JPH0595794A - ヒトm−csf抗体及びヒトm−csfの測定法 - Google Patents

ヒトm−csf抗体及びヒトm−csfの測定法

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JPH0595794A
JPH0595794A JP3324972A JP32497291A JPH0595794A JP H0595794 A JPH0595794 A JP H0595794A JP 3324972 A JP3324972 A JP 3324972A JP 32497291 A JP32497291 A JP 32497291A JP H0595794 A JPH0595794 A JP H0595794A
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csf
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monoclonal antibody
hybridoma
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JP3324972A
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Yasukazu Omoto
安一 大本
Masahiro Muraguchi
正宏 村口
Akenori Hirano
朱里 平野
Kazuya Yamanishi
一也 山西
Masayuki Takahashi
真行 高橋
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ヒトマクロファージコロニー刺激因
子(ヒトM−CSF)に対する抗体、その製造法及び該
抗体の利用によるヒトM−CSFの免疫学的精製及び測
定法の確立を目的とする。 【構成】本発明によれば、ヒトM−CSFに特異的に反
応することを特徴とするヒトM−CSFモノクローナル
抗体及び該抗体を固相化した第1抗体と検体とを反応さ
せ、次いで反応物に他のヒトM−CSF抗体を反応さ
せ、得られる反応複合体と酵素標識抗体とを反応させる
3ステップサンドスイッチ法により検体中のヒトM−C
SFを測定するM−CSFの免疫測定法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトマクロファージコ
ロニー刺激因子(human macrophage
colony stimulating Facto
r、以下ヒトM−CSFという)に対する抗体、殊にモ
ノクローナル抗体、その製造法及び該抗体の利用、特に
ヒトM−CSFの免疫学的精製及び測定への利用に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、造血細胞の増殖、分化には特定
の増殖及び分化因子が必要とされており、最終的に成熟
した各種の血球、例えば赤血球、顆粒球、マクロファー
ジ、好酸球、血小板、リンパ球等になるまでの間には、
数多くの分化、増殖因子が関与している〔三浦恭定著、
血液幹細胞、中外医学社、1983年〕。之等の中で顆
粒球系前駆細胞及びマクロファージ系前駆細胞の増殖、
分化を刺激するものとしてコロニー刺激因子(colo
ny stimulating fator,CSF)
が知られており[Metacalf,D.,The H
ematopoietic Colony Stimu
lating Factors.Amsterdam,
Elsevier(1984)]、かかるCSFには、
末梢血の顆粒球に対する増血作用が著しい顆粒球−CS
F(G−CSF)、骨髄中で単球−マクロファージの産
生を刺激するマクロファージ−CSF(M−CSF)及
び骨髄中から顆粒球や単球の前駆細胞であるCFU−G
M(コロニー形成ユニット−顆粒球・マクロファージ
(colony−forming unit−gran
ulocyte,macrophage)から顆粒球や
マクロファージからなるコロニーを形成させる顆粒球・
マクロファージ−CSF(GM−CSF)が知られてい
る。また更に多能性幹細胞に作用するCSFとしてマル
チ−CSF(Multi−CSF:IL−3)も知られ
ている。
【0003】之等のCSFについては、いずれも遺伝子
組換え技術により、ヒトの各種CSF遺伝子がクローニ
ングされており、大量に収得することが可能となってい
る[Wong,G.G.,et al.,Scienc
e,228,810(1985):Nagata,
S.,et al.,Nature,319,415
(1986):Souza,L.M.,et al.,
Science, 232,61(1986):Tak
ahashi,M.,et al.Biochem.B
iophys.Res.commun., 152,
401(1988):Wong,G.G.,et a
l.,Science,235,1504(198
7)]。
【0004】上記CSFの中でM−CSFは、現在骨髄
における単球の産生促進作用、成熟単球の機能の亢進
(単球のGM−CSFやG−CSF産生の亢進、単球の
抗体依存性殺腫瘍活性の増強、単球の抗体非依存性殺腫
瘍活性の増強)、骨髄移植後の白血球回復促進及び生着
生存率の上昇、血中コレステロール低下作用等の各種の
生物活性作用が知られている[特表昭63−50227
1号公報、特表平1−502593号公報、特開平3−
2125号公報、Motoyoshi,K.,J.J.
Clinical Medicine,48,323−
328(1990)]。
【0005】上記M−CSFは、その生物活性から癌化
学療法及び放射線療法時の共通した欠点である白血球の
減少を軽減させるものと考えられ、この点から種々臨床
試験が行なわれ、癌化学療法後の白血球減少からの回復
を有意に促進しているという結果も報告されている[M
otoyoshi,K.,et al.,Immino
biol.,172,205(1986)]。
【0006】該M−CSFは上記の観点から種々の臨床
用途に対して医薬品としての臨床研究が行なわれている
が、医薬用に大量に精製品を取得するためには精製の各
工程にて簡便にヒトM−CSFを検出及び定量する技術
の確立が必須となる。また、各種の免疫欠損病や異常免
疫応答の研究並びに之等の臨床上の診断のために、ヒト
M−CSFの体内レベルと病態との関係が近年注目され
るに至り、生体内のヒトM−CSF量を高感度、高精度
で定量できる方法の確立が斯界で望まれている現状にあ
る。
【0007】しかして、従来のM−CSFの検出、定量
法としては、マウス或はヒト健常人骨髄細胞を用いたコ
ロニー形成法[Metacalf,D.,TheHem
atopoietic Colony Stimula
ting Factors.Amsterdam,El
sevier(1984)]や慢性骨髄性白血病末梢血
リンパ球を用いた放射性同位元素標識チミジンの取り込
み法[J.D.Griffin,et al.,Blo
od,63,904−911(1984)]、好中球生
存維持アッセイ法[C.G.Begley,et a
l.,Blood, 68,162−166(198
6)]等の生物学的検出・定量方法が知られている。し
かしながら、之等の生物学的検出・定量方法は、一般に
アッセイ用試料の入手、測定値の再現性、定量性、感
度、迅速性等の点で種々の問題がある。しかも之等従来
の方法では、前記各種のCSFが同一活性を示すため
に、之等を区別しては測定できないという重大な欠点が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
CSFの検出・定量法にみられる欠点を悉く解消して、
CSFの中で特にヒトM−CSFを特異的に測定できる
新しい免疫学的手法及び該手法に利用できる新規な抗ヒ
トM−CSFモノクローナル抗体を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
より鋭意研究を重ねた結果、新たにヒトM−CSFに特
異的に反応するヒトM−CSFモノクローナル抗体の確
率に成功すると共に、その利用によって、従来の生物学
的検出・定量法より優れた実用的なヒトM−CSFの定
量法の確立にも成功し、ここに本発明を完成するに至っ
た。
【0010】即ち、本発明は、ヒトM−CSFに特異的
に反応することを特徴とするヒトM−CSFモノクロー
ナル抗体、特にヒトM−CSFの蛋白部位をエピトープ
として認識する上記モノクローナル抗体、還元剤存在下
でヒトM−CSFに反応性を有しない上記モノクローナ
ル抗体、ヒトM−CSFのアミノ酸配列の少なくとも1
位Valから151位Thrまでのアミノ酸配列を認識
部位にもつ上記モノクローナル抗体、組換えチャイニー
ズハムスター卵巣細胞由来のヒトM−CSFを免疫抗原
として免疫された哺乳動物の脾細胞と哺乳動物の骨髄腫
細胞との融合により得られるハイブリドーマの産生する
上記モノクローナル抗体、組換え大腸菌由来のヒトM−
CSFを免疫抗原として免疫された哺乳動物の脾細胞と
哺乳動物の骨髄腫細胞との融合により得られるハイブリ
ドーマの産生する上記モノクローナル抗体、免疫抗原が
プラスミドptrpIL−2X−M−CSF101で形
質転換された組換え大腸菌由来のヒトM−CSFである
上記モノクローナル抗体、ハイブリドーマがKOCO5
71(微工研菌寄第12522号)、KOCO572
(微工研菌寄第12523号)、KOCO573(微工
研菌寄第12524号)、KOCO574(微工研菌寄
第12525号)及びMMC−1(微工研菌寄第125
37号)から選ばれるものである上記モノクローナル抗
体に係わる。
【0011】更に本発明によれば、上記本発明のヒトM
−CSFモノクローナル抗体を固相化した第1抗体と検
体とを反応させ、次いで反応物に他のヒトM−CSF抗
体を反応させ、得られる反応複合体と酵素標識抗体とを
反応させる3ステップサンドスイッチ法により検体中の
ヒトM−CSFを測定することを特徴とするヒトM−C
SFの免疫測定法も提供される。
【0012】本発明の免疫検定法によれば、ヒトM−C
SFのみを他のCSFと区別して高感度、高精度で検出
・定量することができる。
【0013】また、本発明のモノクローナル抗体は、上
記の通りヒトM−CSFに特異的であるため、その利用
によれば例えばアフィニティクロマトグラフィー等の手
法によって、ヒトM−CSFの特異的精製をも行なうこ
とができる。
【0014】尚、以下の本明細書におけるアミノ酸、ペ
プチド、核酸、制限酵素、その他に関する略号による表
示は、IUPAC、IUPAC−IUBによる命名法ま
たは規定或は当該分野における慣用記号に従うものとす
る。またアミノ酸等に関して光学異性体があり得る場
合、特に明記しなければL−体を示すものとする。
【0015】以下、本発明抗体の製造方法及びかくして
得られる抗体の利用による酵素免疫法につき順次詳述す
る。
【0016】本発明抗体は、ヒトM−CSF乃至その同
効物(誘導体)を免疫抗原として利用して製造すること
ができる。ここで上記ヒトM−CSFの同効物として
は、ヒトM−CSFのアミノ酸配列と少なくとも一部が
同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチド、例えば
ヒトM−CSFのアミノ酸配列の一部につき置換、欠
失、付加等の改変を行なって得られるヒトM−CSF誘
導体が包含される。かかるヒトM−CSF乃至その同効
物としては、既に各種のものが知られており、之等は例
えばヒトM−CSFをコードする遺伝子を用いて遺伝子
工学的手法により、該遺伝子が宿主細胞中で発現される
ような組換えDNAを作成し、これを宿主細胞に導入し
て形質転換し、該形質転換株を培養することにより製造
することができる。
【0017】上記ヒトM−CSFの遺伝子としては、代
表的にはM−CSF産生能を有する各種のヒト細胞、よ
り具体的にはAGR−ON[特開昭59−169489
号公報記載の特性を有するヒト白血病T細胞由来のヒト
培養株化細胞、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレ
クション(ATCC)に「ATCC受託No.CRL−
8199」として受託]より分離されたmRNAから、
オカヤマ−バーグ法〔H.Okayamaand P.
Berg,Molecular and Cellul
ar Biology,3,280 (1983)〕や
グブラーホフマン法〔V.Gubler and B.
J.Hoffman,Gene, 25,263−26
9(1983)〕等に従い調製されるものを例示できる
[特開平1−104176号公報等参照]。また上記遺
伝子は例えばホスファイト トリエステル法〔Natu
re,31,105(1984)〕等の常法に従い核酸
の化学合成等により製造することもできる。之等の方法
において一部DNAの化学合成やDNA鎖の切断、削
除、付加乃至結合を目的とする酵素処理やDNAの単
離、精製乃至複製、選別等の各種操作乃至手段は、いず
れも常法に従い得る。例えば上記DNAの単離精製は、
アガロースゲル電気泳動法等に従うことができ、核酸配
列のコドンの一部の改変は、サイト−スペシフィック
ミュータジェネシス(Site−Specilic M
utagenesis)〔Proc.Natl.Aca
d. Sci.,81,5662−5666(198
4)〕等に従うことができる。上記において所望アミノ
酸に対応する遺伝暗号の選択は、特に限定されず、利用
する宿主細胞のコドン使用頻度等を考慮して常法に従い
決定できる。また上記方法に従い得られる遺伝子のDN
A配列の決定及び確認は、マキサム−ギルバート(Ma
xam−Gilbert)の化学修飾法〔Meth.E
nzym.,65,499−560(1980)〕やM
13ファージを用いるジデオキシヌクレオチド鎖終結法
〔Messing,J.and Vieira,J.,
Gene,19,269−276(1982)〕等によ
り行ない得る。
【0018】かくして得られるヒトM−CSF遺伝子の
利用による遺伝子組換え技術に従うヒトM−CSF乃至
その同効物の製造は、一般的遺伝子組換え技術〔Mol
ecular Cloning,T.Maniatis
et al.,ColdSpring Harbor
Laboratory(1982)等参照〕に従い、
ヒトM−CSF乃至その同効物をコードする遺伝子を含
むベクターを作成し、該ベクターで宿主細胞を形質転換
し、得られる形質転換体を培養し、発現・物を精製する
ことにより実施できる。本発明者らは先に、上記遺伝子
組換え技術に従うヒトM−CSF乃至その同効物の各種
の発現系、即ちCOS細胞発現系、大腸菌発現系、CH
O細胞発現系等の確立に成功している[特開平1−10
4176号公報参照]。
【0019】かくして得られる組換えヒトM−CSF乃
至その同効物(以下、単に「rhM−CSF」という)
は、これをそのまま又はハプテンとして用いて、本発明
モノクローナル抗体の製造のための所望の免疫抗原を作
成でき、この免疫抗原の利用による本発明抗体の製造
は、基本的には公知の方法に従うことができる[Han
fland,P.,Chem.Phys.Lipid
s,15,105(1975):Hanfland
P.,Chem.Phys.Lipids,10,20
1(1976):Koscielak,J.,Eur.
J.Biochem.,37,214(1978)]。
【0020】該方法としては、より具体的には、例えば
上記免疫抗原で免疫した哺乳動物の形質細胞(免疫細
胞)と哺乳動物の形質細胞腫細胞との融合細胞(ハイブ
リドーマ、hybridoma)を作成し、これよりヒ
トM−CSFを認識する所望抗体(モノクローナル抗
体)を産生するクローンを選択し、該クローンの培養に
よる方法を採用できる。
【0021】上記方法において、免疫抗原で免疫される
哺乳動物としては、特に制限はなく各種のものをいずれ
も使用できるが、細胞融合に使用する形質細胞腫細胞と
の適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般にはマ
ウス、ラツト等が有利に用いられる。免疫は一般的方法
により、例えばrhM−CSF又はこれを結合試薬によ
り適当な担体に結合させて得られる免疫抗原を、哺乳動
物に静脈内、皮内、皮下、腹腔内注射等により投与する
ことにより実施できる。例えばマウスの場合、より具体
的には、免疫抗原を生理食塩水含有リン酸緩衝液(PB
S)や生理食塩水等で適当な濃度に希釈し、所望により
通常のアジュバントと併用して、供試動物に2〜14日
毎に数回投与し、総投与量が約100〜500μg/マ
ウス程度になるようにするのが好ましい。上記アジュバ
ントとしては、例えば百日咳ワクチン、完全フロインド
アジュバント、アラム等を用いることができる。免疫細
胞としては、上記免疫抗原の最終投与の約3日後に免疫
された動物より摘出した脾細胞を使用するのが好まし
い。
【0022】上記免疫細胞と融合される他方の親細胞と
しての哺乳動物の形質細胞腫細胞としては、既に公知の
種々のもの、例えばX63(p3/×63−Ag8)
〔Nature,256,495−497(197
5)〕、p3U1(p3/X63−Ag8.U1)〔C
urrent Topics in Microbio
logy and Imunology,81,1−7
(1978)〕、NS−1(p3/NS−1−Ag4−
1)〔Eur.J.Immunol.,6,511−5
19(1976)〕、MPC−11〔Cell,8,
05−415(1976)〕、SP2/0(Sp2/0
−Ag14)〔Nature,276,269−270
(1978)〕、FO〔J.Immunol.Met
h.,35,1−21(1980)〕、×63.6.
5.3.〔J.Immunol.,123,1548−
1550(1979)〕、S194〔J.Exp.Me
d.,148,313−323(1978)〕等や、ラ
ットにおけるR210(210.rcy3.Ag1.2
3.(Y3))〔Nature,277,131−13
3(1979)〕等の骨髄腫細胞等を使用できる。
【0023】上記免疫細胞と形質細胞腫細胞との融合反
応は、公知の方法、例えばマイルスタイン(Milst
ein)らの方法〔Method in Enzymo
logy,(73),3(1981)〕等に準じて行な
うことができる。より具体的には、上記融合反応は、通
常の融合促進剤、例えばポリエチレングリコール(PE
G)、センダイウイルス(HVJ)等の存在下に、通常
の培地中で実施され、培地には更に融合効率を高めるた
めにジメチルスルホキシド等の補助剤を必要に応じて添
加することもできる。また、電気処理(電気融合)によ
る方法等を適宜採用することもできる。免疫細胞と形質
細胞腫細胞との使用比は、通常の方法と変りはなく、例
えば形質細胞腫細胞に対して免疫細胞を約1〜10倍程
度用いるのが普通である。融合反応時の培地としては上
記形質細胞腫細胞の増殖に通常使用される各種のもの、
例えばRPMI−1640培地、MEM培地、その他の
この種細胞培養に一般に利用されるものを使用でき、通
常之等培地は牛胎児血清(FCS)等の血清補液を抜い
ておくのが好ましい。融合は上記免疫細胞と形質細胞腫
細胞との所定量を、上記培地内でよく混合し、予め37
℃程度に加温したPEG溶液、例えば平均分子量100
0〜6000程度のものを、通常培地に約30〜60w
/v%の濃度で加えて混ぜ合せることにより行なわれ
る。以後、適当な培地を逐次添加して遠心分離し、上清
を除去する操作を繰返すことにより所望のハイブリドー
マが形成される。
【0024】得られる所望のハイブリドーマの分離は、
通常の選別用培地、例えばHAT培地(ヒポキサンチ
ン、アミノプテリン及びチミジンを含む培地)で培養す
ることにより行なわれる。該HAT培地での培養は、目
的とするハイブリドーマ以外の細胞(未融合細胞等)が
死滅するのに充分な時間、通常数日〜数週間行なえばよ
い。かくして得られるハイブリドーマは、通常の限界希
釈法により目的とする抗体の検索及び単一クローン化に
供することができる。
【0025】目的抗体産生株の検索は、例えばELIS
A法(Engvall,E.,Meth.Enzymo
l.,70,419−439(1980)〕、プラーク
法、スポット法、凝集反応法、オクタロニー(Ouch
terlony)法、ラジオイムノアッセイ(RIA)
法等の一般に抗体の検出に用いられている種々の方法
〔「ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会
社R&Dプラニング発行、第30−53頁、昭和57年
3月5日〕に従い実施することができ、この検索には前
記免疫抗原が利用できる。かくして得られるヒトM−C
SFを認識する所望のモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマは、通常の培地で継代培養することがで
き、また液体窒素中で長期間保存することができる。
【0026】上記ハイブリドーマからの本発明モノクロ
ーナル抗体の採取は、該ハイブリドーマを常法に従って
培養してその培養上清として得る方法やハイブリドーマ
をこれと適合性のある哺乳動物に投与して増殖させ、そ
の腹水として得る方法等が採用される。前者の方法は、
高純度の抗体を得るのに適しており、後者の方法は、抗
体の大量生産に適している。また上記のごとくして得ら
れる抗体は、更に塩析、硫酸アンモニウム分画、ゲル濾
過、イオン交換クロマトグラフィー、アフイニテイクロ
マトグラフイー等の通常の手段により精製できる。
【0027】得られる本発明モノクローナル抗体は、上
記粗精抗体液、即ち抗体産生ハイブリドーマ培養上清乃
至マウス腹水の形態のままで、或は之等のクロマトグラ
フィー等による精製品の形態で利用して、例えば免疫沈
降法、アフィニティクロマトグラフィー等の通常の手段
により、ヒトM−CSFを簡便且つ特異的に精製するこ
とができる。
【0028】また、本発明モノクローナル抗体の利用に
よれば、検体中のヒトM−CSFを免疫反応により、特
異的に測定することができる。該方法としては、通常の
競合法、サンドイッチ法によるラジオイムノアッセイ法
(RIA)、免疫測定法(ELISA)、凝集法等の通
常の免疫学的手法をいずれも採用でき、之等の方法の操
作、手順等は常法と異なるところはない。
【0029】本発明は、上記本発明モノクローナル抗体
を用いた3ステップサンドイッチ法をも提供するもので
ある。この方法は、例えば代表的には以下のごとくして
実施される。即ち、96ウェルプレート等の適当な担体
に固相化させた本発明抗体を第1抗体として用い、これ
とヒトM−CSF標準溶液及び測定物質(臨床血液サン
プル等のヒトM−CSFを含有する検体)等とを、室温
にて一夜静置反応させ[第1ステップ]、次いで、第2
抗体としての抗ヒトM−CSF家兎抗血清(家兎抗ヒト
M−CSFポリクローナル抗体)を上記プレートに加
え、室温にて2時間程度反応させることにより、該第2
抗体と第1ステップでの反応物(本発明モノクローナル
抗体と測定物質との反応物)とを反応させ[第2ステッ
プ]、更に酵素標識抗家兎IgG抗体等の標識抗体の一
定量を、上記第2ステップでの反応物(本発明抗体と測
定物質と二次抗体との反応複合体)と室温にて2時間程
度反応させ[第3ステップ]、次いで上記第3ステップ
で得られた反応複合体と標識抗体との結合体から非結合
標識抗体を分離除去した後、発色溶液を加えて発色反応
させ、2N硫酸にて発色反応を停止させ、得られる発色
反応液の吸光度を測定することにより実施される。かく
して検体中のヒトM−CSFを定量することができる。
【0030】上記において第2抗体としては、第1抗体
として用いた本発明モノクローナル抗体とは別の本発明
モノクローナル抗体を用いることもできる。また、第1
抗体として家兎抗ヒトM−CSFポリクローナル抗体を
用い、第2抗体として本発明モノクローナル抗体を用い
ることもできる。更に3ステップサンドイッチ法におい
ては、第1抗体として家兎抗ヒトM−CSFポリクロー
ナル抗体を用い、第2抗体として羊抗ヒトM−CSFポ
リクローナル抗体を用いる(第1抗体が家兎ポリクロー
ナル抗体で第2抗体が羊ポリクローナル抗体である)こ
ともでき、その逆、即ち第1抗体として羊ポリクローナ
ル抗体を用い、第2抗体として家兎ポリクローナル抗体
を用いることも可能である。
【0031】上記ヒトM−CSFの測定法において、第
1抗体、即ち抗ヒトM−CSFモノクローナル抗体(或
は家兎又は羊抗ヒトM−CSFポリクローナル抗体)の
不溶化は、常法に従い抗体を不溶性担体に物理的又は化
学的に結合させることにより実施できる。上記不溶化の
ための不溶性担体としては、例えばポリスチレン、セフ
ァデックス、イオン交換樹脂、プラスチックチューブ、
アミノ共重合体等を使用でき、不溶化は共有結合法とし
てのジアゾ法、ペプチド法、アルキル化法、架橋試薬に
よる担体結合法、Ugi反応による担体結合法等の化学
反応、或はイオン交換樹脂のような担体を用いるイオン
結合法、ガラスビーズ等の多孔性ガラスを担体として用
いる物理的吸着法等によって行なうことができる。尚、
上記第2抗体としてのポリクローナル抗体は、ヒトM−
CSFを認識する限り特に限定はなく、例えば本発明抗
体もしくはその製法において開示した免疫抗原を哺乳動
物に投与して生体内に産生される抗血清を使用すること
ができる。
【0032】上記第3ステップで用いられる標識抗体と
しては、公知のものでよく、既に市販のマウス、ラッ
ト、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、馬、牛等の動
物に免疫して得られる抗血清をパーオキシダーゼ(PO
D)、アルカリホスファターゼ等で酵素標識した抗イム
ノグロブリン抗体、例えばパーオキシダーゼ(POD)
標識ヤギ抗家兎IgG抗体やパーオキシダーゼ(PO
D)標識ヤギ抗マウスIgG抗体等を使用することがで
きる。
【0033】上記測定法において、検体として用いられ
るサンプルとしては、例えば血清もしくは血漿形態の血
液、細胞組織液、リンパ液、胸腺水、腹水、羊水、胃
液、尿、膵臓液、骨髄液、唾液等の各種体液のいずれで
もよいが、血液、特に血清又は血漿が好ましい。
【0034】上記において測定系に利用される溶媒とし
ては、反応に悪影響を与えない通常の各種のものをいず
れも利用でき、例えばクエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、
トリス塩酸緩衝液、酢酸緩衝液等のpHが約5.0〜
9.0程度の緩衝液の利用が好ましい。尚、本発明にお
いては、上記溶媒に、約0.1〜30w/v%程度の血
清(測定対象のヒトM−CSFが含まれていないもの)
及び/又は約0.1〜2M程度のNaClを含ませるの
が、上記測定法の目的により合致していて好ましい。
【0035】測定の際の免疫反応条件は、特に制限はな
く、通常のこの種測定法と同様のものとすることができ
る。一般には約45℃以下、好ましくは約4〜40℃程
度の温度条件下に、約1〜80時間程度を要して免疫反
応を行なえばよい。
【0036】本発明抗体を用いたヒトM−CSFの上記
測定法では、上記免疫反応終了後の固相−液相(前記第
3ステップでの反応複合体と標識抗体との結合体−非結
合標識抗体)の分離を、例えば遠心分離、濾別、デカン
テーション、洗浄等の通常の方法により行なうことがで
きる。
【0037】またかくして分離された各物質の酵素標識
活性の測定は、使用した酵素の種類に応じて、公知の各
種方法に従い実施することができる。その際用いられる
発色溶液としては、通常のもの、例えば酵素としてパー
オキシダーゼを用いる場合には、o−フェニレンジアミ
ン(OPD)等を用いることができ、発色反応の停止も
常法に従い例えば反応液に1〜4Nの硫酸等の適当な酵
素活性阻害剤を添加することにより実施できる。
【0038】かくして、本測定方法によれば、臨床血液
サンプル等の微量のヒトM−CSFを含有する試料を検
体として、該検体中のヒトM−CSFを高精度、高感度
をもって、しかも簡便な操作で定量することができる。
【0039】上記ヒトM−CSFの測定法の実施に特に
便利な方法は、試薬として前記第1抗体、第2抗体及び
標識抗体を含有する測定キットを利用する方法である。
該キット中のヒトM−CSF試薬中には、例えばグリセ
ロールや牛血清蛋白等の安定化剤及び/又は保存剤を添
加存在させることができる。この抗体試薬は好ましくは
凍結乾燥したものであるのがよく、該キットには水溶性
もしくは水と混和し得る溶媒を含有させることもでき
る。更に抗体試薬には再構成された試薬系を一定のpH
に保つための緩衝液や試料が悪化するのを防止するため
の保存剤及び/又は安定剤を配合することができる。緩
衝液はキット試薬の必須成分ではないが本測定法を実施
する際にpHを約5.0〜9.0とするものを用いるの
が好ましい。また再構成剤は、好ましくは水を含んだも
のであるが、該水の一部又は全部を水と混和し得る溶媒
で置き換えることもできる。この水と混和し得る溶媒と
しては、よく知られている例えばグリセリン、アルコー
ル類、グリコールエーテル類等を例示することができ
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ヒトM−CSFに特異
的な抗体、特にモノクローナル抗体が提供される。該モ
ノクローナル抗体の利用によれば、測定感度が極めて高
く、特異性に優れ、従って例えばヒトの臨床サンプル等
の極めて低濃度のヒトM−CSFを含有する検体中の該
ヒトM−CSFをも正確に測定可能な免疫検定法による
測定手法が提供される。
【0041】
【実施例】以下、参考例及び実施例を挙げて本発明を更
に詳述するが、本発明は之等各例に限定されるものでは
ない。尚、参考例1は本発明で免疫抗原として使用する
CHO細胞で発現されるヒトM−CSF(誘導体)の製
造例、参考例2は大腸菌で発現されるヒトM−CSF
(誘導体)の製造例である。之等各参考例は、PCT国
際公開第WO91−06567号公報に記載の方法に従
うものであり、各例では製造されるヒトM−CSFを次
のように定義する。即ち大腸菌(E.coli)を宿主
としてヒトM−CSFのアミノ酸配列の1位Valから
151位Thrまでのアミノ酸を含む発現ベクターにて
産生されたM−CSF分子を“E.coli[3−15
3]M−CSF”と呼ぶ。尚、このカギ括弧内番号はC
HO細胞で産生されるM−CSFはそのN末端域が1位
Valの上流に更に2アミノ酸残基(Glu−Glu)
を蒸された構造を採ることによるものである。また参考
考例1で得られるCHO細胞を宿主として、32個のア
ミノ酸配列よりなるシグナルペプチド及び522個のア
ミノ酸配列よりなる成熟ヒトM−CSF蛋白質をコード
する発現ベクターにより産生されるヒトM−CSFを
“CHO[−32−522]M−CSF”と呼ぶ。
【0042】更に、各例で得られる試料のCSF活性
は、以下の方法により測定されるものとする。
【0043】
【CSFの活性測定法】牛胎児血清(FCS)20m
l、α−培地30ml及び2倍濃度α−培地20mlを
混和して得られる溶液を37℃にて保温し、その23.
3mlを予め50℃に保温した1%寒天(ディフコ社
製)溶液10mlと混合して37℃に保温する。
【0044】一方Balb/C系マウス大腿骨より採取
した骨髄細胞(BMC)を、ハンクス液で2回洗浄後、
α−培地にて細胞濃度が10個/mlとなるように調
製し、その1mlを上記37℃に保温してある寒天培地
に加えてよく混和した後、37℃に保温し、次いでその
0.5mlを、予め50μlの供試試料を入れたウェル
(ティッシュカルチャークラスター12、コスター社
製)に加えて手早く混和して室温に放置する。各ウェル
の寒天が固化するのを待って炭酸ガスインキュベーター
に移し、更に37℃で7日間培養する。
【0045】かくして生じたコロニー数を実体顕微鏡を
用いて計測し、CSF活性の指標とする。またCSF活
性の単位(U/ml)は、上記コロニー数より、次式
(a)に従って算出した値を用いた。
【0046】CSF活性単位(U/ml)=(コロニー
数)×(希釈倍率)÷1.5(a) 尚、上記で生じるコロニーは形態学的及び酵素化学的観
察の結果、殆んどすべてがマクロファージコロニーであ
った。
【0047】
【参考例1】CHO[−32−522]M−CSFの製
造 PCT国際公開第WO91−06567号公報に記載の
参考例1に従って、CHO細胞を培養して得られた培養
上清液の濃縮液930mlを硫安分画して25〜65%
の硫安沈殿画分を得た後、蒸留水に溶解して(1180
ml)、以下の精製工程により目的の均質なCHO[−
32−522]M−CSFを得た。尚、以下の工程にお
いて目的蛋白はウエスタンブロッティング法に従い検出
した。該ウエスタンブロッティングは、バイオ・ラッド
社のトランスブロットセルを用いて行ない、トランスフ
ァーされたニトロセルロース膜を1%スキムミルク含有
PBSにてブロッキング後、M−CSFに対するウサ
ギ抗血清と反応させ、更にパーオキシダーゼ標識ヤギ抗
ウサギ抗体(バイオ・ラッド社製)を反応させた。M−
CSFのバンドの検出は、得られたニトロセルロース膜
と発色基質である4−クロロ−1−ナフトール液とを反
応させることにより行なった。上記で得られた培養上清
のCSF活性は2×10単位/mlであった。
【0048】(1)ConA−セファロ−ス−クロマト
グラフィー 約500mlのConA−セファロースゲルを充填した
カラム(5×25cm)を0.15M NaCl含有2
0mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)にて平衡
化した後、上記溶解液をアプライし、同緩衝液にて充分
に洗浄後、0.5Mメチル−α−D−マンノシドを含む
同緩衝液にて溶出を行なった。全溶出液をYM−10膜
を用いた限外濾過により濃縮後、20mMリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH7.4)に緩衝液を交換した後(40
ml)、以下の条件で5回に分けて陰イオン交換高速液
体クロマトグラフィーに供した。
【0049】(2)陰イオン交換高速液体クロマトグラ
フィー カラム:TSKゲルDEAE−5PW(21.5mmI
D×15cm、トーソー社製) 溶出液A:40mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
4) 溶出液B:1.0M NaCl含有40mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH7.4) 流速:3.0ml/分 フラクション容積:6ml/チューブ/2分 上記溶出の結果、目的のM−CSFはフラクションN
o.26〜43に溶出され、主たるM−CSF画分であ
るフラクションNo.30〜39をプールして、限外濾
過濃縮(YM−10膜使用)した後(15ml)、4回
に分けて以下の精製を行なった。
【0050】(3)TSKゲルフェニル−5PWRP逆
相高速液体クロマトグラフィー カラム:TSKゲルフェニル−5PWRP(7.5mm
ID×75mm、トーソー社製) 溶離液A:0.1%TFA 溶離液B:n−プロパノール:1%TFA(9:1) 流速:3ml/分 フラクション容積:1.5ml/チューブ/0.5分 上記溶出フラクション中のM−CSF画分をプールし
た後、限外濾過(YM−10膜使用)にて濃縮し、更に
セントリコン30(アミコン社製)にて濃縮し(1m
l)、3回に分けてゲル濾過高速液体クロマトグラフィ
ーを行なった。
【0051】(4)ゲル濾過高速液体クロマトグラフィ
ー カラム:スーパーローズ12HR10/30(10mm
ID×30cm、ファルマシアLKB社製) 溶出液:0.3m NaCl含有20mMリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH7.4) 流速:0.8ml/分 フラクション容積:0.8ml/チューブ/1分 上記クロマトグラフィーの結果、M−CSFはフラクシ
ョンNo.15〜17にかけて溶出され、その中のフラ
クションNo.16をプールして実験に供した(5.6
mg、比活性:3.8×10単位/mg蛋白)。
【0052】(5)CHO[−32−522]M−CS
FのSDS−PAGE レムリの方法[Laemmli,U.K.,Natur
e,277,680(1970)]に従い、上記(4)
で得られたCHO[−32−522]M−CSFを、レ
ムリのサンプルバッファー[2−メルカプトエタノール
を含むもの(2−ME)及び含まないもの(2−ME
)の両者]の夫々と混合後、95℃で10分間加熱処
理し、ミニスラブゲル(ゲル濃度15%)を用いてSD
S−PAGEを行なった。分子量マーカーとしてはプレ
ステインドマーカー(バイオ・ラッド社製)を用い、染
色はシルバーステイン(和光純薬社製)にて行なった。
【0053】その結果、非還元条件下(2−ME
態)での分子量は約85000を主成分として、620
00〜115000にかけて、また還元条件(2−ME
状態)では43000を主成分として39000〜4
6000にかけて、夫々スメアーしたバンドとして検出
された。
【0054】(6)CHO[−32−522]M−CS
FのN末端域アミノ酸配列 上記(4)で得られたCHO[−32−522]M−C
SFのN末端域アミノ酸配列を、気相シークエンサー
(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて決定し
た。
【0055】その結果、N端10個のアミノ酸配列とし
て次の配列が確認された。尚、サイクル7におけるアミ
ノ酸(X′)は同定し得ず、遣伝子構造からCysであ
ると推定した。Glu−Glu−Val−Ser−Gl
u−Tyr−X´−Ser−His−Met−
【0056】
【参考例2】 (1)プラスミドp trp IL−2X−M−CSF
101の作製 プラスミドpcDM−CSF11−185[M−CSF
遺伝子(λcM11cDNA、約2.5kb)を保有す
るプラスミドpcDM−CSF11から作製した(特開
平1−104176号公報参照)]を、制限酵素Sca
I及びBamHIで消化してScaI−BamHI D
NA断片(約450bp)をアガロースゲル電気泳動法
により単離、精製した。次いで、得られたDNA断片の
ScaI切断端にPCT国際公開第WO91−0656
7号公報参考例2に記載の合成リンカー(A)をT4D
NAリガーゼにより連結させ、ScaI切断端側に制限
酵素XbaIの切断端を有するXbaI−BamHID
NA断片(約480bp)を得た。
【0057】得られたDNA断片を、ヒトIL−2発現
プラスミドp trp IL−2D8Δ(特開昭63−
12958号公報参照)のXbaI、BamHI切断部
位に挿入して、所望のプラスミドp trp IL−2
X−M−CSF101を得た。
【0058】該プラスミドをエシェリヒア・コリHB1
01株にトランスフォームさせた形質転換体は、「Es
cherichia coli HB101/ptrp
IL−2X−M−CSF101」なる名称で、198
8年12月26日に工業技術院微生物工業技術研究所に
微工研菌寄第2226号(E.coli[3−153]
FERM BP−2226)として寄託された。
【0059】(2)E.Coli[3−153]M−C
SFの分離、精製 1)大腸菌からのM−CSF画分の調製 上記(1)で得たプラスミドptrp IL−2X−M
−CSF101を保持する大腸菌SG21058株7.
5g(湿重量)に、50mMトリス塩酸緩衝液(pH
7.0)1.0mlを加えて充分に撹拌した。次に、リ
ゾチーム4mg/mlを6ml、続けてEDTAを最終
濃度が10mMとなるように加え、4℃で15分間撹拌
処理し、超音波処理(20KHz、10分間、200
W)を行ない、更に10000×g/分で20分間遠心
分離を行ない沈渣を得た。これを更に洗浄用緩衝液[2
%トリトンX100を含む50mMトリス塩酸、pH
7.0)にて洗浄後、同条件で再度遠心分離を行ない、
この操作を2回繰返して、M−CSF画分(沈渣)を得
た。
【0060】2)M−CSF画分からM−CSFの再構
成 上記1)の操作により得られたM−CSF画分に、7M
塩酸グアニジン及び25mM2−メルカプトエタノール
を含む50mMトリス塩酸(pH7.0)20mlを加
え、室温で4時間以上撹拌して溶解させた。この溶解液
を、予め0.5mM還元型グルタチオン、0,1mM酸
化型グルタチオン及び2M尿素を含む50mMトリス塩
酸緩衝液(pH8.5)2000mlの入ったビーカー
(スターラーにて撹拌)中に徐々に滴下し、その後、4
℃にて2日間以上放置した。次に溶液を10000×g
/分で30分間遠心分離して、沈澱を除去して上清を得
た。かくして得られた上清中には、再構成したM−CS
Fが存在している。
【0061】3)M−CSFの精製 上記2)で得た遠心上清の精製を以下の通り行なった。 3−1)イオン交換クロマトグラフィーによる濃縮 予50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5)で平衡化し
ておいたQAE−ゼータ・プレップ100(ファルマシ
アLBK社製)に上記2)で得た再構成液をかけ、次に
上記緩衝液で充分に洗浄後、0.5M NaClを含む
上記緩衝液にてM−CSF画分の溶出を行なった。
【0062】3−2)疎水性高速液体クロマトグラフィ
ー 上記で得られた画分に硫酸アンモニウムを30%飽和溶
液となるように加え、10000×g/分で20分間遠
心分離し、沈殿を除去して上清を得た。この上清を0.
45μmミリポアーフィルター通した後、下記条件で疎
水性高速液体クロマトグラフィーを行なった。 カラム:TSKゲルフェニル5PW(150mm×2
1.5mmID、トーソー社製) 溶出液A:30%飽和硫安含有40mMリン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH7.4) 溶出液b:40mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
4) 流速:3.0ml/分 フラクション容積:3.0ml/チューブ/分 上記の結果、M−CSF活性は硫安濃度6〜3%の画
分に溶出された。該活性画分を分取し、限外濾過器にて
40mMリン酸ナトリウム(pH7.4)に対して溶媒
交換を行なった。
【0063】3−3)陰イオン交換高速液体クロマトグ
ラフィー 上記3−2)で得た画分を、以下の条件で陰イオン交換
高速液体クロマトグラフィーにかけた。 カラム:TSKゲルDEAE−5PW(21.5mmI
D×150mm、トーソー社製) 溶離液A:40mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
4) 溶離液B:1.0M NaCl含有40mMリン酸ナト
リウム緩衝液(pH7.4) 流速:3.0ml/分 上記陰イオン交換高速液体クロマトグラフィーの結果
(溶出パターン)より、フラクションNo.35及び3
6(0.28〜0.29M NaCl濃度)に認められ
るピークがM−CSFに相当し、該ピークを集めて大腸
菌から精製M−CSF(E.coli[3−153]M
−CSF)を得た。
【0064】(4)E.coli[3−153]M−C
SFのSDS−PAGE レムリの方法[Laemmli,UK.,Natur
e,277,680(1970)]に従い、上記(3)
で得られたE.coli[3−153]M−CSFの上
清をサンプルとして、レムリのサンプルバッファー[2
−メルカプトエタノールを含むもの(2−ME)及び
含まないもの(2−ME)の両者]の夫々と混合後、
95℃で10分間加熱処理し、ミニスラブゲル(ゲル濃
度15%)を用いてSDS−PAGEを行なった。
【0065】その結果、非還元条件下(2−ME
態)での分子量は約32000を主成分としており、ま
た還元条件(2−ME状態)では約17000を主成
分としていることが検出された。上記(3)で得られた
E.coli[3−153]M−CSF精製標品の比活
性は4×10単位/mgであった。
【0066】
【実施例1】本発明モノクローナル抗体の製造 CHO[−32−522]M−CSFを抗原とする
モノクローナル抗体の製造 参考例1で製造したCHO[−32−522]M−CS
Fを免疫抗原として用いて、その20μgを等量のフロ
インド完全アジュバント液と混合乳化させ、これを40
μg/マウスずつ、雄性Balb/c系マウス(8週
齢)に腹腔内投与して免疫した。その後同様に3回、2
週間おきに同免疫抗原液の同量を同経路で追加投与して
免疫した。2〜3週間後に最終免疫として20μgの抗
原液を静脈内投与して免疫した。以下の操作は全て無菌
的に行ない、試験は37℃に保って行なった。上記最終
免疫の2〜3日後に、マウスから脾臓を摘出し、摘出脾
臓より脾細胞を取出し、10mlのRPMI−1640
培地(日水製薬社製)の中で擂り潰した。次に遠心分離
(1500rpm、5分間)して細胞ペレットをかきと
り、該ペレットに細胞中に存在する赤血球を0.83%
塩化アンモニウム緩衝液で1〜2分間処理して融解除去
した。上記で得られた細胞を感作リンパ球細胞として集
め、これを37℃に加温したRPMI−1640培地で
3回洗浄した。
【0067】次に、マウス骨髄腫細胞[P3U1、Cu
rr.Topics Microbiol.Immun
ol.,73,3(1981)]を、15%FCS(牛
胎児血清)を含有するRPMI−1640培地に8−ア
ザグアニン100μMを加えた培地中で継代培養し、こ
れをミエローマ細胞として用いて、上記リンパ球細胞と
同様にして洗浄した。
【0068】上記脾細胞とミエローマ細胞とを、細胞数
比が10:1になるように50mlのチューブ内で混和
し、得られた細胞混合物を500×gで5分間遠心分離
後、上清をパスツールピペットで完全に除去し、ペレッ
トをよくほぐした。之等の操作は37℃に保温した水槽
内で行なった。次に、45%ポリエチレングリコール−
4000(ベーリング・マンハイム・山之内社製、以下
「PEG」という)2mlを、ゆっくりと30秒間かき
混ぜながら滴下した後、30秒間放置し、次いでFCS
を含まないRPMI−1640培地5mlをゆっくりと
2分間位をかけて加えて1分間放置し、更に同液5ml
を加えて3分間放置した後、遠心分離(1500rp
m、5分間)し、上清をパスツールピペットで除去し、
得られたペレットを50mlの10%FCS含有RPM
I−1640培地に細胞懸濁液1×10個/mlとな
るように懸濁させた。
【0069】次に、上記懸濁液を24穴のプレート(コ
ースター社製)4枚に1ml/ウェルずつ分注し、37
℃、5%CO、100%湿度のインキュベーター内で
培養した。24時間後、1ml/ウェルずつ10%FC
S添加ヒポキサンチン1×10−4M、アミノプテリン
4×10−7M及びチミジン1.6×10−5Mを含む
RPMI−1640培地(以下これを「HAT培地」と
いう)を各ウェルに添加した。以後、上清を2日目、3
日目に培地の半分ずつ吸引し、同量の新しいHAT培地
を加えて液替えを行なった。その後、液替えは2〜3日
おきに行なった。6日目に同様に上清を吸引し1×10
−4Mヒポキサンチン及びチミジン1.6×10−5
を含むRPMI−1640培地(以下これを「HT培
地」という)に替えた。以後、RPMI−1640培地
で増殖維持した。融合後、7〜10日間でコロニーが肉
眼で観察されるようになり、細胞が24穴プレートの底
面積の1/4を占めた時より、上清を参考例1で得たC
HO[−32−522]M−CSFを抗原とする酵素免
疫測定法(ELISA法)で試験してスクリーニング
し、陽性となったウェルのハイブリドーマを直ちに限界
希釈法[Methodin Enzymology,
3,3(1981)]によりクローニングした。
【0070】即ち、ELISA用96穴ウェルマイクロ
プレート(ヌンク社製)に、免疫感作に用いた免疫抗原
CHO[−32−522]M−CSFをPBS(シグマ
社製、製造NO.P−4417)中に10μg/mlに
なるように希釈した抗原溶液を上記イムノプレートに1
00μl/ウェルずつ分注し、4℃で2時間静置してコ
ーティングを行なった。次に、抗原溶液を除去した後、
0.1%牛血清アルブミン(BSA)及びPBSをそれ
ぞれ400μl/ウェルずつ加え、室温で1時間静置し
た後、0.1%BSA及びPBSを除去し、上清を10
0μl/ウエルずつ加えた。室温で一晩インキュベート
した後、0.05%ツイーン(Tween)−20及び
PBSでウェルを3回洗浄した。次に、100μl/ウ
エルのHRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)標識抗ウ
サギIgG抗体(バイオ・ラッド社製)を加え、室温に
て2時間インキュベートした後、0.05%ツイーン−
20及びPBSで5回洗浄した。最後に、100μl/
ウェルのオルトフエニレンジアミン(OPD)基質液
[4mgOPD(シグマ社製、製造No.P−828
7)、4μ130%過酸化水素水及び10mlクエン酸
緩衝液(PH5.0)=OPD緩衝液(シグマ社製、製
造No.P−4922)]を加え、充分発色させた後、
2N硫酸溶液50μlを各ウェルに加えて反応を停止さ
せた。基質液の発色を、エライザーアナライザー(タイ
ターテック社製)を用いて490nmの吸光度により測
定した。
【0071】上記ELISAにて陽性を示したウェルの
ハイブリドーマを直ちに限界希釈法[Method i
n Enzymology,73,3(1981)]に
よりクローニングした。即ち、Balb/c系マウス脾
細胞をフィーダー細胞として、10%FCS添加RPM
I−1640培地に希釈し、96ウェルプレートに2×
10個/100μl/ウェルとなるように調製して分
注した。上記ELISAで発色したウェルの細胞を3個
/mlとなるように10%FCS添加RPMI−164
0培地で希釈し、96ウェルプレートに100μl/ウ
ェルずつ分注した。クローンがある程度増殖してきた
ら、再び上記と同様の方法にてスクリーニングを行な
い、シングルクローンのものは腹水化もしくは凍結保存
し、その他は再度同一クローニングを行なった。
【0072】上記クロニング(3回)により、所望の反
応特異性を有する本発明モノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマ5株を得た。之等をそれぞれ「KOCO
571」〜「KOCO575」と命名した。また之等各
ハイブリドーマの産生する本発明モノクローナル抗体
は、それぞれハイブリドーマの番号と対応させて「AN
OC571」〜「ANOC575」と命名する。
【0073】上記で得られたクローンNo.KOCO5
71〜KOCO575のそれぞれを、50mlのフラス
コ内にて、RPMI−1640培地にて5%CO条件
下で、37℃にて、96時間培養した。培養液を300
0rpm、10分間遠心分離して、目的のモノクローナ
ル抗体を含む培養上清を得た。得られたクローンの内の
4株(本発明抗体産生ハイブリドーマKOCO571〜
KOCO574)を選定した。
【0074】之等モノクローナル抗体産生細胞は、通商
産業省工業技術院微生物工業技術研究所(微工研)に
「KOCO571」〜「KOCO574」なる表示で寄
託されており、それらの寄託番号は微工研菌寄第125
22号(FERM P−12522)、微工研菌寄第1
2523号(FERM P−12523)、微工研菌寄
第12524号(FERM P−12524)及び微工
研菌寄第12525号(FERM P−12525)で
ある。
【0075】腹水の作製 上記で得た各ハイブリドーマを上記培養液で5%CO
条件下に、37℃にて48時間、50mlフラスコ内
で培養した後、培養液を500rpm、5分間遠心分離
し、得られたペレットを2.5mlのPBSに懸濁させ
た。
【0076】次に、予め2〜3日前にプリスタン(2,
6,10,14−テトラメチルペンタデカン、アルドリ
ッチ社製)を接種しておいたBalb/c系マウス5匹
に、1匹当り0.5mlずつ上記細胞懸濁液を腹腔内投
与し、10〜14日後に、蓄積された腹水を最初の1匹
だけは無菌的に採取して、本発明抗体を含む腹水を得
た。上記腹水を1500rpm、5分間遠心分離した。
ペレットは10%DMSO(ジメチルスルホキシド)及
び10%FCS添加RPMI−1640培地に懸濁さ
せ、冷凍保存した。上清は残りの4匹の腹水と合わせて
引き続く精製に用いた。
【0077】抗体の精製 該腹水からの所望抗体の精製は、抗体精製キット(Bi
o−Rad MAPS−II Kit、バイオ・ラッド
社製)を用いて行なった。即ち、予めプロテインAカラ
ムを約20mlの結合緩衝液で平衡化し、上記で得ら
れた各腹水に倍量の結合緩衝液を加えて混和し、4℃で
2時間静置後、3000rpm、30分間遠心分離し
た。得られた上清を45μmのメンブランフィルター
(マイレクスHA:ミリポア社製)で濾過した。濾液を
プロテインAカラムにアプライし、約30mlの結合緩
衝液で洗浄した。次に、10mlの溶出緩衝液でIgG
を溶出し、1Mトリス塩酸緩衝液1mlを加えて中和し
た。更にPBSに対して4℃で一晩透析した。得られた
透析液を用いて、280nmの吸収を測定し、抗体濃度
を決定した。
【0078】該精製抗体濃度は、ANOC571が0.
42mg/mlであり、ANOC572が0.60mg
/mlであり、ANOC573が1.39mg/mlで
あり、ANOC574が0.60mg/mlであった。
【0079】
【実施例2】本発明モノクローナル抗体の性状 以下、上記で得られた本発明抗体の特性を示す。 抗体のサブクラス CHO[−32−522]M−CSF抗原をPBSで希
釈して10μl/mlとし、イムノプレートに100μ
l/ウェルずつ分注し、4℃で2時間静置してコーティ
ングを行なった。次に、抗原溶液を除去した後、0.1
%BSA及びPBSを400μl/ウェルずつ加え、室
温で1時間静置した後、0.1%BSA及びPBSを除
去し、上清を100μl/ウェルずつ加えた。室温で一
晩インキュベート後、0.05%ツイーン−20及びP
BSでウェルを3回洗浄した。
【0080】次に、抗マウスIgG、IgG2a、I
gG2b、IgG及びIgMポリクローナル抗体(ウ
サギ)(以上いずれもバイオネティクス社製)を0.1
%BSA及びPBSで1000倍に希釈し、100μl
/ウェルずつ添加した。室温で、2時間インキュベート
後、0.05%ツイーン−20及びPBSで3回洗浄し
た。
【0081】次にHRP標識ウサギIgG抗体(バイオ
・ラッド社製:カタログNo.170−6515)を
0.1%BSA及びPBSで5000倍に希釈して10
0μl/ウェルずつ加え、室温で2時間インキュベート
後、0.05%ツイーン−20及びPBSで5回洗浄し
た。最後に、100μl/ウェルの基質溶液を加え、約
5〜10分間発色反応させ、充分に発色させた後、2N
硫酸溶液を100μl/ウェルずつ加えて反応を停止さ
せた。
【0082】上記発色反応の結果、本発明CHO[−3
2−522]M−CSFモノクローナル抗体のサブタイ
プは表1に示す通りであった。
【0083】
【表1】
【0084】抗体産生レベル 実施例1−で得られた培養上清を遠心分離し、得られ
る上清を10%FCS添加RPMI−1640培地に
て、37℃、5%COの条件で10日間インビトロで
培養した。ハイブリドーマが最大細胞密度となった時の
培養上清中のKOCO571のIgG量は約10μg
/mlであり、KOCO572のIgG量は約11μ
g/mlであり、KOCO573のIgG量は約15
μg/mlであり、またKOCO574のIgG量は
約9μg/mlであった。
【0085】抗体の力価 参考例1で得られたCHO[−32−522]M−CS
Fをヨードゲン法にて125Iを標識して、この標識体
10kcpmの内、50%と結合できる抗体の濃度を抗
体価として求めた。得られた各抗体の抗体価を下記表2
に示す。
【0086】
【表2】
【0087】上記より、各抗体の力価はANOC573
>ANOC572>ANOC574>ANOC571の
順であることが判る。
【0088】中和活性 マウスの骨髄細胞を使用したコロニーアッセイ法で中和
活性を求めた。
【0089】その結果、ANOC573の中和活性は、
該ANOC573の1ml当りでCHO[−32−52
2]M−CSFを1.80×10単位中和できるもの
であった。また、ANOC572では5.68×10
単位中和できるものであった。更に、ANOC574と
ANOC571は検出限界以下であった。尚、上記注を
活性は、M−CSF500単位を50%中和する活性を
中和250単位として求めたものである。
【0090】SDS−PAGE レムリの方法に従い、各精製抗体10μlと等量のレム
リのサンプルバッファー(2Me)とを混合し、95
℃で10分間加熱処理し、ミニスラブゲル(15%アク
リルアミド)を用いて、SDS−PAGEを行なった。
尚、上記SDS−PAGEに使用したSDSは和光社製
であり、分子量マーカーとしては、ホスホリラーゼB
(分子量94000)、アルブミン(分子量6700
0)、カルボニックアンヒドラーゼ(分子量3000
0)、トリプシンインヒビター(分子量20100)及
びα−ラクトアルブミン(分子量14400)[いずれ
もファルマシア社製]を用いた。
【0091】その結果、SDS−PAGEによる重鎖と
軽鎖の分子量の和から、本発明抗体の分子量は、ANO
C571が160kdであり、ANOC572が155
kdであり、ANOC573が158kdであり、また
ANOC574が150kdであると確認された。
【0092】ウエスタンブロッティング また、ウエスタンブロッティングをトービンらの方法
[Harry Towbin et al.,Pro
c.Natl. Acad.Sci.,U.S.A.,
76.4350(1979)]に従って、LBK社製セ
ミドライブロッターを用いて行なった。即ち、参考例1
で得たCHO[−32−522]M−CSF免疫抗原を
レムリの方法に従いレムリのサンプルバッファー[2M
及び2ME]のそれぞれ等量と混合し、95℃で
10分間加熱処理し、ミニスラブゲル(15%ポリアク
リルアミド)を用いてSDS−PAGEを行なった。上
記電気泳動後、ニトロセルロース膜に膜蛋白を転写し、
洗浄液[0.5%ツイーン−20、PBS(pH7.
2)]にて洗浄後、1%スキムミルク及びPBSで室温
で一晩処理した。再び洗浄後、実施例1で得た本発明の
各抗CHO[−32−522]M−CSFモノクローナ
ル抗体液10μg/mlと室温で2時間反応させた。P
BSで3回洗浄した後、1000倍に希釈したパーオキ
シダーゼ標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(バイオ・ラッド
社製)液に浸し、室温で2時間静置反応させた。前記洗
浄液で3回洗浄後、発色基質である4−クロロ−1−ナ
フトール液にニトロセルロース膜を浸して発色させた。
バンドが現れた時点で、蒸留水で洗浄して反応を停止さ
せた。
【0093】尚、上記においてプレステイン分子量マー
カーとしては、ホスホリラーゼB(分子量10600
0)、ウシ血清アルブミン(分子量80000)、オボ
アルブミン(分子量49500)、カルボニックアンヒ
ドラーゼ(分子量32500)、ダイズトリプシンイン
ヒビター(分子量27500)及びリゾチーム(分子量
18500)[いずれもバイオ・ラッド社製]を用い
た。
【0094】上記ウエスタンブロッティングの結果を第
1図に示す。
【0095】該図より、CHO[−32−522]M−
CSFは、2ME(−)においてのみ分子量約85kd
のバンドとして認められることが判る。
【0096】
【実施例3】抗CHO[−32−522]M−CSFポ
リクローナル抗体の製造 参考例1で得たCHO[−32−522]M−CSF
精製品1mg/mlをPBSに溶解させ、これにフロイ
ンドの完全アジュバント液を等量加えて懸濁液を作成し
た。この懸濁液を数羽の家兎(New−Zealand
White Rabbit、体重2.5〜3.0k
g)に、CHO[−32−522]M−CSFを免疫抗
原として1回量40μg/ウサギとなる量で、1ケ月毎
に皮下投与して免疫した。最初の免疫を合わせて合計7
回免疫し、最終免疫の1週間後に各ウサギより全採血し
て抗血清を得た。得られた抗血清より、石川らの方法
[J.Immunoassay,4,209(198
3)]に従って、硫安分画及びジエチルアミノエチル−
セルロースカラム分画を行なってIgGを採取し、これ
を精製品CHO[−32−522]M−CSFを用いた
アフィニティークロマトグラフィーにて精製して、所望
のウサギ抗ヒトM−CSFポリクローナル抗体を得た。
【0097】得られた抗体(3種)を「OCT51
1」、「OCT512」及び「OCT513」と命名す
る。之等は−80℃で保存された。之等の内、OCT5
11については、前述したPCT特許国際公開WO91
−06567号公報に詳述されている。
【0098】以下、上記で得られた抗体の性質を示す。
【0099】抗体力価 CHO[−32−522]M−CSFを、ヨードゲン法
にて125Iで標識して、この125I標識CHO[−
32−522]M−CSFの10kcpmの内、50%
と結合できる抗体の希釈倍率を抗体価として求めた。各
抗体の抗体力価を下記表3に示す。
【0100】
【表3】
【0101】中和活性 マウスの骨髄細胞を使用したコロニーアッセイ法で中和
活性を求めた所、OCT511の中和活性は、OCT5
11の1ml当りでCHO[−32−522]M−CS
Fを1〜2×10単位中和できるものであり、OCT
512では同1〜2×10単位を中和でき、またOC
T513では同1〜2×10単位を中和できるもので
あった。
【0102】交差反応性 OCT511、OCT512及びOCT513は、いず
れもマウスCSF(L−Cellの培養上清)及びヒト
GM−CSF(アマシャム社)と全く交差せず、更にヒ
トIL−1α(特開昭63−164899号公報参
照)、IL−1β(特開昭63−152398号公報参
照)、IL−2(アマシャム社)、TNF−α(アマシ
ャム社)にもそれぞれ全く交差しなかった。
【0103】
【実施例4】本発明モノクローナル抗体の製造 抗E.coli[3−153]M−CSFを抗原とす
るモノクローナル抗体の製造 参考例2で製造したE.coli[3−153]M−C
SFを免疫抗原として用いて、実施例1と同様にして所
望抗体を製造した。即ち、精製E.coli[3−15
3]M−CSFにより感作したリンパ球細胞を作成し、
これをマウス骨髄腫細胞と融合させて得られたハイブリ
ドーマを培養し、E.coli[3−153]M−CS
Fを免疫抗原とするELISA法により試験し、陽性と
なったウェルから限界希釈法によりクローニングを行な
った。3回のクローニングの後、所望の反応特異性を有
する本発明モノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ4株を得た。之等はそれぞれ「MMC−1」〜「MM
C−4」と命名された。
【0104】上記各クローンを培養後、遠心分離して目
的モノクローナル抗体を含む培養上清を得た。得られた
クローンの内1株(本発明モノクローナル抗体産生ハイ
ブリドーマ)を選択した。
【0105】上記モノクローナル抗体産生ハイブリドー
マMMC−1は、通商産業省工業技術院微生物工業技術
研究所(微工研)に「MMC−1」なる表示で寄託され
ており、その寄託番号は微工研菌寄第12537号(F
ERM P−12537)である。
【0106】腹水の作製 上記で得た各ハイブリドーマを用いて、実施例1−
と同様の方法により腹水を作成した。
【0107】抗体の精製 上記で得た腹水からの所望抗体の精製を、抗体精製キ
ット(Bio−RadMAPS−II Kit、バイオ
・ラッド社製)を用いて、実施例1−同様にして実施
した。得られた精製抗体(各起源ハイブリドーマに対応
して之等抗体のそれぞれを「MMC−1」〜「MMC−
4」と呼ぶ)を含有する各透析液を用いて、280nm
の吸収を測定し、各抗体濃度を決定した。
【0108】その結果、MMC−1は0.74mg/m
lであり、MMC−2は1.00mg/mlであり、M
MC−3は0.72mg/mlであり、MMC−4は
1.32mg/mlであった。
【0109】
【実施例5】モノクローナル抗体の性状 以下、上記実施例4で得られた本発明抗体の特性を、免
疫抗原として参考例2で得た精製品E.coli[3−
153]M−CSFを用いて実施例2と同様にして求め
た。
【0110】抗体のサブクラス 各抗体のサブクラスは下記表4に示す通りである。
【0111】
【表4】
【0112】抗体産生レベル ハイブリドーマが最大細胞密度となった時の培養上清中
のMMC−1のIgG量は約12μg/mlであり、
MMC−2のIgG量は約10μg/mlであり、M
MC−3のIgG2b量は約8μg/mlであり、また
MMC−4のIgG量は約9μg/mlであった。
【0113】抗体の力価 参考例2で得たE.coli[3−153]M−CSF
を用いて各抗体の段階希釈液を作成し、之等各抗体溶液
と固相化したE.coli[3−153]M−CSFプ
レートとを反応させて、実施例2−の方法に従って各
抗体の力価を求めた。その結果を下記表5に示す。
【0114】
【表5】
【0115】SDS−PAGE 実施例2−と同様にして求めた。その結果、SDS−
PAGEによる重鎖と軽鎖の分子量の和から、本発明抗
体の分子量は、MMC−1が152kdであり、MMC
−2が161kdであり、MMC−3が159kdであ
り、またMMC−4が155kdであると確認された。
【0116】ウエスタンブロッティング 実施例2−と同様にして、参考例2で得られた精製
E.coli[3−153]M−CSFを免疫抗原とし
て可溶化後、ポリアクリルアミドゲルに付し、電気泳動
にかけてウエスタンブロッティングを行なった。その結
果、E.coli[3−153]M−CSFは分子量約
32kdのバンドとして検出された。
【0117】
【実施例6】抗E.coli[3−153]M−CSF
ポリクローナル抗体の製造 参考例2で得たE.coli[3−153]M−C
SF精製品1mg/mlをPBSに溶解させて免疫抗原
として用いて、実施例3と同様にして、所望のウサギ抗
ヒトM−CSFポリクローナル抗体を得た。
【0118】得られた抗体(3種)を「OCT52
1」、「OCT523」及び「OCT524」と命名す
る。之等は−80℃で保存された。
【0119】以下、各抗体の性質を実施例3と同様にし
て求めた結果を示す。 抗体力価 E.coli[3−153]M−CSFを、ヨードゲン
法にて125Iで標識し、この125I標識E.col
i[3−153]M−CSFの10kcpmの内、50
%と結合できる抗体の希釈倍率を抗体力価として求めた
結果を表6に示す。
【0120】
【表6】
【0121】中和活性 マウスの骨髄細胞を使用したコロニーアッセイ法で中和
活性を求めた所、OCT521は、1〜2×10単位
で、OCT523では同1〜2×10単位で、またO
CT524では同1〜2×10単位で、それぞれE.
coli[3−153]M−CSFを中和できた。
【0122】交差反応性 OCT521、OCT523及びOCT524は、いず
れもマウスCSF(L−Cellの培養上清)及びヒト
GM−CSF(アマシャム社)と全く交差せず、更にヒ
トIL−1α(特開昭63−164899号公報参
照)、IL−1β(特開昭63−152398号公報参
照)、IL−2(アマシャム社)及びTNF−α(アマ
シャム社)にもそれぞれ全く交差しなかった。
【0123】
【実施例7】ウエスタンブロッティングによる各抗体の
反応性 前記各例で得られたポリクローナル抗体、モノクローナ
ル抗体、CHO[−32−522]M−CSF及びE.
coli[3−153]M−CSFの反応性を、ウエス
タンブロッティングにより検討した。その結果を表7に
示す。
【0124】
【表7】
【0125】該表は縦に各ポリクローナル抗体及びモノ
クローナル抗体を、横に抗原として用いたCHO[−3
2−522]M−CSF及びE.coli[3−15
3]M−CSFをとり、それぞれの反応性を示したもの
であり、2MEは還元状態での反応を、2MEは非
還元状態での反応を示す。また表において、−は反応せ
ずを、(+)は僅かに反応するを、+は反応するを、ま
た++は強く反応するをそれぞれ示す。
【0126】該表より、ポリクローナル抗体の場合、C
HO由来のM−CSFで作成したポリクローナル抗体O
CT511〜OCT513は、CHO由来のM−CSF
と強く反応するが、大腸菌由来のE.coli[3−1
53]M−CSFとはあまり反応せず、逆に大腸菌由来
のE.coli[3−153]M−CSFで作成したポ
リクローナル抗体OCT521〜OCT524は大腸菌
由来のE.coli[3−153]M−CSFとは強く
反応するが、CHO由来のM−CSFとはあまり反応し
ないことが判る。また、之等のポリクローナル抗体は還
元状態及び非還元状態のいずれの場合も反応性の違いは
認められないことが判る。
【0127】モノクローナル抗体の場合、大腸菌由来の
E.coli[3−153]M−CSFで作成したモノ
クローナル抗体MMC−1〜MMC−4は大腸菌由来の
M−CSFとは強く反応するが、CHO由来のM−CS
Fとはあまり反応せず、また還元状態下でM−CSFに
は反応せず、非還元状態下で二量体のM−CSFのみに
反応することが判る。更に、CHO由来のM−CSFで
作成したモノクローナル抗体ANOC511〜ANOC
514は、CHO由来のM−CSF及び大腸菌由来のM
−CSFの両者と反応し、二量体のM−CSFにのみ反
応することが判る。
【0128】免疫抗原として糖鎖をもつCHO由来のM
−CSFを使用して作成したANOC571〜ANOC
574は、大腸菌由来のM−CSF(3−153)と結
合することから、蛋白部分を認識することが判った。更
にCHO由来のM−CSFはアミノ酸の配列として20
0以上であると考えられるが、上記各抗体は大腸菌由来
のM−CSFと反応することから、之等各抗体の認識部
位は3−153であることが判る。
【0129】
【実施例8】モノクローナル抗体間の結合関係 モノクローナル抗体同士でM−CSF分子上で立体障害
がなくサンドイッチできる関係を調べる目的で本試験を
行なった。モノクローナル抗体の結合部位が判れば、立
体的にM−CSFを考察できるデーターが得られ、また
M−CSFの測定系を作成する上で役立つと考えられ
る。以下に、その試験方法と結果を示す。
【0130】96ウェルプレートに各モノクローナル抗
体を100μl/ウェル加え、4℃で1時間以上放置し
た後、測定用緩衝液[0.1%BSA、500mgチメ
ロザールをダルベッコPBSに添加した緩衝液]にて洗
浄後、室温で1時間放置して固相化した各モノクローナ
ル抗体(MMC−1、MMC−2、ANOC571〜A
NOC574)とビオチン標識したモノクローナル抗体
[MMC−1、MMC−2及びANOC571〜ANO
C574の各抗体を0.1Mホウ酸緩衝液(pH8.
5)にて透析して濃度を1mg/mlとし、この各抗体
液1mlと50mg/mlのスルホーNHS−ビオチン
(Sulfo−NHS−Biotin、DMSOに溶
解)6μlとを混合し、室温で4時間放置し、4℃でP
BSに対して一晩透析し、4℃に保存したもの]をまず
作成した後、モノクローナル抗体を固相化した96ウェ
ルプレート上で100ng/mlの参考例1で得られた
精製標品M−CSFと室温で一夜以上放置し、充分に反
応させた。洗浄液で3回洗浄後、ビオチン標識したモノ
クローナル抗体各100μlを室温で2時間反応させた
後、洗浄液で洗浄し、次いでHRP標識アビジン溶液
[0.1%BSA及びPBS]を各ウェルに100μl
ずつ加え、室温で2時間反応させ、反応液を除去し、各
ウェルを洗浄液で洗浄後、OPD緩衝液を各100μl
ずつ加え、室温で10分間前後反応させた後、2N硫酸
を各ウェルに100μlずつ加えて反応を停止させた。
HRP活性をOD492nmでOPDの発色を測定し
て、各抗体同士の結合関係を調べた。
【0131】上記結果を表8に示す。
【表8】
【0132】該表において、−は結合せずを、+は結合
するを、++は強く結合するを、それぞれ示す。
【0133】該表より、最も発色の強い組合わせは、A
NOC571−ANOC574であることが明らかであ
り、またANOC572、ANOC573は同種の抗体
でサンドイッチが形成された。
【0134】
【実施例9】M−CSFの測定方法 大腸菌由来のE.coli[3−153]M−CSF
のELISA法 実施例4で得たE.coli[3−153]M−CSF
モノクローナル抗体を第1抗体として固相化し、これに
参考例2で得られた精製標品E.coli[3−15
3]M−CSFを測定用緩衝液で11段階希釈した溶液
を反応させ、更に実施例6−で得たウサギ抗ヒトM−
CSFポリクローナル抗体を第2抗体として反応させた
後、HRP標識抗家兎IgG抗体を反応させ、基質とし
てo−フェニレンジアミン(OPD)を用いた本発明の
3ステップ固相サンドイッチ法にて以下の通り、本試験
を行なった。
【0135】即ち、実施例4で得られた各抗E.col
i[3−153]M−CSFモノクローナル抗体(MM
C−1〜MMC−4)を、4℃下に96ウェルプレート
に測定用緩衝液[2gのBSAと500mgのチメロザ
ールを21のPBS(シグマ社製)に溶解したもの、p
H7.2]200mlで希釈して、100μlずつ加
え、1時間放置してコーティングを行なった。次に、室
温にて上記測定用緩衝液をプレートに350μlずつ加
えて1時間ブロッキングを行なった。測定用緩衝液を除
去した後、再度測定用緩衝液100μlずつを加え、1
1段階希釈した参考例2で得た精製標品E.coli
[3−153]M−CSFを所定のウェルに100μl
ずつ加えた。室温で12時間以上(通常一晩)反応させ
た後、反応溶液を除き、各ウェルに洗浄液(生理食塩
水)350μlずつを加えて洗浄した。この操作を3回
繰返した。
【0136】次に実施例6−で得られたウサギ抗ヒト
M−CSFポリクローナル抗体(OCT523)を0.
1%BSA及びPBSで2000倍に希釈した抗体溶液
を、所定の各ウェルに100μlずつ分注し、室温で2
時間反応させた後、反応溶液を除去し、各ウェルに洗浄
液を350μlずつ加えて洗浄した。この操作を3回繰
返した後、HRP標識抗家兎IgG抗体溶液(バイオ・
ラッド社製、カタログNo.170−6515)を所定
のウェルに100μlずつ加え、室温で2時間反応させ
た後、反応液を除き、各ウェルに洗浄液を350μlず
つ加えて洗浄した。この操作を3回繰返した。
【0137】その後、OPD緩衝液[OPD(シグマ社
製、製造No.P−8287)1個をOPD緩衝用タブ
レット(シグマ社製、製造No.P−4922を100
mlの純水に溶解したもの)10mlに溶解したもの]
100μlを各ウェルに加え、室温で10分間反応させ
た後、2N硫酸溶液を各ウェルに100μlずつ加えて
反応を停止させた。次に反応を終了した各ウェルをOD
492nmで測定して、M−CSF標準曲線を作成し
た。
【0138】上記で作成された標準曲線を第2図に示
す。
【0139】図において縦軸は492nmでのOD(吸
光度)を、横軸はE.coli[3−153]M−CS
Fの濃度(ng/ml)をそれぞれ示す。
【0140】CHO由来CHO[−32−522]M
−CSFのELISA法 上記実施例9−と同様にして、CH0由来CHO[−
32−522]M−CSFの標準曲線を作成した。
【0141】その結果、得られた測定系の内、抗体が第
1抗体としてANOC573モノクローナル抗体を、第
2抗体としてOCT511ポリクローナル抗体を用いた
サンドイッチの系が、最も測定感度が良好であった。こ
のANOC573とOCT511の組合わせによるM−
CSFの標準曲線を第3図[横軸:492nmでのO
D、縦軸:CHO[−32−522]M−CSF濃度
(pg/ml)]に示す。
【0142】該図より、本発明のヒトM−CSF測定系
の感度は約20pg/mlであることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2に従う本発明抗体のウエスタンブロッ
ティング分析結果を示す。
【図2】実施例9に従う大腸菌由来のM−CSFを利用
したM−CSFの標準曲線を示す。
【図3】実施例9に従うCHO細胞由来のM−CSFを
利用したM−CSFの標準曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 39/395 M 8413−4C U 8413−4C C12N 5/20 15/06 (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 山西 一也 徳島県徳島市大原町東千代ケ丸19−139 (72)発明者 高橋 真行 徳島県鳴門市大津町木津野字仲ノ越79−7

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒトマクロファージコロニー刺激因子に特
    異的に反応することを特徴とするヒトM−CSFモノク
    ローナル抗体。
  2. 【請求項2】ヒトマクロファージコロニー刺激因子の蛋
    白部位をエピトープとして認識する請求項1に記載のヒ
    トM−CSFモノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】還元剤存在下でヒトマクロファージコロニ
    ー刺激因子に反応性を有しない請求項1に記載のヒトM
    −CSFモノクローナル抗体。
  4. 【請求項4】ヒトマクロファージコロニー刺激因子のア
    ミノ酸配列の少なくとも1位Valから151位Thr
    までのアミノ酸配列を認識部位にもつ請求項1に記載の
    ヒトM−CSFモノクローナル抗体。
  5. 【請求項5】組換えチャイニーズハムスター卵巣細胞由
    来のヒトマクロファージコロニー刺激因子を免疫抗原と
    して免疫された哺乳動物の脾細胞と哺乳動物の骨髄腫細
    胞との融合により得られるハイブリドーマの産生する請
    求項1に記載のヒトM−CSFモノクローナル抗体。
  6. 【請求項6】組換え大腸菌由来のヒトマクロファージコ
    ロニー刺激因子を免疫抗原として免疫された哺乳動物の
    脾細胞と哺乳動物の骨髄腫細胞との融合により得られる
    ハイブリドーマの産生する請求項1に記載のヒトM−C
    SFモノクローナル抗体。
  7. 【請求項7】免疫抗原がプラスミドptrpIL−2X
    −M−CSF101で形質転換された組換え大腸菌由来
    のヒトマクロファージコロニー刺激因子である請求項6
    に記載のヒトM−CSFモノクローナル抗体。
  8. 【請求項8】ハイブリドーマがKOCO571(微工研
    菌寄第12522号)である請求項6に記載のヒトM−
    CSFモノクローナル抗体。
  9. 【請求項9】ハイブリドーマがKOCO572(微工研
    菌寄第12523号)である請求項6に記載のヒトM−
    CSFモノクローナル抗体。
  10. 【請求項10】ハイブリドーマがKOCO573(微工
    研菌寄第12524号)である請求項6に記載のヒトM
    −CSFモノクローナル抗体。
  11. 【請求項11】ハイブリドーマがKOCO574(微工
    研菌寄第12525号)である請求項6に記載のヒトM
    −CSFモノクローナル抗体。
  12. 【請求項12】ハイブリドーマがMMC−1(微工研菌
    寄第12537号)である請求項6に記載のヒトM−C
    SFモノクローナル抗体。
  13. 【請求項13】請求項1に記載のヒトM−CSFモノク
    ローナル抗体を固相化した第1抗体と検体とを反応さ
    せ、次いで反応物に他のヒトM−CSF抗体を反応さ
    せ、得られる反応複合体と酵素標識抗体とを反応させる
    3ステップサンドスイッチ法により検体中のヒトM−C
    SFを測定することを特徴とするマクロファージコロニ
    ー刺激因子の免疫測定法。
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