JPH06100749B2 - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH06100749B2
JPH06100749B2 JP60044003A JP4400385A JPH06100749B2 JP H06100749 B2 JPH06100749 B2 JP H06100749B2 JP 60044003 A JP60044003 A JP 60044003A JP 4400385 A JP4400385 A JP 4400385A JP H06100749 B2 JPH06100749 B2 JP H06100749B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、液晶表示素子や液晶−光シャッタアレイ等に
適用する液晶素子に関し、詳しくは液晶分子の初期配向
状態を改善することにより、表示ならびに駆動特性を改
善した液晶素子に関する。
〔従来の技術〕
従来の液晶素子としては、例えばエム・シャット(M.Sc
hadt)とダブリュー・ヘルフリツヒ(W.Helfrich)著″
アプライド・フイジツクス・レダーズ″(″Applied Ph
ysics Letters″)第18巻,第4号(1971年2月15日発
行),第127頁〜128頁の″ボルテージ・デイペンダント
・オプテイカル・アクテイビテイー・オブ・ア・ツイス
テツド・ネマチツク・リキツド・クリスタル″(″Volt
age Depen-dent Optical Activity of a Twisted Nemat
ic Liquid Crystal″)に示されたツイステツド・ネマ
チツク(twisted nematic)液晶を用いたものが知られ
ている。このTN液晶は、画素密度を高くしたマトリクス
電極構造を用いた時分割駆動の時、クロストークを発生
する問題点があるため、画素数が制限されていた。又、
各画素に薄膜トランジスタによるスイツチング素子を接
続し、各画素毎をスイツチングする方式の表示素子が知
られているが、基板上に薄膜トランジスタを形成する工
程が極めて煩雑な上、大面積の表示素子を作成すること
が難しい問題点がある。
この様な従来型の液晶素子の欠点を改善するものとし
て、双安定性を有する液晶素子の使用が、クラーク(Cl
ark)およびラガウエル(Lagerwall)により提案されて
いる(特開昭56-107216号公報、米国特許第4367924号明
細書等)。双安定性を有する液晶としては、一般に、カ
イラルスメクテイツクC相(SmC)又はH相(Sm
H)、を有する強誘電性液晶が用いられる。
この液晶は電界に対して第1の光学的安定状態と第2の
光学安定状態からなる双安定状態を有し、従って前述の
TN型の液晶で用いられた光学変調素子とは異なり、例え
ば一方の電界ベクトルに対して第1の光学的安定状態に
液晶が配向し、他方の電界ベクトルに対しては第2の光
学的安定状態に液晶が配向される。またこの型の液晶
は、加えられる電界に応答して、極めて速やかに上記2
つの安定状態のいずれかを取り、且つ電界の印加のない
ときはその状態を維持する性質を有する。このような性
質を利用することにより、上述した従来のTN型素子の問
題点の多くに対して、かなり本質的な改善が得られる。
この点は、本発明と関連して、以下に、更に詳細に説明
する。しかしながら、この双安定性を有する強誘電性液
晶が所定の駆動特性を発揮するためには、一対の平行基
板間に配置される液晶が、電界の印加状態とは無関係
に、上記2つの安定状態の間での変換が効果的に起るよ
うな分子配列状態にあることが必要である。例えばSmC
又はSmH相を有する強誘電性液晶については、SmC
又はSmH相を有する液晶分子層が基板面に対して垂直
で、したがって液晶分子軸が基板面にほぼ平行に配列し
た領域(モノドメイン)が形成される必要がある。しか
しながら、従来の双安定性を有する強誘電性液晶素子に
おいては、このようなドメイン構造を有する液晶の配向
状態が、必ずしも満足に形成されなかったために、充分
な特性が得られなかったのが実情である。
たとえば、Clarkらによれば、このような配向状態を与
えるために、磁界を印加する方法、せん断力を印加する
方法、基板間に小間隔で平行なリツジ(ridge)を配列
する方法などが提案されている。しかしながら、これら
は、いずれも必ずしも満足すべき結果を与えるものでは
なかった。たとえば、磁界を印加する方法は、大規模な
装置を要求するとともに作動特性の良好な薄層セルとは
両立しがたいという難点があり、また、せん断力を印加
する方法は、セルを作成後に液晶を注入する方法と両立
しないという難点がある。又、セル内に平行なリツジを
配列する方法では、それのみによっては、安定な配向効
果を与えられない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、前述した事情に鑑み、高速応答性、高
密度画素と大面積を有する表示素子、或いは高速度のシ
ヤツタスピードを有する光学シヤツター等として潜在的
な適性を有する強誘電性液晶素子において、従来問題で
あったモノドメイン形成性ないしは初期配向性を改善す
ることにより、その特性を充分に発揮させ得る強誘電性
液晶素子を提供することにある。
〔作用〕
本発明者らは、前述の目的に沿って研究した結果、液晶
を挟持する一対の平行基板のうち少なくとも一方の基板
の面がラビング等による一軸性配向処理効果と一対の基
板間に配置したストライプ状の側壁を有する構造部材の
配列による効果を併用するとともに、少なくともカイラ
ルスメクテイツク相を示す液晶と少なくともコレステリ
ツク相を示す液晶とを含有した液晶組成物のスメクテイ
ツク相、例えばSmA(スメクテイツクA相)、カイラル
スメクテイツク相等を該スメクテイツク相より高温側の
相、例えばコレステリツク相(カイラルネマチツク
相)、ネマチツク相、等方相からの徐冷による相転移を
用いた場合、スメクテイツク相のモノドメインを形成す
ることができ、この結果強誘電性液晶の双安定性に基づ
く素子の作動と液晶層のモノドメイン性を両立し得る構
造の液晶素子が得られることを見い出した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の液晶素子は、前述の知見に基づくものであり、
より詳しくは、一対の平行基板間に液晶を挟持させてな
る液晶素子において、該一対の平行基板のうちの第1の
基板の液晶と接触する側の面には、それぞれ側壁を有す
る複数の構造部材がストライプ状に配置され、第2の基
板の液晶と接する側の面には、前記第1の基板上の複数
の構造部材の延長方向とほぼ平行もしくは垂直な方向の
一軸性配向処理が施されているとともに、少なくともカ
イラルスメクテイツク相を示す液晶と少なくともコレス
テリツク相を示す液晶とを含有した液晶組成物のスメク
テイツク相を該スメクテイツク相より高温側の相からの
徐冷による相転移により形成した点に特徴を有してい
る。
〔実施例〕
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を更に詳
細に説明する。
本発明で用いる液晶は、強誘電性を有するものであっ
て、具体的にはカイラルスメクテイツクC相(SmC),
H相(SmH),I相(SmI),J相(SmJ),K相(Sm
K),G相(SmG)又はF相(SmF)を有する液晶を
用いることができる。
本発明の強誘電性液晶素子で用いることができる液晶の
具体例は、下記のとおりである。
本発明の液晶組成物に用いるカイラルスメクテイツク相
を示す液晶の具体例を表1に示す。コレステリツク相を
示す液晶の具体例を表2に示す。
これらのカイラルスメクテイツク相を示す液晶又はコレ
ステリツク相を示す液晶は、それぞれ2種以上組合せて
使用することもできる。
本発明で用いる液晶組成物でのカイラルスメクテイツク
相を示す液晶とコレステリツク相を示す液晶の割合は、
使用する液晶の種類によって相違するが、一般的にカイ
ラルスメクテイツク相を示す液晶100重量部に対してコ
レステリツク相を示す液晶0.1〜50重量部、好ましくは
1〜20重量部である。
これらの材料を用いて素子を構成する場合、液晶化合物
がSmC相又はSmH相となるような温度状態に保持する
為、必要に応じて素子をヒーターが埋め込まれた銅ブロ
ツク等により支持することができる。
第1図は、強誘電性液晶の動作説明の為に、セルの例を
模式的に描いたものである。21aと21bは、In、Sn
OあるいはITO(Indium-Tin Oxide)等の薄膜からなる
透明電極で被覆された基板(ガラス板)であり、その間
に液晶分子層22がガラス面に垂直になるよう配向したSm
C相又はSmC相の液晶が封入されている。太線で示し
た線23が液晶分子を表わしており、この液晶分子23はそ
の分子に直交した方向に双極子モーメント(P⊥)24を
有している。基板21aと21b上の電極間に一定の閾値以上
の電圧を印加すると、液晶分子23のらせん構造がほど
け、双極子モーメント(P⊥)24がすべて電界方向に向
くよう、液晶分子23は配向方向を変えることができる。
液晶分子23は、細長い形状を有しており、その長軸方向
と短軸方向で屈折率異方性を示し、従って例えばガラス
面の上下に互いにクロスニコルの偏光子を置けば、電圧
印加極性によって光学特性が変わる液晶光学変調素子と
なることは、容易に理解される。
本発明の液晶素子で好ましく用いられる液晶セルは、そ
の厚さを充分に薄く(例えば10μ以下)することができ
る。このように液晶層が薄くなるにしたがい、第2図に
示すように電界を印加していない状態でも液晶分子のら
せん構造がほどけ、非らせん構造を採り、その双極子モ
ーメントPaまたはPbは上向き(34a)又は下向き(34b)
のどちらかの状態をとる。このようなセルに、第2図に
示す如く一定の閾値以上の極性の異る電界Ea又はEbを電
圧印加手段31aと31bにより付与すると、双極子モーメン
トは、電界Ea又はEbの電界ベクトルに対応して上向き34
a又は下向き34bと向きを変え、それに応じて液晶分子
は、第1の安定状態33aか或いは第2の安定状態33bの何
れか一方に配向する。
このような強誘電性を光学変調素子として用いることの
利点は、先にも述べたが2つある。その第1は、応答速
度が極めて速いことであり、第2は液晶分子の配向が双
安定性を有することである。第2の点を、例えば第2図
によって更に説明すると、電界Eaを印加すると液晶分子
は第1の安定状態33aに配向するが、この状態は電界を
切っても安定である。又、逆向きの電界Ebを印加する
と、液晶分子は第2の安定状態33bに配向してその分子
の向きを変えるが、やはり電界を切ってもこの状態に留
っている。又、与える電界Eaが一定の閾値を越えない限
り、それぞれの配向状態にやはり維持されている。この
ような応答速度の速さと、双安定性が有効に実現される
にはセルとしては出来るだけ薄い方が好ましい。
この様な強誘電性を有する液晶で素子を形成するに当た
って最も問題となるのは、先にも述べたように、SmC
相又はSmH相を有する層が基板面に対して垂直に配列
し且つ液晶分子が基板面に略平行に配向した、モノドメ
イン性の高いセルを形成することが困難なことであり、
この点に解決を与えることが本発明の主要な目的であ
る。
第3図(A)‐(C)は、本発明の液晶素子の一実施例
を示している。第3図(A)は同実施例の斜視図であ
り、第3図(B)はその側面の断面図、第3図(C)は
その正面の断面図である。但し第3図(A)において
は、液晶ならびに偏光子の図示は省略してある。
第3図(A)‐(C)において、ガラス板またはプラス
チツク板などからなる基板101の上に、複数の電極102か
らなる電極群(例えば走査電極群を構成)が、所定のパ
ターンにエツチング等により形成されている。更に、こ
れら電極102と交互に且つ並列する位置関係で、ストラ
イプ形状で複数配置された側壁106および107を有するス
ペーサ部材104が形成されている。
さらに基板101上のスペーサ部材104形成部を除き電極10
2を覆って絶縁膜103が形成されている。
スペーサ部材104は、例えばポリビニルアルコール、ポ
リイミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポ
リパラキシリレン、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリアミド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラ
ミン樹脂、ユリヤ樹脂、アクリル樹脂などの樹脂類、或
いは感光性ポリイミド、感光性ポリアミド、環化ゴム系
フオトレジスト、フエノールノボラツク系フオトレジス
ト或いは電子線フオトレジスト(ポリメチルメタクリレ
ート、エポキシ化−1,4−ポリブタジエンなど)などか
ら選択して形成することが好ましい。
絶縁膜103は、電極102から液晶層への電荷の注入を防止
する機能を有し、例えば一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、
酸化アルミニウム、ジルコニア、フツ化マグネシウム、
酸化セリウム、フツ化セリウム、シリコン窒化物シリコ
ン炭化物、ホウ素窒化物、などの化合物を用いて例えば
蒸着により被膜形成して得ることができる。またそれ以
外にも、例えばポリビニルアルコール、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリパラキシレ
リン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリビニルア
セタール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミ
ド、ポリスチレン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ユ
リヤ樹脂やアクリル樹脂などの樹脂類の塗膜として形成
することもできる。絶縁膜103の膜厚は、材料のもつ電
荷注入防止能力と、液晶層の厚さにも依存するが、通常
50Å〜5μ、好適には、500Å〜5000Åの範囲で設定さ
れる。一方、液晶層の層厚は、液晶材料に特有の配向の
し易さと素子として要求される応答速度に依存するが、
スペーサ部材104の高さによって決定され、通常0.2μ〜
200μ、好適には、0.5μ〜10μの範囲で設定される。
又、スペーサ部材104の幅は、通常0.5μ〜50μ、好適に
は1μ〜20μの範囲で設定される。スペーサ部材104の
ピツチ(間隔)は、あまり大きすぎると液晶分子の均一
な配向性を阻害し、一方あまり小さ過ぎると液晶光学素
子としての有効面積の減少を招く。この為、通常10μ〜
2mm、好適には、50〜700μの範囲でピツチが設定され
る。これらスペーサ部材104は、例えばスクリーン印刷
等の各種印刷法、或いは、より好ましくはフオトリソグ
ラフイー、電子線リソグラフイー等の技術により所定の
パターンならびに寸法に形成される。
本発明の液晶素子は、上記のようにして処理された基板
101と平行に重ね合されたもう一方の基板110を備えてお
り、この基板110の上には複数の電極(たとえば信号電
極)111からなる電極群と、更にその上に絶縁膜112が形
成されている。複数の(信号)電極111と、もう一方の
複数の(走査)電極102は、マトリクス構造で配線され
ることができる。基板110の上の絶縁膜112は、前述の絶
縁膜103と同様に液晶層105に流れる電流の発生を防止す
るものであり、前述の絶縁膜103と同様の物質によって
被膜形成される。本発明に従い、この基板101の絶縁膜1
12のなす平面113には一軸配向性処理を行ない、その配
向方向を、前記基板101上のスペーサ部材104の延長方向
とほぼ平行(すなわち、これら二方向のなす角度をθと
して、好ましくは0°≦θ≦15°)または直交(好まし
くは、80°<θ<100°)させる。この際、これら二方
向のなす角度θを直交した場合の液晶セルは、角度θを
平行とした場合の液晶セルと比較して配向欠陥を生じる
傾向が大きく、特に一軸性配向処理として下述のラビン
グ処理を適用した場合では角度θを平行とした液晶セル
の方が角度θを直交とした液晶セルに較べ配向欠陥のな
いモノドメインを形成することができる。本発明者等の
研究によれば、このような平行または直交関係が満たさ
れないと、スペーサのエツジ部分で液晶分子の配向が乱
れたり、記憶作用を有するセルにおいては、双安定状態
間でのスイツチングがうまく行なわれない現象が生じ
る。但し上記したθの範囲表現からもわかるように、15
°程度までのずれは実用上問題ない。このような一軸配
向性処理は、TN型液晶セルについてよく知られているよ
うに、絶縁膜112をビロード、布または紙などによりラ
ビング処理するか、或いは絶縁膜112の斜め蒸着法によ
り達成することができる。
なお上記したような一軸配向性処理は、基本的には101
については行なう必要はないが、基板101についても行
なうことができ、この際は、スペーサ部材104の延長方
向とほぼ平行または直交する一軸配向性処理後に、絶縁
膜103を蒸着により形成するか、或いは絶縁膜103の形成
後に一軸配向性処理を行ない、その後に絶縁膜103のな
す面108の配向処理効果を選択的に除くことにより、ス
ペーサ部材104の側壁106および107に選択的に配向処理
効果を付与することが、得られる液晶素子の応答速度を
速くする為に望ましい。
本発明の液晶素子には、一対の平行基板101と110の両
側、すなわち基板101と110を挟む一対の偏光手段(偏光
子114と検光子115)を用いることができる。偏光子114
と検光子115としては、通常の偏光板、偏光膜や偏光ビ
ームスプリツターを用いることができ、この際、この偏
光手段をクロスニコル状態又はパラレルニコル状態で、
配置することが可能である。
本発明の液晶素子は、一対の平行基板を上記したスペー
サ部材の延長方向と一軸性配向処理方向の相互関係を満
たすように固定し、それらの周辺をエポキシ系接着剤や
低融点ガラスで封止した後、強誘電性液晶を封入し等方
(isotropic)相にまで加熱した状態より、精密に温度
コントロールし乍ら徐冷することによって、得ることが
できる。
上記においては、本発明の液晶素子を、その好ましい一
実施例に基づいて説明した。しかしながら本発明の範囲
内で、上記実施例を種々変形することができることは、
容易に理解できよう。たとえば、上記例においてスペー
サ部材104として説明した部材は、液晶に対して必要な
壁効果を及ぼすための側壁を有するならば、一対の平行
基板の両方に接触してスペーサ部材としても機能するも
のでなくてもよい。但し上述の例からも分る通り、スペ
ーサ部材は好ましい構造部材の例であり、又、スペーサ
部材104が直線に沿って、ドツト状に配置した変形スト
ライプ状スペーサとすることも可能である。また、電極
は上記した単純ストライプ状のマトリクス電極に限ら
ず、他の形状、例えば7セグメント構造の電極配線で形
成されていてもよい。
以下、本発明の光学変調素子の具体的な製造例を説明す
る。
実施例1 一対のITOからなるストライプ状のパターン電極が形成
された基板の一方に、ポリイミド膜を1500Å程度の膜厚
で形成し、一方向にラビング処理した(A基板)。
また、他方の基板にはポリイミド膜を2μmの膜厚で形
成し、フォトエッチングにより、200μm間隔で巾20μ
mのストライプ状スペーサーを形成した。
ポリイミドとしては、東レ社製SP−510を用い、そのN
−メチルピロリドン溶液をディッピングもしくはスピナ
ーコーティングにより塗布してポリイミド膜を形成し
た。
エッチングは、ヒドラジン:NaOH=1:1の混合液をエッチ
ング液として、これを30℃に昇温し、ポリイミド膜を形
成した基板を3分間浸漬してエッチングを行なった(B
基板)。
以上の工程で作成した一対の電極基板を、ストライプ状
のスペーサー方向とラビング方向とをほぼ平行に一致さ
せて液晶セル組み(セル厚;2μm)し、このセル中に等
方相下の組成物Aを注入し、セルの温度を5℃/時間の
割合で徐冷することによって非らせん構造のカイラルス
メクチック液晶セルを作成した。
この液晶セルに等方相の下記組成物Aを注入した後に、
セルの温度を5℃/時間の割合で徐冷し、SmCの液晶
セルを作成した。このSmCの液晶セルを偏光顕微鏡で
観察したところ、配向欠陥を生じていない非らせん構造
のモノドメインが形成されていることが判明した。
組成物A DOBAMBC 100重量部 コレステリルノナネート 5重量部 実施例2〜6 前記実施例1で用いた組成物Aに代えて、下記組成物B
(実施例2)、C(実施例3)、D(実施例4)、E
(実施例5)及びF(実施例6)を用いたほかは、実施
例1と全く同様の方法で液晶セルを作成し、それぞれの
SmCの液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、何れ
の場合でも配向欠陥を生じていない非らせん構造のモノ
ドメインの形式が確認できた。
組成物B DOBAMBC 100重量部 4−(2−メチルブチル)フエニル−4′−デシロキシ
ベンゾエート 10重量部 組成物C DOBAMBC 100重量部 4−(2″−メチルブチルオキシ)−4′−シアノビフ
エニル 8重量部 組成物D DOBAMBC 100重量部 4−ヘキシルオキシ−4′−(2−メチルブチル)ベン
ゾエート 12重量部 組成物E HOBACPC 100重量部 4−ヘキシルオキシ−4′−(2−メチルブチル)ベン
ゾエート 6重量部 組成物F HOBACPC 100重量部 4−(2−メチルブチル)−4′−ヘキシルオキシアゾ
ベンゼン 6重量部 実施例7 一対のITOからなるストライプ状のパターン電極が形成
された基板の一方に、ポリイミド膜を1500Å程度の膜厚
で形成し、一方向にラビング処理した。また他方の基板
にはポリイミド膜を2μmの膜厚で形成し、フオトエツ
チングにより、200μmピツチで巾20μmのストライプ
状スペーサを形成し、ストライプ状スペーサの方向と平
行にラビング処理した。
ポリイミドとしては、東レ社製SP-510を用い、そのN−
メチルピロリドン溶液をデイツピングもしくはスピナー
コーテイングにより塗布してポリイミド膜形成した。
エツチングは、ヒドラジン:NaOH=1:1の混合液をエツチ
ング液として、これを30℃に昇温し、ポリイミド膜を形
成した基板を3分間浸漬してエツチングを行なった。
以上の工程で作成した一対の電極基板を、ストライプ状
のスペーサの方向とラビング方向をほぼ平行に一致させ
て液晶セル(セル厚;2μm)を構成した。
この液晶セルに実施例1で用いた等方相の組成物Aを注
入した後に、セルの温度を5℃/時間の割合で徐冷し、
顕微鏡で観察した処、配向欠陥を生じていない非らせん
構造のモノドメイが形成されていた。
実施例8 実施例1において、一対の基板を、それらのラビング処
理方向とストライプ状スペーサの延長方向が直交するよ
うに組合わせ、それ以外は実施例1と同様にして液晶セ
ルを構成した。この液晶セルを偏光顕微鏡で観察した
処、ストライプ状スペーサのエツヂ部付近に若干の配向
欠陥が観察された。
実施例9 一対のITOからなるストライプ状のパターン電極が形成
された基板の一方に、ポリイミド膜を1500Å程度の膜厚
で形成し、一方向にラビング処理した(A基板)。
また、他方の基板にはポリイミド膜を2μmの膜厚で形
成し、フォトエッチングにより、200μm間隔で巾20μ
mのストライプ状スペーサーを形成した。
ポリイミドとしては、東レ社製SP-510を用い、そのN−
メチルピロリドン溶液をディッピングもしくはスピナー
コーティングにより塗布してポリイミド膜を形成した。
エッチングは、ヒドラジン:NaOH=1:1の混合液をエッチ
ング液として、これを30℃に昇温し、ポリイミド膜を形
成した基板を3分間浸漬してエッチングを行なった。つ
いで、このストライプ状スペーサーが形成されている基
板上に前述と同様のポリイミド膜を全面にわたって形成
した。ただし、この時のポリイミドの膜厚を1000Åとし
た。次いで、このポリイミド膜の表面にストライプ上ス
ペーサーの延長方向と平行方向にラビング処理を施し
た。(B″基板) 以上の工程で作成した一対の電極基板を、それぞれのラ
ビング方向が平行となるようにセル組(セル厚;2μm)
し、このセル中に等方相下の組成物Aを注入し、徐冷に
よって非らせん構造のカイラルスメクティック液晶素子
を作成した。
以上の工程で作成した一対の電極基板を、それぞれのラ
ビング方向が平行となる様にセル組(セル厚;2μm)み
し、このセル中に等方相下の組成物Aを注入し、徐冷に
よって非らせん構造のSmC液晶セルを作成してから、
例1と同様の方法で観察したところ、同様の結果が得ら
れた。
この液晶セルは、他の例で用いた液晶セルに比較して数
日間放置後でもSmCには配向欠陥を生じない安定した
モノドメインを形成していることが判明した。
さらに、この液晶素子に20Vで1mseのパルス信号を印加
して駆動させたところ、実施例1の場合と較べ、明状態
と暗状態のコントラストが大きくなることが判明した。
比較例1 実施例1の液晶セルを作成した際のセル組み時に、一対
の電極基板を、ストライプ状スペーサの方向とラビング
方向とのなす角度θを25°に設定して、重ね合わせた他
は、実施例1と同様の方法で非らせん構造のSmC液晶
セルを作成した。
このSmC液晶セルを実施例1と同様の方法で観察した
ところ、ストライプ状スペーサのエツヂ付近に無数の配
向欠陥に帰因する黒すじ状態が観察され、この黒すじ体
が電極形成部を覆っており、この一対の電極間に互いに
極性の異なる2種の電極信号を印加しても、この黒すじ
体が形成されている部分では双安定性を全く示さないこ
とが判明した。
比較例2 実施例9の液晶セルを作成した際に用いたストライプ状
スペーサとポリイミド膜を設けた電極基板と同一のもの
を用意し、このポリイミド膜の表面にストライプ状スペ
ーサの延長方向に対して角度25°の方向にラビング処理
を施した。
次いで、実施例9で使用した片側の電極基板と同一のも
のを用意し、これに一方向にラビングを施した。
この2枚の電極基板をそれぞれのラビング方向が平行と
なる様に重ね合わせてからセル組みし、以下、実施例1
と同様の手順で非らせん構造のSmC液晶セルを作成し
てから、この液晶セルを実施例1と同様の方法で観察し
たところ、やはり比較例1と同様にディスプレイデバイ
スとしては致命的な配向欠陥が観察された。又、前述と
同様に一対の電極間に電気信号を印加したが、双安定性
は全く示していなかった。
次に、本発明の有する側壁部材が、素子の双安定性のメ
モリー性に及ぼす効果を明確比すべく、以下の2つの比
較例としての液晶素子を作成した。
比較例3 以下のような手法で側壁がないセルを準備した。実施例
で述べたように一対の基板にITOストライプ電極で配置
し、一方にはポリイミド膜を1500Åの膜厚で形成し、一
方向にラビング処理した。(A′基板)。他方の基板に
はポリイミド膜を2μmの膜厚で形成し、液晶注入口以
外の周辺端部のみを残してエッチングしてスペーサ
(B′基板)。
以上の工程で作成した一対の電極基板を実施例2のセル
と同様にセル組した。
この液晶セルに実施例2で用いた等方相の組成物Bを注
入した後、セルの温度を5℃/時間の割合で徐冷し、非
らせん構造のカイラルスメクティック液晶素子を作成し
た。
比較例4 実施例9におけるB″基板についてストライプ状スペー
サーがセルの周辺端部のみ残るようにした以外は全く同
様に処理して組成物Aを有する液晶素子を作成した。
上記比較例3と本願発明の実施例2、および比較例4と
本願発明の実施例9とのカイラルスメクティック状態下
のセルにおける双安定性の度合い測定すべく、以下のよ
うな方法を用いて評価した。
倍率100倍の偏光顕微鏡(商品名:BH−2:オリンパス光学
工業(株)製)に、Sm状態下のセルをセットし、セル
内のA電極板の電極をグランドに接続し、B電極板の電
極に正極性パルス(電圧値=10V;パルス巾=1msec)も
しくは負極性パルス(電圧値=−10V;パルス巾=1mse
c)を印加した後の透過光量をフォトマルチプレター
(浜松ホトニクス(株)社製;商品名フォトマルチュー
ブR761)によって測定し、負極性パルス印加時の出力電
圧B2(mV)に対する正極性パルス印加時の出力電圧B
1(mV)の比B1/B2=B0を求めた。
さらに、前述の負極性パルス印加後のフォトマルチプレ
ター出力電圧A2(mV)に対する正極性パルス印加後のフ
ォトマルチプレター出力電圧A1(mv)の比A1/A2=A0
求め、パルス印加時の比B0に対するパルス印加後の比A0
の比A0/B0を求めることによって双安定性の度合いを測
定した。
この比A0/B0が大きいものほど双安定性の度合い、すな
わち素子のメモリー性が良好であることを示す。この
際、負極性パルスを印加した時に最暗状態が生じるよう
に上述した偏光顕微鏡のクロスニコルを設定した。
上記評価測定の結果を表(I)に示す。
以上のように、双安定性の度合いを示すパラメーターが
大きくなるという結果が得られた。
〔発明の効果〕
前記したように、本発明によれば、一対の電極基板の一
方の電極基板にストライプ状の側壁を有する構造部材
(好ましくは兼スペーサ)を形成し、他方の基板に一軸
性配向処理(例えば、ラビング)を行ない、その処理方
向を上記構造部材とほぼ平行もしくは直交する方向に規
制するとともに、液晶として少なくともカイラルスメク
テイツク相を示す液晶と少なくともコレステリツク相を
示す液晶とを含有した液晶組成物を用いることにより、
特に欠陥の現われやすい記憶状態においてもスペーサエ
ツジでの欠陥を除くことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、カイラルスメクテイツク液晶を用いた液晶素
子を模式的に示す斜視図である。第2図は、同液晶素子
の双安定性を模式的に示す斜視図である。第3図(A)
は、本発明の液晶素子の斜視図、第3図(B)はその側
断面図、第3図(C)はその正断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉永 和夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−201021(JP,A) 特公 昭63−34449(JP,B1) 第9回液晶討論会における講演予稿集 (昭和58年8月1日)第92〜93頁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板間に液晶を配置した液晶素子に
    おいて、前記一対の基板のうち一方の基板が、 高さが0.2〜200μm、 幅が0.5〜50μm、および 間隔が10μm〜2mm、 でストライプ状に配列した側壁を有する互いに平行な複
    数の構造部材を有し、前記一対の基板のうちの少なくと
    も一方の基板に一軸性配向処理が施されており、該一軸
    性配向処理の方向と前記複数の構造部材の延長方向との
    なす角θが 0°≦θ≦15° または80°≦θ≦100° であり、 かつ前記基板間には、スメクティックA相およびカイラ
    ルスメクティック相を生じ、コレステリック相を生じな
    い第1の液晶の少なくとも一種と、コレステリック相を
    生じ、カイラルスメクティック相を生じない第2の液晶
    の少なくとも一種とを含有したカイラルスメクチック液
    晶が、カイラルスメクティック相におけるらせん構造を
    消滅せしめるような間隔を以て挟持されており、 前記カイラルスメクティック液晶は、スメクティック相
    より高温側の相からスメクティックA相を通して降温さ
    せることにより、カイラルスメクティック相へ相転移さ
    せて、無電界時において異なる2つの配向状態のいずれ
    か1つの状態に配向し、 前記カイラルスメクティック液晶を、基板面に垂直で、
    前記2つの異なる配向状態の1つの状態から他の1つの
    状態に転移させるのに十分な強度の電界を印加する手段
    を有することを特徴とするカイラルスメクティック液晶
    素子。
  2. 【請求項2】前記側壁の高さが、0.5〜10μmである特
    許請求の範囲(1)に記載のカイラルスメクティック液
    晶素子。
  3. 【請求項3】前記側壁の幅が、1〜20μmである特許請
    求の範囲(1)に記載のカイラルスメクティック液晶素
  4. 【請求項4】前記側壁の間隔が、50〜700μmである特
    許請求の範囲(1)に記載のカイラルスメクティック液
    晶素子
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