JPH06101801A - 高速増殖炉の2重管蒸気発生器 - Google Patents

高速増殖炉の2重管蒸気発生器

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JPH06101801A
JPH06101801A JP27248192A JP27248192A JPH06101801A JP H06101801 A JPH06101801 A JP H06101801A JP 27248192 A JP27248192 A JP 27248192A JP 27248192 A JP27248192 A JP 27248192A JP H06101801 A JPH06101801 A JP H06101801A
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実 赤津
Ichiro Kawaguchi
一郎 河口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速増殖炉の2重管蒸気発生器において、H
eガスの湿分の測定によって2重管の内管の破損等不具
合の発生を短時間に検知する方法を提供する。 【構成】 2重管蒸気発生器の上、下部にHeプレナム
を形成し、各Heプレナムは2重管の内管と外管とによ
って形成される空間によって連通させ、各Heプレナム
はそれぞれ独立して各Heプレナムに取設したHeキャ
リアガス送入管および各Heプレナムの底部に近接して
配設したHeキャリアガス排出管と湿分計とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内管と外管との間にHe
ガスを介在させた2重管を介して高温のナトリウム(以
下Naという。)と水との熱交換を行なって高圧蒸気を
発生させる高速増殖炉の2重管蒸気発生器において、H
eガスの湿分の測定によって2重管の内管の破損発生の
有無を短時間に検知する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速増殖炉における2重管構造の伝熱管
を介して高温Naと水との熱交換を行って蒸気を発生す
る蒸気発生器において、Heガスをキャリアガスとして
2重管の内管と外管との間に流通させたのち、該Heガ
スの湿分を測定することによって内管の破損等に起因し
た高圧の水あるいは蒸気(以下、水/蒸気という。)の
Heガス側への漏洩を検知し、それによって伝熱管内管
の破損等の不具合の発生を知る方法は従来から考えられ
ていた。(例えば特開昭62−162802号公報に記
載された技術。)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来は、
2重管の内管の破損によって高圧の水/蒸気がHeキャ
リアガス内に流入した場合、上部Heプレナム内あるい
は下部Heプレナム内において水/蒸気が極めて短かい
時間内にHeキャリアガス中に拡散するであろうとの想
定のもとに、上部Heプレナムおよび下部Heプレナム
ともに、各Heプレナムのほぼ中央部の高さにHe送入
管およびHe排出管が配設されていた。
【0004】しかしながら本願発明者等が電算機によっ
てHeプレナム内の漏洩水/蒸気の挙動を解析した結
果、水/蒸気の比重がHeガスの比重に比して約4倍の
値を有していることから、Heプレナム内に流入した漏
洩水/蒸気は瞬時に拡散が行なわれることなく、各プレ
ナム内底部に降下して層状に堆積し、時間の経過ととも
に徐々にその堆積層の厚みを増して行くことを発見し
た。
【0005】そのため漏洩水/蒸気の量が微少な場合に
はHeプレナムの中央部の高さに到達するまでに数千秒
あるいは数万秒を要することになり、内管破損等への対
応が遅れると云う不具合を有するものであった。本願発
明はこのような現状に鑑みてなされたもので、簡潔な構
成によって上記不具合を解消し、微少な水/蒸気の漏洩
を迅速に検知して安全性に優れた2重管蒸気発生器を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は前記特許請
求の範囲に記載された高速増殖炉の2重管蒸気発生器に
よって達成される。すなわち、「中央部に形成した熱交
換部と、下端部に形成した水室と、上端部に形成した蒸
気室と、内管と外管とによって構成した伝熱管と、水室
と熱交換部との間に形成した下部Heプレナムと、蒸気
室と熱交換部との間に形成した上部Heプレナムとを有
し、水室と蒸気室とは伝熱管の内管によって連通され、
下部Heプレナムと上部Heプレナムとは伝熱管の内管
と外管とによって形成される空間によって連通され、下
部Heプレナムと上部Heプレナムとはそれぞれ独立し
て各Heプレナムに取設したHeキャリアガス送入管お
よび各Heプレナムの底部に近接して配設したHeキャ
リアガス排出管と湿分計とを有するものである高速増殖
炉の2重管蒸気発生器」である。以下、本発明の作用等
について実施例に基づいて説明する。
【0007】
【実施例】図1〜3は本願発明に基づく実施例を示す図
で、図1は2重管蒸気発生器の概念を示す断面図、図2
は図1におけるHeプレナムへのHeキャリアガス送入
管およびHeキャリアガス排出管の取り付け部の第1の
実施例を示す部分拡大概念図、図3はその第2の例を示
す部分拡大概念図である。図1〜3において、1はNa
を充満させて熱交換を行なわせる熱交換部、2は水室、
3は蒸気室、4は内管、5は外管、6は下部Heプレナ
ム、7は上記Heプレナム、8,9はHeキャリアガス
送入管、10,11はHeキャリアガス排出管、12,
13は湿分計、14は給水管板、15は蒸気管板、16
は下部Na管板、17は上部Na管板、18はNa入
口、19はNa出口、20は給水、21は水/蒸気、2
2は蒸気、23は胴である。
【0008】図1に示す高速増殖炉の2重管蒸気発生器
においては、胴23の上方に取設されたNa入口18か
ら送入された高温のNaは熱交換部1において伝熱管の
外管5の外表面と接触しながら流下し、Na出口19か
ら排出される。水室2に送入された給水20は、伝熱管
の内管4内を通じて上昇する間にNaからの熱を受けて
水/蒸気21の状態になり上部に形成された蒸気室3か
ら外部に排出される。
【0009】一方、水室2と熱交換部1との間に給水管
板14および下部Na管板16によって区画された下部
Heプレナム室6と、蒸気式3と熱交換部1との間に蒸
気管板15と上部Na管板17とによって区画された上
部Heプレナム7とは、伝熱管の内管4と外管5とによ
って形成された空間によって連通されている。
【0010】下部および上部のHeプレナム6,7に
は、それぞれ独立した系統からなるHeキャリアガス送
入管8、Heキャリアガス排出管10および湿分計12
と、Heキャリアガス送入管9、Heキャリアガス排出
管11および湿分計13が取着されており、常時緩やか
な速度でHeキャリアガスを送入−排出させ、排出させ
たHeキャリアガスの湿分を測定している。
【0011】伝熱管の内管4に破損等の不具合箇所が発
生した場合、内管4内を流れる水/蒸気21の圧力が1
50kg/cm2 程度、内管4と外管5とによって形成
される空間内を充満させているHeキャリアガスの圧力
が15kg/cm2 程度であることにより、不具合箇所
から漏洩した水/蒸気21は上記内管4と外管との間の
空間を通じ下部Heプレナム6あるいは上部Heプレナ
ム7内に流入する。
【0012】各Heプレナム6,7内に流入した水/蒸
気21は減圧されることによりHeキャリアガス内に蒸
気の状態で混入して、当該部のHeキャリアガスの湿度
を上昇させる。従って各Heプレナム6,7から排出さ
れるHeキャリアガスの湿分を各湿分計12,13によ
って測定することにより、内管4破損等の不具合発生を
容易に検知し得る。
【0013】しかしながら、前記従来の技術の項で既に
説明したように、漏洩した水/蒸気21はHeキャリア
ガスに比して約4倍程度比重が大きいことのほかに、各
Heプレナム6,7はメンテナンススペースを確保させ
る意味から高さが500mm以上と大きい容積を有して
いること、各Heプレナム6,7内を通過するHeキャ
リアガスの速度が小さいこと、漏洩初期の水/蒸気21
の量が微少であることから、各Heプレナム6,7内に
おいて底部から順次積層され、容易には拡散、混合が行
なわれないために、内管4から漏洩した水/蒸気21が
各湿分計12,13によって検知されるまでに非常に長
時間を要する。
【0014】そこで本願発明においては、各Heプレナ
ム6,7におけるHeキャリアガス送入管8,9の位置
とHeキャリアガス排出管10,11の位置を出来る限
り各Heプレナム6,7の底部に近づけて配設すること
により漏洩水/蒸気21によるHeキャリアガスの湿分
上昇を迅速に検知させるものである。
【0015】図2は第1の実施例を示す図で、Heキャ
リアガス送入管8,9およびHeキャリアガス排出管1
0,11の各Heプレナム6,7への取り付け位置を各
Heプレナム6,7の底部に近接させた場合を示してい
る。また図3は第2の実施例を示す図で、Heキャリア
ガス送入管8,9およびHeキャリアガス排出管10,
11の各Heプレナム6,7への取り付け位置は従来と
同様に各Heプレナム6,7の中央部付近とすることに
よって取り付け作業を容易にする一方、Heプレナム
6,7内のHeキャリアガス送入管8,9およびHeキ
ャリアガス排出管10,11の端部をHeプレナム6,
7の底部に近接させることによってHeプレナム6,7
内に流入した水/蒸気21に基づくHeキャリアガスの
湿分の上昇の検知を迅速に行なうことを可能にしてい
る。
【0016】また本願発明においては、各Heプレナム
6,7に流入、排出されるHeキャリアガス管ととも
に、湿分計12,13もそれぞれ各系統に分けて配設し
て測定することにより、各湿分計12,13による湿分
上昇開始時刻の時間差から、発生した内管4不具合箇所
の特定を行なうことを可能にしている。
【0017】尚、上記実施例においては、Heプレナム
に流入するHeキャリアガスの送入管端部の位置をHe
プレナムの底部に近接させているが、上記送入管は従来
通りHeプレナムの中央部あるいは上部に取り付けて
も、Heキャリアガス排出管の位置がHeプレナムの底
部に近接して取り付けられている場合には、ほぼ同程度
に湿分上昇検知を迅速に行なわしめ得ることは勿論であ
る。
【0018】
【発明の効果】このように本願発明によれば、上記実施
例において説明したように、高速増殖炉の2重管蒸気発
生器における内管に破損等の不具合が発生した場合にH
eプレナム内に流入した湿分が速やかに湿分計まで運ば
れることにより不具合発生から検知するまでの時間を大
幅に短縮して安全性を向上させ得るという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に基づく2重管蒸気発生器の概念を示
す断面図である。
【図2】HeプレナムへのHeキャリアガス送入管およ
びHeキャリアガス排出管の取り付け部の第1の実施例
を示す部分拡大概念図である。
【図3】HeプレナムへのHeキャリアガス送入管およ
びHeキャリアガス排出管の取り付け部の第2の実施例
を示す部分拡大概念図である。
【符号の説明】
1 熱交換部 2 水室 3 蒸気室 4 内管 5 外管 6 下部Heプレナム 7 上部Heプレナム 8,9 Heキャリアガス送入管 10,11 Heキャリアガス排出管 12,13 湿分計 14 給水管板 15 蒸気管板 16 下部Na管板 17 上部Na管板 18 Na入口 19 Na出口 20 給水 21 水/蒸気 22 蒸気 23 胴

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部に形成した熱交換部と、下端部に
    形成した水室と、上端部に形成した蒸気室と、内管と外
    管とによって構成した伝熱管と、水室と熱交換部との間
    に形成した下部He(ヘリウム)プレナムと、蒸気室と
    熱交換部との間に形成した上部Heプレナムを有し、水
    室と蒸気室とは伝熱管の内管によって連通され、下部H
    eプレナムと上部Heプレナムとは伝熱管の内管と外管
    とによって形成される空間によって連通され、下部He
    プレナムと上部Heプレナムとはそれぞれ独立して各H
    eプレナムに取設したHeキャリアガス送入管および各
    Heプレナムの底部に近接して配設したHeキャリアガ
    ス排出管と湿分計とを有するものであることを特徴とす
    る高速増殖炉の2重管蒸気発生器。
JP27248192A 1992-09-17 1992-09-17 高速増殖炉の2重管蒸気発生器 Expired - Lifetime JPH0814361B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016109618A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 原子炉熱利用システム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016109618A (ja) * 2014-12-09 2016-06-20 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 原子炉熱利用システム

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