JPH06100710A - 粒子配向方法およびそれを用いて得られる異方性複合シート - Google Patents

粒子配向方法およびそれを用いて得られる異方性複合シート

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JPH06100710A
JPH06100710A JP27548092A JP27548092A JPH06100710A JP H06100710 A JPH06100710 A JP H06100710A JP 27548092 A JP27548092 A JP 27548092A JP 27548092 A JP27548092 A JP 27548092A JP H06100710 A JPH06100710 A JP H06100710A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 充填剤粒子を均一に一定方向に並列配向させ
ることのできる粒子配向方法と、それを用いて得られる
異方性複合シートを提供する。 【構成】 カップリング剤処理された充填剤粒子と、ア
ルカリ土類金属化合物と、液状マトリックス樹脂成分を
主成分とする材料を調製して、上記材料をシート成形型
枠1内に充填し、一対の電極2を、上記シート成形型枠
1内に充填された材料を挟んで配設する。そして、上記
両電極2間に直流電圧を印加しながら液状マトリックス
樹脂成分を固化させる際に、材料中のカップリング剤で
処理された粒子と、アルカリ土類金属化合物を、上記液
状マトリックス樹脂成分中において、上記両電極間の印
加電圧によってつくられる電気力線に沿って配向させ
る。このようにして、充填剤粒子およびアルカリ土類金
属化合物が一定方向に配向したシートを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気・電子機器部品等
の放熱設計において熱伝導の効率化に適用されるシート
等の粒子配向方法およびそれを用いて得られる異方性複
合シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、高分子材料中に無機質充填剤
を配合し混合して得られる材料を用いてシート状に形成
することが行われている。このようなシートに導電性,
熱伝導性,磁性等の特殊な性能を付与する手段が、一般
的に行われている。そして、要求される特性によって配
合される無機質充填剤の種類等が適宜に選定される。
【0003】一方、充填剤の粒子を一定方向に連続的に
配向させ異方性を付与する方法としては、磁力を利用し
て異方性の導電性を付与する方法が公知であるが、その
際に配合する複合充填剤としては、着磁性を有すること
が条件となっており、使用可能な充填剤が限定される。
さらに、電場によって充填剤を電極間(+,−間)方向
に配向させる方法は、従来から電気粘性流体等で研究さ
れている。そして、上記充填剤としては、セルロース等
の有機含水系充填剤,ゼオライト等の無水系無機質充填
剤,ポリアセン等の無水系有機質充填剤等の多くの充填
剤があげられ、しかもこれらの処理方法も併せて研究さ
れている。しかし、マトリックス中に充填剤が一方の電
極方向に移動して、その電極にまつわりつくような電気
泳動を生起したり、また常に充填剤が移動したりして、
全体が固化する際に充填剤粒子を一定方向に配向させる
ことは容易ではない。このように、従来の方法では、上
記充填剤を電極間に均一な線状に配向させることはでき
なかった。
【0004】そして、本願出願人は、熱伝導性という観
点において、AlN,BN,SiC等の熱伝導性粒子を
流動性高分子マトリックス成分中に分散含有させた系に
高電圧の直流電圧を印加すると、上記粒子が分極し連な
って電極間方向に配向して異方性の熱伝導性を有するシ
ートが得られることを見出し、すでに出願している(特
願平3−254389号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、印加する電圧、マトリックスの有する絶縁性,
誘電率等の電気的性質と粘度,硬化速度等の物理的性
質、さらには配合する粒子の形状や大きさにより粒子の
配向が乱れる場合がある。また、マトリックス中におい
て、充填剤である上記熱伝導性粒子が帯電することによ
り電気泳動を生起し、一方の電極に移行して偏在してし
まう傾向がみられる。このように、充填剤を均一に整列
させるには、前記のような条件,材料の有する性質等の
設定を正確に行わなければならず、例えば充填剤の粒
子,含水率,ポリマー粘度,硬化条件,その他の制御困
難な因子により、充填剤粒子が完全に分極せずに電気泳
動を生起すると粒子の配列が不完全となり、完全に充填
剤を直線状に整列させることは従来の種々の方法では不
可能である。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、充填剤粒子を均一に一定方向に並列配向させる
ことのできる粒子配向方法およびそれを用いて得られる
異方性複合シートの提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、カップリング剤処理された充填剤粒子と
アルカリ土類金属化合物と液状マトリックス樹脂成分と
を主成分とする材料を所定の型枠の枠内に充填し、一対
の電極を、上記枠内に充填された材料を挟んで配設し、
上記両電極間に直流電圧を印加しながら液状マトリック
ス樹脂成分を固化させる際に、材料中のカップリング剤
で処理された粒子と、アルカリ土類金属化合物を、上記
液状マトリックス樹脂成分中において、上記両電極間の
印加電圧によってつくられる電気力線に沿って配向させ
る粒子配向方法を第1の要旨とし、マトリックス成分中
に、表面がカップリング剤で被覆処理された充填剤粒子
とアルカリ土類金属化合物を含有してなる異方性複合シ
ートであって、上記被覆処理された充填剤粒子とアルカ
リ土類金属化合物が厚み方向に配向して分布している異
方性複合シートを第2の要旨とする。
【0008】
【作用】すなわち、本発明は、予め充填剤粒子をカップ
リング剤で被覆処理し、このカップリング剤処理された
充填剤粒子と、アルカリ土類金属化合物と、液状マトリ
ックス樹脂成分を主成分とする材料を所定の型枠内に充
填し、一対の電極を、充填された材料を挟んで配設し、
上記両電極間に直流電圧を印加しながら液状マトリック
ス樹脂成分を固化させる。このとき、材料中のカップリ
ング剤処理された充填剤粒子とアルカリ土類金属化合物
を、上記液状マトリックス成分中において、上記両電極
間の印加電圧によってつくられる電気力線に沿って配向
させるものである。このような方法にしたがって得られ
るシートは、アルカリ土類金属化合物が共存する充填剤
粒子が厚み方向に配向されている。したがって、従来で
は、均一に並列配向させることのできなかった充填剤粒
子を用いて、この粒子を一方向に整列させた異方性の機
能を有する複合材料を作製することができる。
【0009】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0010】本発明に用いる液状マトリックス樹脂成分
としては、液状シリコーンゴム,液状エポキシ樹脂,液
状ウレタン樹脂,液状フェノール樹脂,熱により溶融す
る樹脂等があげられる。また、固体樹脂または固体ゴム
を溶剤に溶解して液状にしたものを用いても差し支えは
ない。ただし、このようなマトリックス樹脂成分は高絶
縁性,低誘電率を有するものであり、しかも上記溶剤は
不燃性であることが好適である。
【0011】また、上記液状マトリックス樹脂成分に含
有させる充填剤粒子としては、102 Ω・cm以上の絶
縁性を有するものであれば特に限定するものではない。
例えば、炭化珪素,窒化アルミニウム,窒化硼素,酸化
アルミニウム等があげられる。そして、平均粒度10〜
100μmのものを用いるのが好ましい。これらは単独
でもしくは併せて用いられる。
【0012】上記充填剤粒子の表面被覆処理に用いられ
るカップリング剤としては、アルミニウム系カップリン
グ剤,チタン系カップリング剤,各種のシランカップリ
ング剤等があげられる。これらは単独でもしくは併せて
用いられる。なかでも、アルミニウム系カップリング剤
を用いると、充填剤粒子の絶縁性が一層保たれ、しかも
充填剤粒子とマトリックス樹脂成分とが固化時に強固に
結合されるという最良の結果が得られた。上記アルミニ
ウム系カップリング剤としては、例えばアセトアルコキ
シアルミニウムジイソプロピレートがあげられる。
【0013】上記充填剤粒子とともに液状マトリックス
樹脂成分に含有させるアルカリ土類金属化合物は、電子
供与体(エレクトロンドナー)としての働きを有するも
のであって、例えばCaO,CaWO4 ,ステアリン酸
カルシウム,BaO,BaCO3 ,BaWO4 ,BaT
iO3 ,SrO,SrTiO3 等があげられる。さら
に、電子受容体(エレクトロンアクセプター)としての
作用を有するBeOまたはハロゲン化金属化合物等があ
げられる。これらは単独でもしくは併せて用いられる。
【0014】本発明の異方性複合シートは、上記各成分
を用い、例えばつぎのようにして製造することができ
る。すなわち、まず、充填剤粒子をカップリング剤で被
覆処理する。このカップリング剤被覆処理方法として
は、例えばカップリング剤をヘキサン,キシレン等の
溶剤に溶解した溶液中に、上記充填剤粒子を浸漬し、所
定時間経過後に溶剤を蒸発除去する方法や、一般に行
われる乾式処理方法等があげられる。つぎに、上記カッ
プリング剤で被覆処理された充填剤粒子と、アルカリ土
類金属化合物と、液状マトリックス樹脂成分とを混合し
て材料を調製する。このとき、必要に応じて他の任意成
分(H2 O,エチレングリコール等)を微量添加するこ
ともできる。ついで、図1に示すように、シート製造機
の電気絶縁性シート成形型枠1内に上記材料を流延して
加熱硬化させる。この加熱時に、シート厚み方向の両側
に一対の電極板2を設け、形成材料に直流電圧を印加す
る。このようにして、図2に示すように、マトリックス
成分3中に、アルカリ土類金属化合物5を含むカップリ
ング剤処理された充填剤粒子4(図では球状粒子)が厚
み方向に均一に配向したシート6を得ることができる。
【0015】このようにして得られるシート6は、マト
リックス成分中に、アルカリ土類金属化合物5を含有す
る表面がカップリング剤で被覆処理された充填剤粒子4
が、厚み方向に配向した状態で分布されているため、厚
み方向に優れた放熱特性を有する。また、上記粒子が効
率よく配向しているためシートのフレキシブル性が確保
されている。
【0016】なお、上記製法において、印加する電圧
は、0.5kV/mm以上に設定するのが好ましく、特
に0.5〜2.0kV/mmに設定するのが好ましい。
すなわち、直流電圧が0.5kV/mm未満では被覆処
理された粒子が厚み方向に均一に配向されない傾向がみ
られるからである。
【0017】また、上記カップリング剤で被覆処理され
た充填剤粒子(X)と、アルカリ土類金属化合物(Y)
との混合割合は、X:Y=95:5〜80:20の範囲
に設定することが好ましい。
【0018】さらに、上記カップリング剤で被覆処理さ
れた充填剤粒子およびアルカリ土類金属化合物の合計の
配合割合は、液状マトリックス樹脂成分100容積部
(以下「部」と略す)に対して5〜100部の範囲に設
定することが好ましい。このような範囲に配合すること
で、良好な厚み方向の熱伝導性を備えた異方性複合シー
トが得られる。すなわち、従来のように、熱伝導性の良
好なシートを得るためには、粒子同士が互いに接するま
で高充填する(例えば全体の40〜60容量%以上)必
要であったが、本発明によれば電圧印加により粒子を厚
み方向に整列させることができるため、従来より少ない
粒子の配合量で同等以上の熱伝導性を有するものが得ら
れる。
【0019】そして、上記図1に示す電極板2の表面近
傍部分の構造を、図3に示すように、表面部分に等間隔
に絶縁体6を埋設するようにすると、配向させる粒子の
間隔を所望の状態に調節することができる。この場合、
両電極板2に埋設される絶縁体6は、相互に向かい合う
線対称となるように埋設位置等を調節する。上記絶縁体
6としては、例えばセラミックス,合成樹脂等の絶縁性
を有するものであれば特に限定するものではない。
【0020】なお、上記粒子配向方法によって得られる
ものは、上記シートに限定するものではなく、一般にシ
ートと称されるものよりも厚みの厚いものであっても、
アルカリ土類金属化合物を含有する表面がカップリング
剤で被覆処理された充填剤粒子を厚み方向に配向させる
ことができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明は、カップリング
剤処理された充填剤粒子と、アルカリ土類金属化合物
と、液状マトリックス樹脂成分を主成分とする材料を所
定の型枠内に充填し、一対の電極を、充填された材料を
挟んで配設し、上記両電極間に直流電圧を印加しながら
液状マトリックス樹脂成分を固化させる。この固化の際
に、材料中のカップリング剤処理された充填剤粒子およ
びアルカリ土類金属化合物を、上記液状マトリックス成
分中において、上記両電極間の印加電圧によってつくら
れる電気力線に沿って配向させるものである。このた
め、本発明の粒子配向方法にしたがって得られる異方性
複合シートは、粒子が一定方向、通常、厚み方向に配向
される。したがって、一方の極側に電気泳動を生起し偏
在して均一に配向することが困難であった粒子を電子供
与体(本発明ではアルカリ土類金属化合物)または電子
受容体の併用により、電極間に充填剤粒子を整列させる
ことが可能で、例えば熱伝導性に優れたシートを得るこ
とができる。このようなシートは、電気・電子機器部品
等の放熱シート等に最適である。
【0022】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0023】
【実施例1】まず、炭化珪素100部に対して、シラン
カップリング剤として下記の構造式で表されるフロロア
ルキルシラン1.0部をトルエン50ccに溶解した溶
液を添加して均一に混合し、24時間放置した後、10
0℃でトルエンを揮発させ、約100℃で5時間真空乾
燥した。このようにして充填剤粒子Aを調製した。
【0024】 (CH3 O)3 SiCH2 CH2 (CF2 7 CF3
【0025】一方、炭化珪素100部に対して、タング
ステン酸バリウム(BaWO4 )20部を混合し、これ
にハロゲン原子を含有しないカップリング剤(アセトア
ルコキシアルミニウムジイソプロピレート)1.0部を
トルエン50ccに溶解した溶液を添加して均一に混合
し、24時間放置した後、100℃でトルエンを揮発さ
せ、約100℃で5時間真空乾燥した。このようにして
充填剤粒子Bを調製した。
【0026】上記充填剤粒子Aおよび充填剤粒子Bを、
A:B=1:3の割合で混合した。この混合充填剤を、
液状シリコーンゴムに均一に混合し、ミルを用いて分散
させた。上記充填剤粒子とアルカリ土類金属化合物の合
計の配合量は、シリコーンゴム100部に対して10部
となるように設定した。このようにして得られた材料を
真空脱泡し、図1に示す電気絶縁性の型枠1を介して、
上下のステンレス製電極板2からなるシート製造型に充
填し、150℃×15分で加熱加硫した。このとき、上
記ステンレス製電極板2に1.3kV/mmの直流電圧
を印加した。このようにして目的の厚み2.0mmの異
方性複合シートを製造した。
【0027】
【実施例2】印加した直流電圧を0.5kV/mmに変
えた。それ以外は実施例1と同様にして異方性複合シー
トを製造した。
【0028】
【実施例3】充填剤粒子とアルカリ土類金属化合物の合
計の配合量を15部に変えた。それ以外は実施例1と同
様にして異方性複合シートを製造した。
【0029】
【実施例4】まず、炭化珪素に対して、エレクトロンド
ナーとしてCaWO4 ,ステアリン酸カルシウム,Sr
TiO3 をそれぞれ10%容積比になるように混合し
た。これに、カップリング剤としてアセトアルコキシア
ルミニウムジイソプロピレート1.0部を50ccのト
ルエンに溶解したものを添加し、均一に混合した。そし
て、24時間放置後、100℃でトルエンを揮発させ、
100℃で5時間真空乾燥した。このようにしてカップ
リング剤処理した各充填剤を液状シリコンゴムに30%
となるようにミルで均一に分散混合した。このようにし
て得られた材料を真空脱泡し、図1に示す電気絶縁性の
型枠1を介して、上下のステンレス製電極板2からなる
シート製造型に充填し、150℃×15分で加熱加硫し
た。このとき、上記ステンレス製電極板2に1.3kV
/mmの直流電圧を印加した。このようにして目的の厚
み2.0mmの異方性複合シートを製造した。
【0030】
【実施例5】印加した直流電圧を0.5kV/mmに変
えた。それ以外は実施例4と同様にして異方性複合シー
トを製造した。
【0031】
【実施例6】充填剤粒子(X)と、CaWO4 であるア
ルカリ土類金属化合物(Y)の配合割合を、X:Y=8
0:20に変えた。それ以外は実施例4と同様にして異
方性複合シートを製造した。
【0032】
【比較例1】まず、炭化珪素100部に対して、シラン
カップリング剤として下記の構造式で表されるフロロア
ルキルシラン1.0部をトルエン50ccに溶解した溶
液を添加して均一に混合し、24時間放置した後、10
0℃でトルエンを揮発させ、約100℃で5時間真空乾
燥した。このようにして充填剤粒子を調製した。
【0033】 (CH3 O)3 SiCH2 CH2 (CF2 7 CF3
【0034】この充填剤粒子を、液状シリコーンゴムに
均一に混合し、ミルを用いて分散させた。上記充填剤粒
子の配合量は、シリコーンゴム100部に対して50部
となるように設定した。このようにして得られた材料を
真空脱泡し、図1に示す電気絶縁性の型枠1を介して、
上下のステンレス製電極板2からなるシート製造型に充
填し、150℃×15分で加熱加硫した。このとき、上
記ステンレス製電極板2に1.3kV/mmの直流電圧
を印加した。このようにして目的の厚み2.0mmの異
方性複合シートを製造した。
【0035】
【比較例2】直流電圧を印加しなかった。それ以外は実
施例1と同様にしてシートを製造した。
【0036】このようにして得られた実施例品および比
較例品のシートの熱抵抗を測定し、後記の表1に示し
た。なお、上記熱抵抗は下記のようにして測定した。
【0037】〔熱抵抗の測定〕図4に示す断面形状の放
熱フィン7に、上記シート8を介して、TO−3型トラ
ンジスタ9をセットした。ただし、上記シート8は、上
記トランジスタ9の底部形状に合わせて打ち抜いた。そ
して、電力を負荷したときの、T部,F部の発熱温度を
測定した。このときの測定条件は下記のとおりである。 負荷電力 :20W(20V×1A) トランジスタ締付けトルク:5kg・cm そして、得られた測定値から、下記の式に基づいて熱抵
抗を算出した。
【0038】
【化1】
【0039】
【表1】
【0040】上記表1の結果から、実施例品は比較例品
に比べて熱抵抗が低く、厚み方向に熱を効果的に放熱す
ることがわかる。
【0041】また、上記実施例品のシートの断面を観察
すると、充填剤粒子が均一に厚み方向に配向されている
ことがわかる。これに対して比較例1品の断面を観察す
ると、充填剤粒子が+極側に電気泳動して整列していな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異方性複合シートの製法に用いられる
シート製造型枠の模式図である。
【図2】本発明の異方性複合シートにおける粒子の配向
状態を示す模式図である。
【図3】シート製造型枠の電極板の他の実施態様を示す
表面分近傍の断面図である。
【図4】熱抵抗の測定方法の説明図である。
【符号の説明】
1 電気絶縁性シート成形型枠 2 電極板 3 マトリックス成分 4 充填剤粒子 5 アルカリ土類金属化合物 6 異方性複合シート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カップリング剤処理された充填剤粒子と
    アルカリ土類金属化合物と液状マトリックス樹脂成分と
    を主成分とする材料を所定の型枠の枠内に充填し、一対
    の電極を、上記枠内に充填された材料を挟んで配設し、
    上記両電極間に直流電圧を印加しながら液状マトリック
    ス樹脂成分を固化させる際に、材料中のカップリング剤
    で処理された粒子と、アルカリ土類金属化合物を、上記
    液状マトリックス樹脂成分中において、上記両電極間の
    印加電圧によってつくられる電気力線に沿って配向させ
    ることを特徴とする粒子配向方法。
  2. 【請求項2】 マトリックス成分中に、表面がカップリ
    ング剤で被覆処理された充填剤粒子とアルカリ土類金属
    化合物を含有してなる異方性複合シートであって、上記
    被覆処理された充填剤粒子とアルカリ土類金属化合物が
    厚み方向に配向して分布していることを特徴とする異方
    性複合シート。
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