JPH06100707A - 積層板の製造法 - Google Patents

積層板の製造法

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JPH06100707A
JPH06100707A JP4248396A JP24839692A JPH06100707A JP H06100707 A JPH06100707 A JP H06100707A JP 4248396 A JP4248396 A JP 4248396A JP 24839692 A JP24839692 A JP 24839692A JP H06100707 A JPH06100707 A JP H06100707A
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稔 御堂河内
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    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O

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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】SMDの半田接続信頼性を向上するために表面
層の低弾性率化を図った積層板において、耐熱性、耐湿
絶縁性、金属箔引き剥がし強さを確保する。 【構成】積層板の表面層に配置するガラス繊維織布基材
に、エポキシ樹脂の含浸に先立ち、(A)ダイマー酸変
性エポキシ樹脂と(B)ノボラック型フェノール樹脂と
(C)ビスフェノールA型エポキシ樹脂を配合した組成
物を付着量30重量%以下で含浸する。組成物の配合は
固型重量比で、(A)/(B)=75/25〜95/
5、かつ(C)/((A)+(B))=50/50〜7
0/30とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面実装部品(SM
D)を搭載するプリント配線板の材料として適した積層
板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時の電子電気機器の高密度化、高集積
化および小型化に伴い、これに組み込んで使用するプリ
ント配線板への搭載部品も挿入型のディスクリート部品
から表面実装型のSMDへ移行しつつある。SMD対応
プリント配線板として注意しなければならない事柄に、
SMDとプリント配線の半田接続部の信頼性の問題があ
る。すなわち、プリント配線の基板である積層板の平面
方向の熱膨張係数は、SMDの熱膨張係数よりかなり大
きい(SMDの熱膨張係数=4〜6ppm、基板の熱膨
張係数=15〜25ppm)。従って、冷熱サイクルを
繰り返すと、前記熱膨張係数の差に起因する応力が半田
接続部にその都度作用し、半田接続部にクラックが入り
やすくなっている。そこで、プリント配線板の基板材料
である積層板の平面方向の低弾性率化を図って、SMD
と基板の熱膨張係数の差に起因する応力を低弾性の基板
で緩和し、半田接続部に大きな応力が働かないようにす
ることが検討されている。積層板は、マトリックス樹脂
である熱硬化性樹脂をシート状基材に含浸し、これを重
ねて加熱加圧成形して製造されるが、例えば、マトリッ
クス樹脂に可撓性付与剤を単に添加したり、添加した可
撓性付与剤をマトリックス樹脂または硬化剤と反応させ
て低弾性率化を図る技術が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の低弾性率化の技術では、積層板の弾性率を低下させ
ることはできるが、プリント配線板の基板として必要な
他の特性、すなわち、耐熱性および金属箔引き剥がし強
さの低下をもたらすという問題点があった。本発明が解
決しようとする課題は、SMD対応プリント配線板の基
板に適した積層板として、半田接続信頼性確保のために
必要な低弾性率化と、併せて耐熱性、絶縁性、および金
属箔引き剥がし強さを確保することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る第1の製造法は、ガラス繊維よりなる
シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸しこれを重ねて加熱
加圧成形する積層板で、表面材のシート状基材にガラス
織布を使用するものにおいて、少なくとも表面層に配置
する前記シート状基材には、熱硬化性樹脂の含浸に先立
ち次の組成物を付着量30重量%以下の量で含浸する。
すなわち、(A)ダイマー酸変性エポキシ樹脂と、
(B)ノボラック型フェノール樹脂と、(C)ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂を配合した組成物であり、その
配合を、固型重量比で(A)/(B)=75/25〜9
5/5、かつ、(C)/((A)+(B))=50/5
0〜70/30とすることを特徴とする。本発明に係る
第2の製造法は、前記第1の発明において、組成物のシ
ート状基材への付着量を好ましくは10〜30重量%と
することを特徴とする。本発明に係る第3の製造法は、
前記第1または第2の発明において、ダイマー酸変性エ
ポキシ樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂と予め予備
反応させたものであることを特徴とする。
【0005】また、本発明に係る第4の製造法は、ガラ
ス繊維よりなるシート状基材にビスフェノールA型エポ
キシを含む熱硬化性樹脂を含浸しこれを重ねて加熱加圧
成形する積層板の製造で、表面材のシート状基材にガラ
ス織布を使用するものにおいて、少なくとも表面層に配
置する前記シート状基材には、(A)ダイマー酸変性エ
ポキシ樹脂と、(B)ノボラック型フェノール樹脂を配
合した前記熱硬化性樹脂を含浸する。(A)と(B)の
配合は、固型重量比で(A)/(B)=75/25〜9
5/5、かつ(A)と(B)の合計配合量を40重量%
以下とするものである。本発明に係る第5の製造法は、
前記第4の発明において、(A)と(B)の合計配合量
を好ましくは20〜40重量%とすることを特徴とす
る。本発明に係る第6の製造法は、前記第4または第5
の発明において、ダイマー酸変性エポキシ樹脂が、ノボ
ラック型フェノール樹脂と予備反応させたもであること
を特徴とする。
【0006】
【作用】本発明に係る方法では、(A)ダイマー酸変性
エポキシ樹脂と、(B)ノボラック型フェノール樹脂
と、(C)ビスフェノールA型エポキシ樹脂の併用によ
って、プリント配線の基板として必要な特性を低下させ
ることなく低弾性率化を図り、SMD対応基板として半
田接続信頼性確保するものである。ダイマー酸変性エポ
キシ樹脂を単独で熱硬化性樹脂に配合して使用した場合
は、脂肪族骨格があるため、積層板の耐熱性および積層
板の成形時に表面に一体に貼付た金属箔の接着力を低下
させてしまうが、ノボラック型フェノール樹脂およびビ
スフェノールA型エポキシ樹脂の併用により、耐熱性お
よび金属箔の接着力の低下を抑制している。但し、
(A)ダイマー酸変性エポキシ樹脂と、(B)ノボラッ
ク型フェノール樹脂の使用比率は、(A)の割合が少な
く(B)が多いと積層板の耐湿絶縁特性が低下する。
(A)の割合が多く(B)が少ないと積層板の耐熱性お
よび金属箔の接着力が低下する。また、(C)ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂の使用比率との関係では、
(C)が少なく(A)と(B)の合計量が多いと積層板
の耐湿絶縁特性、耐熱性および金属箔の接着力が低下す
る。(C)が多く(A)と(B)の合計量が少ないと積
層板の弾性率が高くなり、SMD対応基板として適した
ものにできない。ダイマー酸変性エポキシ樹脂をノボラ
ック型フェノール樹脂と予備反応させて使用することに
より、未反応のダイマー酸変性エポキシ樹脂を低減する
ことができるので、耐熱性および金属箔の接着力の低下
を抑制する上でさらに好都合である。
【0007】
【実施例】本発明に係る方法で使用するガラス繊維より
なるシート状基材は、ガラス織布、ガラス不織布、ガラ
ス−紙混抄不織布等である。また、熱硬化性樹脂は、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、ポリイミ
ド、ポリエステル等を適宜用いることができる。これら
熱硬化性樹脂には、品質改善、加工性の向上、コスト低
減などの目的で、無機充填材(Al23,Al23・H
2O,Al23・3H2O,タルク,MgO,SiO2
ど)を配合してもよい。ノボラック型フェノール樹脂
は、フェノール、アルキルフェノール、2価フェノー
ル、多価フェノール等のフェノール類を原料とするもの
である。ダイマー酸変性エポキシ樹脂は、例えば(化
1)で示されるものなどである。
【0008】
【化1】
【0009】本発明に係る方法で製造する積層板は、シ
ート状基材がガラス織布とガラス不織布の組合せからな
るコンポジットタイプ、ガラス織布単独からなるタイプ
の積層板である。また、多層プリント配線板のための積
層板も含むものである。
【0010】実施例1〜12、比較例1〜6、従来例1
〜3 ダイマー酸変性エポキシ樹脂(東都化成製YD−17
2)38重量部に対して、ノボラック型フェノール樹脂
(大日本インキ製ブライオーフェンVH−4170)を
6.7重量部、硬化促進剤2−エチル−4−メチルイミ
ダゾールを0.5重量部、希釈溶剤としてメチルエチル
ケトン30重量部を配合し、80℃で5時間反応させて
ダイマー酸変性エポキシ樹脂とノボラック型フェノール
樹脂の予備反応物を調製した。(A)ダイマー酸変性エ
ポキシ樹脂または前記予備反応物、(B)ノボラック型
フェノール樹脂、(C)ビスフェノールA型エポキシ樹
脂を表1、表2に示す配合量で希釈溶剤メチルエチルケ
トンに溶解し、硬化剤にジシアンジアミドを添加し、ワ
ニス(a)を調製した。単位重量205g/m2のガラ
ス繊維織布に、ワニス(a)を含浸乾燥して、表1、表
2に示す各樹脂付着量のプリプレグを得た。さらに、別
に準備したビスフェノールA型エポキシ樹脂ワニス
(b)を前記プリプレグに含浸乾燥し、総樹脂付着量4
0重量%のプリプレグ(I)を得た。別途、無機充填剤
を配合(重量比で、樹脂/充填剤=100/50)した
ビスフェノールA型エポキシ樹脂ワニス(c)を、単位
重量50g/m2のガラス不織布に含浸乾燥し、充填剤
を含む樹脂付着量84重量%のプリプレグ(II)を得
た。プリプレグ(II)を6プライ重ね、その両側にプリ
プレグ(I)を1プライずつ配置し、さらに両側に厚さ
18μmの銅箔を載置して、加熱加圧積層成形により厚
さ1.6mmのコンポジットタイプの銅張り積層板を得
た。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】上記各積層板の特性を表3〜表5に示す。
表中、銅箔ピール強度はJIS法に基づいて測定した。
絶縁抵抗はプレッシャークッカー処理(121℃,2気
圧,6hr)後に測定した。半田耐熱性は積層板を30
0℃の半田浴に浮かべて表面にふくれが発生するまでの
時間を測定した。半田クラック発生率(n=100)
は、各積層板をプリント配線板に加工してセラミックチ
ップを半田接続(表面実装)し、−30℃と120℃の
冷熱サイクルを1000回繰返した後のものである。反
りは、銅箔を全面エッチングして除いた積層板(試料サ
イズ:340×255mm,n=12)を150℃で30
分間加熱後に測定した平均値である。尚、表3におい
て、実施例5のものは、半田クラックの発生率が他の実
施例に比べて高くなっているが、ダイマー酸変性エポキ
シ樹脂のみを0.1重量部(実施例5におけるダイマー
酸変性エポキシ樹脂とノボラック型フェノール樹脂の合
計相当量)配合したワニスでガラス繊維織布を予備処理
した従来技術における積層板よりも半田クラックの発生
率が低く、耐熱性等も向上していることを確認した。半
田クラック発生率は積層板の基材タテ方向が低いので、
SMDの実装はその長手方向を前記タテ方向に一致させ
るのがよい(一般に、ガラス繊維織布のタテ糸とヨコ糸
の織り密度は、タテ糸の織り密度の方が高くなってお
り、樹脂の熱膨張等の影響を受けにくい)。
【0014】
【表3】
【0015】
【表4】
【0016】
【表5】
【0017】実施例13〜18、比較例7〜9、従来例
4〜5 上記実施例で使用した(A)ダイマー酸変性エポキシ樹
脂または予備反応物と、(B)ノボラック型フェノール
樹脂を、(C)ビスフェノールA型エポキシ樹脂に表6
に示す配合量で配合しワニス(d)を調製した。単位重
量205g/m2のガラス繊維織布に、ワニス(d)を
含浸乾燥して、樹脂付着量40重量%のプリプレグ(II
I)を得た。上記実施例で使用したプリプレグ(II)を
6プライ重ね、その両側にプリプレグ(III)を1プラ
イずつ配置し、更に両側に厚さ18μmの銅箔を載置し
て、加熱加圧積層成形により厚さ1.6mmのコンポジッ
トタイプの銅張り積層板を得た。
【0018】
【表6】
【0019】上記各積層板の特性を表7、表8に示す。
尚、表7において、実施例17のものは、半田クラック
の発生率が他の実施例に比べて高くなっているが、ダイ
マー酸変性エポキシ樹脂のみを0.1重量%(実施例1
7におけるダイマー酸変性エポキシ樹脂とノボラック型
フェノール樹脂の合計相当量)配合したワニスをガラス
繊維織布に含浸乾燥したプリプレグを用いる従来技術に
おける積層板よりも半田クラックの発生率が低く、耐熱
性等も向上していることを確認した。
【0020】
【表7】
【0021】
【表8】
【0022】
【発明の効果】上述したように本発明に係る方法によれ
ば、SMD対応プリント配線板の基板に使用する積層板
として、SMDの半田接続信頼性確保のために必要な表
面層を中心とした低弾性率化を図り、併せて、耐熱性、
耐湿絶縁性および金属箔引き剥がし強さを確保すること
ができた。耐湿絶縁性の確保により、狭ピッチのスルー
ホールを設けることが可能となり、従来より高密度回路
のSMD対応プリント配線板を製造することができる。
さらに、積層板の反りも小さなものにすることができ
た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス繊維よりなるシート状基材に熱硬化
    性樹脂を含浸しこれを重ねて加熱加圧成形する積層板の
    製造で、表面層のシート状基材にガラス織布を使用する
    ものにおいて、 少なくとも表面層に配置する前記シート状基材には、熱
    硬化性樹脂の含浸に先立ち、(A)ダイマー酸変性エポ
    キシ樹脂と、(B)ノボラック型フェノール樹脂と、
    (C)ビスフェノールA型エポキシ樹脂を配合した組成
    物を付着量30重量%以下の量で含浸し、 前記組成物の配合を、固型重量比で(A)/(B)=7
    5/25〜95/5、かつ(C)/((A)+(B))
    =50/50〜70/30とすることを特徴とする積層
    板の製造法。
  2. 【請求項2】熱硬化性樹脂の含浸に先立ちシート状基材
    に含浸した組成物のシート状基材への付着量を10〜3
    0重量%とする請求項1記載の積層板の製造法。
  3. 【請求項3】ダイマー酸変性エポキシ樹脂が、ノボラッ
    ク型フェノール樹脂と予備反応させたものであることを
    特徴とする請求項1または2に記載の積層板の製造法。
  4. 【請求項4】ガラス繊維よりなるシート状基材にビスフ
    ェノールA型エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂を含浸し
    これを重ねて加熱加圧成形する積層板の製造で、表面層
    のシート状基材にガラス織布を使用するものにおいて、 少なくとも表面層に配置する前記シート状基材には、
    (A)ダイマー酸変性エポキシ樹脂と、(B)ノボラッ
    ク型フェノール樹脂を配合した前記熱硬化性樹脂を含浸
    し、 前記(A)と(B)の配合を、固型重量比で(A)/
    (B)=75/25〜95/5、かつ(A)と(B)の
    合計配合量を40重量%以下とすることを特徴とする積
    層板の製造法。
  5. 【請求項5】(A)と(B)の合計配合量を20〜40
    重量%とすることを特徴とする請求項4記載の積層板の
    製造法。
  6. 【請求項6】ダイマー酸変性エポキシ樹脂が、ノボラッ
    ク型フェノール樹脂と予備反応させたものであることを
    特徴とする特徴とする請求項4または5に記載の積層板
    の製造法。
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