JPH0424241Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は高速増殖炉等に用いられる液体金属を
加熱源とする蒸気発生器に関する。

（従来の技術） 従来のこの種蒸気発生器の１例が、第２図に示
され、高温の液体金属は入口ノズル１からシエル
３内に流入し、シエル３内に配設された多数の二
重管１０の伝熱内管１０ａを取り囲む伝熱外管１
０ｂ外を流過して出口ノズル２より流出する。水
は入口ノズル９から水室１３内に流入し、伝熱内
管１０ａ内を上昇する過程で伝熱外管１０ｂ外を
流れる液体金属によつて加熱されて蒸発し、蒸気
室１４内を通つて出口ノズル８より流出する。二
重管１０はバツフル板１２を貫通して上下に伸び
その下端は水室管板１１に固着されるが、伝熱外
管１０ｂの上端は隔離板７に固着され、伝熱内管
１０ｂの上端は隔離板７と蒸気室管板６との間に
画成された漏洩ガスプレナム１５を越えて蒸気室
管板６に固着されている。そして、伝熱内管１０
ａと伝熱外管１０ｂとの間に画成された検出用空
間１０ｃは漏洩ガスプレナム１５に連通してい
る。

しかして、伝熱外管１０ｂに異常が発生して液
体金属が検出用空間１０ｃ内に漏洩したときはこ
のガスを漏洩ガスプレナム１５からノズル１６を
介して液体金属用漏洩検出器等に導いてこれを検
知し、一方、伝熱内管１０ａに異常が発生して水
又は水蒸気が検出用空間１０ｃ内に漏洩したとき
にはこれを漏洩ガスプレナム１５からノズル１６
を経て圧力検知器等に導いてこれを検知し、液体
金属と水又は水蒸気が接触する以前に蒸気発生器
の運転停止その他の対策を講じることができるよ
うになつている。なお、４は熱膨張吸収用伸縮胴
である。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の蒸気発生器においては、漏洩ガスプ
レナム１５がシエル３内において蒸気室１４及び
液体金属が流れる空間に狭まれるように設けられ
ており、従つて、漏洩ガスが蒸気又は液体金属と
接する危険があり、更にシエル３が大型となると
ともにシエル３の内部構造が複雑となるという問
題があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点に対処するために提案され
たものであつて、その要旨とするところはシエル
内に伝熱内管とこれを取り囲む伝熱外管からなる
二重管を多数配設し、上記シエル内で上記伝熱外
管外を流れる液体金属により上記伝熱内管内を流
れる水を加熱して蒸発させる蒸気発生器におい
て、上記伝熱内管を上記シエルを貫通させて上記
シエル外に配設された給水ヘツダー及び蒸気ヘツ
ダーに連通させるとともに上記伝熱内管と上記伝
熱外管との間に画成された検出用空間を上記シエ
ル外に設けられた漏洩ガス室に連通せしめたこと
を特徴とする蒸気発生器にある。

（実施例） 本考案の１実施例が第１図に示されている。

第１図において、２０はシエルで、液体金属入
口ノズル２１と液体金属出口ノズル２２を具えて
いる。２３はシエル２０内に平行に配設されてバ
ツフル板２６を貫いて上下に伸びる多数の二重管
で伝熱内管２３ａとこれを取り囲む伝熱外管２３
ｂからなる。伝熱内管２３ａはシエル２０を貫通
して外部に延びその上端はシエル２０の外に配設
されたリング状蒸気ヘツダー２４に連通し、その
下端はシエル２０の外に配設されたリング状給水
ヘツダー２５に連通されている。また、伝熱外管
２３ｂの上下両端はそれぞれシエル２０の頂板及
び底板に連結されている。そして、伝熱内管２３
ａと伝熱外管２３ｂ間に画成された検出用空間２
３ｃはシエル２０の頂板の上面とこの上に固定さ
れた構成板２７によつてシエル２０外に画成され
た漏洩ガス室２８内に連通している。２９は液体
金属入口プレナムでシエル２０の上部内周面と入
口プレナム形成板３０の外周面とによつて画成さ
れている。３１は入口プレナム形成板２９に穿設
された液体金属入口である。３２は液体金属出口
プレナムで、シエル２０の下部内周面と出口プレ
ナム形成板３３によつて画成されている。３４は
出口プレナム形成板３３に穿設された液体金属出
口、３５は二重管熱膨張用伸縮部である。

高温の液体金属は入口ノズル２１から液体金属
入口プレナム２９、液体金属入口３１を通つてシ
エル２０内に流入し、伝熱外管２３ｂ外を流過
し、液体金属出口３４、液体金属出口プレナム３
２を経て出口ノズル２２から流出する。水は入口
ノズル３６より給水ヘツダ２５内に入り、伝熱内
管２３ａ内を上昇する過程で液体金属によつて加
熱されて蒸発して蒸気ヘツダー２４内に流入し、
出口ノズル３７から取り出される。二重管２３の
伝熱内管２３ａ又は伝熱外管２３ｂに異常が発生
して水蒸気又は液体金属が伝熱内管２３ａと伝熱
外管２３ｂの間に画成された検出用空間２３ｃ内
に漏洩したときは、これを漏洩ガス室２８及び検
出ノズル３８を介して図示しない液体金属用漏洩
検知器又は圧力検知器に導いて検知する。

上記実施例においては、漏洩ガス室２８はシエ
ル２０の頂板上に設けたが、底板の下に設けても
良く、また、円筒部の外周に設けても良い。

（考案の作用及び効果） 本考案においてはシエル内に伝熱内管とこれを
取り囲む伝熱外管からなる二重管を多数配設し、
上記シエル内で上記伝熱外管外を流れる液体金属
により上記伝熱内管内を流れる水を加熱して蒸発
させる蒸気発生器において、上記伝熱内管を上記
シエルを貫通させて上記シエル外に配設された給
水ヘツダー及び蒸気ヘツダーに連通させるととも
に上記伝熱内管と上記伝熱外管との間に画成され
た検出用空間を上記シエル外に設けられた漏洩ガ
ス室に連通せしめたので、シエルを小型化しうる
とともにその内部構造を簡素化できる。そして、
漏洩ガス室がシエル外に配設され、従来のものの
ように蒸気室と隣接することはないので安全性も
向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す略示的縦断面
図、第２図は従来の蒸気発生器の１例を示す略示
的縦断面図である。 シエル……２０、二重管……２３、伝熱内管…
…２３ａ、伝熱外管……２３ｂ、検出用空間……
２３ｃ、給水ヘツダー……２５、蒸気ヘツダー…
…２４、漏洩ガス室……２８。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シエル内に伝熱内管とこれを取り囲む伝熱外管
   からなる二重管を多数配設し、上記シエル内で上
   記伝熱外管外を流れる液体金属により上記伝熱内
   管内を流れる水を加熱して蒸発させる蒸気発生器
   において、上記伝熱内管を上記シエルを貫通させ
   て上記シエル外に配設された給水ヘツダー及び蒸
   気ヘツダーに連通させるとともに上記伝熱内管と
   上記伝熱外管との間に画成された検出用空間を上
   記シエル外に設けられた漏洩ガス室に連通せしめ
   たことを特徴とする蒸気発生器。