JPH0596113U - 吸音性遮音パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 吸音性の多孔質表面板１と、その背面に空気
層を形成するためのハニカムコア材２と、コア材２側の
面に制振材料層４を設けた遮音用の剛性背面板３とを重
ね合わせてパネル本体を構成し、このパネル本体の周辺
に制振性パッキング材５を介して枠体６を取り付けた。 【効果】 多孔質表面板により騒音の反射を抑制でき
る。多孔質表面板の裏面に空気層を設けてあるので吸音
特性が良好である。制振材料層と、パネル本体と枠体の
間に設けた制振性パッキング材が、外部から振動を受け
たときに遮音パネルの共振を防止し、遮音パネル自体が
二次的騒音源になるのを防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高速道路の防音壁などを構成するのに用いられる吸音性遮音パネル に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

生活圏から騒音公害を低減するための施設として、高速道路等に沿って設置さ れる防音壁がある。この種の防音壁の一般的な構造は、一定の間隔でＨ型鋼から なる支柱を立て、隣合う支柱の間に、Ｈ型鋼の溝を利用して遮音パネルを挿入、 固定することにより、遮音壁面を構成したものとなっている。

【０００３】 防音壁用の遮音パネルとしては、道路の片側だけの騒音防止が目的の場合は 騒音反射性ではあるが遮音効果にすぐれたＰＣコンクリート製の遮音パネルが用 いられ、道路の両側の騒音防止が目的の場合は吸音性のある金属製の遮音パネ ルが用いられ、沿道景観との調和、明るさ、見通しなどが必要な区間では透明 なポリカーボネート製の遮音パネルが用いられている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

近年、交通量の増加にともなって自動車による騒音や振動が大きな問題となっ ているが、防音壁の設置目的や設置場所の条件等によっては従来の遮音パネルで は対応しきれないケースが出てきている。

【０００５】 例えば市街地を通る高架道路や半地下式掘割道路などは、道路構造物全体が鉄 筋コンクリートなどの剛性の高い構造物であるため、騒音の反響が大きく、道路 構造物表面での騒音の反射が問題になっている。また車両の通行により振動も発 生するため、防音壁が共振などにより二次的な騒音発生源になるケースも増えて いる。一方、道路構造物は都市空間を構成する景観の一部でもあることから、道 路構造物の外観も重視されるようになってきてきる。

【０００６】 このような社会的要請から、吸音性にすぐれ、振動を受けても二次的な騒音源 にならず、しかも外壁面として使用したときの外観も良好な遮音パネルが求めら れている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記のような課題を解決した吸音性遮音パネルを提供するもので、 その構成は、吸音性の多孔質表面板と、その背面に空気層を形成するためのコア 材と、コア材側の面に制振材料層を設けた遮音用の剛性背面板とを重ね合わせて パネル本体を構成し、このパネル本体の周辺に制振性パッキング材を介して枠体 を取り付けたことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

多孔質表面板は、多孔質セラミック板や多孔質アルミニウム板などからなるも ので、騒音を吸収すると共に、外壁面としたときの外観を良好にするものである 。またコア材は、多孔質表面板の背面に空気層を形成して吸音特性を向上させる ものである。さらに剛性背面板は騒音を遮断する作用をもつものである。

【０００９】 また剛性背面板のコア材側の面に設けた制振材料層およびパネル本体と枠体の 間に介在させた制振性パッキング材は、外部から加えられる振動による遮音パネ ルの共振を抑制し、遮音パネルが二次的騒音源になるのを防止するものである。 また前記制振材料層は共振による発生音の抑止効果と反響音の低減効果との複合 により音のエネルギーを減衰させる特性を改善する作用もある。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明する。 図１および図２は本考案の一実施例を示す。この吸音性遮音パネルは、多孔質 セラミックス吸音板よりなる多孔質表面板１と、アルミニウム薄板で正六角形の 仕切り壁を多数形成したハニカムコア材２と、コア材２側の面に制振材料層４を 設けた遮音用の剛性背面板３とを重ね合わせてパネル本体を構成し、このパネル 本体の周辺に制振性パッキング材５を介して枠体６を取り付けた構造となってい る。

【００１１】 多孔質表面板１としては、屋外での使用に適する表面の地肌特性、耐候性、吸 音特性などの条件から多孔質セラミックス吸音板を使用しているが、これ以外に もアルミニウム繊維吸音板や発泡アルミニウム吸音板などを使用することが可能 である。 コア材２は、多孔質表面板１の背面に空気層を形成するためのもので、アルミ ニウムハニカムコア材以外にも、ＦＲＰで多数の筒状仕切り壁を形成したもの等 を用いることができる。 多孔質表面板１として多孔質セラミックス吸音板を使用するときは、破損時の 安全性の点から、多孔質表面板１とコア材２を接着剤で接合しておくことが好ま しい。

【００１２】 剛性背面板３は裏面に補強リブのついたアルミニウム押出型材よりなり、その コア材２側の面にはゴムシートを張り付けることにより制振材料層４が形成され ている。剛性背面板３としては、コンクリート板、スレート板あるいは成形亜鉛 メッキ鋼板などの使用も可能である。また制振材料層４は制振材塗料を塗布する ことにより形成することもできる。

【００１３】 また枠体６としては、アルミニウム押出型材を使用しているが、これも枠体と しての機能を満足するものであれば、他の材質のものを使用できる。また制振性 パッキング材５はゴム製である。

【００１４】

【考案の効果】

本考案にかかる吸音性遮音パネルは、表面に吸音性の多孔質表面板を用いてい るので、騒音の反射を抑制でき、外壁面としての外観も良好である。また多孔質 表面板の裏面にコア材と剛性背面板により空気層を設けてあり、かつ剛性背面板 のコア材側の面に制振材料層が設けてあるので、吸音特性が良好である。さらに 剛性背面板に設けた制振材料層と、パネル本体と枠体の間に設けた制振性パッキ ング材が、外部から振動を受けたときに遮音パネルの共振を防止し、遮音パネル 自体が二次的騒音源になるのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例に係る吸音性遮音パネルの
一部切開斜視図。

【図２】 図１のＡ−Ａ線における断面図。

【符号の説明】

１：多孔質表面板 ２：コア材 ３：剛性背面板 ４：制振材料層 ５：制振性パッキング材 ６：枠体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】吸音性の多孔質表面板と、その背面に空気
   層を形成するためのコア材と、コア材側の面に制振材料
   層を設けた遮音用の剛性背面板とを重ね合わせてパネル
   本体を構成し、このパネル本体の周辺に制振性パッキン
   グ材を介して枠体を取り付けたことを特徴とする吸音性
   遮音パネル。