JPH061018U - エアバッグ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カバー体31の取付片42に突出部43が突設して
いても、エアバッグの展開を円滑にし、エアバッグを確
実に展開させる。 【構成】 カバー体31の裏面に、ベースプレート21に取
付ける取付片42を突設する。取付片42は、中央部位置が
両端部位置より外側方に突出する突出部43を有する形状
とする。突出部43の中央部は、アシストプレート51と一
体的にベースプレート21に取付ける。突出部43の両端部
は、ベースプレート21に直接取付けず、アシストプレー
ト51で支持する。 【効果】 エアバッグの展開時、エアバッグを覆うカバ
ー体31が破断して、拡開部が拡開する。このとき、アシ
ストプレート51により、突出部43を全体的に変形させ、
拡開部を大きく拡開させる。かつ、アシストプレート51
により、突出部43を変形状態に保持し、大きく拡開させ
た拡開部をその拡開状態に保持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車等において、乗員を衝突等の衝撃から保護するエアバッグ装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車等において、乗員を衝突等の衝撃から保護するステアリングホイールに 組込んだエアバッグ装置としては、例えば実開昭６２−１４１５６４号公報に記 載された構造が知られている。

【０００３】 このエアバッグ装置は、ベースプレート、このベースプレートの中央に配設さ れたガス発生器（インフレータ）、ベースプレート上に常時においては折り畳ま れて収納されたエアバッグ、ベースプレートに対して取付けられエアバッグを覆 うカバー体を備えている。そして、衝突等の衝撃を受けた際に、ガス発生器から エアバッグ内にガスを急激に流入させて膨脹させ、この膨脹の途中で、エアバッ グの圧力によりカバー体を破断させ、エアバッグをカバー体から突出させて乗員 に向けて展開させることにより、乗員がステアリングホイールのリム部や前方の ガラス等に衝突するのを防止するとともに衝撃を吸収する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、ステアリングホイールに組込んだエアバッグ装置のカバー体は、造 型形状が四角形の場合は特に問題が生じないが、図９に示すように、例えば、エ アバッグの収納面積を大きく確保するため等の造型上、カバー体１の外周、特に 前側縁部２が造型面に合わせて外側方に突出する略五角形状とした場合、エアバ ッグの展開に支承となり易い問題がある。

【０００５】 すなわち、図９に示すカバー体１は、裏面に略Ｈ字状に形成された薄肉部３に よって前後一対の拡開部4a，4bが区画形成され、この拡開部4a，4bの周囲にベー スプレートに取付けるための取付片５を突設している。この取付片５の前側の拡 開部4aの拡開支点側においては、外側方に突出した突出片部5a、内端側が外側方 に突出して突出片部5aの両端位置に連なる両側の傾斜片部5bを有する形状に形成 され、各片部5a，5bともベースプレートに取付けられる。

【０００６】 このようなカバー体１では、前側の拡開部4aの拡開支点側の片部5a，5Bがベー スプレートに取付けられて剛体となるため、図中１点鎖線より前側の部分６が拡 開しにくく、また、拡開後も拡開部4aは閉じる方向に作用することになり、エア バッグの展開に支承となり易い問題がある。

【０００７】 なお、図９に２点鎖線で示すように、両傾斜片部5bの内側まで肉薄部３を形成 すれば、拡開部4aが大きく拡開させることが可能となるが、拡開部4aの拡開支点 部分の幅が狭くなり、強度が低下する問題がある。

【０００８】 本考案は、このような点に鑑みてなされたもので、エアバッグの展開時におい て拡開部を大きく拡開させるとともに、大きく拡開させた拡開部をその拡開状態 に保持することができるエアバッグ装置を提供することを目的とするものである 。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ガスの流入により膨脹し常時は折り畳まれた状態のエアバッグ27を 配設したベースプレート21に対し、そのエアバッグ27を覆いエアバッグ27の膨脹 に伴い破断するカバー体31を取付けたエアバッグ装置であって、前記カバー体31 の裏面には、破断により拡開する拡開部40，41の周囲に前記ベースプレート21に 取付ける取付片42を突設し、かつ、この取付片42の前記拡開部40の拡開支点側に おいては中央部位置が両端部位置より外側方に突出しその中央部をベースプレー ト21に取付けるとともに両端部はベースプレート21に非取付状態とする突出部43 を有する形状に形成し、前記取付片42の突出部43の中間部と一体的に前記ベース プレート21に取付ける取付部52を設けるとともに突出部43の両端部を支持する支 持部53を設けたアシストプレート51を備えたものである。

【００１０】

【作用】

本考案では、エアバッグ27の膨脹時に、エアバッグ27を覆うカバー体31が破断 して拡開部40，41が拡開し、エアバッグ27が展開する。

【００１１】 この拡開部40の拡開時、カバー体31の突出部43の部分は中央部のみがベースプ レート21に直接取付けられ、両端部はベースプレート21に直接取付けられていな いため、拡開部40の拡開に伴って突出部43の中央部が変形し、かつ、アシストプ レート51を介して中央部の変形に追従して突出部43の両端部が一体的に変形する 。

【００１２】 したがって、カバー体31の取付片42に突出部43が突設されていても、アシスト プレート51により、その突出部43の部分を全体的に変形させて、拡開部40を大き く拡開させ、かつ、突出部43を変形状態に保持して、大きく拡開させた拡開部40 をその拡開状態に保持し、そのため、エアバッグ27の展開が円滑になり、エアバ ッグ27が確実に展開する。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の一実施例の構成を図１ないし図７を参照して説明する。

【００１４】 図５において、11は自動車等のステアリングホイール本体で、このステアリン グホイール本体11は、円環状のリム部12と、このリム部12の中心に位置したボス 部13と、これらリム部12とボス部13とを連結した複数のスポーク部14とから構成 されている。そして、ボス部13の上部にエアバッグ装置が取付けられている。

【００１５】 図１ないし図４は、ステアリングホイール本体11のボス部13に装着されるエア バッグ装置の構造を示す。図において、21はベースプレートで、このベースプレ ート21は、後述するカバー体31の内側形状に合わせて前側縁部22が外側方に突出 する略五角形状に形成され、中央部に円孔23が形成され、周縁部にカバー体31を 取付けるための取付孔24を有する取付板25が裏面側に折曲形成されている。なお 、前側縁部22の中央部には取付板25を形成するが、両端部には取付板25を形成し ない。

【００１６】 そして、ベースプレート21の円孔23内にはガス発生器26が嵌合配置されている 。このガス発生器26の上部にエアバッグ27が折り畳んだ状態で収納配置され、エ アバッグ27の開口部がベースプレート21の円孔23の周縁部に固定されている。

【００１７】 31はカバー体で、このカバー体31は、前側縁部32が外側方に突出する略五角形 状に形成され、コア層33と、このコア層33の表面側を覆うように密着して形成さ れた表皮層34との二層構造になっている。コア層33は、熱可塑性ウレタンエラス トマー等からなり、比較的硬質で十分な引っ張り強度を有している。表皮層34は 、ウレタン発泡材等からなり、コア層33より軟質で、外観的風合いと感触が良好 なものである。

【００１８】 カバー体31の裏面には、エアバッグ27の膨脹により破断される肉薄部35が形成 されている。この肉薄部35は、前後略中央部を横断して形成された中央破断線部 36と、この中央破断線部36の両端から前側に向かって形成された前側破断線部37 と、中央破断線部36の両端から後側に向かって形成された後側破断線部38と、前 側破断線部37の前端部から前側縁部32まで形成された前端破断線部39とから構成 されている。そして、この肉薄部35によってエアバッグ27の膨脹時に前後方向に それぞれ拡開される前後の拡開部40，41が区画形成されている。

【００１９】 また、カバー体31の裏面には、拡開部40，41の周囲に、ベースプレート21の取 付板25の外側に嵌合してリベット止めされる取付片42が突設されている。この取 付片42の前側の部分には突出部43が分離形成されており、この突出部43は、中央 の取付片部44が最も前方に突出し、この取付片部44の両端に連なる自由片部45の 外端部が後方に位置する形状に形成されている。また、取付片42には、ベースプ レート21の取付孔24および後述するアシストプレート51の取付孔57の位置に対応 して取付孔46が形成されている。

【００２０】 51は突出部43に取付けられる金属製のアシストプレートで、このアシストプレ ート51は、取付片部44の外面に取付けられる取付部52と、この取付部52の両側に 連設され各自由片部45に嵌合される支持部53とから構成されている。支持部53は 、自由片部45の外面に嵌合する板部54、内面に嵌合する板部55および両板部54， 55を連結する連結板部56とから断面略コ字状に形成されている。取付部52および 支持部53には、突出部43の各取付孔46の位置に対応して取付孔57がそれぞれ形成 されている。

【００２１】 そして、アシストプレート51は、突出部43に装着され、取付部52が突出部43の 取付片部44と一体的にベースプレート21の取付板25に各取付孔57，46，24を挿通 するリベット61で取付けられ、また、支持部53が突出部43の自由片部45に各取付 孔57，46を挿通するリベット61で取付けられている。

【００２２】 したがって、突出部43の取付片部44はベースプレート21に直接取付けられるが 、自由片部45はベースプレート21に直接取付けられずにアシストプレート51で支 持されている。

【００２３】 次に、本実施例の作用を説明する。

【００２４】 自動車の衝突事故等の際において、自動車の車体の衝撃が図示しない衝撃セン サが検知すると、この衝撃センサがガス発生器26を作動させ、エアバッグ27の内 部にガスを急激に放出させ、このエアバッグ27を急激に膨脹させる。

【００２５】 このエアバッグ27の膨脹により、カバー体31に裏面側から圧力が加わり、まず 、コア層33が肉薄でカバー体31の他の部分より開裂しやすく形成された肉薄部35 の中央破断線部36が破断し、次に、前側破断線部37および後側破断線部38に沿っ て破断が進行する。

【００２６】 このように肉薄部35が破断する過程で、図６に示すように、各拡開部40，41が 前後に拡開し、この拡開により開口する突出口からエアバッグ27が突出して展開 する。

【００２７】 このとき、特に、前側の拡開部40の拡開時、カバー体31の突出部43の部分は中 央の取付片部44のみがベースプレート21に直接取付けられ、両側の自由片部45は ベースプレート21に直接取付けられていないため、拡開部40の前方への拡開によ りベースプレート21の取付板25が付根部分から内方に曲り、かつ、この取付板25 の変形に追従してアシストプレート51により両自由片部45を内方へ曲がるように 一体的に変形させる。

【００２８】 したがって、カバー体31の取付片42に突出部43が突設されていても、アシスト プレート51により、その突出部43の部分を全体的に変形させて、拡開部40を大き く拡開させることができ、かつ、突出部43を変形状態に保持して、大きく拡開さ せた拡開部40をその拡開状態に保持することができ、エアバッグ27の展開が円滑 になり、エアバッグ27を確実に展開させることができる。

【００２９】 また、突出部43の自由片部45はベースプレート21に取付けていないが、アシス トプレート51により支持しているため、通常時のカバー体31の形状を保持するこ とができる。

【００３０】 なお、肉薄部35の前端破断線部39は前側破断線部37の前端部から適宜に延設す るものであり、その前端破断線部39を延設した場合、肉薄部35の破断時に、前側 破断線部37から前端破断線部39に破断が進行して、カバー体31の前側縁部32およ び突出部43の部分が本体部分から分離し、突出部43が大きく変形するので、前側 の拡開部40を大きく開きやすくなる。

【００３１】 次に、図８は本考案の他の実施例を示し、この実施例では、アシストプレート 51の上縁部に、突出部43の外面とカバー体31の前側縁部32との間に嵌合する略Ｕ 字状の突片部58を突出形成している。そして、この突片部58により、通常時に前 側縁部32が内方へ変形するのを防止し、拡開部40の拡開時に突出部43の上部側を 外側方に確実に変形させて拡開部40が大きく拡開するのを助長するとともにその 拡開状態を確実に保持することができる。

【００３２】

【考案の効果】

本考案によれば、カバー体の取付片の突出部の中央部をアシストプレートと一 体的にベースプレートに取付け、突出部の両端部はベースプレートには直接取付 けずにアシストプレートによって支持したため、エアバッグの膨脹時に、エアバ ッグを覆うカバー体が破断して拡開部が拡開する際、突出部の中央部がベースプ レートに対して変形するとともに、アシストプレートによりその中央部の変形に 追従して突出部の両端部を一体的に変形させることができる。

【００３３】 したがって、カバー体の取付片に突出部が突設されていても、アシストプレー トにより、その突出部の部分を全体的に変形させて、拡開部を大きく拡開させる ことができ、かつ、突出部を変形状態に保持して、大きく拡開させた拡開部をそ の拡開状態に保持することができ、エアバッグの展開を円滑にでき、エアバッグ を確実に展開させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のエアバッグ装置の一実施例を示す裏面
側から見た一部の斜視図である。

【図２】同上実施例のカバー体の裏面図である。

【図３】同上実施例の図５のＡ−Ａ断面図である。

【図４】同上実施例の図５のＢ−Ｂ断面図である。

【図５】同上実施例のステアリングホイールの平面図で
ある。

【図６】同上実施例の展開状態の斜視図である。

【図７】同上実施例の図４に対応した展開状態の断面図
である。

【図８】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図９】本考案が前提とする造型形状のカバー体の裏面
図である。

【符号の説明】

21 ベースプレート 27 エアバッグ 31 カバー体 40，41 拡開部 42 取付片 43 突出部 51 アシストプレート 52 取付部 53 支持部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガスの流入により膨脹し常時は折り畳ま
   れた状態のエアバッグを配設したベースプレートに対
   し、そのエアバッグを覆いエアバッグの膨脹に伴い破断
   するカバー体を取付けたエアバッグ装置であって、 前記カバー体の裏面には、破断により拡開する拡開部の
   周囲に前記ベースプレートに取付ける取付片を突設し、
   かつ、この取付片の前記拡開部の拡開支点側においては
   中央部位置が両端部位置より外側方に突出しその中央部
   をベースプレートに取付けるとともに両端部はベースプ
   レートに非取付状態とする突出部を有する形状に形成
   し、 前記取付片の突出部の中間部と一体的に前記ベースプレ
   ートに取付ける取付部を設けるとともに突出部の両端部
   を支持する支持部を設けたアシストプレートを備えたこ
   とを特徴とするエアバッグ装置。