JPH06102364B2 - 廃棄された繊維強化プラスチックを充填材とした繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法 - Google Patents

廃棄された繊維強化プラスチックを充填材とした繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法

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JPH06102364B2
JPH06102364B2 JP41852890A JP41852890A JPH06102364B2 JP H06102364 B2 JPH06102364 B2 JP H06102364B2 JP 41852890 A JP41852890 A JP 41852890A JP 41852890 A JP41852890 A JP 41852890A JP H06102364 B2 JPH06102364 B2 JP H06102364B2
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昭 小島
美智子 吉川
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    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化プラスチック
製造時に用いられる、炭酸カルシウムなどの無機質充填
材の一部又は全部に、微粉末状乃至微粒状の廃棄された
繊維強化プラスチックからなる有機高分子物質を利用
し、その微粉末乃至微粒子を、各樹脂中に混合させるこ
とによって作られる繊維強化プラスチック成形体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチック(FRP)とは、
補強材としてガラス繊維を入れた樹脂(GFRP)や炭
素繊維を入れた樹脂(CFRP)あるいはその他の強化
繊維を入れた樹脂を総て含むものである。その構成母材
となる樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂など
がある。例えばGFRPは、種々の分野で大量に利用さ
れている。大きな物としては、スペースシャトルや大型
ジェット機等の宇宙航空機器,船舶,鉄道車両用構造材
料、小さな物では浴槽,自動車・その他の民生用品、ゴ
ルフクラブ,釣竿などのスポーツ用品にまで用いられて
いる。又小型精密機械部品にも利用されている。このよ
うなFRP製品は、ハンドレイアップ法,スプレーアッ
プ法.プレス成形法,射出成形法,プリフォーム法,S
MC法,BMC法,コールドプレス法等、種々の方法で
作られている。いずれの方法で製作するかは、製品の形
状,性質等によって決められる。これらの方法でFRP
を成形し、製作する場合には、樹脂成分と強化繊維だけ
から作られるのではなく、種々の原料が加えられる。例
えば、増量材としての充填剤,成形硬化を促進する硬化
剤,成形後の型離れを良くする離型剤,顔料などの着色
剤,成形時の粘度を調節する増粘剤,収縮を制御する低
収縮剤等がある。それらの配合は、成形体の性質や、作
業性等により決められる。SMC法でGFRPを作成す
る場合の原料配合の一例は次の通りである。不飽和ポリ
エステル樹脂25wt%,低収縮材6wt%,硬化剤
0.5wt%,内部離型剤1.5wt%,充填材40w
t%,着色材(顔料)1.5wt%,増粘剤0.5wt
%%,強化材(ガラス繊維)25wt%%である。又、
BMC法における一般的な原料配合の一例としては樹脂
(低収縮剤も含む)20〜30wt%,充填材40〜7
0wt%強化剤10〜30wt%,硬化剤(増粘剤,離
型剤,着色剤を含む)1〜5wt%である。このように
FRPは種々の原料を配合して作られてるが、主成分は
樹脂,強化繊維及び充填材である。充填材を配合する主
目的は、樹脂の使用量を低下させることであるが、それ
以外にも種々の作用がある。例えば、ポリエステル樹脂
を成形する場合に充填材を配合する目的は、(1)製品
の価格を低下させる,(2)表面の仕上りを奇麗にす
る,(3)吸着量を 低下させる,(4)製品の固さ,
曲げ強さ,圧縮強度を向上させる,(5)樹脂の熱膨張
率及び成形時の収縮率を低下させ、亀裂の発生を防止す
る,(6)製品の熱伝導率を良くし、成形時の発熱量を
低下させ、肉厚製品の温度上昇を防止する,(7)製品
を不透明にし、顔料の効果を助ける,(8)樹脂の粘度
を上昇させ、壁面よりの流下を防止する,(9)寸法精
度を向上する,(10)表面平滑性を向上する,(1
1)成形時の流動性を均質にする等である。このように
充填材は、FRP組成最適化の重要因子として種々の作
用をはたしている。
【0003】充填材としては、炭酸カルシウム,炭酸マ
グネシウム,水酸化アルミニウム,クレー,陶土,滑
石,石膏,硫酸バリウム,シリカ,硅藻土,雲母粉末,
石綿粉末などが用いられている。これらのうち充填材と
して一般に使用されているのは、コストの安いことか
ら、石灰石を機械的に粉砕し分級した重質炭酸カルシウ
ムである。通常2〜8μm程度の平均粒径のものが用い
られている。粒径の細かい物は、成形流動性に優れ美麗
な表面が得られる。しかし樹脂吸着量が多くなるため
に、樹脂と充填材の混合粘度が高くなり、ガラス繊維中
への樹脂の含浸不良が生じ易くなる。炭酸カルシウム
は、酸に溶解するので、酸類にさらされる用途には不適
である。そのために耐薬品性を要する成形物の場合に
は、水酸化アルミニウム,クレー,硫酸バリウム等が使
われる。又、耐熱性・難燃性を高めるには、水酸化アル
ミニウムが用いられる。例えば、水酸化アルミニウムを
配合することによってSMC法で作られる成形品は難燃
化される。又、樹脂とほぼ等量の水酸化アルミニウムを
配合することで、自己消火性を有するようになる。さら
に成形品内への充填材の配合量を高めるには、粒子径の
異なる種類のものを併用すると良い。なお、充填材の表
面を薬品で処理し、減粘剤などを配合しても良い。
【0004】本発明は、大量に使用されているプラスチ
ック充填材に対し、従来の物とは異なる全く新しい充填
材を開発したものである。それは、廃棄されたFRP製
品を粉砕した微粉末あるいは微粒子を充填材として用い
るもので、それによって製造されるFRP成形体に高機
能性をもたらすことができる。FRP廃棄物の処分方法
は、いまだ確立されてないために、埋立処理される物が
多く、そのために不法投棄等が行なわれ、大きな社会問
題になっているのが実情であり、本発明はその解決に一
役を担うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】FRP製品は、ガラス
繊維等の強化材で補強されていることから、複合材料と
して優れた性質を有し、多くの分野で使用されている。
その使用量や生産量は、今後益々増加する傾向にある。
例えばGFRPは、高強度と高耐久性を有することか
ら、それに起因する破砕の困難性や難分解性を有してい
る。そのためにGFRPの廃棄処理は一つの社会問題に
なつている。例えば船艇,ボート,ヨット等の大型成形
体あるいは自動車、民生用成形体,または製作段階で発
生したトリミングカスや不良品等を廃棄しようとする場
合には、GFRPの持つ優れた性質故に困難をともない
処理に困っているのが実状である。特に漁船やボート等
の大型の漁業廃棄物は、放置されることから環境破壊を
引起こし、その処理に苦慮している。又、自動車業界で
は省エネルギー化の進行にともない、構成材料の軽量化
が急テンポで進められている。具休的にはガラス繊維で
補強したGFRPを車体材料として使用することであ
る。その割合は、総車体重量の10%から40%を占め
るまでになっている。それらは自動車を製作する段階に
発生するトリミングカスあるいは不良品等である。この
ような物は廃棄された自動車の処分方法等と共に、具体
的方法のないのが問題となっている。 このようにGF
RPは、産業用としても民生用としても幅広く利用され
ていながら、これらの廃棄物の処分に関しての技術も方
法も殆ど確立されてないのが現実でありそれに関しての
対策を、早急に立てなければならないという社会的背景
がある。
【0006】本発明は、このような現状を鑑み、公害防
止の点からも資源の有効利用の点からも、繊維強化プラ
スチックの廃棄物を資源として再利用すると共に、新た
なFRPの軽量化と成形品内部の均質性,耐薬品性,防
振・制振性能などの物性値の向上、高機能化等を計るこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するための繊維強化プラスチック成形体とその製造方
法であって、先ず繊維強化プラスチック成形体は、廃棄
された繊維強化プラスチックからなる微粉末状乃至微粒
状の粉末を充填材として配合して作られた物であり、
又、繊維強化プラスチック成形体の製造方法は、廃棄さ
れた繊維強化プラスチックを微粉末状乃至微粒状の粉末
に粉砕し、該粉末を充填材として配合して繊維強化プラ
スチック成形体を製造するものである。ところで、FR
P廃棄物を資源として有効に利用するためには、切断,
粉砕等によって粒状または粉末状にすることである。繊
維強化プラスチックは、それ自体が高耐久性物質である
ことから、微粉末化することは極めて困難である。それ
にも拘らず本出願の発明者の一人は、この問題に着目
し、FRP製品の粉砕処理に取り組んだ。長年月に亙る
鋭意努力の結果、平均粒径44〜74μm程度の微粉末
化に成功した。そのことは特願昭61−181238号
として出願した。更に、微粉末化されたFRPをセメン
トやモルタル製品へ利用するべく検討し、それを特願平
2−61080号として出願した。
【0008】大量に廃棄されるFRPをリサイクルさせ
るためには、上記のセメントやモルタル製品中に混入さ
せることも有効であるが、これとは別に、再度プラスチ
ック製品中に混合して再利用することを考えた。この方
がFRPと樹脂との接着は良好となり、機械的特性の向
上が期待される。そのためには、FRP廃棄物を微粉末
化し、再度FRP製品の充填材として利用することであ
る。即ち、微粉末化させたFRP粉末を、液状,ペレッ
ト状あるいは粒状等の熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹
脂中に配合し、樹脂中に均一に分散させる。その目的の
ために使用するFRP粉末の粒径は1μmから1mmで
あり、その場合の配合量は、樹脂量に対して1wt%か
ら300wt%まで可能である。混合可能な樹脂は、ポ
リエステル樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂等は勿
論のこと、その他の汎用樹脂(ポリエチレン樹脂,ポリ
プロピレン樹脂,塩化ビニール樹脂,ジアリルフタレー
ト樹脂,ポリウレタン樹脂等)やエンジニアリングプラ
スチック(ポリアミド,ポリカーボネート,ポリアセタ
ール,変性ポリフェニレンエーテル,ポリブチレンテレ
フタレート等)であっても可能である。混合する際に
は、液状のマトリックス樹脂とFRP微粉末を攪拌機を
用いて、充分に混合することが重要である。また、FR
P微粉末を充填した樹脂成形物の特性に影響を与えるの
は、それらを構成しているマトリックス樹脂とFRPを
微粉末化した充填材との間の接着の問題である。この接
着の問題は、成形物の機械的特性だけでなく、その他の
性質に関しても、著しい影響を与えるものである。従っ
て、この点が良好であるならば、成形物全体が好ましい
結果をもたらすことは明らかである。FRP微粉末を充
填材としてリサイクルさせる場合には、基本的にはFR
P微粉末に使用されている樹脂と同じマトリックス樹脂
中に配合するのが最良であるが別のマトリックス樹脂で
あっても、成形時の作り易さや、成形品の機械的性質等
は必ずしも損なわれない。製作されたFRP微粉末の粒
子径は、粉砕の度合いによって調節され、粒子径が数m
mのものから数μm以下のものまで作られる。充填材と
して使用する場合には、粒子径の異なる各粒子の混在し
た状態での使用でも良いし、又、篩等で各粒子サイズに
分別してから使用しても良い。
【0009】
【作 用】本発明は、微粉砕したFRP粉末を従来の
無機質充填材に代えて、充填材の一部あるいは全部とし
て、マトリックス樹脂中に混合してFRP廃棄物をリサ
イクルすると共に、新たな機能を有する成形物を作り出
すことにある。作り出された成形物中には、FRP廃棄
物が均一に分布することになるが、それによって前に記
した充填材としての性質を損なうものではない。また、
成形物の嵩密度を、充填材として一般に利用されている
炭酸カルシウム使用の場合と比較した。FRPの微粉末
を配合した樹脂の嵩密度は、配合量が同じであっても炭
酸カルシウムを充填材として配合した場合に比較して、
約60%も軽量化された。又、それらの比強度(曲げ強
度/密度)は、FRP微粉末を配合した方が、炭酸カル
シウムを配合した場合より、1.7倍も高くなつた。例
えば、微粉末化したGFRPを、不飽和ポリエステル樹
脂中に配合し、充填材として使用した。その際の充填量
は、樹脂100部に対して10部から200部加えた。
これを型枠中に流し込み、常温又は50℃程度まで加熱
してGFRP微粉末を混入した不飽和ポリエステル樹脂
を製作した。これの嵩密度は、GFRP粉末の充填量が
増えても、1.1〜1.3g/cm程度で余り変化が
なかった。それに対して、炭酸カルシウムを10部から
200部配合した場合には、その嵩密度は1.15g/
cmから1.9g/cm程度にまで増加した。ま
た、GFRP粉末を100部配合した不飽和ポリエステ
ル樹脂板の曲げ強度は390kg/cmを示した。こ
れは炭酸カルシウムを100部配合した場合の曲げ強度
378kg/cmと同程度であった。これらの結果か
ら比強度を算出すると、炭酸カルシウム配合の場合には
2.4×10cmであるのに、GFRP配合の場合に
は3.1×10cmとなり、後者の方が1.3倍程増
大した。次に、GFRPの配合量を変化させた場合に、
樹脂板の曲げ強度は、どのような影響を受けるのかを検
討した。GFRP粉末を100部配合した場合の曲げ強
度は、390kg/cmであり、炭酸カルシウムを2
00部配合した場合とほぼ同じであった。従って、この
程度の配合までならば、現実に充填材として使用されて
いる炭酸カルシウムからなる成形物の場合と、同程度の
曲げ強度を示してるといえる。また、GFRP微粉末を
配合して作った試料の表面は、平滑で美麗であり、この
表面状況は炭酸カルシウムの場合と遜色を付け難かっ
た。また、充填材としての炭酸カルシウムは、酸類に対
しては容易に溶解するという難点を有しており、酸性雨
等にさらされる用途には不適である。それに対し、GF
RP微粉末は、母材となる樹脂と同等の、優れた耐薬品
性があるために、それらの分野にも利用でき、優れた作
用を発揮する。更に、粘弾性体であるFRP微粉末の配
合により、成形物の損失弾性係数が向上するので、振動
に対する抑制効果がある。また、FRP微粉末は、樹脂
との密度差が炭酸カルシウムに比較すると極めて小さい
ため、成形加工時においても層間分離を起こしにくく、
均質な特性を有する製品を作ることができる。以上の事
柄から、FRP微粉末を充填材として配合することによ
って、作られる成形物の機能性は高度に発揮できること
になる。
【0010】
【実施例】本発明の詳細を、以下の実施例で説明する。 実施例 1.廃棄されたポリバスを、ダイヤモンドカッ
ターで粉砕しGFRP微粉末を製作した。このポリバス
を構成している樹脂は、不飽和ポリエステル樹脂であっ
た。微粉末を作る際に、粉砕したままで繊維状のガラス
繊維も含んでいるGFRP微粉末(微粉末A)と、繊維
状のガラス繊維を篩によって取り除いたGFRP微粉末
のみのもの(微粉末B)の2種類を製作した。2種類の
GFRP微粉末のうち、微粉末Aの粒度分布を測定し、
それを表1に示す。微粉末Aの平均粒形は44〜74μ
mが主体で、約74%を占めていた。微粉末Bの粒度分
布は、表1の結果から100μm以上の粉末やガラス繊
維が取り除かれた分布である。微粉末Aと微粉末Bとの
違いは、繊維状のガラス繊維を若干含んでいるか、いな
いかであった。
【0011】
【表1】
【0012】液状の不飽和ポリエステル樹脂100部に
対し、GFRP微粉末Aを夫々10部,25部,50
部,75部,100部,150部,および200部を加
えて、乳鉢で充分に混合し、これを幅15mm,厚さ4
mm,長さ220mmの型枠中に流し込み、常温または
50℃程度に加熱してGFRP微粉末A充填のポリエス
テル樹脂板を作った。得られた樹脂板の重量および寸法
を求め、嵩密度を算出した。曲げ強度は、支点間距離を
60mmとし、三点曲げ試験法により求めた。GFRP
微粉末充填樹脂板の外観は、GFRP微粉末Aを充填す
ることによって不透明になった。これの嵩密度,曲げ試
験,比強度および無配合の樹脂板に対する相対密度およ
び相対強度を表2に示す。
【0013】
【表2】
【0014】比較のために、炭酸カルシウム(150メ
ッシュ以下)の粉末を、所定量配合した不飽和ポリエス
テル樹脂板についても、同条件で試料を製作し、その結
果を表3に示す。
【0015】
【表3】
【0016】GFRP微粉末Aを配合して作ったポリエ
ステル樹脂板の嵩密度は、1.1〜1.3g/cm
度であった。また、GFRP微粉末の配合量が増して
も、嵩密度に大きな違いは見られなかった。一方、炭酸
カルシウムの場合には、それの嵩密度は、1.2g/c
から1.9g/cmにまで高くなった。また、G
FRP微粉末、炭酸カルシウムいずれの場合も、これら
を添加するとその曲げ強度は、無添加品に比べて1/2
程度になった。しかし、比強度を比べると、GFRP微
粉末を50部配合の場合でも4.1×10cmを有し
ているのに、炭酸カルシウム配合では2.4×10
5cmにしかすぎなかった。従って、作られた樹脂板の
比強度は、GFRP粉末を50部配合したもののほう
が、炭酸カルシウムの同量の配合品に比較して1.7倍
も大であった。
【0017】実施例 2.液状の不飽和ポリエステル樹
脂100部に対し、GFRP微粉末Bを夫々10部,2
5部,50部,75部,100部,150部および20
0部を加え、乳鉢で充分に混合し、これを幅15mm,
厚さ4mm,長さ220mmの型枠中に流し込み、常温
又は50℃程度に加熱してFRP微粉末B充填のポリエ
ステル樹脂板を作った。得られた樹脂板の重量および寸
法を求め、嵩密度を算出した。また、支点間距離を60
mmとし、三点曲げ試験法により曲げ強度を求めた。G
FRP微粉末B充填樹脂板の外観は、GFRP微粉末B
を配合することにより不透明になった。これらの嵩密
度,曲げ強度,比強度および無配合のものに対する相対
密度および相対強度を表4に示す。
【0018】
【表4】
【0019】GFRP微粉末Bの配合量が高くなつて
も、作られた樹脂板の嵩密度は余り変わらなかったが、
曲げ強度は低下する傾向を示した。この場合には、GF
RP微分末Bの配合量が100部の試料板までが、炭酸
カルシウムの場合と同程度の曲げ強度を示した。また、
樹脂板の比強度は、GFRP微粉末を50部配合したも
のの方が、炭酸カルシウムの同量配合品に比較して約3
0%増大した。
【0020】実施例 3.GFRP微粉末のマトリック
スとして、フェノール樹脂を用いて検討した。フェノー
ル樹脂(レゾール型)/メタノール溶液(樹脂60wt
%,メタノール40wt%)中に、実施例1で示した微
粉末Aの所定量(試料重量中の10wt%から70wt
%)を配合した。例えば、微粉末配合量50wt%の試
料の場合は、上記のフェノール樹脂/メタノール溶液8
3g(この中には樹脂50g,メタノール33gを夫々
含む)にGFRP微粉末A50gを加えた。両者を乳鉢
中に入れ、充分に混合した後、型枠(幅40mm,厚さ
10mm,長さ60mm)中に注入した。試料を製作す
るときに、GFRP微粉末の配合量が50wt%以上に
なると、GFRP微粉末のフェノール樹脂中への混合が
困難になったので、メタノールのみを若干追加添加し
て、両者が均一になるようにした。そして、GFRP微
粉末と樹脂分とを充分に混練後、真空ポンプで脱気し
た。次に型枠ごと乾燥機中に入れ、50℃に加熱した。
更に加熱を続け80℃に10時間保持して、GFRP微
粉末A充填のフェノール樹脂板を作った。また、GFR
P微粉末の配合量が80wt%の場合についても試みた
が、乳鉢を用いる手練り法では、充分な混合が得られな
かった。しかし、ミキサー等の混練機を利用すれば、こ
の点は解決できるものである。得られた各試料は淡黄色
であり、GFRP微粉末量が増すにつれて白色度は増し
ていった。また、製作した樹脂板中には、GFRP微粉
末やガラス繊維の分布しているのが見られた。各試料に
ついて嵩密度および曲げ強度(三点曲げ,支点間距離5
cm)を求め、その結果を表5に示す。なお、前記実施
例1,2および3においては、従来の無機質充填材の全
部をFRPの微粉末で置き換えたものを例示したが、従
来の無機質充填材の全部ではなく、その一部のみをFR
Pの微粉末に置き換えても勿諭構わない。そのようにす
れば、製造されるFRP製品の軽量化と高機能性化と
は、若干犠牲になるが、製品の価格を低下させる面では
役立つことになる。
【0021】
【表5】
【0022】
【発明の効果】前記実施例においては、FRP微粉末
を、不飽和ポリエステル樹脂成形物あるいはフェノール
樹脂成形物の充填材として配合した場合を例示したが、
FRP微粉末を充填材として配合して作られる樹脂成形
体は、充填材として一般に使用されている炭酸カルシウ
ムの場合よりも、軽量化が可能になる。また、曲げ強度
に代表される機械的強度は、樹脂とFRP微粉末とをほ
ぼ同量加えても、炭酸カルシウムを充填材として加えた
場合よりも、同等以上の曲げ強度を示し、その場合の比
強度は、炭酸カルシウムの場合よりも、FRP微粉末を
同割合配合した方がはるかに大きくなる。また、FRP
粉末を配合した成形物は、それの内部組織が均質な構造
を有しており、耐薬品性が向上すると共に、防振・制振
性能を有するなど、高い機能性が付与される。従って、
産業廃棄物あるいはトリミングカスあるいは成形時の不
良品などの、廃棄される、あるいはすでに廃棄されてい
るFRP製品は、微粉末化することによって、樹脂成形
物の充填材としてのリサイクルが可能になる。更に現行
のプラスチック成形工業では、プラスチックとは構造・
性質が全く違う無機物質(炭酸カルシウム等)を樹脂中
に充填材として使用していたが、本発明では、同質の有
機物質(FRP微粉末)に代替えすることによって、充
填材とマトリックスとの接着性が向上することになる。
このように軽量,安価で高い機能性を持つ充填材を使用
することは、プラスチックに関係する産業界に及ぼす影
響は計り知れず、その分野に対して極めて大きな利益を
もたらすものである。これらの結果から、本発明は、2
1世紀における人類生存の重要な問題点である地球環境
をクリーンにすることや、限られた地球資源を一層有効
に利用することなどにも貢献することができ、その社会
的波及効果は極めて大きいということができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 67/16 7310−4F // B29K 105:26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄された繊維強化プラスチックから
    なる微粉末状乃至微粒状の粉末を充填材として配合して
    作られた繊維強化プラスチック成形体
  2. 【請求項2】 廃棄された繊維強化プラスチックから
    なる微粉末状乃至微粒状の粉末に粉砕し、該粉末を充填
    材として配合して繊維強化プラスチック成形体を製造す
    る、繊維強化プラスチック成形体の製造方法
JP41852890A 1990-12-20 1990-12-20 廃棄された繊維強化プラスチックを充填材とした繊維強化プラスチック成形体およびその製造方法 Expired - Lifetime JPH06102364B2 (ja)

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