JPS6255638B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、原子力発電施設で使用されるキヤス
ク取扱装置、さらに詳細には、天井クレーンでキ
ヤスクを取扱う場合に使用されるキヤスク吊具に
関する。

放射性物質の輸送あるいは貯蔵に使用されるキ
ヤスクを原子力発電施設で取扱う場合、天井クレ
ーンが使用され、天井クレーンの使用にあたつて
は、補助具としてキヤスク吊具が使用される。

従来使用されているキヤスク吊具は、一対のフ
ツクをそれぞれのフツクに対応するキヤスクトラ
ニオンに係止させ、上記フツクによつてキヤスク
を吊持するようにしているが、万一フツクが破損
した場合、キヤスクが容易に落下する危険があ
る。

本発明の目的は、以上の点を考慮し、キヤスク
落下の事故防止策を従来よりも大幅に向上させる
ことのできる、安全性にすぐれたキヤスク吊具を
提供しようとするものである。

上記目的を達成するため、本発明のキヤスク吊
具は、キヤスク５のトラニオン６ａ，６ｂに係合
するフツク７，１１が取付けられた吊具構造体を
天井クレーンにより吊り上げるように構成し、そ
して、キヤスクには少なくとも４つのトラニオン
６ａ，６ｂを形成し、吊具構造体には、天井クレ
ーンのフツク３に係合して保持される主吊具用の
部材４と、天井クレーンのクレーンフツクブロツ
ク９に係合して保持される補助吊具用の部材１０
とを設け、そして、吊具構造体に取付けられたフ
ツク７，１１を、キヤスクトラニオンの少なくと
も２つ６ａと係合してキヤスクを保持する主吊具
用のフツク７と、主吊具用のフツク７に保持され
るキヤスクトラニオン以外の少なくとも２つのキ
ヤスクトラニオン６ｂと係合してキヤスクを保持
する補助吊具用のフツク１１から構成したことを
特徴とするものである。

以下、本発明を、図面の一実施例により説明す
ると、本発明のキヤスク吊具は、それぞれ機能的
に独立した主吊具１と補助吊具２との組合せから
なる。主吊具１は、天井クレーンのフツク３に係
止されるシヤツクル４と、キヤスク５のトラニオ
ン６ａを係止するフツク７と、フツク７を開閉動
作させるシリンダ８ａとからなる。また、補助吊
具２は、クレーンフツクブロツク９に係止される
アーム１０と、上記主吊具１のフツク７に係止さ
れるトラニオン６ａ以外のキヤスクトラニオン６
ｂを係止するフツク１１と、フツク１１を開閉動
作させるシリンダ８ｂとからなる。

以上の構成において、キヤスク５を吊るには、
第１図に示すように、天井クレーンのフツク３に
主吊具１のシヤツクル４を係止し、クレーンフツ
クブロツク９に補助吊具２のアーム１０を係止
し、キヤスク５の上部位置まで天井クレーンを移
動させた後、クレーンを停止し、シリンダ８ａお
よび８ｂを作動させて、フツク７および１１をそ
れぞれキヤスクトラニオン６ａおよび６ｂに装着
できる角度まで開く。次に、上記フツク７および
１１がそれぞれトラニオン６ａおよび６ｂに装着
できる高さにまで、クレーンフツクブロツク９を
降ろし、シリンダ８ａおよび８ｂを作動させて、
フツク７および１１を閉じ、その両フツク７およ
び１１でそれぞれトラニオン６ａおよび６ｂを係
止する。なお、正常吊上時は、キヤスク５の全荷
重を主吊具１のフツク７でうけ、補助吊具２のフ
ツク１１とキヤスクトラニオン６ｂとが接触しな
いよう、上記フツク１１とトラニオン６ｂとの間
に間隙を設けるとよい。すなわち、このように構
成すると、正常吊上時における補助吊具２のフツ
クの着脱が容易となる。また、図示実施例の場
合、第２図に示すように、シリンダ８ｂを動作さ
せて補助吊具２のフツク１１を大きく拡開させれ
ば、水平状態に位置しているキヤスク５を垂直状
態に引き起こしたり、その逆の操作をおこなつた
りする場合、フツク１１とキヤスク５との干渉を
容易に防止することができる。

ここで、第２図に示す補助吊具２の動作系統を
下記する。エアー操作ボツクス１２には、エアー
供給ホース１３ａおよび１３ｂが接続されてお
り、エアー供給ホース１３ａおよび１３ｂは、そ
れぞれシリンダ用エアーホース１４ａおよび１４
ｂに接続されているものであつて、エアー操作ボ
ツクス１２の弁１５ａおよび１５ｂの操作によ
り、シリンダ８ｂに対するエアーの供給あるいは
排気をおこない、フツク１１を開閉動作させる。
図示実施例においては、主吊具１の動作系統の説
明を省略したが、この主吊具１の動作系統も、上
記した補助吊具２の動作系統と同様である。

以上、詳述したように、本発明によれば、主吊
具のみならず、補助吊具によつてもキヤスクトラ
ニオンを保持しているため、重量物であるキヤス
クの落下事故防止策を従来よりも大幅に向上させ
ることができ、安全性にすぐれたキヤスク吊具を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るキヤスク吊具の一実施例を
示し、第１図および第２図はそれぞれキヤスクを
取扱つている場合の構造説明図、第３図は本発明
吊具の一構成部である補助吊具の動作系統説明図
である。 １……主吊具、２……補助吊具、３……天井ク
レーンのフツク、４……シヤツクル、５……キヤ
スク、６ａおよび６ｂ……キヤスクトラニオン、
７……フツク、８ａおよび８ｂ……シリンダ、９
……クレーンフツクブロツク、１０……アーム、
１１……フツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ キヤスク５のトラニオン６ａ，６ｂに係合す
   るフツク７，１１が取付けられた吊具構造体を天
   井クレーンにより吊り上げるようにしたキヤスク
   吊具であつて、 前記キヤスクは少なくとも４つのトラニオン６
   ａ，６ｂを有し、 前記吊具構造体は、天井クレーンのフツク３に
   係合して保持される主吊具用の部材４と、天井ク
   レーンのクレーンフツクブロツク９に係合して保
   持される補助吊具用の部材１０とを有し、 前記吊具構造体に取付けられたフツク７，１１
   は、前記キヤスクトラニオンの少なくとも２つ６
   ａと係合してキヤスクを保持する主吊具用のフツ
   ク７と、前記主吊具用のフツク７に保持されるキ
   ヤスクトラニオン以外の少なくとも２つのキヤス
   クトラニオン６ｂと係合してキヤスクを保持する
   補助吊具用のフツク１１から構成されている ことを特徴とするキヤスク吊具。