JPH0595976U - 支点移動バケット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は、フックの上下運動だけで荷物の転置
が行なえるバケットで、ワイヤーロープなどの玉掛けの
必要がなく、作業の能率向上又危険防止に、実用上極め
て有用である。 【構成】バケットの上げ下げのみで、爪１１を開閉出来
る機構を有した支点移動バケットである。開閉の機構
は、クローバケットのセンターピン３に固定したセンタ
ーロッド１５と、外側をスライする外部シリンダー１３
があり、外部シリンダー１３は爪１１と連結されてい
る。センターロッド１５と外部シリンダー１３との固定
したり、解放したりは、ラック４とピニオンギヤー５と
カム８とピストン９によって行なわれる。ラック４は外
部シリンダー１３に取り付けてあり、ピストン９との関
係は、ラック４が２回の上下運動で、ピストン９は１回
のピストン運動をする。この機構によってバケットの上
げ下げのみで開閉が行なえる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、荷物の転置・積込み用のバケットに係わるものである。この考案 において、荷物とは砂、石、材木、地金など、クレーン又はパワーショベル等で 作業する物を言う。

【０００２】

【従来の技術】

荷物の転置の際、３トン未満のクレーンの場合、荷物をワイヤーロープ等で玉 掛けして荷台に運搬し、人も荷台に上がって玉掛けをはずさなくてはならない。 又、パワーショベルでの土砂等の積込みでは、クラムシェールバケットを使用す るが、これは、クラムシェールバケット自体が高価でこれる作動させる為には、 コントロールバルブ、スプールを動かすレバー、油圧ホース、油圧配管等の取付 け作業も必要となる。荷物の中には玉掛けの出来ない場合とか、地金など、足場 の悪い所での作業は危険を伴なってきた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上述のよぅな問題点を解消する荷物の転置・運搬・積込み用バケッ トを提供することを目的とするものであって、この目的は、フックの上下でもっ て支点を一回目は中央に、二回目は両端に変えることによって、バケットの開閉 を達成させるものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

図２は、フック１２でクローバケットをつり上げている状態である。この場合 外部シリンダー１３はセンターロッド１５の上部にあって、外部シリンダー内に 取り付けてある。ラック４は、センターロッド１５内のピニオンギヤー５とはか み合っていない。又センターロッド１５内のピストン９は、図５の様にセンター ロッド内に納まった状態になっている。ところが、ワイヤーロープ１４がクロー バケットの爪１１が図２の様に開いてしまう。次にこの状態で荷物の上に下ろし ていくと、クローバケットが荷物の上にかぶさった状態で止まる。さらにフック １２が下がると、外部シリンダー１３も下がり外部シリンダー１３内のラック４ が、センターロッド１５内のピニオンギヤー５にかみ合う。即わち、図３の様に なる。するとカム８が回転してピストン９をセンターロッド１５内から押し出す すると図６の様に、外部シリンダー１３の溝にピストン９がは入り込み、センタ ーロッド１５と外部シリンダー１３を固定してしまう。この時、ワイヤーロープ １４の張力はなくなっている。次にフック１２が上昇すると、センターロッドが 上がる為クローバケットの爪１１が爪の重量で閉じの作業を行なう。即わち、図 １の様になりクローバケットの下の荷物を保持し、さらに持ち上げる。

【０００５】 これらの図面は、各部分の構成が理解し易いように、要部の寸法を過度に小さ く示してあり、各部分相互の寸法関係は正比例するものではない。

【０００６】

【作用】

作業上の一行程とは、開いた状態のクローバケットが、荷物をつかみ保持して 転置し、荷物を離すまでを一行程とする。

【０００７】 第２図の様に爪１１が開いた状態で荷物の上に下ろし、フック１２が更に下が る。外部シリンダー１３が下がりワイヤーロープ１４の張力もなくなる。外部シ リンダー１３が真下まで下がる際、共に第３図中のラック４も下がる。ラック４ が下がるとピニオン５が回転する。即ち、上下運動が回転運動に変る。ピニオン 歯車５は内部が一方向にだけ回転するラチェット機構になっている。更にカム８ がラック４の逆作用によって逆回転しないように、回り止め７が設けてある。カ ム８は、ラック４の４回の上下運動で一回転するものとする。この際、カム８が ピストン９を押し出し、外部シリンダー１３を固定する。この状態は、外部シリ ンダー１３が真下に下がると瞬時に行なわれる。次にフック１２が上がると外部 シリンダー１３はピストン９で固定されているから、センターロッド１５を持ち 上げる。すると、ワイヤーロープ１４の張力がない為、クローバケットの爪１１ を閉じる行為をする。即ち、荷物を保持した状態第１図の様になる。荷物の転置 を終えると又フック１１が下がる。すると外部シリンダー１３が下がり、ラック ４も同時に下がる。するとカム８が更に四分の一回転して、ピストン９がライナ ー１０内に納まる。するとセンターロッド１５と、外部シリンダー１３の固定が なくなり、外部シリンダー１３だけが上がる。即ち、保持した荷物を離す事にな る。

【０００８】

【考案の効果】

本考案は、従来この様な作業を行なえるバケットに比べると、製産コストが安 くですみ、なお単一操作で行なう事が出来る為作業能率も上がり、ワイヤーロー プ等の玉掛を必要としないので、足場の悪い場所での危険防止などに効果がある

【図面の簡単な説明】

【図１】外部シリンダー１３とセンターロッド１５が、
ピストン９でもって固定された状態でつり上げられ、ク
ローバケットの爪１１が閉じた状態を表わした図である

【図２】外部シリンダー１３とセンターロッド１５の固
定がはずれ、外部シリンダー１３だけがフック１２でつ
り上がられ、ワイヤーロープ１４の張力でもって、クロ
ーバケットの爪１１が開いた状態を表わした図である。

【図３】外部シリンダーに取り付けてあるラック４と、
センターロッド１５内のピニオンギヤー５がかみ合って
回転する状態を表わした図である。

【図４】センターロッド１５内のピニオンギヤー５が回
転して、カム８がピストン９を外部に押し出した状態を
表わした図である。

【図５】図４と同じくカム８が、ピストン９をセンター
ロッド１５内に納めた状態を表わした図である。

【図６】図４を側面から見て、外部シリンダー１３とピ
ストン９との関係を、よりわかり易くした図である。

【符号の説明】

１，フランジ ２，アーム ３，センターピン ４，ラック ５，ピニオンギヤー ６，ラチェット ７，廻り止め ８，カム ９，ピストン １０，ライナー １１，爪 １２，フック １３，外部シリンダー １４，ワイヤーロープ １５，センターロッド

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バケットを上げ下げのみで開閉して、
   荷物を保持し転置出来る機構を有した支点移動バケット
   とは、図２様に、クレーン等のフック１２が上下すると
   外部シリンダー１３も上下する。すると外部シリンダー
   内のラック４が、センターロッド１５内のピニオンギヤ
   ー５を回転させる。図４の様にピニオンギヤー５とカム
   ８は同じ様に回転する。カム８の回転運動は、ピストン
   ９でピストン運動に変る。即ち、外部シリンダー１３と
   センターロッド１５は、ピストン９によって固定された
   り、離されたりする。この事は、フック１２の上下運動
   で外部シリンダー１３とセンターロッド１５を交互に上
   げ下げ出来る。外部シリンダー１３を上げると、クロー
   バケットの爪１１は開き、センターロッド１５を上げる
   と爪１１は閉じる。よって、バケットの上げ下げのみで
   クローバケットの爪の開閉が出来る支点移動バケット。