JPH06102023B2 - ブタ・膵臓エラスタ−ゼ−2 - Google Patents

ブタ・膵臓エラスタ−ゼ−2

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JPH06102023B2
JPH06102023B2 JP60092712A JP9271285A JPH06102023B2 JP H06102023 B2 JPH06102023 B2 JP H06102023B2 JP 60092712 A JP60092712 A JP 60092712A JP 9271285 A JP9271285 A JP 9271285A JP H06102023 B2 JPH06102023 B2 JP H06102023B2
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/48Hydrolases (3) acting on peptide bonds (3.4)
    • C12N9/50Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25)
    • C12N9/64Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue
    • C12N9/6421Proteinases, e.g. Endopeptidases (3.4.21-3.4.25) derived from animal tissue from mammals
    • C12N9/6424Serine endopeptidases (3.4.21)
    • C12N9/6448Elastases, e.g. pancreatic elastase (3.4.21.36); leukocyte elastase (3.4.31.37)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ブタ・膵臓エラスターゼ−2、それをコード
する塩基配列を含有するDNA、それで形質転換せしめた
宿主および該宿主を用いるブタ・膵臓エラスターゼ−2
の製造法に関する。
エラスターゼは、セリン・プロテアーゼの1種であり、
繊維状の不溶性蛋白質であるエラスチンを加水分解する
酵素である。エラスチンは、硬蛋白質の1種で、高等動
物の結合組織、腱、大動脈外皮、頸索を構成しており、
ペプシン、トリプシンによりわずかに分解される。
Balo′らは、動脈硬化症の研究途上で、血管壁のエラス
チン繊維の分解を認め、1949年、その分解酵素の存在を
推定した〔Balo′,J.and Banga,I.:Schweiz Z.Pathol.B
acteriol.,12,350(1949)〕。つづいて、Bangaは、195
2年、エラスチンを特異的に分解する酵素を、膵臓のな
かに発見し、結晶状に取り出し、エラスターゼと命名し
た〔Banga,I.:Acta Physiol.Acad.Sci.Hung.,3,317(19
52)〕。
エラスターゼは、ヒト、猿、猫、兎等ほとんどの動物の
膵臓に存在することが確認されており、その含量はヒト
が3.1mg/膵臓g、牛が2.2mg/g、ラットが10.2mg/g程度
である。ヒトのエラスターゼ活性と、年令との関係が認
められており、男40才以上、女60才以上では膵臓および
血漿中のエラスターゼ活性が著しく低下していた〔Loev
en,W.A.,and Maureen M.Baldwin:Gerontologia,17,170
(1971)〕。
動脈硬化症の患者の場合、膵臓のエラスターゼの活性
は、健常人のそれより著しく低下しているか、または、
消失していた〔Balo′,J.and Banga,I.:Nature,178,310
(1956)〕。なお、エラスターゼはエラスチンを酵素的
に分解するだけでなく、その生合成をも促進すること
が、その後の研究で明らかとなってきた。
ラット、兎などを用いて、エラスターゼの薬理作用が研
究されており、以下のような効果が明らかとなった。
1)動脈壁への脂質およびカルシウムの沈着抑制作用 2)動脈壁のコレステロールおよびカルシウムの除去作
用 3)変性エラスチンに対する選択的分解作用 4)動脈壁弾力繊維の新生促進作用 5)血清脂質低下作用 6)リポ蛋白代謝改善作用 以上の研究をもとに行った臨床研究において、エラスタ
ーゼを経口投与した結果、以下のような効果が明らかと
なった。
1)動脈壁の弾力性・伸展性の回復作用 2)血清脂質異常の改善作用 3)ポリ蛋白代謝の改善作用 上記の研究には、ブタの膵臓より抽出精製したエラスタ
ーゼが用いられた。しかし、その抽出原料は、必ずしも
潤沢ではなく、比較的高価であり、十分量入手すること
が困難な場合も多い。そこで、本発明者らは組換えDNA
技術を用いて、ブタの膵臓のエラスターゼ遺伝子をクロ
ーニングし、得られた組換えDNA分子を宿主に移入し
て、ブタ・膵臓エラスターゼ遺伝子を発現せしめ、目的
とするエラスターゼを得ることのできる技術の開発研究
を行った結果、本発明を完成するにいたった。
現在、2種のブタ・膵臓エラスターゼの存在が知られて
いる。ブタ・膵臓エラスターゼIのアミノ酸配列は明ら
かにされているが〔Shotton,D.M.and Watson,H.C.:Natu
re,255,811(1970)〕ブタ・膵臓エラスターゼIIについ
ては、そのN末端から19個のアミノ酸配列が報告されて
いる〔Lamy,F.,et al.:in Elastin and Elastic Tissue
(Sandberg,L.et al.,eds.),pp.165−175,Plenum Pres
s,New York(1977)〕のみで、その構造は現在までまっ
たく不明であった。ところが、本発明者により、そのア
ミノ酸配列のすべておよびそのDNA配列のすべてが明ら
かにされるに至った。上述の如く、わずかに明らかにさ
れたアミノ酸配列、すなわちCys Gly Val Pro Ala Ile
Lys Pro Ala Leu Asx Phe Asx Glx Arg Ile Val Asx Gl
y、とは異なり、本発明がまったくの新規物質に係るも
のであることが明らかである。
すなわち、本発明は、ブタ・膵臓エラスターゼ−2をコ
ードする塩基配列を含有するDNA、該DNAを用いて形質転
換せしめた宿主、および該DNAで形質転換せしめた宿主
を培養することによるブタ・膵臓エラスターゼ−2の製
造法を提供するものである。
本発明は一般式 で表わされるアミノ酸配列で示されるブタ・膵臓エラス
ターゼ−2、および(I)で表わされるブタ・膵臓エラ
スターゼ−2をコードするDNAに関する。そして式中、
(N)−末端には水素原子、Met、またはMet Ile Arg A
la Leu Leu Leu Ser Thr Leu Val Ala Gly Ala Leu Ser
を有していてもよい。
特に、一般式 (式中、XはTAA,TGAまたはTAGを示す。) で表わされる塩基配列またはそれと同効の塩基配列を含
有するDNAに関する。
上記DNA(II)は、その5′末端にATG、または
(5′)、ATG ATC AGG GCC CTA CTG CTG TCT ACA CTG
GTG GCT GGA GCT CTC AGC−(3′)を有していてもよ
い。
DNA(II)の5′末端にATGを有するときには、ポリペプ
チド(I)に加えて、(I)の(N)−末端にMetを有
するポリペプチドをコードする。
DNA(II)5′末端に(5′)−ATG ATC AGG GCC CTA C
TG CTG TCT ACA CTG GTG GCT GGA GCT CTC AGC−
(3′)を有するときには、ポリペプチド(I)に加え
て(I)の(N)−末端にMet Ile Arg Ala Leu Leu Le
u Ser Thr Leu Val Ala Gly Ala Leu Serを有するポリ
ペプチドをコードする。
式(II)で表わされる塩基配列またはそれと同効の塩基
配列を含有する本発明のDNAは、たとえば以下に示す
(イ)〜(ニ)のステップにより製造することができ
る。
(イ)ブタの膵臓より、mRNAを分離する。
(ロ)このmRNAおよび逆転写酵素を用いてcDNAバンクを
作製する。
(ハ)作製したcDNAバンクから、たとえば、ラットエラ
スターゼII cDNAをプロープに用い、目的とするブタエ
ラスターゼをコードするcDNAを含有するプラスミドを単
離する。
(ニ)このプラスミドから目的とするクローン化DNAを
切り出す。
膵臓のRNA抽出にあたっては、グアニジン・チオシアネ
ート・ホット・フェノール法、グアニジン・チオシアネ
ート・塩化セシウム法なども採用しうるがグアニジン・
チオシアネート−グアニジン・塩酸法が以下の点で、上
述2法より優れている。(1)操作が簡単である。
(2)抽出・回収率が高い。(3)比較的大量の臓器か
らの抽出が可能である。(4)DNAが混入してこない。
(5)RNAの分解が少ない。
真核細胞の細胞質に存在するmRNAの多くは、その3′末
端にポリA配列をもつことが知られているので、この特
徴を利用して、オリゴ(dT)セルロースのカラムにmRNA
を吸着せしめて、つぎに、これを溶出して精製する。
得られたmRNAを鋳型として、逆転写酵素を用いて相補的
二重鎖DNAを合成するが、その方法としてはS1ヌクレア
ーゼ法〔Efstratiadis,A.et al.:Cell,7,279(197
6)〕、Land法〔Land,H.et al.:Nucleic Acids Res.,9,
2251(1981)〕、Okayama−Berg法〔Okayama,H.and P.B
erg:Mol.Cell.Biol.,,161(1982)〕、O.Joon Yoo法
〔O.Joon Yoo,et al.:Proc.Natl.Acad.Sci.USA,79,1049
(1982)〕などを採用しうるが、本発明の目的には、O.
Joon Yoo法が好適であった。
つぎに、得られた組換えプラミスドを大腸菌、たとえば
LE392株に導入して形質転換させる。テトラサイクリン
耐性あるいはアンピシリン耐性を、指標として、組換え
体を選択することができる。
得られた組換え体のなかから、エラスターゼをコードす
るDNAを含有するクローンを選択するためには、32Pでラ
ベルしたラットエラスターゼII cDNAをプローブに用い
るコロニーハイブリダイゼーション法を用いた。
選択されたクローンに含有される塩基配列の決定は、フ
ァージM13を用いたジデオキシヌクレオチド合成鎖停止
の方法〔Messing,J.etal.:Nucleic Acids Res.,,309
(1981)〕およびMaxam−Gilbert法〔Maxam,A.M.and Gi
lbert,W.:Proc.Natl.Acad.Sci.USA,74,560(1977)〕で
実施しうるが、本発明ではジデオキシヌクレオチド合成
鎖停止の方法を採用し、ブタ・膵臓のエラスターゼを完
全にコードするDNAを有するクローンを決定した。
つぎに、得られたクローンからエラスターゼ遺伝子をき
り出し、これを適当な発現ベクターにつないで、適当な
宿主に導入して発現せしめることができる。
プロモーターとしては、トリプトファン(trp)プロモ
ーター、ラクトース(lac)プロモーター、トリプトフ
ァン・ラクトース(tac)プロモーター、外膜主要蛋白
(lpp)プロモーター、バクテリオファージ由来のラム
ダ(λ)PLプロモーター、蛋白質鎖伸長因子Tu(tufB)
プロモーターなどを使用しうる。
宿主としては、大腸菌、枯草菌などの細菌、酵母などの
微生物のほか、動物細胞を採用しうる。本発明において
は、大腸菌(LE392,YA21など)が宿主としては好適であ
る。
本発明のDNAを宿主に、形質転換、導入する方法として
は、Hanahanの方法〔Hanahan,D.:J.Mol.Biol.,166,557
(1983)〕、塩化カルシウム法〔Dagert,M.and S.D.Ehr
lich:Gene,,23(1979)〕、低pH法〔高木康敬編著:
遺伝子操作マニュアル,p.49、講談社サイエンティフィ
ク(1982)〕等を採用しうる。本発明においては、塩化
カルシウム法が好適であった。
このようにして得た宿主(組換え体)を、公知の培地で
培養し、培養物の中に、(I)で表わされるポリペプチ
ド(その(N)−末端にMetまたはMet Ile Arg Ala Leu
Leu Leu Ser Thr Leu Val Ala Gly Ala Leu Serを有し
ていてもよい。)またはその同効物を生成蓄積せしめ、
これを採取することにより本発明の目的を達成すること
ができる。
培地としては、グルコース、カザミノ酸などからなる培
地、例えば、M9倍地〔Miller,J.:Experiments in Molec
ular Genetics,431〜433(Cold Spring Harbor Lab.,Ne
w York(1972))〕 が挙げられる。
組換え体の培養は、通常、15〜43℃で、3〜24時間行
い、必要に応じて、通気の攪拌を加えることができる。
なお、動物細胞を宿主とする場合には、3〜10日間の培
養を必要とする。
培養後は、組換え体細胞を、公知の方法、例えば遠心分
離等で集める。宿主として、枯草菌、酵母、動物細胞な
どを用いる場合、ベクターの選択によっては、生産され
たエラスターゼは細胞外に出て、上澄液に含まれる。
一方、大腸菌を宿主とした場合、生産されたエラスター
ゼは、不溶性の蛋白として、その細胞内のinclusion bo
dyに含まれる場合が多い。この場合は、菌体を破壊して
遠心分離することにより、生産されたエラスターゼは沈
澱物として得られる。
菌体の破壊の方法としては、超音波処理、リゾチーム処
理、凍結融解処理等を採用することができる。該上澄液
または沈澱物からのエラスターゼの単離は、通常知られ
ている蛋白質の精製方法により実施しうる。
本発明により製造されるエラスターゼは、ブタ膵臓より
抽出精製したエラスターゼと同等の生物学的活性を示
し、これと同様の目的に、同様の用法により使用するこ
とができる。
なお本発明のブタ・膵臓エラスターゼ−2は、12番目と
13番目のArg−Val結合が切れて1番目のCysが分子内のC
ysとジスルフィド結合によってつながったtwo−chains
型のエラスターゼとしても存在しうる。従って本発明
は、このようなtwo−chains型のエラスターゼをも包含
するものである。
以下に実施例を挙げて本発明により具体的に説明する
が、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
実施例 (1)ブタ膵臓よりのmRNAの分離 8〜9gのブタ膵臓をグアニジンチオシアネート溶液(4M
のグアニジンチオシアネート,1%のサルコシル,20mMの
エチレンジアミン四酢酸(EDTA),25mMのクエン酸ナト
リウム(pH7.0),100mMの2−メルカプトエタノール,0.
1%のアンチフォームA)中でポリトロンによって破
壊、変性した後、遠心して上澄を得た。これに0.025倍
量の1M酢酸および0.75倍量のエタノールを加え、−20℃
で数時間冷却した後、遠心処理によって沈澱を得た。次
にこの沈澱をグアニジンハイドロクロライド溶液(7.5M
のグアニジンハイドロクロライド,25mMのクエン酸ナト
リウム(pH7.0),5mMのジチオスレイトール(DTT))に
懸濁し、0.025倍量の1M酢酸および0.5倍量のエタノール
を加え、−20℃で数時間冷却した後、遠心処理を行っ
た。ここで得られた沈澱をグアニジンハイドロクロライ
ド溶液に再懸濁し、酢酸、エタノールを加え、−20℃に
冷却した後、遠心処理で沈澱を集めた。次に、この沈澱
をエタノールで数回洗い、混在しているグアニジンハイ
ドロクロライドを除き、蒸留水に溶かした後にエタノー
ルでRNAを沈澱させた。遠心分離により沈澱を熱め、53.
9mgのRNAを得た。
こうして得たRNAを高塩溶液(0.5MのNaCl,20mMのTris−
HCl(pH7.5),1mMのEDTA,0.1%のドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS))中でオリゴ(dt)セルロースカラムに吸着
させた後、ポリ(A)を含むmRNAを溶出溶液(10mMのTr
is−HCl(pH7.5),1mMのEDTA,0.05%のSDS)で溶出さ
せ、540μgのmRNAを得た。
(2)cDNAバンクの作製 cDNAバンクの作製は、O.Joon Yoo法に従って行った。上
記で得たmRNAと逆転写酵素を用いて、50μlの反応液
(10μgのmRNA,10μgのオリゴ(dT)16,50mMのTris−HC
l(ph8.3),50mMのKCl,10mMのMgCl2,10mMのDTT,1mMずつ
のdCTP,dGTPおよびdTTP,0.6mMのdATP,50μCiのd−32P
−dATP,50ユニットの逆転写酵素)中で42℃で1時間保
温し、単鎖cDNAを合成した。反応後、SephadexG−200カ
ラムを用いて低分子量の核酸を除き、次いで、0.3MのNa
OHおよび2mMのEDTAの溶液中で23℃、16時間保温して、R
NAを分解除去した。
合成した単鎖cDNAおよびターミナルトランスフェラーゼ
を、50μlの反応液(0.1Mのカコジル酸カリウム(pH7.
0),100μg/mlのウシ血清アルブミン(BSA),0.1mMのDT
T,1mMのCaCl2,0.6mMのdATP,50ユニットのターミナルト
ランスフェラーゼ)中で30℃で20分間作用させ、その
3′末端に20個以上のデオキシアデノシン鎖を付加させ
た。
次に、得られたデオキシアデノシン鎖をもったcDNAを採
取し、これを逆転写酵素含有の、50μlの反応液(10μ
gのオリゴ(dT)16,50mMのTris−HCl(ph8.3),50mMのKC
l,10mMのMgCl2,10mMのDTT,1mMずつのdATP,dCTP,dGTPお
よびdTTP,50ユニットの逆転写酵素)中で、37℃で10分
間、つづいて、42℃で50分間反応させた。反応後、フェ
ノールで除蛋白し、エタノールでcDNAを沈澱させた。次
いで遠心でこれを集め、DNAポリメラーゼIを50μlの
反応液(50mMのリン酸緩衝液(pH7.4),6.6mMのMgCl2,
1.5mMのDTT,0.4mMずつのdATP,dCTP,dGTPおよびdTTP,7.5
ユニットのDNAポリメラーゼI)中で37℃で2時間反応
させ、二重鎖cDNAを合成した。SephadexG−200カラムを
用いて低分子量のcDNAを除き、約600ngの二重鎖cDNAを
最終的に得た。
合成した二重鎖cDNAおよびターミナルトランスフェラー
ゼを、50μlの反応液(0.1Mのカコジル酸カリウム(pH
7.0),100μg/mlのBSA,0.1mMのDTT,1mMのCoCl2,0.2mMの
dCTP,37.5ユニットのターミナルトランスフェラーゼ)
中で、37℃で1分間反応させ、両3′末端に約20個のデ
オキシシチジン鎖を付加させた。
このようにして得たcDNAをアガロースゲル電気泳動で分
画し、1000〜1200塩基対のcDNAを回収した。このcDNA10
0ngと、別に用意した制限酵素Pat1で開裂し約20個のデ
オキシグアノシン鎖を3′−末端にもったプラスミドpB
R322 500ngとを、0.1MのNaCl,10mMのTris−HCl(pH7.
5)および1mMのEDTA溶液中で65℃で5分間加熱した。そ
の後、徐々に冷却して会合させ、Dagert,M.and Ehrlic
h,S.D.の方法〔Gene,,23(1979)〕に従って大腸菌LE
392を形質転換させた。
(3)ブタ・膵臓エラスターゼ−2cDNAを含有する組換
え菌の分離 上述のようにして作製したブタ膵臓cDNAバンクのうち10
00株の組換え菌のDNAを、Grunstein,M.and Hogness,D.
S.の方法〔Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,72,3961(197
5)〕によってニトロセルロースフィルター上に固着し
た。
これらのDNAのなかから、ブタ・膵臓エラスターゼ−2cD
NAを含有するものを選択するために、ラット・膵臓エラ
スターゼII cDNA断片をプローブとして用いた。ラット
・膵臓エラスターゼII cDNAは以下の方法で分離した。
まず、ラット膵臓からmRNAを抽出し、これを用いてcDNA
バンクを作製した。一方、MacDonald,R.J.ら〔Bioche
m.,21,1453(1982)〕により明らかにされたラット・膵
臓エラスターゼII mRNAの塩基配列の一部(151〜156番
目のアミノ酸配列に対応する)に相補的な、17merから
なるオリゴデオキシヌクレオチド5′d(GGCATAGTCCAC
AACCA)3′を合成した。このオリゴデオキシヌクレオ
チドの5′末端をMaxam,A.M.and Gilbert,W.の方法〔Pr
oc.Natl.Acad.Sci.,USA,74,560(1977)〕によって32P
で標識したものをプローブに用いて、上記のラット膵臓
cDNAバンクより同エラヒターゼII cDNAクローンを選択
した。
次に、得られたラット・膵臓エラスターゼII cDNAから
制限酵素Aat 2とHind 3で200塩基長の断片を切り出し、
ニックトランスレーション法〔Rigby,P.W.et al:J.Mol.
Biol.,113,237(1977)〕によって32Pで標識した。この
DNA断片をプローブにして、Alwine,J.C.らの方法〔Pro
c.Natl.Acad.Sci.,USA,74,5350(1977)〕によって上記
のニトロセルロースフィルター上に固着したDNAに会合
させ、オートラジオグラフィーによってプローブと反応
するクローンを2株得た。これらの菌株のうちの1株の
含有するプラスミドをpP2E128と命名し、そのcDNAの塩
基配列をジデオキシヌクレオチド合成鎖停止の方法によ
って決定した。
pP2E128に挿入されているcDNAの制限酵素地図を第1図
に示す。また、その全塩基配列とそれがコードするアミ
ノ酸配列を第1表に示す。
pP2E128に挿入されているcDNAは、16個のアミノ酸から
なるシグナルペプチドをコードする領域と253個のアミ
ノ酸から成る成熟エラスターゼ蛋白質をコードする領域
の全てを持っていることがわかる。また、このcDNAは
5′及び3′非翻訳領域も含んでいる。
pP2E128に挿入されているcDNAのコードするアミノ酸配
列とMacDonald,R.J.ら〔Biochem.21,1453(1982)〕の
報告しているラット・膵臓エラスターゼIIのそれとの間
には、82%の高い相同性がある。従って、pP2E128に挿
入されているcDNAは、ブタ・膵臓エラスターゼ−2をコ
ードするものである。ブタ・膵臓エラスターゼIIについ
ては、Lamy,F.ら〔in Elastin and Elastic Tissue(Sa
ndberg,L.et al.,eds.),pp.165−175,Plenum Press,Ne
w York(1977)〕がN末端から19個のアミノ酸配列を報
告しているが、pP2E128に挿入された。cDNAのコードす
るアミノ酸配列とは明らかに異なっている。従ってpP2E
128に挿入されているcDNAは新規のエラスターゼをコー
ドするものである。
pP2E128に挿入されているcDNAは、ブタエラスターゼmRN
Aから逆転写酵素によって合成された完全長のcDNAであ
るので、このcDNAを適当な発現ベクターに移すことで、
大腸菌、酵母、動物細胞などを宿主として、ブタ・膵臓
エラスターゼを大量生産できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例で得られたプラスミドpP2E128に挿入
されているcDNAの制限酵素地図を表わし、 はシグナルペプチドと考えられるペプチドをコードする
部分を示す。 は、成熟エラスターゼ蛋白質をコードする部分を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ酸配列中に、一般式: で表されるアミノ酸配列を含み、ブタ・膵臓エステラー
    ゼ2活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
  2. 【請求項2】請求項1記載のDNAであって、アミノ酸配
    列中に、一般式: の(N)−末端に水素原子、Met、またはMet Ile Arg A
    la Leu Leu Leu Ser Thr Leu Val Ala Gly Ala Leu Ser
    を有するアミノ酸配列を含み、ブタ・膵臓エステラーゼ
    2活性を有するポリペプチドをコードするDNA。
JP60092712A 1985-04-30 1985-04-30 ブタ・膵臓エラスタ−ゼ−2 Expired - Fee Related JPH06102023B2 (ja)

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