JPH06100151B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JPH06100151B2
JPH06100151B2 JP29887585A JP29887585A JPH06100151B2 JP H06100151 B2 JPH06100151 B2 JP H06100151B2 JP 29887585 A JP29887585 A JP 29887585A JP 29887585 A JP29887585 A JP 29887585A JP H06100151 B2 JPH06100151 B2 JP H06100151B2
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JP
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vibration sensor
output
ignition timing
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徹郎 高羽
良隆 田原
知嗣 力武
学 有馬
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Mazda Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエンジンの制御装置、特にエンジンの振動を検
出する振動センサからの出力値に基づいて燃焼状態を判
定するように構成されたエンジンの制御装置に関する。
(従来技術) 近年、自動車用等のエンジンにおいては、出力性能の低
下やエンジンの劣化更には排気ガス有害成分(NOx等)
の増加等を防止すべく、異常燃焼状態つまり燃焼圧の過
上昇やノッキングの発生を検出し、この検出結果に基づ
いて点火時期や燃料供給量を可変制御することが行われ
ている。このような制御の一例として、実開昭54−6193
3号公報によれば、燃焼室からエンジン本体に伝播され
る振動を検出する振動センサを備え、該センサからの出
力値に応じてノッキングを判定すると共に、ノッキング
の判定がなされた場合にはそのノッキングの度合に対応
させて点火時期を所定量だけリタードさせる構成が示さ
れている。また、燃焼室からエンジン本体に伝播される
振動の大きさが燃焼圧の大きさに対応することに着目し
て、燃焼圧の異常(過上昇)の発生を、上記公報に記載
の構成と同様に振動センサからの出力値に基づいて判定
し、且つ該燃焼圧の過上昇が判定された場合に点火時期
をリタードさせ或は燃料供給量を減少させるといった制
御も一般に知られている。
然るに、上記の如く振動センサからの出力値に基づいて
異常燃焼状態の判定を行う構成によれば、個々の振動セ
ンサによりその出力特性が異なるばかりでなく、同一の
振動センサについても経時変化等による出力特性のかた
よりが生じるために次のような不具合が生じる。即ち、
異常燃焼状態の判定を行う際には、通例、第7図に示す
ように、振動センサの出力値を平均すること等により得
られた基準となる設定特性(イ)に基づいて所定の振動
強度R0(例えばノッキングが発生していない状態から発
生している状態に移行する際の振動強度)に対するしき
い値S0を予め設定しておき、振動強度の増大に伴って振
動センサ出力値がこのしきい値S0を超えた時点で上記異
常燃焼状態の判定がなされるように構成される。しか
し、上記振動センサの出力特性が例えば符号(イ′)で
示すように勾配が大きくなった場合つまり感度が良くな
った場合には、上記所定の振動強度R0よりも小さな強度
R1が上記しきい値S0に対応することになり、また符号
(イ″)で示すように勾配が小さくなった場合つまり感
度が低下した場合には、所定の振動強度R0よりも大きな
強度R2がしきい値S0に対応することになり、いずれの場
合においても異常燃焼状態の判定を正確に行うことが不
可能となるばかりでなく、この判定結果に基づく点火時
期等の制御にも支障を来たすことになる。
(発明の目的) 本発明はエンジンの制御装置、特に燃焼圧の過上昇やノ
ッキング等の異常燃焼状態の発生を振動センサの出力に
基づいて行うように構成されたエンジンの制御装置に関
する上記のような問題に対処するもので、燃焼状態が正
常な状態から異常な状態に移行する時(例えば、ノッキ
ングが発生していない状態から発生している状態に移行
する時)の実際の振動強度と予め設定された判定基準値
(しきい値)とが、該振動センサの出力特性のバラツキ
ないしかたより等に起因して正確に対応しないといった
不具合を回避し、もって上記異常燃焼状態の判定を行う
際の誤判定及びこれに起因する点火時期等の制御の混乱
を防止することを目的とする。
(発明の概要) 本発明に係るエンジンの制御装置は、上記目的達成のた
め次のように構成したことを特徴とする。
即ち、第1図に示すように、燃焼室に発生する振動を検
出する振動センサ1と、該センサ1からの出力値に基づ
いて燃焼状態(例えばノッキングや燃焼圧の異常等の異
常燃焼状態)を判定する燃焼状態判定手段2と、該判定
手段2による判定結果に基づいて点火時期や燃料供給量
の制御を行う制御手段3とを有する構成において、特定
運転状態つまりエンジンの回転時における非燃焼状態を
検出する特定運転状態検出手4と、該手段4によりエン
ジンの運転状態が上記特定運転状態にあることが検出さ
れた時にその時の上記振動センサ1からの出力値を基準
値として設定する基準値設定手段5と、該手段5により
設定された基準値に基づいて上記燃焼状態判定手段2に
よる燃焼状態の判定に際して用いられる判定基準値(し
きい値)及び上記振動センサ1の出力特性のうち少なく
とも一方を補正する補正手段6とを設ける。
ところで、エンジンの燃焼状態ないし燃焼圧は、制御装
温や冷却水温等の変化による影響を受けてばらつくため
に、該エンジンの燃焼時に生じる振動ないし振動強度が
所定の大きさに定まらないのが通例である。そこで、こ
のような事態が生じないエンジンの非燃焼時、具体的に
は、エンジンのクランキング時、或は運転状態に応じた
燃料供制御を行うエンジンにおける燃料遮断領域等を上
記特定運転状態検出手4により検出すると共に、この検
出された非燃焼時における振動センサ1の出力値を上記
基準値設定手段5にて基準値として設定することによ
り、補正手段6による正確な補正が可能となるのであ
る。尚、上記特定運転状態検出手段4によって燃料遮断
領域を検出する場合においては、その領域内における所
定の回転領域は所定の回転数を検出するようにするのが
望ましい。そして、この基準値に基づいて、振動センサ
1の出力特性を補正するか或はしきい値を補正するかの
いずれか一方又はその両者が上記補正手段6により行わ
れるのであるが、このうち、振動センサ1の出力特性を
補正するようにした場合においては、該出力特性が予め
設定された設定特性(所定の感度を有し、且つしきい値
が異常燃焼状態の発生時における実際の振動強度に正確
に対応するように設定された特性)に変換されるので、
異常燃焼状態が正確に判定されるばかりでなく、該異常
燃焼状態の度合つまりノッキングの度合や燃焼圧の過上
昇の度合等も正確に検出されることになる。一方、上記
基準値に基づいてしきい値を補正するようにした場合に
おいては、この補正されたしきい値を用いて異常燃焼状
態の判定が正確に行われるのであるが、振動センサ1の
感度は個々のセンサにより異なるために上記異常燃焼状
態の度合については正確に検出されない場合がある。し
かし、このような場合においても、振動センサ1の出力
値が上記補正されたしきい値を超えた際に該センサ1の
出力特性を上記基準値に基づいて所定の感度となるよう
に補正すれば、上記異常燃焼状態の度合の正確な検出が
可能となる。
(発明の効果) 以上のように本発明に係るエンジンの制御装置によれ
ば、振動センサからの出力値に基づいて異常燃焼状態の
発生を補正する場合に、エンジンの回転時における非燃
焼状態での振動センサの出力値を基準値として、上記異
常燃焼状態の補正に際して用いられるしきい値及び振動
センサの出力特性のうち少なくとも一方を補正するよう
にしたから、該振動センサの出力特性のバラツキ等によ
る影響を受けることなく上記異常燃焼状態の発生を精度
良く判定することが可能となり、ひいてはこの判定結果
に基づく点火時期や燃料供給量の制御が良好に行われる
ことになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図に示すように、エンジン10の燃焼室11には吸、排
気弁12,13を介して吸気通路14及び排気通路15が連通さ
れていると共に、吸気通路14には、吸入空気量ないしエ
ンジン出力をコントロールするスロットルバルブ16と、
燃焼室11に燃料に供給する燃料噴射ノズル17とが備えら
れ、更に上記燃焼室11には点火プラグ18が備えられてい
る。
一方、このエンジン10には、上記点火プラグ18による点
火の時期及び燃料噴射ノズル17からの燃料噴射量を制御
するコントロールユニット19が備えられている。このコ
ントロールユニット19は、エンジン10(シリンダブロッ
ク)の側壁に取付けられ且つ燃焼室11から伝播される振
動を検出する振動センサ20からの出力信号aと、クラン
ク角度を検出するクランク角センサ21からのクランク角
信号bと、上記吸気通路14におけるスロットルバルブ16
の下流側に設けられて吸気負圧(ブースト圧)を検出す
る圧力センサ22からのブースト圧信号cと、上記スロッ
トルバルブ16の開度を検出するスロットル開度センサ23
からのスロットル開度信号dと、吸気通路14におけるス
ロットルバルブ16の上流側に設けられて吸気温度を検出
する温度センサ24からの吸気温度信号eと、エンジンル
ーム内の所定部位に取付けられて大気圧を検出する大気
圧センサ25からの大気圧信号fとを入力する。また、該
ユニット19は、基本的には上記クランク角信号bが示す
クランク角度及び該ユニットに内蔵されているフリーラ
ンニングカウンタのカウンタ値に応じて算出されるエン
ジン回転数と、上記ブースト圧信号cが示すブースト圧
とに基づいて基本点火時期及び基本燃料噴射量を夫々設
定し、更にこの両者を上記吸気温度信号eが示す吸気温
度や大気圧信号fが示す大気圧等に基づき必要に応じて
補正することにより、最終点火時期及び最終発生噴射量
を設定する。そして、上記点火プラグ18に対して所定の
点火信号gを送出すべく備えられたディストリビュータ
26に、点火時期が上記の如く設定された最終点火時期と
なるように点火時期制御信号hを出力し、また上記燃料
噴射ノズル17から噴射される発生が上記最終燃料噴射量
となるように該ノズル17に燃料制御信号iを出力する構
成とされている。
然して、このコントロールユニット19は、上記振動セン
サ20からの出力信号aに基づいて燃焼圧の異常(過上
昇)やノッキング等の異常燃焼状態の発生を判定すると
共に、この判定結果に応じて上記最終点火時期もしくは
最終燃料噴射量の可変制御を行うようになっている。そ
の場合、該ユニット19は、上記の如く算出されるエンジ
ン回転数と上記スロットル開度信号dが示すスロットル
開度とに基づいて、エンジン10の運転領域が燃料遮断領
域であり且つ所定の回転数域ないし回転数であることを
検出すると共に、このような状態が検出された時に上記
振動センサ20からの信号aが示す出力値を基準値として
設定し、更にこの基準値を用いて、該センサ20の出力特
性或は上記異常燃焼状態を判定する際の判定基準値(し
きい値)を補正するようになっている。尚、このコント
ロールユニット19内には、上記振動センサ20からの出力
信号aを濾波して特定の周波数信号のみを通過させバン
ドパスフィルタ、該フィルタを通過した信号を積分ない
し平均する積分回路、更にはA/D変換器等が備えられて
いる。
次に、上記実施例の作用を、コントロールユニット19の
動作を示す第3図(I),(II)のフローチャートに従
って説明する。尚、これらのフローチャートは、ノッキ
ングの発生を検出すると共に、この検出結果に応じて点
火時期の制御を行う場合のものである。
先ず、イグニッションスイッチによりエンジン10の始動
操作が行われると、コントロールユニット19は第3図
(I)のバックグラウンドルーチンにおけるステップX1
で各種状態のイニシャライズを実行した後、ステップX2
でブースト圧信号cが示すブースト圧Pを読み込むと共
に、ステップX3で後述する所定の演算方法により求めら
れたエンジンの回転数Nと上記ブースト圧Pとに基づい
て基本点火時期θを算出する。この場合において、上
記基本点火時期θは、エンジン10の出力効率が最大と
なる点火時期として算出されるものであり、必要ならば
吸気温度信号eが示す吸気温度等による補正を行っても
よい。そして、エンジン10の作動時においては、上記ス
テップX2とステップX3の処理を実行している間に、同図
(II)に示す割込みルーチンが該エンジン10の1サイク
ル中における所定の時期(例えばクランク角度が圧縮上
死点前90゜になる毎)に割込んで以下に示す処理を実行
する。即ち、コントロールユニット19は、この割込みル
ーチンにおけるステップY1で該ユニット19に内蔵のフリ
ーランニングカウンタが示すカウント値に基づいて割込
み周期を求め、且つこの周期からエンジン回転数Nを算
出する。そして、次のステップY2及びステップY3を実行
することにより、振動センサ出力値A、つまり振動セン
サ20からの信号aが前回の割込み時から今回の割込み時
までの間(エンジン10の1サイクル)に該ユニット19内
の積分回路により積分(平均)された値Aを読込むと共
に、この読込みが完了した時点で上記積分回路内の積分
値をリセットして次回の演算に備える。次に、コントロ
ールユニット19はステップY4で、スロットル開度信号d
が示すスロットル開度と上記ステップY1にて算出された
エンジン回転数Nと基づいてエンジン10の運転領域が第
4図に示すノーロードライン等の所定のラインxよりも
低スロットル開度側の燃料遮断領域I(スロットル開度
が略零であり且つ所定回転数以上とされた燃料遮断領域
等でもよい)にあるか否かを判定し、その結果、燃料遮
断領域Iにある場合には更にステップY5でエンジン回転
数Nが同図に示すNαとNβとの間の所定の回転領域内
にあるか否かを判定し(NαとNβとの間の特定回転数
であるか否かを判定するようにしてもよい)、上記所定
の回転領域内にある時にのみフローチャーY6を実行して
以下に示す補正係数Cを算出する。
即ち、エンジン10の運転領域が上記の如き特定運転領域
(燃料遮断領域であり且つ所定の回転領域)にある時に
上記ステップY2にて読込まれた振動センサ出力値Aを基
準値A1として設定すると共に、この出力値に対応するよ
うに予め設定された設定値A1′を上記出力値A1で除算す
ることにより補正係数Cを求める。この場合において
(第5図参照)、上記設定値A1′は、予め推定ないし設
定された所定の勾配を有する設定特性(ハ′)に基づい
て、上記特定運転領域で発生する所定の振動強度B1に対
応させて設定した値であり、この設定値A1′と、実際の
振動センサ20の出力特性(ハ)に基づいて設定された上
記基準値A1との比を補正係数Cとして算出し且つ記憶す
るのである。ところで、この補正係数Cの算出を上記の
如く燃料遮断領域Iにおいて実行するようにしたのは、
第4図に示す燃料供給領域II(アイドル領域を含む)に
おいては、燃焼時に生ずる燃焼圧が外気条件の変化等に
よる影響を受けてばらつくためにこの供給領域IIにおい
て生じる振動ないし振動強度が安定しないといった不具
合があるのに対して、燃焼が行われない上記燃料遮断領
域Iにおいては常に安定した振動強度が得られるという
理由に基づくものである。更に、エンジン回転数NがN
αとNβとの間の所定の回転領域にある時にのみ上記係
数Cを算出するようにしたのは、高回転領域において生
じるバルブサージ等による影響を回避すると共にエンジ
ン回転数Nが大きく変動することによる振動強度の不安
定化を防止するためである。このようにして補正係数C
が設定記憶されると、コントロールユニット19はステッ
プY7を実行して点火時期の補正量(リタード量)θ
0に設定し、然る後、ステップY14,Y15の処理(詳細に
ついては後述する)を実行する。
一方、上記ステップY4において、エンジン10の運転領域
が燃料遮断領域Iでない場合つまり第4図に示す燃料供
給領域II(アイドル領域も含む)である場合には、コン
トロールユニット19はステップY8を実行して上記振動セ
ンサ出力値A(ステップY2にて読込まれたもの)と上記
補正係数Cとを乗算することにより補正出力値A′を算
出する。つまり、第5図に示す出力特性(ハ)に基づい
て得られた上記振動センサ出力値Aが例えば同図に示す
値Axである場合には、補正係数Cの乗算により設定特性
(ハ′)に基づいて得られる値Ax′に変換され、また上
記センサ出力値Aが同図に示す値Ayである場合には、同
様にして値Ay′に変換されることになり、換言すれば振
動センサ20の出力特性(ハ)が設定特性(ハ′)に移行
されるのである。次に、該ユニット19は、ステップY9
上記補正出力値A′(Ax′,Ay′…)とノッキング判定
用のしきい値A0とを比較することによりノッキングが発
生しているか否かを判定するが、この比較に際して用い
られるしきい値A0は、上記設定特性(ハ′)に基づいて
ノッキングの発生していない状態から発生している状態
への移行時における振動強度B0に正確に対応するように
予め設定されたものである。
そして、上記の如く比較を行った結果、ノッキングが発
生していない場合(A′<A0)には、ステップY10を実
行して前回の点火時期補正量θから所定のリタード量
Δθを減じることにより、前回の補正量θよりもΔθ
だけアドバンスされた今回の点火時期補正量θを算出
すると共に、ステップY11でこの算出された補正量θ
が0よりも小さいことが判定された場合つまり該補正量
θがアドバンス量である場合には、ステップY12を実
行して今回の点火時期補正量θを0に設定することに
より後述する最終点火時期θが上記基本点火時期θ
(最大のエンジン出力効率が得られる点火時期)より
もアドバンス側に移行することを防止する。尚、上記点
火時期補正量θが0よりも大きい場合つまりリタード
量である場合には、この補正量θをそのままの値に設
定保持する。一方、上記ステップY9にてノッキングの発
生が判定された場合(A′>A0)には、ステップY13
実行して次式、θ=C1×(A′−A0),[C1:所定の
係数]に基づいて算出された制御量θと前回の点火時
期補正量θとを加算することにより、前回の補正量θ
よりもθだけリタードされた今回の点火時期補正量
θを求める。この場合において、上記振動センサ出力
値Aが例えば第5図に示す値Axである場合に、出力特性
(ハ)に基づいてノッキングの検出をすれば、この時の
実際の振動強度Bxがノッキング発生状態への移行時にお
ける振動強度B0より小さいにも拘らず、上記値Axがしき
い値A0を超えているためにノッキングが発生しているも
のと誤判定されるのであるが、このルーチンの実行によ
り上記値Axは設定特性(ハ′)に基づく値Ax′に変換さ
れた上でしきい値A0と比較されることになるので、上記
の如く誤判定が行われることはない。また、上記振動セ
ンサ出力値Aが第5図に示す値Ayである場合において
は、この時の実際の振動強度Byが上記ノッキング発生状
態への移行時における振動強度B0を僅かに超過している
だけであるにも拘らず、上記値Ayとしきい値A0との差分
つまりノッキングの度合が大きいものと誤判定され、そ
のため上記ステップY13にて算出される点火時期補正量
θが徒らに大きな量となるのであるが、この場合にお
いても上記値Ayは所定の勾配を有する設定特性(ハ′)
に基づく値Ay′に変換された上で上記しきい値A0と比較
されることになるので、上記点火時期補正量θがノッ
キングの度合に正確に対応することになる。このように
して点火時期補正量θが算出されると、コントロール
ユニット19はステップY14を実行してバックグラウンド
ルーチンにおけるステップX3で算出された基本点火時期
θと上記点火時期補正量θとを加算することにより
最終点火時期θを求めると共に、ステップY15を実行し
てこの最終点火時期θに対応するタイマ値をコントロー
ルユニット19に内蔵のタイマにセットし上で該タイマを
作動させる。これにより、上記タイマ値を経過した時点
つまり上記最終点火時期θに対応する時間に点火プラグ
18による点火が行われる。
以上のように上記実施例によれば、第5図に符号(ハ)
で示す振動センサ20の出力特性にバラツキがある場合、
換言すれば個々のセンサ20の感度が異なるために上記出
力特性(ハ)の勾配が異なる場合においても、該出力特
性(ハ)は所定の勾配を有する設定特性(ハ′)に変換
され、この設定特性(ハ′)に基づいてノッキング発生
の判定及び該ノッキングの度合に対する点火時期の制御
が行われるので、振動センサ20の出力特性のバラツキに
起因するノッキングの誤判定及び点火時期制御の狂い等
が確実に防止されることになる。
ところで、第3図に示すバックグラウンドルーチン及び
割込みルーチンは、振動センサ20の出力特性を補正する
ことによりノッキング発生の誤判定等を防止するもので
あるが、これとは別にノッキングの発生を判定する際に
用いられるしきい値を補正することにより上記の如き誤
判定等を防止するようにしてもよい。つまり、第6図に
示すように上記の如き特定運転領域で振動センサの出力
特性(ニ)に基づいて得られた値D1を、所定の勾配を有
する設定特性(ニ′)に基づいて得られた値D1′で除算
することにより補正係数(D1/D1′)を求めると共に、
上記設定特性(ニ′)に基づいてノッキング発生状態へ
の移行時における振動強度E0に正確に対応するように予
め設定されたしきい値D0′と上記補正係数(D1/D1′)
とを乗算することにより同図に示す補正されたしきい値
D0を求め、このしきい値D0と出力特性(ニ)とに基づい
てノッキング発生の判定を行うのである。尚、この場合
においては、ノッキングが発生した際の該ノッキングの
度合を正確に検出すべく、振動センサの出力値が上記し
きい値D0を超えた際に、該出力値としきい値D0との差分
を上記補正係数(D1/D1′)で除算することにより、つ
まり第6図に符号(ニ″)で示す特性(設定特性
(ニ′)と勾配が等しい)に移行させることにより上記
差分を補正し、この補正された差分に基づいて点火時期
の制御を行うように構成すればよい。
尚、第3図(II)の割込みルーチンにおいては、エンジ
ンの運転領域が燃料遮断領域にあり且つ所定の回転領域
にある時の振動センサ出力値を基準値として設定するよ
うにしたが、これとは別に、エンジンのクランキング時
等の非燃焼時における振動センサ出力値を基準値として
設定することも可能である。また、上記バックグラウン
ドルーチン及び割込みルーチンにおける各処理は、上記
の如くノッキングの発生の検出についてだけでなく、燃
焼圧の異常(特に最大燃焼圧の過上昇)の検出について
も同様に適用できるものであり、更には、上記の如く点
火時期の制御についてだけでなく、燃料供給量の制御に
ついても同様に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の全体構成を示すブロック図である。第
2〜6図は本発明の実施例を示すもので、第2図は制御
システム図、第3図(I),(II)はコントロールユニ
ット基本動作と割込み動作とを夫々示すフローチャート
図、第4図は特定運転領域を示す図、第5図は作用効果
を示す概略説明図、第6図は上記実施例の他の制御例に
おける作用効果を示す概略説明図である。また、第7図
は従来の問題点を示す概略説明図である。 10……エンジン、11……燃焼室、19……コントロールユ
ニット(6……補正手段)、20……振動センサ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室に発生する振動を検出する振動セン
    サと、該センサからの出力値に基づいて燃焼状態を判定
    する燃焼状態判定手段とを有するエンジンの制御装置で
    あって、非燃焼状態でのエンジンの回転時における上記
    振動センサからの出力値に基づいて、上記燃焼状態判定
    手段による燃焼状態の判定に際して用いられる判定基準
    値及び上記振動センサからの出力特性のうち少なくとも
    一方を補正する補正手段を設けたことを特徴とするエン
    ジンの制御装置。
JP29887585A 1985-12-28 1985-12-28 エンジンの制御装置 Expired - Lifetime JPH06100151B2 (ja)

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JPS63179177A (ja) * 1987-01-20 1988-07-23 Mitsubishi Electric Corp 内燃機関の点火時期制御装置

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JPS62157262A (ja) 1987-07-13

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