JPH059697U - 廃水の生物処理槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自己造粒汚泥を生成させ、効率よく廃水の汚
濁物を除去することができる廃水の生物処理槽を提供す
る。 【構成】 廃水の生物処理槽（反応槽１）の全域を好気
性状態とし、槽内全域で好気性自己造粒汚濁を生成し、
汚濁物の除去を効率的に行うようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、下水やし尿等の廃水処理に適用される廃水の生物処理槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、廃水の生物処理においては、嫌気性による自己造粒法が種々開発されて いるが、嫌気性では汚濁物の除去は不充分にしか行うことができなかった。また 、好気性での自己造粒法も開発されつつあるが、その制御方法が明確になってい ないため、造粒化が不安定で十分な汚濁物除去を行うことができない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、以上説明した従来の廃水の生物処理の問題点を解決しようとするも ので、好気性による自己造粒汚泥を用いる廃水の生物処理槽において、安定した 自己造粒汚泥の保持と、安定した処理水質を得ようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の廃水の生物処理槽は、その内部の全域を好気性状態とした。

【０００５】

【作用】

本考案の廃水の生物処理槽は、その内部全域が好気性状態に保たれているので 、生物処理槽全域での好気性自己造粒汚泥が生成され、汚濁物の除去が効率的に 行なわれる。

【０００６】

【実施例】

本考案の一実施例を、図１によって説明する。２は原液タンク６から原液投入 ポンプ７を介して処理すべき原液が供給される酸素溶解槽であり、同酸素溶解槽 ２の下部には曝気装置５が接続されている。酸素溶解槽２は、攪拌機８を備えた 反応槽１の下部に接続され、同反応槽１の上部は緩衝タンク３へ接続され、同緩 衝タンク３は循環ポンプ４を経て前記酸素溶解槽２の上部に接続されている。ま た緩衝タンク３は、その上部からオーバーフローによって液を取出す管路９が設 けられている。前記反応槽１内の上下方向の中間の位置と上部の位置に溶存酸素 濃度を測定する酸素濃度計（以下ＤＯ計という）９，１０が設けられている。

【０００７】 本実施例では、原液タンク６から原液投入ポンプ７によって酸素溶解槽２へ供 給された原液は、曝気装置５で循環液に酸素を溶解させることによって、酸素が 溶解された状態となる。この原液は、反応槽１に流入し、攪拌機８によって緩や かな攪拌を受ける。

【０００８】 同反応装置１内の原液は、ＤＯ計９，１０によってその溶存酸素濃度が測定さ れ、反応槽１上部における溶存酸素濃度が０．１〜０．５ｍｇ／ｌとなるように 、酸素溶解槽２に接続された曝気装置５における曝気空気量が制御される。

【０００９】 従って、反応槽１内の全域で汚泥の好気性自己造粒が促進される適正な好気性 状態が維持され、好気性自己造粒汚泥が反応槽１内の全域で生成され、攪拌機８ による緩やかな攪拌によってその自己造粒が促進され、汚濁物の除去を効率的に 行うことができる。

【００１０】 このようにして処理された原液は、反応槽１より流出して緩衝タンク３へ入り 、その一部は処理水としてオーバーフローによって管路９を経て緩衝タンク３か ら流出し、残りの大部分は緩衝タンク３より循環ポンプ４を経て酸素溶解槽２へ 戻されて、循環して処理される。

【００１１】 また、前記のように反応槽１上部の原液における溶存酸素濃度を0.１〜0.５ｍ ｇ／ｌと低く制御しているために、曝気装置５における曝気空気量を低くし、曝 気空気動力を低減させることができる。

【００１２】 以上の通り、本実施例では、反応槽１内の全域の原液を好気性状態とし、原液 を攪拌機８で緩やかに攪拌することによって、好気性自己造粒汚泥が反応槽１内 の全域で生成され、汚泥の除去を効率的に行うことができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は、生物処理槽の全域を好気性状態にすることにより、生成処理槽全域 が好気性となることで好気性自己造粒汚泥が生成し、汚濁物の除去を効率的に行 うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の系統図である。

【符号の説明】

１ 反応槽 ２ 酸素溶解槽 ３ 緩衝タンク ４ 循環ポンプ ５ 曝気装置 ６ 原液タンク ７ 原液投入ポンプ ８ 攪拌機 ９，１０ ＤＯ（酸素濃度）計

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 内部の全域を好気性状態にしたことを特
   徴とする廃水の生物処理水槽。