JPH06102436A - 光分岐結合器 - Google Patents

光分岐結合器

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JPH06102436A
JPH06102436A JP4253178A JP25317892A JPH06102436A JP H06102436 A JPH06102436 A JP H06102436A JP 4253178 A JP4253178 A JP 4253178A JP 25317892 A JP25317892 A JP 25317892A JP H06102436 A JPH06102436 A JP H06102436A
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lens
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治夫 田中
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直太郎 中田
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    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 完全なシールにより、内部光学部品の結露に
よる誤作動、腐食および劣化を防止しうる高品質な光分
岐結合器を提供する。 【構成】 光ファイバFとの結合部が、筐体2のレンズ
貫通孔3に貫通され、かつ、レンズ貫通孔3周囲の座ぐ
り面9に低融点ガラスからなるシール部材10によって接
着された非球面レンズ5から構成されており、非球面レ
ンズ5が、その光学部に連続一体に形成され、かつ、前
記座ぐり面9に対応する鍔部4が形成されており、また
非球面レンズ5の後端面に光ファイバFが接続されるよ
うにされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光分岐結合器に関する。
さらに詳しくは、光ファイバによる、2以上の波長の光
入力信号をそれぞれの波長の光出力信号に分岐し、また
は送信信号を光ファイバに結合するためのものであっ
て、光通信のうち、とくに光加入者系の光ファイバの分
配点、または局側、加入者宅側における端末装置内など
に用いられる光分岐結合器に関する。
【0002】
【従来の技術】光分岐結合器(以下、単に結合器とい
う)に光ファイバを結合するばあい、結合器パッケージ
内に湿気が侵入することによる誤作動または各光学部品
類の腐食や劣化などを防止するため、光ファイバ貫入部
にはきわめて高いシール機能が要求される。
【0003】従来の結合器では、たとえば図4に示され
るように、金属製パッケージである筐体51の壁面に穿設
された貫通孔52にブッシュ53をロウ付または溶接にて固
着し、光ファイバFをブッシュ53内に挿入したのち、ブ
ッシュ53の内面と光ファイバFとのあいだをハンダまた
は接着剤54で埋めて光ファイバFを固定すると共に、そ
の部分をシールしていた。なお、55は光ファイバFの被
覆材であり、56は被覆材55から露出した光ファイバFの
部位を保護するためのゴムカバーである。
【0004】しかしながら最近、かかる結合では厳格な
ヘリウムリーク試験において通常要求される判定基準
(10-8 atm・cc/sec )をクリアするのがきわめて困難
であり、現実に、筐体内部への湿気の侵入を完全には防
止しえない。しかも、前記ハンダ付けや接着剤の注入を
含めた組立作業には、かなりの熟練を要し、製造コスト
の大幅な上昇および品質の不安定を招来することとなっ
ている。
【0005】かかる問題に鑑み、図5に示すような、レ
ンズを用いた結合部が提案されている(特開昭57-78010
号公報参照)。この結合部は、金属製パッケージである
筐体61の壁面に穿設された貫通孔62に、その周囲に異径
金属製スリーブ63の小径側内周縁が固着された砲弾形の
非球面レンズ64を挿入し、金属製スリーブ63の大径側外
周縁を貫通孔62の内周面にロウ材によって固着したもの
である。前記金属製スリーブ63は、あらかじめメタライ
ズされた非球面レンズ64の外周面に同様にロウ材によっ
て固着されている。そして、非球面レンズ64の後端面に
光ファイバFが固着されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述の砲弾形の非球面
レンズを筐体に異径金属製スリーブを介して、ロウ付け
する方法では、ガラス製の非球面レンズ円筒部周囲にメ
タライズ層を形成しなければならない。メタライズ層を
形成するには非球面レンズを真空槽中にセットし、スパ
ッタリングで金属被膜を設ける必要がある。これはバッ
チシステムであり、大型の装置と長い排気時間が必要で
ある。また、異径金属製スリーブを介しているため、偏
心し易く、性能劣化の原因となる問題がある。
【0007】さらにロウ付け作業はAu80%、Sn20%
の組成の材料を用いるため高価であり、工数もかかり製
品が高価なものになるという問題もある。
【0008】本発明は、かかる問題を解消するためにな
されたものであり、光ファイバ結合部における外部に対
するシールが完全になされることにより、光学部品の結
露による誤作動、腐食および性能劣化を防止しうる高品
質な結合器を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の結合器は、少な
くとも1本の光ファイバが結合され、入力された光の分
岐、結合機能および送受信機能を備えた光学機器を筐体
内に有する光分岐結合器であって、非球面レンズが、前
記筐体の貫通孔に低融点ガラスによってハーメチックシ
ールされ、前記非球面レンズの底面に光ファイバが接続
されるように構成されている。
【0010】そして、前記非球面レンズが、そのレンズ
部に連続して一体に形成された鍔部を有し、前記筐体の
貫通孔の周囲に前記鍔部が低融点ガラスによりハーメチ
ックシールされているのが好ましい。
【0011】
【作用】本発明によれば、光ファイバとの結合部におい
て、パッケージの貫通孔の周縁と非球面レンズとのあい
だが融着された低融点ガラスによって、低温で均一かつ
緻密な状態でハーメチックシールされており、他にはシ
ールを要する部位が存在せず、しかもシール作業が光フ
ァイバの結合作業を伴なわないため、組立が容易で、か
つ、完全なシールが施された結合器をうることができ
る。
【0012】
【実施例】つぎに、添付図面を参照しながら本発明の結
合器を説明する。
【0013】図1は本発明の結合器の一実施例を示す概
略断面図、図2は図1の結合器における光ファイバ結合
部の一例を示す断面図、図3は図1の結合器における光
ファイバ結合部の他の例を示す断面図である。
【0014】図1において、1は結合器、2はそのパッ
ケージである筐体を示す。筐体2の壁面には光ファイバ
Fを結合するためのレンズ貫通孔3が穿設されており、
そこには鍔部4を備えた砲弾形の非球面レンズ5が貫通
されたうえで低融点ガラス10によって筐体2の座ぐり面
9に強固に固着されている。非球面レンズ5の後端面
(鍔部4の底面)には光ファイバFが取付フランジ6に
より固着されている。筐体2の内部には、光ファイバF
から入力された光信号の進路を変えたり、異なる波長の
光を分離するためのミラーブロック7、およびフォトダ
イオードなどからなる光電変換器8aと電気信号を光に
変換するレーザダイオードなどからなる光変換器8bと
が備えられている。
【0015】筐体2は、本実施例においてはコバール
(Fe−Co−Ni合金)またはFeなどから形成さ
れ、防錆のためにNiメッキが施されているが、他にF
e−Ni合金やステンレス鋼などを用いてもよい。
【0016】そして、非球面レンズの筐体との結合部は
前述のごとく高いシール性能が要求されており、それに
応えるべく本実施例においては図2に示すように構成さ
れている。すなわち、筐体2の壁部に直径が約2mmのレ
ンズ貫通孔3が穿設されており、その周縁に直径が約4
mmの座ぐり面9が形成されている。そして、座ぐり面9
に装着された低融点ガラスからなる円輪状のシール部材
10を、座ぐり面9とで挟着するように非球面レンズ5が
前記レンズ貫通孔3に挿入され、低融点ガラスからなる
シール部材でハーメチックシールされている。この非球
面レンズ5は、その後端全周に鍔部4が一体に形成され
たほぼ砲弾形のレンズである。そして、鍔部4がその全
周にわたり、前記シール部材10によって座ぐり面9に固
着され、かつ両者4、9間のシールがなされている。非
球面レンズのシール部分は鍔部でなくても、砲弾形のレ
ンズの胴体部でもよい。このばあいは貫通孔3とのあい
だでシール部材により融着される。
【0017】非球面レンズを採用したのは、球面収差が
なく、光ファイバF同士の光カップリング効率が向上す
るからである。また本実施例の非球面レンズ5は、BA
F52(SCHOTT社製)からプレス成形によって形成されて
いる。とくに上記のものに限定されることはないが、屈
折率が高く、ガラスの転移点が低融点ガラスより80℃位
高く(たとえば500 ℃以上)、しかも熱膨張係数が大き
い(金属と同等または近い範囲)材料が好ましい。屈折
率が高いと光の収束率、発散率が大きいためレンズをコ
ンパクトに形成することができると共に、非球面度がさ
ほど高くなくても焦点を結び易くなるからである。また
ガラスの融点が高いと前記シール部材(低融点ガラス)
10の溶着時にレンズがひずみにくいからである。しかし
余りガラスの融点が高いと非球面状にプレス成形する際
に成形しにくく、前述のように融点が500 〜550 ℃位の
ガラスが好ましい。そして、金属に近い熱膨張係数を有
することによって、金属パッケージである筐体2に固着
されるときおよび固着後の残留応力などによるクラック
やシール剥れなどの不具合を防止できる。
【0018】つぎにシール部材10であるが、その材料で
ある低融点ガラスとしては、PbOガラスなどが好まし
く用いられる。たとえばPbOガラスのばあいはその転
移点が約430 ℃であり、前記BAF52製非球面レンズの
ガラスの転移点(約550 ℃)よりかなり低いものであ
る。
【0019】これらの材料を用いて光ファイバFの結合
部を形成するばあい、まず前記座ぐり面9にシール部材
10を載置したあと、非球面レンズ5をレンズ嵌入孔3に
嵌着する。そして、非球面レンズ5の鍔部4と座ぐり面
9とでシール部材10を挟圧するように別途カーボン治具
(図示されていない)で非球面レンズ5を押圧した状態
で、空気中において約480 ℃の温度で加熱し、そののち
除冷する。そうすると、非球面レンズ5に変形などを生
じさせずにシール部材10が溶融し、前記鍔部4と座ぐり
面9とが融着され、それらのあいだが完全にシールされ
る。最後に、光ファイバFが圧入、固定された取付フラ
ンジ6をボルトなどによって、非球面レンズ5を押圧す
るようにパッケージ2に取り付ければよい。
【0020】なお、図3に示されるように、取付フラン
ジ6を用いずに、非球面レンズ5の後末端に公知の接着
方法(エポキシ樹脂などの接着剤11を用いた方法)によ
って光ファイバFを固着してもよい。
【0021】このようにシール作業は、光ファイバFの
取付作業を伴なわないのできわめて簡単かつ精度よくな
される。
【0022】その結果、このシール部はヘリウムリーク
試験において、かなり厳しい判定基準である1×10-8 a
tm・cc/sec を容易にクリアでき、通常のハーメチック
シール電子部品の信頼性レベルを達成しうる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、光ファイバ結合部にお
ける外部とのシールが完全になされることによって、内
部光学部品の結露による誤作動、腐食および劣化を防止
しうる高品質で高性能な結合器をうることができる。
【0024】しかも、ミラーブロックや光電変換器など
が筐体に組み込まれ、非球面レンズでハーメチックシー
ルされた結合器になっているため、光ファイバの先端を
非球面レンズの底面に突き当てて取付フランジなどによ
り筐体に固定するだけで光ファイバ通信網と各家庭や通
信局の端末機とを簡単に接続でき、光ファイバ通信網の
普及に大いに寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結合器の一実施例を示す概略断面図で
ある。
【図2】図1の結合器における光ファイバ結合部の一例
を示す断面図である。
【図3】図1の結合器における光ファイバ結合部の他の
例を示す断面図である。
【図4】従来の光ファイバ結合部の一例を示す断面図で
ある。
【図5】従来の光ファイバ結合部の他の例を示す断面図
である。
【符号の説明】 1 光分岐結合器 2 筐体 3 レンズ貫通孔 4 鍔部 5 非球面レンズ 9 座ぐり面 10 シール部材 F 光ファイバ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本の光ファイバが結合さ
    れ、入力された光の分岐、結合機能および送受信機能を
    備えた光学機器を筐体内に有する光分岐結合器であっ
    て、非球面レンズが、前記筐体の貫通孔に低融点ガラス
    によってハーメチックシールされ、前記非球面レンズの
    底面に光ファイバが接続されるように形成されてなる光
    分岐結合器。
  2. 【請求項2】 前記非球面レンズが、そのレンズ部に連
    続して一体に形成された鍔部を有し、前記筐体の貫通孔
    の周囲に、前記鍔部が低融点ガラスによりハーメチック
    シールされてなる請求項1記載の光分岐結合器。
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