飽
和のものを含む)はハロゲン、1−6Cヒドロキシアルキ
ル、1−6Cアルコキシ、アミノ−(1−6Cアルキル)ア
ミノ、ジ−(1−6Cアルキル)アミノ、SH、1−6Cアル
キルチオ、NO2またはCF3により任意に置換されており;
および アリール基はOH、1−6Cアルコキシ、NH2、モノ−また
はジ−(1−6Cアルキル)アミノ、SH、1−6Cアルキル
チオ、1−6Cヒドロキシアルキル、1−6Cアミノアルキ
ル、1−6Cチオアルキル、NO2、ハロゲン、CF3、OCH
2O、ウレイドまたはグアニジノで任意に置換されてお
り;または (B)RbよびR9 bはHまたは1−6Cアルコキシであり; R1 bおよびR2 bはH、1−6Cアルキル、7−12Cを持つア
リール−(1−6C)アルキルまたは6−12Cを持つヘテ
ロ環式−(1−6C)アルキルであり; R3 b−R5 b、R7 bおよびR8 bはHまたは1−6Cアルキルであ
り; R6 bシクロアルキル、ポリシクロアルキル、部分的に飽
和されたシクロアルキルまたはポリシクロアルキル、3
−20Cを持つシクロアルキル−(1−6C)アルキルアリ
ールまたはアリール−(1−6C)アルキルであり;およ
び アリールは6−10Cを持っており、1−6Cアルキル、2
−6Cアルケニル、2−6Cアルキニル、OH、1−6Cアルコ
キシ、NH2、モノ−またはジ−(1−6Cアルキル)アミ
ノ、SH、1−6Cアルキルチオ、1−6Cヒドロキシアルキ
ル、1−6Cアミノアルキル、1−6Cチオアルキル、N
O2、ハロゲン、CF3、OCH2O、ウレイドまたはグアニジノ
で任意に置換されている;} を持つN−置換−N−カルボキシアルキル アミノカル
ボニル アルキル グリシン誘導体について開示してい
る。
1982年5月5日に公開された欧州特許出願0 050 800号
はアンジオテンシン変換酵素阻害剤といわれており、式 {式中、RcおよびR6cは同じでも異なっていてもよく、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルケニルオキシ、
ジ低級アルキルアミノ低級アルコキシ、アシルアミノ低
級アルコキシ、アシルオキシ低級アルコキシ、アリール
オキシ、アリール低級アルコキシ、アミノ、低級アルキ
ルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、ヒドロキシアミノ、
アリール低級アルキルアミノ、または置換アリールオキ
シまたは置換アリール低級アルコキシ(ここで置換基は
メチル、ハロまたはメトキシである)であり;R1cは水
素、1から10の炭素原子のアルキル、置換低級アルキル
(置換基はヒドロキシ、低級アルコキシ、アリールオキ
シ、置換アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、置換
ヘテロアリールオキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、
ジ低級アルキルアミノ、アシルアミノ、アリールアミ
ノ、置換アリールアミノ、グアニジノ、イミダゾリル、
インドリル、低級アルキルチオ、アリールチオ、置換ア
リールチオ、カルボキシ、カルバモイル、低級アルコキ
シカルボニル、アリール、置換アリール、アラルキルオ
キシ、置換アラルキルオキシ、アラルキルチオまたは置
換アラルキルチオであり、前記置換アリールオキシ、ヘ
テロアリールオキシ、アリールアミノ、アリールチオ、
アリールアラルキルオキシ、アラルキルチオ基のアリー
ルまたはヘテロアリール部分はハロ、低級アルキル、ヒ
ドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、アミノメチル、カ
ルボキシル、シアノまたはスルファモイルからなる群よ
り選択される)であり;R2cおよびR7cは同じでも異なっ
ていてもよく、水素または低級アルキルである;R3c
水素、低級アルキル、フェニル低級アルキル、アミノエ
チルフェニル低級アルキル、ヒドロキシフェニル低級ア
ルキル、ヒドロキシ低級アルキル、アシルアミノ低級ア
ルキル、アミノ低級アルキル、ジメチルアミノ低級アル
キル、グアニジノ低級アルキル、イミダゾリル低級アル
キル、インドリル低級アルキル、または低級アルキルチ
オ低級アルキルであり;R4cおよびR5cは同じでも異なっ
ていてもよく、水素、低級アルキルまたはZcであるかま
たはR4cおよびR5cが一緒になってQc、Uc、Vc、Yc、Dc
たはEcにより表わされる基を形成し、ここで;Zc式中、X1cおよびX2cは互いに独立して、O,SまたはCH2
あり、R8cおよびR9cは互いに独立して低級アルキル、低
級アルケニル、低級アルキニル、3から8の炭素原子を
持つシクロアルキル、ヒドロキシ低級アルキルまたは−
(CH2)n cArc(式中ncは0,1,2または3であり、Arcは無置
換または置換フェニル、フリル、チエニルまたはピリジ
ルであり前記置換フェニル、フリル、チエニルまたはピ
リジル基はC1からC4のアルキル、低級アルコキシ、低級
アルキルチオ、ハロ、CF3およびヒドロキシから独立し
て選択される少くとも1つの基で置換されている)であ
るか、またはR8cおよびR9cが一緒になって架橋Wcを形成
し、ここでWcは単結合またはX1cおよびX2cの少くとも1
つがメチレンの場合メチレン架橋または置換メチレン架
橋であるか、またはWcは2つまたは3つの炭素原子を持
つアルキレンまたは置換アルキレン架橋であり、前記置
換メチレン架橋または前記置換アルキレン架橋は低級ア
ルキル、アリールおよびアリール低級アルキル基から選
択される1つまたは2つの置換基を持っている;および
pcは0,1または2であり;ただしR4cおよびR5cの少くと
も1つがZcであり、ただしもしR4cがZcであり、pcが0
であればX1cおよびX2cは両方ともメチレンでなければな
らず、およびただしもしX1cおよびX2cの両方がメチレン
であればR8cおよびR9cはアルキレン架橋Wcを形成しなけ
ればならない; であり; Qc式中、R8c、R9c、X1cおよびX2cは前に定義したとおりで
あり、pcは0,1または2であり、qcは0,1または2であ
り、ただし、pcおよびqcの合計は1,2または3でなけれ
ばならず、ただしもしpcが0ならばX1cおよびX2cはメチ
レンでなければならず、およびただしもしX1cおよびX2c
がメチレンならば、R8cおよびR9cは一緒になって架橋Wc
(Wcは前に定義したとおりである)を形成する; であり; Vc式中、R8c、R9c、X1cおよびX2cは前に定義したとおりで
あり、pcは0,1または2であり、qcは0,1または2であ
る。ただしpcおよびqcの合計は1,2または3であり、た
だしもしX1cおよびX2cがCH2であればR8cおよびR9cは一
緒になって架橋Wc(Wcは前に定義したとおり)を形す
る; であり、: Uc式中、Wcは前に定義したとおりであり(ただしX1cおよ
びX2cが酸素または硫黄である場合Wcはメチレン架橋で
あってもよい)、X1cおよびX2cは前に定義したとおりで
あり、pcは0,1または2であり、qcは0,1または2であ
る。ただしpcおよびqcの合計は1または2であり、ただ
しもしpcが0であればX1cはCH2でなければならない; であり; Yc式中、Gcは酸素、硫黄またはCH2であり、acは2,3または
4であり、およびbcは1,2,3,4または5であり、ただしa
cおよびbcの合計は5,6または7であり、またはGcはCH2
であり、acは0,1,2または3であり、bcは0,1,2または3
であり、ただしacおよびbcの合計は1,2または3であ
り、ただしもしR1cがアラルキルチオまたはアラルキル
オキシで置換された低級アルキルである場合のみacおよ
びbcの合計が1,2または3であろう; であり; Dc式中、FcはOまたはSであり、Jcは0,1または2であ
り、kcは0,1または2であり、ただしJcおよびkcの合計
は1,2または3でなければならず、およびmcは1,2または
3でありtcは1,2または3であり、ただしmcおよびtc
合計は2,3または4でなければならない; であり; Ec式中、LcはOまたはSであり、ucは0,1または2であ
り、およびvcは0,1または2であり、ただしucおよびvc
の合計は1または2でなければならず、およびhcは1ま
たは2であり、scは1または2であり、ただしhcおよび
scの合計は2または3でなければならない; である;} を持つ、またはその薬学的に受容可能な塩であるカルボ
キシアルキルジペプチド誘導体を開示している。
1983年5月25日に公開された欧州特許出願0079522号は
アンジオテンシン変換酵素阻害剤といわれており式 {式中: RdおよびR2dは独立して水素、低級アルキル、アラルキ
ルまたはアリールであり; R1dは水素、分枝または直鎖C1-12アルキルおよびアルケ
ニル、C3−C9シクロアルキルおよびベンゼン環融合アル
キル、置換低級アルキル(置換基はハロ、ヒドロキシ、
低級アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、モノ−また
はジ低級アルキルアミノ、アシルアミノ、アリールアミ
ノ、グアニジノ、メルカプト、低級アルキルチオ、アリ
ールチオ、カルボキシ、カルボキサミドまたは低級アル
コキシカルボニルである)、アリール、置換アリール
(置換基は低級アルキル、低級アルコキシまたはハロで
ある)、アリール低級アルキル、アリール低級アルケニ
ル、ヘテロアリール低級アルキル、ヘテロアリール低級
アルケニル、置換アリール低級アルキル、置換アリール
低級アルケニル、置換ヘテロアリール低級アルキルまた
は置換ヘテロアリール低級アルケニル(アリールおよび
ヘテロアリール置換基はハロ、ジハロ、低級アルキル、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、アミノ、アミノ低級アル
キル、アシルアミノ、モノ−またはジ低級アルキルアミ
ノ、カルボキシル、ハロ低級アルキル、ニトロ、シアノ
またはスルホンアミドであり、アリール低級アルキルの
低級アルキル部分はアミノ、アシルアミノまたはヒドロ
キシルで置換されていてもよい)であり; である。
式中、XdおよびYdは一緒になって−CH2−CH2−、−CH
(R5d)−S−、−C(O)−CH2−、−CH2−C(O)
−、−C(O)−O−、−C(O)−S−、−CH2−CH
(OR4d)−、−C(O)−N(R4d)−、または−CH2
C(R4d)−R5d−であり、 R4dは水素、低級アルキル、アリール、置換アリールで
あり; R5dは水素、低級アルキル、アリールまたは置換アリー
ルであり; ndは1から3であり; Zdは−(CH2)mdであり(式中mdは0から2であり、もしm
dが0でない場合Wdも同時に存在するであろう;および R6dは水素、低級アルキル、ハロまたはOR4dである; R2dは…((CH2)rd…Bd…(CH2)sd…NR7dR15dであり 式中、rdおよびsdは独立して0から3であり、Bdは存在
しないか、−O−、−S−または−NR8dであり(式中R
8dは水素、低級アルキル、アルカノイルまたはアロイル
である);および 式中、 R9dは低級アルキル、アラルキル、アリール、ヘテロア
リールまたはヘテロアリール低級アルキル(これらの基
はヒドロキシ、低級アルコキシまたはハロで置換されて
いる)、カルボキシル、カルボキサミド、ニトロメテニ
ルであり; R10dは水素、低級アルキル、アリールまたはアミジノで
あり; R11dは水素、低級アルキル、シアノ、アミジノ、アリー
ル、アロイル、低級アルカノイル、−C(O)−NH
R13d、−C(O)−OR13d、−NO2、−SO2NH2またはSO2R
15dであり; R12dは水素、低級アルキル、ハロ、アラルキル、アミ
ノ、シアノ、モノ−またはジ低級アルキルアミノまたは
OR4dであり; R13dは水素、低級アルキルまたはアリールである; R15dは水素、低級アルキル、アラルキルまたはアリール
であり; は5または6原子の塩基性ヘテロ環またはそのベンゼン
環融合類似体であり、任意に1−3N原子、1つの酸素、
1つの硫黄、1つのS=OまたはSO2基を含んでおり、
任意にアミノ、低級アルキルアミノにより置換されてい
る; R3dはC3-8シクロアルキルおよびベンゼン環融合C3-8
クロアルキル、ペルヒドロベンゼン環融合C3-8シクロア
ルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置
換ヘテロアリールであり; R14dは水素または低級アルキルである;}およびその薬
学的に受容可能な塩; を持つN−カルボキシメチル(アミジノ)リジル−プロ
リン化合物を開示している。
1983年5月18日に公開された欧州特許79022号は、式 〔式中、1および5位の水素原子はお互いにシスであ
り、 3−カルボキシ基はエンド配位を持っており; R1 eはH、アリル、ビニルまたは任意に保護された天然
に存在するα−アミノ酸の側鎖であり; R2 eはH、1−6Cアルキル、2−6Cアルケニルまたはア
リール(1−Cアルキル)であり; YeはHまたはOHであり、ZeはHであり、またはYeおよび
Zeは酸素と一緒になり; Xeは1−6Cアルキル、2−6Cアルケニル、5−9Cシクロ
アルキル、6−12Cアリール(1つから3つの1−4Cア
ルキルまたはアルコキシ、OH、ハロ、ニトロ、アミノ
(1つからの2つの1−4Cアルキルで任意に置換されて
いる)またはメチレンジオキシまたはインドール−3−
イルで任意に置換されている) である〕 を持つN−アミノアシル−アザビシクロオクタンカルボ
ン酸誘導体を開示している。
1982年3月10日に公開された欧州特許46953号はアンジ
オテンシン変換酵素阻害剤であり、式 〔式中、Nfは0または1であり; はベンゼンまたはシクロヘキサン環であり; R1 fおよびR2 fは各々、1−6Cアルキル、2−6Cアルケニ
ル、5−7Cシクロアルキル、5−7Cシクロアルケニル、
7−12Cシクロアルキルアルキル、任意に部分的に水素
化されている6−10Cアリール、7−14Cアラルキルまた
は1つまたは2つのSまたはOおよび/または1−4N原
子を含む5−7員−環性または8−10員二環性ヘテロ
環、すべてのR1 fおよびR2 f基は任意に置換されており; R3 fはH、1−6Cアルキル、2−6Cアルケニルまたは7
−14Cアラルキルである〕 を持つN−アミノアシル−インドリンおよびテトラヒド
ロイソキノリンカルボン酸を開示している。
以下の表IIは本発明の組合せで使用するのに好適なACE
阻害剤が挙げられている。
式Iおよび式IIで表される化合物は当業者によく知られ
た方法により製造できる。例えば式IIIのメルカプタン
はジスルフィドへ酸化でき、式IVの酸へ変換され、続い
て式Vのアミノ酸、アミノエステルまたはアミノアミド
でアミド化され式Iの化合物を得る: 式中、n、p、t、R1、R2、R3、R4およびR9は前に定義
したとおりであり、R10はOHまたはOHへ変換可能な基
(例えばエトキシまたはベンジルオキシ)である。
式IIの化合物の製造に式VIの酸および式VIIのアミンを
用いる類似の方法が使用できる: 式中、n、R2、R3およびR7は前に定義したとおりであ
る。
前記本発明の化合物を製造する第2の方法は式Iaまたは
IIaのメルカプト−アシルアミノ酸を酸化してジスルフ
ィドを得ることから成る: 反応はヨウ素のような酸化剤を用いて、エタノールのよ
うな有機溶媒中で実施できる。
式IaおよびIIaの出発物質は当業者にはよく知られた方
法により製造できる。式Iaの化合物を製造するための典
型的な一般法は、例えば1−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)のよ
うなカップリング剤を用い、典型的なペプチドカップリ
ング条件下プロピオン酸、IIIa(すなわち、R10がOHで
ある式IIIの化合物)とアミノ酸、アミノエステルまた
はアミノアミドVを混合させることである: (式中Qはアセチルまたはベンゾイルのような硫黄保護
基であり、R3は前に定義したとおりである) 式Iaの化合物を得るために、硫黄保護基が常法により除
去され得る;例えばアセチルまたはベンゾイル基の除去
は水酸化ナトリウムで処理し、続いてHC1で酸性化する
ことにより達成される。
もしくはプロピオン酸(IIIa)は既知の方法(例えばチ
オニルクロリド処理)により対応する酸クロリド(III
b)へ変換でき、酸クロリドはトリエチルアミンのよう
な塩基存在下アミノ酸、アミノエステルまたはアミノア
ミドと反応させると脱保護後に式Iaの化合物を得る: R4がヒドロキシである式Vの化合物に対しては、反応の
間そのような基を保護(例えばt−ブトキシカルボニル
またはベンジルオキシカルボニル基で)することが望ま
しいであろう。
式VIaのプロピオン酸(式中Qは前に定義したとおりで
ある)(または対応する酸クロリド)および式VIIのア
ミノ酸、アミノエステルまたはアミドを用いて式IIaの
化合物の製造に類似の反応が使用されるであろう: 当業者にはよく知られた方法を用いてR3変異種の適当な
反応により式IaおよびIIaの化合物は各々式IaおよびIIa
の異なった化合物に変換できることは明らかである。
式III、IIIaおよびVからVIIの化合物は本分野では既知
であるかまたは本分野でよく知られている方法により製
造できる。
本発明の新規化合物はうっ血性心不全、浮腫、腎不全お
よび種々の型の高血圧症、特に体積拡大性高血圧症のよ
うな心臓障害の処置に有効であることが認められた。こ
れらの新規化合物は内在性ANFの抗高血圧性およびナト
リウム排泄効果の程度および持続の両方を促進した。メ
ルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体とACE阻害
剤の組合せ投与はメルカプトアシルアミノ酸ジスルフィ
ド誘導体またはACE阻害剤単独よりも大きな抗高血圧性
および抗うっ血性心不全効果を示した。式IまたはIIの
メルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体と外来性
ANFまたはACE阻害剤の組合せ投与はそれ故高血圧症また
はうっ血性心不全の処置に特に有用である。
化合物態様に加えて本発明は式IまたはIIのメルカプト
アシルアミノ酸ジスルフィド誘導体またはANFまたはACE
阻害剤と組合わされた式IまたはIIのメルカプトアシル
アミノ酸ジスルフィド誘導体による心臓障害の処置にも
また関し、その方法はそのような処置を必要としている
哺乳類に対し、高血圧症またはうっ血性心不全の処置に
有効なメルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体の
量または高血圧症またはうっ血性心不全の処置に有効な
メルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体およびAN
FまたはACE阻害剤の組合せの量を投与することから成っ
ている。薬剤または薬剤の組合せは薬学的に受容可能な
担体と一緒に好適に投与される、例えば経口または非経
口投与に対して。薬剤の組合せは単一の組成物として同
時投与してもよいし、組合せ治療の成分は別々に投与し
てもよい。成分が別々に投与される場合、都合の良い剤
形の組合せが使用されるであろう。例えば経口メルカプ
トアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体/経口ANF、経口
メルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体/非経口
ACE阻害剤、非経口メルカプトアシルアミノ酸ジスルフ
ィド誘導体/経口ANF、非経口メルカプトアシルアミノ
酸ジスルフィド誘導体/非経口ACE阻害剤。
メルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体およびAN
Fの組合せの成分が別々に投与される場合、メルカプト
アシルアミノ酸ジスルフィド誘導体を最初に投与するこ
とが好適である。
式Iおよび式IIの化合物はまた高血圧症またはうっ血性
心不全の処置に使用するメルカプトアシルアミノ酸ジス
ルフィド誘導体を含む医薬組成物、メルカプトアシルア
ミノ酸ジスルフィド誘導体およびANFの両方を含む医薬
組成物およびメルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘
導体およびACE阻害剤の両方を含む医薬組成物に使用す
ることができる。
メルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体の抗高血
圧効果は以下の方法に従って決定された: 体重100-150gのオス、スプラーグ・ドーリー・ラットを
エーテルで麻酔し、右腎臓を除去した。酢酸DOC(酢酸
デスオキシ コルチコステロン,DOCA、25mg/ペレット)
を含む3つのペレットを皮下に移植した。手術から回復
した動物は通常のラットの食物で維持し、17-30日間水
道水の代わりの1%NaClおよび0.2%KClを含む液体に自
由に近づけるようにした。この方法は血圧の持続した上
昇を生じさせ、ラットにおけるDOCA塩高血圧症を生じさ
せるのに使用された方法(例えばBrock et al.,1982)
をわずかに変更したものである。
試験する日は、動物をエーテルで再び麻酔し、血圧測定
のための尾動脈にカニューレを挿入した。尾動脈カニュ
ーレの開通性はデキストロースを溶解した水を0.2ml/hr
の速度で連続的に注入することにより維持された。動物
を抑制ケージに置き、そこで動物は意識を回復した。血
圧は尾動脈カテーテルからBeckmanオシログラフ記録を
持続したStatham圧力変換器を用いて測定した。さら
に、心臓モニタリング装置(Buxco Electronics,Inc)
およびデジタル コンピューターが平均血圧の計算に使
用された。
少くとも1.5時間の平衡化期間の後、動物に担体(メチ
ルセルロース、以後MC)またはメルカプトアシルアミノ
酸ジスルフィド誘導体を皮下投与し(1ml/kg)、次の4
時間の間血圧をモニターした。
同様の方法がACE阻害剤と組合せたメルカプトアシルア
ミノ酸ジスルフィド誘導体の効果の決定に使用できる。
ANFと組合せたメルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド
誘導体の抗高血圧効果は以下の方法に従って決定でき
る: 週令16-18、270-350gのオス高血圧自然発生ラット(SH
R)をエーテルで麻酔し、尾動脈から腹部大動脈へカニ
ューレを挿入した。次に動物を抑制器に置いて麻酔から
回復させ(10分未満)、実験を通じて内部に残してお
く。圧力変換器(Gould P23シリーズ)を通してアナロ
グ血圧信号がBeckman612記録計上に記録される。Buxco
デジタルコンピューターを平均動脈圧を得るために使用
した。動脈カニューレの開通性は5%デキストロースを
0.2ml/hrで連続的に注入することにより維持した。動物
にはアトリオププチンII(APII)またはAP28のようなAN
Fを30μg/kg静脈注射で最初に投与し、60分経過時に薬
剤担体またはメルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘
導体を皮下に投与する。2回目のANFが15分後に投与さ
れ続いての90分間血圧をモニターする。
SHRにおけるメルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘
導体およびACE阻害剤、単独およびその組合せの抗高血
圧効果は以下のように決定できる: 動物に前記のような血圧測定の準備を行なう。安定化
後、動物に皮下または経口で試験薬剤またはプラシーボ
を投与し、続いての4時間血圧をモニターする。
構造式IおよびIIを持つ化合物はまたエンケファリナー
ゼと称される酵素の活性を阻害することが発見されてい
る。本化合物はラットおよびヒトの両方の線条体から誘
導されるエンケファリナーゼAの阻害に特に有用であ
る。当業者にはよく知られているエンケファリナーゼA
阻害の試験方法を用いるインビトロ試験においては構造
式IおよびIIを持っている選択された化合物は前記の酵
素の活性を阻害することが観察されている。それ故本発
明は哺乳類においてエンケファリナーゼの作用を阻害す
ることにより式IまたはIIの化合物で鎮痛効果を引き出
す方法、および式IまたはIIの化合物を含む鎮痛医薬組
成物にも関している。
免疫抑制シクロポリンと関連がある腎毒性の処置におけ
る心房性ナトリウム利尿ペプチドの使用がCapasso et a
lによりAmerican Journal of Hyperteusion3,3(199
0)pp204-210に報告された。本発明の化合物は外来性AN
Fを増強させるので、腎毒性の処置に単独で使用でき、
また外来性ANFと組合せて投与もできる。
本発明の組成物は哺乳類への投与のための薬学的に受容
可能な担体と組合されたメルカプトアシルアミノ酸ジス
ルフィド誘導体またはメルカプトアシルアミノ酸ジスル
フィド誘導体およびANFまたはメルカプトアシルアミノ
酸ジスルフィド誘導体およびACE阻害剤を含んでいる。
種々の医薬形が適しているが、好適であるのは経口また
は非経口投与であり、経皮剤形きような機械的輸送系も
また企図される。
高血圧症またはうっ血性心不全の処置のための本発明の
化合物または組合せ物の日用量は以下のとおりである:
メルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体単独の場
合の典型的用量は1回量または分割量で1日当り、哺乳
類体重kg当り0.1から10mgであり:メルカプトアシルア
ミノ酸ジスルフィド誘導体およびANFの組合せに対して
の典型的用量は1回量または分割量で1日当り、哺乳類
の体重kg当り0.1から10mgのメルカプトアシルアミノ酸
ジスルフィド誘導体に加え、1回量または分割量で1日
当り、哺乳類体重kg当り0.001から0.1mgのANFであり、
およびメルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体お
よびACE阻害剤の組合せに対しての典型的用量を1回ま
たは分割量で1日当り、哺乳類体重kg当り、0.1から10m
gのメルカプトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体に加
え、1回または分割量で1日当り、哺乳類体重kg当り0.
1から30mgのACEである。投与されるべき正確な成分また
は組合せは関与する臨床医により決定され、投与される
化合物の効力、患者の年令、体重、状態および応答性に
依存する。
一般的に、高血圧症またはうっ血性心不全を持つヒトの
処置において、本発明の化合物または組合せ物は以下の
ような用量範囲で患者に投与されるであろう:メルカプ
トアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体単独での処置に対
しては、約5から約500mgの投与量で1日1から4回与
え、総日用量は1日当り約5から2000mgとなる;メルカ
プトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体およびANFの組
合せに対しては、約5から約500mgのメルカプトアシル
アミノ酸ジスルフィド誘導体投与量で1日に1から4回
与え、および約0.001から約1mgのANFを1日1から6回
与える(総日用量は各々1日当り5から2000mgおよび1
日当り0.001から6mg);メルカプトアシルアミノ酸ジス
ルフィド誘導体およびACE阻害剤の組合せに対しては、
約5から約500mgのメルカプトアシルアミノ酸ジスルフ
ィド誘導体投与量で1日1から4回、および約5から約
50mgのACE阻害剤を1日1から3回与える(総日用量範
囲は各々1日当り5から2000mgおよび1日当り5から15
0mg)。組合せ物の成分が別々に投与される場合1日当
り与えられる各々の成分の投与の回数は同じである必要
はない。例えば1つの成分がより長い活性の持続を持っ
ているなら、投与頻歩はより少なくする必要があろう。
鎮痛効果を産み出すためには本発明の化合物は約1から
約100mg/kgの用量範囲で投与されるであろう。用量は3
から8時間の間隔で投与されるべきである。しかしなが
ら投与の量および頻度は痛みの重度、患者の一般的生理
状態、患者の年令および体重および熟練した臨床医によ
り認識される他の因子に依存するであろう。
免疫抑制治療に関連した浮腫、腎不全または腎毒性の処
置のための本発明の化合物の用量範囲は本発明のメルカ
プトアシルアミノ酸ジスルフィド誘導体単独またはANF
と組合せての高血圧症の処置の場合と同一である。
典型的な経口処方には錠剤、カプセル剤、シロップ剤エ
リキシル剤および懸濁剤が含まれる。典型的な注射可能
処方には水剤および懸濁剤が含まれる。
前記の処方に使用するための典型的な受容可能な医薬担
体の例は以下のものである:乳糖、ショ糖、マンニトー
ルおよびソルビトールのような糖;トウモロコシデンプ
ン、タピオカデンプンおよびバレイショデンプンのよう
なデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、
エチルセルロースおよびメチルセルロースのようなセル
ロースおよびその誘導体;リン酸二カルシウム、および
リン酸三カルシウムのようなリン酸カルシウム塩、硫酸
ナトリウム;硫酸カルシウム;ポリビニルピロリドン;
ポリビニルアルコール;ステアリン酸;ステアリン酸マ
グネシウムおよびステアリン酸カルシウムのようなステ
アリン酸アルカリ土類金属塩;ピーナツ油、綿実油、ゴ
マ油、オリーブ油およびトウモロコシ油のような野菜
油;非イオン性、陽イオン性および陰イオン性界面活性
剤;エチレングリコールポリマー;ベータシクロデキス
トリン;脂肪酸アルコールおよび加水分解された穀類固
形物;並びに他の非毒性の適合する賦形剤、結合剤、崩
壊剤、緩衝剤、保存剤、抗酸化剤、滑沢剤、芳香剤など
医薬処方に通常に使用されるもの。
本発明は活性成分の組合せによる高血圧症またはうっ血
性心不全の処置に関しているが(前記活性成分は別々に
投与されてもよい)本発明はまた別々の医薬成分をキッ
トの形で組合せることにも関している。すなわち2つの
キットが企図されており、各々は2つの別々の単位が組
合されている:1つのキットにはメルカプトアシルアミノ
酸ジスルフィド誘導体医薬組成物およびANF医薬組成物
および第2のキット中にはメルカプトアシルアミノ酸ジ
スルフィド誘導体医薬組成物およびACE阻害物医薬組成
物。別々の成分が異なった剤形(例えば経口および非経
口)で投与されなければならない場合または異なった投
与間隔で投与される場合、キットの形は特に都合が良
い。
以下は式IおよびIIの化合物の製造法の例である。
製造例1 N−〔3−メルカプト−2(S)−(2−メチルベンジ
ル)プロピオニル〕−(S)−メチオニン エチルエス
テル N−〔3−アセチルチオ−2(S)−(2−メチルベン
ジル)プロピオニル〕−(S)−メチオニン エチル
エステル(1.00g)に6.8%アンモニア−無水エタノール
(20ml)を加え、3時間撹拌する。得られる溶液を濃縮
し得られる残渣を真空下乾燥させると白色固形物を得
る、 m.p.73-76℃、▲〔α〕26 D▼=−7.6°(MeOH)。
製造例2 N−〔3−メルカプトメチル−2(S)−(2−メチル
ベンジル)プロピオニル〕−(S)−イソセリン エチ
ル エステル 窒素雰囲気下、N−〔2(S)−アセチルチオメチル−
3−(2−メチルフェニル)プロピオニル〕−(S)−
イソセリン エチル エステル(2.62g)に7.8%w/wNH3
−EtOHを加え15時間撹拌する。反応混合物を真空下濃縮
すると無色油状物が得られる。油状物を脱気した水で処
理し真空下濃縮すると表記化合物を無色油状物として得
る、▲〔α〕26 D▼=+60.7℃(MeOH)。
実施例1 1,1′−〔ジチオビス−〔2(S)−(2−メチルベン
ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル〕〕ビス−
(S)−メチオニン ジエチル エステル 無水EtOH(30ml)に溶解した製造例1の生成物(0.89
g)に1%ヨウ素の無水EtOH溶液(〜32ml)を滴加する
(淡褐色溶液が得られるまで)。エタノールを蒸発さ
せ、残渣をジエチルエーテル/1%チオ硫酸ナトリウム溶
液に分配する。有機層を食塩水と分配させる。乾燥し
(MgSO4)濃縮すると白色固形物を得る、m.p.74-79℃▲
〔α〕26 D▼=−176.4°(MeOH)。
実施例2 1,1′−〔ジチオビス−〔2(S)−(2−メチルベン
ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル〕〕ビス−
(S)−メチオニン 実施例1の生成物(0.46g)にIN NaOH(1.3ml)を加
え、得られる混合物を3時間撹拌する。0.1N HClを加
え、EtOAcで抽出する。乾燥(MgSO4)EtOAcを濃縮し、
残渣はCH2Cl2:NH4OH:MeOH70:27:3を展開液とする分取
薄層プレート(4×1000μ)上にてのクロマトグラフィ
ーを行うと、淡黄色の固形物を得る、m.p.53-58℃、▲
〔α〕26 D▼=−177.8°(MeOH)。
実施例3 1,1′−〔ジチオビス−〔2(S)−(2−メチルベン
ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル〕〕ビス−
(S)−イソセリン ジエチル エステル 製造例2の生成物(1.72g)を1%ヨウ素のEtOH溶液(7
0ml)に溶解し、反応混合物は室温で18時間撹拌する。
混合物を真空下濃縮し、EtOAc(800ml)を加える。EtOA
c溶液を5%炭酸水素ナトリウム溶液、1%チオ硫酸ナ
トリウム溶液続いて食塩水と分配させる。乾燥(MgS
O4)EtOAc溶液を真空下濃縮すると白色固形物を得る。
固形物をフラッシュシリカゲルのカラム(200ml)上に
のせ、EtOAc:ヘキサン1:1(2000ml)、3:2(2000ml)、
3:1(2000ml)、EtOAc(1000ml)およびEtoAc:MeOH4:1
(2000ml)で溶出すると白色固形物を得る。この白色固
形物をフラッシュシリカゲルカラム(120g)上に置き、
CH2Cl2:MeOH99:1(2000ml)、49:1(2000ml)および19:
1(2000ml)で溶出すると表記化合物を白色固形物とし
て得る、mp137−8℃、▲〔α〕26 D▼=−1.5°(MeO
H)。
実施例4 1,1′−〔ジチオビス−〔2(S)−(2−メチルベン
ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル〕〕ビス−
(S)−イソセリン 実施例3の生成物(0.324g)のMeOH(15ml)溶液にIN N
aOH(1.1ml)を加え、2時間撹拌する。窒素気流下で反
応混合物を濃縮し、IN HCl(2ml)を加えると白色沈殿
が生じる。固形物を濾過し、水で洗浄して真空下乾燥さ
せると表記化合物を白色固形物として得る、m.p.121−
3℃、▲〔α〕26 D▼=−1.5°(MeOH)。
前記の試験方法を用いると、実施例1から4の化合物は
DOCA塩モデルおよびANF増強作用法において血圧の低下
(ΔBP)を与えることが観察された: 以下の処方は本発明の組成物の剤形のいくつかを例示す
るものである。各々において用語“活性成分”は式Iま
たはIIの化合物を示し、好適であるのは1,1′−〔ジチ
オビス−〔2(S)−(2−メチルベンジル)−1−オ
キソ−3,1−プロパンジイル〕〕ビス−(S)−メチオ
ニンである。しかしながら、この化合物は等しい有効量
の式IまたはIIの他の化合物に置き換えることができ
る。
実施例A 製造方法 適当な混合機中番号1および2の成分を10-15分間撹拌
する。番号3の成分で混合物を顆粒化する。必要に応じ
粗いスクリーン(例えば1/4″、0.63cm)を通して湿っ
た顆粒をすりつぶす。湿った顆粒を乾燥させる。必要に
応じ乾燥顆粒をふるいにかけ、番号4の成分と混ぜ10-1
5分間混合する。番号5の成分を加え、1−3分間混合
する。適当な錠剤製造機で適当な大きさおよび重量へ混
合物を圧縮する。
実施例B 製造方法 適当なかき混ぜ機中番号1,2および3の成分を10-15分間
攪拌する。番号4の成分を加え1−3分間攪拌する。適
当なカプセル製造機にて適当な2片の硬ゼラチンカプセ
ル内へ混合物を充填する。
実施例C 非経口製剤成分 mg/バイアル mg/バイアル 活性化合物無菌散剤 100 500 再構成のためには、注射用の無菌水または注射用の静菌
水を添加する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スミス,エリザベス・エム アメリカ合衆国ニュージャージー州07044, ベローナ,グローブ・アベニュー 166 (56)参考文献 特開 昭52−136117(JP,A) 特開 昭57−193450(JP,A) 特開 昭60−136554(JP,A) Chem.Abs.,vol.97, 19653g(1982)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,1′−[ジチオビス−[2(S)−(2
    −メチルベンジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイ
    ル]]−ビス−(S)−イソセリン ジエチル エステ
    ル; 1,1′−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベン
    ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス
    −(S)−イソセリン; 1,1′−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベン
    ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス
    −(S)−メチオニン ジエチル エステル; 1,1′−[ジチオビス−[2(S)−(2−メチルベン
    ジル)−1−オキソ−3,1−プロパンジイル]]−ビス
    −(S)−メチオニン およびこれらの薬学的に受容可能な塩。
  2. 【請求項2】薬学的に受容可能な担体中に、有効量の請
    求の範囲第1項に記載の化合物を含む、心房性ナトリウ
    ム利尿因子増強用医薬組成物。
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