JPH059777A - ロジウムメツキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法 - Google Patents
ロジウムメツキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法Info
- Publication number
- JPH059777A JPH059777A JP19055691A JP19055691A JPH059777A JP H059777 A JPH059777 A JP H059777A JP 19055691 A JP19055691 A JP 19055691A JP 19055691 A JP19055691 A JP 19055691A JP H059777 A JPH059777 A JP H059777A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rhodium
- plating
- water
- phosphoric acid
- hydroxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ロジウムメッキ用原料となるリン酸ロジウム
溶液でメッキに使用した際の析出効率が安定したものを
提供すること。 【構成】 水酸化ロジウムに対して、モル比で20倍以
上の水と3倍以上のリン酸を作用させて加熱溶解した
後、熟成し、その後活性炭処理して水にて適宜希釈する
ことにより目的のリン酸ロジウム溶液が得られる。
溶液でメッキに使用した際の析出効率が安定したものを
提供すること。 【構成】 水酸化ロジウムに対して、モル比で20倍以
上の水と3倍以上のリン酸を作用させて加熱溶解した
後、熟成し、その後活性炭処理して水にて適宜希釈する
ことにより目的のリン酸ロジウム溶液が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロジウムメッキに使用
されるリン酸ロジウム溶液の製造方法に関するものであ
る。
されるリン酸ロジウム溶液の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその問題点】ロジウムメッキは、腐食さ
れにくい白色の光沢皮膜が得られる特徴があるため、装
飾品の色上げ等によく使用される。ロジウムメッキに
は、硫酸ロジウムを使用する浴とリン酸ロジウムを使用
する浴が一般的で、特に後者は硫酸ロジウム浴よりもさ
らに美しい白色の光沢皮膜が得られる特徴がある。リン
酸ロジウムを使用したメッキ浴の問題点として、メッキ
中にメッキ浴が茶褐色から緑褐色に変色し析出効率が変
化するため、メッキの厚みをコントロールしにくい問題
がある。
れにくい白色の光沢皮膜が得られる特徴があるため、装
飾品の色上げ等によく使用される。ロジウムメッキに
は、硫酸ロジウムを使用する浴とリン酸ロジウムを使用
する浴が一般的で、特に後者は硫酸ロジウム浴よりもさ
らに美しい白色の光沢皮膜が得られる特徴がある。リン
酸ロジウムを使用したメッキ浴の問題点として、メッキ
中にメッキ浴が茶褐色から緑褐色に変色し析出効率が変
化するため、メッキの厚みをコントロールしにくい問題
がある。
【0003】
【発明の目的】本発明は、上記従来の問題を解決するた
めに成されたもので、メッキ中に析出効率の差が出にく
いロジウムメッキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法を提
供することを目的とする。
めに成されたもので、メッキ中に析出効率の差が出にく
いロジウムメッキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、水酸化ロジウ
ムをリン酸に溶解してロジウムメッキ用リン酸ロジウム
溶液を製造するに際して、水酸化ロジウムに対して、モ
ル比で20倍以上の水と3倍以上のリン酸を作用させて
加熱溶解したのち、熟成することを特徴とするロジウム
メッキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法である。
ムをリン酸に溶解してロジウムメッキ用リン酸ロジウム
溶液を製造するに際して、水酸化ロジウムに対して、モ
ル比で20倍以上の水と3倍以上のリン酸を作用させて
加熱溶解したのち、熟成することを特徴とするロジウム
メッキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法である。
【0005】以下、本発明の詳細について説明する。塩
化ロジウム酸や硫酸ロジウムの溶液にアルカリを加える
ことにより中和すると、水酸化ロジウムの沈澱が得られ
る。この水酸化ロジウムの沈澱にリン酸を加えればリン
酸ロジウムとなる。その反応式を下記化1に示す。
化ロジウム酸や硫酸ロジウムの溶液にアルカリを加える
ことにより中和すると、水酸化ロジウムの沈澱が得られ
る。この水酸化ロジウムの沈澱にリン酸を加えればリン
酸ロジウムとなる。その反応式を下記化1に示す。
【0006】
【化1】 しかし、本発明方法においては、水酸化ロジウムに対し
て、モル比で20倍以上の水と3倍以上のリン酸を作用
させて加熱溶解したのち、熟成を行うようにしている。
このような方法で得られたリン酸ロジウム溶液を用いた
ロジウムメッキ浴は、メッキ中にメッキ浴が茶褐色から
緑褐色に変色しにくく、また析出効率の変化が少なく、
メッキの厚みをコントロールし易い特徴がある。逆に、
水酸化ロジウムにリン酸のみを加えて加熱溶解しただけ
のものは、茶褐色から緑褐色に変色し析出効率が変化す
るため、メッキの厚みをコントロールしにくい。これ
は、ロジウムの配位子としての水の作用が前者と後者で
は異なり、水が充分に存在しかつ熟成操作により、ロジ
ウムメッキ浴に際して液性が安定する事を示している。
て、モル比で20倍以上の水と3倍以上のリン酸を作用
させて加熱溶解したのち、熟成を行うようにしている。
このような方法で得られたリン酸ロジウム溶液を用いた
ロジウムメッキ浴は、メッキ中にメッキ浴が茶褐色から
緑褐色に変色しにくく、また析出効率の変化が少なく、
メッキの厚みをコントロールし易い特徴がある。逆に、
水酸化ロジウムにリン酸のみを加えて加熱溶解しただけ
のものは、茶褐色から緑褐色に変色し析出効率が変化す
るため、メッキの厚みをコントロールしにくい。これ
は、ロジウムの配位子としての水の作用が前者と後者で
は異なり、水が充分に存在しかつ熟成操作により、ロジ
ウムメッキ浴に際して液性が安定する事を示している。
【0007】本発明方法はおおむね次の手順からなる。
水酸化ロジウムは、塩化ロジウム酸もしくは硫酸ロジウ
ムを中和することにより得られるが、中和には終点判定
の容易なアンモニア水を用いるのが好ましく、得られた
水酸化ロジウムは濾過洗浄後、本発明方法の原料とな
る。濾過洗浄の後の水酸化ロジウムは、当然のことなが
ら水分を含んでおりこの水分量は反応の際の水分に算入
させる。水酸化ロジウムの含水率は、おおむね65%位
を目安とするが、これは濾過の際の脱水の程度により異
なる。得られた水酸化ロジウムに、反応当量の3倍以上
のリン酸と、水酸化ロジウム中に含まれる水分を含めて
ロジウムに対してモル比で20倍以上の水になるように
水を加え、40〜80℃の範囲で加温し徐々に溶解す
る。加温する理由は、常温では水酸化ロジウムの溶解に
時間がかかるからである。溶解後も、50〜80℃の範
囲で、最低でも2時間程度の熟成を続けることによりロ
ジウムメッキ用のリン酸ロジウム溶液を得ることができ
る。なお、熟成する時間としては6時間以上が好まし
く、水分が蒸発してしまう場合には水を加えつつ熟成す
るか、これらの方法とは別に還流等の方法を用いて熟成
を行う。以上の方法で製造した、ロジウムメッキ用のリ
ン酸ロジウム溶液より建浴したメッキ浴は、メッキ中に
メッキ液が茶褐色から緑褐色に変色しにくく、また析出
効率の変化が少なく、メッキの厚みをコントロールし易
い特徴が有る。以下、本発明の実施例を記載するが、該
実施例は本発明を限定するものではない。
水酸化ロジウムは、塩化ロジウム酸もしくは硫酸ロジウ
ムを中和することにより得られるが、中和には終点判定
の容易なアンモニア水を用いるのが好ましく、得られた
水酸化ロジウムは濾過洗浄後、本発明方法の原料とな
る。濾過洗浄の後の水酸化ロジウムは、当然のことなが
ら水分を含んでおりこの水分量は反応の際の水分に算入
させる。水酸化ロジウムの含水率は、おおむね65%位
を目安とするが、これは濾過の際の脱水の程度により異
なる。得られた水酸化ロジウムに、反応当量の3倍以上
のリン酸と、水酸化ロジウム中に含まれる水分を含めて
ロジウムに対してモル比で20倍以上の水になるように
水を加え、40〜80℃の範囲で加温し徐々に溶解す
る。加温する理由は、常温では水酸化ロジウムの溶解に
時間がかかるからである。溶解後も、50〜80℃の範
囲で、最低でも2時間程度の熟成を続けることによりロ
ジウムメッキ用のリン酸ロジウム溶液を得ることができ
る。なお、熟成する時間としては6時間以上が好まし
く、水分が蒸発してしまう場合には水を加えつつ熟成す
るか、これらの方法とは別に還流等の方法を用いて熟成
を行う。以上の方法で製造した、ロジウムメッキ用のリ
ン酸ロジウム溶液より建浴したメッキ浴は、メッキ中に
メッキ液が茶褐色から緑褐色に変色しにくく、また析出
効率の変化が少なく、メッキの厚みをコントロールし易
い特徴が有る。以下、本発明の実施例を記載するが、該
実施例は本発明を限定するものではない。
【0008】
【実施例1】本実施例は、ロジウム:水:リン酸のモル
比を1:26:6とし、本発明方法を実施したものであ
る。ロジウム濃度100g/l の硫酸ロジウム水溶液22
00mlをビーカーに入れ、攪拌しながらアンモニア水
(1:1)を加えてpHを9.5として中和すると、水
酸化ロジウムの沈澱が生成した。次いで、該沈澱を約1
20分間静置したのちに、上澄み液を傾斜分離し、さら
に温水を加えて、攪拌し静置し再び上澄み液を傾斜分離
する操作を5回行った後に、吸引濾過により濾過を行い
水酸化ロジウムのケーキを1025g 得た。このケーキ
の含水率は、69%であった。該水酸化ロジウムのケー
キをビーカー中に移し、水250ml、リン酸480mlを
加えて、湯浴上で60℃に保ちながら攪拌下で4時間か
けて溶解した後、さらにその状態を保持したまま5時間
かけて熟成をおこない、最終的に1500mlに濃縮し
た。該濃縮液を放冷した後、活性炭50g を加えて攪拌
し、活性炭を濾別し洗浄を行ったのち、濾液に水を加え
て液量を2100mlにすることによりロジウム濃度10
0g/l のロジウムメッキ用リン酸ロジウム溶液が得られ
た。
比を1:26:6とし、本発明方法を実施したものであ
る。ロジウム濃度100g/l の硫酸ロジウム水溶液22
00mlをビーカーに入れ、攪拌しながらアンモニア水
(1:1)を加えてpHを9.5として中和すると、水
酸化ロジウムの沈澱が生成した。次いで、該沈澱を約1
20分間静置したのちに、上澄み液を傾斜分離し、さら
に温水を加えて、攪拌し静置し再び上澄み液を傾斜分離
する操作を5回行った後に、吸引濾過により濾過を行い
水酸化ロジウムのケーキを1025g 得た。このケーキ
の含水率は、69%であった。該水酸化ロジウムのケー
キをビーカー中に移し、水250ml、リン酸480mlを
加えて、湯浴上で60℃に保ちながら攪拌下で4時間か
けて溶解した後、さらにその状態を保持したまま5時間
かけて熟成をおこない、最終的に1500mlに濃縮し
た。該濃縮液を放冷した後、活性炭50g を加えて攪拌
し、活性炭を濾別し洗浄を行ったのち、濾液に水を加え
て液量を2100mlにすることによりロジウム濃度10
0g/l のロジウムメッキ用リン酸ロジウム溶液が得られ
た。
【0009】
【従来例】本従来例は、ロジウム:水:リン酸のモル比
を1:15:6としたものである。ロジウム濃度100
g/l の硫酸ロジウム水溶液2200mlをビーカーに入
れ、攪拌しながらアンモニア水(1:1)を加えてpH
を9.5として中和すると、水酸化ロジウムの沈澱が生
成した。次いで、該沈澱を約120分間静置したのち
に、上澄み液を傾斜分離し、さらに温水を加えて、攪拌
し静置し再び上澄み液を傾斜分離する操作を5回行った
後に、吸引濾過により濾過を行い水酸化ロジウムのケー
キを895g得た。このケーキの含水率は、64%であ
った。該水酸化ロジウムのケーキをビーカー中に移し、
リン酸480mlを加えて、湯浴上で60℃に保ちながら
攪拌下で4時間かけて溶解した。該溶液を放冷した後、
活性炭50g を加えて攪拌し、活性炭を濾別し洗浄を行
ったのち、濾液に水を加えて液量を2100mlにするこ
とによりロジウム濃度100g/l のロジウムメッキ用リ
ン酸ロジウム溶液が得られた。
を1:15:6としたものである。ロジウム濃度100
g/l の硫酸ロジウム水溶液2200mlをビーカーに入
れ、攪拌しながらアンモニア水(1:1)を加えてpH
を9.5として中和すると、水酸化ロジウムの沈澱が生
成した。次いで、該沈澱を約120分間静置したのち
に、上澄み液を傾斜分離し、さらに温水を加えて、攪拌
し静置し再び上澄み液を傾斜分離する操作を5回行った
後に、吸引濾過により濾過を行い水酸化ロジウムのケー
キを895g得た。このケーキの含水率は、64%であ
った。該水酸化ロジウムのケーキをビーカー中に移し、
リン酸480mlを加えて、湯浴上で60℃に保ちながら
攪拌下で4時間かけて溶解した。該溶液を放冷した後、
活性炭50g を加えて攪拌し、活性炭を濾別し洗浄を行
ったのち、濾液に水を加えて液量を2100mlにするこ
とによりロジウム濃度100g/l のロジウムメッキ用リ
ン酸ロジウム溶液が得られた。
【0010】実施例1、従来例で得られたロジウムメッ
キ用リン酸ロジウム溶液それぞれ用い、下記の組成にな
るようにメッキ浴を建浴してメッキテストを行った。 テスト用メッキ浴組成 ロジウム 2g/l (前記リン酸ロジウム溶液 2
0ml/l) 遊離リン酸 50g/l (前記リン酸ロジウム溶液中の
遊離リン酸を含む) 遊離硫酸 15g/l 添加剤 20ml/l メッキテストは、前記テスト用浴組成に調製したメッキ
浴で、電流密度3A/dm2 、浴温度45℃の攪拌下で行
った。メッキは、金メッキした2cm×4cmの試片の上
に、2分ずつ5回続けて行いその間の液色変化と析出効
率を測定した。
キ用リン酸ロジウム溶液それぞれ用い、下記の組成にな
るようにメッキ浴を建浴してメッキテストを行った。 テスト用メッキ浴組成 ロジウム 2g/l (前記リン酸ロジウム溶液 2
0ml/l) 遊離リン酸 50g/l (前記リン酸ロジウム溶液中の
遊離リン酸を含む) 遊離硫酸 15g/l 添加剤 20ml/l メッキテストは、前記テスト用浴組成に調製したメッキ
浴で、電流密度3A/dm2 、浴温度45℃の攪拌下で行
った。メッキは、金メッキした2cm×4cmの試片の上
に、2分ずつ5回続けて行いその間の液色変化と析出効
率を測定した。
【0011】実施例1で得たものは、析出効率の変化が
ほとんどなく、メッキ浴の液色は褐色のままで変化はみ
られなかった。幅1cmのセルを用い色差計で測定したと
ころ、Lab色座標計での色差は、0.12であった。
従来例で得たものは、析出効率が徐々に低下し、またメ
ッキ浴の液色は褐色から緑褐色に変化した。Lab色座
標計での色差は、5.54であった。実施例1、従来例
の析出効率を下記表1に示す。
ほとんどなく、メッキ浴の液色は褐色のままで変化はみ
られなかった。幅1cmのセルを用い色差計で測定したと
ころ、Lab色座標計での色差は、0.12であった。
従来例で得たものは、析出効率が徐々に低下し、またメ
ッキ浴の液色は褐色から緑褐色に変化した。Lab色座
標計での色差は、5.54であった。実施例1、従来例
の析出効率を下記表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【実施例2】本実施例は、ロジウム:水:リン酸のモル
比を1:28:4とし、本発明方法を実施したものであ
る。ロジウム濃度100g/l の硫酸ロジウム水溶液22
00mlをビーカーに入れ、攪拌しながらアンモニア水
(1:1)を加えてpHを9.5として中和すると、水
酸化ロジウムの沈澱が生成した。次いで、該沈澱を約1
20分間静置したのちに、上澄み液を傾斜分離し、さら
に温水を加えて、攪拌し静置し再び上澄み液を傾斜分離
する操作を5回行った後に、吸引濾過により濾過を行い
水酸化ロジウムのケーキを910g 得た。このケーキの
含水率は、65%であった。該水酸化ロジウムのケーキ
をビーカー中に移し、水400ml、リン酸320mlを加
えて、湯浴上で80℃に保ちながら攪拌下で2.5時間
かけて溶解させた。該溶液のうち100mlを取り出し、
5g の活性炭を加えて攪拌した後活性炭を濾別し、得ら
れた濾液を用いて、前記テスト浴組成になるようにメッ
キ浴を建浴しメッキテストを行ったところ、析出効率が
徐々に低下するとともに、浴の変色が起こった。前記1
00mlを取り出した残りの反応液は、さらに80℃に保
ったまま水を補充しながら24時間かけて熟成を行い、
最終的に1300mlになるまで濃縮した。該濃縮液を方
冷した後、活性炭50g を加えて攪拌し、濾別洗浄を行
い、該濾液に水を加えて液量を2100mlにしたとこ
ろ、ロジウム濃度100g/l のロジウムメッキ用リン酸
ロジウム溶液が得られた。該リン酸ロジウム溶液を用い
て、前記テスト用浴組成になるようにメッキ浴を建浴し
メッキテストを行ったところ、析出効率にほとんど変化
はみられず、浴の変色もみられなかった。
比を1:28:4とし、本発明方法を実施したものであ
る。ロジウム濃度100g/l の硫酸ロジウム水溶液22
00mlをビーカーに入れ、攪拌しながらアンモニア水
(1:1)を加えてpHを9.5として中和すると、水
酸化ロジウムの沈澱が生成した。次いで、該沈澱を約1
20分間静置したのちに、上澄み液を傾斜分離し、さら
に温水を加えて、攪拌し静置し再び上澄み液を傾斜分離
する操作を5回行った後に、吸引濾過により濾過を行い
水酸化ロジウムのケーキを910g 得た。このケーキの
含水率は、65%であった。該水酸化ロジウムのケーキ
をビーカー中に移し、水400ml、リン酸320mlを加
えて、湯浴上で80℃に保ちながら攪拌下で2.5時間
かけて溶解させた。該溶液のうち100mlを取り出し、
5g の活性炭を加えて攪拌した後活性炭を濾別し、得ら
れた濾液を用いて、前記テスト浴組成になるようにメッ
キ浴を建浴しメッキテストを行ったところ、析出効率が
徐々に低下するとともに、浴の変色が起こった。前記1
00mlを取り出した残りの反応液は、さらに80℃に保
ったまま水を補充しながら24時間かけて熟成を行い、
最終的に1300mlになるまで濃縮した。該濃縮液を方
冷した後、活性炭50g を加えて攪拌し、濾別洗浄を行
い、該濾液に水を加えて液量を2100mlにしたとこ
ろ、ロジウム濃度100g/l のロジウムメッキ用リン酸
ロジウム溶液が得られた。該リン酸ロジウム溶液を用い
て、前記テスト用浴組成になるようにメッキ浴を建浴し
メッキテストを行ったところ、析出効率にほとんど変化
はみられず、浴の変色もみられなかった。
【0014】
【比較例】本比較例は、ロジウム:水:リン酸のモル比
を1:28:2としたものである。ロジウム濃度100
g/l の硫酸ロジウム水溶液2200mlをビーカーに入
れ、攪拌しながらアンモニア水(1:1)を加えてpH
を9.5として中和すると、水酸化ロジウムの沈澱が生
成した。次いで、該沈澱を約120分間静置したのち
に、上澄み液を傾斜分離し、さらに温水を加えて、攪拌
し静置し再び上澄み液を傾斜分離する操作を5回行った
後に、吸引濾過により濾過を行い水酸化ロジウムのケー
キを930g 得た。このケーキの含水率は、67%であ
った。該水酸化ロジウムのケーキをビーカー中に移し、
水400ml、リン酸240mlを加えて、湯浴上で80℃
に保ちながら攪拌下で3時間かけて溶解した後、さらに
その状態を保持したまま24時間かけて熟成をおこな
い、最終的に1300mlに濃縮した。該濃縮液を放冷し
た後、活性炭50g を加えて攪拌し、活性炭を濾別し洗
浄を行ったのち、濾液に水を加えて液量を2100mlに
することによりロジウム濃度100g/l のロジウムメッ
キ用リン酸ロジウム溶液が得られた。該リン酸ロジウム
溶液を用いて、前記テスト用浴組成になるようにメッキ
浴を建浴しメッキテストを行ったところ、析出効率にほ
とんど変化はみられなかったが、浴の変色がみられた。
その際の色差を幅1cmのセルを用い色差計で測定したと
ころ、Lab色座標計での色差は3.21であった。
を1:28:2としたものである。ロジウム濃度100
g/l の硫酸ロジウム水溶液2200mlをビーカーに入
れ、攪拌しながらアンモニア水(1:1)を加えてpH
を9.5として中和すると、水酸化ロジウムの沈澱が生
成した。次いで、該沈澱を約120分間静置したのち
に、上澄み液を傾斜分離し、さらに温水を加えて、攪拌
し静置し再び上澄み液を傾斜分離する操作を5回行った
後に、吸引濾過により濾過を行い水酸化ロジウムのケー
キを930g 得た。このケーキの含水率は、67%であ
った。該水酸化ロジウムのケーキをビーカー中に移し、
水400ml、リン酸240mlを加えて、湯浴上で80℃
に保ちながら攪拌下で3時間かけて溶解した後、さらに
その状態を保持したまま24時間かけて熟成をおこな
い、最終的に1300mlに濃縮した。該濃縮液を放冷し
た後、活性炭50g を加えて攪拌し、活性炭を濾別し洗
浄を行ったのち、濾液に水を加えて液量を2100mlに
することによりロジウム濃度100g/l のロジウムメッ
キ用リン酸ロジウム溶液が得られた。該リン酸ロジウム
溶液を用いて、前記テスト用浴組成になるようにメッキ
浴を建浴しメッキテストを行ったところ、析出効率にほ
とんど変化はみられなかったが、浴の変色がみられた。
その際の色差を幅1cmのセルを用い色差計で測定したと
ころ、Lab色座標計での色差は3.21であった。
【0015】
【実施例3】本実施例は、ロジウム:水:リン酸のモル
比を1:39:6とし、本発明方法を実施したものであ
る。ロジウム濃度100g/l の硫酸ロジウム水溶液22
00mlをビーカーに入れ、攪拌しながらアンモニア水
(1:1)を加えてpHを9.5として中和すると、水
酸化ロジウムの沈澱が生成した。次いで、該沈澱を約1
20分間静置したのちに、上澄み液を傾斜分離し、さら
に温水を加えて、攪拌し静置し再び上澄み液を傾斜分離
する操作を5回行った後に、吸引濾過により濾過を行い
水酸化ロジウムのケーキを915g 得た。このケーキの
含水率は、65%であった。該水酸化ロジウムのケーキ
をビーカー中に移し、水800ml、リン酸480mlを加
えて、湯浴上で60℃に保ちながら攪拌下で4時間かけ
て溶解した後、さらに該溶液を乾留器に移して80℃で
24時間乾留操作を行った。該乾留操作を行った液を放
冷した後、活性炭50g を加えて攪拌し濾別洗浄を行
い、該濾液に水を加えて液量を4200mlにすることに
よりロジウム濃度50g/l のロジウムメッキ用リン酸ロ
ジウム溶液が得られた。該リン酸ロジウム溶液を用い
て、前記テスト用浴組成になるようにメッキ浴を建浴し
メッキテストを行ったところ、析出効率にほとんど変化
はみられず、浴の変色もみられなかった。
比を1:39:6とし、本発明方法を実施したものであ
る。ロジウム濃度100g/l の硫酸ロジウム水溶液22
00mlをビーカーに入れ、攪拌しながらアンモニア水
(1:1)を加えてpHを9.5として中和すると、水
酸化ロジウムの沈澱が生成した。次いで、該沈澱を約1
20分間静置したのちに、上澄み液を傾斜分離し、さら
に温水を加えて、攪拌し静置し再び上澄み液を傾斜分離
する操作を5回行った後に、吸引濾過により濾過を行い
水酸化ロジウムのケーキを915g 得た。このケーキの
含水率は、65%であった。該水酸化ロジウムのケーキ
をビーカー中に移し、水800ml、リン酸480mlを加
えて、湯浴上で60℃に保ちながら攪拌下で4時間かけ
て溶解した後、さらに該溶液を乾留器に移して80℃で
24時間乾留操作を行った。該乾留操作を行った液を放
冷した後、活性炭50g を加えて攪拌し濾別洗浄を行
い、該濾液に水を加えて液量を4200mlにすることに
よりロジウム濃度50g/l のロジウムメッキ用リン酸ロ
ジウム溶液が得られた。該リン酸ロジウム溶液を用い
て、前記テスト用浴組成になるようにメッキ浴を建浴し
メッキテストを行ったところ、析出効率にほとんど変化
はみられず、浴の変色もみられなかった。
【0016】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のロジウムメッキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法によ
れば、従来法ではメッキ原料とした際に析出効率が変化
しやすく、メッキ用としては好ましくないものであった
が、メッキ操作上安定した析出効率が得られるため、高
価なロジウムをメッキする際にメッキ厚のコントロール
が容易となるものである。
のロジウムメッキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法によ
れば、従来法ではメッキ原料とした際に析出効率が変化
しやすく、メッキ用としては好ましくないものであった
が、メッキ操作上安定した析出効率が得られるため、高
価なロジウムをメッキする際にメッキ厚のコントロール
が容易となるものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 水酸化ロジウムをリン酸に溶解してロジ
ウムメッキ用リン酸ロジウム溶液を製造するに際して、
水酸化ロジウムに対して、モル比で20倍以上の水と3
倍以上のリン酸を作用させて加熱溶解した後、熟成する
ことを特徴とするロジウムメッキ用リン酸ロジウム溶液
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19055691A JPH059777A (ja) | 1991-07-04 | 1991-07-04 | ロジウムメツキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19055691A JPH059777A (ja) | 1991-07-04 | 1991-07-04 | ロジウムメツキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH059777A true JPH059777A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=16260041
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19055691A Pending JPH059777A (ja) | 1991-07-04 | 1991-07-04 | ロジウムメツキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH059777A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8895785B2 (en) | 2010-12-21 | 2014-11-25 | Dow Global Technologies Llc | Processes for separating one or more amine byproducts from one or more desired amines |
-
1991
- 1991-07-04 JP JP19055691A patent/JPH059777A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8895785B2 (en) | 2010-12-21 | 2014-11-25 | Dow Global Technologies Llc | Processes for separating one or more amine byproducts from one or more desired amines |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN116621141B (zh) | 低锰、镁磷酸铁的制备方法 | |
US1504669A (en) | Titanium compound | |
JPH059777A (ja) | ロジウムメツキ用リン酸ロジウム溶液の製造方法 | |
JPS5832018A (ja) | 塩基性硫酸アルミニウム及びその製造方法 | |
JPH0362651B2 (ja) | ||
JP2002339082A (ja) | 表面処理用硝酸クロム溶液及びその製造方法 | |
CN106977552A (zh) | 枸橼酸焦磷酸铁混配络合物的制备方法 | |
DE65236C (de) | Verfahren zur Darstellung zweier p-Amidophenoldisulfosäuren | |
CN103787870A (zh) | 一种柠檬酸钠易炭化物的去除方法 | |
SU1212954A1 (ru) | Способ получени тринитротриамминроди | |
JPH0380116A (ja) | 酸化第二銅粉末の製造方法 | |
AT398760B (de) | Herstellung von l(+)-weinsäure aus kalziumtartarat | |
CN117263223A (zh) | 一种利用含铝尾液制备净水剂的方法 | |
RU2256648C1 (ru) | Способ получения солей меди (ii) с дикарбоновыми кислотами | |
CN111924814A (zh) | 一种用于磷酸盐生产用制备方法 | |
CH312530A (de) | Verfahren zur Herstellung eines Pyridazons. | |
US2497063A (en) | Process for the production of alkali metal phytates | |
EP0349698A1 (en) | Process for preparing rhodium nitrate solution | |
CN102020315B (zh) | 一种生产低铁碱式碳酸铬钠的方法 | |
GB393319A (en) | Medicinal preparation and process of producing same | |
RU1784034C (ru) | Способ получени акваионов благородных металлов | |
CN115772078A (zh) | 一种柠檬酸钠母液再生的方法 | |
CN109180513A (zh) | 一种美沙拉秦粗品的后处理工艺 | |
DE591125C (de) | Verfahren zur Herstellung von wasserloeslichen Azofarbstoffen | |
US1391154A (en) | Alkali salts of oxidized protalbinic acid and of oxidized lysalbinic acid as stable protective colloids for mercury compounds |