JPH0597935A - ポリオレフインのグラフト化方法 - Google Patents

ポリオレフインのグラフト化方法

Info

Publication number
JPH0597935A
JPH0597935A JP29235091A JP29235091A JPH0597935A JP H0597935 A JPH0597935 A JP H0597935A JP 29235091 A JP29235091 A JP 29235091A JP 29235091 A JP29235091 A JP 29235091A JP H0597935 A JPH0597935 A JP H0597935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyolefin
grafting
concentration
organic solvent
containing monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29235091A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Araki
修 荒木
Kenichi Hirashiro
賢一 平城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Petrochemicals Co Ltd filed Critical Nippon Petrochemicals Co Ltd
Priority to JP29235091A priority Critical patent/JPH0597935A/ja
Publication of JPH0597935A publication Critical patent/JPH0597935A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイセンベルク効果を回避して溶解のための
攪拌を容易に行い、かつグラフト化率を高く維持するこ
とにより、効率的にポリオレフィンと官能基を含むモノ
マーとをグラフト化する方法を確立する。 【構成】 実質的にワイセンベルク効果が生じる濃度よ
りも低い濃度になるまで有機溶媒を加えてポリオレフィ
ンを溶解し、ワイセンベルク効果が生じる濃度よりも高
い濃度になるまで溶媒を除去して濃縮した後、グラフト
化反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】近年、ポリオレフィン等を改質
し、接着性、塗装性、親水性等を付与して付加価値を高
めることが数多く行われているが、その一つにグラフト
化を用いる方法がある。本発明は、ポリオレフィンに接
着性、塗装性、親水性等の機能を付与するために、官能
基を含むモノマーを効率よくグラフト化する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般的にポリオレフィンに官能基をグラ
フト化する方法としては、有機過酸化物の存在下で無溶
媒または溶媒を使用して行う方法が知られている。有機
溶媒にポリオレフィンを溶解するときにはワイセンベル
ク効果が発生する。図1にワイセンベルク効果の発生態
様を略示する。すなわち、ワイセンベルク効果は、粘弾
性液体の法線応力効果の一種で、定状ずり流動で弾性変
形部分が大きくなると、ずり応力の他に張力が流線方向
に発生し、これと垂直な方向に圧力を生ずる。例えば、
図示のような同心円筒形の丸底フラスコ1において、攪
拌羽根2を回転させると、液面3の中央部が攪拌軸4の
回りに押し上げられる。ポリオレフィンを溶解する場合
にも、ポリマー分子が完全に溶解された状態になってい
ない初期段階においては、ポリオレフィンが攪拌軸に巻
き付くように押し上げられて、溶液の攪拌が困難になる
という問題がある。ワイセンベルク効果が発生したと
き、同効果が消失するのを待ってグラフト化を行おうと
すれば、きわめて長い時間が必要となり、工業的に不利
であるばかりでなく、熱を加えてポリマーを溶解するよ
うな場合には、ポリマーが局部的に加熱されて変質や分
解を起こすこともある。また攪拌力を増して無理に攪拌
しようとしても十分な効果は上がらない。このため、溶
液法においてポリオレフィンをグラフト化する際には、
ワイセンベルク効果が発生しないようにポリオレフィン
を多量の溶媒に溶解することが望ましい。しかしなが
ら、これによりポリオレフィン濃度が低下するため、ワ
イセンベルク効果は生じないが、グラフト化率が低下す
るという問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、溶液法
によるポリオレフィンのグラフト化反応においては、 (1)ポリマー濃度が高いと、グラフト化率は高いが、
ワイセンベルク効果が発生して回転トルクが高くなり、
攪拌が困難になる。 (2)ポリマー濃度が低いと、ワイセンベルク効果は発
生せず攪拌は容易であるが、グラフト化率が低下する。 このように相反する事情が存在するため、本発明はこの
点を解決して効率のよいグラフト化方法を確立すること
を目的とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ワイセン
ベルク効果を回避して攪拌を容易に行い、かつグラフト
化率を高くする方法について鋭意検討した結果、有機溶
媒の存在下でポリオレフィンに官能基を含むモノマーを
グラフト化する際、実質的にワイセンベルク効果が生じ
る濃度よりも低い濃度になるまで、有機溶媒を加えてポ
リオレフィンを溶解し、前記ワイセンベルク効果が生じ
る濃度よりも高い濃度になるまで、得られた溶液から前
記有機溶媒を除去することによって濃縮した後、グラフ
ト化反応を行うことを特徴とするポリオレフィンのグラ
フト化方法に到達した。以下本発明について詳しく述べ
る。
【0005】本発明に用いるポリオレフィンとしては、
ポリエチレン; ポリブタジエン、エチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合
体ゴム、エチレン−ブテン−1共重合体ゴム等のオレフ
ィン系ゴム;エチレン−ビニルエステル共重合体、 エ
チレンとα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体と
の共重合体等のエチレン系共重合体;ポリプロピレン、
プロピレン−エチレン共重合体等のプロピレン系重合
体;ポリブテン系重合体;およびそれらの混合物などが
挙げられる。上記のエチレン−ビニルエステル共重合体
としては、高圧ラジカル重合法で製造される、エチレン
とプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビニ
ル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン
酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニル等のビニルエステル
単量体との共重合体が挙げられる。また、 エチレンと
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合
体としては、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重
合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共
重合体のほかそれらのアミド、イミド等が挙げられる。
これら共重合体の具体例としては、エチレン−アクリル
酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレ
ン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸
−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−
アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸グ
リシジル共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル
−アクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。これらの
共重合体は混合して使用してもよい。
【0006】本発明に用いる官能基を含むモノマーとし
ては、カルボン酸基、カルボン酸エステル基または酸無
水物含有モノマー、エポキシ含有モノマー、ヒドロキシ
ル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アルケニル
環状イミノエーテル誘導体、多官能モノマー、不飽和有
機チタネート化合物、不飽和有機シラン化合物から選ば
れた少なくとも1種が挙げられる。上記のうちカルボン
酸基、カルボン酸エステル基または酸無水物含有モノマ
ーとは、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、 イタ
コン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸;アクリル酸、
メタクリル酸、フラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ペ
ンテン酸等の不飽和モノカルボン酸; これらα,β−不
飽和ジカルボン酸または不飽和モノカルボン酸のエステ
ルおよび無水物が挙げられる。
【0007】エポキシ含有モノマーとしては、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モ
ノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリ
シジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエ
ステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステ
ル; α−クロロアリル、マレイン酸、 クロトン酸、フ
マール酸等のグリシジルエステル類;ビニルグリシジル
エーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルオキ
シエチルビニルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテルなどのグリシジルエーテル類;p−グリシジルス
チレン等が挙げられるが、特に好ましいものとしてはメ
タクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルを挙
げることができる。
【0008】ヒドロキシル基含有モノマーの例として
は、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、 2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、 ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げ
られる。
【0009】アミノ基含有モノマーとしては、ジメチル
アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエ
チルアミノエチルメタクリレート、ジブチルアミノエチ
ルアクリレート、ジブチルアミノエチルメタクリレート
等の三級アミノ基含有モノマーが挙げられる。
【0010】アルケニル環状イミノエーテル誘導体と
は、以下の構造式化1で表される化合物である。
【0011】
【化1】
【0012】ここで、nは1、2または3であり、好ま
しくは2または3、より好ましくは2である。また
1、R2、R3、RはC1〜C12の不活性なアルキル基ま
たは水素原子を示し、アルキル基には不活性な置換基が
あってもよい。ここでいう不活性とは、グラフト反応や
その生成物の機能に悪影響を及ぼさないことを意味す
る。またR1、R2、R3、Rはすべて同一である必要は
ない。 好ましくはR1、R2およびRは水素原子、R3
水素原子またはメチル基である。 すなわち、2−ビニ
ル−もしくは2−イソプロペニル−2−オキサゾリンま
たは2−ビニル−もしくは2−イソプロペニル−5,6
−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンである。これら
は単独でも混合物でもよい。この中でも特に2−ビニル
−または2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが好ま
しい。
【0013】多官能モノマーとしては、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート
等により代表される多官能性メタクリレートモノマー
類;ジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、
ジアリルフタレート、ビニルブチラート等に代表される
多官能性ビニルモノマー類;N,N'−m−フェニレンビ
スマレイミド、N,N'−エチレンビスマレイミドに代表
されるビスマレイミド類;p−キノンジオキシム等のジ
オキシム類などが挙げられる。
【0014】不飽和有機チタネート化合物としては、テ
トライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタ
ネート、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート、
チタンラクテートアンモニウム塩等が挙げられる。
【0015】不飽和有機シラン化合物としては、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリアセチルシラン、ビニルトリクロロシラン等が挙
げられる。
【0016】本発明における上記官能基を含むモノマー
の使用量は、ポリオレフィン100重量部に対して10
〜300重量部である。官能基を含むモノマーがこれよ
り少ないと付加量が少なすぎて発明の効果が得られず、
多い場合にはモノマー同士が重合を起こすおそれを生じ
るため、いずれも好ましくない。
【0017】反応の開始に当たっては、ラジカル発生剤
を反応開始剤として用いる方法が一般的であるが、使用
の有無については特に限定されるものではない。上記ラ
ジカル発生剤としては、例えばベンゾイルペルオキシ
ド、ラウリルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、t
−ブチルヒドロペルオキシド、 α,α−ビス(t−ブチ
ルペルオキシジイソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチ
ルペルオキシド、 2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘ
キシン等の有機過酸化物のほか、アゾビスイソブチロニ
トリル、 2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタ
ン、2,3−ジエチル−2,3−ジフェニルブタン、2,
3−ジエチル−2,3−ジ(p−メチルフェニル)ブタ
ン、 2,3−ジエチル−2,3−ジ(ブロモフェニル)ブ
タン等の化合物が好適に用いられる。ラジカル発生剤の
使用量は、ポリオレフィン100重量部に対して1〜1
5重量部、好ましくは3〜10重量部の範囲である。ラ
ジカル発生剤の量が1重量部未満では、実質的にラジカ
ル発生効果が発揮されない。また15重量部を超えて添
加しても、それ以上の効果を得ることが困難であると共
に、過度の分解あるいは架橋反応を起こすおそれがあ
る。
【0018】本発明で使用する溶媒は特に制限されない
が、反応開始剤や官能基を含むモノマーと反応を起こさ
ないものでなくてはならない。例えばトルエン、キシレ
ンなどのアルキルベンゼン類、シクロパラフィン類、デ
カリン類、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ
る。初期の溶媒の量としてはポリマー1g 当たり5ml
以上であり、 望ましくは6ml 以上、かつ10ml 以下
がよく、グラフト化反応の際には、ポリマー1g 当たり
5ml 未満に濃縮することが望ましい。初期の溶媒量が
ポリマー1g 当たり5ml 未満では、 ワイセンベルク効
果により攪拌が困難となる。 また10ml を超えて使用
しても、特に優れた効果が得られぬのみならず、グラフ
ト共重合前の溶媒除去量が増大するため好ましくない。
グラフト化反応を行う際の溶媒量がポリマー1g 当たり
5ml 以上では、 実質的にワイセンベルク効果は発生し
ないが、ポリマーのグラフト化率が低くなるため好まし
くない。溶解終了後、溶媒を除く方法としては、減圧に
より気化させて除く方法、不活性気体を流し溶媒を蒸発
させながら除去する方法、解放系により気体として除く
方法、カラムを通して吸着により溶媒を除去する方法
等、分子を破壊しない限りいかなる方法でも用いること
ができる。経済性、環境への影響等を考慮すれば、溶媒
は気体として除いた後に冷却して回収する方法が望まし
い。
【0019】以上のような操作の後にグラフト化反応を
開始する。本発明においては、官能基を含むモノマーお
よびラジカル発生剤は、溶媒を除く前に反応系に混合し
ても、後に混合しても、また反応中に混合してもよい。
更に複数回に分けて混合してもよい。反応終了後にグラ
フトポリマーを回収する方法としては、貧溶媒を用いて
再沈してもよく、溶媒を蒸発させてもよく、あるいは吸
着カラムを用いて分離するなど、いずれも用いることが
できる。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例により限定されるものではない。溶媒量の効果 1リットル の丸底フラスコにポリプロピレン(日本石
油化学(株)製 E110G 相当品)60g と表1に示す
量の溶媒を入れて、 マントルヒーターで加熱しなが
ら、 モーター(スリーワンモーター TYPE−600G、新東
科学(株)製)を用いて80rpm の回転数で攪拌し、図1
に示すワイセンベルク効果の有無を目視により調べた。
結果を表1に示すが、 ポリプロピレン60g に対し溶
媒量が300ml 以上ではワイセンベルク効果が認めら
れなかった。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1 1リットルの丸底フラスコにキシレン(特級試薬、キシ
ダ化学(株)製)500ml、ポリプロピレン(日本石油化
学(株)製 E110G 相当品)60g および無水マレイ
ン酸(特級試薬、キシダ化学(株)製)21g を入れ、攪
拌しながらマントルヒーターで加熱する。十分にポリプ
ロピレンを溶解させた後、蒸留によりキシレンを250
ml 留出除去する。このとき無水マレイン酸も一部留出
するので、留出した量の無水マレイン酸を反応器に追加
する。次いで、液温度を140℃に保ちながら、キシレ
ン10g にジクミルペルオキシド(日本油脂(株)製)3
g を溶解した混合液を1時間を費やして滴下する。滴下
後、液温を140℃に2時間保ち、反応を完結させる。
反応完結後、液温を下げ、約60℃でアセトン(特級試
薬、キシダ化学(株)製)500ml を加え、 粗マレイン
化ポリプロピレンを析出させ、ろ過により回収する。こ
の粗マレイン化ポリプロピレンをアセトンで2回洗浄し
た後、乾燥し、無水マレイン酸の含有量と固有粘度を測
定した。結果を表2に示す。
【0023】実施例2、3 留出キシレン量をそれぞれ300ml、 350ml とした
ほかは実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
【0024】実施例4、5 反応溶媒をトルエン(特級試薬、キシダ化学(株)製)に
変えたほかは実施例2および3とそれぞれ同様に実施し
た。結果を表2に示す。
【0025】比較例1 キシレンを留出させなかった点を除き、実施例1と同様
に行った。結果を表2に示す。
【0026】比較例2 トルエンを留出させなかった点を除き、実施例4、5と
同様に行った。結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の方法を用いて、溶解時にワイセ
ンベルク効果により攪拌を妨げられることなく、しかも
高いグラフト化率で、ポリオレフィンと官能基を含むモ
ノマーとのグラフトポリマーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイセンベルク効果の発生の態様を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 丸底フラスコ 2 攪拌羽根 3 液面 4 攪拌軸
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ワイセン
ベルク効果を回避して攪拌を容易に行い、かつグラフト
化率を高くする方法について鋭意検討した結果、有機溶
媒の存在下でポリオレフィンに官能基を含むモノマーを
グラフト化する際、実質的にワイセンベルク効果が生じ
る濃度よりも低い濃度になるように、有機溶媒を加えて
ポリオレフィンを溶解し、前記ワイセンベルク効果が生
じる濃度よりも高い濃度になるまで、得られた溶液から
前記有機溶媒を除去することによって濃縮した後、グラ
フト化反応を行うことを特徴とするポリオレフィンのグ
ラフト化方法に到達した。以下本発明について詳しく述
べる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】追加
【補正内容】
【0022】実施例1 1リットルの丸底フラスコにキシレン(特級試薬、キシ
ダ化学(株)製)500ml、ポリプロピレン(日本石
油化学(株)製E110G 相当品)60gおよび無水
マレイン酸(特級試薬、キシダ化学(株)製)21gを
入れ、攪拌しながらマントルヒーターで加熱する。この
際にワイセンベルク効果は発生しなかった。十分にポリ
プロピレンを溶解させた後、蒸留によりキシレンを25
0ml留出除去する。このとき無水マレイン酸も一部留
出するので、留出した量の無水マレイン酸反応器に追加
する。 次いで、液温度を140℃に保ちながら、キシ
レン10gにジクミルペルオキシド(日本油脂(株)
製)3gを溶解した混合液を1時間を費やして滴下す
る。滴下後、液温を140℃に2時間保ち、反応を完結
させる。反応完結後、 液温を下げ、約60℃でアセト
ン(特級試薬、キシダ化学(株)製)500mlを加
え、粗マレイン化ポリプロピレンを析出させ、ろ過によ
り回収する。この粗マレイン化ポリプロピレンをアセト
ンで2回洗浄した後、乾燥し、無水マレイン酸の含有量
と固有粘度を測定した。結果を表2に示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒の存在下でポリオレフィンに官
    能基を含むモノマーをグラフト化する際、実質的にワイ
    センベルク効果が生じる濃度よりも低い濃度になるま
    で、有機溶媒を加えてポリオレフィンを溶解し、前記ワ
    イセンベルク効果が生じる濃度よりも高い濃度になるま
    で、得られた溶液から前記有機溶媒を除去することによ
    って濃縮した後、グラフト化反応を行うことを特徴とす
    るポリオレフィンのグラフト化方法。
  2. 【請求項2】 グラフト化反応時の有機溶媒量が、ポリ
    オレフィン1g 当たり5ml 未満である請求項1に記載
    のポリオレフィンのグラフト化方法。
  3. 【請求項3】 前記官能基を含むモノマーが、カルボン
    酸基、カルボン酸エステル基または酸無水物含有モノマ
    ー、エポキシ含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマ
    ー、アミノ基含有モノマー、アルケニル環状イミノエー
    テル誘導体、多官能モノマー、不飽和有機チタネート化
    合物、不飽和有機シラン化合物から選ばれた少なくとも
    1種である請求項1または2に記載のポリオレフィンの
    グラフト化方法。
JP29235091A 1991-10-11 1991-10-11 ポリオレフインのグラフト化方法 Pending JPH0597935A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29235091A JPH0597935A (ja) 1991-10-11 1991-10-11 ポリオレフインのグラフト化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29235091A JPH0597935A (ja) 1991-10-11 1991-10-11 ポリオレフインのグラフト化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0597935A true JPH0597935A (ja) 1993-04-20

Family

ID=17780665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29235091A Pending JPH0597935A (ja) 1991-10-11 1991-10-11 ポリオレフインのグラフト化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0597935A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995034019A1 (fr) * 1994-06-07 1995-12-14 Tomey Technology Corporation Matiere pour lentille ophtalmique et procede de production de cette lentille
US5789463A (en) * 1994-06-07 1998-08-04 Tomey Technology Corporation Ocular lens material and process for producing the same
JP2007209920A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Nagoya Institute Of Technology 大量培養用の酸素吸収効率の高い振とう容器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995034019A1 (fr) * 1994-06-07 1995-12-14 Tomey Technology Corporation Matiere pour lentille ophtalmique et procede de production de cette lentille
AU692555B2 (en) * 1994-06-07 1998-06-11 Tomey Technology Corporation Ophthalmic lens material and process for producing the same
US5789463A (en) * 1994-06-07 1998-08-04 Tomey Technology Corporation Ocular lens material and process for producing the same
JP2007209920A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Nagoya Institute Of Technology 大量培養用の酸素吸収効率の高い振とう容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020156144A1 (en) UV-curable, non-chlorinated adhesion promoters
EP2675837A1 (en) Isobutylene copolymer with grafted polymer groups
JP3153514B2 (ja) 変性塩素化ポリオレフィンポリマー
JPH0597935A (ja) ポリオレフインのグラフト化方法
US6262182B1 (en) Solution modification of polyolefins
JP2011153192A (ja) 硬化性組成物
GB946384A (en) Improvements in and relating to polymers
JP3244828B2 (ja) ポリプロピレンの変性方法
WO2005113611A1 (en) Extraction of impurities from grafted polyolefins
JP3244829B2 (ja) ポリプロピレンの変性方法
US20230159796A1 (en) Post-Polymerization Functionalization of Pendant Functional Groups
JP3059766B2 (ja) 変性プロピレン重合体分散液
JPH062771B2 (ja) 塩素化ポリオレフイン組成物の製造法
US7534837B2 (en) Random copolymers of ethylene and 4-vinylphenyl esters and method for preparing the same
JPH08283336A (ja) 水酸基含有重合体の安定化方法
JPH0446964B2 (ja)
JP3486695B2 (ja) 樹脂製造方法
JP3369414B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP3023188B2 (ja) 塗工用樹脂組成物
JP2811440B2 (ja) 塩素化変性枝鎖オレフィン重合体接着剤組成物
JPH0471403B2 (ja)
JPH0551565A (ja) 一液型架橋性水系接着剤
JPS63178186A (ja) 接着剤組成物
JPH06256591A (ja) エマルジョン組成物
JPH01138279A (ja) 粘着剤組成物及びその製造法