JPH0596480U - ベーン型オイルポンプ - Google Patents

ベーン型オイルポンプ

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JPH0596480U
JPH0596480U JP3532192U JP3532192U JPH0596480U JP H0596480 U JPH0596480 U JP H0596480U JP 3532192 U JP3532192 U JP 3532192U JP 3532192 U JP3532192 U JP 3532192U JP H0596480 U JPH0596480 U JP H0596480U
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regulating valve
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弘樹 浅山
潤二 河合
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案の目的は、無段変速装置における溝幅設
定のための油路構成をライン圧調圧弁に連通する油路を
用いてあるいはライン圧調圧弁からのバイパス構造によ
る油路を用いて潤滑圧調圧弁へのオイル供給を行う構成
を採用した場合に、低回転時での潤滑オイルの不足、潤
滑回路へのオイル供給によるライン圧の立上りの遅れ、
さらには動力損失が生じるのを防止できる油路構成を備
えた油圧制御機構を得ることにある。 【構成】本考案はオイルポンプを平衡形ベ−ンポンプで
構成し、このベ−ンポンプにおける高圧室に連通するオ
イル吐出口を少なくとも2個以上設けるとともに、この
高圧室に連通するオイル吐出口のうち、ロ−タの回転中
心を挾んで対称な位置に同じ吐出圧を設定されているオ
イル吐出口を設けたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はベーン型オイルポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
所謂、無段変速機構に用いられる構造としては、一対のプ−リ間にベルトを張 り渡し、このベルトの掛けられているプ−リの溝幅を変化させて駆動側と従動側 とで得られる変速比を変えるようにした構造がある。 ところで、上述したプ−リの溝幅を変化させる機構の一つには、油圧機構を用 いてプ−リを構成している一方の固定円錐板に対し対向する可動円錐板を軸方向 に変位させる構造がある。 上述した油圧機構の一例としては、例えば、オイルポンプとライン圧調圧弁と を油路で接続し、このライン圧調圧弁により所定の圧力に設定されて吐出される オイルを上述した可動円錐板の変位制御用油圧回路に導くようにしたものがある 。
【0003】 ところで、上述した油圧機構にあっては、ライン圧調圧弁において余剰のオイ ルを潤滑のために循環させることが行われる場合があり、この場合の構造として は、上述したライン圧調圧弁内に潤滑用オイルの吐出ポ−トを設け、このポ−ト に潤滑回路を接続した構造や、あるいは、上述したライン圧調圧弁と可動円錐板 の変位制御用油圧回路との間に接続してある油路中に上記潤滑回路に至るバイパ ス油路を接続した構造がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した油圧機構にあっては、低エンジン回転数時のようにオ イルポンプの吐出量が低い場合に高いライン圧を得ようとすると、前者の油圧機 構における潤滑のための構造においては潤滑のために用いられる余剰オイルの吐 出が殆どなくなるために潤滑用オイルの不足を来し、無段変速機内の各摺動部が 摩耗したり、焼き付くという問題があった。 また、後者の油圧機構における潤滑のための構造においてはライン圧を設定さ れている油路からの潤滑オイルの取り込みが行われるためにライン圧が設定値ま で上がらなくなり、可動円錐板の変位制御によるベルトの挟持力設定が容易に行 ないにくいことにより、ベルトのスリップが発生したり変速比設定のための応答 性が悪くなるという問題があった。
【0005】 そこで、このような問題を解消するために、理論吐出量の大きいオイルポンプ を用いることも考えられるが、このようにすると、ポンプの駆動によるエンジン 出力の低下、所謂、ポンプ損失が増加することによる動力性能悪化を招いて燃費 にも悪影響を及ぼすことになる。 しかも、上述の如くライン圧として、一旦、高圧にしたオイルを減圧して潤滑 用とする場合には、直接、潤滑用としての圧力を設定する場合に比べて、ライン 圧に設定しなければならない分、オイルポンプの動力が増えることになる。 つまり、ライン圧を設定するために費やした分がこの圧から減圧される分だけ オイルポンプの駆動効率に対しての損失分となる。
【0006】 そこで、本考案の目的は、上述した従来の油圧制御機構に用いられるオイルポ ンプおける問題に鑑み、エンジンの低回転時での潤滑オイルの不足、潤滑回路へ のオイル供給によりライン圧の立上りの遅れ、さらには動力損失を招くことがな い油圧制御機構でのベーン型オイルポンプを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本考案は、原動機により駆動されるロータと、同ロ ータ外周面に対向するカムリングと、上記ロータ外周面と上記カムリング内壁面 との間に少なくとも、3箇所以上形成されているポンプ室と、上記ポンプ室毎に 形成されている吐出口とを備え、上記ポンプ室の少なくとも2つは同一吐出圧に 設定された第1のポンプ室とされ、他のポンプ室は上記同一吐出圧とは異なる吐 出圧に設定された第2のポンプ室とされ、上記第1のポンプ室の吐出口を、上記 ロータの回転中心に対して対称な位置に設けたことを特徴としている。
【0008】
【作用】
本考案によれば、ベ−ンポンプに設けてある複数のポンプ室のうち、ロ−タの 回転中心を挾んで対称位置に同じ吐出圧を設定されたオイル吐出口を設けられて いるので、ロ−タの回転軸にかかるラジアル方向の負荷を均等にすることができ 、円滑なロ−タの回転を行ってオイルの吐出動作を実行できる。
【0009】
【実施例】
以下、図1において、本考案実施例の詳細を説明する。 図1は、本考案実施例による油圧制御機構に用いられるオイルポンプの原理を 説明するための模型図である。 すなわち、上述したオイルポンプ1は、内部に回転自在のロ−タ1Aを収容し たカムリング1Bで構成されているベ−ンポンプから成り、カムリング1Bの内 面形状として、ロ−タ1Aに有するベーン2がロ−タ1Aの回転により回転中心 1A1に向け収縮することのできる位置の少なくとも2ヵ所以上をポンプ室とし て構成できる形状とされている。 ロータ1Aに設けられているベーン2は、ロータ1Aの径方向に形成されてい る凹部からなる挿嵌部に挿入されており、例えば、挿嵌部の内部に配置されてい る弾性部材等によって、ロータ1Aの外周面から突出する習性を付与され、この 習性による先端部の変位は、その先端がカムリング1Bの内壁面に当接すること によって規制され、ロータ1Aの回転とともにカムリング1Bの内壁面に摺接し 、その面の形状にあわせて進退できるようになっている。
【0010】 一方、上述したポンプ室における吐出部をなす高圧室1C1、1C2は、ロ− タ1Aの図示矢印方向への回転に従って、ベーン2により仕切られる空間のうち 、その空間容積が徐々に小さくなる側に位置している。従って、この高圧室1C 1、1C2を通過するときには、ベーン2はロータ1Aの中心に向け収縮する方 向にリフトする。 また、ロータ1Aの図示矢印方向への回転に従って、ベーン2により仕切られ る空間のうち、高圧室1C1、1C2と対向する位置で徐々にその空間容積が拡 大していく側には、ポンプ室における吸引部をなす負圧室1D1、1D2が設け られている。従って、この負圧室1D、1D2を通過するときには、ベーン2は ロータ1Aの外側に向け伸長する方向にリフトする。
【0011】 上述した高圧室1C1、1C2においては、ロータ1Aが回転するに従い、ベ ーン2により仕切られる空間の容積が徐々に小さくなることによって得られる圧 力の上昇を利用して内部のオイルが吐出されるようになっており、また、負圧室 1D1、1D2においては、ロータ1Aが回転するに従い、ベーン2により仕切 られる空間の容積が徐々に拡大していくときに発生する負圧によって、オイルを 吸引するようになっており、このオイルの吸引は、オイル吸入口1Daを介して 行なわれるようになっている。 そして、上述した高圧室1C1、1C2にはオイル吐出口1E1、1E2が設 けられている。 このオイル吐出口のうち、同じ吐出圧を設定されているもの同士は、ロータ1 Aの回転中心を基準としてあるいは回転中心1A1をはさんだ対称な位置に設け られている。上述した回転中心を基準として対称な位置とは、周方向で等角度で 分配できる位置を含み、また、回転中心1A1をはさんで対称な位置とは、回転 中心1A1をはさんで対向する位置を含んでおり、図1に示した実施例では、後 者の対称位置を設定した場合が示されている。
【0012】 そして、このオイル吐出口のうち、ロ−タ1Aの回転中心1A1をはさんで一 方の対称位置で高圧室1C1に連続するもの(図では、符号1E1で示すオイル 吐出口が該当)にはライン圧調圧弁(図示されず)に至る油路が接続され、そして 、他方の対称位置で高圧室1C2に連続するもの(図では、符号1E2で示すオ イル吐出口が該当)には潤滑圧調圧弁(図示されず)に至る油路が接続されている 。 オイル吐出口1E1は、ライン圧に必要な理論吐出量に設定されたオイルをラ イン圧調圧弁に向け吐出するための部分であり、このため、この吐出口1E1に 接続されている高圧室1C1は、ベーン2のリフト量によってライン圧に必要な 理論吐出量に相当するオイルの流量を得ることができる構造を設定されている。 すなわち、この理論吐出量は、ロータの径および幅が同じであれば、ベーン2 のリフト量によって決定されるものであるので、上記高圧室1C1、1C2にお いては、上記ライン圧および潤滑圧に必要な理論吐出量に相当するオイルの流量 を設定することのできるベーン2のリフト量になるように、形状を始めとする空 間構造が設定されている。 そして、このようなベーン2のリフト量を設定するための構造とされている高圧 室1C1、1C2のうち、ライン圧調圧弁に至る油路が接続されている高圧室1 C1は、潤滑圧調圧弁に至る油路が接続されているオイル吐出口1E2を持つ高 圧室1C2に対してベーン2のリフト量を異ならせてあり、本実施例の場合、高 圧室1C1側でのリフト量が高圧室1C2側でのリフト量よりも大きくなる関係 を設定されている。 この場合、潤滑圧調圧弁に至る油路を接続されているオイル吐出口1E2をも つ高圧室1C2は、潤滑圧に必要な理論吐出量に相当するオイルの流量を設定す ることのできるベーン2のリフト量になるように形状を始めとする空間構造が設 定されている。
【0013】 本実施例は以上のような構造であるから、ロ−タ1Aが回転するとカムリング 1Bの形状に沿ってベーン2が径方向で伸縮し、オイル収容空間の容積が大きく なることにより負圧化される負圧室1E1、1E2内に到達すると室内にオイル が吸引され、そして高圧室1C1、1C2に到達するとオイル収容空間の容積が 小さくなることにより圧縮されるのを介してオイルは室内から吐出される。 このとき、高圧室のうち、ライン圧調圧弁に至る油路を接続されている側の高 圧室1C1では、そのベーン2のリフト量によって負圧室1D1から吸引される オイルがライン圧調圧弁に必要な理論吐出量に相当する流量を設定された状態で 吐出される。 そして、高圧室1C1を通過するロータ1Aは、この高圧室1C1が回転中心 1A1をはさんで対称位置に設置されているので、回転時での偶力に作用するラ ジアル方向での負荷を均一にされ、回転時での振動や回転ムラの発生が抑えられ るようになっている。
【0014】 一方、上述した高圧室のうち、潤滑圧調圧弁に至る油路を接続されている側の 高圧室1C2においては、高圧室1C1に対してベーン2のリフト量が小さくさ れていることによって負圧室1D2から吸引されたオイルがライン圧調圧弁に必 要な理論吐出量よりも少ない状態で潤滑圧調圧弁に必要な理論吐出量を以って吐 出される。 そして、この高圧室1C2を通過するロータ1Aは、上述した場合と同様に、 高圧室1C2が、回転中心1A1をはさんで対称位置に設けられているのでラジ アル方向での負荷を均一にされ、回転時での振動や回転ムラを抑えられる。
【0015】 このようにして、各高圧室から吐出されるオイルは、それぞれベーン2のリフ ト量に応じた理論吐出量を設定されて各調圧弁に供給されることになり、各調圧 弁には、その調圧弁毎に必要とされる理論吐出量に相当する流量のオイルが導入 されることになる。
【0016】
【考案の効果】
以上、本考案によれば、オイルポンプをベーンポンプで構成し、このベ−ンポ ンプにおける高圧室にオイル吐出口を設け、このオイル吐出口を、ロ−タの回転 中心を基準にあるいははさんで同じ吐出圧を設定されているものを位置させたの で、複数のオイル分配を行う場合のロ−タに対するライジアル方向での負荷を均 一化して、オイルポンプの不安定な回転をなくしたうえでライン圧を潤滑オイル の供給に拘らず適正な圧力として確保することができるる。従って、無変速機 構におけるベルトの挟持力の設定の応答性を悪化させるようなことがなくなる。 また、潤滑圧はライン圧と独立して設定することができるので、ライン圧設定の ために動力を設定されたポンプの動力損失を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例による油圧制御機構に用いられる
オイルポンプの原理構造を説明するための模型図であ
る。
【符号の説明】
1 オイルポンプ 1A ロ−タ 1B カムリング 1C 高圧室 1D オイル吸引用負圧室 1E オイル吐出口 2 ベーン

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機により駆動されるロータと、同ロー
    タ外周面に対向するカムリングと、 上記ロータ外周面と上記カムリング内壁面との間に少な
    くとも、3箇所以上形成されているポンプ室と、 上記ポンプ室毎に形成されている吐出口とを備え、 上記ポンプ室の少なくとも2つは同一吐出圧に設定され
    た第1のポンプ室とされ、他のポンプ室は上記同一吐出
    圧とは異なる吐出圧に設定された第2のポンプ室とさ
    れ、上記第1のポンプ室の吐出口を、上記ロータの回転
    中心に対して対称な位置に設けたことを特徴とするベー
    ン型オイルポンプ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017082748A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 株式会社ショーワ ベーンポンプ装置
CN113833830A (zh) * 2021-09-29 2021-12-24 阿姆特(上海)新能源科技有限公司 油泵装置、变速器及车辆

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017082748A (ja) * 2015-10-30 2017-05-18 株式会社ショーワ ベーンポンプ装置
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