JPH0599029A - 内燃機関の加減速時の燃料噴射方式 - Google Patents
内燃機関の加減速時の燃料噴射方式Info
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- JPH0599029A JPH0599029A JP26364691A JP26364691A JPH0599029A JP H0599029 A JPH0599029 A JP H0599029A JP 26364691 A JP26364691 A JP 26364691A JP 26364691 A JP26364691 A JP 26364691A JP H0599029 A JPH0599029 A JP H0599029A
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- fuel
- deceleration
- acceleration
- fuel injection
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 加減速時においても精度の高い空燃比制御を
実現し得る内燃機関の加減速時の燃料噴射方式を提供す
る。 【構成】 次の演算式により加速時の加速増量Tacc2を
決定(減速時の減速減量は符号がマイナスになるだけで
他は同じ)して燃料を噴射することにより安定した空燃
比A/F特性を実現したものである。 Tacc2=Kinj・Kacc〔WT〕・{Kacc〔NE〕・ DA
/N+ΔA/Nf } 但し、ΔA/Nf =A/N−A/Nf A/Nf =Kf 〔WT〕・A/Nf (n-1) +(1−Kf 〔WT〕)・A/N(n) ΔA/Nf :燃料付着量パラメータ A/Nf :燃料輸送量パラメータ Kf 〔WT〕:燃料輸送一次遅れ係数
実現し得る内燃機関の加減速時の燃料噴射方式を提供す
る。 【構成】 次の演算式により加速時の加速増量Tacc2を
決定(減速時の減速減量は符号がマイナスになるだけで
他は同じ)して燃料を噴射することにより安定した空燃
比A/F特性を実現したものである。 Tacc2=Kinj・Kacc〔WT〕・{Kacc〔NE〕・ DA
/N+ΔA/Nf } 但し、ΔA/Nf =A/N−A/Nf A/Nf =Kf 〔WT〕・A/Nf (n-1) +(1−Kf 〔WT〕)・A/N(n) ΔA/Nf :燃料付着量パラメータ A/Nf :燃料輸送量パラメータ Kf 〔WT〕:燃料輸送一次遅れ係数
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の加減速時の燃
料噴射方式に関する。
料噴射方式に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は車両に搭載される内燃機関(以下
機関と称す)及びその制御系を示す概略構成図である。
同図に示すように、機関11の燃焼室12内に吸気弁1
3を介して基端側が連通する給気管14の先端には、エ
アクリーナエレメント15を収納するエアクリーナ16
が連結されている。このエアクリーナ16内には、機関
11の燃焼室12に対する吸入空気量を検出するカルマ
ン渦流量計等のエアフローセンサ17が組付けられ、こ
のエアフローセンサ17からの検出信号が電子制御装置
18に出力される。
機関と称す)及びその制御系を示す概略構成図である。
同図に示すように、機関11の燃焼室12内に吸気弁1
3を介して基端側が連通する給気管14の先端には、エ
アクリーナエレメント15を収納するエアクリーナ16
が連結されている。このエアクリーナ16内には、機関
11の燃焼室12に対する吸入空気量を検出するカルマ
ン渦流量計等のエアフローセンサ17が組付けられ、こ
のエアフローセンサ17からの検出信号が電子制御装置
18に出力される。
【0003】前記給気管14の途中には、図示しないア
クセルペダルの操作に連動して給気管14に形成された
給気通路19の開度を変化させ、燃焼室12内に供給さ
れる吸入空気量を調整するスロットル弁20が組み付け
られており、このスロットル弁20には当該スロットル
弁20の開度を検出して前記電子制御装置18に出力す
るスロットル開度センサ21が組み付けられている。ス
ロットル弁20の上流側と下流側とで両端が給気通路1
9に連通するバイパス通路22には、このバイパス通路
22の開度を調整し得る針状弁23が設けられ、この針
状弁23には前記電子制御装置18によって制御される
ソレノイド24が連結されている。また、針状弁23と
バイパス通路22を形成するバイパス管25との間に
は、バイパス通路22を塞ぐように針状弁23を付勢す
る圧縮コイルばね26が介装されている。
クセルペダルの操作に連動して給気管14に形成された
給気通路19の開度を変化させ、燃焼室12内に供給さ
れる吸入空気量を調整するスロットル弁20が組み付け
られており、このスロットル弁20には当該スロットル
弁20の開度を検出して前記電子制御装置18に出力す
るスロットル開度センサ21が組み付けられている。ス
ロットル弁20の上流側と下流側とで両端が給気通路1
9に連通するバイパス通路22には、このバイパス通路
22の開度を調整し得る針状弁23が設けられ、この針
状弁23には前記電子制御装置18によって制御される
ソレノイド24が連結されている。また、針状弁23と
バイパス通路22を形成するバイパス管25との間に
は、バイパス通路22を塞ぐように針状弁23を付勢す
る圧縮コイルばね26が介装されている。
【0004】かくして、この圧縮コイルばね26のばね
力に抗して電子制御装置18によりソレノイド24がデ
ューティ駆動されると、運転者によるアクセルペダルの
操作とは関係なく、針状弁23の開弁時間が制御され、
バイパス通路22を介して燃焼室12内へ空気が吸い込
まれるようになっている。これらバイパス通路22や針
状弁23は、機関11のアイドリング時に可能な限り機
関11の回転数を落として燃費を向上させる目的のもの
である。
力に抗して電子制御装置18によりソレノイド24がデ
ューティ駆動されると、運転者によるアクセルペダルの
操作とは関係なく、針状弁23の開弁時間が制御され、
バイパス通路22を介して燃焼室12内へ空気が吸い込
まれるようになっている。これらバイパス通路22や針
状弁23は、機関11のアイドリング時に可能な限り機
関11の回転数を落として燃費を向上させる目的のもの
である。
【0005】一方、排気弁27を介して機関11の燃焼
室12に連通する排気通路28を形成した排気管29に
は、燃焼室12から送り出されて来る排気ガス中の酸素
濃度を検出するO2 センサ30が排気通路28に臨んだ
状態で組み付けられている。このO2 センサ30からの
検出信号は、電子制御装置18に出力されるようになっ
ており、電子制御装置18はO2 センサ30からの検出
信号に基づいて燃料供給量を補正するようになってい
る。
室12に連通する排気通路28を形成した排気管29に
は、燃焼室12から送り出されて来る排気ガス中の酸素
濃度を検出するO2 センサ30が排気通路28に臨んだ
状態で組み付けられている。このO2 センサ30からの
検出信号は、電子制御装置18に出力されるようになっ
ており、電子制御装置18はO2 センサ30からの検出
信号に基づいて燃料供給量を補正するようになってい
る。
【0006】前記吸気通路19の下流端側には、機関1
1の燃焼室12内へ図示しない燃料を吹き出す燃料噴射
装置の燃料噴射ノズル31が設けられ、前記電子制御装
置18によりデューティ制御される電磁弁32を介して
燃料が燃料噴射ノズル31に供給される。つまり、電磁
弁32の開弁時間を制御することで燃焼室12に対する
燃料の供給量が調整され、所定の空燃比となって燃焼室
12内で点火プラグ33により点火されるようになって
いる。
1の燃焼室12内へ図示しない燃料を吹き出す燃料噴射
装置の燃料噴射ノズル31が設けられ、前記電子制御装
置18によりデューティ制御される電磁弁32を介して
燃料が燃料噴射ノズル31に供給される。つまり、電磁
弁32の開弁時間を制御することで燃焼室12に対する
燃料の供給量が調整され、所定の空燃比となって燃焼室
12内で点火プラグ33により点火されるようになって
いる。
【0007】なお、前記電子制御装置18にはクランク
角センサ34からの検出信号も出力され、これに基づい
て電子制御装置18は機関11の回転数Nを演算し、更
にこの回転数Nと前述したエアフローセンサ17からの
検出信号とから機関11に対する空気充填効率A/N
(機関11の1ストローク当りの吸入空気量)を算出す
る。
角センサ34からの検出信号も出力され、これに基づい
て電子制御装置18は機関11の回転数Nを演算し、更
にこの回転数Nと前述したエアフローセンサ17からの
検出信号とから機関11に対する空気充填効率A/N
(機関11の1ストローク当りの吸入空気量)を算出す
る。
【0008】上記機関11の燃焼室12内に吸入される
燃料量は、燃料噴射ノズル31により噴射される燃料量
により規定され、この燃料量は、種々の運転条件に基づ
き電子制御装置18が設定した基準燃料噴射量となるよ
うに電磁弁32の開弁時間を制御することにより規定さ
れる。かくして、排ガス中の有害成分を可及的に低減し
た空燃比での機関11の運転を実現している。
燃料量は、燃料噴射ノズル31により噴射される燃料量
により規定され、この燃料量は、種々の運転条件に基づ
き電子制御装置18が設定した基準燃料噴射量となるよ
うに電磁弁32の開弁時間を制御することにより規定さ
れる。かくして、排ガス中の有害成分を可及的に低減し
た空燃比での機関11の運転を実現している。
【0009】上述の如き従来技術に係る燃料噴射方式に
おいて、加速時には次の演算式に基づき基準燃料噴射量
に加算する加速増量Tacc1を決定している。
おいて、加速時には次の演算式に基づき基準燃料噴射量
に加算する加速増量Tacc1を決定している。
【0010】 Tacc1=Kinj ・Kacc 〔WT〕・Kacc 〔NE〕・DA/N Kinj :A/Nに基づく量を燃料噴射ノズル31の駆動
時間に変換するための係数 Kacc 〔WT〕:水温補正係数 Kacc 〔NE〕:回転補正係数 DA/N:ΔA/Nをテーリング処理したもの DA/N=max{ΔA/N(n) 、Ktail〔WT〕・ΔA/N(n-1) } ΔA/N(n) :1吸気工程(ピストンが上死点から下死
点に至る迄)のA/Nの変化量 ΔA/N(n) =A/N(n) −A/N(n-1) Ktail〔WT〕:加速増量テーリング係数
時間に変換するための係数 Kacc 〔WT〕:水温補正係数 Kacc 〔NE〕:回転補正係数 DA/N:ΔA/Nをテーリング処理したもの DA/N=max{ΔA/N(n) 、Ktail〔WT〕・ΔA/N(n-1) } ΔA/N(n) :1吸気工程(ピストンが上死点から下死
点に至る迄)のA/Nの変化量 ΔA/N(n) =A/N(n) −A/N(n-1) Ktail〔WT〕:加速増量テーリング係数
【0011】上述の量のうちKacc 〔WT〕、K
acc 〔NE〕、Ktail〔WT〕は、電子制御装置18に
記憶している図6(a),(b),(c)に示すマップ
に基づき、水温、もしくは回転数により決定する。
acc 〔NE〕、Ktail〔WT〕は、電子制御装置18に
記憶している図6(a),(b),(c)に示すマップ
に基づき、水温、もしくは回転数により決定する。
【0012】また、減速減量Tdec1は加速増量Tacc1に
対し符号が逆になるだけで演算方法は何ら変わることが
ないので説明を省略する。このときには、図6(d),
(e),(f)に示すマップを用いる。
対し符号が逆になるだけで演算方法は何ら変わることが
ないので説明を省略する。このときには、図6(d),
(e),(f)に示すマップを用いる。
【0013】上記加速増量Tacc1を演算する電子制御装
置18は、先ずスロットル開度TH の変化に伴なう1吸
気工程における空気充填効率A/Nの変化量であるΔA
/Nを求め、前回のサンプリング時のΔA/N(n-1) に
加速増量テーリング係数Kta ilを乗じた値と今回のサン
プリング時のΔA/N(n) とを比較し、大きい方の値を
選択してΔA/Nをテーリング処理した値であるDA/
Nを求め、このDA/Nに所定の係数(Kinj 、Kacc
〔WT〕、Kacc 〔NE〕)を乗じる(図7(a)〜図
7(d)参照)。
置18は、先ずスロットル開度TH の変化に伴なう1吸
気工程における空気充填効率A/Nの変化量であるΔA
/Nを求め、前回のサンプリング時のΔA/N(n-1) に
加速増量テーリング係数Kta ilを乗じた値と今回のサン
プリング時のΔA/N(n) とを比較し、大きい方の値を
選択してΔA/Nをテーリング処理した値であるDA/
Nを求め、このDA/Nに所定の係数(Kinj 、Kacc
〔WT〕、Kacc 〔NE〕)を乗じる(図7(a)〜図
7(d)参照)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き従来技術に
係る燃料噴射方式においては、基本的にはA/Nの微分
値であるΔA/Nに基づくものの、特に冷態では、それ
だけでは充分ではないので、テーリングをかけて加速増
量Tacc を決定している。かかる燃料噴射方式により、
加速フィーリングは、ほぼ満足できる程度にマッチング
できるが、HCのより一層の低減を目的とする場合等に
おいて、過渡時の空燃比A/Fをより厳密に設定すると
なると充分であるとはいい難いものとなってきた。
係る燃料噴射方式においては、基本的にはA/Nの微分
値であるΔA/Nに基づくものの、特に冷態では、それ
だけでは充分ではないので、テーリングをかけて加速増
量Tacc を決定している。かかる燃料噴射方式により、
加速フィーリングは、ほぼ満足できる程度にマッチング
できるが、HCのより一層の低減を目的とする場合等に
おいて、過渡時の空燃比A/Fをより厳密に設定すると
なると充分であるとはいい難いものとなってきた。
【0015】さらに詳言すると、図8は、水温=30
℃、エンジン回転数=1500rpm 、スロットルスピー
ド=約100ms/0.6Vとした場合の前記従来技術の
燃料噴射方式におけるA/Fの挙動を調べた結果を示す
特性図であるが、同図のA/F特性を参照すれば明らか
な通り、前記従来技術においては、初期にリッチスパイ
ク(斜線部)を有し、その後にリーンシフト(斜線部
)が続くことが分かる。このリーンシフトにより、一
時的にEngine−out −HCは低下しているが、ベースA
/Fを現行よりリーン設定すると失火やサグを生起する
虞がある。
℃、エンジン回転数=1500rpm 、スロットルスピー
ド=約100ms/0.6Vとした場合の前記従来技術の
燃料噴射方式におけるA/Fの挙動を調べた結果を示す
特性図であるが、同図のA/F特性を参照すれば明らか
な通り、前記従来技術においては、初期にリッチスパイ
ク(斜線部)を有し、その後にリーンシフト(斜線部
)が続くことが分かる。このリーンシフトにより、一
時的にEngine−out −HCは低下しているが、ベースA
/Fを現行よりリーン設定すると失火やサグを生起する
虞がある。
【0016】希望としては、空燃比の特性をもっとフラ
ットにしたいのであるが、思うような特性が得られない
のが実情である。
ットにしたいのであるが、思うような特性が得られない
のが実情である。
【0017】そこで、噴射された燃料が燃焼室12内に
吸入される態様を詳細に分析し、明確に理解した上で加
減速時にどれだけの燃料をどの様に噴射すべきかという
ことを決める必要がでてきた。
吸入される態様を詳細に分析し、明確に理解した上で加
減速時にどれだけの燃料をどの様に噴射すべきかという
ことを決める必要がでてきた。
【0018】燃料の噴射量を急激に増加させたときにど
の様な応答を示すかということは、多くの研究者が研究
しているが、今までは次の様に考えられてきた。
の様な応答を示すかということは、多くの研究者が研究
しているが、今までは次の様に考えられてきた。
【0019】すなわち、燃料を急激に増やすと、その何
割かが、すぐに燃焼室12内に吸入され、その後ゆっく
りと吸入量が増加する。換言すると、燃料は、最初にあ
る程度の量が吸入されるが、後は一次遅れの応答を示す
と考えられている。これは、図9に示すように、燃料中
の、沸点の低い、比較的蒸発し易い成分は、噴射後、吸
気弁13の裏側や壁面に付着しても直ちに蒸発する(図
9中の初期応答参照)結果、その直後の吸気工程で燃焼
室12に吸入されるのに対し、後に残った沸点の高い、
なかなか蒸発しない成分は、時間の経過とともに蒸発量
が増大し、一次遅れで徐々に輸送される(図9中の一次
遅れ応答参照)と推定されるからである。
割かが、すぐに燃焼室12内に吸入され、その後ゆっく
りと吸入量が増加する。換言すると、燃料は、最初にあ
る程度の量が吸入されるが、後は一次遅れの応答を示す
と考えられている。これは、図9に示すように、燃料中
の、沸点の低い、比較的蒸発し易い成分は、噴射後、吸
気弁13の裏側や壁面に付着しても直ちに蒸発する(図
9中の初期応答参照)結果、その直後の吸気工程で燃焼
室12に吸入されるのに対し、後に残った沸点の高い、
なかなか蒸発しない成分は、時間の経過とともに蒸発量
が増大し、一次遅れで徐々に輸送される(図9中の一次
遅れ応答参照)と推定されるからである。
【0020】ところが、上述の推定が正しければ、前記
従来技術に係る燃料噴射方式の如く、空気量の増大に対
応させて燃料噴射量を急激に増加させテーリングをかけ
るということでほぼ良好な結果が得られるはずである
が、現実には図8に示した通りの結果しか得られない。
従来技術に係る燃料噴射方式の如く、空気量の増大に対
応させて燃料噴射量を急激に増加させテーリングをかけ
るということでほぼ良好な結果が得られるはずである
が、現実には図8に示した通りの結果しか得られない。
【0021】本発明は、上記従来技術に鑑み、加減速時
においても精度の高い空燃比制御を実現し得る内燃機関
の加減速時の燃料噴射方式を提供することを目的とす
る。
においても精度の高い空燃比制御を実現し得る内燃機関
の加減速時の燃料噴射方式を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明においては、噴射した燃料の挙動に対する前述の如き
従来の考えに対し、次の様な仮説を立ててその対策を考
えてみた。
明においては、噴射した燃料の挙動に対する前述の如き
従来の考えに対し、次の様な仮説を立ててその対策を考
えてみた。
【0023】燃料中の沸点の低い成分であっても、噴射
から数msecというような短時間で一度に全部が蒸発する
とは考えられない。特に冷態になると、沸点の高い成分
に較べて時間としては短かいが、それ程すぐには蒸発せ
ずに少しづつ蒸発していくのではないかと推定される。
もし、そうだとすれば、燃料の噴射量を急激に増加して
も、応答としては徐々に輸送される。すなわち、図10
に示すように、低沸点成分は割と早く輸送量が増大し
(図10中の初期応答参照)、その後遅れて高沸点成分
が長い時定数で徐々に輸送される(図10中の一次遅れ
応答参照)というような特性を有するのではないかと考
えた。そこで、加速時には、最初に急激に噴射量を増大
させて燃料を噴射しておき、早目に一回、噴射量を低減
し、その後徐々に燃料の噴射量を低減していくというよ
うに、単にテーリングをかけるのではなく、2段折れ特
性をもたせるのが望ましいのではないかという点に思い
至った。
から数msecというような短時間で一度に全部が蒸発する
とは考えられない。特に冷態になると、沸点の高い成分
に較べて時間としては短かいが、それ程すぐには蒸発せ
ずに少しづつ蒸発していくのではないかと推定される。
もし、そうだとすれば、燃料の噴射量を急激に増加して
も、応答としては徐々に輸送される。すなわち、図10
に示すように、低沸点成分は割と早く輸送量が増大し
(図10中の初期応答参照)、その後遅れて高沸点成分
が長い時定数で徐々に輸送される(図10中の一次遅れ
応答参照)というような特性を有するのではないかと考
えた。そこで、加速時には、最初に急激に噴射量を増大
させて燃料を噴射しておき、早目に一回、噴射量を低減
し、その後徐々に燃料の噴射量を低減していくというよ
うに、単にテーリングをかけるのではなく、2段折れ特
性をもたせるのが望ましいのではないかという点に思い
至った。
【0024】では、実際、どの様にして加速増量を演算
するかという点について考察する。前述の従来技術のよ
うに、ΔA/Nにテーリングをかける方式であっても、
加速初期については良好に適用し得る。そこで、加速の
前半の部分、すなわち初期の応答は、従来技術と同様に
ΔA/N+テーリングでマッチングしておいて、後半の
ゆっくりした長い時間の応答に関しては別の演算法で補
正量を決めてやれば良い。別の演算法とは、燃料量が増
えたとき、燃料の輸送量は一次遅れで増大するので、噴
射した燃料量と輸送量との差が輸送されずに壁面等に付
着して損失量になっていると考えてこれに比例した量を
初期補正量に加算する。つまり、加速増量Tacc2=初期
応答の補正量(従来の補正量)+一次遅れ応答の補正量
(付着補正量)とする。
するかという点について考察する。前述の従来技術のよ
うに、ΔA/Nにテーリングをかける方式であっても、
加速初期については良好に適用し得る。そこで、加速の
前半の部分、すなわち初期の応答は、従来技術と同様に
ΔA/N+テーリングでマッチングしておいて、後半の
ゆっくりした長い時間の応答に関しては別の演算法で補
正量を決めてやれば良い。別の演算法とは、燃料量が増
えたとき、燃料の輸送量は一次遅れで増大するので、噴
射した燃料量と輸送量との差が輸送されずに壁面等に付
着して損失量になっていると考えてこれに比例した量を
初期補正量に加算する。つまり、加速増量Tacc2=初期
応答の補正量(従来の補正量)+一次遅れ応答の補正量
(付着補正量)とする。
【0025】上記知見を基礎とする本発明の構成は、
【0026】加減速時、種々の運転条件に基づいて設定
された基準燃料噴射量に加速増量を加算して燃料を噴射
するか、若しくは前記基準燃料噴射量から減速減量を減
算して燃料を噴射するようになっている内燃機関の加減
速時の燃料噴射方式において、前記加速増量及び減速減
量は、空気充填効率の変化率に基づく加減速増減量に、
空気充填効率と、実際に燃焼室内に吸入される燃料量で
ある燃料輸送量を考慮した量との差で表わされる燃料付
着量を考慮した量を加算した量としたことを特徴とす
る。
された基準燃料噴射量に加速増量を加算して燃料を噴射
するか、若しくは前記基準燃料噴射量から減速減量を減
算して燃料を噴射するようになっている内燃機関の加減
速時の燃料噴射方式において、前記加速増量及び減速減
量は、空気充填効率の変化率に基づく加減速増減量に、
空気充填効率と、実際に燃焼室内に吸入される燃料量で
ある燃料輸送量を考慮した量との差で表わされる燃料付
着量を考慮した量を加算した量としたことを特徴とす
る。
【0027】
【作用】上記構成の本発明によれば、加減速の初期で
は、従来と同様に空気充填効率A/Nの変化量に主に基
づき補正量を増減した燃料が噴射されるとともに、後半
では噴射した燃料の付着量に主に基づく補正量を増減し
た燃料が噴射される。
は、従来と同様に空気充填効率A/Nの変化量に主に基
づき補正量を増減した燃料が噴射されるとともに、後半
では噴射した燃料の付着量に主に基づく補正量を増減し
た燃料が噴射される。
【0028】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。
明する。
【0029】本実施例に係る燃料噴射方式において、加
速時には次の演算式に基づき基準燃料噴射量に加算する
加速増量Tacc2を決定している。減速時には同演算式に
基づき求めた減速減量Tdec2を基本燃料噴射量から減ず
るだけで演算方法そのものは同様であるので、以下の説
明は加速時のみについて行なう。
速時には次の演算式に基づき基準燃料噴射量に加算する
加速増量Tacc2を決定している。減速時には同演算式に
基づき求めた減速減量Tdec2を基本燃料噴射量から減ず
るだけで演算方法そのものは同様であるので、以下の説
明は加速時のみについて行なう。
【0030】 Tacc2=Kinj ・Kacc〔WT〕・{Kacc〔NE〕・DA/N+ΔA・ Nf } =(従来のTacc )+(Kinj・Kacc〔WT〕・ΔA/Nf ) ΔA/Nf =A/N−A/Nf A/Nf =Kf〔WT〕・A/Nf (n-1) +(1−Kf〔WT〕)・A/N(n) ΔA/Nf :燃料付着量パラメータ A/Nf :燃料輸送量パラメータ Kf :燃料輸送一次遅れ係数
【0031】上述の量のうちKf は、電子制御装置18
に記憶している図6(g)に示すマップにより水温に基
づき決定する。Kacc 〔WT〕、Kacc 〔NE〕、K
tail〔WT〕は、従来技術と同様に水温、もしくは回転
数により決定する。
に記憶している図6(g)に示すマップにより水温に基
づき決定する。Kacc 〔WT〕、Kacc 〔NE〕、K
tail〔WT〕は、従来技術と同様に水温、もしくは回転
数により決定する。
【0032】本実施例に係る加速増量Tacc2を演算する
電子制御装置18は、従来と同様の演算により求めた初
期の応答の補正量である従来の加速増量Tacc1に一次遅
れ応答の補正量(Kinj ・Kacc 〔WT〕・ΔA/
Nf )を加算したものである。この一次遅れ応答の補正
量は、スロットル開度TH の変化に伴なう空気充填効率
A/Nと、燃料の輸送量を模擬した前回のサンプリング
時における燃料輸送パラメータA/Nf (n-1) とに基づ
き今回サンプリング時の燃料輸送量パラメータA/Nf
を求め、次にA/NとA/Nf との差である燃料付着量
パラメータΔA/N f を求めてこのΔA/Nf に所定の
係数Kinj 及びKacc 〔WT〕を乗じるとにより求める
(図1(a)〜図1(d)参照)。
電子制御装置18は、従来と同様の演算により求めた初
期の応答の補正量である従来の加速増量Tacc1に一次遅
れ応答の補正量(Kinj ・Kacc 〔WT〕・ΔA/
Nf )を加算したものである。この一次遅れ応答の補正
量は、スロットル開度TH の変化に伴なう空気充填効率
A/Nと、燃料の輸送量を模擬した前回のサンプリング
時における燃料輸送パラメータA/Nf (n-1) とに基づ
き今回サンプリング時の燃料輸送量パラメータA/Nf
を求め、次にA/NとA/Nf との差である燃料付着量
パラメータΔA/N f を求めてこのΔA/Nf に所定の
係数Kinj 及びKacc 〔WT〕を乗じるとにより求める
(図1(a)〜図1(d)参照)。
【0033】上述の如き加速増量Tacc2を用いる燃料噴
射方式を実現する電子制御装置18における加減速時の
処理フローを図2に基づき詳説する。
射方式を実現する電子制御装置18における加減速時の
処理フローを図2に基づき詳説する。
【0034】1) クランクタイミング割込ルーチンに伴
ない空気充填効率A/N(n) を計算し、その結果をRA
Mに設定する。
ない空気充填効率A/N(n) を計算し、その結果をRA
Mに設定する。
【0035】2) 噴射した燃料が燃焼室12内に輸送さ
れる状態を模擬した量である燃料輸送量パラメータA/
Nf (n) =Kf 〔WT〕・A/Nf (n-1)+(1−Kf 〔W
T〕)・A/N(n) を計算し、その結果をRAMに設定
する。
れる状態を模擬した量である燃料輸送量パラメータA/
Nf (n) =Kf 〔WT〕・A/Nf (n-1)+(1−Kf 〔W
T〕)・A/N(n) を計算し、その結果をRAMに設定
する。
【0036】3) 基本燃料噴射量の燃料を噴射する時間
である基本駆動時間Tbase=Kinj ・A/N(n) を計算
し、その結果をRAMに設定する。
である基本駆動時間Tbase=Kinj ・A/N(n) を計算
し、その結果をRAMに設定する。
【0037】4) 1吸気工程のA/Nの変化量であるΔ
A/N=A/N(n) −A/N (n-1)を求め、前回サンプ
リング時のΔA/N(n-1) にテーリング係数Ktailを乗
じた値=Ktail・ΔA/N(n-1) と比較して絶対値が大
きい方の値をRAMに設定する。
A/N=A/N(n) −A/N (n-1)を求め、前回サンプ
リング時のΔA/N(n-1) にテーリング係数Ktailを乗
じた値=Ktail・ΔA/N(n-1) と比較して絶対値が大
きい方の値をRAMに設定する。
【0038】すなわち、次式に基づく処理を行なう。 DA/Nacc (n) =max{A/N(n) −A/N(n-1) 、 Katail 〔WT〕・ΔA/Nacc (n-1) } DA/Ndec (n) =max{A/N(n) −A/N(n-1) 、 Kdtail 〔WT〕・A/Ndec (n-1) }
【0039】上式中、DA/Nacc 、Katail 〔WT〕
及びΔA/Nacc は加速時のDA/N、Ktail〔WT〕
及びΔA/Nをそれぞれ表わし、DA/Ndec 、K
dtail 〔WT〕及びΔA/Ndec は減速時のDA/N、
Ktail〔WT〕及びΔA/Nをそれぞれ表わす。また、
加速時であることはA/N(n) −A/N(n-1) の正負で
判定し、正である加速時にはDA/Ndec (n) =0とR
AMに設定し、負である減速時にはDA/Nacc (n) =
0とRAMに設定する。
及びΔA/Nacc は加速時のDA/N、Ktail〔WT〕
及びΔA/Nをそれぞれ表わし、DA/Ndec 、K
dtail 〔WT〕及びΔA/Ndec は減速時のDA/N、
Ktail〔WT〕及びΔA/Nをそれぞれ表わす。また、
加速時であることはA/N(n) −A/N(n-1) の正負で
判定し、正である加速時にはDA/Ndec (n) =0とR
AMに設定し、負である減速時にはDA/Nacc (n) =
0とRAMに設定する。
【0040】5) 燃料付着量パラメータΔA/Nf を計
算する。
算する。
【0041】すなわち、A/N(n) >A/Nf (n) のと
き、ΔA/Nfacc=A/N(n) −A/Nf (n)、ΔA/
Nfdec=0をRAMに設定し、
き、ΔA/Nfacc=A/N(n) −A/Nf (n)、ΔA/
Nfdec=0をRAMに設定し、
【0042】A/N(n) <A/Nf (n) のとき、ΔA/
Nfdec=A/Nf (n) −A/N(n) ・ΔA/Nfacc=0
をRAMに設定する。
Nfdec=A/Nf (n) −A/N(n) ・ΔA/Nfacc=0
をRAMに設定する。
【0043】上式中、ΔA/Nfaccは加速時のΔA/N
f 、ΔA/Nfdecは減速時のΔA/Nf である。
f 、ΔA/Nfdecは減速時のΔA/Nf である。
【0044】6) 過渡補正用空気量データdA/Nを計
算する。
算する。
【0045】すなわち、加速時には、dA/Nacc =Δ
A/Nfacc+Kacc 〔NE〕・DA/Nacc (n) をRA
Mに設定する。
A/Nfacc+Kacc 〔NE〕・DA/Nacc (n) をRA
Mに設定する。
【0046】減速時には、dA/Ndec =ΔA/Nfdec
+Kdec 〔NE〕・DA/Ndec (n) をRAMに設定す
る。
+Kdec 〔NE〕・DA/Ndec (n) をRAMに設定す
る。
【0047】また、ΔA/Nacc (n) <XDEADで、
且つΔA/Ndec (n) <XDEADのときにはdA/N
acc =0、dA/Ndec =0をRAMに設定する。
且つΔA/Ndec (n) <XDEADのときにはdA/N
acc =0、dA/Ndec =0をRAMに設定する。
【0048】上式中、dA/Nacc は加速時のdA/
N、dA/Ndec は減速時のdA/N、XDEADは不
感帯の上限値である。
N、dA/Ndec は減速時のdA/N、XDEADは不
感帯の上限値である。
【0049】7) 過渡補正用空気量データdA/Nに基
づき燃料噴射ノズル31から噴射する燃料の量を制御す
る電磁弁32の駆動時間の過渡補正量である加減速増減
量T acc2、Tdec2を計算する。
づき燃料噴射ノズル31から噴射する燃料の量を制御す
る電磁弁32の駆動時間の過渡補正量である加減速増減
量T acc2、Tdec2を計算する。
【0050】すなわちdA/Nacc >dA/Ndec のと
き、Tacc2=Kinj ・Kacc 〔WT〕・(dA/Nacc
- dA/Ndec ) 、Tdec2=0をRAMに設定する。
き、Tacc2=Kinj ・Kacc 〔WT〕・(dA/Nacc
- dA/Ndec ) 、Tdec2=0をRAMに設定する。
【0051】dA/Nacc <dA/Ndec のとき、T
acc2=0、Tdec2=Kinj ・ Kdec 〔WT〕・(dA/N
dec −dA/Nacc )をRAMに設定する。
acc2=0、Tdec2=Kinj ・ Kdec 〔WT〕・(dA/N
dec −dA/Nacc )をRAMに設定する。
【0052】8) 電磁弁32の駆動時間Tinj を計算す
る。すなわち、Tinj =Tbase+T acc2−Tdec2を計算
する。9)前記駆動時間Tinj に基づき電磁弁32を制
御して燃料噴射ノズル31から燃料を噴射させる。
る。すなわち、Tinj =Tbase+T acc2−Tdec2を計算
する。9)前記駆動時間Tinj に基づき電磁弁32を制
御して燃料噴射ノズル31から燃料を噴射させる。
【0053】上記実施例によれば、加減速の初期では、
従来と同様に空気充填効率A/Nの変化に主に基づく補
正量を増減した燃料が噴射されるとともに、後半では噴
射した燃料の付着量に主に基づく補正量を増減した燃料
が噴射される。
従来と同様に空気充填効率A/Nの変化に主に基づく補
正量を増減した燃料が噴射されるとともに、後半では噴
射した燃料の付着量に主に基づく補正量を増減した燃料
が噴射される。
【0054】図3は図8に示す従来技術と同一条件にお
いて、前記実施例を適用した場合のA/Fの挙動を調べ
た結果を示す特性図であるが、同図のA/F特性を参照
すれば明らかな通り、均一で安定したA/F特性が得ら
れていることが分かる。
いて、前記実施例を適用した場合のA/Fの挙動を調べ
た結果を示す特性図であるが、同図のA/F特性を参照
すれば明らかな通り、均一で安定したA/F特性が得ら
れていることが分かる。
【0055】なお、図3中、HCは従来技術に較べ然程
良好な結果とはなっていないが、これは従来と同程度の
A/Fで機関11を駆動したためである。本実施例によ
れば、A/F特性が安定しているので、従来の場合より
もさらにリーン側で駆動することができ、この場合には
大幅にHCを低減し得る。
良好な結果とはなっていないが、これは従来と同程度の
A/Fで機関11を駆動したためである。本実施例によ
れば、A/F特性が安定しているので、従来の場合より
もさらにリーン側で駆動することができ、この場合には
大幅にHCを低減し得る。
【0056】また、本実施例は加速増量Tacc2と減速減
量Tdec2とを常時算出し、両者の差で過渡補正をするよ
うにしたので、例えば加速増量中に減速を開始すると前
条件による空燃比A/Fの挙動差も抑制し得る。
量Tdec2とを常時算出し、両者の差で過渡補正をするよ
うにしたので、例えば加速増量中に減速を開始すると前
条件による空燃比A/Fの挙動差も抑制し得る。
【0057】さらに詳言すると、従来技術においては、
例えば減速前の高負荷運転が長時間に亘る場合と、短時
間の場合とでは同じ減速をしても空燃費A/Fの挙動が
異なることが判明した。すなわち、長時間の高負荷運転
後の減速では、空燃比A/Fがリッチ側に移動するのに
対し、短時間の高負荷運転後の減速では、空燃比がリー
ン側に移動する。これは、長時間の高負荷運転では付着
燃料が多い状態で平衡状態となっているので要求される
減速減量Tdec2も多く、短時間の高負荷運転では付着燃
料膜が成長過程にあり、平衡状態にまで達していないた
め、要求される減速減量Tdec2も少ないためであると推
測されるのに対し、従来技術に係る燃料噴射方式では、
吸入空気量の変化に伴なうA/Nの変化量ΔA/Nに基
づき減速減量Tdec2を決定しており、ΔA/Nが同じで
あれば前条件の如何にかかわらず同量の減速減量が行な
われ、しかも加速増量発生中に減速条件が成立した場
合、加速増量を停止して減速減量を行なっていたからで
ある。
例えば減速前の高負荷運転が長時間に亘る場合と、短時
間の場合とでは同じ減速をしても空燃費A/Fの挙動が
異なることが判明した。すなわち、長時間の高負荷運転
後の減速では、空燃比A/Fがリッチ側に移動するのに
対し、短時間の高負荷運転後の減速では、空燃比がリー
ン側に移動する。これは、長時間の高負荷運転では付着
燃料が多い状態で平衡状態となっているので要求される
減速減量Tdec2も多く、短時間の高負荷運転では付着燃
料膜が成長過程にあり、平衡状態にまで達していないた
め、要求される減速減量Tdec2も少ないためであると推
測されるのに対し、従来技術に係る燃料噴射方式では、
吸入空気量の変化に伴なうA/Nの変化量ΔA/Nに基
づき減速減量Tdec2を決定しており、ΔA/Nが同じで
あれば前条件の如何にかかわらず同量の減速減量が行な
われ、しかも加速増量発生中に減速条件が成立した場
合、加速増量を停止して減速減量を行なっていたからで
ある。
【0058】これに対し、本実施例では、図4に示すよ
うに、加速増量中に減速を開始すると、従来よりも控え
目な減速減量となり、前条件の如何にかかわらず安定し
た空燃比A/F特性が得られる。
うに、加速増量中に減速を開始すると、従来よりも控え
目な減速減量となり、前条件の如何にかかわらず安定し
た空燃比A/F特性が得られる。
【0059】
【発明の効果】以上実施例とともに具体的に説明したよ
うに、本発明によれば、加減速時であっても安定した高
精度の空燃比制御を行なうことができる。したがって、
HCを低減するような駆動も可能となる。
うに、本発明によれば、加減速時であっても安定した高
精度の空燃比制御を行なうことができる。したがって、
HCを低減するような駆動も可能となる。
【図1】本発明の実施例に係る各量を示す特性図であ
る。
る。
【図2】本発明の実施例に係るフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る特性を示す特性図であ
る。
る。
【図4】本発明の実施例において、加速増量中に減速し
た場合の特性を示す特性図である。
た場合の特性を示す特性図である。
【図5】本発明の実施例を適用する内燃機関を示す概略
構成図である。
構成図である。
【図6】本発明の実施例で使用するマップを示す説明図
である。
である。
【図7】従来技術における各量を示す特性図である。
【図8】従来技術に係る特性を示す特性図である。
【図9】従来考えられていた燃料輸送特性を示すグラフ
である。
である。
【図10】本願発明の基礎となる燃料輸送特性を示すグ
ラフである。
ラフである。
【符号の説明】 A/N 空気充填効率 A/Nf 燃料輸送量パラメータ ΔA/Nf 燃料付着量パラメータ Tacc2 加速増量
Claims (1)
- 【請求項1】 加減速時、種々の運転条件に基づいて設
定された基準燃料噴射量に加速増量を加算して燃料を噴
射するか、若しくは前記基準燃料噴射量から減速減量を
減算して燃料を噴射するようになっている内燃機関の加
減速時の燃料噴射方式において、 前記加速増量及び減速減量は、空気充填効率の変化率に
基づく加減速増減量に、空気充填効率と、実際に燃焼室
内に吸入される燃料量である燃料輸送量を考慮した量と
の差で表わされる燃料付着量を考慮した量を加算した量
としたことを特徴とする内燃機関の加減速時の燃料噴射
方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26364691A JPH0599029A (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 内燃機関の加減速時の燃料噴射方式 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26364691A JPH0599029A (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 内燃機関の加減速時の燃料噴射方式 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0599029A true JPH0599029A (ja) | 1993-04-20 |
Family
ID=17392373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26364691A Withdrawn JPH0599029A (ja) | 1991-10-11 | 1991-10-11 | 内燃機関の加減速時の燃料噴射方式 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0599029A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5611315A (en) * | 1994-10-24 | 1997-03-18 | Nippondenso Co., Ltd. | Fuel supply amount control apparatus for internal combustion engine |
-
1991
- 1991-10-11 JP JP26364691A patent/JPH0599029A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5611315A (en) * | 1994-10-24 | 1997-03-18 | Nippondenso Co., Ltd. | Fuel supply amount control apparatus for internal combustion engine |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990107 |