JPH0610126A - Ti−Wターゲット材およびその製造方法 - Google Patents
Ti−Wターゲット材およびその製造方法Info
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- JPH0610126A JPH0610126A JP4191591A JP19159192A JPH0610126A JP H0610126 A JPH0610126 A JP H0610126A JP 4191591 A JP4191591 A JP 4191591A JP 19159192 A JP19159192 A JP 19159192A JP H0610126 A JPH0610126 A JP H0610126A
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- Japan
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- powder
- phase
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- target
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- Powder Metallurgy (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 スパッタリングした時にパーティクルの発生
が少ないTi−Wターゲット材およびその製造方法を提
供する。 【構成】 実質的にTi相とTi-W合金相よりなることを特
徴とするTi-Wターゲット材である。ここで平均結晶粒径
は30μm以下、Ti相の面積率は10%以下であることが好ま
しい。また、製造方法はW粉末とTi粉末とを加圧焼結し
て焼結体とし、得られた焼結体を加熱処理してW相を消
失させることを特徴とする。ここで、Ti粉末は水素化し
たTi粉末とし、W粉末と混合粉砕処理して用いることが
好ましく、また、加熱処理は1500〜1700℃が好ましい。
が少ないTi−Wターゲット材およびその製造方法を提
供する。 【構成】 実質的にTi相とTi-W合金相よりなることを特
徴とするTi-Wターゲット材である。ここで平均結晶粒径
は30μm以下、Ti相の面積率は10%以下であることが好ま
しい。また、製造方法はW粉末とTi粉末とを加圧焼結し
て焼結体とし、得られた焼結体を加熱処理してW相を消
失させることを特徴とする。ここで、Ti粉末は水素化し
たTi粉末とし、W粉末と混合粉砕処理して用いることが
好ましく、また、加熱処理は1500〜1700℃が好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体デバイスに使用さ
れるバリアメタル層の形成等に用いられるTi-Wターゲッ
ト材およびその製造方法に関するものである。
れるバリアメタル層の形成等に用いられるTi-Wターゲッ
ト材およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のLSIの高集積化に伴い、Al配線の
マイグレーション対策としてバリアメタル層が必要にな
ってきた。バリアメタル層としては、Ti-W薄膜(代表的
にはTi:10wt%、残部Wの組成を有する。)が多く使用さ
れ、その形成法としてはターゲットをスパッタリングす
る方法が採用されている。この薄膜用Ti-Wターゲット材
は、一般にW粉末とTi粉末とを混合し、ホットプレスす
ることにより製造されている。しかしながら、従来のTi
-Wターゲット材の原料となるTi粉末はもともと酸素含有
量が高く、またTi粉末をより細かく粉砕する時の酸素ピ
ックアップにも起因して、酸素含有量の多いターゲット
しか得られていなかった。
マイグレーション対策としてバリアメタル層が必要にな
ってきた。バリアメタル層としては、Ti-W薄膜(代表的
にはTi:10wt%、残部Wの組成を有する。)が多く使用さ
れ、その形成法としてはターゲットをスパッタリングす
る方法が採用されている。この薄膜用Ti-Wターゲット材
は、一般にW粉末とTi粉末とを混合し、ホットプレスす
ることにより製造されている。しかしながら、従来のTi
-Wターゲット材の原料となるTi粉末はもともと酸素含有
量が高く、またTi粉末をより細かく粉砕する時の酸素ピ
ックアップにも起因して、酸素含有量の多いターゲット
しか得られていなかった。
【0003】このような酸素含有量の多いターゲットで
は、スパッタリング中の酸素の放離により、ターゲット
の割れ、生成薄膜の酸化、薄膜品質のばらつき等が生じ
好ましくない。最近、このようなTi-Wターゲットの酸素
含有量を減らす方法として、米国特許4,838,935号公報
および特開昭63-303017号公報等にTi粉末の代わりに水
素化したTi粉末を用いる方法が開示された。この水素化
したTi粉末の使用は、それ自体酸化防止に有効であると
ともに、Ti粉末に比べ破砕性が良好であるため、粉砕時
の酸素ピックアップ量を減ずることができるものであ
る。このようにして、Ti粉末として水素化したTi粉末を
使用することにより、900ppm以下という低酸素濃度のTi
-Wターゲットが得られるようになった。
は、スパッタリング中の酸素の放離により、ターゲット
の割れ、生成薄膜の酸化、薄膜品質のばらつき等が生じ
好ましくない。最近、このようなTi-Wターゲットの酸素
含有量を減らす方法として、米国特許4,838,935号公報
および特開昭63-303017号公報等にTi粉末の代わりに水
素化したTi粉末を用いる方法が開示された。この水素化
したTi粉末の使用は、それ自体酸化防止に有効であると
ともに、Ti粉末に比べ破砕性が良好であるため、粉砕時
の酸素ピックアップ量を減ずることができるものであ
る。このようにして、Ti粉末として水素化したTi粉末を
使用することにより、900ppm以下という低酸素濃度のTi
-Wターゲットが得られるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近の
半導体製品の電極パターンの高密度・細線化に伴い、前
述の低酸素濃度のTi-Wターゲットを用いてスパッタリン
グしても、スパッタリングにより成膜した薄膜に巨大粒
子、いわゆるパーティクルが付着し、電極配線を断線さ
せるという新たな問題が生じてきた。このパーティクル
の発生はTi-Wターゲットの酸素含有量を減ずるだけでは
解決できないものであった。
半導体製品の電極パターンの高密度・細線化に伴い、前
述の低酸素濃度のTi-Wターゲットを用いてスパッタリン
グしても、スパッタリングにより成膜した薄膜に巨大粒
子、いわゆるパーティクルが付着し、電極配線を断線さ
せるという新たな問題が生じてきた。このパーティクル
の発生はTi-Wターゲットの酸素含有量を減ずるだけでは
解決できないものであった。
【0005】本発明者はパーティクルの発生とターゲッ
トの組織について詳しく検討したところ、Ti-Wターゲッ
トを構成するTiとWでは、Tiの方がスパッタリングされ
やすいため、TiとWが混在した組織では、スパッタリン
グが進行するにつれて、ターゲット表面に凹凸が発生
し、この凹凸に起因してスパッタリング中に異常放電が
発生することを確認した。そしてこの異常放電による衝
撃力によりターゲットから破片が飛散し、これがパーテ
ィクルの発生の一因であることをつきとめた。本発明
は、パーティクル発生の少ない組織に制御したTi-Wター
ゲット材およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
トの組織について詳しく検討したところ、Ti-Wターゲッ
トを構成するTiとWでは、Tiの方がスパッタリングされ
やすいため、TiとWが混在した組織では、スパッタリン
グが進行するにつれて、ターゲット表面に凹凸が発生
し、この凹凸に起因してスパッタリング中に異常放電が
発生することを確認した。そしてこの異常放電による衝
撃力によりターゲットから破片が飛散し、これがパーテ
ィクルの発生の一因であることをつきとめた。本発明
は、パーティクル発生の少ない組織に制御したTi-Wター
ゲット材およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、異常放電に
よるターゲット破片の飛散の少ないターゲット材とし
て、ターゲット組織を構成する相のスパッタリング速度
の差を縮めるための、一つの手段として、Ti-W合金相を
設けることが有効であることを見いだし本発明に到達し
た。すなわち本発明は、実質的にTi相とTi-W合金相より
なることを特徴とするTi-Wターゲット材である。
よるターゲット破片の飛散の少ないターゲット材とし
て、ターゲット組織を構成する相のスパッタリング速度
の差を縮めるための、一つの手段として、Ti-W合金相を
設けることが有効であることを見いだし本発明に到達し
た。すなわち本発明は、実質的にTi相とTi-W合金相より
なることを特徴とするTi-Wターゲット材である。
【0007】本発明のターゲット材はTi相とTi-W合金相
で構成されるため、加圧焼結しただけのTi相とW相で構
成するターゲットに比べて、各相間のスパッタリング速
度の差が少なくなり、結果としてパーティクルの発生を
少なくできるものである。本発明においてTi相はできる
だけ少ない方が良いが、Ti相がターゲットの断面に占め
る面積率で10%以下であれば特に均一な薄膜を得ること
ができる。またターゲット組織の個々の結晶粒が有する
結晶方位のために、結晶粒毎にスパッタリング速度に差
を生じターゲット表面に凹凸を発生するため、結晶粒径
はできるだけ小さい方が結晶方位の影響を小さくでき
る。好ましくは結晶粒径は30μm以下である。
で構成されるため、加圧焼結しただけのTi相とW相で構
成するターゲットに比べて、各相間のスパッタリング速
度の差が少なくなり、結果としてパーティクルの発生を
少なくできるものである。本発明においてTi相はできる
だけ少ない方が良いが、Ti相がターゲットの断面に占め
る面積率で10%以下であれば特に均一な薄膜を得ること
ができる。またターゲット組織の個々の結晶粒が有する
結晶方位のために、結晶粒毎にスパッタリング速度に差
を生じターゲット表面に凹凸を発生するため、結晶粒径
はできるだけ小さい方が結晶方位の影響を小さくでき
る。好ましくは結晶粒径は30μm以下である。
【0008】また本発明の製造方法は、W粉末とTi粉末
とを混合した後、加圧焼結して焼結体とし、得られた焼
結体を加熱処理して、W相を消失させ、実質的にTi相とT
i-W合金相よりなる組織とすることを特徴とするTi-Wタ
ーゲット材の製造方法である。 本発明においては、焼
結体を加熱処理することが大きな特徴の一つであり、こ
の処理により実質的にTi相とTi-W合金相からなる組織が
得られるのである。本発明の製造方法において、Ti粉末
に変え水素化したTi粉末とし、W粉末と混合粉砕処理す
れば、ターゲット中の酸素の含有量を低減でき好まし
い。すなわちもう一つの本発明の製造方法はW粉末と水
素化したTi粉末とを混合粉砕処理し、次いで脱水素処理
をした後、あるいし脱水素処理をしながら加圧焼結して
焼結体とし、得られた焼結体を加熱処理して、W相を消
失させ、Ti相とTi-W合金相よりなる組織とすることを特
徴とするTi-Wターゲット材の製造方法である。
とを混合した後、加圧焼結して焼結体とし、得られた焼
結体を加熱処理して、W相を消失させ、実質的にTi相とT
i-W合金相よりなる組織とすることを特徴とするTi-Wタ
ーゲット材の製造方法である。 本発明においては、焼
結体を加熱処理することが大きな特徴の一つであり、こ
の処理により実質的にTi相とTi-W合金相からなる組織が
得られるのである。本発明の製造方法において、Ti粉末
に変え水素化したTi粉末とし、W粉末と混合粉砕処理す
れば、ターゲット中の酸素の含有量を低減でき好まし
い。すなわちもう一つの本発明の製造方法はW粉末と水
素化したTi粉末とを混合粉砕処理し、次いで脱水素処理
をした後、あるいし脱水素処理をしながら加圧焼結して
焼結体とし、得られた焼結体を加熱処理して、W相を消
失させ、Ti相とTi-W合金相よりなる組織とすることを特
徴とするTi-Wターゲット材の製造方法である。
【0009】また、上記加熱処理は1500-1700℃で行う
ことが好ましい。焼結体を加熱処理してTi-W合金相を形
成する場合、加熱処理温度は高いほど、相互拡散が進行
しやすいので1500℃以上とするが、加熱処理温度が高い
と、ターゲット組織中の結晶粒径を粗大化してしまい逆
にパーティクルを増加する危険があるので上限の温度は
1700℃とする。上記混合粉砕処理には、ボールミル、ア
トライタ等の粉砕混合を行なう装置が使用できる。本発
明でいう粉砕混合とは粉砕と混合を別々に行なっても粉
砕と混合を同時に行なってもよく、Ti粉末とW粉末が微
細粉末の状態でよく混合されておればよい。この粉砕混
合処理により、水素化したTi粉末およびW粉末は平均粒
径5μm未満まで微粉末化するのが好ましい。この状態で
Ti粉末は最大粒径が20μm程度、平均粒径が5μm程度と
する。これに対してW粉末は、最大粒径が7μm程度、平
均粒径が4μm程度とする。したがって、Ti粒径はW粒径
より相対的に大きくしてあり、これが加熱処理により、
Wが拡散消失し、実質的にTi相とTi-W合金相のみになる
理由の一つである。また、このように微粉末化するの
は、反応界面積を増やし加熱処理した場合に結晶粒を成
長させないためである。また、原料となるTi、水素化し
たTiおよびWの粉末はできるだけ酸素、放射性元素等の
不純物濃度は低い方が良い。酸素の混入は薄膜の電気的
性質を劣化させ、また放射性元素の混入は半導体装置の
誤動作、破損につながる危険がある。
ことが好ましい。焼結体を加熱処理してTi-W合金相を形
成する場合、加熱処理温度は高いほど、相互拡散が進行
しやすいので1500℃以上とするが、加熱処理温度が高い
と、ターゲット組織中の結晶粒径を粗大化してしまい逆
にパーティクルを増加する危険があるので上限の温度は
1700℃とする。上記混合粉砕処理には、ボールミル、ア
トライタ等の粉砕混合を行なう装置が使用できる。本発
明でいう粉砕混合とは粉砕と混合を別々に行なっても粉
砕と混合を同時に行なってもよく、Ti粉末とW粉末が微
細粉末の状態でよく混合されておればよい。この粉砕混
合処理により、水素化したTi粉末およびW粉末は平均粒
径5μm未満まで微粉末化するのが好ましい。この状態で
Ti粉末は最大粒径が20μm程度、平均粒径が5μm程度と
する。これに対してW粉末は、最大粒径が7μm程度、平
均粒径が4μm程度とする。したがって、Ti粒径はW粒径
より相対的に大きくしてあり、これが加熱処理により、
Wが拡散消失し、実質的にTi相とTi-W合金相のみになる
理由の一つである。また、このように微粉末化するの
は、反応界面積を増やし加熱処理した場合に結晶粒を成
長させないためである。また、原料となるTi、水素化し
たTiおよびWの粉末はできるだけ酸素、放射性元素等の
不純物濃度は低い方が良い。酸素の混入は薄膜の電気的
性質を劣化させ、また放射性元素の混入は半導体装置の
誤動作、破損につながる危険がある。
【0010】
(実施例1)水素化した高純度Ti粉末(純度99.99%以上、平
均粒径20μm:以下水素化Tiと称する)を500メッシュ(25
μm)のふるいで分級したものと、高純度W粉末(純度99.9
99%以上、平均粒径5μm)とを水素化Ti10.36wt%になるよ
うに配合し、W張りのポットとW製ボールを使用した専用
ボールミル内に投入した後、ポット内を真空排気し、そ
の後アルゴンガスで置換し非酸化性雰囲気とし、90分間
粉砕しつつ混合した。得られた混合粉は、20μm以上の
粒子は観測されず、平均粒径4μmであった。また、混合
粉の酸素含有量は540ppmであった。
均粒径20μm:以下水素化Tiと称する)を500メッシュ(25
μm)のふるいで分級したものと、高純度W粉末(純度99.9
99%以上、平均粒径5μm)とを水素化Ti10.36wt%になるよ
うに配合し、W張りのポットとW製ボールを使用した専用
ボールミル内に投入した後、ポット内を真空排気し、そ
の後アルゴンガスで置換し非酸化性雰囲気とし、90分間
粉砕しつつ混合した。得られた混合粉は、20μm以上の
粒子は観測されず、平均粒径4μmであった。また、混合
粉の酸素含有量は540ppmであった。
【0011】得られた混合粉を内径400φのHIP缶内に充
填し、5×10マイナス5乗Torrに真空排気しながら、700
℃×24時間加熱し、脱水素処理を行った。脱水素後HIP
缶を封止し、1250℃×2時間、1000atmの条件でHIP処理
を行った。得られた焼結体の600倍の組織写真を図2に
示す。図2において白色粒子はW粒子であり、W粒子間に
存在する灰色部はTi粒子である。この焼結体を真空度10
マイナス4Torrで1600℃×24時間の条件で加熱処理を行
いターゲット材を得た。得られたターゲット材の酸素含
有量はほぼ810ppmであり、平均結晶粒径は22mであっ
た。
填し、5×10マイナス5乗Torrに真空排気しながら、700
℃×24時間加熱し、脱水素処理を行った。脱水素後HIP
缶を封止し、1250℃×2時間、1000atmの条件でHIP処理
を行った。得られた焼結体の600倍の組織写真を図2に
示す。図2において白色粒子はW粒子であり、W粒子間に
存在する灰色部はTi粒子である。この焼結体を真空度10
マイナス4Torrで1600℃×24時間の条件で加熱処理を行
いターゲット材を得た。得られたターゲット材の酸素含
有量はほぼ810ppmであり、平均結晶粒径は22mであっ
た。
【0012】得られたターゲット材の600倍の組織写真
を図1に示す。図中、黒色部はTi相であり、灰色部はTi
-W合金相である。図1に示すように、W相の確認されな
いターゲット材を得ることができた。このターゲット材
をφ300に加工し、ターゲットとした。このターゲット
を用い、6インチウエハーにスパッタリングした。スパ
ッタ膜中のパーティクル数を検査したところ、0.5μm以
上のパーティクルで11個、0.3μm以上のパーティクルで
も29個と従来の0.3μm以上の平均パーティクル数である
約150個に対して非常に少ないことが確認された。
を図1に示す。図中、黒色部はTi相であり、灰色部はTi
-W合金相である。図1に示すように、W相の確認されな
いターゲット材を得ることができた。このターゲット材
をφ300に加工し、ターゲットとした。このターゲット
を用い、6インチウエハーにスパッタリングした。スパ
ッタ膜中のパーティクル数を検査したところ、0.5μm以
上のパーティクルで11個、0.3μm以上のパーティクルで
も29個と従来の0.3μm以上の平均パーティクル数である
約150個に対して非常に少ないことが確認された。
【0013】(比較例1)実施例1と同一の条件でHIP処理
し、図2で示す組織と同様の焼結体を得た。この焼結体
を実施例1で行った合金化のための加熱処理を行わず、
そのままφ300に加工し、ターゲットとした。このター
ゲットを用い、実施例1と同一の条件で6インチウエハー
にスパッタリングした。スパッタ膜中のパーティクル数
を検査したところ、0.5μm以上のパーティクルで32個、
0.3μm以上で143個と実施例1と比較して非常に多いもの
となり、好ましくないものであった。
し、図2で示す組織と同様の焼結体を得た。この焼結体
を実施例1で行った合金化のための加熱処理を行わず、
そのままφ300に加工し、ターゲットとした。このター
ゲットを用い、実施例1と同一の条件で6インチウエハー
にスパッタリングした。スパッタ膜中のパーティクル数
を検査したところ、0.5μm以上のパーティクルで32個、
0.3μm以上で143個と実施例1と比較して非常に多いもの
となり、好ましくないものであった。
【0014】(実施例2)高純度Ti粉末(純度99.99%以上、
平均粒径10μm)と、高純度W粉末(純度99.999%以上、平
均粒径5μm)とを10wt%になるように配合し、W内張りの
V型ブレンダに入れ、その後アルゴンガスで置換し非酸
化性雰囲気とし、30分間混合した。得られた混合粉は、
20μm以上の粒子は観測されず、平均粒径7μmであっ
た。また、混合粉の酸素含有量は1230ppmであった。
平均粒径10μm)と、高純度W粉末(純度99.999%以上、平
均粒径5μm)とを10wt%になるように配合し、W内張りの
V型ブレンダに入れ、その後アルゴンガスで置換し非酸
化性雰囲気とし、30分間混合した。得られた混合粉は、
20μm以上の粒子は観測されず、平均粒径7μmであっ
た。また、混合粉の酸素含有量は1230ppmであった。
【0015】得られた混合粉を内径400φのHIP缶内に充
填後、封止し、1250℃×2時間、1000atmの条件でHIP処
理を行った。この焼結体を真空度10マイナス4Torrで14
00℃から1800℃で10時間の条件で加熱処理を行いターゲ
ット材を得た。得られたターゲットのTi相、W相、Ti-W
相の面積率、平均結晶粒径、酸素含有量および実施例1
と同一の条件で6インチウエハーにスパッタリングして
観察されたスパッタ膜中の0.5μm以上のパーティクル数
を表1に示す。
填後、封止し、1250℃×2時間、1000atmの条件でHIP処
理を行った。この焼結体を真空度10マイナス4Torrで14
00℃から1800℃で10時間の条件で加熱処理を行いターゲ
ット材を得た。得られたターゲットのTi相、W相、Ti-W
相の面積率、平均結晶粒径、酸素含有量および実施例1
と同一の条件で6インチウエハーにスパッタリングして
観察されたスパッタ膜中の0.5μm以上のパーティクル数
を表1に示す。
【0016】表1より、加熱温度が1500℃から1700℃で
は0.5μm以上のパーティクル数も50個以下であり良好な
薄膜が得られた。一方、加熱処理温度が1500℃未満で
は、Ti相が多く残留し、W相も残留しているため、パー
ティクル数も多くなったことがわかる。また加熱処理温
度が1700℃を越えると、著しい結晶粒の粗大化が起こる
とともに、パーティクル数が増大し、あまり好ましくな
いことがわかった。実施例2は水素化したTiを使用して
いないため、実施例1よりも酸素含有量は高くなるが、
この程度では、ターゲットの割れなどの発生はないもの
であった。また実施例2は水素化したTiを使用しないた
め、時間のかかる脱水素処理を行う必要がないという利
点がある。
は0.5μm以上のパーティクル数も50個以下であり良好な
薄膜が得られた。一方、加熱処理温度が1500℃未満で
は、Ti相が多く残留し、W相も残留しているため、パー
ティクル数も多くなったことがわかる。また加熱処理温
度が1700℃を越えると、著しい結晶粒の粗大化が起こる
とともに、パーティクル数が増大し、あまり好ましくな
いことがわかった。実施例2は水素化したTiを使用して
いないため、実施例1よりも酸素含有量は高くなるが、
この程度では、ターゲットの割れなどの発生はないもの
であった。また実施例2は水素化したTiを使用しないた
め、時間のかかる脱水素処理を行う必要がないという利
点がある。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明のパーティクルの発生しにくいTi
-Wターゲット材により、極めて品質の高いスパッタリン
グを実施できるため、半導体デバイスの品質向上に極め
て有効である。また、本発明のターゲット材を水素化し
たTi粉末を使用して製造すれば酸素含有量も少ないもの
となるので、ターゲットの割れや生成薄膜の酸化による
電気的特性の劣化を防止でき、薄膜の品質のバラツキを
抑えるという効果も有するものである。
-Wターゲット材により、極めて品質の高いスパッタリン
グを実施できるため、半導体デバイスの品質向上に極め
て有効である。また、本発明のターゲット材を水素化し
たTi粉末を使用して製造すれば酸素含有量も少ないもの
となるので、ターゲットの割れや生成薄膜の酸化による
電気的特性の劣化を防止でき、薄膜の品質のバラツキを
抑えるという効果も有するものである。
【図1】本発明の一実施例であるターゲット材の金属ミ
クロ組織写真を示した図である。
クロ組織写真を示した図である。
【図2】比較例のターゲット材の金属ミクロ組織写真を
示した図である。
示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 27/04 101 C23C 10/28 7516−4K
Claims (6)
- 【請求項1】 実質的にTi相とTi-W合金相よりなること
を特徴とするTi-Wターゲット材。 - 【請求項2】 実質的にTi相とTi-W合金相よりなり、平
均結晶粒径30μm以下であることを特徴とするTi-Wター
ゲット材。 - 【請求項3】 Ti相のTi-Wターゲット材断面に占める面
積率が10%以下であることを特徴とする請求項1または
2に記載のTi-Wターゲット材。 - 【請求項4】 W粉末とTi粉末とを混合した後、加圧焼
結して焼結体とし、得られた焼結体を加熱処理して、W
相を消失させ、実質的にTi相とTi-W合金相よりなる組織
とすることを特徴とするTi-Wターゲット材の製造方法。 - 【請求項5】 W粉末と水素化したTi粉末とを混合粉砕処
理し、次いで脱水素処理をした後、あるいは脱水素処理
をしながら加圧焼結して焼結体とし、得られた焼結体を
加熱処理して、W相を消失させ、Ti相とTi-W合金相より
なる組織とすることを特徴とするTi-Wターゲット材の製
造方法。 - 【請求項6】 加熱処理は1500-1700℃で行うことを特
徴とする請求項4ないし5に記載のTi-Wターゲット材の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4191591A JPH0610126A (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | Ti−Wターゲット材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4191591A JPH0610126A (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | Ti−Wターゲット材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0610126A true JPH0610126A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=16277191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4191591A Pending JPH0610126A (ja) | 1992-06-25 | 1992-06-25 | Ti−Wターゲット材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0610126A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7705078B2 (en) | 2004-06-25 | 2010-04-27 | Dupont Teijin Films U.S. Limited Partnership | Antimicrobial polymeric film |
WO2011052171A1 (ja) * | 2009-10-26 | 2011-05-05 | 株式会社アルバック | チタン含有スパッタリングターゲットの製造方法 |
-
1992
- 1992-06-25 JP JP4191591A patent/JPH0610126A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7705078B2 (en) | 2004-06-25 | 2010-04-27 | Dupont Teijin Films U.S. Limited Partnership | Antimicrobial polymeric film |
WO2011052171A1 (ja) * | 2009-10-26 | 2011-05-05 | 株式会社アルバック | チタン含有スパッタリングターゲットの製造方法 |
JP2011089188A (ja) * | 2009-10-26 | 2011-05-06 | Ulvac Japan Ltd | チタン含有スパッタリングターゲットの製造方法 |
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